JPH07206888A - 胎盤抽出物およびその製造方法 - Google Patents

胎盤抽出物およびその製造方法

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JPH07206888A
JPH07206888A JP6001273A JP127394A JPH07206888A JP H07206888 A JPH07206888 A JP H07206888A JP 6001273 A JP6001273 A JP 6001273A JP 127394 A JP127394 A JP 127394A JP H07206888 A JPH07206888 A JP H07206888A
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Michel Pierre Martin
ミッシェル,ピエール マーチン
Shoonberi Warudenberi Betty Pierre De
ショーンベリ ワルデンベリ ベティ, ピエール ドゥ
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LAB LUCCHINI SA
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Abstract

(57)【要約】 【目的】生物学的活性及び/または治療活性を有し、製
剤及び/または化粧品に使用できる抽出物及びその製造
方法を提供することを目的とする。 【構成】生物学的活性及び/または治療活性を有し、製
剤及び/または化粧品に使用でき、以下のステップによ
り得られる抽出物:ヒトまたは動物由来の胎盤から、不
要な組織を取り除き;脱血し、乾燥し、少なくとも−1
0℃で凍結させ;凍結状態のまま小片としどろどろにつ
ぶし、食塩を含んでもよい冷水と混合して懸濁液とし;
攪拌し静置後に食塩を添加して生理的濃度とし;+15
℃以下で適当な時間攪拌後に静置し、pHを酸性に調整
し;適当な時間約4℃で保存し;遠心し、上清を集め;
この上清を濾過し、濾液を酸性に調整し、濾過し;約6
0℃で少なくとも14時間滅菌し;遠心し、上清を集め
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抽出物およびその抽出
物の製造方法に関する。
【0002】
【発明の背景】従来、胎盤は非常に多様な方法で抽出さ
れてきた。こうした抽出物に基づき、いくつかの産物が
知られている。最も近い先行技術は、ヒト新鮮胎盤の氷
酢酸抽出物を、筋肉内投与によって雑犬に投与し、血糖
値、非エステル化脂肪酸、インスリン様活性、血中コレ
ステロール値等を測定したバート R.L.等(Am.
J.Obst.and Gys.、95巻、579〜5
85頁(1966年) セントルイス)の報告と、酵
素、ホルモンおよびムコポリサッカライドを含むヒト胎
盤抽出物が、低濃度で強い呼吸刺激作用を有することを
見出したローチ S.(JAMA、162巻、915頁
(1956年))の報告と、マイコバクテリウム ブチ
リカムを含むフロイントのアジュバントで関節炎及び浮
腫を起こさせたラットに市販の胎盤抽出物を腹腔内投与
して奏効したというゴールド−ユーバート P.等(I
nt.J.Tiss.Reac.III、155〜16
5頁(1981年))の報告及び、ヒト胎盤抽出物を妊
娠ドンリュウラット及びddN系マウスに皮下投与投与
し、妊娠後期における催奇形性を観察し、催奇形性は臨
床使用で問題とならないとしたナカジマ S.(J.M
ed.Stoy Toho Univ.、18巻、36
8−372頁(1971年)「英訳」)の報告である。
【0003】
【本発明の説明】最近、驚くべきことに、ある抽出物が
治療活性および/または生物学的活性を有していること
が発見された。その抽出物組成は現在のところ知られて
いない。この抽出物は、本発明の製造過程によって得る
ことが可能であるが、これらの工程に限定されるもので
はなく、これらの工程によって得ることができるものと
同様の活性を有するものであれば良い。また、一または
複数の過程、例えば、A、BおよびCは、本発明物質の
治療活性および/または生物学的活性を損なうことな
く、省略することが可能である。本発明は、上皮再形成
または神経障害治療活性などの生物学的活性及び/また
は治療活性を有し、製剤及び/または化粧品に使用でき
る胎盤抽出物及びその製造方法を提供することを目的と
する。すなわち、本発明の特徴は独立請求項によって定
義される。また、本発明の好適な実施態様は従属請求項
によって定義される。
【0004】本発明の第一の態様は、生物学的活性及び
/または治療活性を有し、製剤及び/または化粧品に使
用でき、以下のステップにより得ることができる抽出物
である: (A)ヒトまたは動物由来の胎盤から絨毛膜、腱、血液
凝集塊および壊死した組織を除去し; (B)上記のようにして得られた胎盤組織から、加圧
下、特に手による加圧によって血液を除去し; (C)上記のようにして得られた胎盤の水気を切り、拭
