JPH07188222A - チエニルアゾール化合物 - Google Patents

チエニルアゾール化合物

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JPH07188222A
JPH07188222A JP10508194A JP10508194A JPH07188222A JP H07188222 A JPH07188222 A JP H07188222A JP 10508194 A JP10508194 A JP 10508194A JP 10508194 A JP10508194 A JP 10508194A JP H07188222 A JPH07188222 A JP H07188222A
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alkyl
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稔 森脇
Toru Nakajima
透 中島
Michio Terasawa
道夫 寺澤
Tetsuya Tawara
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式 【化1】 (式中、Arはフェニル、置換フェニル、ピリジル、置
換ピリジルを、R1 は水素、ハロゲン、低級アルキル
を、R2 は置換されていてもよい炭素数6〜18個のア
ルキル、アルケニル、アルキニルを、R3 ,R4 は水
素、置換されていてもよい低級アルキルを、X,Yは窒
素などを、Zはハロゲン、水酸基、メタンスルホニルオ
キシ、アミノなどを示す。)で表される化合物またはそ
の塩。 【効果】 冠血管拡張剤、脳血管拡張剤として心不全、
虚血性心疾患、脳循環障害など、PAF拮抗剤として炎
症、アレルギー、喘息などの治療薬として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は医薬として有用な新規チ
エニルアゾール化合物に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】特公昭5
5−12434号公報には抗痙攣作用などの中枢神経に
対する作用を示す5位が低級アルキル基により置換され
た2−チエニルトリアゾール化合物が記載されている。
近年、心不全、狭心症、脳卒中などの循環器系疾患が急
増しており、これら疾病を予防し、または治療するため
に種々の薬剤が研究開発されてきている。また、これと
は別に血小板活性化因子(platelet activating facto
r、以下PAFと称することもある。)のアレルギー、
ショックなどに対する生理的役割が解明されてきてお
り、PAF拮抗作用薬の開発も望まれている。本発明の
課題は、これら循環器系疾患の治療薬またはPAFによ
り惹起される各種疾患の治療薬として有用な新規化合物
を提供することにある。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、この課題
を解決するために鋭意研究した結果、以下に示す一般式
(I)の化合物がカルモジュリン拮抗作用、冠および脳
血管拡張作用を有し、各種循環器疾患治療薬として、さ
らにPAF拮抗作用を示し、PAFにより惹起される各
種疾患の治療薬として有用であることを見出し、本発明
を完成した。すなわち、本発明は一般式
【0004】
【化2】
【0005】により表されるチエニルアゾール化合物ま
たはその酸付加塩に関する。上記式中、Arはフェニ
ル、置換フェニル、ピリジルまたは置換ピリジルを示
す。R1 は水素、ハロゲン、低級アルキルを、R2 は任
意個のアミド基、水酸基もしくはオキソ基により置換さ
れていてもよい炭素数6〜18個のアルキル、アルケニ
ルまたはアルキニルを示す。
【0006】R3 ,R4 はそれぞれ水素またはハロゲン
により置換されていてもよい低級アルキルを示す。X,
Yはともに窒素を示すか、一方がC−R5 〔ここで、R
5 は水素、低級アルキル(任意個の水酸基またはアミノ
により置換されていてもよい。)、低級アルコキシまた
はシクロアルキルを示す。〕で、他方が窒素を示すか、
またはXが窒素で、YがC−COOR6 (ここで、R6
は水素または低級アルキルを示す。)を示す。
【0007】Zはハロゲン、水酸基、−OSO2
7 (ここで、R7 は低級アルキル、トリフルオロメチ
ル、フェニルまたは置換フェニルを示す。)または−N
(R8 )(R9 )(ここで、R8 ,R9 はそれぞれ水
素、低級アルキル、シクロアルキル、アラルキルまたは
