JPH07199527A - 静電荷像現像用カラートナー、現像剤及び画像製造方法 - Google Patents

静電荷像現像用カラートナー、現像剤及び画像製造方法

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JPH07199527A
JPH07199527A JP5325618A JP32561893A JPH07199527A JP H07199527 A JPH07199527 A JP H07199527A JP 5325618 A JP5325618 A JP 5325618A JP 32561893 A JP32561893 A JP 32561893A JP H07199527 A JPH07199527 A JP H07199527A
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toner
image
metal
color toner
resin
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JP5325618A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Fujii
徹也 藤井
Yugo Kumagai
雄五 熊谷
Osamu Higashida
修 東田
Chiaki Okada
千秋 岡田
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 テトラヒドロフラン可溶分の重量平均分子量
(Mw)と数平均分子量(Mn)の比が20以上のビニ
ル系樹脂、非金属4級アンモニウム塩、アニオン部が金
属錯体構造である金属含有4級アンモニウム塩及び着色
剤を含有してなる静電荷像現像用カラートナー。 【効果】 画像濃度やかぶり等の画像品質及び定着特性
に優れ、トナー飛散が発生しないカラー画像を、高速印
刷や長時間の繰り返し使用においても維持できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真や静電記録な
どにおいて、感光体表面に形成された静電荷像を顕像化
する静電荷像現像用カラートナー、該カラートナーを用
いた現像剤及び画像製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式は、米国特許第2,29
7,691号明細書、英国特許第1,165,406号
明細書及び同第1,165,405号明細書に記載され
ているように、光導電性物質を利用した感光体上へ一様
な静電荷を与える帯電工程、光を照射して静電潜像を形
成させる露光工程、潜像部分にトナーを付着させる現像
工程、トナー像支持体に転写させる転写工程、該トナー
像を熱、圧力、フラッシュ光等で像支持体に固着させる
定着工程、感光体上に残存したトナーを除去する清掃工
程及び感光体上の静電荷を除き、初期状態に戻す除電工
程からなり、これらの工程が繰り返されて幾枚もの印刷
物が得られる。
【0003】電子写真の分野に使用される静電荷像現像
用乾式トナーとしては、ポリスチレン樹脂を用いたトナ
ー(特公昭44−16118号公報)、スチレン−メタ
クリル酸ブチル共重合樹脂を用いたトナー(特公昭56
−11143号公報)等のスチレン−アクリル樹脂を用
いたトナー、ビスフェノールとエピクロルヒドリンを反
応させて得られるビスフェノール型エポキシ樹脂を用い
たトナー(特開昭57−96354号公報)、ビスフェ
ノール骨格を有するグリコールと多塩基酸とを反応させ
て得られるポリエステル樹脂を用いたトナー(特公昭5
2−25420号公報)等が知られているが、スチレン
−アクリル系樹脂は他の樹脂に比べて分子量、ガラス転
移点、溶融粘度等の樹脂物性を広範囲に操作でき、トナ
ーの設計上、極めて有利であることからトナーの大半は
このスチレン−アクリル系樹脂を用いたトナーで占めら
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年の電子写真や静電
写真は、情報の多様化、情報の高密度化に伴い多色の画
像品質が要求されるようになってきた。この要求に対応
するためにトナーの色相は黒以外のカラーが求められて
きている。カラートナー(黒色以外の色彩のトナー)
は、精密な色調が要求されるため、使用する原材料にも
色調面からの制約がある。従来の黒トナーの場合は、そ
のような制約が無いことから、多種多様な原材料が使用
でき、比較的容易にトナー特性を整えることができた。
しかし、カラートナーにおいては、使用する顔料を除き
無色あるいは淡色の原材料しか使用できないため、黒ト
ナーと同レベルの性能を有するカラートナーを開発する
ことは困難であった。さらに、印刷する速度が高速であ
るプリンターや複写機においては、特に深刻で、未だ実
用できるカラートナーが得られないのが実状であった。
本発明は、このような問題を解決するもので、画像濃度
やかぶり等の画像品質に優れるカラートナーを提供する
ことを目的とする。更に、繰り返し使用においても画像
品質を維持し、トナー飛散が発生せず良好な定着特性を
示す長寿命のカラートナーを提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、テトラヒドロ
フラン(以下THFと略記する)可溶分の重量平均分子
量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比が20以上のビ
ニル系樹脂、非金属4級アンモニウム塩、アニオン部が
金属錯体構造である金属含有4級アンモニウム塩及び着
色剤を含有してなる静電荷像現像用カラートナー、この
静電荷像現像用カラートナーとキャリアからなる現像剤
及びこれらを用いる画像製造方法に関する。
【0006】本発明の静電荷像現像用カラートナーの結
着樹脂であるビニル系樹脂としては、トナー特性が良好
なことから、スチレン−アクリル系樹脂が好ましいもの
として用いられる。ここで、スチレン−アクリル系樹脂
