JPH07206877A - 不飽和二重結合含有有機けい素化合物の製造方法 - Google Patents

不飽和二重結合含有有機けい素化合物の製造方法

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JPH07206877A
JPH07206877A JP6005077A JP507794A JPH07206877A JP H07206877 A JPH07206877 A JP H07206877A JP 6005077 A JP6005077 A JP 6005077A JP 507794 A JP507794 A JP 507794A JP H07206877 A JPH07206877 A JP H07206877A
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JP
Japan
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organosilicon compound
double bond
unsaturated double
polymerization inhibitor
polymerization
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JP6005077A
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English (en)
Inventor
Masaaki Yamatani
正明 山谷
Toshio Yamazaki
敏夫 山崎
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】(メタ)アクリロキシ基、スチリル基、ブタジ
エニル基などのような重合可能な不飽和二重結合を含有
する有機けい素化合物を重合することなく製造する方法
を提供する。 【構成】次式の、分子中に少なくとも1個の重合可能な
不飽和二重結合を有する有機けい素化合物に、a)2,2-ジ
フェニル− 1−ピクリル・ヒドラジル、b)ガルビノキシ
ル、c) 1,3,5- トリフェニル・フェルダジルから選択さ
れる少なくとも1種の化合物を添加する。 (R1は水素原子またはメチル基、R2は炭素数1 〜11の2
価炭化水素基、X は-Cl,-OCH3,-OC2H5または-OSi(CH3)3
で示される基、m は1,2 または3 )

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は不飽和二重結合含有有機
けい素化合物の製造方法、特には(メタ)アクリロキシ
基、スチリル基、ブタジエニル基などの重合性に富む基
を含有する有機けい素化合物の合成または蒸溜精製時に
おける重合を防止する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】分子内に重合可能な不飽和二重結合、例
えば(メタ)アクリロキシ基、スチリル基、ブタジエニ
ル基などを含有する有機けい素化合物についてはその合
成時または蒸溜精製時にこの不飽和二重結合にもとづく
重合が進行するために、これにはその合成時、蒸溜精製
時に重合禁止剤を添加することが行なわれており、この
重合禁止剤については種々のものが提案されている。
【0003】例えば、アクリル官能性シランの重合禁止
剤としてはヒドロキノン、2,5 −ジ−t−ブチルヒドロ
キノン、酢酸銅が有効とされており(特公昭38-2,136号
公報参照)、メタクリル官能性シランの保存安定性向上
のためにはヒドロキノンと水溶性アルコールの同時添加
(特公昭40-6,212号公報参照)が、また(メタ)アクリ
ル官能性シラン製造時の重合禁止剤についてはフェニル
−α−ナフチルアミンやN,N'−ジナフチル−p−フェニ
レンジアミンなどの芳香族アミン、ハイドロキノンなど
のフェノール系化合物および銅粉などが有効とされてい
る(特公昭42-23,332 号公報参照)。
【0004】また、このメタクリル官能性シランの蒸溜
時の重合防止剤としては2,5 −ジ−t−ブチルベンゾキ
ノン(特開昭60-239,491号公報参照)が、(メタ)アク
リル官能性シランの連続合成時の重合抑制剤としてはp
−メトキシ−フェノール、2,6 −ジ−t−ブチル−4−
メチル−フェノールなどのフェノール類、ジフェニレン
ジアミンなどの芳香族アミン類、フェノチアジンなどの
芳香族硫黄化合物などが提案されており(特開昭62-28
3,983号公報参照)、メタクリル官能性シランの合成時
および蒸溜精製時の重合防止剤についてはヒンダードフ
ェノールが有効であるものとして提案されている(特開
昭63-188,689号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、今までに提案