き取りで乾燥し、少なくとも−10℃で凍結させ; (D)上記のように凍結した胎盤を凍結状態のまま小片
とし、直径5mmを越える粒子が残存しないように、好ま
しくは直径3mmを越える粒子が残存しないように、どろ
どろにつぶし; (E)上記のようにどろどろにつぶした塊を必要により
食塩を含んでもよい冷水と混合して懸濁液とし; (F)上記の懸濁液を少なくとも15分攪拌し、次いで
約+4℃で、例えば約1時間静置し; (G)生理的濃度を得るために、固形の食塩を、例えば
8.5g〜9.0g/kg水で添加し; (H)上記のようにして得られた懸濁液を、+15℃以
下、特に+10℃以下で、適当な時間、好ましくは約3
0分間攪拌し、次いで約+4℃で適当な時間、好ましく
は約4時間静置し; (I)上記の懸濁液のpH値を測定し、そのpHを酸
性、特に約5.3に、好ましくは乳酸を添加して調整
し; (J)上記のように酸性にした懸濁液を、適当な時間、
例えば15時間、約4℃で保存し; (K)上記の保存した懸濁液を遠心し、上清を集め; (L)上記のように集められた上清を濾過し、得られた
透明な濾液を酸性、特にpH5.4に、好ましくは乳酸
を添加して調整し、前記酸性に調整した濾液を濾過し; (M)上記のようにして得られた濾液を、好ましくは約
60℃で少なくとも14時間滅菌し;及び (N)上記の滅菌された透明でない濾液を遠心し、上清
を集める。
【0005】また、本発明の抽出物は、上記ステップ
(N)の終わりで得られた滅菌濾液を、所望の分子量を
有する化合物を除去するため、あるいは得るために、少
なくとも1回、限外濾過又はゲル濾過して得ることがで
きることを特徴とする。さらに、本発明の抽出物は、以
下のステップをいずれかの順序で行うことによって得る
ことができることを特徴とする: (O)前記滅菌濾液を、30,000未満の分子量を有
する化合物を除去し、分離して集めるために、限外濾過
するステップと; (P)前記滅菌濾液を、300,000超の分子量を有
する化合物を除去し、分離して集めるために、限外濾過
するステップ。
【0006】さらに本発明の抽出物は、上記ステップ
(L)、(N)、(O)及び(P)の1つまたは複数を
行った後、さらに濾過によって各濾液を滅菌することに
より得ることができることを特徴とする。また、本発明
の抽出物は、上記ステップ(G)の後、上記ステップ
(H)の前に、有機金属の水溶液、例えば酢酸銅(I
I)(Cu( OAc)2)水溶液を添加して得ることが好まし
い。上記酢酸銅水溶液の濃度は、好ましくは0.1%溶
液であり、水1kgにつきCu(OAc)2 1.52gとなる量
を添加することが好ましい。本発明の抽出物は、前記ス
テップ(L)の後濾過により前記水溶液を濾過滅菌し、
上記ステップ(M)の前に、前記得られた滅菌濾液を、
適当な温度で適当な期間インキュベートすることにより
得ることができることを特徴とする。約+35℃〜+4
5℃でインキュベートすることが好ましく、特に、+3
9℃で4〜6日間インュベートすることが好ましい。
【0007】本発明の抽出物は、上記ステップ(N)の
後得られた溶液を酸性にし、前記酸性溶液を適当な時間
インキュベートし、その後、前記インキュベートした酸
性溶液のpHを測定し、その後pHを5.0〜8.0に
調整して得ることを特徴とする。ここで、上記ステップ
(N)の後得られた溶液を酸性にするには、塩酸を用い
ることが好ましく、特に好ましくは塩酸水溶液であり、
上記溶液のpHを、好ましくは1.0に調整し、15〜
24時間インキュベートすることが好ましい。上記のイ
ンキュベートした酸性溶液のpHは、7.0に調整する
ことが好ましい。
【0008】本発明の第二の態様は、生物学的活性及び
/または治療活性を有し、製剤及び/または化粧品に使
用でき、上記のステップ(A)〜(N)を行う本発明第
一の態様の抽出物の製造方法である。本発明の製造方法
は、上記ステップ(N)の終わりで得られた滅菌濾液
を、所望の分子量を有する化合物を除去するまたは得る
ために、少なくとも1回、限外濾過又はゲル濾過するこ
とを特徴とする。
【0009】また、本発明の製造方法は、以下のステッ
プをいずれかの順序で行うことを特徴とする: (O)前記滅菌濾液を、30,000未満の分子量を有
する化合物を除去し、分離して集めるために、限外濾過
するステップと; (P)前記滅菌濾液を、300,000超の分子量を有
する化合物を除去し、分離して集めるために、限外濾過
するステップ。
【0010】さらに、本発明の製造方法は、上記各ステ
ップ(L)、(N)、(O)及び(P)の1つまたは複
数を行った後、さらに濾過よって各濾液の滅菌を行うこ
とを特徴とする。本発明の製造方法は、上記ステップ
(G)の後、上記ステップ(H)の前に、有機金属の水
溶液を添加することが好ましい。有機金属の水溶液とし
ては、酢酸銅(II)(Cu( OAc)2)水溶液が好ましく、
0.1%水溶液であることがさらに好ましい。好ましい
添加量は、水1kgにつきCu(OAc)2 1.52gとなる量
である。
【0011】本発明の製造方法は、上記ステップ(L)
の後濾過滅菌を行い、上記ステップ(M)の前に上記滅