とは、スチレン系単量体及びアクリル系単量体(アクリ
ル酸及びメタクリル酸並びにそれらのエステル等の誘導
体)を必須成分とするビニル単量体を重合して得られる
共重合体を言う。ここでスチレン系単量体としては、例
えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、p−t−ブチルスチレン、p−クロルスチレン、ヒ
ドロキシスチレン等の他、架橋剤となるジビニルベンゼ
ン等がスチレン誘導体として挙げられる。
【0007】アクリル系単量体としては、メタクリル
酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ペ
ンチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘプチ
ル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタ
クリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル
酸ドデシル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸メ
トキシエチル、メタクリル酸プロポキシエチル、メタク
リル酸ブトキシエチル、メタクリル酸メトキシジエチレ
ングリコール、メタクリル酸エトキシジエチレングリコ
ール、メタクリル酸メトキシエチレングリコール、メタ
クリル酸ブトキシトリエチレングリコール、メタクリル
酸メトキシジプロピレングリコール、メタクリル酸フェ
ノキシエチル、メタクリル酸フェノキシジエチレングリ
コール、メタクリル酸フェノキシテトラエチレングリコ
ール、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸シクロヘキ
シル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリ
ル酸ジシクロペンテニル、メタクリル酸ジシクロペンテ
ニルオキシエチル、メタクリル酸N−ビニル−2−ピロ
リドン、メタクリロニトリル、メタクリルアミド、N−
メチロールメタクリルアミド、メタクリル酸フタルイミ
ドエチル、メタクリル酸フタルイミドプロピル、メタク
リル酸モルホリノエチル、メタクリル酸モルホリノプロ
ピル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル
酸ジエチルアミノエチル、ジアセトンメタクリルアミ
ド、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル
酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸ブチル、
アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デ
シル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシル、ア
クリル酸グリシジル、アクリル酸メトキシエチル、アク
リル酸プロポキシエチル、アクリル酸ブトキシエチル、
アクリル酸メトキシジエチレングリコール、アクリル酸
エトキシジエチレングリコール、アクリル酸メトキシエ
チレングリコール、アクリル酸ブトキシトリエチレング
リコール、アクリル酸メトキシジプロピレングリコー
ル、アクリル酸フェノキシエチル、アクリル酸フェノキ
シジエチレングリコール、アクリル酸フェノキシテトラ
エチレングリコール、アクリル酸ベンジル、アクリル酸
シクロヘキシル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、
アクリル酸ジシクロペンテニル、アクリル酸ジシクロペ
ンテニルオキシエチル、アクリル酸N−ビニル−2−ピ
ロリドン、アクリル酸グリシジル、アクリロニトリル、
アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジア
セトンアクリルアミド、ビニルピリジン、アクリル酸フ
タルイミドエチル、アクリル酸フタルイミドプロピル、
アクリル酸モルホリノエチル、アクリル酸モルホリノプ
ロピル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸
ジエチルアミノエチル等の1分子中にビニル基を1個有
する単量体、架橋剤となるグリコールとメタクリル酸ま
たはアクリル酸との反応生成物、例えばエチレングリコ
ールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジ
メタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレ
ート、1,5−ペンタンジオールジメタクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペン
チルグリコールジメタクリレート、ジエチレングリコー
ルジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタク
リレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、
トリプロピレングリコールジメタクリレート、ヒドロキ
シピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジメタク
リレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、
トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエ
リトリットトリメタクリレート、ペンタエリトリットテ
トラメタクリレート、トリスメタクリロキシエチルホス
フェート、ビス(メタクリロイルオキシエチル)ヒドロ
キシエチルイソシアヌレート、トリス(メタクリロイル
オキシエチル)イソシアヌレート、エチレングリコール
ジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリ
レート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,
5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサ
ンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ
アクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、
トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレン
グリコールジアクリレート、トリプロピレンジアクリレ
ート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ
アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタ
エリトリットトリアクリレート、ペンタエリトリットテ
トラアクリレート、トリスアクリロキシエチルホスフェ
ート、ビス(メタクリロイルオキシエチル)ヒドロキシ
エチルイソシアヌレート、トリス(メタクリロイルオキ
シエチル)イソシアヌレート等の1分子中に2個以上の
ビニル基を有する単量体がある。
【0008】さらに、軟質塩化ビニールシートへのトナ
ー付着を防止するためにはヒドロキシル基を有するビニ
ル単量体を使用するのが好ましい。該当する単量体とし
ては、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル
酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキ
シ−3−フェニルオキシプロピル、メタクリル酸2−ヒ
ドロキシブチル、メタクリル酸グリシジルとメタクリル
酸またはアクリル酸とのハーフエステル化物、ビスフェ
ノール型エポキシ樹脂とメタクリル酸またはアクリル酸
とのハーフエステル化物、アクリル酸2−ヒドロキシエ
チル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸
2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル、アクリ
ル酸2−ヒドロキシブチルなどのアクリル系単量体があ
る。なお、高湿(約60%RH以上)下での帯電性、耐
ブロッキング性が要求される場合には二級のヒドロキシ
ル基を有するビニル単量体、例えばメタクリル酸2−ヒ
ドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシ3−フ
ェニルオキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシブ
チル、メタクリル酸3−ヒドロキシブチル、アクリル酸
2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシ3
−フェニルオキシプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシ
ブチル、アクリル酸3−ヒドロキシブチルなどを好まし
く使用することができる。特にメタクリル酸2−ヒドロ
キシプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピルが得
られる樹脂の特性面から好ましい。二級のヒドロキシル
基を有するビニル単量体は特に全ヒドロキシル基含有単
量体のうち80モル%以上使用するのが好ましい。ヒド
ロキシル基含有単量体は重合体のヒドロキシル価が80
〜250になるように配合されるのが好ましい。
【0009】その他、マレイン酸ジブチル等のマレイン
酸ジアルキル、フマル酸ジブチル等のフマル酸ジアルキ
ル、イタコン酸ジブチル等のイタコン酸ジアルキル等の
ビニル系単量体を併用することもできる。これらの単量
体のうち、好ましいものとしては、1分子中に1個のビ
ニル基を有するものでは、スチレン、スチレン誘導体、
メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、マレイン
酸ジアルキル、フマル酸ジアルキル、イタコン酸ジアル
キルがある。また、1分子中に2個以上のビニル基を有
する単量体(架橋剤)としては、ジビニルベンゼン、炭
素原子数2〜6個のアルキレングリコールのジメタクリ
レート及びジアクリレートが好ましい。
【0010】特にスチレン及びアルキル基に1〜5個の
炭素原子を有するメタクリル酸またはアクリル酸のアル
キルエステルを主成分とし、マレイン酸ジアルキル、フ
マル酸ジアルキル及び/又はイタコン酸ジアルキル(特
に好ましくはマレイン酸ジブチル及び/又はフマル酸ジ
ブチル)を使用し、かつ架橋剤(特に好ましくはジビニ
ルベンゼン)を用いる混合系が定着温度及び画像濃度の
変化に対する定着強度、耐オフセット性の安定性の点で
優れ、さらに本発明の特徴である微量の帯電制御剤を使
用した系においても該帯電制御剤の分散性に優れるので
好ましい。架橋剤は全単量体中0.05〜1.0重量
%、マレイン酸ジアルキル、フマル酸ジアルキル及び/
又はイタコン酸ジアルキルは全単量体中0.1〜5.0
重量%使用するのが、定着強度及び耐オフセット性の改
良の点でとりわけ好ましい。
【0011】前記単量体混合物は種々の重合法で重合し
てビニル系樹脂とすることができるが、懸濁重合法で重
合するのが好ましい。この理由は、容易で安定した製造
が可能であり、脱溶媒処理を必要としないためトナーの
保存性が良く、感光体へのトナーフィルミングが発生し
にくいこと、さらには経済性の点でも優れること、樹脂
の帯電性が高くトナーに配合する帯電制御剤の量を少な
くできることなどの利点があるからである。重合に際
し、使用される重合開始剤としては、過酸化アセチル、
過酸化デカノイル、過酸化ラウロイル、過酸化ベンゾイ
ル、過酸化p−クロロベンゾイル、過酸化2、4−ジク
ロロベンゾイル、過ジ炭酸ジイソプロピル、過ジ炭酸ジ
