JPH07206889A - ショ糖脂肪酸エステルの製造方法 - Google Patents

ショ糖脂肪酸エステルの製造方法

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JPH07206889A JP361694A JP361694A JPH07206889A JP H07206889 A JPH07206889 A JP H07206889A JP 361694 A JP361694 A JP 361694A JP 361694 A JP361694 A JP 361694A JP H07206889 A JPH07206889 A JP H07206889A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ショ糖と脂肪酸アルキルエステルとをDMS
O溶媒中で反応させてショ糖脂肪酸エステル(SE)を
製造する方法において、反応混合物を有機溶媒と水を用
いて液液抽出し、SEを含む有機溶媒溶液を取得する。
次いでこの有機溶媒溶液を水を用いた共沸蒸留により大
部分の有機溶媒を除去し、SEの水溶液を得る。次い
で、このSE水溶液を薄膜蒸発器で処理して残存する有
機溶媒を完全に除去する。 【効果】 工業的有利に、純度の高いショ糖脂肪酸エス
テルを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ショ糖脂肪酸エステル
(以下、SEと略記する。)の製造方法に存する。更に
詳しくは、本発明は溶媒法によって製造したSEを含む
反応混合物から、高純度のSEを工業的有利に、且つ安
定的に取得するための工業的な精製方法を提供するもの
である。
【0002】
【従来の技術】SEは優れた界面活性能、良好な生分解
性および安全性を兼備しているので、従来、食品、化粧
品、医薬品、台所用洗剤、飼料、樹脂などの添加剤とし
て、また化学工業においては、例えば重合反応、酸化反
応などの、反応助剤として用いられており、極めて有用
な化合物である。
【0003】SEの製造方法としては、N,N−ジメチ
ルホルムアミド又はジメチルスルホキシド(以下、DM
SOと略記する。)等の反応溶媒中で、アルカリ触媒の
存在下、ショ糖と脂肪酸メチルのような脂肪酸エステル
とのエステル交換反応による方法(特公昭35−131
02)等が知られている。
【0004】上記方法によって得られた反応混合物は、
SEの他に反応溶媒、未反応ショ糖およびアルカリ触媒
などを含有している。この混合物からSEを分離するに
は、通常、ヘキサン、ブチルアルコール、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、のような有機溶媒お
よび水を用いて液液抽出し、主としてSEを有機溶媒相
に、未反応ショ糖、反応溶媒を水相にそれぞれ移行させ
る。次いで有機溶媒相と水相を分液し、SEを含有する
有機溶媒相から有機溶媒を蒸留等により除去し、SEを
回収する方法が提案されている。(特公昭48−219
27、特公昭48−35049、特開昭50−2941
7、50−130712等)
【0005】この方法において重要なことは、最終的に
得られるSE中に有機溶媒を残留させないことである。
しかし、SEを含む有機溶媒溶液から、食品、化粧品、
医薬品等の用途に好適な程度にまで有機溶媒含量を低減
させたSEを回収することは極めて困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、DMSO溶
媒中でSEを合成し、得られた反応混合物を液液抽出し
て得たSEを含む有機溶媒溶液からSEを効率よく分離
・回収し、高純度SEを工業的有利に、安定的に製造す
るための工業的精製方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、ショ糖と
脂肪酸エステルとのエステル化反応をDMSO溶媒中で
実施して得られる反応混合物からのSEの分離・取得法
について種々検討した結果、水と共沸する炭素数4以上
のアルコール又はケトンからなる有機溶媒と水を用いて
反応混合物を液液抽出してSEを含む有機溶媒溶液を
得、次にこの有機溶媒溶液を蒸留塔上部に、水を蒸留塔
