JPH0719308A - トロイダル型無段変速機のプリロード調整方法 - Google Patents

トロイダル型無段変速機のプリロード調整方法

Info

Publication number
JPH0719308A
JPH0719308A JP16576693A JP16576693A JPH0719308A JP H0719308 A JPH0719308 A JP H0719308A JP 16576693 A JP16576693 A JP 16576693A JP 16576693 A JP16576693 A JP 16576693A JP H0719308 A JPH0719308 A JP H0719308A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
continuously variable
variable transmission
cam
cam members
input
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP16576693A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiji Ezaki
誠司 江崎
Hidenao Taketomi
秀直 武富
Kiyohito Suyama
精人 須山
Kazuhiko Ueda
和彦 上田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP16576693A priority Critical patent/JPH0719308A/ja
Publication of JPH0719308A publication Critical patent/JPH0719308A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Friction Gearing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構成で各変速機ユニットに付与される
プリロード圧を適正に調整することができるようにす
る。 【構成】軸方向に並設された一対の無段変速機ユニット
の入力ディスク34に駆動力を伝達する一対のカム部材
47,48の少なくとも一方と、このカム部材47,4
8に駆動トルクを伝達する駆動ギア44との噛み合い位
相を変化させて相対向する両カム部材47,48の設置
角度を相対変位させることにより、上記両無段変速機ユ
ニットの入力ディスク34を互いに離間させる方向に付
勢する皿ばね49からなる付勢手段の付勢力を調節する
ように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一対の無段変速機ユニ
ットが軸方向に並設されてなるトロイダル型無段変速機
のプリロード調整方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車のエンジンから駆動トルク
が入力される入力ディスクと、駆動輪側に駆動トルクを
出力する出力ディスクとの間に配設されたパワーローラ
の傾転角度を変化させることによって変速比を調節する
ように構成されたトロイダル型無段変速機において、例
えば特開平2−283949号公報に示されるように、
一対の無段変速機ユニットを軸方向に並設することによ
り、各変速機ユニットの構成部材に加えられるトルク負
荷を軽減することが行われている。
【0003】上記トロイダル型無段変速機は、通常、図
12に示すように、変速機の出力軸60に沿って一対の
変速機ユニット61,62が配設され、この変速機ユニ
ット61,62の内側部に入力ディスク63がそれぞれ
配設されるとともに、この両入力ディスク63間に駆動
トルクを伝達する一対のカム部材64,65からなるイ
ンプットカムが配設されている。
【0004】そして、上記両カム部材64,65の間に
は、皿ばね等からなる付勢手段66が配設され、この付
勢手段66によって両カム部材64,65を互いに離間
させる方向に付勢することにより、カムローラ67を介
して入力ディスク63を出力ディスク68側に押圧し、
この入出力ディスク63,68とパワーローラ69との
間に適正な接触圧を作用させるようになっている。
【0005】また、上記トロイダル型無段変速機におい
て、インプットカムを構成するカム部材64,65と、
入力ディスク63との間に大きな摩擦抵抗が作用するこ
とに起因した伝達効率の低下を防止しつつ、変速機の作
動時にスリップが生じるのを防止するため、各変速機ユ
ニット61,62が設置された出力軸60の一端部に設
