JPH07187828A - ＣａＯ−ＳｉＯ２ 系溶射材料 - Google Patents
ＣａＯ−ＳｉＯ２ 系溶射材料Info
- Publication number
- JPH07187828A JPH07187828A JP5338011A JP33801193A JPH07187828A JP H07187828 A JPH07187828 A JP H07187828A JP 5338011 A JP5338011 A JP 5338011A JP 33801193 A JP33801193 A JP 33801193A JP H07187828 A JPH07187828 A JP H07187828A
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- Japan
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- thermal spray
- thermal spraying
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、工業窯炉の内張り耐火物の形成、
補修、コーティングあるいは耐火物品の形成、補修、コ
ーティングに用いられる溶融性及び耐食性に優れたＣａ
Ｏ−ＳｉＯ2 系溶射材料を提供する。 【構成】 ＣａＯ：６２〜８３ｗｔ％、ＳｉＯ2 ：１０
〜３４ｗｔ％、及びその他成分：７ｗｔ％以下からなる
ＣａＯ−ＳｉＯ2 系溶射材料。
補修、コーティングあるいは耐火物品の形成、補修、コ
ーティングに用いられる溶融性及び耐食性に優れたＣａ
Ｏ−ＳｉＯ2 系溶射材料を提供する。 【構成】 ＣａＯ：６２〜８３ｗｔ％、ＳｉＯ2 ：１０
〜３４ｗｔ％、及びその他成分：７ｗｔ％以下からなる
ＣａＯ−ＳｉＯ2 系溶射材料。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、工業窯炉の内張り耐火
物の形成、補修、コーティングあるいは耐火物品の形
成、補修、コーティングに用いられるＣａＯ−ＳｉＯ2
系溶射材料に関するものである。本発明が適用される対
象は、転炉、熱処理炉、加熱炉、均熱炉、電気炉、ロー
タリーキルン、焼却炉等の工業窯炉のほか、混銑車、取
鍋、脱ガス炉、タンディッシュ、酸素吹込みランス等で
ある。
物の形成、補修、コーティングあるいは耐火物品の形
成、補修、コーティングに用いられるＣａＯ−ＳｉＯ2
系溶射材料に関するものである。本発明が適用される対
象は、転炉、熱処理炉、加熱炉、均熱炉、電気炉、ロー
タリーキルン、焼却炉等の工業窯炉のほか、混銑車、取
鍋、脱ガス炉、タンディッシュ、酸素吹込みランス等で
ある。
【０００２】
【従来の技術】ＣａＯは融点が高いことから、各種工業
窯炉のライニングあるいは吹付補修材料として使用され
ている。しかしながら、ＣａＯは融点が高く、火炎溶射
装置の火炎中で溶融しないため、従来ＣａＯを主体とし
た溶射材料としては使用されていなかった。
窯炉のライニングあるいは吹付補修材料として使用され
ている。しかしながら、ＣａＯは融点が高く、火炎溶射
装置の火炎中で溶融しないため、従来ＣａＯを主体とし
た溶射材料としては使用されていなかった。
【０００３】そこで、ＣａＯを主体とした材料に金属鉄
粉または金属鉄粉と鉄酸化物を添加することにより、火
炎中で金属鉄粉を酸化させてその酸化熱により火炎温度
を高め、同時に酸化により生じた酸化鉄とＣａＯの反応
によりＣａＯ−Ｆｅ2 Ｏ3 系の低融点物を形成させる方
法が、特開昭５９−２０３７８２号公報に提案されてい
る。しかしながら、金属鉄粉を添加した溶射材料を使用
する場合、材料搬送中の安全性確保の観点から搬送ガス
として不活性ガスを使用する必要がある。ところが、溶
射材料と共に不活性ガスを火炎中に噴射すると、不活性
ガス自体をも加熱するため火炎温度が低下する。通常、
材料搬送ガスとして不活性ガスを使用する場合はこのよ
うな火炎温度の低下は問題とならないが、酸素等を搬送
ガスとして使用する場合は、火炎温度の低下によって火
炎中に投入できる材料の量を減少する必要があり、作業
性を劣化させるという難点がある。
粉または金属鉄粉と鉄酸化物を添加することにより、火
炎中で金属鉄粉を酸化させてその酸化熱により火炎温度