菌濾液を、適当な温度で適当な時間インキュベートする
ことが好ましい。インキュベート温度は、約+35℃〜
+45℃が好ましく、特に好ましくは+39℃であり、
インキュベート時間は4〜6日間であることが好まし
い。本発明の製造方法は、上記ステップ(N)の後得ら
れた溶液を酸性にし、適当な時間インキュベートした
後、このインキュベートした酸性溶液のpHを測定し、
pHを5.0〜8.0に調整することを特徴とする。上
記ステップ(N)の後得られた溶液を酸性にするには、
塩酸を用いることが好ましく、塩酸水溶液を用いること
が特に好ましく、pHを1.0に調整し、15〜24時
間インキュベートすることが好ましい。その後、前記イ
ンキュベートした酸性溶液のpHを測定し、pHを好ま
しくは7.0に調整する。
【0012】本発明の第三の態様は、上記のようにして
得られた抽出物を、少なくとも1つの活性成分として含
む、上皮再形成及び/または神経障害の治療のための医
薬組成物である。本発明の医薬組成物は、注射剤、滅菌
溶液、または、溶液、軟膏、クリーム、ジェル、膣坐剤
及び坐剤等の局所投与用の剤形すべてを含み、特に点眼
用溶液であることが好ましい。
【0013】本発明の第四の態様は、上皮再形成用医薬
組成物の製造のための本発明第一の態様の抽出物の使用
である。本発明の第五の態様は、神経障害治療用医薬組
成物の製造のための本発明第一の態様の抽出物の使用で
ある。
【0014】本発明の第六の態様は、上皮再形成または
神経障害活性治療活性を有する胎盤抽出物である。本発
明の第七の態様は、上記抽出物の分子量が30,000
〜300,000である本発明の第六の態様の抽出物で
ある。
【0015】
【好適な実施態様の説明】以下の部分において、本発明
を詳細に説明する。抽出用の胎盤は、ヒト由来のもので
あっても動物由来のものであってもよい。原則的とし
て、胎盤は、分娩あるいは胎盤が中絶等の時に切り離さ
れた後、速やかに処理する。しかし、胎盤は輸送経路が
限られているために、限定された方法においてのみこう
した処理が可能である。
【0016】実用的な理由から、ヒト胎盤は、病院では
低温冷凍庫(ディープフリーザー)のボックス中で保存
し、ディープフリーザーの温度は−10℃超にならない
ように注意する。使用されるディープフリーザーにより
異なるが、保存温度は、通常−18〜−25℃である。
より低温で保存することも可能であるが、経済的でな
い。材料として、危険因子(リスクファクタ−ズ)のな
いヒト胎盤が好ましい。上記胎盤は、摘出より3−4ヵ
月が経過する前に処理することが好ましい。
【0017】本発明の抽出物の調製のために、上記に示
す温度で凍結した胎盤を、無菌的(UV照射下)に雰囲
気温度に戻す。凍結された胎盤の量によって、解凍時間
は異なるが、解凍は2日間までが限界である。解凍は、
好ましくは、胎盤は戸棚中にてプラスチックバット中で
行う。衛生条件をコントロールして行うことが好まし
い。こうして、汚染されていない(コンタミしてない)
材料を使用することができ、作業空間は清潔に保たなけ
ればならない。上記の胎盤は、加熱あるいはマイクロ波
によって解凍してもよい。解凍した複数の胎盤から、絨
毛膜、腱、血液の凝集塊および壊死した組織を除去す
る。好ましくは、こうした部分は、小刀または外科用メ
スを用いて手で取り除く。上記のようにして得られた胎
盤組織から、圧力をかけて血液を除去する。血液の除去
は、手による加圧あるいは遠心分離によって行うことが
好ましい。
【0018】このようにして得られた胎盤組織は、排液
し必要により乾燥する。乾燥は、例えば、スポンジ、布
あるいは紙を用いて行い、時にはまだ残留している水分
及び血液を除去する。上記のように排液し乾燥した胎盤
組織を、ディープフリーザーの温度が−10℃超になら
ないように注意して、再度凍結する。使用するディープ
フリーザーにより保存温度は異なるが、約−18〜約−
25℃である。さらに低温で保存することも可能である
が、経済的でない。また、液体窒素を用いたショック凍
結も可能である。この時点において、処理を数日間ない
し数カ月間、例えば、3−4ヵ月間中断してもよい。
【0019】凍結した胎盤は、凍結状態のまま、次の工
程において小片とした。これらの小片をどろどろのピュ
ーレ状になるまでそれぞれ破砕した。ここで、5mm超
の径を有する粒子が残存しないことが好ましく、3mm
超の径の粒子がないことがより好ましい。凍結しない状
態で小片とすることも可能である。このどろどろの状態
のものを冷水と混合し、懸濁液とした。上記冷水の温度
は、通常、約+1〜約+10℃であることが好ましく、
約+4〜約+10℃であることが特に好ましい。蒸留
水、または脱イオン水を使用することが好ましい。上記
のようにして得られた懸濁液を、少なくとも15分間機
械的に攪拌する。マイクロ波を用いて、追加処理を行う
ことも可能である。
【0020】次いで、冷蔵庫中またはクーリングチャン
バー内にて約4℃で、例えば1時間静置する。使用する
冷蔵庫またはクーリングチャンバーによって、上記静置
温度は幾分上下してもよいが、例えば4±1〜2℃であ
る。冷却した懸濁液をクーリングチャンバーから移動