−2−エチル−ヘキシル、アセチルシクロヘキサンスル
ホニルペルオキシド、過酢酸tert−ブチル、過イソ酪酸
tert−ブチル、アゾビスイソブチロニトリル、2、2′
−アゾビス−2、4−ジメチルバレロニトリル、2、
2′−アゾビス−4−メトキシ−2、4−ジメチルバレ
ロニトリル、過2−エチルヘキサン酸tert−ブチル、過
安息香酸tert−ブチル等の公知のものが挙げられる。こ
れらは単量体の総量に対して0.1〜15重量%で使用
されるのが好ましい。また、これらは単量体に溶解して
使用するのが好ましい。
【0012】本発明において上記ビニル系樹脂はTHF
可溶分の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(M
n)の比が20以上、好ましくは20〜100に調整さ
れる。数平均分子量(Mn)/数平均分子量(Mn)が
20未満の場合、帯電制御剤の結着樹脂への均一分散が
まま成らず、帯電制御剤が所定量取り込まれない過大ま
たは過小のトナー粒子が生成し、それらが高帯電トナー
や低帯電または逆帯電トナーとなり、有機光導電性物質
の電位的欠陥や機械的衝撃または放電破壊による微小欠
陥に過敏に感応して画像欠陥として発現したり、感光体
の潜像にカラートナーが忠実に現像されなかったり、そ
の現像性が劣ったり、ベルト転写時に感光体の潜像上の
カラートナー画像が像支持体に移行しにくかったりす
る。また、潜像電位勾配に正常に感応しないため、感光
体の作像部以外に付着して画像品質の低下や清掃不良の
原因となる。当然、転写残カラートナーをリサイクル使
用するとその画像は低品位となってしまう。また、トナ
ー飛散も発生しやすく、これは安全、衛生、経済面でも
問題となる。このような現象は帯電制御剤がトナー中に
0.1重量%以下の場合に顕著に現われる。さらにはキ
ャリアとの衝撃、容器との摩擦によりトナーが微細化さ
れて設定トナー特性を維持できなくなるため、本発明の
目的の1つである長期繰り返し使用が困難になる。な
お、本発明において樹脂の平均分子量はゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー法により測定し、標準ポリス
チレン検量線を用いて換算した値である。
【0013】前記ビニル系樹脂のガラス転移温度は35
〜100℃に調節されるのが好ましく、特に50〜90
℃に調節されるのが好ましい。ガラス転移温度が35℃
未満ではトナーが貯蔵期間中または現像機中でブロッキ
ング(トナー粒子が凝集して塊になる現象)を起こしや
すい。一方、ガラス転移温度が100℃を越えると、定
着性等が低下する傾向にあり、またトナーが溶融混練、
粉砕、分級の工程で製造される場合、粉砕工程に時間を
費やし、生産効率が低下する傾向にある。本発明のカラ
ートナーの於いては上記のビニル系樹脂を2種類以上併
せて結着樹脂としてもよいし、上記のビニル系樹脂のほ
かに、その他の樹脂を1種以上併用してもよい。
【0014】その他の樹脂としては、KR−216、K
R−220、KR−152、KR−271、KR−25
5(以上信越化学工業(株)製)、SR−2400、S
R−2406、SH−840(以上東レシリコーン
(株)製)等のシリコーン樹脂、1−ソレックス(Cd
Fケミック社製)のノルボルネン系重合体、C−200
A、C−250A(以上三菱化成(株)製)、ユーピロ
ンP−1000(三菱瓦斯化学(株)製)等のポリエス
テルカーボネート、リグノールR−70、R−120、
R−140、P−2(以上リグナイト(株)製)等のキ
シレン樹脂、エピコート1004、1007、100
9、1010、YL−903、906、エピコート60
4(以上シエル社製)、エポミックR304、R30
7、R309(以上三井石油化学工業(株)製)等のエ
ポキシ樹脂、ニッポールBR−1220、1032、1
441、ニッポールIR2200、ニッポールNBR、
2057S、2007J(以上日本ゼオン(株)製)等
のジエン系樹脂、PC・RESIN2H、3H、8H、
11A(以上日立化成工業(株)製)、ATR200
5、2009、2010、HTR−1、HTR−2(以
上花王(株)製)、FC017、034、035、03
6(以上三菱レーヨン(株)製)等の市販のポリエステ
ル樹脂、フェノール樹脂、テルペン樹脂、クマロン樹
脂、アミド樹脂、アミドイミド樹脂、ブチラール樹脂、
アミノ樹脂、ウレタン樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重
合体、エチレン・アクリルエステル共重合体などがあ
る。本発明における結着樹脂としては、前記ビニル系樹
脂、特に前記スチレン−アクリル系樹脂を主成分(特に
100〜70重量%)とし、その他の樹脂を0〜30重
量%の量で使用するのが好ましい。
【0015】本発明に使用する結着樹脂は、残存単量体
の含有量が0.15重量%以下であるのが好ましい。残
存単量体の含有量が0.15重量%を越えると実装中に
印刷濃度の低下、印字濃度むらといった印字障害が発生
する確率が高くなる傾向にある。なお、残存単量体の量
は、ガスクロマトグラフィー法等によって測定すること
ができる。例えば、各々の単量体又は溶媒のガスクロマ
トグラフによる検量線を作成し、共重合体を一定量の溶
媒に溶解して、ガスクロマトグラフにかけ、前記検量線
を用いて、各々の残存単量体又は残存溶媒を定量するこ
とができる。なお、後述する実施例では、この方法で定
量した。該結着樹脂は、カラートナー中に60〜95重
量%配合されるのが好ましい。この量が60重量%未満
では、トナー像支持体へのトナー結着力が弱く、トナー
像支持体を折り曲げたり、こすったりした際、トナー像
の欠落が起こり、印字障害となりやすい。一方、結着樹
脂が95重量%を越えた場合は、カラートナー像の隠蔽
力不足による貧印字品質になる傾向にある。
【0016】本発明のトナーには、非金属4級アンモニ
ウム塩及びアニオン部が金属錯体構造である金属含有4
級アンモニウム塩(以下単に金属含有4級アンモニウム
塩とする)の少なくとも2種類の帯電制御剤がトナー中
