JPH072057U - グラビアロールの洗浄装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構造で、グラビアロールの洗浄を効率
よく行うことのできるグラビアロールの洗浄装置を提供
する。 【構成】 グラビアロール５を回転自在とする回転手段
６と、前記グラビアロール５の表面に洗浄液を噴射する
第１の洗浄手段７と、少なくとも洗浄状態において前記
グラビアロール５の表面に対して当接状態とされる第２
の洗浄手段８と、前記第１の洗浄手段７と前記第２の洗
浄手段８とを前記グラビアロール５の表面に沿って往復
動自在とする移動手段１１とを有することを特徴とす
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、グラビア塗工装置等に用いられるグラビアロールの洗浄装置に係り 、特に、網目形状の凹部を有するグラビアロールに好適なグラビアロールの洗浄 装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、グラビア塗工装置に用いられるグラビアロールを長期間使用すると、 グラビアロールの塗工面に形成された、例えば、網目模様等の凹部に塗工剤が固 化して付着し、目詰まりを生じる。そして、グラビアロールが目詰まりを生じる と塗工膜厚が薄くなるという問題点あった。

【０００３】 そこで、グラビアロールの使用限界に達する直前または所定の頻度にて、グラ ビア塗工装置からグラビアロールを取外して、グラビアロールの洗浄が行われて いる。

【０００４】 そして、グラビアロールの洗浄を行う場合には、コンテナ等の容器内に所望の 洗浄液を入れ、その洗浄液中に、グラビアロールを浸漬しながら人手にて真鍮ブ ラシ等を使用して洗浄作業を行っていた。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前述した従来のグラビアロールの洗浄においては、多大な労力 を必要とするとともに、グラビアロールの凹部の形状が螺旋溝の場合には比較的 容易に洗浄することができるが、グラビアロールの凹部の形状が網目形状で線数 の多いもの、例えば、網目の線数が９０線／ｃｍ以上のものは、凹部の間隔が狭 く、線径が７０μｍ程度の一般の真鍮ブラシでは、網目の奥まできれいに洗浄す ることができないという問題点があった。そこで、グラビアロールの洗浄を確実 に、かつ、容易に行うグラビアロールの洗浄装置が望まれていた。

【０００６】 本考案はこれらの点に鑑みてなされたものであり、前述した従来のものにおけ る問題点を克服し、簡単な構造で、グラビアロールの洗浄を効率よく行うことの できるグラビアロールの洗浄装置を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

前述した目的を達成するため本考案のグラビアロールの洗浄装置は、グラビア ロールを回転自在とする回転手段と、前記グラビアロールの表面に洗浄液を噴射 する第１の洗浄手段と、少なくとも洗浄状態において前記グラビアロールの表面 に対して当接状態とされる第２の洗浄手段と、前記第１の洗浄手段と前記第２の 洗浄手段とを前記グラビアロールの表面に沿って往復動自在とする移動手段とを 有することを特徴としている。

【０００８】

【作用】

前述した構成からなる本考案のグラビアロールの洗浄装置によれば、グラビア ロールを回転させるとともに、グラビアロールの軸方向に沿って移動する第１の 洗浄手段と第２の洗浄手段とにより、グラビアロールの表面を確実に洗浄するこ とができる。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図１から図３により説明する。

【００１０】 図１は本考案に係るグラビアロールの洗浄装置の一実施例の要部を示す正面図 であり、図２は要部を示す側面図であり、図３は要部を示す平面図である。

【００１１】 図１および図２に示すように、本実施例のグラビアロールの洗浄装置１は、剛 性のある適宜な素材により略長方体に形成された架台２の上部に、所望の洗浄ブ ース３が配設されている。そして、洗浄ブース３は、図２に示すように、作業側 ＯＳの前面の上部が上方に開閉自在とされた開閉扉４を有している。さらに、洗 浄ブース３は、図２に示すように、架台２の上方に配設された主室３ａと、この 主室３ａの作業側ＯＳと反対方向の奥側ＢＳに併設された副室３ｂとを有してい る。

【００１２】 図１から図３に示すように、前記洗浄ブース３の主室３ａ内には、洗浄対称物 であるグラビアロール５が、その軸心を左右方向水平（図１）にして着脱自在に 装着されるとともに、この装着されたグラビアロール５を回転させる回転手段６ としての適宜な回転台６ａ，６ａと、グラビアロール５の表面に図示しない適宜 な洗浄液を噴射する第１の洗浄手段７としての所望の洗浄液噴射ノズル７ａと、 少なくとも洗浄状態において前記グラビアロール５の表面に対して当接状態とさ れる第２の洗浄手段８としての回転自在な円盤状の真鍮ブラシ８ａと、グラビア ロール５の表面に付着した洗浄液等を所定の空気圧をもって除去する清浄手段９ としての所望のエアーノズル９ａ（図１，図３）とが配設されている。