置換アラルキルを示すか、R8 とR9 とが隣接する窒素
原子と結合して任意個の低級アルキル、水酸基、オキソ
基もしくはアミド基により置換されていてもよく、さら
に環内にヘテロ原子として低級アルキルもしくはヒドロ
キシ低級アルキルにより置換されていてもよい窒素、酸
素または硫黄を有していてもよいヘテロ環を形成する基
を示す。
【0008】本明細書中、ハロゲンとは塩素、臭素、フ
ッ素、ヨウ素を、低級アルキルとはメチル、エチル、プ
ロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第3級ブ
チルなどの炭素数1〜4個の直鎖または分枝鎖状のアル
キルを示す。ハロゲンにより置換されていてもよい低級
アルキルとは前記低級アルキルに加えてトリフルオロメ
チル、2,2,2−トリクロロエチル、2,2,2−ト
リフルオロエチルなどを、水酸基またはアミノ基により
置換されていてもよい低級アルキルとは、前記低級アル
キルに加えてヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチ
ル、4−ヒドロキシブチル、アミノメチル、2−アミノ
エチルなどを示す。
【0009】任意個のアミド基、水酸基もしくはオキソ
基により置換されていてもよい炭素数6〜18個のアル
キル、アルケニルまたはアルキニルとはヘキシル、ヘプ
チル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシ
ル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデ
シル、2−ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、1,
5−ジメチル−4−ヘキセニル、ゲラニル、オクタデセ
ニル、リノレニル、3−ヘキシニル、ヘプチニル、3−
オクチニル、ドデシニル、ペンタデシニル、6−カルバ
モイルヘキシル、6−(N,N−ジメチル)カルバモイ
ルヘキシル、6−モルホリノカルボニルヘキシル、6−
ピペリジノカルボニルヘキシル、6−(4−イソブチル
−1−ピペラジニル)カルボニルヘキシル、8−カルバ
モイルオクチル、8−モルホリノカルボニルヘキシル、
1−ヒドロキシヘキシル、2−ヒドロキシヘキシル、6
−ヒドロキシヘキシル、1,2−ジヒドロキシヘキシ
ル、1,6−ジヒドロキシヘキシル、2−ヒドロキシ−
1−オキソヘキシル、1−ヒドロキシオクチル、2−ヒ
ドロキシオクチル、8−ヒドロキシオクチル、1,2−
ジヒドロキシオクチル、1,8−ジヒドロキシオクチ
ル、2−ヒドロキシ−1−オキソオクチル、1−ヒドロ
キシデシル、2−ヒドロキシデシル、10−ヒドロキシ
デシル、1,2−ジヒドロキシデシル、1,10−ジヒ
ドロキシデシル、2−ヒドロキシ−1−オキソデシル、
1−ヒドロキシドデシル、2−ヒドロキシドデシル、1
2−ヒドロキシドデシル、1,2−ジヒドロキシドデシ
ル、1,12−ジヒドロキシドデシル、2−ヒドロキシ
−1−オキソドデシル、1−ヒドロキシヘキサデシル、
2−ヒドロキシヘキサデシル、16−ヒドロキシヘキサ
デシル、1,2−ジヒドロキシヘキサデシル、2,16
−ジヒドロキシヘキサデシル、2−ヒドロキシ−1−オ
キソヘキサデシルなどを示す。
【0010】低級アルコキシとはメトキシ、エトキシ、
プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキ
シ、第3級ブトキシなどの炭素数1〜4個の直鎖または
分枝鎖状のアルコキシを、シクロアルキルとはシクロプ
ロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプ
チルなどの炭素数3〜7個のシクロアルキルを、ピリジ
ルとは2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジルを示
す。
【0011】アラルキルとはベンジル、1−フェニルエ
チル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、4
−フェニルブチルなどを示し、置換アラルキルとはフェ
ニル核上にハロゲン、水酸基、任意個のアミド基、水酸
基もしくはオキソ基により置換されていてもよい低級ア
ルキル(メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブ
チル、イソブチル、第3級ブチル、カルバモイルメチ
ル、N,N−ジメチルカルバモイルメチル、モルホリノ
カルボニルメチル、ピペリジノカルボニルメチル、(4
−イソブチル−1−ピペラジニル)メチル、2−カルバ
