JP6858011B2 - 4−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルの製造方法 - Google Patents

4−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、4−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルの製造方法に関する。
パラベンは4−ヒドロキシ安息香酸のエステル類の総称であり、化粧品、医薬品、食品等の防腐剤または抗菌剤として幅広く用いられている。
パラベンとしては、4−ヒドロキシ安息香酸メチル(メチルパラベン)、4−ヒドロキシ安息香酸エチル(エチルパラベン)、4−ヒドロキシ安息香酸プロピル(プロピルパラベン)、4−ヒドロキシ安息香酸ヘキシル(ヘキシルパラベン)などが知られており、中でも4−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルは抗菌力が強く、更なる抗菌用途への展開が期待されている。
これらのパラベン類は、通常、酸触媒の存在下、ヒドロキシ安息香酸と脂肪族アルコールとを反応させることによって製造されるが、この反応は平衡反応であるため、原料のいずれか一方を過剰となるように反応に供することによって、目的物の生成率を向上させることが知られている。例えば、ヒドロキシ安息香酸のカルボン酸1モルに対して脂肪族アルコール20〜60モル当量を反応に供することで、高い生成率で目的物を得る方法が提案されている(特許文献1)。
しかしながら、過剰量の脂肪族アルコールを反応に供すると、大容積の反応装置が必要になるとともに、生産効率の低下や、後処理における脂肪族アルコールの除去工程に長時間を要するという問題があった。
また、4−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルの製造に際しては、目的物である4−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルと反応に使用する1−ヘキサノールとが溶解性等の物性が類似するため、1−ヘキサノールの除去がより困難であるという問題があった。
さらに、特許文献1の方法によって得られる4−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルは、1−ヘキサノールの他、触媒や原料などの不純物が残存するため、低純度のものであった。したがって、生産性に優れ、高収率かつ高純度で4−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルが得られる製造方法が求められていた。
特開2014−108929号公報
本発明の目的は、生産性に優れるとともに、副生物の生成を抑制し、高収率で4−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルが得られる製造方法を提供することにある。また、本発明の別の目的は、高純度の4−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルが得られる製造方法を提供することにある。
本発明者らは、4−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルの製造方法について鋭意検討した結果、酸触媒の存在下、4−ヒドロキシ安息香酸と所定量の1−ヘキサノールを反応させることによって、4−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルが高収率かつ高生産効率で得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明者らは、また、酸触媒の存在下、4−ヒドロキシ安息香酸と1−ヘキサノールを反応させることによって得られる、4−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルを含む粗組成物に、塩基性水溶液を添加して粗組成物を中和した後、有機層と水層に分離し、有機層を抽出することによって、未反応のカルボン酸や酸触媒などを除去し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、酸触媒の存在下、4−ヒドロキシ安息香酸1モル当量と1−ヘキサノール0.8〜3.0モル当量とを反応させる工程を含む、式(1)で表される4−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルの製造方法を提供する。
Figure 0006858011