し、室温で固形塩化ナトリウムを生理的濃度、すなわち
8.5〜9.0g/kg水となるように、機械的に攪拌し
つつ添加する。有機金属の水溶液、例えば、酢酸銅(I
I)(Cu(OAc)2)の0.1%水溶液を添加してもよい。
添加量は、水1kgにつき酢酸銅(II)が1.52gと
なるようにすることが好ましい。塩化ナトリウム、およ
び必要により酢酸銅(II)水溶液と混合した後、冷却
懸濁液を室温で数分から数時間の間機械的に攪拌する。
攪拌時間は、例えば、30分である。マイクロ波を用い
て追加処理を行ってもよい。攪拌中は、上記懸濁液の温
度が+15℃、特に+10℃を越えないように注意す
る。温度をこの範囲内とするために、必要により懸濁液
を冷却しなければならない。
【0021】次に、上記懸濁液を、再度冷蔵庫あるいは
クーリングチャンバー内にて、数時間、例えば約4℃で
約4時間静置する。使用する冷蔵庫またはクーリングチ
ャンバーにより上記静置温度は幾分上下してもよいが、
例えば4±1〜2℃である。その後、冷却した懸濁液を
クーリングチャンバーから出し、室温にて機械的に攪拌
しながらpHを測定した。一般的には、上記懸濁液のp
Hは約6.6〜6.9の範囲内にある。この懸濁液をそ
の後酸を用いて酸性にするが、pHは約5.3とするこ
とが好ましい。酸性にするには、乳酸を用いることが好
ましい。
【0022】酸性にした上記懸濁液を、冷蔵庫あるいは
クーリングチャンバー内にて、所望の時間、例えば約4
℃で約15時間静置する。上記静置温度の許容範囲は、
上述の通りである。この時点で、再度抽出処理を数日間
中断してもよい。その後、上記懸濁液を遠心処理し、上
清を集める。この上清を清澄にするために、濾過を行
う。濾過は、同一あるいは異なる多孔度を有する一また
は複数のフィルタを用いて行う。この濾過はまた、加圧
下あるいは減圧下で行ってもよい。上記のようにして得
られた濾液のpHは、通常、約5.7〜約6.1であ
る。この濾液は酸を用いて酸性にするが、そのpHは、
約5.4であることが好ましい。この濾液を酸性にする
には、乳酸を添加することが好ましい。この濾液を酸性
にする間に、通常沈殿が生じるため、この沈殿を同一あ
るいは異なる多孔度を有する一または複数のフィルタを
用いて濾過する。この濾過はまた、加圧下あるいは減圧
下で行ってもよい。
【0023】上記の様にして得られた濾液を、濾過滅菌
した。この滅菌に使用されるすべてのものは、予め滅菌
することが必要であり、滅菌は、例えば127℃で30
分間蒸気滅菌器中で行う。また、上記濾過滅菌は、無菌
室内において許容される条件の下で行わなければならな
い。上記のようにして得られた滅菌濾液を、適当な容器
に入れ、保温(インキュベーション)した。上記インキ
ュベーションは、約+35℃〜約+45℃の温度で4〜
6日間行うことが好ましく、特に+39℃で行うことが
好ましい。試料を適宜採取して、例えばチオグリコール
培地等を用いて、無菌試験を行ってもよい。インキュベ
ートした溶液を、必要により低温滅菌する。滅菌は、約
+60℃の温度で、少なくとも14時間行うことが好ま
しい。この滅菌操作により、清澄でない溶液が得られ
る。ここで生じた沈殿を上記の遠心および必要により濾
過滅菌によって除去する。
【0024】この濾液を適当な濃度に調製し、少なくと
も1回、通常の限外濾過を行って、所望の分子量の化合
物を除去し、あるいは得る。この上記濾液を、分子量3
0,000未満の分子量の化合物を除去するために限外
濾過する。以下の記載では、これを限外濾過Iとした。
これら除去された化合物は別々に集められる。
【0025】上記のようにして得られた溶液を、塩酸、
特に塩酸水溶液を用いて酸性にする。pHは、例えば
1.0以下とすることが好ましい。酸性にした上記溶液
を、所望の時間、例えば15〜24時間程度インキュベ
ートする。次いで、上記のようにして得られた溶液のp
Hを、5.0〜8.0の範囲、好ましくは7.0に調整
する。この混合液を、分子量300,000超の分子量
の化合物を除去する目的で、適当な濃度に調製し、さら
に通常の限外濾過を行う。以下の記載では、これを限外
濾過IIという。これら除去された化合物は別々に集め
られる。最初に限外濾過IIを行い、次に限外濾過Iを
行うことも可能である。pH値を特定の値に調整するこ
とばかりでなく限外濾過I及びIIを行う順序は、最終
産物には影響しない。
【0026】通常の限外濾過を行って、分子量300,
000超の化合物を除去し、これらの化合物を別々に集
めることもできる。こうして得られる濾液を、第2回目
の通常の限外濾過(100−Kメンブラン)処理するこ
とができる。メンブラン上には、分子量100,000
〜300,000の化合物の濃縮溶液が残留する。上記
のようにして得られる濾液を、分子量5,000〜10
0,000の化合物を除去し、これらを別々に集めるた
めに、第3回目の限外濾過(5−Kメンブラン)を行
う。最後の操作として、最後に得られる濾液(分子量0
〜5,000)を、特定の産物を得るために第2回目の
限外濾過の残留液(分子量100,000〜300,0
