JPH07195253A - 加工用camシステムの処理方法 - Google Patents

加工用camシステムの処理方法

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JPH07195253A
JPH07195253A JP26934794A JP26934794A JPH07195253A JP H07195253 A JPH07195253 A JP H07195253A JP 26934794 A JP26934794 A JP 26934794A JP 26934794 A JP26934794 A JP 26934794A JP H07195253 A JPH07195253 A JP H07195253A
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JP26934794A
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English (en)
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Manabu Naganuma
学 長沼
Kenji Shirai
健二 白井
Takahiro Chikushima
隆尋 築島
Toshiyuki Shirabe
敏行 調
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】3次元曲面加工において、高精度の曲面を短時
間で提供すること。また、3次元測定において、高精度
の測定デ−タを短時間で提供すること。 【構成】要求形状デ−タを入力とし工具経路デ−タを出
力とする曲面加工用CAMシステムにおいて、オフセッ
ト面生成の処理の過程で用いる要求面メッシュ及びオフ
セット面デ−タのデ−タ構造として4分木法に見られる
ような階層構造を持ち、工具経路上の点の間隔はオフセ
ット面を構成するパッチの細かさ及び隣接関係を利用し
て計算を行なう。 【効果】高精度の曲面を加工するために必要となるデ−
タの量を低減することができ、結果として高精度の曲面
デ−タを短時間で計算処理することができる。3次元曲
面加工においては、更にNC工作機械の切削加工時間を
短縮することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属、セラミックス及
びプラスチック材料などの曲面加工方法に係り、特に工
作精度、工作能率の向上に好適な曲面の高精度高効率の
加工方法に関するものである。また、3次元形状測定の
方法に関するものでもある。
【0002】
【従来の技術】図10に示すように、曲面加工用CAM
システムは一般にCADシステムで作成された要求形状
データを入力とし、NC工作機械において該要求形状を
切削加工で生成するための工具径路データ、もしくはN
Cデータを出力とするものである。ここで、工具径路デ
ータとは工具の中心が動くべき軌跡の通過点列の座標リ
ストであり、NCデータとは、工具の送り速度等のNC
工作機械の制御情報及び工具径路データが、個々のNC
工作機械のコントローラのフォーマットに従って書かれ
たものである。NC工作機械は、工具径路データとして
与えられた点列の座標リストを順番に読みだし、各点の
座標を次に動くべき目標座標として、前回から今回の目
標座標までを直線補間しながら工具を動かして切削加工
を行なう。以下、説明を簡単にするため曲面加工用CA
Mシステムの出力を工具径路データとして話を進めるこ
ととする。NCデータを出力する際の固有の問題は必要
に応じて適宜説明を加えるものとする。
【0003】さて、曲面加工用CAMシステムは製品試
作及び量産の現場で用いられるものであるが、その双方
で要求形状を高精度に短時間で加工することが基本的な
要求となっている。この要求を満足できれば、製品試作
では開発期間の短縮が可能となり、製造現場では量産立
ち上げ期間の短縮及び製造コストの低減が可能となるた
めである。しかし、従来、高精度な曲面加工を行なうと
CAMシステムの処理時間及びNC工作機械の切削加工
時間が増加してしまうという問題がある。これまで、こ
の問題の解決のためにいくつかの方法が提案されている
が、以下では、従来のこの問題の詳細と提案されている
方法について説明する。
【0004】CAMシステムの出力としての工具径路デ
ータにおいて、まず最初に求められる必要条件は工具干
渉を起こさないことである。「工具干渉を起こす」と
は、工具径路データに従って動いた工具が要求形状を削
りすぎてしまうことである。切削加工で形状を生成する
際、要求形状に対して削り残してしまうことは致命的な
問題ではない。削り残った部分を再度切削すれば良いか
らである。しかし、工具干渉を起こして形状を削り過ぎ
てしまうことは取り返しのつかないことである。許容誤
差以上に削りすぎた場合には、全く最初から切削加工を
再度行なわなければならず費用も時間も余分に必要にな
る。
【0005】そこで、一般のCAMシステムでは、図1
1に示すように、次の2つのステップで工具干渉を起こ
さない工具径路データを生成する。
【0006】(1)オフセット面生成 (2)工具径路計算 (1)のオフセット面生成では、要求面の上に工具の形状
分だけオフセットされた「オフセット面」を生成する。
工具の中心がこのオフセット面にあるとき工具が要求形
状に接することになる。オフセット面のデータ構造とし
ては、Z-map方式と一般に呼ばれる方式と、単純に要求
面上の点をオフセットした点の集合として表す方式(以
下、要求面マップ方式と呼ぶ)が基本的なものとして提
案されている。要求面マップ方式では、要求面上にメッ
シュを生成し、(以下要求面メッシュと呼ぶ)、そのメ
ッシュの格子点から工具の形状分だけオフセットした点
を求め、それらの点の座標をオフセット面データとして
保存する。オフセット面は、保存された点を端点とする
双一次パッチの面を要求面メッシュに対応して生成する
ことで得られる。Z-map方式ではxy平面上にメッシュ
を生成し(以下、xyメッシュと呼ぶ)、そのメッシュ
の格子点のz座標をオフセット面データとして保存す
る。Z-map方式でのオフセット面生成方法は各種提案さ
れているが、代表的なものとしては、xyメッシュの格
子点から垂直に伸ばした直線と要求面マップ方式で生成
したオフセット面(但し、オフセットした点はデータと
して保存しない)との交点を求め、それらの点の座標を
オフセット面データとして保存する。その際垂線が複数
の要求面マップ方式のオフセット面と交点を持つ場合に
は最もz座標が大きい点を保存する。オフセット面は、
保存された点を端点とする双一次パッチの面をxy平面
上のメッシュに対して生成することでえられる。
【0007】(2)の工具径路計算では、工具径路上の点
のx,y座標が与えられているとしてその点のz座標を
計算する。これは、与えられたx,y座標から垂直に伸
ばした直線と(1)で生成したオフセット面との交点を求
めることによって計算できるが、要求面マップ方式では
その際垂線が複数のオフセット面と交点を持つ場合には
最もz座標が大きい点を工具径路上の点とすることによ
り、工具干渉を起こさない工具径路データを生成してい
る。Z-map方式ではオフセット面との交点は一つしかな
く、それをそのまま工具径路上の点とすることで工具干
渉を起こさない工具径路データを生成できる。Z-map方
式あるいは要求面マップ方式といった違いはあるが、オ
フセット面生成、工具径路計算は従来の曲面加工用CA
Mシステムでは一般的な処理手順となっている。
【0008】そこで、このような処理を行なうCAMシ
ステムで高精度な曲面加工を行なうためには、図12
(a)に示すように、処理の過程で用いるオフセット面
を高精度にし、工具径路上の点の間隔を細かくする必要
がある。ここで、工具径路上の点の間隔とは、工具が切
削しながら動いていく工具進行方向の間隔と、工具の軌
跡と軌跡の間隔(ピックフィード間隔)の2つを含んで
いるものとする。オフセット面を高精度化するために
は、要求面マップ方式では要求面メッシュを細かくしな