モイルエチル、2−ピペリジノカルボニルエチル、4−
モルホリノカルボニルブチル、ヒドロキシメチル、1−
ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシプロピル、1−ヒド
ロキシ−1−メチルエチル、1−ヒドロキシブチル、4
−ヒドロキシブチル、1−ヒドロキシ−2−メチルプロ
ピル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、3−ヒド
ロキシ−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシ−2−メ
チル−1−オキソプロピル、1,2−ジヒドロキシ−2
−メチルプロピル、2−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメ
チルプロピルなど)、トリフルオロメチル、低級アルコ
キシ、フェニル、置換フェニル、フェノキシ、置換フェ
ノキシ、アラルキル、置換アラルキル、アラルキルオキ
シ(ベンジルオキシ、2−フェニルエトキシ、3−フェ
ニルプロポキシ、4−フェニルブトキシなど)または置
換アラルキルオキシから任意に選ばれる1〜3個の置換
基を有しており、かつ、アルキル鎖が任意個のアミド基
または水酸基により置換されていてもよい。
【0012】置換フェニル、置換フェノキシ、置換アラ
ルキルオキシおよび置換ピリジルの置換基としては、1
〜3個の同一または異なってハロゲン、水酸基、低級ア
ルキル、トリフルオロメチル、低級アルコキシ、ニト
ロ、アミノ、シアノから選ばれる。置換フェニルの場
合、さらに隣接する炭素原子がメチレンジオキシ、エチ
レンジオキシなどのアルキレンジオキシにより置換され
ていてもよい。
【0013】隣接する窒素原子と結合して形成されるヘ
テロ環とは1−アジリジニル、1−アゼチジニル、1−
ピロリジニル、ピペリジノ、1−ピペラジニル、4−メ
チル−1−ピペラジニル、1−アゼピニル、1,4−ジ
アゼピン−1−イル、モルホリノ、チオモルホリノ、3
−ヒドロキシ−1−ピロリジニル、4−メチルピペリジ
ノ、4−ビス(4−フルオロフェニル)メチルピペリジ
ノ、フタルイミド、スクシンイミド、2,5−ジオキソ
イミダゾリジン−1−イルなどが例示される。
【0014】一般式(I)の化合物の酸付加塩としては
塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸、硝酸などの無機酸と
の塩、またはマレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、シュウ
酸、酒石酸、コハク酸、クエン酸、酢酸、乳酸、メタン
スルホン酸、パラトルエンスルホン酸、パモ酸などの有
機酸との塩があげられる。本発明化合物が1個またはそ
れ以上の不斉炭素原子を有する場合にはラセミ体、ジア
ステレオ異性体および個々の光学異性体が存在し得る
が、本発明はそれらすべてを包含する。
【0015】本発明の一般式(I)の化合物はたとえ
ば、一般式
【0016】
【化3】
【0017】〔式中、Wはハロゲンまたは−OSO2
10(ここで、R10は低級アルキル、トリフルオロメチ
ル、フェニルまたは置換フェニルを示す。)を示し、他
の記号は前記と同義である。〕により表される化合物と
一般式
【0018】
【化4】
【0019】(式中、各記号は前記と同義である。)に
より表される化合物とを反応させることにより得られ
る。本反応は、通常不活性溶媒(ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセタミド、ジメチルスルホキサイド、ト
ルエン、ベンゼン、メタノール、エタノール、アセト
ン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ヘキサメチルホ
スホルアミドあるいはこれらの混合溶媒など)中、好ま
しくはアルカリ金属類(たとえば金属ナトリウム、金属
カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシ
ド、カリウム第3級ブトキシド、水素化ナトリウム、ナ
トリウムアミド、金属リチウム、水酸化ナトリウム、炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、炭酸水
素ナトリウムなど)やピリジン、トリエチルアミン、ジ
アザビシクロウンデセンなどの脱酸剤の存在下、化合物
によっては冷却が必要な場合もあるが、通常0〜150
℃で、10分〜3時間で進行する。
【0020】原料化合物(II)は2−アミノ−3−ア