00)と所望の比率で混合する。限外濾過によって除去
されたすべての化合物は別々に集め、さらに他の目的に
使用し得る。上記限外濾過の代わりに、ゲル濾過を行っ
てもよい。また、pH調整は、塩酸等の酸、あるいはN
aOH等の塩基を用いて行ってもよい。
【0027】極めて驚くべきことに、この方法のみを用
いて、生物学的活性及び/または治療活性を有する本発
明の抽出物を得た。所望により、これらの抽出物は、凍
結乾燥してもよい。これらの本発明の抽出物は、生物学
的活性及び/または治療活性を有する薬剤を調製するた
めに使用してもよい。上記のようにして得られた抽出物
は薬剤の活性成分の一つとして使用でき、特に、上皮再
形成、あるいは神経障害の治療のために使用することが
できる。
【0028】
【実施例】以下の実施例により、本発明を説明するが、
これらによって本発明が限定されるものではない。 (実施例1)凍結ヒト胎盤から、絨毛膜、腱、血液凝集
塊および壊死した組織をナイフで除去した。このように
して得られた胎盤組織を手でもんで、血液を除去した。
上記のようにして脱血した胎盤は、水気を切り、次に紙
を用いて乾燥させた。上記胎盤組織を−18℃でディー
プフリーザー中で凍結した。以下の部分では、各々明ら
かに別個に行った2バッチの操作を記載した。()内の
数字は、第2バッチの場合を示した。
【0029】32.2kg(33.6kg)の胎盤を、凍結
状態で破砕器中にてどろどろの状態にした。このピュー
レ状のものに、+4℃の水193kg(193kg)を加
え、懸濁液とした。この懸濁液を、速やかに、室温で3
0分間、機械的に攪拌した。攪拌には、ポリトロン キ
ネマチック 高周波攪拌機(POLYTRON kinematic high
frequencystirrer )を使用した。回転速度は、通常
の、毎分2,700〜3,000で使用した。この混合
液をクーリングチャンバー中にて、4℃で1時間静置し
た。次いで、室温で攪拌しながら1.640kg(1.6
40kg)の塩化ナトリウムと292ml(292ml)の
0.1%Cu(OAc)2 水溶液を添加した。塩化ナト
リウム及び酢酸銅(II)を含むこの懸濁液をその後3
0分間攪拌した。懸濁液の温度が10℃を越えないよう
に注意した。次に、この懸濁液を、4℃のクーリングチ
ャンバー中にて、4時間静置した。この後、測定したp
H値は、6.80(6.85)であった。この懸濁液
に、220ml(173ml)の乳酸(純度88−92%)
を添加し、pHを5.3(5.3)に調整した。酸性に
した懸濁液をクーリングチャンバー内にて4℃で一夜保
存した。翌日、この懸濁液を遠心し、上清を集め濾過し
た。
【0030】183kg(188kg)のpH5.70
(5.70)の清澄濾液を得た。さらに20ml(28m
l)の乳酸(純度88−92%)を添加し、pHを5.
4(5.4)に調整した。この酸性化処理の間に再度沈
殿が生じるため、さらに濾過を行ってこの沈殿を除去し
た。この濾液をその後、濾過によって滅菌した(「フィ
ブラ フィックス」−フィルタ("Fibra Fix"-filter)
AF 130及びAF 140、フィルトロン−ベルク
(Filtron-werk AG )社製、サンガレン、スイス国、と
フィルターカプセルスーパーDFC(filter capsule S
UPOR DFC)0.2μm 、ゲルマン サイエンス オブ
スキャン(Gelman Science of Skan AG )社製、バーゼ
ル、スイス国とを使用した。)この滅菌濾液を10L の
フラスコに満たし、+39℃で142時間20分(14
4時間15分)インキュベートした。
【0031】その後、+60℃で27時間(27時間)
低温滅菌を行った。この低温滅菌は、この濾液の温度が
フラスコ中で少なくとも14時間、+60℃であるよう
に注意した。低温滅菌後、この濾液をクーリングチャン
バー中にて+4℃で6日間(5日間)保存した。低温滅
菌され、透明でなくなった溶液を遠心し、2バッチの上
清を集めて、一緒にした。この溶液を濾過滅菌し、合計
360kgの濾液を得た(ステップ(N)終了)。
【0032】(実施例2)実施例1によって得られた濾
液の治療活性は、創傷治癒の促進を示した。雄のニュー
ジーランド家兎を、シングルケージを用いて一定の明暗
サイクル及び21℃にて馴化飼育した。家兎の両目の角
膜をガラス管(直径3mm)で切開し、角膜の潰瘍を形成
した。間質を除いた角膜の視覚領域(optic area of th
e cornea)の表面を切開した。最初の試験は、同一の大
きさおよび深さの角膜潰瘍を有する動物のみを使用し、
スリットランプを用いて行った。
【0033】治療前及び治療の期間中連続して、12時
間毎にすべての動物に対してスリットランプを用いた角
膜の眼科学的試験を行った。各試験に先立って、1%ナ
トリウムフルオレセンを用いた。これらの試験のため
に、コバルトブルー光が使用された。角膜潰瘍の総合的
な治癒を記録した。6匹の家兎を治療群とし、実施例1
で得られた濾液を用いて治療した。6時間ごとに2滴を
点眼した。この治療は、ガラス管を用いた外科的処理を
行った後速やかに開始し、スリットランプを用いた上記