ければならず、Z-map方式ではそれに加えてxyメッシ
ュを細かくしなければならない。いずれの方式において
もオフセット面データの量は増加する。また、工具径路
上の点の間隔を細かくすることによって工具径路データ
も増加する。そのため、CAMシステムにおいて、多く
の計算機メモリ容量と多くの処理時間を要することにな
る。また、一般に工具径路データの増加に伴ってNC工
作機械の切削加工時間も増加してしまう。これが、従来
の問題の構造である。
【0009】この問題の原因は、高精度の曲面を得るた
めにメッシュを全面で細かくしてしまったことにある。
例えば、要求形状が平面を含んでいる場合はその平面部
分ではメッシュを粗くしても高精度を維持できる。すな
わち、図12(b)に示すように、要求形状の面の変化
が大きい箇所のみ細かくし変化が小さい箇所では粗くす
ることによって高精度の曲面を少ないデータ量で表すこ
とが出来る。このことによりCAMシステムの処理時間
及びNC工作機械の切削加工時間を短縮することができ
る。上記問題を解決するために提案されている従来技術
は基本的にこの考えに沿っている。以下従来技術を説明
する。
【0010】まずZ-map方式の拡張改良として、1992年
度精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集p.753に記
載の「拡張Z-mapモデルによるCAMシステム」(以
下、拡張Z-mapCAMと呼ぶ)が挙げられる。拡張Z-map
CAMでは、要求形状データとしてCSG表現のソリッ
ドモデルを用いており要求面メッシュは生成しない。図
13(a)に示すように、xyメッシュのデータ構造と
しては、xyメッシュ全体を矩形の部分領域に分割し
て、各矩形領域を4分木法を用いた階層構造で保持して
いる。これを「拡張Z-mapモデル」と呼んでいる。拡張Z
-mapCAMでは、まず要求形状自体をCSGモデルから
「拡張Z-mapモデル」に変換し、それを用いてオフセッ
ト面データも「拡張Z-mapモデル」で生成する。データ
構造を「拡張Z-mapモデル」にすることによって、矩形
領域ごとにメッシュの細かさを変えることを可能として
いる。また、工具径路上の点の進行方向の間隔はxyメ
ッシュの細かさを利用して計算しているため矩形領域ご
とに異なることができる。
【0011】次に要求面マップ方式の改良として、精密
工学会誌第56巻、第5号(1990年pp879-884)に記載の「F
RESDAM/M」が挙げられる。FRESDAM/Mでは、要求形状デ
ータとしてサーフェイスモデルを用いており図13
(b)に示すように、要求面メッシュをパッチ単位で管
理している。そのためパッチ単位にメッシュの細かさを
変えることができる。また、工具径路上の点の進行方向
の間隔は要求面メッシュの細かさを利用して計算してい
るためパッチごとに異なることができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】高精度の曲面加工を行
なうとCAMシステムの処理時間及びNC工作機械の切
削加工時間が急激に増加するという現象は根本的な問題
である。この問題を解決するための従来の技術として、
上記の拡張Z-mapCAM、FRESDAM/Mでの方法等が提案さ
れているが、これらの方法もいくつかの問題がある。
【0013】まず、拡張Z-mapCAMは要求形状データ
がCSG表現のソリッドモデルであることを前提として
いる。現在、商品化されているCADシステムはサーフ
ェイスモデルあるいは境界表現のソリッドモデルが大半
であり拡張Z-mapCAMの方式をそのまますぐに用いる
ことができない。また、拡張Z-mapCAMでは工具径路
のピックフィード方向の間隔については、システムが自
動設定せず、CAMシステムのオペレータが長年の経験
を基に入力する。そのため、工具径路のピックフィード
間隔は、必要とされる加工精度に対し過剰に高精度過ぎ
てしまったり、逆に精度が足らないために再度設定しな
おす必要がある場合もありうる。
【0014】一方、FRESDAM/Mの方式はパッチ単位の粗
密メッシュであるために時間短縮の効果が限られたもの
になっている。すなわち、形状の変化の大きい箇所の範
囲がパッチの大きさと比較してそれほど差がない場合に
は時間短縮の効果が大きいが、パッチ自身が非常に大き
かったり、あるいは形状の変化の大きい箇所がパッチに
対して相対的に小さな範囲であれば不必要に細かいメッ
シュが生成されることになり、あまり時間短縮の効果が
期待できない。また、FRESDAM/Mでは等高線加工におい
てユーザーが要求面上で等高線に対して垂直方向の線を
指定し、その線上での長さが同じになるようにピックフ
ィード間隔を決定する機能を有しているが、この機能は
要求形状全体を考慮したものではなく、場所によっては
加工精度が悪化する場合もありうる。
【0015】本発明は、実用的な曲面加工方法を実現す
るために、要求形状データとしてサーフェイスモデルま
たは境界表現のソリッドモデルを用いたCAMシステム
において、形状の変化に決め細かく対応した粗密のある
要求面メッシュを生成し、高精度の曲面を加工する上で
不必要なデータの生成を避け、結果として高精度な加工
面を短時間で提供することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、要球面形状データを入力とし工具径路
データを出力とする曲面加工CAMシステムにおいて、
オフセット面生成の処理の過程で用いる要求面メッシュ
及びオフセット面データのデータ構造として4分木法に
見られるような階層構造を採用し、また、工具径路計算
の処理の過程で用いる工具径路上の点の間隔はオフセッ
ト面を構成するパッチの細かさ及び隣接関係を利用して
計算するようにした。
【0017】
【作用】入力として与えられた要求形状データは、サー
フェイスモデル及び境界表現のソリッドモデルのどちら
においても自由曲面を表す面情報データとして扱うこと
ができる。まず、図1(a)に示すように、この面情報
データで表された要求面の上に階層的なデータ構造を持
つメッシュを生成する。これを初期メッシュと呼ぶこと
とする。次に初期メッシュの個々のメッシュにおいて誤
差評価を行ない、そのメッシュ自身の分割もしくは隣の
メッシュとの合併を行なう。こうして作られた新しい大
きさのメッシュに対しても同様の処理を繰り返すことに
より、図1(b)に示すように、要求面の形状の変化に
きめ細かく対応した粗密のあるメッシュを要求面上に生
成することができる。この粗密メッシュは、階層的なデ
ータの内容が初期メッシュから書き替えられた結果、与
えられた加工精度を実現するために細かくする必要があ
る箇所のみ細かくなっており、不必要に細かい箇所はな
い。この粗密メッシュの格子点から工具の形状分だけオ
フセットした点の集合をオフセット面データとすること
により高精度を保ったまま従来よりもデータ量を低減す
ることができる。また、オフセット面データも要求面メ
ッシュと同様の階層的なデータ構造とすることにより、
オフセット面を大きさの異なる複数のパッチから構成す
ることができ、更にそれらのパッチの隣接関係も容易に
知ることができる。そこで、工具径路計算において、オ
フセット面を構成するパッチの大きさ及び隣接関係を用
いることにより、工具径路上の点の工具進行方向及び工
具のピックフィード方向の間隔に関し、与えられた加工
精度を実現するために必要十分な長さを計算することが
できる。そのため、出力である工具径路データは高精度
を保ったままデータ量は必要最小限のものとなる。これ
らのデータ量の低減により、従来に比べCAMの処理時
間及びNC工作機械の切削加工時間を短時間にすること
ができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1乃至図9、およ
び、図14乃至図21を用いて説明する。
【0019】本実施例は、ストレート加工と呼ばれる工
具経路の工具経路データを生成する曲面加工用CAMシ
ステムである。この工具経路データはポストプロセッサ
に送られNCデータが生成される。要求面メッシュ及び
オフセット面データは図1に示すような階層的なデータ
