JPH0719805Y2 - 印字装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はインクリボンを引出しながら印字素子により記
録媒体上に印字を行う印字装置に関し、詳細には、リボ
ンカセットに着脱可能に取付けられたリボンストッパの
抜き忘れを防止することができる印字装置に関するもの
である。

［従来の技術］ 従来、インパクトプリンタ等の印字装置により使用され
るリボンカセットにおいては、収納室内に収納されたエ
ンドレスループ状のインクリボンが、使用時には、収納
室内で容易に移動できかつ引出しやすいようにゆるく折
り畳んで収納されている必要がある。また、梱包輸送時
等その他流通過程においては、インクリボンを上記のよ
うな状態にしておくと、リボンカセットの収納室内のイ
ンクリボンが移動したり転倒したりしてジャミングが起
こって、使用時に正常なリボン送りができなくなる可能
性が高いので、インクリボンが移動しないようにする必
要があった。

従って、出荷の段階においては、第２図に示されるよう
に、インクリボン３を収納室４の一方の端に寄せて比較
的きつく収納しておき、リボンストッパ２を収納室４の
ほぼ中央に取付けて、その状態を維持し、インクリボン
３が移動しないようにし、また、使用の際に、リボンス
トッパ２を取外して収納室４内を移動しやすいようにし
ていた。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら、前記リボンストッパ２は、リボンカセッ
ト１を印字装置に装着する時には必ず外さなければなら
ないが、この作業はユーザーにとって慣れない作業であ
り、リボンストッパ２を抜き忘れることが多い。このリ
ボンストッパ２を抜き忘れた状態でリボンカセット１を
印字装置に装着して印字装置を作動させた場合、リボン
ストッパ２によってインクリボン３の動きが規制されて
いるので、インクリボン３の引出し動作を行うと、イン
クリボン３がリボンカセット１から引出されないため、
印字位置にあるインクリボン３が印字終了まで連続して
使用（印字ヘッドにより殴打）される。この結果、イン
クリボン３の同一部分が使用されることになり、その部
分のインクがなくなり、せっかく印字ヘッドにより印字
動作を行ったとしてもインクが印字用紙に転写されなく
なって、内容が判読できないようになるため、新しいリ
ボンカセット１と交換して正しく装着した後、印字装置
に印字データを再入力して、もう一度印字動作を行わな
ければならないという問題点があった。

そしてまた、前記インクリボン３の同一部分が印字ヘッ
ドにより殴打され、かつインクリボン３がリボン給送機
構により引っ張られるので、インクリボン３が切れてし
まうことがある。更に、インクリボン３が切れる前に、
印字動作を中断し、リボンストッパ２を取外したとして
も、インクリボン３の該部分にはインクがないか或いは
その他の部分よりもインク量が少ないなどのダメージを
受けているので、そのインクリボン３をそのまま使用す
ると、前記部分が印字位置に来ると、インクが転写され
ないか或いは他の部分よりも転写されるインク量が少な
いため、印字品質が著しく低下する。従って、このよう
なリボンカセット１は使用不能となるという問題点があ
った。

本考案の印字装置は、上記問題点を解決するためになさ
れたものであり、無駄な印字動作をなくし、リボンカセ
ットの不完全な装着に伴うリボンカセットのダメージを
防ぐことができる印字装置を提供することを目的として
いる。

［課題を解決するための手段］ この目的を達成するために、本考案の印字装置は、装置
本体に格納され、内部にエンドレスループ状のインクリ
ボンを収容するリボンカセットと、このリボンカセット
からインクリボンを引き出すリボン給送機構と、印字素
子とを備え、インクリボンを引出しながら印字素子によ
り記録媒体上に印字を行う印字装置であって、リボンカ
セット及び印字素子等を覆うカバーと、そのカバーの開
閉を検出する検出手段と、リボンカセットに着脱可能に
取付けられ、リボンカセット内部の一方に寄せて折り畳
むようにしてインクリボンの動きを規制し、かつリボン
カセットからその一部が突出してカバーの閉成を阻止す
るリボンストッパと、検出手段によりカバーが開放され
ていることが検出された場合に、リボン給送機構による
リボン引出し動作を含む印字動作を禁止する制御手段と
を備えている。

［作用］ 上記構成を有する本考案の印字装置においては、リボン
カセットが装着本体内に装着された際、そのリボンカセ
ットにリボンストッパが取付けられたままの状態のとき
には、リボンストッパによりカバーが閉成できない。こ
のとき、検出手段によりカバーが開放されていることが
検出され、制御手段により、リボン給送機構によるリボ
ン引出し動作を含む印字動作を禁止する。これにより、
無駄な印字動作並びにリボンカセットに対するダメージ
を防止することが可能になる。