置された締付ナット70の締付量を調節することによ
り、両変速機ユニット61,62の内側部に配設された
両カム部材64,65の設置間隔を変化させて上記付勢
手段66から入力ディスク63に付与される付勢力(プ
リロード圧)を、予め調整することが行われている。
【0006】すなわち、上記締付ナット70の締付量を
調節して出力軸30を螺進させることにより、両変速機
ユニット61,62の設置間隔を変化させ、これによっ
て上記付勢手段66の付勢力を調節するようにしてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように出力軸の
一端部に設けられた締付ナットの締付量を調節すること
により、プリロード圧が調整されるように構成されたも
のでは、このプリロード圧を調整するために専用の締付
ナットを設けるとともに、この締付ナットを回り止めす
るための回り止め部材を設ける必要があるので、構造が
複雑になるという問題がある。また、上記締付ナットの
締付量を調節するに伴って両無段変速機ユニットの設置
間隔が変化するため、これによって各無段変速機ユニッ
トの支持部等のバランスが崩れるという問題がある。
【0008】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであり、簡単な構成で各変速機ユニットに付
与されるプリロード圧を適正に調整することができるト
ロイダル型無段変速機のプリロード圧調整方法を提供す
ることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
軸方向に一対の無段変速機ユニットが並設され、各無段
変速機ユニットの内側部に入力ディスクと、この入力デ
ィスクに駆動力を伝達するカム部材とがそれぞれ相対向
して配設されるとともに、相対向する両無段変速機ユニ
ットの入力ディスクを互いに離間させる方向に付勢する
付勢手段が配設されてなるトロイダル型無段変速機にお
いて、上記カム部材に駆動トルクを伝達する駆動ギア
と、これに噛合するカム部材との噛み合い位相を変化さ
せて相対向する両カム部材の設置角度を相対変位させる
ことにより、上記付勢手段の付勢力を調節するように構
成したものである。
【0010】請求項2に係る発明は、各インプットカム
に駆動トルクを伝達する駆動ギアが各無段変速機ユニッ
ト毎に分割して設けられてなるトロイダル型無段変速機
において、上記両駆動ギアのうち少なくとも一方を回転
させて相対向する両カム部材の設置角度を相対変位させ
ることにより、両カム部材間に配設された付勢手段の付
勢力を調節するように構成したものである。
【0011】
【作用】上記請求項1記載の発明によれば、相対向して
設置された両カム部材の少なくとも一方と、駆動ギアと
の噛み合い位相を変化させて両カム部材の設置角度を相
対変位させると、付勢手段によって無段変速機ユニット
の入力ディスクに付与されるプリロード圧が調整される
ことになる。
【0012】上記請求項2記載の発明によれば、相対向
して設置された両カム部材に噛合するように設置された
両駆動ギアの少なくとも一方を回転させることにより、
両カム部材の設置角度を相対回転させると、付勢手段に
よって無段変速機ユニットに付与されるプリロード圧が
調節されることになる。
【0013】
【実施例】図1および図2は、本発明に係るプリロード
圧調整方法が適用されるトロイダル型無段変速機を有す
る自動車の変速装置の概略構成を示している。この変速
装置は、エンジン1の出力側に接続される経路切換クラ
ッチ2によって切り換えられる第1および第2動力伝達
経路3,4を有している。第1動力伝達経路3は、エン
ジン出力を減速装置7を介して車輪側に伝達するもの
で、この実施例ではトルクコンバータ5から、前後進切
換装置6および減速装置7を経て車輪側に動力を伝達す
るように構成されている。また第2動力伝達経路4は、
エンジン出力をトロイダル型無段変速機8を介して車輪
側に伝達するものである。
【0014】上記トルクコンバータ5は、その入力軸5
aに連なるポンプカバー11と、このポンプカバー11
に一体に形成されたポンプインペラ12と、これに対向
するように設置されたタービンライナ13と、その間で
ワンウェイクラッチ16を介して中空固定シャフト15
に取付けられたステータ14とを備えている。そして、
上記入力軸5aがエンジン1の出力軸に結合されるとと
もに、トルクコンバータ5の出力軸となるタービンシャ
フト17が上記タービンライナ13に結合されている。
また、上記ポンプカバー11内の空間には、作動流体と
してのオイルが充満されている。なお、ポンプインペラ