また本発明は、酸触媒の存在下、4−ヒドロキシ安息香酸と1−ヘキサノールとを反応させることにより、式(1)で表される4−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルを含む粗組成物を得る工程、次いで前記粗組成物に塩基性水溶液を添加して粗組成物を中和する工程、次いで有機層と水層に分離し、有機層を抽出する工程を含む、式(1)で表される4−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルの製造方法を提供する。
Figure 0006858011
本発明によれば、生産性に優れるとともに、副生物の生成を抑制し、高収率で4−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルを得ることができる。
また、本発明によれば、簡易な方法でより高純度の4−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルを得ることができる。
本発明において、反応原料として使用される4−ヒドロキシ安息香酸および1−ヘキサノールは、市販のものを用いてもよく、また当業者に知られた方法で製造したものを用いてもよい。
本発明で使用される1−ヘキサノールは、4−ヒドロキシ安息香酸1モル当量に対し、0.8〜3.0モル当量、好ましくは0.9〜2.5モル当量、より好ましくは1.0〜2.0モル当量、さらに好ましくは1.1〜1.8モル当量反応させるのがよい。
4−ヒドロキシ安息香酸1モル当量に対し、1−ヘキサノールの量が0.8モル当量を下回る場合、得られる4−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルの収率が低下する。また、1−ヘキサノールの量が3.0モル当量を上回る場合、過剰量の1−ヘキサノールが残存し、生産効率が低下するとともに、後処理工程において、1−ヘキサノールの除去に長時間を要する。
本発明では、例えば4−ヒドロキシ安息香酸1モル当量と1−ヘキサノール1.5モル当量とを反応させることは、4−ヒドロキシ安息香酸1モル当量に対し、1−ヘキサノールが1.5モル当量となるような量で存在させて反応させることを意味する。
本発明に使用される酸触媒としては、p−トルエンスルホン酸、硫酸、塩酸、リン酸および硝酸からなる群から選択される1種以上が挙げられ、入手容易性および反応性に優れる点で、硫酸またはp−トルエンスルホン酸が好ましく、特に、反応性および副生物抑制効果に優れる点でp−トルエンスルホン酸が好ましい。p−トルエンスルホン酸は水和物であってもよい。
これらの触媒は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に使用される酸触媒の量は特に限定されないが、4−ヒドロキシ安息香酸100重量部に対し、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.3〜6重量部、さらに好ましくは0.5〜3重量部である。
4−ヒドロキシ安息香酸100重量部に対し、酸触媒の量が0.1重量部を下回る場合、反応が十分に進行しない傾向がある。酸触媒の量が10重量部を上回る場合、1−ヘキサノールの2量化エーテル体等の副生物が生成する傾向があるとともに、経済的にも不利となる。
4−ヒドロキシ安息香酸と1−ヘキサノールとの反応における反応温度は特に限定されないが、100℃以上が好ましく、135℃以上がより好ましい。反応温度が100℃を下回る場合、反応が十分に進行しない傾向がある。
反応時間は、反応温度等の条件によって変動するため特に限定されないが、1〜20時間、好ましくは2〜14時間、より好ましくは4〜8時間の間で適宜選択される。
本発明において、4−ヒドロキシ安息香酸と1−ヘキサノールとの反応は、不活性ガス気流下またはバブリング下、もしくは減圧条件下で行うのが好ましい。このような条件下で反応させることによって、酸素や水分による反応阻害や触媒失活を回避し、反応を円滑に進行させることが可能となる。
不活性ガスとしては、4−ヒドロキシ安息香酸と1−ヘキサノールとの反応を阻害しないガスであればよく、具体的には、窒素、二酸化炭素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノンおよびクリプトンからなる群から選択される1種以上が挙げられる。これらの中で、入手容易性および経済性に優れる点で、窒素が好ましい。
不活性ガスは、原料である4−ヒドロキシ安息香酸および1−ヘキサノールを収容する反応容器の反応液上部の空間部に吹き込んでもよく、あるいは、反応液中に直接吹き付けてもよい。
酸触媒の存在下、4−ヒドロキシ安息香酸と1−ヘキサノールとを反応させる工程によって得られる、式(1)で表される4−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルを含む粗組成物は、精製により、純度を高めることができる。
精製は、前記粗組成物に塩基性水溶液を添加して粗組成物を中和する工程、次いで有機層と水層に分離し、有機層を抽出する工程を含むのが、生成物の純度を効率よく高められる点で好ましい。上記反応後の粗組成物は、反応温度から40〜100℃冷却した後、続く精製方法に供するのがよい。