に添加される。金属含有4級アンモニウム塩の金属原子
としては、帯電特性、色調の点からモリブデンが特に好
ましい。非金属4級アンモニウム塩及び金属含有4級ア
ンモニウム塩は、トナーに対して、それぞれ0.1〜4
重量%の量で含有するのが好ましく、特に0.5〜3重
量%の量で含有されるのが好ましい。非金属4級アンモ
ニウム塩の量が0.1重量%未満の場合はトナーは迅速
に帯電しにくいためトナーとキャリアの混合初期に飛散
を起こし易く、また、金属含有4級アンモニウム塩の量
が0.1重量%未満の場合、印刷の経過と共にトナー飛
散を起こしやすい。また、それぞれの量が4重量%を越
えて使用してもそれ以上の改良がみられない。
【0017】また、帯電制御剤の総量はトナーに対して
1〜5重量%が好ましい。1重量%未満ではトナー飛散
を起こしやすく、一方5重量%を超える場合は、定着
性、耐環境性低下等の問題が生じることがある。さら
に、非金属4級アンモニウム塩及び金属含有4級アンモ
ニウム塩の比率は重量比で2:1〜1:2であるのが、
トナー特性上好ましい。
【0018】本発明に用いられる非金属4級アンモニウ
ム塩として好ましいものは、下記一般式(I)における
アニオン部A-が非金属イオンのものであり、金属含有
4級アンモニウム塩として好ましいものは、下記一般式
(I)におけるアニオン部A-が金属錯体構造のもので
ある。
【化1】 (式中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に置換基
を有していても良いアルキル基、アリール基、アラルキ
ル基、アルケニル基等であり、A-はアニオンである) アニオンA-は、非金属4級アンモニウム塩では、塩素
イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、硫酸イオン、硝酸
イオン、過塩素酸イオン、ホウ酸イオン、リン酸イオ
ン、有機リン酸イオン、安息香酸イオン、ナフトールス
ルホン酸イオン、パラトルエンスルホン酸イオン等の有
機スルホン酸イオン、カルボン酸イオンなどがあり、特
にナフトールスルホン酸イオン、パラトルエンスルホン
酸イオン等の有機スルホン酸イオンが好ましく、金属含
有4級アンモニウム塩では、モリブデン酸、タングステ
ン酸、リンモリブデン酸、ケイモリブデン酸、リンタン
グステン酸、ケイタングステン酸、ケイタングステンモ
リブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、クロムモ
リブデン酸、クロムタングステン酸等があり、モリブデ
ンを含むものが好ましい。R1、R2、R3及びR4は炭素
原子数が1〜30のものが好ましい。
【0019】非金属4級アンモニウム塩のカチオンは、
具体的には下記のものが好ましいものとして挙げられ
る。
【化2】 また、金属含有4級アンモニウム塩のカチオンは、具体
的には下記のものが好ましいものとして挙げられる。
【化3】
【0020】具体的な非金属4級アンモニウム塩として
は、例えば、ナフトールスルホン酸の4級アンモニウム
塩であるボントロンP−51(オリエント化学工業
(株)製)、TP−4040(保土谷化学工業(株)
製)、コピーチャージPSY UP2038(ヘキスト
社製)、LRA−901(日本カーリット(株)製)な
どの市販品が好ましいものとして挙げられる。また、金
属含有4級アンモニウム塩としては、モリブデン酸の4
級アンモニウム塩であるTP−302、TP−415
(いずれも保土谷化学工業(株)製)などの市販品が好
ましいものとして挙げられる。なお、その他の帯電制御
剤としてボントロンN−01、N−07、N−04(い
ずれもオリエント化学工業(株)製)、コピーブルーP
R(ヘキスト社製)等があり、これらは色調、帯電特性
等に支障がない範囲で併用することができる。
【0021】本発明のカラートナーには黒色以外の着色
剤が使用される。具体的には、黄鉛、カドミウムエロ
ー、黄色酸化鉄、チタン黄、クロムエロー、ナフトール
エロー、ハンザエロー、ピグメントエロー、ベンジジン
エロー、パーマネントエロー、キノリンエローレーキ、
アンスラピリミジンエロー等の黄色着色剤、パーマネン
トオレンジ、モリブデンオレンジ、バルカンファースト
オレンジ、ベンジンオレンジ、インダンスレンブリリア
ントオレンジ等の橙色着色剤、酸化鉄、アンバー、パー
マネントブラウン等の褐色着色剤、ベンガラ、ローズベ
ンガラ、アンチモン、パーマネントレッド、ファイヤー
レッド、ブリリアントカーミン、ライトファストレッド
トーナー、パーマネントカーミン、ピラゾロンレッド、
ボルドー、ヘリオボルドー、ローダミンレーキ、デュポ
ンオイルレッド、チオインジゴレッド、チオインジゴマ
ルーン、ウォッチングレッドストロンチウム等の赤色着
色剤、コバルト紫、ファーストバイオレット、ジオキサ
ジンバイオレット、メチルバイオレットレーキ等の紫色
着色剤、メチレンブルー、アニリンブルー、コバルトブ
ルー、セルリアンブルー、カルコオイルブルー、無金属
フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ウルト
ラマリンブルー、インダンスレンブルー、インジゴ等の
青色着色剤、クロムグリーン、コバルトグリーン、ピグ
メントグリーンB、グリーンゴールド、フタロシアニン
グリーン、マラカイトグリーンオクサレート、ポリクロ
ムブロム銅フタロシアニン等の緑色着色剤などの顔料又
は染料、酸化チタン、酸化亜鉛等の酸化金属粉が用いら
れる。着色剤の量はトナーの総量に対して0.1〜15
重量%であるのが好ましい。
【0022】本発明のトナーはさらにポリオレフィンを
含有するのが好ましい。ポリオレフィンとしては、エチ
レン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプ
テン、オクテン、ノネン、デセン、3−メチル−1−ブ
テン、3−メチル−2−ペンテン、3−プロピル−5−
メチル−2−ヘキセン等のオレフィン単量体の重合体ま
たは前記のオレフィン単量体とアクリル酸、メタクリル
