JPH07205825A - 動力舵取装置 - Google Patents

動力舵取装置

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JPH07205825A
JPH07205825A JP711894A JP711894A JPH07205825A JP H07205825 A JPH07205825 A JP H07205825A JP 711894 A JP711894 A JP 711894A JP 711894 A JP711894 A JP 711894A JP H07205825 A JPH07205825 A JP H07205825A
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Japan
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steering
output shaft
input shaft
power steering
force
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JP711894A
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English (en)
Inventor
Yukihisa Toyokichi
恭久 豊吉
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は車両において運転者のステアリング
操作に応じて操舵輪に対する操舵力をアシストする動力
舵取装置に関し、ニュートラル位置近傍において高いス
テアリング剛性を確保することを目的とする。 【構成】 ステアリングホイルに連結される入力軸10
と、操舵装置に操舵トルクを伝達する出力軸20とで、
ポンプからパワーピストン30に至る油路36,38の
導通状態を制御するロータリ弁を構成する。入力軸10
が出力軸20に対してニュートラル位置である場合に一
体となってV字溝を構成する凹部10a,20a及び1
0b,20bを入力軸10、及び出力軸20に設ける。
凹部10a,20a及び10b,20bにより形成され
る窪みに球体40a,40bを配し、かつそれらを付勢
するコイルスプリング44を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、動力舵取装置に係り、
特に車両において運転者のステアリング操作に応じて操
舵輪に対する操舵力をアシストする動力舵取装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両の操舵フィーリングを向
上させる装置として動力舵取装置(パワーステアリング
装置)が広く知られている。ここで、従来の動力舵取装
置は、車両のエンジンにより駆動されるパワーステアリ
グポンプを油圧発生源とし、ステアリングホイルが操舵
された際にその油圧を用いて操舵力をアシストする構成
が一般的である。
【0003】かかる構成を実現するためには、操舵力を
アシストする操舵力助勢機構とパワーステアリングポン
プとを連通する油路と、ステアリングホイルの操舵状況
に応じてその油路の導通を制御する油圧制御機構とが必
要である。
【0004】また、かかる油圧制御機構としては、ステ
アリングホイルと一体に回転する入力軸と、操舵輪に駆
動力を伝達する出力軸とを、弾性体で形成したトーショ
ンバーで連結し、かつ入力軸と出力軸とで実質的にスプ
ール弁を形成する構成が一般的である。
【0005】上記機構によれば、ステアリングホイルが
操舵され、入力軸と出力軸との間にねじりモーメントが
生ずると、そのモーメントに応じてトーションバーにね
じれが生じる。この場合、入力軸と出力軸とで構成する
スプール弁が開弁し、操舵力助勢機構には高圧の油圧が
導かれ、その結果所望のパワーアシスト力が発揮される
ことになる。
【0006】ところで、上記の機構の要部であるトーシ
ョンバーは、ステアリングホイルが操舵された際に、適
当にねじれを生ずるものでなければならず、そのバネ定
数は通常1〜2Nm/deg 程度に設定されるため、ステ
アリング剛性を低下させるものとなっている。ここにい
うステアリング剛性とは、操舵時の手応えとして感じる
ものであって、操作フィーリングを決定する因子となっ
ている。
【0007】図12は、バネ定数を1Nm/deg に設定
したトーションバーのねじれ角とそのねじれを与えるた
めに必要なトルクとの関係を表したものであるが、同図
に示すようにトーションバーの剛性はそのねじれ角が小
さい領域では極めて小さい値となる。特に操舵初期にお