下部に供給して、共沸蒸留により有機溶媒を留去してS
Eの水溶液を得、この水溶液から薄膜蒸発器を用いて水
を蒸発させることにより、実質的に有機溶媒を含まな
い、高純度のSEが安定して回収できることを見出し、
本発明を完成させた。
【0008】以下、本発明につき詳細に説明する。本発
明においてショ糖との反応に用いる脂肪酸アルキルエス
テルとしては、通常、炭素数6〜30、好ましくは8〜
22の飽和または不飽和脂肪酸(例えば、カプロン酸、
カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、ベヘニン酸などの飽和脂肪酸;リノ
ール酸、オレイン酸、リノレイン酸、エルカ酸、リシノ
ール酸などの不飽和脂肪酸など)と炭素数1〜4の低級
脂肪族アルコール(例えば、メタノール、エタノール、
プロパノール、ブタノールなど)とのエステルが挙げら
れる。脂肪酸アルキルエステルは、1種又は任意の割合
からなる2種以上の混合物を用いてもよい。脂肪酸アル
キルエステルは通常、ショ糖1モルに対して0.1〜2
0モル使用するが0.2〜8モル使用するのがより好ま
しい。
【0009】反応溶媒としては、熱的安定性、ショ糖に
対する溶解性および安全性の点からして、DMSOを用
いる。反応溶媒の使用量は、ショ糖と脂肪酸アルキルエ
ステルとの合計量に対して、通常20〜150重量%、
好ましくは30〜80重量%である。
【0010】反応はアルカリ触媒の存在下に行なうが、
反応系は実質的に非水系であるためアルカリ触媒は反応
系内に懸濁状態で存在する。アルカリ触媒としては例え
ば、アルカリ金属水素化物、アルカリ金属水酸化物、弱
酸のアルカリ金属塩等が有効であり、特に炭酸アルカリ
金属塩(例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなど)
が好ましい。これらアルカリ触媒の使用量は通常、脂肪
酸アルキルエステルに対して、0.001〜0.1当量
である。
【0011】反応温度は通常、40〜170℃の範囲の
中から採用されるが、特に60〜150℃の範囲が好ま
しい。反応圧力は通常0.2〜43KPa、好ましくは
0.7〜32KPaである。ショ糖と脂肪酸アルキルエ
ステルの反応は反応溶媒の還流下に実施することが望ま
しい。これにより反応中に副生するアルコールを容易に
反応系外に除去することができる。また、反応時間は原
料の仕込量や、目的とするSEにより異なるが、通常、
1〜10時間程度である。
【0012】ショ糖は水酸基を8個有しているので、生
成したSEは理論上はモノエステルからオクタエステル
までの混合物であり、原料の使用割合により生成エステ
ルの組成を調製することができる。かくして得られたシ
ョ糖と脂肪酸エステルとの反応混合物は、SEの他、反
応溶媒のDMSO、未反応原料、アルカリ触媒等を含有
している。本発明はこの混合物からSEを高純度で、し
かも、高収率で回収しようとするものである。
【0013】本発明では先ず、反応混合物につき、抽剤
として水と共沸する有機溶媒と水を用いて液液抽出を行
ない、反応混合物中のSEを有機溶媒相に抽出し、DM
SOや未反応ショ糖等を水相に抽出する。この液液抽出
においては、反応混合物中のDMSO濃度が高すぎる
と、DMSOの水相への移行が不十分となりやすい。従
って、反応混合物中のDMSO濃度が高い場合には、予
め、その一部を留去して濃度を調整しておくのが好まし
い。DMSOの留去は例えば薄膜蒸発器を用いて、減圧
下、60〜150℃の温度で実施する。
【0014】また、ショ糖と脂肪酸アルキルエステルの
反応の末期に、凝縮器から反応容器に還流させるDMS
Oの一部を系外に抜出することにより、反応混合物中の
DMSOの濃度を、先述の範囲に調整することもでき
る。液液抽出に供する反応混合物中のDMSOの濃度
は、10〜80重量%、特に20〜50重量%の範囲に
あるのが好ましい。
【0015】反応混合物中にはアルカリ触媒が残留して
いるので、これを中和してから液液抽出を行なうのが好
ましい。液液抽出に際して、水相のpHを調整すること
で、抽出時のSEの加水分解を抑制し、SEの有機溶媒
相への効率的な抽出及び有機溶媒相と水相との分液性を