を高め、同時に酸化により生じた酸化鉄とＣａＯの反応
によりＣａＯ−Ｆｅ2 Ｏ3 系の低融点物を形成させる方
法が、特開昭５９−２０３７８２号公報に提案されてい
る。しかしながら、金属鉄粉を添加した溶射材料を使用
する場合、材料搬送中の安全性確保の観点から搬送ガス
として不活性ガスを使用する必要がある。ところが、溶
射材料と共に不活性ガスを火炎中に噴射すると、不活性
ガス自体をも加熱するため火炎温度が低下する。通常、
材料搬送ガスとして不活性ガスを使用する場合はこのよ
うな火炎温度の低下は問題とならないが、酸素等を搬送
ガスとして使用する場合は、火炎温度の低下によって火
炎中に投入できる材料の量を減少する必要があり、作業
性を劣化させるという難点がある。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術の問題点に鑑みて、ＣａＯ−ＳｉＯ2 系溶射材
料を提供するに当り、ＣａＯは融点が高く溶射材料とし
て使用する上においてＣａＯと反応して低融点化合物を
形成する必要があること、配合材としてＳｉＯ2を使用
する場合に、その配合料によって溶融性、耐食性に著し
い影響を及ぼすことを勘案して、良好な溶融性が得られ
且つ高耐食性を示すと共に溶射体の緻密化を図ることが
できる溶射材料を提供することを目的とする。
従来技術の問題点に鑑みて、ＣａＯ−ＳｉＯ2 系溶射材
料を提供するに当り、ＣａＯは融点が高く溶射材料とし
て使用する上においてＣａＯと反応して低融点化合物を
形成する必要があること、配合材としてＳｉＯ2を使用
する場合に、その配合料によって溶融性、耐食性に著し
い影響を及ぼすことを勘案して、良好な溶融性が得られ
且つ高耐食性を示すと共に溶射体の緻密化を図ることが
できる溶射材料を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決すべく提供されたもので、その要旨とするところは、
ＣａＯ：６２〜８３ｗｔ％、ＳｉＯ2 ：１０〜３４ｗｔ
％、及びその他成分：７ｗｔ％以下からなることを特徴
とするＣａＯ−ＳｉＯ2 系溶射材料にある。
決すべく提供されたもので、その要旨とするところは、
ＣａＯ：６２〜８３ｗｔ％、ＳｉＯ2 ：１０〜３４ｗｔ
％、及びその他成分：７ｗｔ％以下からなることを特徴
とするＣａＯ−ＳｉＯ2 系溶射材料にある。
【０００６】
【構成および作用】本発明の溶射材料の組成を、Ｃａ
Ｏ：６２〜８３ｗｔ％、ＳｉＯ2 ：１０〜３４ｗｔ％、
及びその他成分：７ｗｔ％以下に限定した理由を説明す
る。本発明の溶射材料のＣａＯ量が６２ｗｔ％未満で
は、低融物が大量に生成するので耐食性が劣化し、また
８３ｗｔ％を超えると低融物の生成が少なくなるので溶
融性が劣るようになる。また、本発明の溶射材料のＳｉ
Ｏ2 量が３４ｗｔ％を超えると耐食性が劣化し、１０ｗ
ｔ％未満では溶融性が劣るようになる。また溶射材料の
Ｆｅ2 Ｏ3、ＦｅＯ、Ａｌ2Ｏ3、ＭｇＯ、Ｃｒ2Ｏ3、Ｚ
ｒＯ2、ＭｎＯ、Ｂ2 Ｏ3 、ＴｉＯ2、Ｋ2Ｏ、Ｎａ2Ｏ、
Ｐ2Ｏ3等の不可避的不純物が７ｗｔ％を超えると溶融性
は向上するが耐食性が劣化する。
Ｏ：６２〜８３ｗｔ％、ＳｉＯ2 ：１０〜３４ｗｔ％、
及びその他成分：７ｗｔ％以下に限定した理由を説明す
る。本発明の溶射材料のＣａＯ量が６２ｗｔ％未満で
は、低融物が大量に生成するので耐食性が劣化し、また
８３ｗｔ％を超えると低融物の生成が少なくなるので溶
融性が劣るようになる。また、本発明の溶射材料のＳｉ
Ｏ2 量が３４ｗｔ％を超えると耐食性が劣化し、１０ｗ
ｔ％未満では溶融性が劣るようになる。また溶射材料の
Ｆｅ2 Ｏ3、ＦｅＯ、Ａｌ2Ｏ3、ＭｇＯ、Ｃｒ2Ｏ3、Ｚ
ｒＯ2、ＭｎＯ、Ｂ2 Ｏ3 、ＴｉＯ2、Ｋ2Ｏ、Ｎａ2Ｏ、
Ｐ2Ｏ3等の不可避的不純物が７ｗｔ％を超えると溶融性
は向上するが耐食性が劣化する。
【０００７】本発明の溶射材料の粒径は、１．０ｍｍを
超えると溶射に際して、火炎中での熱伝達が不十分なた
め母材へ到達した時点でＣａＯとＳｉＯ2 との反応が不
十分となり溶融性が劣るようになるので、１．０ｍｍ以
下とする。好ましい粒度は０．８ｍｍ以下である。原料
については、ＣａＯ質材料として、ＣａＯ質クリンカ
ー、石灰石をＣＯ2ガス雰囲気下で加熱し、その表面に
ＣａＣＯ3 被膜を形成させたＣａＯ質クリンカー等を用
い、ＳｉＯ2 質材料としては、ＳｉＯ2 ９０ｗｔ％以上