12には中空回転シャフト18が連結され、このシャフ
ト18の後端にオイルポンプ19が取付けられている。
【0015】上記減速装置7は、タービンシャフト17
と同軸上に配置された後進用および前進用の2つの遊星
歯車機構20,21とを有し、両遊星歯車機構20,2
1に共用されるサンギア22が上記タービンシャフト1
7に結合されている。上記後進用遊星歯車機構20は、
シングルピニオン式であリ、上記サンギア22の回転
が、キャリヤ23に支持されたピニオン24を介してリ
ングギア25に伝えられるようになっている。また、上
記キャリヤ23は、中空固定シャフト15に結合されて
ケーシング10に固定され、上記リングギア25は、リ
バースクラッチ6aを介して変速機の出力軸30に連結
されている。
【0016】一方、前進用遊星歯車機構21はダブルピ
ニオン式であリ、上記サンギア22の回転が、上記キャ
リヤ23に支持されたインナピニオン26およびアウタ
ピニオン27を介してリングギア28に伝えられるよう
になっている。このリングギア28は、フォワードクラ
ッチ6bおよびワンウェイクラッチ29を介して上記出
力軸30に連結されている。
【0017】上記リバースクラッチ6aとフォワードク
ラッチ6bとによって前後進切換装置6が構成されてい
る。そして、上記リバースクラッチ6aが締結されたと
きには、タービンシャフト17からの入力が後進用遊星
歯車機構20を介して変速機の出力軸30に伝達され、
フォワードクラッチ6bが締結されたときには、タービ
ンシャフト17からの入力が前進用遊星歯車機構21を
介して上記出力軸30に伝達されるようになっている。
【0018】一方、第2動力伝達経路4のトロイダル型
無段変速機8は、一対の無段変速機ユニット31,32
によって構成され、この両無段変速機ユニット31,3
2が、上記減速装置7に隣接する位置で上記出力軸30
上に配置されている。上記無段変速機ユニット31,3
2は、それぞれ軸方向に離間して配置された一対のディ
スク33,34と、これらのディスク33,34の間に
配設されて両ディスク33,34に摺接するパワーロー
ラ35とを備えている。
【0019】上記一対のディスクのうちの一方のディス
ク(出力ディスク)33は上記出力軸30に固定され、
他方のディスク(入力ディスク)34は上記出力軸30
に対して相対回転可能で、かつ軸方向に移動可能に支持
されている。上記パワーローラ35は、図外の油圧機構
により傾転角θが変更され、これに応じてトロイダル型
の変速機ユニット31,32の変速比が変更されるよう
に構成されている。
【0020】すなわち、入力ディスク34の回転が上記
パワーローラ35を介して出力ディスク33に伝達され
る際の変速比は、パワーローラ35が入力ディスク34
に摺接する個所の半径Riと出力ディスク33に摺接す
る個所の半径Roとの比に対応して設定されるため、パ
ワーローラ35が傾転して上記摺接個所が変位すると、
これに応じて上記トロイダル型の無段変速機ユニット3
1,32の変速比が変更されるようになっている。
【0021】上記トロイダル型無段変速機8を構成する
両変速機ユニット31,32には、その外側に出力ディ
スク33が配置されるとともに、内側に入力ディスク3
4が相対向して配設され、かつ両入力ディスク34の間
にインプットカム36が配設されている。また、インプ
ットカム36と両入力ディスク34との間には、入力ト
ルクに応じた押付力を入力ディスク34に作用させるカ
ムローラ37が介装され、このカムローラ37は、リテ
ーナ38によって回転自在に支持されている。
【0022】また、上記トロイダル型無段変速機8に
は、タービンシャフト17および変速機の出力軸30と
並列に配置されたバイパスシャフト40を介して入力が
伝達される。すなわち、このバイパスシャフト40の前
端に第1ギア41が設けられ、この第1ギア41はアイ
ドルギア42を介して第2ギア43に連係され、この第
2ギア43は、トルクコンバータ入力側(ポンプインペ
ラ12)に直結されている中空回転シャフト18に、経
路切換クラッチ2を介して連結されている。また、バイ
パスシャフト40の後端には第3ギア44が設けられ、
この第3ギア44が上記インプットカム36に設けられ
た第4ギア45に噛合している。
【0023】したがって、上記経路切換クラッチ2が締
結状態のときは、上記中空回転シャフト18とバイパス
シャフト40との間の動力伝達が遮断され、エンジン出
力は第1動力伝達経路3のトルクコンバータ5、前後進
切換装置6および減速装置7を経て上記出力軸30に伝
達される。一方、上記経路切換クラッチ2が締結状態の
ときは、エンジン出力が、トルクコンバータ5をバイパ
スして中空回転シャフト18からギア43,42,4