構造を有している。以下、工具経路データを構成する工
具経路上の点を経路点と呼び、経路点をxy平面に射影
した点を経路射影点と呼ぶこととする。
【0020】本実施例の全体の処理の流れを図2(a)
に示す。まず最初に要求形状データを入力する。これは
サーフェイスモデルもしくは境界表現のソリッドモデル
で表された面情報データである。次に、加工精度、加工
領域など工具経路データを生成する際に必要となる各種
パラメータを入力する。そして、以下に示すCAMシス
テムの基本処理を行なう。
【0021】(i)要求面メッシュの粗密自動生成 (ii)要求面メッシュによるオフセット面生成 (iii)経路射影点の粗密自動生成 (iv)工具経路計算 最後に、工具経路データを出力する。
【0022】ストレート加工は工具がx方向もしくはy
方向にジグザグに動いていくものであり、xy平面上に
あるメッシュ(以下、経路メッシュと呼ぶ)の格子点を
初期配置の経路射影点として与えている。(iii)の経路
射影点の粗密自動生成とは、初期配置にない点が経路射
影点として生成されたり、初期配置の点が経路射影点か
ら削除されたりすることによって経路射影点の分布に粗
密ができることである。図2(b)に粗密生成前の要求
面メッシュ、経路射影点の例を示す。図2(c)に粗密
生成後の要求面メッシュ、経路射影点の例を示す。
【0023】上記(i)から(iv)までの本実施例における
CAMシステムの基本処理について考慮すべきことが3
点ある。まず、第1点は、処理(i)と(iii)で生成する粗
密の正確さについてである。CAMの処理時間及び切削
加工時間の短縮のために粗密を生成するが、同時に精度
も保持しなければならない。したがって当然のことなが
ら、要求形状に応じて「精度の必要な箇所のみ細分化し
不必要な箇所は粗くする」ことを正確に行なわなければ
ならない。第2点は処理時間についてである。本実施例
の処理(ii)と(iv)は従来の方法でも行なっている処理で
あり、粗密ができることで処理すべきデータ量が減るた
めに処理時間の短縮が考えられる部分である。一方、処
理(i)と(iii)については、本実施例で新しく加わった処
理であり、従来に比べ処理時間の増加が考えられる。そ
のため、CAMの処理全体で処理時間を短縮するために
は、処理(i)と(iii)で増加する時間が処理(ii)と(iv)で
短縮される時間より小さくなっている必要がある。第3
点として、処理(i)と(iii)の関係である。そもそも要求
面メッシュと経路射影点の分布の粗密は要求面の形状に
依存している。従って、それぞれにおいて独立に要求面
形状の変化を判断し粗密の生成を行なうことは、同様な
処理を重複して行なうことになり無駄がある。そこで、
要求面メッシュにおいてのみ要求形状に応じた粗密の自
動生成を行なうこととし、経路射影点の粗密は、要求面
メッシュの粗密情報より自動生成すれば、処理時間の短
縮が期待できる。オフセット面を構成しているパッチは
要求面メッシュの粗密の状態をそのまま反映しているた
め、本実施例では要求面メッシュの粗密情報を得るため
に(iv)の工具経路計算で経路点のz座標を計算する際に
交点を持ったオフセット面のパッチの番号を調べる方法
を用いている。すなわち、この方法においては(iii)の
経路射影点の粗密自動生成は同時に(iv)の工具経路計算
も行なっている。以下、要求面メッシュの粗密自動生
成、経路射影点の粗密自動生成を説明する。
【0024】まず最初に、要求面メッシュの粗密自動生
成を説明する。この処理を高速に正確に実現する上で検
討すべき項目は次の2つである。
【0025】(1)要求面の形状に対応させてメッシュ1
個の大きさをどのように決定するか (2)大小様々な大きさのメッシュをどのように生成する
か 更に、この両項目において、処理の速さと正確さを考慮
する必要がある。
【0026】まず、(1)のメッシュの大きさの決定方法
について述べる。図3の左上に示すように、メッシュ1
個の大きさは、メッシュの4辺を直線近似した微小一次
面を考え、その微小一次面と要求面との間の誤差が許容
値内となるようにすることとする。このように決定する
と、要求面の形状の変化が大きい箇所ではメッシュは小
さくなり、逆に変化が小さい箇所ではメッシュは大きく
なる。すなわち、要求面の形状の変化に応じてメッシュ
の大きさを決定することができる。この方法で用いる微
小一次面との誤差は従来「トレランス」と呼ばれている
ものに相当し、本方法は「各メッシュにおけるトレラン
スの値の評価によるメッシュの大きさの決定」と言うこ
ともできる。
【0027】本方法を具体的に実現するには、この誤差
をどのように求めるかを考えなければならない。厳密に
この誤差を求めるためには、微小一次面上の全ての点に
ついて要求面上の点との距離を計算し、その中の最大値
を求めることになる。しかし、この方法は計算量が膨大
なものとなり処理速度が遅くなる。従って、極力計算量
の少ない方法で微小一次面との誤差を推定することが必
要となる。そのような誤差推定方法は各種考えられる
が、本実施例では、メッシュの各辺を二次関数で近似し
て誤差を推定する方法を用いる。この方法では、図3の
左下に示すように、メッシュの各辺について微小一次面
の辺との誤差δ14を計算する。例えば、δ1の場合次
のように求める。微小一次面の辺1の両端において、メ
ッシュの辺の接線と辺1との傾きas、aeを求める。こ
れはメッシュの接ベクトルが容易に求まり、微小一次面
の辺の方向ベクトルも容易に求まることから、これらの
ベクトルの内積を用いることで計算できる。次に、微小
一次面の辺1の長さd1を求めておく。辺の長さとその
端での傾きが分かれば、辺の両端を通る二次関数を求め
ることができる。そこで、この二次関数(放物線)の頂
点と辺1との距離を、メッシュの辺と辺1との誤差値と
して代表させる。ここでは、辺1の両端での傾きが求ま
っているので2つの異なった二次関数を計算することが
でき、誤差値も2つ得られるので、その大きい方をδ1
とする。このメッシュにおける微小一次面との誤差δ
は、各辺との誤差δ14の最大値としている。以上によ
り、要求面の形状に対応して、メッシュ1個の大きさを
決定できる。
【0028】次に、(2)の粗密の混在しているメッシュ
全体をどのように生成していくかを検討する。粗密を生
成するためにメッシュを分割もしくは合併することにな
るが本実施例では図1に示すような4分木法を用いるこ
とにする。即ち、一つのメッシュを分割するときは4分
割し、合併するときは4つのメッシュから一つのメッシ
ュをつくることを基本とする。他の実施例として、2分
木法、8分木法など各種の方法を用いることもできる。
【0029】さて、メッシュ全体を粗密にする方法とし
て、まず考えられるのは必要な箇所だけ細分化して作成
していくという分割生成法である。すなわち、最初に非
常に大きなメッシュを用意し、そのメッシュで誤差推定
を行ない、誤差が大きければメッシュを分割する。そし
て分割されて新しく作られたメッシュについても同様な
処理を繰り返すという方法である。その結果、要求面の
形状の変化が大きいところでは分割が進みメッシュは細
かくなり、変化が小さいところでは分割が行なわれずメ
ッシュは大きいまま残されることになる。この方法は、
必要な箇所のみ分割が進むので、誤差推定の回数も少な
くて済み、粗密生成にかかる時間が短くなる。しかし、
上記の二次関数を用いた誤差推定方法ではメッシュが大
きければ誤差推定が失敗する可能性がある。図3の右上
に示すように、メッシュが大きくなるとメッシュの中央
部で形状変化が急激で誤差が大きくなっていることがあ
りうるが、ここで用いている誤差推定法ではメッシュの
周辺の各辺での誤差で評価しているために、この元来存
在する誤差を見逃してしまう。この対策としてメッシュ
の4辺で行なっている誤差推定に、メッシュの対角線で
の誤差推定を追加することで見逃しを減らす方法も可能
であるが、本実施例では、特に別の方法について説明す
る。誤差推定する箇所を追加する方法は、厳密にいえ
ば、面全体を覆うように誤差推定を行なわない限り、見
逃しを生じる可能性は無くならない。その結果、粗密生