シルチオフェン化合物をザンドマイヤー反応に付すか、
3−アシルチオフェン化合物をハロゲン化するかまたは
2−ハロゲノチオフェン化合物をフリーデルクラフツ反
応に付すことにより合成される。Zがアミノである化合
物は一般式
【0021】
【化5】
【0022】(式中、各記号は前記と同義である。)に
より表される化合物を加水分解反応に付すことにより得
られる。反応は通常、鉱酸(塩酸、硫酸、リン酸など)
あるいは有機酸(p−トルエンスルホン酸、メタンスル
ホン酸など)の存在下に、水溶媒中で容易に進行する。
さらに、一般式(IV)の化合物の溶解性を増すため
に、メタノール、エタノール、ジメチルホルムアミド、
ジオキサン、テトラヒドロフランなどを混合することも
できる。
【0023】酸の濃度および反応温度は、使用する一般
式(IV)の化合物のトリアゾール環の安定性に左右さ
れるが、一般にpH5以下で室温から溶媒の還流下に、
30分から数時間反応して行われる。反応終了後、目的
化合物を単離するには、この化合物の遊離塩基は容易に
脱水閉環し、出発物質(IV)にもどる性質があるた
め、反応液を濃縮し、使用した酸の塩にするか、低温で
中和後、水に不溶性の溶媒で抽出し、可及的速やかに所
望の酸を加え、酸付加塩とすることによって行われる。
【0024】また、Zがジメチルアミノである化合物は
一般式(IV)の化合物にギ酸およびホルムアルデヒド
を作用させることにより得られる。使用するギ酸は、工
業的に入手の容易な、60〜90%の濃度のものでよい
が、もちろん、これ以下、あるいはこれ以上の濃度のも
のでも差支えない。また、ホルムアルデヒドも通常ホル
マリンと呼ばれる水溶液性のもでも、パラホルムアルデ
ヒドのように固体のものでもよいが、ギ酸およびホルム
アルデヒドは、通常、一般式(IV)の化合物1モルに
対して、2〜10倍モルが使用されるが、特に3〜5倍
モルを使用するのが有利である。
【0025】反応は、ギ酸とホルムアルデヒドを溶媒を
兼ねて使用するのが好ましいが、種々の不活性溶媒(メ
タノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、ベンゼン、ジメチルホルムアミドなど)中で実施す
ることもできる。通常1〜24時間、加熱還流するのが
最も有利であるが、これより低い温度で実施することも
できる。
【0026】なお、化合物(IV)はギ酸により一旦加
水分解され、Zがアミノである化合物が生成し、これに
ギ酸とホルムアルデヒドが反応してZがジメチルアミノ
である化合物(I)が得られる。これらの反応により得
られる化合物はギ酸塩であるため、アルカリで中和する
ことにより遊離塩基とすることができる。さらに、Zが
−N(R8 )(R9 )であって、このR8 ,R9 がとも
に水素ではない化合物(I)は、Zがハロゲンまたは−
OSO2 7 である化合物(I)と一般式
【0027】
【化6】
【0028】(式中、Ra8 ,Ra9 は前記したR8
9 と同義であるがともに水素ではない。)により表さ
れる化合物とを反応させることにより得られる。反応は
一般には溶媒中、5〜150℃、0.5〜48時間程度
で行われる。溶媒としては、反応を妨げないかぎりいか
なるものでもよく、原料、反応条件等に応じて適宜選択
され、たとえばアルコール、ベンゼン、トルエン、キシ
レン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ク
ロロホルム、ピリジンまたはこれこらの混合溶媒が用い
られる。
【0029】アミン(V)は通常、脱酸剤を兼ねさせ
て、化合物(I)に対して2〜5倍モル用いられるが、
所望により、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミンなどの脱
酸剤を用いてもよい。Zがハロゲンまたは水酸基である
化合物は、化合物(IV)を加水分解反応に付し、つい
で亜硝酸アルカリ金属塩を作用することにより得られ
る。
【0030】一般式(IV)の化合物の加水分解反応
は、常法により行うことができる。すなわち、一般に
は、ハロゲン化水素酸(塩酸、臭化水素酸など)の存在
下に不活性溶媒(水、メタノール、エタノール、イソプ
ロパノール、ブタノール、アセトン、ベンゼン、ジオキ
サン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、酢
酸など)中、室温から溶媒還流温度で、30分間から数
十時間行われる。ついで、この反応液に亜硝酸アルカリ
金属塩(亜硝酸カリウムなど)を加え、室温から加熱下
に数分間反応させる。得られる混合物(Z=ハロゲンお