［実施例］ 以下、本考案の一実施例を第１図〜第３図を参照して説
明する。

第１図に示すように、プリンタの外部フレーム15は合成
樹脂から形成され、その外部フレーム15の内部後方には
同じく合成樹脂製の内部フレーム16が収容されている。
内部フレーム16の両側壁間にはプラテン５が回転可能に
支持されている。プラテン５の前後両面に弾性接触する
ように、前記両側壁間には前部及び後部の紙送りローラ
7,8が支持されている。プラテン５の前方において両側
壁間には１本のガイドロッド９が架設されており、その
ガイドロッド９上には印字ヘッド10を搭載したキャリッ
ジ11が左右動可能に支持されている。なお、キャリッジ
11の前面にはガイド片12が前方へ向って突設されてお
り、そのガイド片12が内部フレーム16上に形成されたガ
イド面13に係合している。

前記プラテン５の長手方向に平行して無端状の歯付きベ
ルト24が掛装されている。そして、この歯付きベルト24
の一部が前記キャリッジ11の一部に固定されていて、駆
動プーリ（図示しない）の回転に伴う歯付きベルト24の
周回によりキャリッジ11がガイドロッド９上を左右に移
動し、その移動中において印字ヘッド10によりインクリ
ボン３を介してプラテン５上の印字用紙（図示しない）
に対して印字が行われる。

前記プラテン５の前方において、内部フレーム16上には
インクリボン３を内蔵したリボンカセット１が着脱可能
に装着され、そのインクリボン３の一部が外方へ出て、
プラテン５と印字ヘッド10との間に配置される。リボン
カセット１は、第２図に示すように、インクリボン３を
収納する略直方体状の収納室４を有し、その内部には帯
状のインクリボン３が規則正しく折り畳まれた状態で収
納されている。また、前記収納室４の略中央部には、断
面十字状からなるリボンストッパ２が収納室４上面のス
リット状開口を通して着脱可能に取付けられており、取
付けられた状態のリボンストッパ２は、第１図に示すよ
うに、リボンカセット１から上方に突出している。

リボンストッパ２が装着されているのは、梱包輸送時等
その他流通過程において、リボンカセット１の収納室４
内のインクリボン３が移動したり転倒したりしてジャミ
ングが起こり得るのを防止するためであり、リボンスト
ッパ２により収納室４の一方に寄せて比較的きつく折り
畳まれたインクリボン３の動きを規制している。そし
て、収納室４の一方の端には一対のローラ６が設けられ
ており、そのローラ６を回転させて、他方の側からイン
クリボン３を引出し、一方の側から収納室４内へ再び収
納する動作を行う。

一方、印字装置のカバー18は外部フレーム15上に開閉可
能に取付けられ、リボンカセット１や印字ヘッド10を覆
い、そのカバー18の裏側にはリボンストッパ２と対向す
る位置に突起19が設けられている。従って、印字装置本
体内に装着されたリボンカセット１にリボンストッパ２
を取付けたままの状態のときは、リボンストッパ２とカ
バー18を起19とが当接し、カバー18を閉成（閉蓋）する
ことができない。

第３図は印字装置のブロック図を示すものである。図３
において、印字装置制御用中央処理装置（以下、単にCP
Uと称する）21は、本考案の制御手段を構成し、印字に
おける各種の制御プログラムや動作を制御するプログラ
ムなどが書き込まれたROM22と、ホストコンピュータ30
からの印字データを一時的に記憶するエリアを備えたRA
M23とが接続されている。更に、CPU21には、ホストコン
ピュータ30および本考案の検出手段としてのスイッチ20
がインターフェイス28を介して接続されているととも
に、印字ヘッド10,紙送り用モータ24,キャリッジ移動用
モータ26,リボン送り用モータ27およびそれらを動作さ
せる駆動回路31〜34がインターフェイス29を介して接続
されている。尚、リボン送り用モータ27はリボンカセッ
ト１のローラ６と着脱可能に接続されており、リボン送
り用モータ27の回転に伴いローラが回転して、インクリ
ボン３の引出し動作を行う。

また、スイッチ20は第１図におけるカバー18の開閉に伴
いオン、オフされるものであり、カバー18を閉蓋する
と、スイッチ20がオンされて、そのオン信号を第３図に
おけるCPU21が受取り、紙送り用モータ24,印字ヘッド1
0,キャリッジ移動用モータ26,リボン送り用モータ27を
それぞれの駆動回路31〜34を介して正常通り作動させて
印字動作を行うようになっている。