成が正しくできない場合がありうる。そこで、分割生成
とは逆向きに、不必要な箇所を粗くする合併生成を考え
る。この生成方法では、最初に細かいメッシュを用意し
ておく。そして、近傍のメッシュを合併した大きなメッ
シュを考え、そこでの誤差推定を行なう。この誤差が小
さければ、実際にメッシュを合併させて大きなメッシュ
を作る。以降、この新たに作られた大きなメッシュに対
して同様な処理を繰り返すという方法である。この結
果、要求面の形状の変化が小さい箇所では合併が進み、
メッシュは大きくなっていき、形状の変化が大きいとこ
ろでは合併が進まず、メッシュは小さいまま残されるこ
とになる。この方法では、分割生成で問題となった誤差
推定の失敗は起こりにくく、正確な粗密メッシュが生成
できるという長所はあるが、誤差推定の回数が多いため
粗密生成にかかる時間が増大するという問題がある。
【0030】そこで、本実施例では、分割生成と合併生
成を統合した粗密メッシュの生成方法を用いる。図4に
示すように、この方法では、最初に初期メッシュと呼ば
れる中間的な大きさのメッシュを用意する。そして、こ
の初期メッシュに対し、分割と合併を行ない、それぞれ
の結果を合成して粗密メッシュを生成するというもので
ある。中間的な大きさから開始するため、メッシュ分割
では誤差推定の失敗を起こさずに精度の必要な箇所のみ
分割を行なっていく。そのため、精度を保持したまま粗
密生成にかかる時間を短縮できる。一方、メッシュ合併
では、初期メッシュにおいて不必要に細かいメッシュを
合併していくため、出来上がったメッシュの数が少なく
なり、オフセット面生成にかかる時間が短縮でき、切削
加工時間の短いNCデータの生成も可能となる。分割生
成は非常に大きなメッシュから開始するトップダウン的
な生成法であり、合併生成は非常に小さいメッシュから
開始するボトムアップ的な生成法であるのに対し、今回
提案する方法は、いわば、「ミドルアップダウン生成
法」と言うべき方法となっている。
【0031】このミドルアップダウン生成法では、初期
メッシュの大きさが問題となる。初期メッシュが大きけ
れば分割生成と同様に誤差推定失敗が生じ正確な粗密メ
ッシュが生成できない可能性がある。逆に初期メッシュ
が小さければ合併生成と同様に粗密生成時間の増加する
可能性があるためである。本実施例では、初期メッシュ
の大きさの決定方法として、要求面の数式表現における
制御点を利用する方法を用いている。図5に示すように
Bezeir曲線やスプライン曲線などの自由曲線は制御点を
持ち、自由曲線の形状はこれらの制御点の配置によって
定まる。そこで、自由曲線におけるサンプリング間隔と
して、これらの制御点間の距離が最小の値を用いれば、
サンプリング点間で自由曲線の形状の変化を見逃すこと
はない。要求面は、これらの自由曲線を2次元に拡張し
た自由曲面で表現されているが、自由曲面のu方向、v
方向に関しては、自由曲線と同様に考えてサンプリング
間隔を計算することができる。それらの中で最小値を初
期メッシュの大きさとして採用すればよい。これにより
自由曲線と同様、この初期メッシュは、二次関数近似に
よる誤差推定方法でも形状の変化を見逃すことはない。
ただし、この方法は制御点間の距離を計算し、その最小
値を選ぶため計算量は少なくない。
【0032】他の実施例として、単に要求面の次数で等
分して初期メッシュの大きさを決定する方法も考えられ
る。この方法は、大半のケースにおいては妥当なメッシ
ュの大きさが得られる。その他にも、例えばユーザが提
示する方法、許容誤差の整数倍としてしまう方法など、
初期メッシュの大きさの設定方法はいくつか適用するこ
とができる。
【0033】既に述べたように、粗密メッシュの生成法
において、粗密を高速に生成することと正確に生成する
ことの2つが求めらている。この両者はトレードオフの
関係となっているが、その主な原因は誤差推定方法にあ
る。誤差推定方法においてメッシュが大きくても推定の
失敗が発生しなければ、分割生成で粗密を作ることがで
きる。その結果、誤差推定の回数は最少にすることがで
き、粗密生成の時間の短縮が期待できる。しかし、現状
の誤差推定方法では、推定失敗の可能性を避けられない
ため、分割生成では正確な粗密メッシュの生成ができな
い。その結果、正確なメッシュを生成するには誤差推定
回数を最少にできず、粗密生成にかかる時間は増加して
いる。本実施例で用いたミドルアップダウン生成法は、
この誤差推定の回数の増加を可能な限り押さえようとす
るものということができる。
【0034】図6に実施例としてその他に適用可能な誤
差推定方法の例を示す。一番左に示す方法が本実施例で
採用している方法である。その他、形状の曲率から誤差
を推定する方法、幾つかのサンプル点での誤差から推定
する方法、自由曲面の制御点から生成される凸閉包多面
体との距離で推定する方法などがある。図6では誤差推
定を行なう箇所としてメッシュの各4辺の中点の例を示
したが、その他にもメッシュの中央の1点でのみ誤差推
定を行なう方法、各辺の中点と中央の点の5点で行なう
方法、その他メッシュ内の適当な点数で行なう方法など
も適用可能である。図6の一番右に示す方法、すなわち
凸閉包多面体を利用する方法は、面全体を覆って誤差を
評価するため、推定失敗の可能性は無く、分割生成に適
用可能な方法である。但し、ここで注意すべきことは、
もし誤差推定における計算量が大きければ、たとえ分割
生成方法で誤差推定の回数を減らしても一回当りの計算
量が大きいために粗密生成に要する時間全体の短縮は期
待できないということである。したがって、誤差推定方
法自体にも、メッシュの大きさに関係なく正確に誤差を
推定し、しかも高速に計算することが求められている。
そして、その両者を満たす場合のみ、分割生成によって
粗密を高速に正確に生成することが可能である。どの程
度の大きさのメッシュまで誤差推定の失敗が発生しない
か、また、その誤差推定にかかる時間はどれだけかに応
じて、ミドルアップダウン生成での初期メッシュの大き
さは変化する。図7に示すように誤差推定方法の性能が
良くなるに従って初期メッシュは大きくなり、ミドルア
ップダウン生成法は分割生成法に近づく。
【0035】本実施例では、誤差推定方法と初期メッシ
ュの大きさの組合せとして、「2次関数による近似推
定」と「要求面の制御点間隔の最小値」を採用したが、
それぞれ別の方法を用いて各種組合せも可能である。誤
差推定方法によっては、分割生成あるいは合併生成で粗
密メッシュを生成する方が時間短縮を期待できる場合も
ある。
【0036】オフセット面は、大きさの異なる双一次パ
ッチで構成される。この双一次パッチは要求面メッシュ
の個々のメッシュに対応して、大きさの違いによって階
層的に管理される。経路射影点の粗密自動生成は、この
オフセット面の階層構造を利用する。まず、xy平面上
のメッシュを用意し、このメッシュの格子点を経路射影
点の初期配置とする。この経路メッシュの大きさは要求
面メッシュの初期メッシュの大きさよりも大きく取るこ
とができる。以下、工具進行方向の経路射影点の列を軌
跡と呼ぶことにする。処理は以下の通り進む。
【0037】まず最初に初期配置の経路射影点から垂直
に伸ばした直線とオフセット面との交点を計算し、経路
点を求める。その際、各経路射影点においてオフセット
面のどの双一次パッチと交点を持ったかを各点ごとに記
録する。工具進行方向の軌跡上の経路射影点において、
連続するいずれかの2点の経路射影点の経路点が隣接す
る双一次パッチにあるかどうかを調べる。該2点の経路
点が同一の双一次パッチに無く、かつ、隣接する双一次
パッチにもそれぞれ存在しない場合にはその2点の経路
射影点の間に新しく経路射影点を生成し、同様に経路点
を求める。逆に経路点が同一の双一次パッチに3つ以上
に属する場合にはその各点が直線上に存在するかどうか
を調べ、もし直線上に存在する場合には両端の2点を除
いて残りの経路点をすべて削除する。このような処理を
繰返すことによって、図8に示すように、隣接する経路
点が要求面メッシュの隣接する双一次パッチ上に1点も
しくは2点存在するようにできる。工具のピックフィー
ド方向に関しては次のようにする。各軌跡においてその