第一の試験を行った。8匹の家兎を対照群とし、プラセ
ボ(生理食塩水溶液)を用いて同様に処理した。治療効
果を、上記2群の角膜潰瘍の総治癒時間の比較より評価
した。結果を表1に示す。
【0034】 表 1 ─────────────────────────────────── 試験後の時間 治癒率(%) (時間) プラセボ投与群 胎盤抽出物投与群 ──────────────────────────────────── 0 0 0 12 0 17 24 0 17 36 13 67 48 25 83 60 50 83 72 63 100 84 88 100 96 100 100 ────────────────────────────────────
【0035】上記の数字は、胎盤抽出物を用いた治療で
早期に治癒が始まること、及び治癒も速やかに進行し、
短期間で終了することを示した。
【0036】(実施例3)実施例1で得られた濾液(3
60kg)を、分子量30,000未満の化合物を除去す
るために、限外濾過(30K−メンブラン、タイプ「オ
メガ」、エヌエムダブリューエル オブ フィルトロン
テクノロジー社(NMWL of Filtron Technology Co. 、
アメリカ合衆国、を用いた) )した。約95重量%の上
記濾液を30K−メンブランを通し、濾液と残渣とを別
々に集めた。30K−メンブラン上の残渣を1回あたり
10L の生理食塩水で12回洗った。洗浄後の残渣は、
最適収量とするために(限外濾過装置を洗って)、約2
0Lの生理食塩水で希釈した。
【0037】得られた水溶液(約36kg)を、72kgの
滅菌蒸留水で希釈した。この水溶液を、分子量300,
000超の化合物を除去するために、限外濾過(300
K−メンブラン、タイプ「オープン チャネル」、エヌ
エムダブリューエル オブ フィルトロン テクノロジ
ー社、アメリカ合衆国、を用いた)した。この水溶液の
約98〜99重量%を300K−メンブランを通し、濾
液と残渣とを別々に集めた。300K−メンブラン上の
残渣を、最適収量を得るために、1回あたり10L の生
理食塩水で4回洗った。
【0038】上記のようにして得られた濾液(約144
kg)を、濾過滅菌した(「フィブラフィックス」−フィ
ルタ、AF 130及びAF 140、とフィルターカ
プセル スーパーDFC 0.2μm とを使用し
た。)。滅菌濾液は、25%塩酸水溶液を添加して、p
H1.0に調整した。酸性にした水溶液を15時間、+
4℃で保存した。その後、5NのNaOHを添加してp
Hを7.05に調整した。この中和水溶液を上記の方法
の濾過によって滅菌した(ステップ(P)終了)。
【0039】この滅菌濾液(画分30,000〜30
0,000)中のタンパク量、塩化ナトリウムおよび滅
菌蒸留水添加による塩化ナトリウム濃度は表2に示す通
りであった。 表 2 ────────────────────────────── タンパク量 : 1mg タンパク(総)/1ml 水溶液 塩化ナトリウム濃度: 8.5mg NaCl/1ml 水溶液 収量 :260〜300kg 最終水溶液 ──────────────────────────────
【0040】(実施例4)実施例3で得られた濾液の治
療活性は、実施例2に記載した方法と同様の方法で試験
した。表3に示す結果が得られた。
【0041】 表 3 ──────────────────────────────────── 試験後の時間 治癒率(%) (時間) プラセボ投与群 胎盤抽出物投与群 ──────────────────────────────────── 0 0 0 4 0 0 8 0 0 12 0 10 16 10 20 20 40 40 24 50 80 28 50 90 32 60 100 36 70 44 80 52 90 ────────────────────────────────────
【0042】上記の数字は、胎盤抽出物を用いた治療で
早期に治癒が始まること、治癒も速やかに進行し、短期
間で終了したことを示した。
【0043】(実施例5)実施例3で得られた上記濾液
(画分30,000〜300,000)を用いて、末梢
神経の成長を試験した。この目的のために、1群10匹
のスプラーグ−ダウリーラット(SDラット、180〜
200g)を4群にして通常の条件下(12時間昼、1
2時間夜)で維持した。水及び餌は、随時十分量与え
た。
【0044】第1群及び第2群の動物に、ストレプトゾ
トシン(100mg/体重1kg)を1回静脈内投与した。
1週間後、血中グルコースレベルを毎日測定した。グル
コースレベルが3日間続けて150mg/mlを越えたとき
に、ラットが糖尿病になったと判定した。
【0045】第3群及び第4群の動物は、以下のように
処置した:エーテル麻酔下で、右後肢を切開し、右座骨
神経を筋肉から剥がして露出させ、座骨神経節の末端側
から6mm離れた部位を、止血鉗子で30秒間圧迫した。
その後、切開部を縫合した。第1群及び第3群の動物
に、実施例3で得られた抽出物(画分30,000〜3
00,000)を、0.5mgタンパク/体重1kg/日の