1、バイパスシャフト40およびギア44,45より無
段変速機8を経て出力軸30に伝達され、この場合に
は、前記ワンウェイクラッチ29がフリーとなることに
より、第1動力伝達経路3は実質的に働かないようにな
っている。
【0024】上記インプットカム36は、図3に示すよ
うに、ベアリングを介して上記両入力ディスク34のボ
ス部に回転自在に支持された第1カム部材47と、この
第1カム部材47のボス部に沿ってスライド自在に支持
された第2カム部材48とからなり、この両カム部材4
7,48の内側面間には、両カム部材47,48を互い
に離間させる方向に付勢する皿ばね49からなる付勢手
段が配設されている。
【0025】また、上記入力ディスク34の内側面およ
びこれらに対向する両カム部材47,48の外側面に
は、図4に示すように、所定の傾斜面からなる山部およ
び谷部が連続するカム面50,51がそれぞれ形成さ
れ、この両カム50,51間にカムローラ37が配設さ
れている。このカムローラ37は、上記変速機8の作動
時にバイパスシャフト40からインプットカム36のカ
ム部材47,48に伝達された駆動トルクを、上記両カ
ム面50,51を介してそれぞれ入力ディスク34に伝
達するように構成されている。
【0026】すなわち、上記トロイダル型無段変速機8
の作動前には、上記皿ばね49の付勢力に応じて両カム
部材47,48が外方に付勢されることにより、両カム
部材47,48と、これに対向する入力ディスク34と
の間に、上記カムローラ37を介して所定のプリロード
圧が付与されている。
【0027】そして、上記トロイダル型無段変速機8の
作動時に、両カム部材47,48が図5の矢印に示す方
向に回転駆動されると、上記カムローラ37がカム面5
0,51に圧接されることにより、上記両カム部材4
7,48の駆動トルクが上記カムローラ37を介して入
力ディスク34に伝達され、この入力ディスク34が上
記カム部材47,48に押圧されて上記カム部材47,
48とともに回転することになる。
【0028】なお、上記カムローラ37がカム面50,
51に圧接される際の反力により、両カム部材47,4
8が皿ばね49の付勢力に抗して内方に移動し、上記皿
ばね49が扁平形状に圧縮されて両カム部材47,48
が互いに密着した状態となった後、上記入力ディスク3
4が外方に押されてパワーローラ35に圧接されること
になる。
【0029】上記入力ディスク34のパワーローラ35
に対する押付力、つまり上記カムローラ37を介して入
力ディスク34のカム面51に伝達される駆動トルク
は、図6に示すように、作動前のプリロード圧aから上
記皿バネ49の変形に応じて徐々に増大した後、上記両
カム部材47,48が密着状態となった時点Tで急増す
ることになる。
【0030】上記構成のトロイダル型無段変速機8のプ
リロード調整方法について以下に説明する。上記図4に
示すように、インプットカム36を構成する両カム部材
47,48のカム面51が左右対称となるように両カム
部材47,48がセットされている場合には、トロイダ
ル型無段変速機8の作動前に、皿ばね47の付勢力に応
じて左右のカムローラ37がそれぞれ上記両カム面5
0,51の谷部に嵌入され、両カム部材47,48が最
大位置に離間した状態となって上記プリロード圧aが最
小値に設定されている。
【0031】上記プリロード圧aを増大させる場合に
は、上記第3ギア44からなる駆動ギアと、両カム部材
47,48の少なくとも一方との噛合状態を一旦解除し
て、その噛み合い位相を変化させることにより、両カム
部材47,48のカム面50が左右非対称となるように
両カム部材47,48の設置角度を相対変位させる。
【0032】例えば、図7に示すように、第1カム部材
47を矢印に示す方向に回転させると、右方のカムロー
ラ37がカム面50,51に沿って転動してそれぞれの
谷部から離間した位置に変化する。この結果、第1カム
部材47が内方に押圧されて皿ばね49が圧縮されるた
め、上記プリロード圧aが増大することになる。なお、
両カム部材47,48を互いに逆向きに回転させて左右
のカムローラ37の設置位置をそれぞれ変位させること
により、上記プリロード圧aを調節するように構成して
もよい。
【0033】また、上記のように上記第3ギア44と両
カム部材47,48との噛み合い位相を変化させてプリ
ロード圧aを調節することにより、このプリロード圧a
が大きくなり過ぎた場合には、上記両カム部材47,4
8のカム面51を左右対称位置に近付けるように、上記
噛み合い位相を再度変化させることにより、上記プリロ
ード圧aを減少させるようにする。
【0034】このようにインプットカム36に駆動トル