軌跡上の経路点が存在する双一次パッチの中で最も小さ
いものを記録しておく。そして、隣接する軌跡において
それぞれの最も小さい双一次パッチが要求面上で隣接し
ているかどうかを調べる。もし、隣接していない場合に
は、それらの軌跡の間に新しく軌跡を生成することとす
る。この新しい軌跡において工具進行方向の経路射影点
の間隔は初期配置と同じとし、上記の軌跡上の経路射影
点の粗密生成計算を行う。逆に、3本以上の隣合う軌跡
において最小双一次パッチが一致した場合、その最小双
一次パッチ上の交点が同一平面上にあるかどうかを調べ
る。同一平面上にある場合は工具形状による削り残しの
高さ(スカラップハイト)を考慮した上で不必要な軌跡
を削除する。このような処理を繰り返すことによって、
図9に示すように軌跡の間隔の粗密生成計算する。
【0038】特に最も大きな初期配置メッシュとして矩
形の切削領域全体を一マスのメッシュとしても良い。そ
の場合、矩形領域の4すみの点のうち縦方向もしくは横
方向の短い方の2点が一本目の軌跡の経路射影点とな
り、その軌跡上のその他の経路射影点を生成し、経路点
を求めて行くことができる。一本の軌跡が求まったら、
その軌跡の経路点が存在する双一次パッチの中で最小の
ものを求め、そのパッチの大きさとスカラップハイトの
大きさから次の軌跡の間隔を決定することで新しい軌跡
を求める。このような処理を繰り返すことにより、結果
的に最初の4すみの点以外の全ての経路射影点を形状の
変化に応じて生成し、工具経路デ−タを求めることがで
きる。すなわち、CAMシステムのオペレータは、加工
形状、工具形状、加工領域、加工精度を入力するだけ
で、入力された条件を満足する工具経路デ−タを得るこ
とができる。
【0039】この経路射影点の粗密自動生成による粗密
工具経路計算は、xy平面上の格子メッシュを使うこと
から、「格子メッシュを用いた粗密工具経路生成」と呼
ぶ。粗密工具経路生成の方法として、更に別の方法も考
えることができる。以下、この方法について、詳細を述
べることとする。
【0040】粗密工具経路生成の方法は、要求形状の曲
率の変化に応じた粗密な経路点を効率よく生成すること
が課題である。「格子メッシュを用いた粗密工具経路生
成」においては、各経路射影点から垂直に伸ばした直線
がオフセット面の中で隣接したます目(双一次パッチ)
に交差しているかどうかを調べ、経路射影点の追加及び
削除を行うことで粗密の生成を行っているが、この方法
では効率よく生成するという点で問題がある。「格子メ
ッシュを用いた粗密工具経路生成」において、各経路射
影点から伸ばした垂線が複数のオフセット面と交差する
場合には、それぞれにおいて交点を求め、その中で最大
Z値を採用することで工具干渉回避を実現している。当
然新しく追加された経路射影点も、工具干渉回避を行う
ために同様の処理を行わなければならない。すなわち、
交差しうるオフセット面について、すべて交点計算を行
わなければならないが、このときに交差しうる相手のオ
フセット面を見つける処理に時間がかかる可能性があ
る。しかも新しく追加された経路射影点の結果から、更
に新しく経路射影点を追加することもあるので、この処
理は繰返し行われることが多い。
【0041】更に交差すべきオフセット面が見つかった
として、その中のどのます目(双1次パッチ)と交点を
もつかをどのようにして見つけるかという問題もある。
【0042】これらの問題を回避するために、事前に各
オフセット面の領域と重なり具合いなどを調べておい
て、交差する相手を高速に見つける方法もありうるが、
この場合、この事前の処理で多くの時間を費やす可能性
がある。
【0043】いずれにしても、「格子メッシュを用いた
粗密工具経路生成」では、粗密な経路点を生成するため
に莫大な処理時間がかかるおそれがある。
【0044】そこで粗密な工具経路点を生成する別の方
法として、「工具駆動平面を用いた粗密工具経路生成」
を以下に示す。まず、工具駆動平面について定義する。
ストレート加工において、ボール、ラジアス及びフラッ
トエンドミルのうちの任意工具が要求形状を切削すると
き、通過する工具中心の経路をxy平面に射影すると、
図16(a)に示すようにジグザグな直線で表すことが
できる。この工具の進行方向に移動する直線をxy経路
と呼ぶ。そしてxy平面上の切削領域に対して、工具を
ある送り幅(以下、この送り幅をピックフィード幅と呼
ぶ)で移動させることで、この領域を切削加工する。よ
ってxy経路は工具を送る数に1を加えた本数だけ存在
する。このxy経路上に存在するxy平面に垂直な平面
を工具駆動平面と定義する。ここで生成する粗密な経路
点列は、図16(b)に示すような工具駆動平面とオフ
セット面との交線上の点列である。この粗密な経路点は
次のようにして求める。まず、オフセット面を構成する
大きさの異なる双一次パッチを取り出し、4端点からの
線分と工具駆動平面との交点を経路点とする。これによ
り、粗密な工具経路点列を求めることができる。
【0045】この「工具駆動平面を用いた粗密工具経路
生成」は、以下に示す4つの処理から粗密な工具経路点
列を生成する。
【0046】(1)粗密オフセット部経路点生成 (2)スイープ面部経路点生成 (3)逆転工具部経路点生成 (4)工具干渉回避合成 以下、各処理について説明する。
【0047】(1)粗密オフセット部経路点生成 各々のオフセット面は各々大きさの異なる双一次パッチ
で構成されている。そこで図17(1)で示すように、
各オフセット面に対して双一次パッチ線分と工具駆動平
面との交点である経路点を求める。この工具駆動平面に
対する経路点列による折線をセグメントと呼ぶ。このオ
フセット面に対するセグメントは、交差する工具駆動平
面の数だけ存在し、求めたセグメントは工具駆動平面ご
とに管理される。
【0048】(2)スイープ面部経路点生成 1つのオフセット面は、要求面の1つに対応するもので
あり、複数の要求面における工具干渉を回避した複合的
なオフセット面ではない。例えば、図18(a)で示す
ように2つの要求面が尾根部を構成するようなとき、こ
の要求面から作られた各々のオフセット面は尾根部上で
割れてしまう。その結果、尾根部を削り込んだり、抜け
落ちた工具経路デ−タを生成するおそれがある。そこで
図18(b)に示すように、要求面の境界線上に逆転さ
せた工具を平行移動させる。この平行移動によってでき
る面をスイープ面と呼ぶ。このスイープ面を各要求面の
境界線上に生成し、図17(2)に示すようなスイープ
面と工具駆動平面との交線上の点列(以下、この点列の
折線もセグメントと呼ぶ)を求めることで、削り込みや
抜け落ちのない経路点列を生成することができる。この
セグメントは交線上の点列の始点及び終点をxy平面に
射影させた2点を含んでいる。これにより、図18
(c)に示す羽根形状等のような面のみで表現されてい
る形状に対しても、削り込みを起こさない適切な工具経
路を生成できる。
【0049】(3)逆転工具部経路点生成 (2)と同様の理由から、図17(3)に示すように、
各要求面の4端点に逆転工具をおき、この逆転工具部と
工具駆動平面との交線上の点列(以下、この点列の折線
もセグメントと呼ぶ)を求める。このセグメントは、ス
イープ面部経路点生成と同じようにxy平面上の2点を
含むものであり、同様の問題を解決する工具経路が生成
できる。
【0050】(4)工具干渉回避合成 粗密オフセット部、スイープ面部、逆転工具部から生成
された各工具駆動平面のセグメントに対し、工具干渉を
回避した経路点列を生成する。例えば、図19(a)に
示すように2つの要求面が谷部を構成するようなとき、
これらのオフセット面は交差する部分を持つ。そこで、
これらのオフセット面と1つの工具駆動平面が交わると
きの交線に注目する。これらの交線をy軸方向から見る
と、図19(b)で示す交線上に存在する2つのセグメ
ントは重なる部分を持つ。このような重なる部分はz座
標値の大きい点を採用することで、削り込みのない経路
点を求めることができる。また、セグメントどうしの交
点を経路点として採用することで、削り残しの少ない理
想的な工具経路を得ることができる。このように上記
(1)〜(3)の3つのセグメント計算部から得られた