式(1)で表される4−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルを含む粗組成物とは、目的物である4−ヒドロキシ安息香酸ヘキシル以外に、反応原料や触媒および反応副生物などの不純物を含む組成物を意味する。
粗組成物中に含まれる不純物の例としては、原料である4−ヒドロキシ安息香酸や1−ヘキサノール、触媒等が挙げられる。また、不純物には、1−ヘキサノールの2量化エーテルや、1−ヘキサノールと酸触媒との反応による硫酸エステル等の反応副生物も包含される。
粗組成物中に塩基性水溶液を添加して粗組成物を中和する工程(以下、中和工程という)、および有機層と水層に分離し、有機層を抽出する工程(以下、抽出工程という)は、具体的には、反応後の粗組成物を冷却した後、中和工程において、粗組成物中に塩基性水溶液を添加し、攪拌を継続することによって酸触媒を失活させる。その後、抽出工程において反応系を静置して有機層と水層に分離し、有機層を回収することにより行われる。
塩基性水溶液に含まれる塩基性化合物としては、トリエチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、モノメチルアミン、ジメチルアミン、エチレンジアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ピロリジン、ピペリジン、ピリジン、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウムおよび炭酸水素カリウムからなる群から選択される1種以上が挙げられる。これらの中で、有機層と水層との分離性および入手容易性に優れる点で炭酸水素ナトリウムが好ましい。
塩基性化合物の添加量は、酸触媒を中和できる量以上であればよく、通常、塩基性水溶液全量に対して1〜10重量%である。
塩基性水溶液全量に対し塩基性化合物の添加量が1重量%を下回る場合、中和が不完全となる傾向がある。塩基性化合物の添加量が10重量%を上回る場合、過剰な塩基性物質が不純物として目的物に残存する傾向があるとともに、経済的にも不利となる。
抽出工程における水の量は、原料である4−ヒドロキシ安息香酸100重量部に対して100重量部以上であるのが好ましい。4−ヒドロキシ安息香酸100重量部に対して水の量が100重量部を下回る場合、不純物となる原料の4−ヒドロキシ安息香酸や触媒、金属分が目的物中に残存して品質が低下する。抽出工程における水の量を調節するために、抽出工程において水を更に添加してもよい。
中和工程および抽出工程は、更に精製効果を高めるために繰返し行ってもよく、また、金属除去のために水洗浄を行ってもよい。
抽出工程において回収された有機層は、更に下記精製工程AまたはBに供するのが好ましい。精製工程AおよびBは、精製後に求められる4−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルの品質等によって適宜選択される。また、これらの精製工程は、単独でまたは組み合わせて行うことができる。
[精製工程A]
精製工程Aは、抽出された有機層の不純物を留去する工程(以下、不純物留去工程という)、次いで有機層に溶媒を添加して晶析する工程(以下、晶析工程という)を含む。
不純物留去工程において、留去される不純物としては、原料である1−ヘキサノールの他に、反応で副生した1−ヘキサノールの二量化エーテルのような低沸点の化合物も含まれる。
不純物の留去は、有機層を加熱および/または減圧することによって行われる。加熱および減圧における温度および圧力は、同時に実施する場合、60〜160℃および40〜80Torrであるのが好ましく、80〜140℃および50〜70Torrであるのがより好ましい。加熱のみで留去する場合は、水を添加し、90〜130℃で共沸することが好ましい。
加熱および/または減圧時間は特に限定されないが、上記条件において不純物が有機層から留去されなくなるまで行うのがよい。
次いで晶析工程において、有機層に溶媒を添加し、加熱して溶解させた後、冷却することによって4−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルを晶析させることができる。析出した結晶を濾過等により固液分離し、洗浄、乾燥することによって、高純度の4−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルを得ることができる。
晶析工程で使用される溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールおよびエチレングリコール等からなる群から選択される1種以上のアルコールを含むアルコール水溶液が挙げられ、精製効率および入手容易性の観点からメタノール水溶液が好ましい。