酸、酢酸ビニル等との共重合体が該当するが、特にポリ
プロピレンが好ましい。これらはトナー中に0.5〜1
0重量%、特に1〜5重量%配合されるのが好ましい。
0.5重量%未満では定着強度、ヒートロール定着方式
におけるオフセット等の定着特性に劣る傾向がある。一
方10重量%を超える場合にはトナーの流動性が劣るた
め、現像剤流動不良により画像品質が低下したり、トナ
ー及び現像剤の収容容器内で材料が滞留を起こす等の問
題が発生しやすい。
【0023】本発明のトナーには必要に応じてその他の
化合物が含有させられる。その他の化合物としては、ス
テアリン酸ブチル、ステアリン酸プロピル等の脂肪酸の
低級アルコールエステル、カスタ・ワックス(伊藤製油
(株)製)、ダイヤモンドワックス(新日本理化(株)
製)等の脂肪酸の多価アルコールエステル、パームアセ
チ(日本油脂(株)製)、ヘキストワックスE、ヘキス
トワックス−OP(ヘキストアクチエンゲゼルシャフト
社製)、カルナウバワックス等の脂肪酸の高級アルコー
ルエステル、ビスアマイドブラストフロー(日東化学工
業(株)製)、アマイド6L、7S及び6H(川研ファ
インケミカル(株)製)、ヘキストワックスC(ヘキス
ト・アクチエンゲルシャフト社製)等のアルキレンビス
脂肪酸アミド化合物、ニッポールNBR、2057S、
2007J、BR1220等の重量平均分子量が5万以
上のジエン系樹脂、ヒドロキシル基含有ビニル系樹脂、
カルボキシル基含有ビニル系樹脂等がある。これらの化
合物は、トナーの帯電性や定着性を微調整したり、感光
体やトナーの寿命を改善したりする役目をなし、トナー
中に0〜10重量%の量で加えることができる。
【0024】以上の、結着樹脂、帯電制御剤、着色剤及
び必要に応じて加えられる他の化合物は、均質化工程を
経てトナーとされる。例えば、上記成分をヘンシェルミ
キサーで乾式混合した後、ニーダーで溶融状態でのミク
ロ混合を行い、次いで冷却した混練物をピンミル、ジェ
ットミル等で微粉砕し、好ましくは平均粒径5〜30μ
m、特に好ましくは平均粒径7〜15μmのトナーとさ
れる。本発明のカラートナーには、上記トナーをトナー
母体とし、さらにその他の添加剤を外部添加混合(外
添)することもできる。例えば、表層に色調を変えない
範囲内で磁性粉を含有させることができる。かかる磁性
粉としては、鉄、マンガン、ニッケル、コバルト等の金
属粉末、鉄フェライト、銅−亜鉛フェライト、バリウム
−ニッケルフェライト、ニッケル−亜鉛フェライト、マ
ンガン−亜鉛フェライト、リチウム−亜鉛フェライト、
マグネシウム−亜鉛−銅フェライト、バリウム−銅−亜
鉛フェライト等の各種フェライトが好ましい。
【0025】また、その他の添加剤としてシリカ微粉末
を用いることができる。シリカ微粉末を使用する場合は
トナー母体に対して0.1〜1重量%、特に0.2〜
0.8重量%添加混合するのが好ましい。シリカ微粉末
が0.1重量%未満では画像のシャープさやかぶりが劣
る傾向にあり、1重量%を超えると繰り返し使用時の画
像濃度が低下したり、定着強度が低下する傾向がある。
上記シリカ微粉末としては、疎水性化したシリカ微粉末
が最適である。このようなシリカ微粉末は、表面珪素原
子がシラノール基になっている二酸化珪素の微粉末を、
例えばオクチルトリクロロシラン、デシルトリクロロシ
ラン、ノニルトリクロロシラン、4−イソプロピルフェ
ニルクロロシラン、4−tert−ブチルフェニルクロロシ
ラン、ジメチルジクロロシラン、ジペンチルジクロロシ
ラン、ジヘキシルジクロロシラン、ジオクチルジクロロ
シラン、ジノニルジクロロシラン、ジデシルジクロロシ
ラン、ジドデシルジクロロシラン、4−tert−ブチルフ
ェニルジクロロシラン、ジデセニルジクロロシラン、ジ
−2−エチルヘキシルジクロロシラン、ジ−3,3−ジ
メチルペンチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラ
ン、トリヘキシルクロロシラン、トリデシルクロロシラ
ン、ジオクチルクロロシラン、オクチルジメチルクロロ
シラン、4−イソプロピルフェニルジエチルクロロシラ
ン等の化合物と反応させることにより、二酸化珪素粒子
の表面珪素原子に酸素原子を介して疎水性基を結合させ
たものである。これらのシリカ微粉末は、一次粒子の平
均粒径が30mμ以下にあるものが感光体の保護の点で
好ましい。このようなシリカ微粉末としては、アエロジ
ルR972、シリカD−17、T−805、R−81
2、RA200H、RX−C(以上、日本アエロジル
(株)製)、タラノックス500(タルコ社製)、Ca
b−O−Sil、M−5、MS−7、MS−75、HS
−5、EH−5、S−17、TS−720(以上、キャ
ボット社製)等が市販されている。
【0026】また、その他の添加剤として感光体や現像
剤の寿命などの特性を向上させるために脂肪酸金属塩を
使用することができる。脂肪酸金属塩としては、飽和又
は不飽和脂肪酸の金属塩、例えばマレイン酸、ステアリ
ン酸、オレイン酸、パルミチン酸、レノール酸、リシノ
ール酸又はリシノレイン酸と亜鉛、マグネシウム、カル
シウム、鉛、鉄、ニッケル、コバルト、銅又はアルミニ
ウムとの塩などが挙げられ、中でもステアリン酸亜鉛、
ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、
ステアリン酸マグネシウムが好ましく使用できる。脂肪
酸金属塩はトナー母体に対して0.01〜0.5重量
%、特に0.01〜0.2重量%添加混合するのが好ま
しい。脂肪酸金属塩が0.01重量%未満では感光体が
有機光導電体である場合、特に短寿命になることがあ
る。一方、0.5重量%を超えるとトナーの流動性が低
下したり、トナーが感光体や現像機内に付着しやすくな
る傾向にある。
【0027】さらに本発明のトナーには、更に必要に応
じてその他の添加剤を加えることができる。係る添加剤
としては、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、
炭酸カルシウム、ポリメタクリル酸メチルなどの微粒子