けるステアリング剛性がマニュアルシテアリングに比べ
て格段に小さいものとなっているのである。
【0008】ここで、上記図12に示す特性は、トーシ
ョンバー自体の特性を示したものであるが、その特性は
上記従来の装置のステアリング剛性についての特性とし
て捕らえることもできる。
【0009】つまり、操舵力の伝達過程にトーションバ
ーを備える上記構成の動力舵取装置においては、高いス
テアリング剛性を得ることが困難であり、その点でステ
アリングホイルを操舵装置と直結してなるマニュアルス
テアリングに比べて操作フィーリングが劣るという不利
益を伴うものであった。
【0010】かかる課題に着目した装置としては、特開
昭57−55255号公報に開示される動力舵取装置が
公知である。この装置は、トーションバーで連結された
入力軸と出力軸との相対変位を、更に所定のバネ定数に
設定されたCスプリングにより規制してステアリング剛
性を高める装置であり、特に所定角を越える相対作動角
が生じた際にCスプリングによる規制力が作用するよう
に構成して、大きな相対作動角が生じる領域の剛性向上
を図ったものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の装
置は、あくまでも相対作動角が所定角を越える領域にお
けるステアリング剛性の向上を目的としたものであり、
ステアリングホイルがニュートラル位置近傍に保持され
ている場合の剛性向上を実現するものではない。
【0012】また、ステアリング系の剛性を高めるべく
配したC型スプリングは、トーションバーと同様に一定
のバネ定数の下に入力軸と出力軸との相対変位を規制す
るに過ぎず、これによりニュートラル位置近傍における
ステアリング剛性の向上を図れば、相対作動角とステア
リング剛性とが比例的となり、結局良好なステアリング
特性を得ることができないという問題を有していた。
【0013】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、入力軸と出力軸との境界部に、両者に相対変位
がない場合に一体となってV溝を形成する凹部を設け、
かつ両者間に作用するトルクが所定レベルに達するまで
は両者間に相対変位が発生するのを防止すべく、V溝の
底部に向けて付勢される球体を設けることにより上記の
課題を解決する動力舵取装置を提供することを目的とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、ステアリ
ングホイルに連結される入力軸と、操舵輪を操舵する操
舵装置に連結される出力軸との相対作動角に応じて、油
圧発生源と操舵力助勢機構とを連通する油路の導通を制
御して所望のパワーアシストを得る動力舵取装置におい
て、前記入力軸及び前記出力軸に相対作動角が生じてい
ない場合に、該入力軸と該出力軸との境界部で一体とな
って相対変位のないV溝を形成すべく、前記入力軸及び
前記出力軸それぞれに相互に対向して設けた凹部と、該
対向して設けた凹部内に把持される球体と、該球体を前
記凹部の底部に向けて付勢する付勢機構とを備える動力
舵取装置により達成される。
【0015】また、上記構成の動力舵取装置において、
前記付勢機構は、一端が前記球体に当接するコイルスプ
リングと、該コイルスプリングの他端に当接し、該コイ
ルスプリングの初期変位量を調整する調整ネジとにより
構成される動力舵取装置は、特性調整の容易化に有効で
ある。
【0016】
【作用】本発明に係る動力舵取装置において、前記球体
は前記付勢機構の付勢力に応じた押圧力を前記凹部の内
壁に伝達する。この際、前記入力軸に設けられた凹部と
前記出力軸に設けられた凹部とは、前記入力軸と前記出
力軸とに相対変位がない場合にV溝を形成し、その内部
で前記球体を把持する。
【0017】一方、前記入力軸と前記出力軸とに相対変
位が生じると、その変位量に応じてV溝の幅が狭まる。
この際、前記凹部内には前記球体が把持されているた
め、V溝の幅が狭まるためには前記球体が前記凹部の底
部から前記付勢機構側へ向けて変位する必要がある。
【0018】ここで、前記球体は、前記付勢機構より所
定の付勢力を与えられているため、前記入力軸と前記出
力軸との間に、すなわち前記ステアリングホイルと前記
操舵装置との間に印加される操舵トルクが、前記付勢機
構の発する付勢力に抗って前記球体を変位させ得る作動
トルクに満たない場合は、前記入力軸と前記出力軸とは
一体となって回動する。
【0019】そして、前記ステアリングホイルに印加さ
れる操舵トルクが上記作動トルクを越える場合は、前記
入力軸と前記出力軸との間にその操舵トルクに応じた相
対作動角が形成され、前記油圧発生源より前記油路を介