ここで、第１図に示すように、前記収納室４にリボンス
トッパ２が取付けられた状態でリボンカセット１を印字
装置本体内に装着し、カバー18を閉じようとすると、リ
ボンストッパ２がカバー18の突起19に接触してしまい、
カバー18を閉じることができないので、スイッチ20はオ
ンされない。従って、第３図のブロック図において、CP
U21はスイッチ20からのオン信号が入ってこないので、
リボン送り用モータ27,紙送り用モータ24,印字ヘッド1
0,キャリッジ移動用モータ26の全てを作動させることが
ない。依って、たとえ、ホストコンピュータ30から印字
データが入力されたとしても、この場合はインクリボン
３の引出し動作を含む印字動作が行われないことにな
る。

このように構成することにより、従来のように、リボン
ストッパ２を抜き忘れた状態でインクリボン３の引出し
動作を始め、印字動作を行った時に起こる印字用紙上へ
の不完全な印字やインクリボン切れ等のリボンカセット
へのダメージを防ぐことができる。

また、リボンストッパ２のリボンカセット１からの抜き
忘れを、カバー18の開閉状態を検出するためのスイッチ
20で検出することができるので、リボンストッパ２の抜
き忘れを検出する専用の検出手段を設ける必要がない。

一方、リボンストッパ２を抜いた状態でリボンカセット
を装置本体内に装着すると、カバー18は正常に閉じるこ
とができるので、カバー18を閉じると、スイッチ20がオ
ンされ、そのオン信号に基づいて、CPU21が印字データ
に従って紙送り用モータ24,印字ヘッド10,キャリッジ移
動用モータ26,リボン送り用モータ27をそれぞれの駆動
回路31〜34を介して正常通り作動させて印字動作を行
う。

尚、前記実施例においては、スイッチ20がオンされない
時に、CPU21がリボン送り用モータ27をはじめとし、紙
送り用モータ24,印字ヘッド10,キャリッジ移動用モータ
26の全てを作動させない場合を説明したが、リボン送り
用モータ27とそれら印字駆動手段の一部を作動させない
ようにしてもよい。

［考案の効果］ 以上詳述したように、本考案の印字装置によれば、リボ
ンカセットに着脱可能に取付けられ、内部でのインクリ
ボンの動きを規制するリボンストッパを備えたリボンカ
セットが印字装置本体内に格納された際、リボンカセッ
トにリボンストッパが取付けられたままなのか否かを、
カバーの開閉状態を検出する検出手段で検出し、リボン
ストッパが取付けられている場合には、リボン引出し動
作を含む印字動作を禁止するようにしたので、リボンス
トッパがリボンカセットに取付けられているか否かを検
出する専用の検出手段を設けなくても、印字用紙への不
完全な印字を行う無駄な印字動作の実行を防止でき、か
つその印字動作に使用される印字データの再入力を行う
必要がなくなると共に、リボンカセットへのダメージを
防ぐことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図から第３図までは本考案を具体化した実施例を示
すもので、第１図は印字装置の断面図、第２図はリボン
カセットの斜視図、第３図は印字装置のブロック図であ
る。 図中、１はリボンカセット、２はリボンストッパ、３は
インクリボン、６はローラ、10は印字ヘッド、18はカバ
ー、19は突起、20はスイッチ、21はCPU、24は紙送り用
モータ、26はキャリッジ移動用モータ、27はリボン送り
用モータである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】装置本体に格納され、内部にエンドレスル
   ープ状のインクリボンを収容するリボンカセットと、こ
   のリボンカセットからインクリボンを引出すリボン給送
   機構と、印字素子とを備え、インクリボンを引出しなが
   ら印字素子により記録媒体上に印字を行う印字装置にお
   いて、 前記リボンカセット及び印字素子等を覆うカバーと、 そのカバーの開閉を検出する検出手段と、 前記リボンカセットに着脱可能に取付けられ、リボンカ
   セット内部の一方に寄せて折り畳むようにしてインクリ
   ボンの動きを規制し、かつリボンカセットからその一部
   が突出して前記カバーの閉成を阻止するリボンストッパ
   と、 前記検出手段により前記カバーが開放されていることが
   検出された場合に、前記リボン給送機構によるリボン引
   出し動作を含む印字動作を禁止する制御手段と を設けたことを特徴とする印字装置。