などがある。トナー母体に必要に応じて加えられるその
他の添加剤は例えばV型混合機、ヘンシェルミキサ、タ
ーブラミキサ、ハイブリタイザなどで混合処理されトナ
ー母体に保持される。以上のようにして得られる静電荷
像現像用トナーは、キャリアと組み合わせて本発明の現
像剤とされる。
【0028】かかるキャリアは、形状としては真球状、
疑球状、扁平上、スポンジ状のものが、材質としては酸
化鉄粉、鉄、銅、亜鉛、鉛、マグネシウム、リチウム、
マンガン、コバルト、ニッケル、バリウム等のフェライ
トキャリアなどが使用できるが、現像機への負荷が少な
く、画質が良好である等の理由からキャリアの材質は、
フェライト又はマグネタイトであるのが好ましく、特に
球形のフェライト系キャリアが好ましい。また、上記フ
ェライト又はマグネタイトを芯材として、その表面を樹
脂で被覆したものが好ましく適用される。この樹脂被覆
キャリアは、帯電の立上り性に優れ、繰り返し使用にお
けるトナーのキャリア表面への融着がなく適正な帯電機
能を維持できるので好ましい。また、使用によりキャリ
ア電荷量が蓄積されてキャリア側に保持されたカラート
ナーが現像されにくくなり画像濃度が薄くなるという問
題を解決できるので、被覆する樹脂としてはシリコン系
樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂が好ましく、特に
フッ素系樹脂が好ましい。
【0029】また、本発明の現像剤は図1で説明される
装置で測定した電気抵抗率が1×108〜3×1010Ω
・cm、特に5×108〜2×1010Ω・cmに調整される
のが好ましい。このように電気抵抗率を調整するために
被覆樹脂にはカーボンブラック、各種金属粉末、界面活
性剤などの電気抵抗調整剤などが混合され、素材キャリ
アの被覆に供せられるのが好ましい。ここで現像剤の電
気抵抗率が108Ω・cm未満では電荷の漏洩が大きく安
定な帯電性が得られにくく、ハーフトーンや細線画像が
うまく出にくく、3×1010Ω・cmを超えると画像濃度
が低下しやすく、エッジ効果が生じやすい。現像剤にお
けるトナーの混合比は、トナーとキャリアの総量に対し
て1〜10重量%、特に1〜7重量%にするのが好まし
い。1重量%未満では印刷物の濃度が薄かったり、キャ
リアが感光体に付着する、いわゆるキャリアスティック
が発生しやすい。一方、10重量%を超えるとトナーの
飛散が目立ち印刷物の品質を低下させたり、作業環境を
汚染する傾向にある。
【0030】本発明の画像製造方法においては、感光体
上に形成された静電潜像を本発明のカラートナーを含む
現像剤によって顕像化し、次いで紙などの支持体に転写
した後、定着し、目的とする画像を製造することができ
る。本発明の画像製造方法においては、感光体として非
結晶金属光導電性物質を含むもの、特にそれがセレンで
あるものが、現像剤とのマッチングが良好であり、長期
にわたって画像品質を維持できるので好ましい。また、
感光体の周速が20cm/s以上の周速で回転する高速の現
像プロセスにおいて、本発明の画像製造方法は顕著に従
来の方法との相違を示す。
【0031】
【実施例】以下に、実施例により本発明を詳述するが、
本発明はこれに限定されるものではない。 実施例1〜6及び比較例1〜4 (1)共重合体R−1〜R−7の製造 10重量%水分散されたアパタイト(スーパータイト1
0、日本合成化学(株)製)100重量部をミクロ分散
した水分散媒体3,000重量部を収容した87〜92
℃の反応容器に窒素気流下、表1に示す単量体と重合開
始剤を仕込み約6時間保持した。その後一旦温度を40
℃まで冷却した後、表2に示す単量体と重合開始剤を仕
込み87〜92℃で約4時間保持し、更に96℃以上で
10時間保持した。冷却後、塩酸水溶液で洗浄し、濾過
熱風乾燥して共重合体を得た。共重合体の特性を表3に
示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】(2)トナーの製造 表4に示すトナー材料を一括してヘンシェルミキサーで
予備混合した後、二軸ニーダーで溶融混練した。次いで
冷却した混練物をピンミル及びジェットミルで平均粒径
10〜12μmのトナーを得た。 (3)評価 (a)評価方法 表4に示すトナーとキャリアからなる現像剤4000g
を用いて、非晶質セレン感光体を搭載したレーザービー
ムプリンタで画像を製造し評価した。感光体をコロトロ
ンで約700Vに帯電後、ヘリウムーネオンレーザで情
報を書き込み、これを磁気ブラシ方式で反転現像し、そ
の後ヒートロールで定着する。感光体の周速が32cm/s
ec、現像ギャップをフェライトキャリアには1.3mm、
鉄粉キャリアには3.5mmとしたプリンターに搭載して
評価した。印刷は20℃、相対湿度40%の環境下で行
った。印刷中のヒートロール温度は190℃である。
【0036】(b)定着強度 初期画像について定着強度は次式で算出した。
【数1】 (c)画像濃度(O.D)、かぶり及びハーフトーン 画像濃度(O.D)とかぶりはマクベス反射濃度計RD
514型(A divisionkollmorgen Corp.製)を用いて測
定した。目視によりハーフトーンの再現の程度を判定し
た。ハーフトーン再現性の評価基準は次のとおりであ
る。 ○:良好なハーフトーン像が得られる △:若干ハーフトーンが薄い ×:ハーフトーンが出ない (d)飛散 目視によりトナーの飛散の程度を判定した。トナーの飛
散の評価基準は次のとおりである。 ○:ほとんど飛散が無い △:微量の飛散が認められる ×:飛散が多くみられる (e)現像剤の電気抵抗率 現像剤の電気抵抗率は図1の測定装置を用い測定した。
なお、図1の(1)は、測定装置の構成、(2)は回路
図を示す。測定セル2に現像剤4を800gを仕込み、
磁石ロール1上に現像剤の穂を形成し、磁石ロールと対
向電極を結んで閉鎖回路をつくり、この閉回路に直流電
圧を印加し現像剤の電気抵抗率を次式により求めた。
【数2】
【0037】
【表4】
【0038】
【表5】
【0039】実施例7 実施例1の共重合体をR−4に置き換えて実施例1と同