投与量で、3週間皮下投与した。第2群及び第4群の動
物は、第1群及び第3群の動物に投与した抽出物と同体
積の生理食塩水で、同様に処理した。
【0046】治療の間を通して、感覚の回復をヒートペ
イン試験(a heat pain test)への応答として「フット
−フリック−試験」(“Foot-Flick-test")で試験し
た。ラットを手で固定し、一定温度の加熱空気(47
℃)流を吹き出す吹き出し口の正面に、後肢を2mmの距
離に近づけた。このとき、後肢を引っ込めるまでに要し
た時間を治療群、対照群の各ラットで測定し、比較し
た。対照群の動物が後肢を引っ込めるまでの時間は、
1.5秒未満であった。試験した動物が後肢を引っ込め
るまでの時間は3秒未満であったとき、感覚の回復は良
好であるとした。試験動物が3秒後でも後肢を引っ込め
ない場合には、感覚の回復はなかったものとした。感覚
運動機能が回復した初日をそれぞれのラットについて決
定した。表4に各群の平均値を示した。
【0047】 表 4 ─────────────────────────────────── 実験群 治療薬物 感覚の回復(日) ─────────────────────────────────── 1 糖尿病 抽出物 9.5±0.3 2 糖尿病 生理食塩水 16.5±0.8 3 神経障害 抽出物 11.3±0.4 4 神経障害 生理食塩水 18.9±0.3 ───────────────────────────────────
【0048】表4に示すように、胎盤抽出物の分子量3
0,000〜300,000の画分で治療された動物
は、感覚の回復が非常に早いことが示唆された。従って
この抽出物は(30,000〜300,000の画分)
は治療活性を有することが示された。
【0049】
【発明の効果】以上から、本発明の抽出方法により胎盤
より抽出された本発明の抽出物は、生物学的活性及び治
療活性を有しており、本発明の抽出物を用いると、上皮
の再形成が促進され、また、神経障害の感覚の回復も促
進された。さらに、本発明の抽出物は、点眼剤、注射剤
等の医薬組成物の有効成分として使用することができ
る。さらにまた、本発明の抽出物は、凍結保存した胎盤
を用いて、安定的に供給することが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 9/08 F M V 35/50 AAB 7431−4C AAQ 7431−4C ADA 7431−4C

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生物学的活性及び/または治療活性を有
    し、製剤及び/または化粧品に使用でき、以下のステッ
    プにより得ることができる抽出物: (A)ヒトまたは動物由来の胎盤から絨毛膜、腱、血液
    凝集塊および壊死した組織を除去し; (B)前記のようにして得られた胎盤組織から、加圧
    下、特に手による加圧によって血液を除去し; (C)前記のようにして得られた胎盤の水気を切り、拭
    き取りによって乾燥し、少なくとも−10℃で凍結さ
    せ; (D)前記凍結した胎盤を凍結状態のまま小片とし、直
    径5mm超の粒子が残存しないように、好ましくは直径3
    mm超の粒子が残存しないように、どろどろにつぶし; (E)前記どろどろにつぶした塊を必要により食塩を含
    んでもよい冷水と混合して懸濁液とし; (F)前記懸濁液を少なくとも15分攪拌し、次いで約
    +4℃で、例えば約1時間静置し; (G)生理的濃度を得るために、固形の食塩を、例えば
    8.5g〜9.0g/kg水で添加し; (H)前記得られた懸濁液を、+15℃以下、特に+1
    0℃以下で、適当な時間、好ましくは約30分間攪拌
    し、次いで約+4℃で適当な時間、好ましくは約4時間
    静置し; (I)前記懸濁液のpH値を測定し、そのpHを酸性、
    特に約5.3に、好ましくは乳酸を添加して調整し; (J)前記酸性にした懸濁液を、適当な時間、例えば1
    5時間、約4℃で保存し; (K)前記保存した懸濁液を遠心し、上清を集め; (L)前記集められた上清を濾過し、得られた透明な濾
    液を酸性、特にpH5.4に、好ましくは乳酸を添加し
    て調整し、前記酸性に調整した濾液を濾過し; (M)前記のようにして得られた濾液を、好ましくは約
    60℃で少なくとも14時間滅菌し;及び (N)前記滅菌された透明でない濾液を遠心し、上清を
    集める。
  2. 【請求項2】前記ステップ(N)の終わりで得られた滅
    菌濾液を、所望の分子量を有する化合物を除去するある
    いは得るために、少なくとも1回、限外濾過又はゲル濾
    過して得ることができる請求項1に記載の抽出物。
  3. 【請求項3】以下のステップをいずれかの順序で行うこ
    とによって得ることができる請求項1または2に記載の
    抽出物: (O)前記滅菌濾液を、30,000未満の分子量を有
    する化合物を除去し、分離して集めるために、限外濾過