よび水酸基)は、シリカゲル、アルミナなどの担体を用
いて液体カラムクロマトグラフィーなどを行っても分離
精製できるが、一般式(I)のZがハロゲンである化合
物は希鉱酸に難溶であり、一般式(I)のZが水酸基で
ある化合物は易溶であるため、容易に分離することがで
きる。なお、上記の加水分解反応をハロゲン化水素酸以
外の酸(硫酸など)の存在下に行うと、一般式(I)の
Zが水酸基である化合物のみを得ることができる。
【0031】Zがハロゲンである化合物(I)は、さら
にZが水酸基である化合物(I)にハロゲン化剤を作用
させることによっても得られる。この反応は一般に無溶
媒または溶媒(水、エーテル、ジオキサン、テトラヒド
ロフラン、ベンゼン、クロロホルム、ピリジンなど)
中、室温から溶媒の還流温度で、数分から数時間行われ
る。ハロゲン化剤としては塩化チオニル、オキシ塩化リ
ン、五塩化リン、三塩化リン、三臭化リン、臭化水素酸
−硫酸、塩酸−塩化亜鉛などがあげられる。
【0032】Zが−OSO2 7 である化合物は、Zが
水酸基である化合物と一般式 R7 SO2 −V (VI) (式中、Vはハロゲンを示し、R7 は前記と同義であ
る。)により表される化合物とを反応させることにより
製造される。このようにして得られる一般式(I)の化
合物は常法により塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸、硝
酸などの無機酸またはマレイン酸、フマル酸、リンゴ
酸、シュウ酸、酒石酸、コハク酸、クエン酸、酢酸、乳
酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、パモ
酸などの有機酸と処理することにより対応する酸付加塩
とすることができる。
【0033】本発明の化合物(I)は通常ラセミ体とし
て得られるが、常法により光学活性体に分割することが
できるし、この光学活性体は光学活性な原料を用いるこ
とによっても得られる。また、ジアステレオ異性体も分
けることができる。本発明に包含される化合物は以下の
表に例示する通りであるが、これらにより限定されるも
のではない。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】
【表5】
【0039】表中、Me,Et,Pr,iPr,Bu,
iBuはそれぞれメチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、ブチル、イソブチルを意味する。
【0040】
【作用および発明の効果】本発明化合物(I)およびそ
の塩は冠血管拡張作用および椎骨血流増加作用を示し、
かつカルモジュリン拮抗作用、未血球変形能改善作用、
PAF拮抗作用などを示し、さらにそれらの作用が持続
的であり、また低毒性を示し、かつ鎮静などの中枢抑制
作用、筋弛緩作用などを実質的に示さない。さらに、本
発明のある種の化合物は生体内で一部代謝をうけ、強力
なPAF拮抗作用を示すことも明らかにされている。従
って、化合物(I)およびその製薬上許容されうる塩
は、冠血管拡張剤、脳血管拡張剤として心不全、虚血性
心疾患(狭心症、心筋梗塞など)または脳循環障害(脳
梗塞、脳動脈硬化症、脳出血、頭部障害など)もしくは
それに基づく疾病(自発性低下、うつ状態、記憶障害な
ど)などの循環器系疾患の治療薬として、またはPAF
により惹起される各種疾患(炎症性疾患、アレルギー性
疾患、アナフィラキシーショック、心筋系疾病、喘息、
肺浮腫、成人性呼吸器疾患など)の治療薬として有用で
ある。
【0041】本発明化合物(I)およびその製薬上許容
されうる塩はその治療上有効量と適宜賦形剤、増量剤、
希釈剤、溶解補助剤などの医薬用添加剤とを混合し、錠
剤、丸剤、散剤、カプセル剤、顆粒剤、液剤、吸入剤、
坐剤、経皮吸収剤または注射剤として、経口的または非
経口的に安全に投与することができる。投与量は選択す
る化合物、疾病の重症度、年齢などにより異なるが、通
常成人1日当り、0.1〜500mgを1回または数回
に分けて投与することができる。
【0042】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明
するが、本発明は何らこれらに限定されるものではな
い。 実施例1 4−(2−クロロフェニル)−2−ヘキシル−9−メチ
ル−6H−チエノ〔3,2−f〕〔1,2,4〕トリア
ゾロ〔4,3−a〕〔1,4〕ジアゼピン3gをギ酸5
mlおよび37%ホルマリンに溶解し、3時間加熱還流
する。反応液は氷水に注ぎ、水酸化ナトリウム水により
アルカリ性として、酢酸エチル50mlで抽出し、水洗