の材料（珪石、珪砂の天然原料、コークス炉の使用後耐
火物、シリコン含有金属）を用い、ＣａＯ・ＳｉＯ2 質
材料として珪酸カルシウムを用いる。
超えると溶射に際して、火炎中での熱伝達が不十分なた
め母材へ到達した時点でＣａＯとＳｉＯ2 との反応が不
十分となり溶融性が劣るようになるので、１．０ｍｍ以
下とする。好ましい粒度は０．８ｍｍ以下である。原料
については、ＣａＯ質材料として、ＣａＯ質クリンカ
ー、石灰石をＣＯ2ガス雰囲気下で加熱し、その表面に
ＣａＣＯ3 被膜を形成させたＣａＯ質クリンカー等を用
い、ＳｉＯ2 質材料としては、ＳｉＯ2 ９０ｗｔ％以上
の材料（珪石、珪砂の天然原料、コークス炉の使用後耐
火物、シリコン含有金属）を用い、ＣａＯ・ＳｉＯ2 質
材料として珪酸カルシウムを用いる。
【０００８】本発明の溶射材料を調製するにあたって
は、前記したＣａＯ質材料、ＳｉＯ2質材料、ＣａＯ・
ＳｉＯ2質材料を１．０ｍｍ以下、好ましくは０．８ｍ
ｍ以下に粉砕して、本発明により規定される化学組成範
囲になるように混合する。溶射方法は、従来どおり、プ
ロパン、灯油等の気体または液体燃料やコークス等の固
体燃料を燃料とした高速、高温火炎溶射装置を用いて行
う。溶射材料の搬送ガスは、Ｏ2、空気、Ｎ2、ＣＯ、Ｃ
Ｏ2、Ａｒや工場で発生する例えば高炉ガス、コークス
炉ガス、熱風炉ガスまたは転炉ガス等のうち一種または
二種以上を組合わせて使用できる。
は、前記したＣａＯ質材料、ＳｉＯ2質材料、ＣａＯ・
ＳｉＯ2質材料を１．０ｍｍ以下、好ましくは０．８ｍ
ｍ以下に粉砕して、本発明により規定される化学組成範
囲になるように混合する。溶射方法は、従来どおり、プ
ロパン、灯油等の気体または液体燃料やコークス等の固
体燃料を燃料とした高速、高温火炎溶射装置を用いて行
う。溶射材料の搬送ガスは、Ｏ2、空気、Ｎ2、ＣＯ、Ｃ
Ｏ2、Ａｒや工場で発生する例えば高炉ガス、コークス
炉ガス、熱風炉ガスまたは転炉ガス等のうち一種または
二種以上を組合わせて使用できる。
【０００９】
【実施例】本発明のＣａＯ−ＳｉＯ2 系溶射材料の実施
例を説明する。表１にＣａＯ−ＳｉＯ2 系溶射材料の製
造に用いた原料の化学組成を示し、表２〜表４にＣａＯ
−ＳｉＯ2 系溶射材料の本発明例と比較例を示す。溶射
材料は、規定の粒度となるように粉砕、分級し、規定の
配合割合となるように混合・混練して、材料の湿分が１
％以下となるように乾燥等して製造した。なお、湿分１
％以下としたのは溶射材料が搬送ガスによる輸送途中で
凝集し、不均一粒とならないようにするためである。
例を説明する。表１にＣａＯ−ＳｉＯ2 系溶射材料の製
造に用いた原料の化学組成を示し、表２〜表４にＣａＯ
−ＳｉＯ2 系溶射材料の本発明例と比較例を示す。溶射
材料は、規定の粒度となるように粉砕、分級し、規定の
配合割合となるように混合・混練して、材料の湿分が１
％以下となるように乾燥等して製造した。なお、湿分１
％以下としたのは溶射材料が搬送ガスによる輸送途中で
凝集し、不均一粒とならないようにするためである。
【００１０】
【表１】
【００１１】
【表２】
【００１２】
【表３】
【００１３】
【表４】
【００１４】表２〜表４において、 ＊１ 石灰石が加熱減量（ＩｇＬｏｓｓ）することを考
慮して、ＳｉＯ2質材料の配合割合は、石灰石１００重
量部に対する重量部で示した。 ＊２ 付着率：溶射時にれんがに付着した割合（ｗｔ
％）＝（れんがに付着した量）／供給量×１００ ＊３ 耐食性：スラグ溶射方式によった（１８００℃×
５分，侵食された寸法（ｍｍ）を示し、数値が大きいほ
ど耐食性が劣る）。
慮して、ＳｉＯ2質材料の配合割合は、石灰石１００重
量部に対する重量部で示した。 ＊２ 付着率：溶射時にれんがに付着した割合（ｗｔ
％）＝（れんがに付着した量）／供給量×１００ ＊３ 耐食性：スラグ溶射方式によった（１８００℃×
５分，侵食された寸法（ｍｍ）を示し、数値が大きいほ
ど耐食性が劣る）。
【００１５】＊４ ◎：溶融性、耐食性共に非常に良
好、△：溶融性は非常に良好であるが、耐食性が悪い、
×：溶融性、耐食性共に悪い。
好、△：溶融性は非常に良好であるが、耐食性が悪い、
×：溶融性、耐食性共に悪い。
【００１６】表２〜４から、本発明例のＣａＯ−ＳｉＯ
2 系溶射材料は、ＣａＯ量、ＳｉＯ 2量の何れかが本発