して前記操舵力助勢機構に所望の助勢力を発揮し得る油
圧が供給される。
【0020】この場合において、前記付勢機構の発する
付勢力は、本発明に係る動向舵取装置の作動トルクを決
める重要な因子であるが、前記付勢機構を前記コイルス
プリング、及び前記調整ネジにより構成する場合、前記
調整ネジの締め付け状態を調整するだけで作動トルクの
調整を行うことが可能となる。
【0021】
【実施例】図1は、本発明の一実施例である動力舵取装
置の要部である油圧制御機構の構成図を示す。同図
(A)において入力軸10は、その一端に、ステアリン
グホイルに通じるステアリングシャフト(図示せず)を
連結する連結部12を備え、また他端に、後述するロー
タ弁の一部を構成するロータ14を備えている。
【0022】この入力軸10は、出力軸20のスリーブ
22内に挿入され、ニードルベアリング16、18を介
して回動自在に保持されている。出力軸20のスリーブ
22は、上記した入力軸10のロータ14と共に、図示
しないパワーステアリングポンプと、操舵力助勢機構と
して操舵輪の操舵をアシストするパワーシリンダ30が
備える油室32,34とを連通する油路36,38の導
通を制御するロータ弁を構成する。
【0023】つまり、ロータ14は、図1及び図2に示
すように、その円周上所定間隔毎に、パワーステアリン
グポンプ(図2中、“P”で表示)の油液吐出口に通じ
るスリット14aと、その油液吸入口に通じる帰還通路
に連通するスリット14bを交互に備えている。一方、
スリーブ22の内壁には、その円周上所定間隔毎に、油
路36、又は油路38に連通する窪み22a,22bが
交互に設けられている。
【0024】これらスリット14a,14b、及び窪み
22a,22bは、入力軸10と出力軸とがニュートラ
ル位置である場合に、すなわち入力軸10と出力軸20
との間の相対作動角(以下、単に相対作動角と称す)θ
が“0”である場合において相互に僅かな重なり合いが
生ずるように、その寸法及び位置関係が設定されてい
る。
【0025】従って、相対作動角θが“0”である場合
は、パワーステアリングポンプが圧送した油液は、ロー
タ14内部からスリット14aに導かれ、その後均等に
窪み22a,22b内に流入する。そして、これらの窪
み22a,22bから個々のスリット14bに対して均
等に油液が流通し、以後パワーステアリングポンプの油
液吸入口に循環される。
【0026】この場合、図1に示す油圧制御機構は、単
にパワーステアリングポンプから供給される油液を循環
させているに過ぎず、窪み22a,22bにそれぞれ連
通するパワーピストン30内の2つの油室32,34の
内圧は等圧となり、従ってパワーピストン30には何ら
の推力も発生しない。
【0027】一方、入力軸10と出力軸20との間に何
らかの相対作動角が生ずると、従前において均等に重な
りあっていたスリット14a,14b、及び窪み22
a,22bについても均衡が失われ、窪み22a,22
bの一方がスリット14aに大きくかつスリット14b
に小さく開口し、窪み22a,22bの他方がその逆の
状態となる事態が生じる。
【0028】この場合、スリット14aに大きく開口し
た窪み22a又は22bに連通する油室32又は34の
内圧は、他方の油室に比べて上昇し、従ってパワーピス
トン30には、その差圧に応じた推力が発生することに
なる。
【0029】ところで、油圧制御機構の出力軸20は、
出力軸20の回転を左右方向のストロークに変換して操
舵輪に所望の変位を与えるステアリングギヤボックス
(図示せず)の入力軸を構成している。
【0030】従って、入力軸10に固定されるステアリ
ングホイルに操舵トルクが与えられると、入力軸10と
出力軸20との間には、操舵トルクと操舵輪から受ける
反力とに起因するねじれモーメントが発生し、このねじ
れモーメントに起因して上記した相対作動角θが発生す
ることになる。
【0031】この際、発生する相対作動角θは、ステア
リングホイルに加えられた操舵トルクの大きさに対応し
た角度となり、またパワーシリンダ30が発生するアシ
スト力の大きさが相対作動角θに対応したものとなるこ
とから、操舵トルクに応じたパワーアシストが得られる
ことになる。
【0032】ところで、本実施例の動力舵取装置の油圧
制御機構を構成する入力軸10及び出力軸20は、図1
(A)、及びそのB矢視図である図1(B)に示すよう
に、それぞれ相対作動角“0”の状態で一体となってV
溝を構成する凹部10a,10b、及び20a,20b
を備えている。
【0033】これらの凹部10a,10b,20a,2
0bは、図1(A)に示すように、入力軸10及び出力
軸の半径方向断面形状がV字型となるように、かつ図1