複数のセグメントを各工具駆動平面ごとに合成し、工具
干渉を回避した工具経路点列を生成することで、不必要
な削り込みのない工具経路デ−タを生成することができ
る。
【0051】次に、この「工具駆動平面を用いた粗密工
具経路生成」の計算処理の具体例を説明する。この粗密
な工具経路の自動生成は、初期設定及び要求面データを
入力として、各工具駆動平面ごとの粗密工具経路を出力
とするものである。この要求面データは大きさの異なる
メッシュで構成され、図1のような階層的なデータ構造
を有している。以下、図20のフローチャートに沿って
説明する。
【0052】20−1 初期設定では、工具形状デ−タや
ピックフィード幅等を初期入力する。そして、複数の要
求面から構成される要求形状デ−タを読み込む。
【0053】20−2 次に、要求面のID番号を指定す
る。
【0054】20−3 面を構成するパッチのID番号を
指定する。
【0055】20−4 指定した要求面のパッチに対し、
まずパッチの境界を構成するパッチ境界点列を生成し、
次にそのパッチ面上に粗密メッシュを生成する。このパ
ッチ面上の粗密メッシュの端点から工具形状だけオフセ
ットしたオフセット点を求め、オフセット面の粗密メッ
シュを生成する。
【0056】20−5 各工具駆動平面に対し、粗密メッ
シュ部の経路点列(セグメント)を計算する。
【0057】20−6 各工具駆動平面に対し、スイープ
面部、逆転工具部の経路点列(セグメント)を計算す
る。
【0058】20−7 次のパッチがある場合、20−3 へ
戻る。なければ20−8 へ。
【0059】20−8 次の面がある場合、20−2 へ戻
る。なければ20−9 へ。
【0060】20−9 全ての面、パッチについて経路点
列(セグメント)の計算が終わった後、セグメントをも
った工具駆動平面(工具経路)のID番号を指定する。
【0061】20−10 各工具駆動平面において工具干渉
を回避するための経路点列の合成計算を行う。
【0062】20−11 次の工具駆動平面がある場合、20
−9 へ戻る。なければ終了。
【0063】次に図20の20−5 である粗密メッシュ部
の経路点計算の処理の詳細を図21に示す。ここでは、
全ての粗密メッシュのます目(双一次パッチ)につい
て、順番にます目を取り出し、交点計算する方法であ
る。なお、これはパッチオフセット面の粗密メッシュと
交点を持つ全ての工具駆動平面(工具経路)についてセ
グメントを計算する処理である。
【0064】21−1 パッチオフセット面の粗密メッシ
ュを構成するます目(双一次パッチ)のID番号を指定
する。
【0065】21−2 指定されたID番号の双一次パッ
チ4端点座標を取り出す。
【0066】21−3 この双一次パッチと交差する工具
駆動平面のID番号の指定する。
【0067】21−4 21−2 の4端点から作られる4線
分と工具駆動平面との交点計算を行う。
【0068】21−5 この交点結果を、工具駆動平面ご
との配列に格納する。
【0069】21−6 次の工具駆動平面がある場合、21
−3 へ戻る。ない場合は21−7 へ。
【0070】21−7 次のます目(双一次パッチ)があ
るとき、21−1 へ戻る。ない場合は21−8 へ。
【0071】21−8 パッチオフセット面の粗密メッシ
ュと交点を持った工具駆動平面(工具経路)のID番号
を指定する。
【0072】21−9 各双一次パッチと工具駆動平面と
の交点では、工具の進行方向に関係なく求められるた
め、進行方向に従うようソーティングを行う。
【0073】21−10 パッチ内の全てのます目(双一次
パッチ)を見るため、求めた交点が同一な場合が生じ
る。よって同一点は消去する。
【0074】21−11 次の工具駆動平面がある場合、21
−8 へ戻る。ない場合は終了。
【0075】以上の処理を行うことで、自動的に工具進
行方向に対する工具経路を生成することができる。この
処理では初期入力の中でピックフィード幅を設定してい
るが、前に述べたピックフィード方向の間隔を計算する
方法を用いることにより、工具駆動平面の間隔の粗密生
成計算も可能である。
【0076】また、この実施例ではストレート加工によ
る粗密工具経路生成を対象にしているが、切削領域に対
して工具駆動平面を放射状に置いた「放射状加工に対す
る粗密工具経路生成」や工具駆動平面をxy平面に平行
に置くことで「等高線加工に対する粗密工具経路生成」
を行なうことも可能である。
【0077】また、本発明により、要求形状の一部分を
指定して他の部分と異なる精度を持つ曲面を得ることも
容易に可能である。すなわち、要求面メッシュの粗密生
成では個々のメッシュごとの推定最大誤差値が許容誤差
値程度になるように分割もしくは合併が行なわれるが、
この許容誤差値を場所ごとに変えることにより、部分ご
とにオフセット面の精度を変えることができる。具体的
には、図14に示すように、CAMシステムのオペレー
タによって要求面上の領域もしくはxy平面上の領域が
指定され、その領域での加工精度が与えられる。そし
て、要求面メッシュの粗密生成において個々のメッシュ
ごとの許容誤差値は、そのメッシュが属する領域の加工
精度によって定められる。そのため、要求面メッシュの
粗密自動生成を行なう際、図14の例では指定された領
域では許容誤差値がより小さい値となっているためメッ
シュの大きさは細かくなる。オフセット面も要求面メッ
シュに対応して粗密ができるため、指定された領域では
より高精度になる。また、既に述べたように経路射影点
の粗密はオフセット面の粗密の状態に依存するため、オ
フセット面の精度を部分ごとに変えたことでそれに応じ
て工具経路デ−タの精度も変わる。結果として、要求形
状の部分ごとにオペレータの指定した精度になっている
曲面を得ることができる。
【0078】本発明を従来技術と共に利用することも可
能である。例えば、本発明による階層的なデ−タ構造を
もつ要求面上の粗密メッシュを用いて、拡張Z-mapCA
Mを構成することができる。拡張Z-map方式でオフセッ
ト面デ−タを生成するためには、xyメッシュを要求面
の形状の変化に応じて細かさの異なる矩形のZ-map領域
に分割しなければならないが、このオフセット面デ−タ
生成時に以下の処理を行なえば良い。
【0079】(1)要求面メッシュの粗密自動生成を行な
う。
【0080】(2)xyメッシュを初期領域に分割してお
き、各領域において代表的な点においてオフセット点計
算をする。その際、計算に用いた要求面メッシュの粗密
情報を利用して領域分割を行なう。
【0081】(3)新たに生成された領域において、代表
点のオフセット点計算と領域分割を繰り返す。
【0082】特に、(2)及び(3)の処理は、経路射影点の
粗密自動生成とほぼ同様の処理である。以上は、オフセ
ット面生成時に要求面メッシュを利用する処理の例であ
るが、要求面メッシュを利用して、要求形状を拡張Z-ma
p方式で表現する処理もほぼ同様に行なうことができ
る。この場合、拡張Z-map方式の要求形状から拡張Z-map
方式のオフセット面デ−タを生成する方法は従来技術を
そのまま適応できる。いずれの方法においても本発明の
要求面メッシュを利用して拡張Z-map方式のオフセット
面デ−タを生成できれば、サーフェイスモデルもしくは
境界表現のソリッドモデルを入力とする拡張Z-mapCA
Mを構成できる。
【0083】以上、高精度の曲面を短期間で提供するこ
とを目的として、曲面加工用CAMシステムでのオフセ
ット面生成及び工具経路計算の方法における本発明の実
施例を説明したが、以下、本発明における要求面メッシ
ュを他の用途に用いた場合の一実施例について説明す
る。図15に以下の実施例におけるデ−タフロー図を示
す。
【0084】曲面加工用CAMシステムにおいては、C
ADシステムで作成された要求形状の特徴を認識するこ
とも求められている。形状の特徴に合わせて、切削速
度、工具形状及び半径、工具経路パターン等の加工条件
を設定することによって、更に高精度かつ高速に切削加
工を行なうことが可能となるためである。しかし従来、
この特徴認識という作業は、CAMシステムのオペレー
タが製図もしくはコンピュータのディスプレイ上に表示