アルコール水溶液の濃度は10〜50重量%が好ましく、さらに好ましくは20〜40重量%である。アルコール水溶液の濃度が10重量%を下回る場合、得られる4−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルの結晶の純度が低下する傾向があり、アルコール水溶液の濃度が50重量%を上回る場合、得られる4−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルの収率が低下する傾向がある。
晶析工程で使用される溶媒の量は、用いる溶媒の種類によって変動するため特に限定されないが、原料の4−ヒドロキシ安息香酸に対し1〜20倍重量、好ましくは2〜15倍重量、より好ましくは3〜10倍重量である。
溶媒の量が1倍重量を下回る場合、晶析時に撹拌不良が生じる傾向があり、20倍重量を超える場合、収率が低下する傾向があるとともに、経済的にも不利となる。
晶析工程は、溶媒を添加した後、加熱して有機層中の有機物を完全に溶解させた後、撹拌を継続しながら、ゆっくりと冷却して晶析させることにより行われる。
晶析の際に過飽和現象が生じた場合は、種結晶を適宜添加して結晶化を促進させても良い。
晶析工程によって析出した結晶は濾過等の常套手段により固液分離し、目的物である4−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルを回収する。固液分離に際し、適宜溶媒を注いで結晶を洗浄するのが好ましい。固液分離の際に用いる溶媒としては、晶析工程で使用される溶媒と同様のものが使用される。
固液分離によって回収された結晶は、加熱および/または減圧して溶媒を留去することによって、高純度の4−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルを得ることができる。
加熱温度は、4−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルが融解せず溶媒を留去できる範囲であれば特に限定されないが、通常40〜50℃であるのがよい。
減圧時の圧力は、残存する溶媒の種類や量によって異なるため特に限定されないが、通常10Torr以下で行うのがよい。
[精製工程B]
精製工程Bは、抽出された有機層を蒸留する工程を含む。
蒸留としては、常圧蒸留、減圧蒸留、水蒸気蒸留等が挙げられ、特に加熱および減圧を含む蒸留が好ましい。加熱および減圧における温度および圧力は、130〜180℃および0.1〜10Torrであるのが好ましく、140〜170℃および0.1〜3Torrであるのがより好ましい。加熱および減圧を上記範囲内で行うことにより、4−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルの分解が抑制される。また、中和された有機層を用いることで、蒸留中の副反応を抑制することができる。
加熱および減圧時間は特に限定されないが、上記蒸留条件において4−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルが有機層から抽出されなくなるまで行うのがよい。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
粗組成物の組成および得られた結晶の組成は、以下の条件にて高速液体クロマトグラフィー(HPLC)およびガスクロマトグラフィー(GC)による定量分析により求めた。
[高速液体クロマトグラフィー(HPLC)]
装置: Waters アライアンス 2690/2996
カラム型番: L−Column
液量: 1.0mL/min
溶媒比: HO(pH2.3)/CHOH=80/20(8min)→30/70(21min)→10/90(14min)、グラジエント分析
波長: 254nm
カラム温度: 40℃
[ガスクロマトグラフィー(GC)]
装置: 株式会社島津製作所製GC−2014/GC−14A
カラム型番: G−950
注入量: 1.0μL
オーブン温度: 225℃
キャリアガス: ヘリウム
検出器: FID
実施例1
撹拌機、温度センサーおよびディーンスターク装置を備えた300mLスケールの4つ口フラスコ(反応容器)に、4−ヒドロキシ安息香酸(POB)91.2g(0.66モル)、1−ヘキサノール(HexOH)101.1g(0.99モル)および触媒としてp−トルエンスルホン酸一水和物(PTS・HO)1.8gを加え、38mL/minの窒素気流下、145℃まで昇温し、同温度で6時間反応させ、粗組成物を得た。得られた粗組成物をHPLCおよびGCにて定量分析を行った。結果を表1に記す。
実施例2
1−ヘキサノールを60.7g(0.59モル)とした以外は、実施例1と同様にして粗組成物を得た。得られた粗組成物をHPLCおよびGCにて定量分析を行った。結果を表1に記す。
実施例3
1−ヘキサノールを80.9g(0.79モル)とした以外は、実施例1と同様にして粗組成物を得た。得られた粗組成物をHPLCおよびGCにて定量分析を行った。結果を表1に記す。