(B)に示すように、入力軸10及び出力軸20の接線
方向断面形状がV字形状となるように、更に図2に示す
ように、境界部に対して相互に面対称となるようにその
形状が設定されている。
【0034】ここで、本実施例においては、凹部10
a,20aにより形成された窪みの中には球体40a
が、凹部10b,20bにより形成された窪みの中には
球体40bが配されている。ここで、これらの球体は、
相対作動角θが“0”の場合、凹部10a,10b,2
0a,20bの対称性より、入力軸10及び出力軸20
によって均等に把持された状態となる。
【0035】球体40a,40bの上面には、一端が球
体40a,40bに当接し、かつ他端が調整ネジ42に
当接して設けられたコイルスプリング44が配されてい
る。この場合、コイルスプリング44は、球体40a,
40bを凹部10a,10b,20a,20bの底部に
向けて付勢する作用を有し、調整ネジ42と共に前記し
た付勢機構を構成している。
【0036】尚、調整ネジ42は出力軸20のスリーブ
22に締めつける構成であり、その締め付け状態を調整
することでコイルスプリング44が球体40a,40b
に加える付勢力を容易に変更することができる。
【0037】以下、本実施例の動力舵取装置の油圧調整
機構の動作について説明する。図4は、上記図1(B)
中II-II 矢視図であり、図4(A)は相対作動角θが
“0”の場合、すなわち凹部10aと凹部20aとが互
いに対向し、一体となってV溝を形成している状態を、
また図4(B)は、適当な相対作動角θが発生し、凹部
10aと凹部20aとにずれが生じた状態を示してい
る。
【0038】図4(A)に示す状態に置いては、同図に
示すように球体40aの位置はコイルスプリング44の
付勢力により最大限凹部10a,20aの底部側の位置
となる。この場合球体40aが、凹部10aに対して
も、また凹部20aに対しても図中左右均等に当接する
ため、コイルスプリング44の付勢力は単に入力軸10
及び出力軸20を共に図中下方へ付勢する力として作用
するのみである。
【0039】一方、図4(B)に示す状態にあっては、
図中手前側に位置する凹部20aについては右側の傾斜
部のみが、また図中後方に位置する凹部10aについて
は左側の傾斜部のみがそれぞれ球体40aに当接する状
態が形成される。
【0040】この場合、球体40aを介して入力軸10
及び出力軸20に伝達されるコイルスプリング44の付
勢力は、出力軸20を図中右向きに変位させるように、
また入力軸10を図中左向きに変位させるよう、すなわ
ち相対作動角θを小さくするように作用することにな
る。
【0041】つまり、入力軸10と出力軸20との間に
何らのねじれモーメントも生じていない場合は、コイル
スプリング44の付勢力により、相対作動角θは“0”
とされ、上記図4(A)に示す状態が形成される。そし
て、入力軸10にその安定状態を崩す程度の操舵トルク
が入力されると、図4(A)の状態から図4(B)の状
態に変化し、その際に生じた作動角θに応じたアシスト
力がパワーシリンダ30により発生される。
【0042】ところで、本実施例の動力舵取装置におい
てアシスト力を得るためには、上述の如く図4(B)に
示す状態が形成される必要があるが、そのためには、コ
イルスプリング44の付勢力に抗って球体40aを図中
上方へ押し上げるのに十分な押圧力が凹部10a,20
aから球体40aに伝達される必要がある。
【0043】つまり、図5に示すようにコイルスプリン
グ44が球体40aに与える付勢力をFaとした場合、
凹部10aから球体40aへ伝達される力(図5中、破
線で示すベクトルに相当)の垂直成分と、凹部20aか
ら球体40aへ伝達される力の垂直成分との和が、付勢
力Faに抗い得る場合に初めて球体40aは図中上方へ
変位する。
【0044】この場合、凹部10aと凹部20aとは、
その対称性から均等に球体40aを押圧すると考えられ
ることから、個々の凹部10a,20aについて伝達力
の垂直成分がFa/2を越えれば、球体40aは付勢力
Faに抗って変位することが可能である。
【0045】ところで、個々の凹部10a,20aにつ
いて垂直方向にFa/2の力を発生させるためには、凹
部10a,20aの傾斜角をαとすると、その傾斜面に
垂直に、1/ sinα・(Fa/2)なる伝達力が発生し
ていることが必要である。
【0046】また、このような伝達力が発生している場
合、凹部10a,20aには、球体40aよりそれぞれ
fa=1/ tanα・2/Faなる大きさの力がその水平
方向に作用し、結局その合成力として、2・fa=Fa
/ tanαなる力が相対作動角θを狭める方向に働いてい
ることになる。