より向上させることができる。液液抽出に際しての好適
なpHは3〜7.0、特に4〜6.5である。抽出に際
してのpHの調整は、予じめ反応混合物に酸を添加して
行なっておいてもよく、また反応混合物に酸水溶液と有
機溶媒とを一緒に混合することによって行なってもよ
い。
【0016】液液抽出に用いる、水と共沸する有機溶媒
としては、炭素数4以上、好ましくは炭素数4〜10の
アルコール又はケトンからなるものであり、通常、n−
ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、n−ア
ミルアルコール、イソアミルアルコール、n−ヘキサノ
ール、シクロヘキサノール、メチルエチルケトン、ジエ
チルケトンまたはメチルイソブチルケトン等が用いら
れ、なかでもn−ブタノール、イソブタノールが好まし
い。反応混合物に対する有機溶媒の使用量は、反応混合
物中のSE1重量部に対して、通常、0.5〜20重量
部、好ましくは1〜10重量部である。一方、水の使用
割合は、通常、有機溶媒1重量部に対して、水0.05
〜10重量部、好ましくは0.5〜2重量部である。
【0017】pH調整のために用いられる酸としては、
通常、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、コハク
酸、安息香酸、クエン酸、マレイン酸、リンゴ酸、酒石
酸および乳酸から選ばれる有機酸であり、好ましくは乳
酸およびクエン酸が用いられる。上記有機酸の使用量
は、ショ糖と脂肪酸エステルの反応に用いたアルカリ触
媒量に対して、通常、0.1〜3.0当量の範囲であ
る。液液抽出時のSEの加水分解、SEの水相側への移
行、抽出時の界面形成不良などを抑制する点からは0.
5〜1.5の範囲が好ましい。
【0018】本発明における反応混合物の液液抽出にお
いては安定操業上、塩析剤の存在下で行なわれること
が、より好ましい。塩析剤の種類は任意であるが、pH
調整に用いた有機酸の塩が好ましい。SEの食品、医薬
品、台所用洗剤、飼料等の添加物としての安全性、安定
性および抽出時の界面形成性の点からクエン酸アルカリ
塩または乳酸アルカリ塩が好ましい。液液抽出は通常、
塩析剤の濃度が50ppm以上の条件下で行なわれる
が、安定操業性および経済性の点等から500〜300
0ppmの範囲が好ましい。
【0019】液液抽出は、ミキサーセトラー抽出器、向
流微分型抽出塔、非攪拌式段型抽出塔、攪拌式段型抽出
塔等公知の任意の抽出器を用いて行なうことができる。
ミキサーセトラー型抽出器が経済性、抽出効率等の点か
ら好ましい。抽出は多段階で行なうのが好ましい。例え
ばミキサーセトラー型抽出器で第1段階の抽出を行な
い、得られたSEを含む有機溶媒溶液を回転円板型抽出
塔の下部に供給して上昇させ、塔頂からは水を供給して
下降させて、有機溶媒溶液中のDMSOを水相に抽出す
る。塔頂からはDMSOを殆んど含まない有機溶媒溶液
を回収して次の蒸留工程に供給し、塔底からはDMSO
を含む水溶液を回収して第1段階のミキサーセトラー抽
出器に供給する。
【0020】液液抽出により得られた、SEを含有する
有機溶媒溶液からのSEの回収は、このSE含有有機溶
媒溶液から共沸蒸留により、有機溶媒の大部分を留去し
てSEの水溶液を得る。蒸留工程と、このSE水溶液か
ら残存する有機溶媒及び水を留去して、SEを回収する
薄膜蒸発工程との組合せで行なう。共沸蒸留を行なわず
に、例えば減圧条件下でSE含有の有機溶媒溶液を加熱
して有機溶媒を留去しようとしても、充分に留去するこ
とが難しく、純度の高いSEが得難い。
【0021】共沸蒸留によりSE含有有機溶媒溶液から
有機溶媒を留去し、SE水溶液を得るには、蒸留塔の下
部から水を供給し、蒸留塔の上部から有機溶媒溶液を供
給しつつ蒸留を行なう。有機溶媒は塔下部から上昇して
くる水蒸気により共沸混合物を形成して塔頂から留出
し、塔下部からは有機溶媒濃度の低減したSEの水溶液
が回収される。
【0022】蒸留塔に供給する水の量は、供給する有機
溶媒溶液に対して通常0.1〜10重量倍の範囲である
が、0.1〜5重量倍の範囲で用いるのが好ましい。蒸
留塔としては、通常、段塔及び充填塔が使用される。S