じ評価を行ったところ、定着強度92%、初期画像濃度
1.3、初期かぶり0.1、初期飛散 ○ 、初期ハーフ
トーン ○ 、40万頁後の画像濃度1.1、40万頁後
のかぶり0.1、40万頁後の飛散 ○ 、40万頁後の
ハーフトーン ○ と良好であった。 実施例8 実施例1の共重合体をR−6に置き換えて実施例1と同
じ評価を行ったところ、定着強度80%、初期画像濃度
1.3、初期かぶり0.1、初期飛散 ○ 、初期ハーフ
トーン ○ 、40万頁後の画像濃度1.1、40万頁後
のかぶり0.1、40万頁後の飛散 ○ 、40万頁後の
ハーフトーン ○ と良好であった。 実施例9 実施例1の共重合体をR−7に置き換えて実施例1と同
じ評価を行ったところ、定着強度90%、初期画像濃度
1.3、初期かぶり0.1、初期飛散 ○ 、初期ハーフ
トーン ○ 、40万頁後の画像濃度1.1、40万頁後
のかぶり0.1、40万頁後の飛散 ○ 、40万頁後の
ハーフトーン ○ と良好であった。
【0040】実施例10 セレン感光体の周速が約80cm/secの超高速レーザビー
ムプリンタを用いた以外は実施例1と同じように評価を
行ったところ、定着強度90%、初期画像濃度1.3、
初期かぶり0.1、初期飛散 ○ 、初期ハーフトーン
○ 、60万頁後の画像濃度1.1、60万頁後のかぶ
り0.1、60万頁後の飛散 ○ 、60万頁後のハーフ
トーン ○ と良好であった。 比較例5 実施例1の共重合体をR−5に置き換えて実施例1と同
じ評価を行ったところ、定着強度90%、初期画像濃度
1.3、初期かぶり0.1、初期飛散 ○ 、初期ハーフ
トーン ○ 、40万頁後の画像濃度0.7、40万頁後
のかぶり0.2、40万頁後の飛散 △ 、40万頁後の
ハーフトーン ○ と実施例1に比べランニング性能に劣
った。
【0041】
【発明の効果】以上の結果から明らかなように、本発明
のカラートナー及び現像剤は、画像濃度やかぶり等の画
像品質及び定着特性に優れ、トナー飛散が発生しないカ
ラー画像を、高速印刷や長時間の繰り返し使用において
も維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(1)は現像剤の電気抵抗率を測定する測定装
置の構成を示し、(2)はその回路図を示す。
【符号の説明】
1…磁石ロール(直径60mm、回転数235rpm) 2…測定セル 3…対抗電極(アルミニウム) 4…現像剤(800g)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 9/107 9/113 15/01 J 15/08 507 L 21/00 350 G03G 9/08 361 9/10 311 321 354 (72)発明者 岡田 千秋 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テトラヒドロフラン可溶分の重量平均分
    子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比が20以上の
    ビニル系樹脂、非金属4級アンモニウム塩、アニオン部
    が金属錯体構造である金属含有4級アンモニウム塩及び
    着色剤を含有してなる静電荷像現像用カラートナー。
  2. 【請求項2】 アニオン部が金属錯体構造である金属含
    有4級アンモニウム塩の金属原子がモリブデンである請
    求項1記載の静電荷像現像用カラートナー。
  3. 【請求項3】 ビニル系樹脂が、マレイン酸ジアルキ
    ル、フマル酸ジアルキル及び/又はイタコン酸ジアルキ
    ルを含有する単量体混合物を重合して得られる樹脂であ
    る請求項1又は2記載の静電荷像現像用カラートナー。
  4. 【請求項4】 ビニル系樹脂が、架橋剤を含有する単量
    体混合物を重合して得られる樹脂である請求項1、2又
    は3記載の静電荷像現像用カラートナー。
  5. 【請求項5】 ビニル系樹脂が、マレイン酸ジブチル及
    び/又はフマル酸ジブチル並びに架橋成分を含有する単
    量体混合物を重合して得られる樹脂である請求項1、
    2、3又は4記載の静電荷像現像用カラートナー。
  6. 【請求項6】 ビニル系樹脂が、スチレン−アクリル系
    樹脂である請求項1、2、3、4又は5記載の静電荷像
    現像用カラートナー。
  7. 【請求項7】 ビニル系樹脂が、懸濁重合により得られ
    る樹脂である請求項1〜6のいずれかに記載の静電荷像
    現像用カラートナー。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の静電荷
    像現像用カラートナーとキャリアとからなる現像剤。
  9. 【請求項9】 キャリアが、フェライト又はマグネタイ
    トである請求項8記載の現像剤。
  10. 【請求項10】 キャリアが、樹脂被覆されたものであ
    る請求項8又は9記載の現像剤。
  11. 【請求項11】 被覆する樹脂がフッ素系樹脂である請
    求項10記載の現像剤。
  12. 【請求項12】 現像剤の電気抵抗率が108〜3×1
    10Ω・cmである請求項8、9、10又は11記載の現
    像剤。
  13. 【請求項13】 請求項1〜6のいずれかに記載の静電
    荷像現像用カラートナー又は請求項8、9、10若しく
    は11記載の現像剤を使用することを特徴とする画像製
    造方法。
  14. 【請求項14】 感光体として、非結晶金属光導電性物
    質を含むものを用いる請求項13記載の画像製造方法。
  15. 【請求項15】 非結晶金属光導電性物質がセレンであ
    る請求項13又は14記載の画像製造方法。
  16. 【請求項16】 感光体として、周速が20cm/s以上の
    ものを用いる請求項13、14又は15記載の画像製造
    方法。
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