【0047】この場合、図6に示すように個々の球体4
0a,40bについて、それぞれ2・fa=Fa/ tan
α、及び2・fb=Fb/ tanα(但し、Fbは球体4
0bに与えられる付勢力とする)なる力が作用し(対称
性よりFa=Fbが成立する)、入力軸10の半径をr
とすると、入力軸10と出力軸20との間には、T=F
・r/ tanαなる反力トルクが作用していることにな
る。尚、Fはコイルスプリング44が発生する全付勢力
である。
【0048】ところで、上記した付勢力Fと反力トルク
Tとの関係は、相対作動角θが“0”の場合にも同様に
成立する。従って、初期状態における付勢力がF0 であ
るとすれば、入力軸10と出力軸20との間にT0 =F
0 ・r/ tanαなるトルク(以下、プリトルクと称す)
が発生するまで、すなわちステアリングホイルに加えら
れた操舵トルクが上記プリトルクT0 に達するまでは、
相対作動角θが“0”の状態が維持されることになる。
【0049】また、操舵トルクがプリトルクT0 を越え
る領域においては、相対作動角θの増加と共に球体40
a,40bの変位量が増加し、それに伴ってコイルスプ
リング44の付勢力Fが増大する。このため、かかる領
域においては、相対作動角θと反力トルクとの関係、す
なわち操舵トルクと相対作動角θとの関係は比例関係と
なり、結局本実施例の動力舵取装置においては、図7に
示す如き特性が実現される。
【0050】この場合、プリトルクT0 を越える領域に
おいては、操舵トルクの大きさに対応したアシスト力を
得ることができると共に、操舵トルクの小さい領域にお
いては、実質的に入力軸10が出力軸20に固定されて
いるに等しく、例えば直進時等ステアリングホイルがニ
ュートラル位置近傍に保持される際に高いスタアリング
剛性を確保することができる。
【0051】ところで、本実施例の装置の如き油圧式動
力舵取装置においては、パワーピストンに供給される油
圧Pに応じたアシスト力が発生するが、その油圧Pの圧
力上昇ΔPは入力軸10と出力軸20とで形成するロー
タリ弁の開口面積の2次関数として把握できることが知
られている。
【0052】一方、ロータリ弁の開口面積は、入力軸1
0と出力軸20との相対作動角θの1次関数であるか
ら、アシスト力の代用特性値である圧力上昇ΔPは、図
8に示すように相対作動角θの2次関数として把握する
ことができる。
【0053】従って、油圧制御機構が、上記図7に示す
ように、プリトルクT0 を越える領域において操舵トル
クに比例した相対作動角θを生ぜしめるものであると、
最終的には操舵トルクの2次関数として把握されるアシ
スト力が発生することになり、操作フィーリングに違和
感が生ずる場合がある。
【0054】これに対して、本実施例の動力舵取装置
は、上記したように凹部10a,20aの傾斜角αに対
して、T=F・r/ tanαなる反力トルクを発生するも
のであるため、αをθの関数として適当に設定し、例え
ば図9に示す如き形状の凹部50を構成すれば、図10
に示す如く、プリトルクT0 を越える領域における操舵
トルクと相対作動角θとの関係を適当に変化させること
ができる。
【0055】従って、この操舵トルク−相対作動角θ特
性により、上記図8に示す圧力上昇ΔP−相対作動角θ
特性を相殺することが可能であり、凹部10a,10
b,20a,20bをかかる特性を満たし得る形状とし
た場合には、図11に示す如く操作トルクに対して圧力
上昇ΔPが比例的に上昇するリニア部を有するアシスト
特性を実現することができる。
【0056】この場合、ニュートラル位置近傍において
高いステアリング剛性を確保できることに加え、小操舵
トルク領域におけるステアリング操作性に関するリニア
リティが向上し、従来の動力舵取装置に比べて著しく高
い操作フィーリングを実現することが可能となる。
【0057】また、本実施例の動力舵取装置において
は、調整ネジ42の締め付け状態を変更することによ
り、図7中に破線で示すようにプリトルクT0 を容易に
変更することができ、従って、ステアリング剛性の調整
が容易であり、組み付け時における作業性向上に資する
ことができる。
【0058】尚、上記実施例においては、前記した付勢
機構をコイルスプリング44及び調整ネジ42によって
実現しているが、付勢機構は必ずしも上記構成に限るも
のではなく、ゴム等のように球体40a,40bを確実
に凹部10a,10b,20a,20bの底部に向けて
付勢し得るものであればよい。
【0059】また、凹部10a,10b,20a,20
bの形状については、必ずしも入力軸10(及び出力軸
20)の半径方向、及び接線方向共にV字形状である必
要はなく、球体40a,40bを確実に把持できる構成