Eの発泡及び経済性などの点から充填塔が好ましい。上
記の蒸留工程により得られたSE水溶液は、次いで薄膜
蒸発工程で残存する有機溶媒を実質的に完全に除去して
SEを取得する。この工程は薄膜蒸発器を用いて行な
う。薄膜蒸発器は、通常、上昇薄膜型、流下薄膜型、水
平薄膜型、及び上記各種型と加熱管内で回転羽根を回転
させる形式のもの等を用いる。好ましくは、流下薄膜型
と加熱管内で回転羽根を回転させる形式を組み合わせた
形式の薄膜蒸発器を用いる。
【0023】薄膜蒸発器による処理の回数は任意である
が、通常は2基以上の薄膜蒸発器を直列に接続した装置
を用い、複数回の処理過程を経るようにするのが有利で
ある。このようにすることにより、処理条件を水溶液の
状態に適合させることができる。処理は減圧下に行なう
のが好ましい。通常は1〜100KPaの圧力下に40
〜150℃で処理するが、5〜70KPaの圧力下に7
0〜120℃で処理するのが更に好ましい。この工程
で、SE水溶液中に微量混入している有機溶媒は実質的
に完全に除去される。若し、SE水溶液中の有機溶媒量
が多い場合には、SE水溶液に水を添加して薄膜蒸発器
にかけ、有機溶媒の留去を促進するのが好ましい。
【0024】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて詳述する
が、本発明はその要旨を超えない限りこれらの実施例に
よって限定されるものではない。なお、以下の実施例及
び比較例において部及び%は重量基準である。
【0025】実施例1 SEの合成 反応器にショ糖とDMSOを仕込み、減圧下に加熱して
DMSOを沸騰させた。蒸気の一部を系外に留出させて
系内の水を除去し、系内の液の含水量が約0.06%と
なった時点で蒸気の留出を中止した。次いで反応器にパ
ルミチン酸メチルと触媒の無水炭酸カリウムを加え、減
圧下にDMSOを沸騰させながら約90℃で反応させ
た。ショ糖に対するパルミチン酸メチルのモル比は0.
3、パルミチン酸エステルに対する炭酸カリウムのモル
比は0.008であった。
【0026】反応終了後、アルカリ触媒に対して等量の
乳酸を添加して触媒を中和した。この反応混合液から次
いでDMSOを留去して濃縮し、DMSO30%、未反
応ショ糖45.7%、SE22.3%、その他2%、の
組成物とした。
【0027】液液抽出 上記の組成物をイソブチルアルコール及び水を用いて液
液抽出を行ない、イソブチルアルコール60%、水26
%及びSE14%を含むイソブチルアルコール溶液を回
収した。
【0028】イソブチルアルコールの回収 充填塔に、その上部から前記で得たイソブチルアルコー
ル溶液を供給し、下部から水を供給して、80℃、5
5.3KPaの圧力下で共沸蒸留を行なった。塔への供
給比率は水1部に対しイソブチルアルコール溶液1.9
6部とした。塔上部からは、イソブチルアルコール61
%及び水39%の留出物を回収した。イソブチルアルコ
ールの回収率は97.7%であった。塔下部より得られ
たSE水溶液の組成は、水71.5%、SE25%、イ
ソブチルアルコール3.5%であった。
【0029】イソブチルアルコールの除去 前記で得られたSE水溶液を縦型薄膜蒸発器に水ととも
に供給し、100℃、10.7KPaの条件下でイソブ
チルアルコールの除去を行なった。蒸発器へのSE水溶
液の供給量は伝熱面積1m2 当り166.5kg/hr
とした。また水の供給量はSE水溶液100部に対し1
0.7部とした。
【0030】薄膜蒸発器から流出したSE水溶液の含水
率は67%であった。また、この水溶液をガスクロマト
グラフィーで分析したところ、イソブチルアルコールの
含有率は50ppmであった。このSE水溶液を再度縦
型薄膜蒸発器に126.1kg/m2 、hrで供給し、
100℃、10.7KPaの条件下でイソブチルアルコ
ールの除去を行なった。蒸発器から流出した溶液の組成
はSE51%、水49%であり、イソブチルアルコール
はFDP検出器を用いたガスクロマトグラフィーによる
分析では検出されなかった(ガスクロマトグラフィーの
検出下限は20ppm)。
【0031】SE水溶液の脱水 前記にて得られたSE水溶液を58.3kg/m2 、h
rで横型薄膜蒸発器に供給し100℃、10.7KPa