されている上記したような各種の重合禁止剤はいずれも
重合抑制能が必ずしも十分ではなく、特に高温に保持し
た場合にはその効果が乏しくなり、槽内でゲル化がしば
しば起るという不利があり、より有用な重合防止剤の開
発が求められている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような不利
を解決した不飽和二重結合含有有機けい素化合物の製造
方法に関するものであり、これは分子中に少なくとも1
個の重合可能な不飽和二重結合を有する有機けい素化合
物に、 a) 2,2 −ジフェニル−1−ピクリル・ヒドラジ
ル、 b) ガルビノキシル、 c) 1,3,5 −トリフェニル・
フェルダジルから選択される少なくとも1種の化合物を
添加してなることを特徴とするものである。
【0007】すなわち、本発明者らは不飽和二重結合を
含有する有機けい素化合物における不飽和二重結合に対
する重合禁止剤について種々検討した結果、不飽和二重
結合含有有機けい素化合物の高温下における重合はラジ
カル性重合が支配的であり、それ故にここに使用される
べき重合禁止剤は安定なラジカル性のものでラジカル性
物質と反応して安定な化合物に変換するものであること
が有効であることを見出し、これについては上記した
a),b),c)で示されるものが有用であることを確認し、本
発明で使用されるべき有機けい素化合物の種類、ここに
使用される重合禁止剤の種類、添加量などについての研
究を進めて本発明を完成させた。以下にこれをさらに詳
述する。
【0008】
【作用】本発明は不飽和二重結合を含有する有機けい素
化合物の製造方法に関するものである。本発明において
使用される不飽和二重結合を含有する有機けい素化合物
は分子中にCH2=CH- 基, CH2=CH-CH2- 基, CH2=C(CH3)-C
H2- 基, CH2=CH-(CH2)2-基, CH2=CH-(CH2)4-基, CH2=CH
-(CH2)8-基などのビニル基、
【0009】
【化2】 などの(メタ)アクリル基、(但しR3はH またはCH3
表わす)
【0010】
【化3】 などのスチリル基、
【0011】
【化4】 で示されるブタジエル基(ここにR3は水素原子またはメ
チル基を示す)などの重合可能な官能基を少なくとも1
個含有すればどのような化合物であってもよい。
【0012】しかし、これには特には一般式
【0013】
【化5】 で示され、R1が水素原子またはメチル基、R2が-CH2-, -
(CH2)3-, -CH2-CH(CH3)-CH2-, -(CH2)6, -(CH2)10- , -
(CH2)11 -で示される2価炭化水素基、Xが-Cl,-OCH3,
-OC2H5 または-OSi(CH3)3で示される基、mが1,2ま
たは3である(メタ)アクリル官能性シランが好ましい
ものとされ、これには下記のものが例示される。
【0014】
【化6】
【0015】
【化7】
【0016】
【化8】
【0017】
【化9】
【0018】
【化10】
【0019】
【化11】
【0020】
【化12】
【0021】
【化13】
【0022】
【化14】
【0023】
【化15】
【0024】
【化16】
【0025】
【化17】
【0026】本発明は上記した不飽和二重結合を含有す
る有機けい素化合物の製造時あるいは蒸溜精製時におけ
る重合を禁止させるために、重合禁止剤としてa) 2,2−
ジフェニル−1−ピクリル・ヒドラジル
【化18】 b)ガルビノキシル
【化19】 またはc) 1,3,5−トリフェニル・フェルダジル
【化20】 から選ばれる化合物の少なくとも1種を添加するもので
ある。
【0027】これを添加するとこの有機けい素化合物は
例えば100 〜200 ℃に30時間程度保持しても重合するこ
とがないので、目的とする有機けい素化合物を高い収率
で得ることができるし、この反応を安定にしかも連続で
行なわせることができ、しかもこの場合には反応槽、蒸
溜装置内のメンテナンスを容易にすることができるとい
う有利性が与えられる。
【0028】なお、この重合禁止剤の添加量は不飽和二
重結合を有する有機けい素化合物に対し1ppm 未満では
少量すぎてその添加効果が少なく、30,000ppm より多く
すると溶液が粘稠となり、蒸留収率が低下することとな
るので 1〜30,000ppm の範囲とすればよいが、この好ま
しい範囲は10〜20,000ppm とされる。
【0029】また、この重合禁止剤は従来公知の種々の
重合禁止剤、重合防止剤、重合抑制剤と併用してもよ
く、したがってこれはヒドロキノン、メチルハイドロキ
ノン(p−メチルフェノール)、2,5 −ジ−t−ブチル
ヒドロキノンなどのキノン系化合物、2,6 −ジ−t−ブ
チル−4−メチルフェノールなどのヒンダード・フェノ
ール化合物、t−ブチルカテコールなどのカテコール
類、ジフェニレンジアミン、フェニル−α−ナフチルア