クを伝達する第3ギア44からなる駆動ギアと、上記イ
ンプットカム36を構成する第1,第2カム部材47,
48の少なくとも一方との噛み合い位相を変化させるこ
とにより、両カム部材47,48の間に設置された皿ば
ね49によって付与されるプリロード圧aを調節するよ
うに構成したため、プリロード調整用の締付ボルト等を
設けることなく、簡単な構造で上記プリロード圧aを適
正値に調整することができる。
【0035】しかも、上記変速機ユニット31,32を
構成する出力ディスク33、入力ディスク34およびパ
ワーローラ35等の設置位置を変化させることなく、上
記両カム部材47,48の設置間隔を調節することによ
り、皿ばね49の付勢力を調節することができるため、
この付勢力の調節操作に応じて各無段変速機ユニット3
1,32の支持バランスが崩れるという事態の発生を防
止しつつ、上記プリロード圧aを適正に調整することが
できる。
【0036】なお、上記実施例では、単一の駆動ギア
(第3ギア44)によって上記両カム部材47,48を
それぞれ回転駆動するように構成しているが、図8に示
すように、両カム部材47,48に噛合する一対の第3
ギア44a,40bを別々に設けた構造としてもよい。
【0037】上記のように構成した場合には、両第3ギ
ア44a,44bの少なくとも一方と、バイパスギア4
0との係止状態を解除した状態で、この第3ギア44
a,44bの少なくとも一方を回動操作することによ
り、上記両カム部材47,48の設置角度を相対変位さ
せて両カム部材47,48間に配設された皿ばね49の
付勢力を調節することができる。したがって、上記第3
ギア44a,44bと、両カム部材47,48との噛合
状態を解除することなく、上記プリロード圧aを調節す
ることができる。
【0038】また、図9に示すように、第1カム部材4
7に、単一の第3ギア44に噛合する第4ギア45と内
歯スプライン52とを設けるとともに、この第1カム部
材47の内歯スプライン52に歯合する外歯スプライン
53を第2カム部材48に設けた構造としてもよい。こ
の場合には、上記第1カム部材47に対する第2カム部
材48の噛合状態を解除して上記両スプライン52,5
3の噛み合い位相を変化させることにより、上記両カム
部材47,48の設置角度を相対変位させて上記プリロ
ード圧aを調整することができる。
【0039】上記の実施例において、第1カム部材47
のボス部に沿って第2カム部材48を容易に摺動変位さ
せることができるようにするため、上記第1カム部材4
7のボス部と、第2カム部材48の内周面との間には、
0.2〜0.3mm程度の隙間が形成されている。
【0040】また、上記第2カム部材48の内周面の端
部には、テーパ面が形成されている。このため、上記第
2カム部材48が摺動する際に、仮に傾斜状態となると
いう事態が生じた場合においても、その内周面の端部が
上記第1カム部材47のボス部に接触するのを防止する
ことができる。さらに、第2カム部材48の摺動時に、
カムローラ37を保持するリテーナ38ががたつくのを
防止するため、このリテーナ38をクリップ54によっ
て第1カム部材47のボス部に係止している。
【0041】また、第1カム部材47のボス部には、上
記出力軸30に形成された第1油穴55から両入力ディ
スク34のボス部の間を通って導出される潤滑油を、両
カム部材47,48間に導入する第2油穴56が形成さ
れるとともに、図10および図11に示すように、上記
第2カム部材48の内壁面に設けられた皿ばね係止用の
段部57を貫通して径方向に伸びる凹溝からなる油路5
8が上記内壁面に形成されている。したがって、上記両
カム部材47,48間に導入された潤滑油を上記油路5
8を介して両スプライン52,53に供給することがで
きる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、無段変
速機ユニットのインプットカムを構成する一対のカム部
材の少なくとも一方と、このインプットカムに駆動トル
クを伝達する駆動ギアとの噛み合い位相を変化させて上
記両カム部材の設置間隔を調節することにより、上記両
カム部材の間に設置された付勢手段の付勢力を調節する
ように構成したため、従来のようにプリロード調節用の
締付ボルト等を設けることなく、簡単な構造で無段変速
機ユニットの入力ディスクに付与されるプリロード圧を
適正値に調節することができる。
【0043】しかも、上記変速機ユニットを構成する出
力ディスク、入力ディスクおよびパワーローラ等の設置
位置を変化させることなく、上記両カム部材の設置間隔
を変化させることにより、付勢部材の付勢力を調節する