    するステップと; (P)前記滅菌濾液を、300,000超の分子量を有
    する化合物を除去し、分離して集めるために、限外濾過
    するステップ。
  4. 【請求項4】前記各ステップ(L)、(N)、(O)及
    び(P)の1つまたは複数を行った後、さらに濾過によ
    って各濾液を滅菌することにより得ることができる請求
    項1ないし3のいずれかに記載の抽出物。
  5. 【請求項5】前記ステップ(G)の後、前記ステップ
    (H)の前に、有機金属の水溶液、例えば酢酸銅(I
    I)(Cu(OAc)2)水溶液、好ましくは0.1%溶液を、
    水1kgにつきCu(OAc)2 1.52gとなる量添加するこ
    とにより得ることができる請求項1ないし4のいずれか
    に記載の抽出物。
  6. 【請求項6】前記ステップ(L)の後濾過により前記水
    溶液を濾過滅菌し、前記ステップ(M)の前に、前記得
    られた滅菌濾液を、約+35℃〜+45℃で、特に好ま
    しくは+39℃で4〜6日間インキュベートすることに
    より得ることができる請求項1ないし5のいずれかに記
    載の抽出物。
  7. 【請求項7】前記ステップ(N)の後得られた溶液を酸
    性、好ましくは塩酸、特に好ましくは塩酸水溶液を用い
    て、例えばpH1.0に調整し、前記酸性溶液を、適当
    な時間、例えば15〜24時間インキュベートし、その
    後、前記インキュベートした酸性溶液のpHを測定し、
    そのpHを5.0〜8.0、好ましくは7.0に調整す
    ることにより得ることができる請求項1ないし6のいず
    れかに記載の抽出物。
  8. 【請求項8】生物学的活性及び/または治療活性を有
    し、製剤及び/または化粧品に使用でき、請求項1に記
    載のステップ(A)〜(N)を行う抽出物の製造方法。
  9. 【請求項9】前記ステップ(N)の終わりで得られた滅
    菌濾液を、所望の分子量を有する化合物を除去するまた
    は得るために、少なくとも1回、限外濾過又はゲル濾過
    する請求項8に記載の抽出物の製造方法。
  10. 【請求項10】以下のステップを、いずれかの順序で行
    う請求項8または9に記載の抽出物の製造方法: (O)前記滅菌濾液を、30,000未満の分子量を有
    する化合物を除去し、分離して集めるために、限外濾過
    するステップと; (P)前記滅菌濾液を、300,000超の分子量を有
    する化合物を除去し、分離して集めるために、限外濾過
    するステップ。
  11. 【請求項11】前記ステップ(L)、(N)、(O)及
    び(P)の1つまたは複数を行った後、さらに濾過よっ
    て各濾液の滅菌を行う請求項8ないし10のいずれかに
    記載の抽出物の製造方法。
  12. 【請求項12】前記ステップ(G)の後、前記ステップ
    (H)の前に、有機金属の水溶液、例えば酢酸銅(I
    I)(Cu( OAc)2)水溶液、好ましくは0.1%溶液を、
    水1kgにつきCu(OAc)2 1.52gとなる量添加する請
    求項8ないし11のいずれかに記載の抽出物の製造方
    法。
  13. 【請求項13】前記ステップ(L)の後濾過により濾過
    滅菌し、前記ステップ(M)の前に、前記滅菌濾液を、
    約+35℃〜+45℃で、特に好ましくは+39℃で4
    〜6日間インュベートする請求項8ないし12のいずれ
    かに記載の抽出物の製造方法。
  14. 【請求項14】前記ステップ(N)の後得られた溶液を
    酸性、好ましくは塩酸、特に好ましくは塩酸水溶液を用
    いて、例えばpH1.0に調整し、前記得られた酸性水
    溶液を、適当な時間、例えば15〜24時間インキュベ
    ートし、その後、前記インキュベートした酸性溶液のp
    Hを測定し、pHを5.0〜8.0、好ましくは7.0
    に調整する請求項8ないし13のいずれかに記載の抽出
    物の製造方法。
  15. 【請求項15】請求項1〜7のいずれかに記載の抽出物
    を、少なくとも1つの活性成分として含む、上皮再形成
    または神経障害の治療のための医薬組成物。
  16. 【請求項16】注射剤、滅菌溶液、または、溶液、軟
    膏、クリーム、ジェル、膣坐剤及び坐剤等の局所投与用
    のすべての剤形、特に点眼用溶液である、請求項15に
    記載の医薬組成物。
  17. 【請求項17】上皮再形成用医薬組成物の製造のための
    請求項1ないし7のいずれかに記載の抽出物の使用。
  18. 【請求項18】神経障害治療用医薬組成物の製造のため
    の請求項1ないし7のいずれかに記載の抽出物の使用。
  19. 【請求項19】上皮再形成及び/または神経障害治療活
    性を有する胎盤抽出物。
  20. 【請求項20】前記抽出物の分子量が30,000〜3
    00,000である請求項19に記載の抽出物。
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