ミン、N,N'−ジナフチル−p−フェニレンジアミンなど
の芳香族アミン系化合物、フェノチアジンなどの芳香族
硫黄化合物、銅粉、ジメチルジチオカルバミン酸銅など
の含銅化合物、塩化第二鉄、ニトロ化合物および酸素な
どと併用してもよい。
【0030】
【実施例】つぎに本発明の実施例、比較例をあげる。 実施例1 アリルメタクリレートにトリクロロシランを塩化白金酸
を触媒として反応させてヒドロシリル化したのち、尿素
およびメタノールを添加してメトキシ化し、低沸点分を
除去してγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ンを作り、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、
この純度は95%であった。
【0031】つぎにこのγ−メタクリロキシプロピルト
リメトキシシランに第1表に示したような重合禁止剤を
1.0 重量%添加したもの5gを試験管に入れ、窒素置換
したのちゴム栓を用いて密栓し、170 ℃のオイル浴に浸
漬して内部の様子を経時的に観察して内容物がゲル化し
た時間を求めたところ、表1に示したとおりの結果が得
られ、本発明による重合禁止剤を添加したものは高温で
もゲル化防止能力の極めて高いものであることが確認さ
れた。
【0032】
【表1】
【0033】実施例2 実施例1で得たγ−アクリロキシプロピルトリメトキシ
シランを150 ℃の開放系で重合テストしたところ、表2
に示したとおりの結果が得られた。
【0034】
【表2】
【0035】実施例3 実施例1で使用したγ−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン3kgに表3に示した種類および量の重合禁
止剤を添加し、これを高さ100 mのガラス充填剤を充填
した精溜塔を備え付けた蒸溜装置に入れ、蒸溜槽内温度
130 〜140 ℃、減圧度80〜10トールという条件で30時間
蒸溜し、このときの蒸溜槽内におけるγ−メタクリロキ
シプロピルトリメトキシシランの状況、収率をしらべた
ところ、表3に示したとおりの結果が得られた。
【0036】
【表3】
【0037】
【発明の効果】本発明は分子中に不飽和二重結合を有す
る有機けい素化合物の製造方法に関するもので、これは
この種の有機けい素化合物に a) 2,2 −ジフェニル−1
−ピクリル・ヒドラジル、 b) ガルビノキシル、 c) 1,
3,5 −トリフェニル・フェルダジルから選択される少な
くとも1種の化合物を添加してなることを特徴とするも
のであるが、これによればこのa),b),c)の化合物が従来
公知の重合禁止剤にくらべてすぐれた重合禁止効果をも
つものであり、この有機けい素化合物を高温下に長時間
保持した場合にもその重合を防止することができるの
で、この製造時における目的の有機けい素化合物の収率
を向上させることができるし、この製造工程を安定的に
連続操業することができ、さらには反応槽、蒸溜装置内
のメンテナンスを容易にすることができるという工業的
な有利性が与えられる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子中に少なくとも1個の重合可能な不飽
    和二重結合を有する有機けい素化合物に、 a) 2,2 −ジ
    フェニル−1−ピクリル・ヒドラジル、 b) ガルビノキ
    シル、 c) 1,3,5 −トリフェニル・フェルダジルから選
    択される少なくとも1種の化合物を添加してなることを
    特徴とする不飽和二重結合含有有機けい素化合物の製造
    方法。
  2. 【請求項2】有機けい素化合物が一般式 【化1】 (ここに、R1は水素原子またはメチル基、R2は炭素数1
    〜11の2価炭化水素基、Xは-Cl,-OCH3, -OC2H5 または
    -OSi(CH3)3で示される基、mは1,2または3)で示さ
    れる(メタ)アクリル基含有官能性シランである請求項
    1に記載した不飽和二重結合含有有機けい素化合物の製
    造方法。
JP6005077A 1994-01-21 1994-01-21 不飽和二重結合含有有機けい素化合物の製造方法 Pending JPH07206877A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2739384A1 (fr) * 1995-10-02 1997-04-04 Gen Electric Procede d'hydrosilation de monomeres insatures
JP2020094132A (ja) * 2018-12-13 2020-06-18 ダウ・東レ株式会社 加水分解性ケイ素化合物含有組成物、その電気伝導率安定化方法、その用途および製造方法

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