【００１３】 そして、前記洗浄ブース３の主室３ａ内の左方の下部には、グラビアロール５ の洗浄後の洗浄液および塗工剤などの排出物を排出する適宜なドレン１０（図１ ）が設置されている。また、前記洗浄ブース３の副室３ｂ内には、前記洗浄液噴 射ノズル７ａと真鍮ブラシ８ａとエアーノズル９ａとをグラビアロール５の軸方 向に沿って往復動自在とする適宜な移動手段１１が配設されている。なお、前記 洗浄ブース３の主室３ａの上部に図示しない適宜な排気装置を配設するようにし てもよい。

【００１４】 前記回転台６ａ，６ａは、図１に示すように、グラビアロール５の両軸端を水 平に支持するように、洗浄ブース３の主室３ａ内の底部１２の左右に所望の距離 をおいて配設されており、この各回転台６ａは、底部１２に立設させた適宜な支 持部材１３と、この支持部材１３の上部に配設された回転自在な２つのロール部 材１４（図２）とにより形成されている。そして、各ロール部材１４は、図２に 示すように、その軸心を相互に平行に延在させるとともに、所望の隙間をもって その外周を相互に対向させるようにして支持部材１３に回転自在に軸支されてい る。さらに、図１の右方に示す一方の回転台の各ロール部材１４には、適宜な中 間回転体１５を介して架台２内に配設された変速モータ等の適宜な駆動モータ１ ６からの駆動力が所望のベルト１７とプーリ１８とにより伝達され、前記グラビ アロール５を時計方向（図２）に回転駆動させるようになっている。

【００１５】 なお、前記回転手段６は、グラビアロール５の軸方向の一端を図示しないスク ロールチャックにより把持し、他端を図示しない芯押し台により支持する構造と してもよく、グラビアロール５を着脱自在、かつ、回転自在とするもので有れば 、特に、本実施例の構造に限定されるものではない。

【００１６】 前記移動手段１１は、グラビアロール５の軸方向に沿って往復動自在に走行可 能とされた移動台１９を有している。この移動台１９は、前記副室３ｂの適宜な 位置に立設された所望の支持体２０（図３）に配設されたガイドシャフト２１（ 図２，図３）に摺動自在に装着されている。そして、図２に示すように、移動台 の下部には、下方に向けて配設した適宜な下支持部材２２が配設されており、こ の下支持部材２２には、回転自在とされた２個の車輪２３が上下方向に適宜な距 離をもって配設されている。そして、各車輪２３は、副室３ｂ内に配設された断 面略Ｌ字形状の所望のガイドレール２４，２４に当接されるようになっている。 また、下支持部材２２は、副室３ｂ内の所望の位置に配設された２個のプーリ２ ５間に巻回され、前記ガイドシャフト２１と平行に延在させた適宜なベルト２６ に固着されている（図１）。そして、図１の右方に示す一方のプーリ２５には、 架台２内に配設された適宜な駆動モータ１６からの駆動力が所望の減速機２７を 介して伝達ベルト２８により伝達される。

【００１７】 また、図３に示すように、前記移動台１９の上面の右方位置には、前記エアー ノズル９ａを固定する適宜なエアーノズル固定部材２９が配設されており、前記 エアーノズル９ａには所望の圧力の空気を供給するように配管されている。そし て、前記移動台１９の上面の中央位置には、前記洗浄液噴射ノズル７ａを固定す る適宜な洗浄液噴射ノズル固定部材３０が配設されており、前記洗浄液噴射ノズ ル７ａには、図１に示すように、架台２内に設置された適宜なフィルタを有する ポンプ３２を介して洗浄液を供給するように配管されている。さらに、前記移動 台１９の上面の左方位置には、前記真鍮ブラシ８ａを、少なくとも洗浄状態にお いて前記グラビアロール５の表面に対して当接可能とする適宜な真鍮ブラシ支持 部材３３と、この真鍮ブラシ８ａを回転させるための適宜な駆動源として、例え ば、エアーモータ３４が配設されている。このエアーモータ３４の回転駆動力は 、真鍮ブラシ支持部材３３の一端に回転自在に装着された真鍮ブラシ８ａの回転 軸３５の一端に所望のベルト部材３６を介して伝達される。また、洗浄状態にお いて、前記真鍮ブラシ８ａとグラビアロール５との当接角度θ（図１）は調節自 在とされている。

【００１８】 さらに、架台２内には、前記各種の機器の動作を制御する適宜な制御部３７（ 図１）が配設されている。

【００１９】 なお、前記移動手段１１は、前記第１の洗浄手段７、前記第２の洗浄手段８お よび前記清浄手段９をグラビアロール５の表面に沿って往復動自在に走行可能と する構成であればよく、特に、本実施例の構造に限定されるものではない。