された要求形状の3次元立体図を見ることで行なってき
たものであり、自動的に行なうことが困難とみなされて
いた技術である。従来技術の一つの方向としては、人間
が行なう特徴認識の作業を支援するためにシステムが人
間に有用な情報を提示するというものであり、もう一つ
の方向としてはCADシステムにおいて要求形状デ−タ
の中に形状の特徴を表す情報も同時に与えてCAM側で
その情報を利用するというものである。特に後者の例と
して拡張Z-mapCAMも挙げることができるが、この方
法ではCAD側とCAM側が形状特徴情報の付加された
デ−タ構造を共有していることが大前提となる。そのた
め現在の一般的なCADシステムが作成する幾何モデル
の要求形状デ−タにたいしては処理を行なうことができ
ない。
【0085】本発明による要求面メッシュは、要求形状
の変化を良く表したものとなっており、しかもCAM側
で生成されるため、一般的なCADが生成する要求形状
の特徴認識にも用いることができる。本発明における要
求面メッシュは様々な大きさの双一次パッチから構成さ
れており、それらの双一次パッチは大きさの違いによっ
て階層的なデ−タ構造で保持されている。また、双一次
パッチの大きさはその近傍での曲率の大きさを表してい
ると考えることができ、双一次パッチ端点での4つの法
線ベクトルのなす角度から曲率の正負を求めることがで
きる。以上から要求面メッシュのデ−タによって、要求
面上の曲率分布情報を要求面メッシュと同様な階層的デ
−タ構造で得ることができる。この曲率分布デ−タか
ら、例えば3軸NC工作機械では切削できない領域を求
めたり、あるいは与えられた工具半径で切削できる領域
を求めることは容易に可能である。従って、オフセット
面生成を行なう方法に加えて、要求面メッシュから曲率
分布デ−タを生成する方法と、曲率分布デ−タ及び工具
半径から非切削可能領域あるいは切削可能領域デ−タを
生成する方法を用いることによって、人間が行なう特徴
認識を支援するための有用な情報を提供する曲面加工用
CAMシステムを構成することが可能である。
【0086】また、一般に形状の特徴認識とは数値情報
から記号情報への変換と考えることができる。ここで数
値情報とは要求形状デ−タや上記の曲率分布デ−タのよ
うに数値の羅列によって構成されている情報のことであ
る。それに対して記号情報とは、例えば「平面である」
「球である」「曲率の大きい個所が平面の中にある」と
いったように文章で表された情報である。記号情報の具
体例としては論理型プログラミング言語における述語表
現などがある。本発明による要求面メッシュを用いれば
階層的なデ−タ構造をもつ曲率分布デ−タを得ることが
できるため、「平面である」「球である」といった部分
形状に関する認識を表す記号情報や、「曲率の大きい個
所が平面の中にある」といた部分形状間の関係に関する
認識を表す記号情報を、この曲率分布デ−タから得るこ
とが可能である。これらの記号情報を以下、形状記号デ
−タと呼ぶこととする。一旦、形状記号デ−タを得るこ
とができればその記号情報を用いた様々な情報処理シス
テムを構築することができる。
【0087】例えば、特徴認識を行なって加工条件を設
定するCAMシステムのオペレータは、加工条件に関す
る専門家であり、「もし平面ならば切削速度を上げるこ
とができる」といったような形状の特徴と加工条件の間
に成立する関係を専門家の知識として持っている。そこ
で、これらの知識を知識ベースに蓄え、知識処理を進め
るための推論エンジンを用意すれば、形状記号デ−タを
もとに推論を進め加工条件を自動的に設定することが可
能である。
【0088】また、知識ベースに加工条件と加工し易さ
の関係を表す知識を蓄えることにより、与えられた要求
形状に対する加工し易さの指標を点数として求めること
ができる。この指標を要求形状を作成した設計者に提示
することにより、設計者が事前に加工性の評価を行なう
ことができ、形状の変更を行なうことによって結果とし
て加工効率の高い形状を設計することが可能となる。更
にその形状変更の際においても、どのように変更すれば
加工効率が向上するかといった変更案を、加工し易さの
点数を引き下げている形状記号デ−タを先程と逆向きに
推論することにより求めることができる。また、以上の
ような知識処理を人間が介在することなく進め、更に変
更案の形状記号デ−タを数値情報から記号情報へ変換す
ることにより、変更案の要求形状デ−タを完全に自動的
に得ることも可能である。この変更案要求形状デ−タに
対して、工具経路デ−タを生成することができる。
【0089】以上は曲面加工用CAMシステムにおける
実施例であったが、次に3次元の物体を測定し、その測
定結果から3次元の形状デ−タを生成する3次元形状測
定における実施例について説明する。
【0090】3次元測定においても、測定物体を高精度
に短期間で測定することは基本的な要求となっている。
しかし、高精度に測定するためには測定点を増やす必要
があり、その結果測定時間が増加してしまうという問題
がある。この問題を解決するための基本的な考え方は、
曲面加工用CAMシステムの場合と同様、測定物体の形
状の変化の大きい個所のみ測定点を増やし小さい個所で
は測定点を減らすという方法である。そこで、本発明の
要求面メッシュの粗密生成を測定点位置の決定に用いる
ことでこの問題を決定することができる。すなわち初期
メッシュの格子点の位置を初期測定点とし個々のメッシ
ュの誤差測定を行なうことにより新しい大きさのメッシ
ュを生成する。特に分割してメッシュ生成する際には新
しいメッシュの格子点を次の測定点とする。以上のよう
な処理を繰り返すことにより、測定形状の面の変化に対
応して測定点の分布に粗密を作ることができ、結果とし
て高精度の測定情報を短時間で提供することが可能とな
る。
【0091】
【発明の効果】本発明によれば、3次元曲面加工におい
て高精度の曲面を短時間で提供することが可能となる。
加工について特別な知識がなくとも、加工形状、工具形
状、加工領域、加工精度を入力するだけで、入力された
条件を満足する工具経路デ−タを得ることができる。ま
た、要求面上もしくは水平面上の領域ごとに異なる加工
精度の曲面を容易に提供できる。
【0092】更に、3軸NC工作機械では切削できない
領域及び与えられた工具半径で切削できる領域をCAM
システムのオペレータに提示することができる。要求形
状の特徴認識を自動的に行ない、その認識結果を用いて
加工条件を自動的に設定することができる。また、その
認識結果から要求形状の加工し易さに関する指標を計算
し、結果として加工効率の高い要求形状を提供すること
が可能となる。
【0093】以上のことにより、製品試作においては開
発期間の短縮が可能となり、製造現場では量産立ち上げ
期間の短縮及び製造コストの低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】要求面メッシュの粗密の説明図である。
【図2】処理の流れの説明である。
【図3】メッシュの大きさの決定方法の説明図である。
【図4】粗密メッシュの生成法の説明図である。
【図5】初期メッシュの大きさの決定方法の説明図であ
る。
【図6】各種誤差推定方法の説明図である。
【図7】誤差推定方法の初期メッシュの説明図である。
【図8】工具進行方向の経路射影点の粗密の説明図であ
る。
【図9】軌跡間隔の粗密の説明図である。
【図10】CAMシステムの処理の説明図である。
【図11】問題の構造と基本的な解決法の説明図であ
る。
【図12】問題の構造と基本的な解決法の説明図であ
る。
【図13】従来の技術の説明図である。
【図14】指定領域の高精度化の説明図である。
【図15】全体のデ−タフローの説明図である。
【図16】工具駆動平面を用いた粗密工具経路生成の説
明図である。
【図17】工具駆動平面を用いた粗密工具経路生成の処
理図である。
【図18】スイープ面生成の説明図である。
【図19】工具干渉回避合成の説明図である。
【図20】工具駆動平面を用いた工具経路生成方法の説
明図である。