ことができるため、この付勢力を調節する際に各無段変
速機ユニットの支持バランスが崩れるという事態の発生
を防止しつつ、上記プリロード圧を調節することができ
るという利点がある。
【0044】また、上記両カム部材に噛合する一対の駆
動ギアを設け、この駆動ギアの少なくとも一方を回動操
作することにより、上記両カム部材の設置角度を相対変
位させて両カム部材間に配設された付勢手段の付勢力を
調節するように構成した場合には、駆動ギアと、両カム
部材との噛合状態を解除することなく、上記プリロード
圧を調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプリロード調整方法が適用されるトロ
イダル型無段変速機を備えた変速装置の全体構成を示す
概略説明図である。
【図2】上記トロイダル型変速機の具体例を示す断面図
である。
【図3】上記トロイダル型変速機の要部を示す断面図で
ある。
【図4】変速機の作動前におけるカム面の状態を示す断
面図である。
【図5】変速機の作動時におけるカム面の状態を示す断
面図である。
【図6】駆動トルクの伝達状態を示すグラフである。
【図7】プリロード圧の調整工程を示す断面図である。
【図8】上記トロイダル型変速機の別の例を示す断面図
である。
【図9】上記トロイダル型変速機のさらに別の例を示す
断面図である。
【図10】第2カム部材の構成を示す正面図である。
【図11】第2カム部材の構成を示す平面図である。
【図12】上記トロイダル型変速機の従来例を示す断面
図である。
【符号の説明】
8 トロイダル型無段変速機 31,32 無段変速機ユニット 34 入力ディスク 36 インプットカム 44 第3ギア(駆動ギア) 47,48 カム部材 49 皿ばね
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上田 和彦 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向に一対の無段変速機ユニットが並
    設され、各無段変速機ユニットの内側部に入力ディスク
    と、この入力ディスクに駆動トルクを伝達するカム部材
    とがそれぞれ相対向して配設されるとともに、相対向す
    る両無段変速機ユニットの入力ディスクを互いに離間さ
    せる方向に付勢する付勢手段が配設されてなるトロイダ
    ル型無段変速機において、上記カム部材に駆動トルクを
    伝達する駆動ギアと、これに噛合するカム部材との噛み
    合い位相を変化させて相対向する両カム部材の設置角度
    を相対変位させることにより、上記付勢手段の付勢力を
    調節するように構成したことを特徴とするトロイダル型
    無段変速機のプリロード調整方法。
  2. 【請求項2】 各インプットカムに駆動トルクを伝達す
    る駆動ギアが各無段変速機ユニット毎に分割して設けら
    れてなるトロイダル型無段変速機において、上記両駆動
    ギアのうち少なくとも一方を回転させて相対向する両カ
    ム部材の設置角度を相対変位させることにより、両カム
    部材間に配設された付勢手段の付勢力を調節するように
    構成したことを特徴とする請求項1記載のトロイダル型
    無段変速機のプリロード調整方法。
JP16576693A 1993-07-05 1993-07-05 トロイダル型無段変速機のプリロード調整方法 Pending JPH0719308A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16576693A JPH0719308A (ja) 1993-07-05 1993-07-05 トロイダル型無段変速機のプリロード調整方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16576693A JPH0719308A (ja) 1993-07-05 1993-07-05 トロイダル型無段変速機のプリロード調整方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0719308A true JPH0719308A (ja) 1995-01-20

Family

ID=15818640