実施例4(参考例)
1−ヘキサノールを134.8g(1.32モル)とした以外は、実施例1と同様にして粗組成物を得た。得られた粗組成物をHPLCおよびGCにて定量分析を行った。結果を表1に記す。
実施例5(参考例)
p−トルエンスルホン酸一水和物を濃硫酸とした以外は、実施例1と同様にして粗組成物を得た。得られた粗組成物をHPLCおよびGCにて定量分析を行った。結果を表1に記す。
比較例1
1−ヘキサノールを337.2g(3.30モル)とし、反応容器を1Lの4つ口フラスコとした以外は、実施例1と同様にして粗組成物を得た。得られた粗組成物をHPLCおよびGCにて定量分析を行った。結果を表1に記す。
比較例2
p−トルエンスルホン酸一水和物1.8gをテトライソプロポキシチタン7.4gとした以外は、実施例2と同様にして粗組成物を得た。得られた粗組成物をHPLCおよびGCにて定量分析を行った。結果を表1に記す。
比較例3
1−ヘキサノールを33.7g(0.33モル)とした以外は、実施例1と同様にして粗組成物を得ようとしたが、POBが溶解せず撹拌不良となったため、反応を中断した。
Figure 0006858011
実施例6
撹拌機、温度センサーおよび冷却管を備え、底部にコック付きの排出口を設けた1Lスケールの底抜き4つ口フラスコに、実施例1で得られた粗組成物179.9gを80℃まで冷却した後に加えた。ここに、5wt%炭酸水素ナトリウム水溶液127.7gを加え、80℃で1時間撹拌し中和させた。その後撹拌を停止して同温度で30分間静置することにより有機層と水層に分離し、下層の水層を底部の排出口から廃棄し、有機層を抽出した。この抽出工程を更に3回実施し、有機層175.7gを得た。得られた有機層をHPLCおよびGCにて定量分析を行った。結果を表2に記す。
実施例7
撹拌機、温度センサー、リービッヒ冷却管、その先にアダプターと留出液を溜めるフラスコを備えた1Lスケールの減圧蒸留装置に、実施例6で得られた有機層175.7gを加え、60Torrの減圧下で80℃から145℃に昇温しながら2時間溶媒の留去を行った。留去された溶媒量は23.5gであった。
溶媒留去後の残留液を50℃まで冷却し、30wt%メタノール水溶液127.7gを加え、50℃のまま30分間保持し、溶解させた後、25℃まで冷却し、純度99.5wt%のNHPB1.8gを加え、15℃まで冷却し晶析させた。晶析で得られた固形物を濾別によって取り出し、30wt%メタノール水溶液91.2gで洗浄した後、40℃および4.5Torrの条件下で乾燥させて、結晶84.5gを得た(収率57.1mol%)。
得られた結晶を、HPLCおよびGCにて定量分析を行った。結果を表2に記す。
実施例8
撹拌機、温度センサー、リービッヒ冷却管、その先にアダプターと留出液を溜めるフラスコを備えた1Lスケールの減圧蒸留装置に、実施例6で得られた有機層175.7gおよび水273.6gを加え、110℃で3時間溶媒の留去を行った。留去された溶媒量は291.3gであった。
溶媒留去後の残留液を50℃まで冷却し、30wt%メタノール水溶液127.7gを加え、50℃のまま30分間保持し、溶解させた後、25℃まで冷却し、純度99.5wt%のNHPB1.8gを加え、15℃まで冷却し晶析させた。晶析で得られた固形物を濾別によって取り出し、30wt%メタノール水溶液91.2gで洗浄した後、40℃および4.5Torrの条件で乾燥させて、結晶115.8gを得た(収率78.9mol%)。
得られた結晶を、HPLCおよびGCにて定量分析を行った。結果を表2に記す。
実施例9
撹拌機、温度センサー、リービッヒ冷却管、その先にアダプターと留出液を溜めるフラスコを備えた1Lスケールの減圧蒸留装置に、実施例6で得られた有機層175.7gを加え、157℃および1.5Torrで蒸留した結晶138.9gを得た(収率94.7mol%)。得られた結晶をHPLCおよびGCにて定量分析を行った。結果を表2に記す。
Figure 0006858011
このように、表1から分かる通り、本発明によれば、副生物や余分な残存アルコール量を低減できるため、高収率かつ高生産効率で4−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルが得られる。
さらに、表2から分かる通り、本発明によれば、4−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルを含む粗組成物を精製することで、反応原料や副生物などが除去され、高純度の4−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルが得られる。
本発明の好ましい態様は以下を包含する。
〔1〕酸触媒の存在下、4−ヒドロキシ安息香酸1モル当量と1−ヘキサノール0.8〜3.0モル当量とを反応させる工程を含む、式(1)で表される4−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルの製造方法。