明範囲外である比較例に比べて、溶融性（付着率）、耐
食性、精錬効果が顕著に優れていることが分かる。
2 系溶射材料は、ＣａＯ量、ＳｉＯ 2量の何れかが本発
明範囲外である比較例に比べて、溶融性（付着率）、耐
食性、精錬効果が顕著に優れていることが分かる。
【００１７】
【発明の効果】本発明のＣａＯ−ＳｉＯ2 系溶射材料を
使用することにより、下記の効果が奏される。 （１）高耐火度を有する緻密質溶射体が形成されるの
で、従来の溶射材料に比して高耐食性が得られ、耐用性
が向上する。
使用することにより、下記の効果が奏される。 （１）高耐火度を有する緻密質溶射体が形成されるの
で、従来の溶射材料に比して高耐食性が得られ、耐用性
が向上する。
【００１８】（２）高耐食性が得られることにより補修
頻度の低減が図れるので、炉等の稼働率が向上し、補修
コストを低減することができる。 （３）金属精錬炉の内張りに適用することにより、Ｃａ
Ｏ活性度の高い内張り耐火物が得られので、Ｐ、Ｓの吸
着による金属の精錬効果を高めることができる。
頻度の低減が図れるので、炉等の稼働率が向上し、補修
コストを低減することができる。 （３）金属精錬炉の内張りに適用することにより、Ｃａ
Ｏ活性度の高い内張り耐火物が得られので、Ｐ、Ｓの吸
着による金属の精錬効果を高めることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加山 恒夫 千葉県富津市新富20−１ 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 津田 秀行 福岡県北九州市八幡西区東浜町１番１号 黒崎窯業株式会社内 (72)発明者 松尾 正孝 福岡県北九州市八幡西区東浜町１番１号 黒崎窯業株式会社内 (72)発明者 為広 泰造 兵庫県高砂市荒井町新浜１丁目３番１号 ハリマセラミック株式会社内 (72)発明者 高橋 和男 兵庫県高砂市荒井町新浜１丁目３番１号 ハリマセラミック株式会社内
Claims (1)
- 【請求項１】 ＣａＯ：６２〜８３ｗｔ％、ＳｉＯ2 ：
１０〜３４ｗｔ％、及びその他成分：７ｗｔ％以下から
なることを特徴とするＣａＯ−ＳｉＯ2 系溶射材料。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5338011A JP3018056B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | ＣａＯ−ＳｉＯ２ 系溶射材料 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5338011A JP3018056B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | ＣａＯ−ＳｉＯ２ 系溶射材料 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07187828A true JPH07187828A (ja) | 1995-07-25 |
| JP3018056B2 JP3018056B2 (ja) | 2000-03-13 |
Family
ID=18314114
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5338011A Expired - Fee Related JP3018056B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | ＣａＯ−ＳｉＯ２ 系溶射材料 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3018056B2 (ja) |
-
1993
- 1993-12-28 JP JP5338011A patent/JP3018056B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3018056B2 (ja) | 2000-03-13 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19991102 |
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