後、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。濾別後、減圧濃
縮をし、油状残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーに付し、油状目的物3gを得る。シュウ酸0.7g
をエタノールに溶解して加えると塩が析出し、濾取後、
エタノールから再結晶すると、無色結晶性粉末として4
−〔3−(2−クロロベンゾイル)−5−ヘキシル−2
−チエニル〕−3−ジメチルアミノメチル−5−メチル
−4,2,1−トリアゾール・シュウ酸1.32gを得
る。融点158〜160℃ 実施例2 4−(2−クロロフェニル)−2−ヘキシル−9−メチ
ル−6H−チエノ〔3,2−f〕〔1,2,4〕トリア
ゾロ〔4,3−a〕〔1,4〕ジアゼピン6gを2規定
塩酸100mlに溶解し、4時間加熱還流する。冷後、
亜硝酸ナトリウム2.6gを水5mlに溶解した溶液を
ゆっくりと滴下し、滴下後、室温で3時間攪拌する。反
応液に水200mlを加え、炭酸カリウムでアルカリ性
とし、遊離する油状物を酢酸エチル50mlで抽出し、
水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。濾別後、減
圧濃縮し、油状残留物をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーに付し、油状目的物2.47gをイソプロピルエ
ーテルから晶出させると、淡黄色結晶性粉末として4−
〔3−(2−クロロベンゾイル)−5−ヘキシル−2−
チエニル〕−3−ヒドロキシメチル−5−メチル−4,
2,1−トリアゾール1.73gを得る。融点103〜
105℃ 上記化合物は2規定塩酸の代わりに10%硫酸を使うこ
とによってより収率よく得ることができる。 実施例3 実施例2により得られるヒドロキシメチル化合物22.
2gを乾燥ジオキサン150mlに溶解し、攪拌下、塩
化チオニル11.6mlを加え、60℃で1時間反応さ
せる。冷後、氷水500mlに注ぎ、遊離した油状物を
酢酸エチル400mlで抽出し、水洗後、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥する。濾別後、減圧濃縮すると、定量的
にクロロメチル化合物を得る。
【0043】クロロメチル化合物4.37gをエタノー
ル50mlに溶解し、4−メチルピペラジン2gを加え
4時間加熱還流する。反応液を氷水300mlに注ぎ、
遊離する油状物を酢酸エチル100mlで抽出し、水洗
後、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。濾別後、減圧濃
縮し、油状残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーに付し、油状目的物4.6gを得る。シュウ酸2水和
物2.3gをエタノールに溶解して加え、析出した塩を
濾取し、エタノールから再結晶すると、無色結晶性粉末
として4−〔3−(2−クロロベンゾイル)−5−ヘキ
シル−2−チエニル〕−5−メチル−3−(4−メチル
−1−ピぺラジニル)メチル−4,2,1−トリアゾー
ル・2シュウ酸塩2.78gを得る。融点171〜17
3℃(分解) 実施例4 実施例3により得られるクロロメチル化合物2.21g
をエタノール50mlに溶解し、ピロリジン0.7gを
加え、2時間加熱還流する。反応後、氷水、300ml
に注ぎ、遊離する油状物を酢酸エチル100mlで抽出
し、水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。濾別
後、減圧濃縮し、油状残留物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーに付し、油状目的物2.26gを得る。シ
ュウ酸2水和物0.73gをエタノールに溶解して加
え、析出する塩を濾取し、酢酸エチル−エタノールから
再結晶すると、無色結晶性粉末として4−〔3−(2−
クロロベンゾイル)−5−ヘキシル−2−チエニル〕−
5−メチル−3−ピロリジノメチル−4,2,1−トリ
アゾール・3/2シュウ酸塩1.9gを得る。融点12
1〜124℃ 実施例5 2−ヘキシル−9−メチル−4−(2−メチルフェニ
ル)−6H−チエノ〔3,2−f〕〔1,2,4〕トリ
アゾロ〔4,3−a〕〔1,4〕ジアゼピン22.64
gを10%硫酸200mlに溶解し、1時間80〜90
℃にて加熱する。ついで亜硝酸ナトリウム5.6gを水
10mlに溶解した溶液をゆっくりと同温で滴下する。
滴下後、30分同温度で反応を行い、さらに亜硝酸ナト
リウム5.6gを水に溶解した溶液を滴下し、1時間反