Figure 0006858011
〔2〕酸触媒の量が、4−ヒドロキシ安息香酸100重量部に対して0.1〜10重量部である、〔1〕に記載の製造方法。
〔3〕酸触媒が、p−トルエンスルホン酸、硫酸、塩酸、リン酸および硝酸からなる群から選択される1種以上である、〔1〕または〔2〕に記載の製造方法。
〔4〕酸触媒がp−トルエンスルホン酸である、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の製造方法。
〔5〕前記工程が式(1)で表される4−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルを含む粗組成物を得る工程である、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の製造方法。
〔6〕前記粗組成物に塩基性水溶液を添加して粗組成物を中和する工程、次いで有機層と水層に分離し、有機層を抽出する工程を更に含む、〔5〕に記載の製造方法。
〔7〕抽出した有機層の不純物を留去する工程、次いで有機層に溶媒を添加して晶析する工程を更に含む、〔6〕に記載の製造方法。
〔8〕留去を60〜160℃の温度下および40〜80Torrの圧力下で行う、〔7〕に記載の製造方法。
〔9〕溶媒がアルコール水溶液である、〔7〕に記載の製造方法。
〔10〕アルコール水溶液が10〜50%メタノール水溶液である、〔9〕に記載の製造方法。
〔11〕抽出した有機層を蒸留する工程を更に含む、〔6〕に記載の製造方法。
〔12〕蒸留を130〜180℃の温度下および0.1〜10Torrの圧力下で行う、〔11〕に記載の製造方法。
〔13〕酸触媒の存在下、4−ヒドロキシ安息香酸と1−ヘキサノールとを反応させることにより、式(1)で表される4−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルを含む粗組成物を得る工程、
次いで前記粗組成物に塩基性水溶液を添加して粗組成物を中和する工程、
次いで有機層と水層に分離し、有機層を抽出する工程
を含む、式(1)で表される4−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルの製造方法。
Figure 0006858011

Claims (11)

  1. 酸触媒としてのp−トルエンスルホン酸の存在下、4−ヒドロキシ安息香酸1モル当量と1−ヘキサノール0.8〜1.8モル当量とを反応させる工程を含む、式(1)で表される4−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルの製造方法。
    Figure 0006858011
  2. 酸触媒の量が、4−ヒドロキシ安息香酸100重量部に対して0.1〜10重量部である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記工程が式(1)で表される4−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルを含む粗組成物を得る工程である、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記粗組成物に塩基性水溶液を添加して粗組成物を中和する工程、次いで有機層と水層に分離し、有機層を抽出する工程を更に含む、請求項3に記載の製造方法。
  5. 抽出した有機層の不純物を留去する工程、次いで有機層に溶媒を添加して晶析する工程を更に含む、請求項4に記載の製造方法。
  6. 留去を60〜160℃の温度下および40〜80Torrの圧力下で行う、請求項5に記載の製造方法。
  7. 溶媒がアルコール水溶液である、請求項5に記載の製造方法。
  8. アルコール水溶液が10〜50%メタノール水溶液である、請求項7に記載の製造方法。
  9. 抽出した有機層を蒸留する工程を更に含む、請求項4に記載の製造方法。
  10. 蒸留を130〜180℃の温度下および0.1〜10Torrの圧力下で行う、請求項9に記載の製造方法。
  11. 酸触媒としてのp−トルエンスルホン酸の存在下、4−ヒドロキシ安息香酸1モル当量と1−ヘキサノール0.8〜1.8モル当量とを反応させることにより、式(1)で表される4−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルを含む粗組成物を得る工程、
    次いで前記粗組成物に塩基性水溶液を添加して粗組成物を中和する工程、
    次いで有機層と水層に分離し、有機層を抽出する工程
    を含む、式(1)で表される4−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルの製造方法。
    Figure 0006858011
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