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16576693A Pending JPH0719308A (ja) 1993-07-05 1993-07-05 トロイダル型無段変速機のプリロード調整方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0719308A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10941841B2 (en) 2016-12-01 2021-03-09 Volkswagen Aktiengesellschaft Traction transmission and drive unit for a motor vehicle
DE102019129916A1 (de) * 2019-11-06 2021-05-06 Nsk Ltd. Traktionsgetriebe
DE102019129917A1 (de) * 2019-11-06 2021-05-06 Nsk Ltd. Traktionsgetriebe
WO2021220903A1 (ja) * 2020-04-27 2021-11-04 川崎重工業株式会社 トロイダル無段変速機

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10941841B2 (en) 2016-12-01 2021-03-09 Volkswagen Aktiengesellschaft Traction transmission and drive unit for a motor vehicle
DE102019129916A1 (de) * 2019-11-06 2021-05-06 Nsk Ltd. Traktionsgetriebe
DE102019129917A1 (de) * 2019-11-06 2021-05-06 Nsk Ltd. Traktionsgetriebe
WO2021220903A1 (ja) * 2020-04-27 2021-11-04 川崎重工業株式会社 トロイダル無段変速機

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS6263263A (ja) 改良伝動装置
JPH02261950A (ja) トロイダル無段変速機のローディングカム装置
JP2010106957A (ja) ベルト式無段変速機
US6484858B1 (en) Friction clutch and automatic transmission of automobile using the same and non-stage transmission of automobile and power distribution device of automobile and power transmission device of motorcycle
EP0942199B1 (en) Toroidal continuous variable transmission
EP0851149A1 (en) A planetary gear mechanism
JP3605436B2 (ja) 無段変速機
JPH0617915A (ja) 摩擦車式無段変速機
JPH10205587A (ja) 一方向クラッチの支持構造
JPH0719308A (ja) トロイダル型無段変速機のプリロード調整方法
JP2004169719A (ja) トロイダル型無段変速機及び無段変速装置
JP3702597B2 (ja) トロイダル形無段変速装置
JPH07190159A (ja) 摩擦車式無段変速機
JPH07269668A (ja) クラッチ機能を内蔵した無段変速動力伝達方法及び装置
FR2540058A1 (fr) Groupe de commande d'entrainement et de commande de direction pour engin a organes de roulement droite-gauche non directeurs
JP2001012573A (ja) トロイダル形無段変速装置
JPH10267049A (ja) ドグクラッチ
JPH06174033A (ja) トロイダル型無段変速機
JP2903932B2 (ja) 摩擦車式無段変速機の変速制御装置
JP4106797B2 (ja) トロイダル形無段変速装置
JPH07117133B2 (ja) Vベルト式無段変速機
JP2005164014A (ja) トロイダル型無段変速装置
JPS60191822A (ja) 自動車用無段変速装置
GB2253251A (en) Gearbox having friction clutches actuated by rotary camming.
EP4253783A1 (en) Meshing clutch mechanism and two-speed transmission