応を行い、反応を完結させる。
【0044】冷後、炭酸カリウムでアルカリ性とし、遊
離する油状物を酢酸エチル300mlで抽出し、水洗
後、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。濾別後、減圧濃
縮し、酢酸エチル−イソプロピルエーテルから晶出させ
ると、淡黄色結晶性粉末として4−〔5−ヘキシル−3
−(2−メチルベンゾイル)−2−チエニル〕−3−ヒ
ドロキシ−5−メチル−4,2,1−トリアゾール1
2.4gを得る。融点119〜121℃ 実施例6 実施例3により得られるクロロメチル化合物4.4gを
エタノール50mlに溶解し、フタリルイミドカリウム
2gを加え、5時間加熱還流する。反応液を氷水300
mlにあけ、遊離した油状物を酢酸エチル100mlで
抽出し、水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。濾
別後、減圧濃縮し、油状残留物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーに付すことにより、油状物として4−
〔3−(2−クロロベンゾイル)−5−ヘキシル−2−
チエニル〕−5−メチル−3−(N−フタリルイミノ)
メチル−4,2,1−トリアゾール3gを得る。 実施例7 実施例6と同様に、クロロメチル化合物4.38gをエ
タノール50mlに溶解し、炭酸カリウム0.83g、
4−〔ビス(4−フルオロフェニル)〕メチルピペリジ
ン3.1gを加え、7時間加熱還流する。反応液を氷水
300mlにあけ、遊離した油状物を酢酸エチル100
mlで抽出し、水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥す
る。濾別後、減圧濃縮し、油状残留物をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーに付して、油状物として4−〔3
−(2−クロロベンゾイル)−5−ヘキシル−2−チエ
ニル〕−3−〔4−{ビス(4−フルオロフェニル)}
メチルピペリジノ〕メチル−5−メチル−4,2,1−
トリアゾール4gを得る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // A61K 31/41 ABF 31/415 ABE 31/44 ABN 31/445 ABS 31/495 ACD 31/535 (C07D 409/04 249:08 333:06) (C07D 409/14 209:00 249:08 333:06) (C07D 409/14 211:18 249:08 333:06)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 により表されるチエニルアゾール化合物またはその酸付
    加塩。上記式中、Arはフェニル、置換フェニル、ピリ
    ジルまたは置換ピリジルを示す。R1 は水素、ハロゲ
    ン、低級アルキルを、R2 は任意個のアミド基、水酸基
    もしくはオキソ基により置換されていてもよい炭素数6
    〜18個のアルキル、アルケニルまたはアルキニルを示
    す。R3 ,R4 はそれぞれ水素またはハロゲンにより置
    換されていてもよい低級アルキルを示す。X,Yはとも
    に窒素を示すか、一方がC−R5 〔ここで、R5 は水
    素、低級アルキル(任意個の水酸基またはアミノにより
    置換されていてもよい。)、低級アルコキシまたはシク
    ロアルキルを示す。〕で、他方が窒素を示すか、または
    Xが窒素で、YがC−COOR6 (ここで、R6 は水素
    または低級アルキルを示す。)を示す。Zはハロゲン、
    水酸基、−OSO2 7 (ここで、R7 は低級アルキ
    ル、トリフルオロメチル、フェニルまたは置換フェニル
    を示す。)または−N(R8 )(R9 )(ここで、
    8 ,R9 はそれぞれ水素、低級アルキル、シクロアル
    キル、アラルキルまたは置換アラルキルを示すか、R8
    とR9 とが隣接する窒素原子と結合して任意個の低級ア
    ルキル、水酸基、オキソ基もしくはアミド基により置換
    されていてもよく、さらに環内にヘテロ原子として低級
    アルキルもしくはヒドロキシ低級アルキルにより置換さ
    れていてもよい窒素、酸素または硫黄を有していてもよ
    いヘテロ環を形成する基を示す。
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