【００２０】 また、洗浄液としては、グラビアロール５の目詰まり状態あるいは塗工材の種 類等により、水あるいは各種の溶剤から選択することができる。そして、前記の 機器類は、洗浄液として溶剤を用いる場合を考慮して、耐薬品性のある素材およ び防爆仕様のもの用いることが望ましい。

【００２１】 さらに、本実施例においては、第２の洗浄手段８として回転自在な円盤状の真 鍮ブラシ８ａを用いたが、真鍮ブラシ８ａの代わりに軟線を用いたバフを用いて もよく、特に、本実施例に限定されるものではない。

【００２２】 つぎに、前述した構成からなる本実施例の作用について説明する。

【００２３】 まず、本実施例のグラビアロールの洗浄装置１を用いてグラビアロール５の洗 浄を行う場合には、洗浄ブース３の主室３ａの開閉扉４を開き、洗浄すべきグラ ビアロール５を回転台６ａに搭載し、その後、グラビアロール５の表面に真鍮ブ ラシ８ａを所望の角度θで当接させる。そして、前記開閉扉４を閉じ、ドレン１ ０を開放して洗浄の準備を完了させた後に、洗浄作業を開始する。

【００２４】 すなわち、各種機器類を稼働させて、グラビアロール５を回転させるとともに 、洗浄液噴射ノズル７ａから所望の洗浄液を所望の圧力、例えば、１８０Ｋｇ／ ｃｍ２程度でグラビアロール５の表面に向かって噴射させるとともに、エアーノ ズル９ａから所望の圧力で空気をグラビアロール５の表面に向かって噴射させ、 かつ、グラビアロール５の表面と当接状態とされた真鍮ブラシ８ａを回転させる 。そして、この状態で移動手段１１を駆動させて移動台１９をグラビアロール５ の表面に沿って軸方向に移動させることにより洗浄作業を行う。

【００２５】 さらに、洗浄作業が終了したら、各機器類を停止させて、洗浄ブース３の主室 ３ａの開閉扉４を開き、洗浄の終了したグラビアロール５を回転台６ａから取り 外す。

【００２６】 このように、本実施例によれば、グラビアロール５の網目の線数（図示せず） が９０線／ｃｍ以上の場合には、この網目内に固着している洗浄すべき塗工剤（ 図示せず）を、洗浄液噴射ノズル７ａから噴射される高圧の洗浄液の圧力により 確実に除去し、この除去した塗工剤をエアーノズル９ａから噴射された所望の圧 力のエアーによりグラビアロール５の表面から確実に除去することができる。ま た、、グラビアロール５の網目の線数（図示せず）が９０線／ｃｍ以下の場合に は、高圧の洗浄液の圧力と真鍮ブラシ８ａの機械的な力とが相まって、グラビア ロール５の表面を確実に洗浄することができる。そして、グラビアロール５を洗 浄ブース３の主室３ａ内で自動的に洗浄することができるので、洗浄液の揮発分 や臭気が拡散して作業者に悪影響を与えることを防止するとともに、グラビアロ ール５の洗浄を効率よく行うことができる。

【００２７】 なお、前記洗浄液噴射ノズル７ａの代わりに、図示しない適宜な研削液噴射ノ ズルを配設し、洗浄液の代わりに適宜な研削液を所望の圧力、例えば、４５０Ｋ ｇ／ｃｍ２程度で噴射させることにより、本実施例のグラビアロールの洗浄装置 １をグラビアロールの再生用研磨装置とすることができる。

【００２８】 なお、本考案は前述した実施例に限定されるものではなく、必要に応じて種々 の変更が可能である。

【００２９】

【考案の効果】

以上説明したように本考案のグラビアロールの洗浄装置によれば、簡単な構造 によりグラビアロールの洗浄を効率よく行うことができるという実用的な効果を 奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るグラビアロールの洗浄装置の一実
施例の要部を示す正面図

【図２】本考案に係るグラビアロールの洗浄装置の要部
を示す側面図

【図３】本考案に係るグラビアロールの洗浄装置の要部
を示す平面図

【符号の説明】

１ グラビアロールの洗浄装置 ２ 架台 ３ 洗浄ブース ４ 開閉扉 ５ グラビアロール ６ 回転手段 ６ａ 回転台 ７ 第１の洗浄手段 ７ａ 洗浄液噴射ノズル ８ 第２の洗浄手段 ８ａ 真鍮ブラシ ９ 清浄手段 ９ａ エアーノズル １０ ドレン １１ 移動手段 １６ 駆動モータ １９ 移動台 ３２ ポンプ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 グラビアロールを回転自在とする回転手
   段と、前記グラビアロールの表面に洗浄液を噴射する第
   １の洗浄手段と、少なくとも洗浄状態において前記グラ
   ビアロールの表面に対して当接状態とされる第２の洗浄
   手段と、前記第１の洗浄手段と前記第２の洗浄手段とを
   前記グラビアロールの表面に沿って往復動自在とする移
   動手段とを有することを特徴とするグラビアロールの洗
   浄装置。