であれば、接線方向についてV字形状が確保されていれ
ばよい。更に、そのV字形状については、実質的にV字
が形成されていれば、すなわちV字に相当する傾斜部を
備えていれば足りるものである。
【0060】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、ステアリングホイルに印加される操舵トルクが、V
溝を形成する凹部から球体を押し出す程度に大きなトル
クに達するまでは、入力軸と出力軸とが実質的に一体化
した状態となる。このため、ニュートラル位置近傍にお
いて高いステアリング剛性を確保することができ、直進
時等において安定感の高いステアリング系を実現するこ
とができる。
【0061】また、ステアリングホイルに印加される操
舵トルクが、所定の作動トルクを越える領域では、従来
の装置と同様に、出力軸と入力軸との間に操舵トルクに
応じた相対作動角を生ぜしめることができ、かかる領域
においても動力舵取装置として高次元の操作フィーリン
グを実現することができる。
【0062】更に、請求項2記載の発明によれば、上記
請求項1記載の動力舵取装置における主要特性である作
動トルクを、付勢機構を構成する調整ネジの締め付け状
態を調整するだけで適切に設定することが可能であり、
組み付け作業性に優れた動力取付け装置を実現すること
ができるという特長を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である動力舵取装置の要部構
成図である。
【図2】本実施例の動力舵取装置に用いるロータの構成
を表す断面図である。
【図3】本実施例の動力舵取装置の要部である凹部の形
状を示す斜視図である。
【図4】本実施例の動力舵取装置の動作原理を説明する
ための図である。
【図5】本実施例の動力舵取装置の動作を説明するため
の図である。
【図6】本実施例の動力舵取装置に発生する反力トルク
の演算方法を説明するための図である。
【図7】本実施例の動力舵取装置の特性の一例を示す図
である。
【図8】入力軸と出力軸の相対作動角θとパワーピスト
ンに供給される油圧Pの圧力上昇ΔPとの関係を示す図
である。
【図9】本実施例の動力舵取装置に設ける凹部の形状の
他の例を示す側面図である。
【図10】本実施例の動力舵取装置の特性の他の例を示
す図である。
【図11】本実施例の動力舵取装置における操作トルク
と圧力上昇ΔPとの関係を示す図である。
【図12】従来の動力舵取装置の特性を示す図である。
【符号の説明】
10 入力軸 10a,10b,20a,20b 凹部 14 ロータ 20 出力軸 22 スリーブ 30 パワーピストン 36,38 油路 40a,40b 球体 42 調整ネジ 44 コイルスプリング

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリングホイルに連結される入力軸
    と、操舵輪の操舵装置に連結される出力軸との相対作動
    角に応じて、油圧発生源と操舵力助勢機構とを連通する
    油路の導通を制御して所望のパワーアシストを得る動力
    舵取装置において、 前記入力軸及び前記出力軸に相対作動角が生じていない
    場合に、該入力軸と該出力軸との境界部で一体となって
    相対変位のないV溝を形成する、前記入力軸及び前記出
    力軸それぞれに対向して設けられた凹部と、 該対向して設けられた凹部内に把持される球体と、 該球体を前記凹部の底部に向けて付勢する付勢機構とを
    備えることを特徴とする動力舵取装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の動力舵取装置において、 前記付勢機構は、一端が前記球体に当接するコイルスプ
    リングと、該コイルスプリングの他端に当接し、該コイ
    ルスプリングの初期変位量を調整する調整ネジとにより
    構成されることを特徴とする動力舵取装置。
JP711894A 1994-01-26 1994-01-26 動力舵取装置 Pending JPH07205825A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5921164A (en) * 1996-07-01 1999-07-13 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control valve assembly for power cylinder in power-assisted steering system

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