の条件下で処理した。横型薄膜蒸発器から流出したSE
中の水分は0.62重量%で、イソブチルアルコール及
びDMSOはガスクロマトグラフィーによる分析では検
出されなかった(ガスクロマトグラフィーによるDMS
Oの検出下限は1ppm)。
【0032】比較例1 実施例1の液液抽出により得られたイソブチルアルコー
ル溶液300gをロータリーエバポレーター用の内容積
1Lの丸底フラスコに入れ、温度60℃の条件下、2時
間かけて圧力を大気圧から1.3KPaまで減圧し、次
いで2時間かけて温度を90℃まで昇温させ、圧力を
0.67KPaに減圧して、イソブチルアルコールの除
去を行った。途中、フラスコ内の発泡が激しく、圧力を
微妙に調節してフラスコ内容物の流出を防いだ。その
後、温度を90℃、圧力を0.13KPaとして2時間
保持し、室温まで冷却して内容物を取り出し、イソブチ
ルアルコール濃度を実施例1と同様の方法で測定したと
ころ、250ppmであった。
【0033】比較例2 比較例1で温度90℃、圧力0.13KPaに到達した
後、一旦、圧力を大気圧にしてから水を100g添加し
て、温度を90℃のまま、2時間かけて圧力を大気圧か
ら0.67KPaまで減圧した。フラスコ内の発泡は比
較例1と同様に激しく、圧力調節を行い流出を防いだ。
次いで90℃、0.13KPaとし、2時間保持した
後、室温まで冷却して内容物を取り出し、イソブチルア
ルコール濃度を実施例1と同様の方法で測定したとこ
ろ、110ppmであった。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、DMSO溶媒法でSE
を製造し、得られた反応混合物を液液抽出し、有機溶媒
相からSEを効率よく回収する、高純度SEの工業的製
造方法を提供する。この方法によって、食品、化粧品お
よび医薬品等の添加物として極めて有用な高純度のSE
を製造できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ触媒の存在下、ジメチルスルホ
    キシドを反応溶媒としてショ糖と脂肪酸アルキルエステ
    ルとを反応させるショ糖脂肪酸エステルの製造方法にお
    いて、水と共沸する炭素数4以上のアルコールまたはケ
    トンからなる有機溶媒及び水を抽剤として用いて反応混
    合物を液液抽出し、反応混合物中のショ糖脂肪酸エステ
    ルを有機溶媒相に、ジメチルスルホキシド及びショ糖を
    水相に抽出する抽出工程、該抽出工程にて得られたショ
    糖脂肪酸エステルを含む有機溶媒溶液を蒸留塔の上部か
    ら供給し、水を蒸留塔の下部から供給して蒸留し、該有
    機溶媒の大部分を留去して有機溶媒濃度の低減したショ
    糖脂肪酸エステル水溶液を取得する蒸留工程、この水溶
    液を薄膜蒸発器に供給して水を蒸発させると共に有機溶
    媒を殆んど含まないショ糖脂肪酸エステルを回収する薄
    膜蒸発工程の各工程を経ることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 薄膜蒸発器が内部に攪拌翼を有すること
    を特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 薄膜蒸発器が縦型薄膜蒸発器であること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006069920A (ja) * 2004-08-31 2006-03-16 Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd ショ糖脂肪酸エステルの製造方法
JP2007153784A (ja) * 2005-12-02 2007-06-21 Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd ショ糖脂肪酸エステルの精製方法
WO2015020073A1 (ja) * 2013-08-09 2015-02-12 第一工業製薬株式会社 ショ糖脂肪酸エステルの製造方法

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