【図21】粗密メッシュ部の経路点計算方法の説明図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G05B 19/4155 (72)発明者 調 敏行 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町5030番地株式 会社日立製作所ソフトウェア開発本部内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3次元加工を対象として、加工をする要求
    形状データを入力し、該要求形状データ及び使用する工
    具の形状データに基づいて、該工具が該要求形状に接し
    て動く時、該工具の中心が描くと仮定したオフセット面
    を生成し、加工時の該オフセット面上の工具径路を生成
    する加工用CAMシステムの処理方法において、 オフセット面生成に先立ち、該要求形状データより要求
    面上に初期状態のメッシュを生成し、該個々のメッシュ
    において、メッシュの4辺を直線近似した微小一次面と
    該メッシュとの間の誤差評価を行ない、もし、該誤差評
    価値が許容値より大きければ該メッシュを分割し、も
    し、隣接する該誤差評価値が許容値より小さい複数のメ
    ッシュを合併後のメッシュにおいても該誤差評価値が許
    容値より小さいならば該複数のメッシュを合併し、上記
    全てのメッシュ、及び分割、合併後のメッシュを対象と
    して、上記分割、合併が可能な条件が成立する限り上記
    処理を繰り返し、上記要求面上の粗密メッシュを生成す
    ることを特徴とする加工用CAMシステムの処理方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の上記要求面上の粗密メッシ
    ュの生成において、上記要求形状データより要求面上に
    初期状態のメッシュを生成する方法が、u方向、v方向
    のそれぞれにつき、自由曲線の制御点間の距離が最小で
    ある値を該初期状態のメッシュの大きさとすることを特
    徴とする加工用CAMシステムの処理方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の方法によって生成された上
    記要求面上の粗密メッシュを用いて、各メッシュの格子
    点から工具の形状分だけオフセットした点を求め、該各
    メッシュに対応して大きさの異なる双一次パッチを構成
    し、それらの点の座標をオフセット面データとして、大
    きさの違いによって階層的に管理することを特徴とする
    加工用CAMシステムの処理方法。
  4. 【請求項4】請求項3記載の方法によって生成されたオ
    フセット面を用いて、工具径路上の経路点の粗密を以下
    の手順にて決定することを特徴とする加工用CAMシス
    テムの処理方法。 (1) xy平面上のメッシュを用意し、このメッシュの格
    子点を経路射影点の初期配置とする。 (2) 工具進行方向の配列順に、該初期配置の経路射影点
    から垂直に伸ばした直線と、上記オフセット面との交点
    を計算し、経路点を求める。 (3) 工具進行方向の配列順に連続するいずれかの2点の
    経路射影点の経路点が、上記オフセット面の同一の双一
    次パッチに無く、かつ、それぞれの経路点が上記オフセ
    ット面の隣接する双一次パッチにも無い場合に、上記2
    点の経路射影点の間に新しい経路射影点を生成して、同
    様に経路点を求める。 (4) 工具進行方向の配列順に連続するいずれかの3点以
    上の経路射影点の経路点が、上記オフセット面の同一の
    双一次パッチに3点以上属し、かつ、各点が直線上に存
    在する場合には、両端の2点を除いて残りの経路点を全
    て削除する。 (5) 上記(3)、(4)の条件に該当する経路点が無くなるま
    で、上記(3)、(4)の処理を繰り返す。
  5. 【請求項5】請求項3記載の方法によって生成されたオ
    フセット面を用いて、工具径路のピックフィード方向の
    間隔を以下の手順で計算することを特徴とする加工用C
    AMシステムの処理方法。 (1) xy平面上のメッシュを用意し、このメッシュの格
    子点を経路射影点の初期配置とする。 (2) 工具進行方向の配列順に、該初期配置の経路射影点
    から垂直に伸ばした直線と、上記オフセット面との交点
    を計算し、経路点を求める。 (3) 工具進行方向の経路射影点の列である軌跡毎に、そ
    の軌跡上の経路点が存在する双一次パッチの中で最も小
    さいものを記録する。 (4) 隣接する軌跡において、それぞれの最も小さい双一
    次パッチが要求面上で隣接していなければ、それらの軌
    跡の間に新しい軌跡を生成する。
  6. 【請求項6】請求項1記載の加工用CAMシステムの処
    理方法を備え、入力が加工形状、工具形状、加工領域、
    加工精度により工具経路データを出力することを特徴と
    する加工用CAMシステム。
  7. 【請求項7】請求項1記載の粗密メッシュ生成方法にお
    いて、個々のメッシュの誤差評価の結果、分割もしくは
    合併の操作を行なうかどうかの判定に用いる許容誤差値
    を、要求面上もしくは水平面上の領域ごとに変えること
    によって、該領域ごとに加工精度を変えることを可能と
    することを特徴とする加工用CAMシステム。
  8. 【請求項8】請求項1記載の方法によって生成された要
    求面上の粗密メッシュを用いて、拡張Z-map方式のオフ
    セット面データを生成し、該オフセット面データを利用
    することを特徴とする加工用CAMシステム。
  9. 【請求項9】請求項1記載の方法によって生成された要
    求面上の粗密メッシュを用いて、工具が移動する軌跡が
    存在する平面から自動的に粗密工具経路データを生成す
    る工具経路生成方法。
  10. 【請求項10】請求項1もしくは請求項2記載の方法に
    よって生成された要求面上の粗密メッシュを用いて、要
    求面において3軸NC工作機械では切削出来ない領域を
    画面に表示することを特徴とする加工用CAMシステ
    ム。
  11. 【請求項11】請求項1もしくは請求項2記載の方法に
    よって生成された要求面上の粗密メッシュを用いて、要
    求面においてある工具半径で切削できる領域を画面に表
    示することを特徴とする加工用CAMシステム。
  12. 【請求項12】請求項1もしくは請求項2記載の方法に
    よって生成された要求面上の粗密メッシュを用いて、要
    求面の形状の特徴を認識し、該認識を記号情報で表現す
    ることを特徴とする加工用CAMシステム。
  13. 【請求項13】請求項12記載の形状特徴の記号情報に
    対し、形状特徴と加工条件の関係を記した知識ベース及
    び知識処理のための推論エンジンを用いて、工具径路、
    工具形状、加工速度などの加工条件を自動的に設定する
    ことを特徴とする加工用CAMシステム。
  14. 【請求項14】請求項12記載の形状特徴の記号情報に
    対し、形状特徴と加工し易さの指標の関係を記した知識
    ベース及び知識処理のための推論エンジンを用いて、要
    求形状の加工し易さの指標を計算すること、及び形状の
    変更を行なう際に加工効率の高い形状への変更案を提示
    すること、及び該指標計算、該変更案提示を自動的に行
    ない結果として加工効率の高い要求形状を提示すること
    を特徴とする加工用CAMシステム。
  15. 【請求項15】3次元の物体の形状を測定し、その測定
    結果から3次元の形状データを生成する3次元形状測定
    において、 物体上の測定点を決定する際に、請求項1もしくは請求
    項2記載の粗密メッシュ生成法を利用し、物体上に生成
    した粗密メッシュの格子点の位置で測定を行なうことを
    特徴とする3次元形状測定方法。
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