JPH0718230B2 - 合成樹脂製塗り床およびその施工方法 - Google Patents

合成樹脂製塗り床およびその施工方法

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JPH0718230B2 JP18306389A JP18306389A JPH0718230B2 JP H0718230 B2 JPH0718230 B2 JP H0718230B2 JP 18306389 A JP18306389 A JP 18306389A JP 18306389 A JP18306389 A JP 18306389A JP H0718230 B2 JPH0718230 B2 JP H0718230B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この発明は、合成樹脂製塗り床と、その施工方法に関
し、より詳細には、防滑性に優れると共に、清掃性にも
優れた合成樹脂製塗り床と、その好適な施工方法に関す
るものである。
〈従来の技術と発明が解決しようとする課題〉 近時、工場等の床においては、環境衛生、美観等を考慮
すると共に、防塵対策の一貫として、表面に合成樹脂系
塗布液からなる塗膜を形成した、いわゆる塗り床が採用
されている。
上記塗り床は、清掃時間を短縮して生産性を向上する等
の目的のため、清掃性に優れることが要求される。ま
た、安全性確保のために、水や油が付着しても滑り難
い、いわゆる防滑性も要求される。
ところが、上記防滑性と清掃性とは、互いに相反する要
素であり、清掃性を重視すれば防滑性が犠牲になり、逆
に防滑性を重視すれば、清掃性が悪くなって、清掃に時
間と労力がかかるという問題がある。
例えば、防滑性向上のためには、一般に、珪砂、ウレタ
ンチップ、ゴムチップ等からなる、0.2〜1.0mmの骨材を
塗膜に分散、固着させることで、塗り床の表面に突起が
形成されるが、この突起が清掃の妨げとなるだけでよ
く、骨材が塗り床から剥離し易く、新たな汚れの原因と
なる場合もある。
また、特に高い防滑性を必要とする塗り床では、骨材の
粒径を大きくしたり、或いは、骨材の量を多くしたりし
ているが、この場合、清掃性が極端に悪化する虞があ
る。
逆に、清掃性を向上するためには、丸みを帯びた、高さ
の低い突起が好ましいが、このような突起が、防滑性が
不足する虞がある。
よって、丸みを帯びた突起を形成するのに、現在のとこ
ろ、骨材としてガラスビーズが用いられているが、この
ガラスビーズは樹脂との接着力が弱く、剥離しやすいた
め、長期間の使用に耐えられないという問題もある。
この発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであっ
て、防滑性、清掃性共に優れ、しかも、長期間の使用に
耐え得る合成樹脂製塗り床と、その好適な施工方法を提
供することを目的としている。
〈課題を解決するための手段〉 上記課題を解決するための、この発明の合成樹脂製塗り
床は、合成樹脂系塗布液を硬化させてなる、高さ0.4〜
0.8mmの、丸味をおびた突起を表面に有することを特徴
とする。
またこの発明の合成樹脂製塗り床の施工方法は、エポキ
シ樹脂系プレポリマーと、このエポキシ樹脂系プレポリ
マー100重量部に対して5〜20重量部の非反応性希釈剤
と、22〜40重量部の増粘剤および微粉末充填剤とを含
み、揺変性を有する合成樹脂系塗布液、あるいはビニル
エステル樹脂系プレポリマーと、このビニルエステル樹
脂系プレポリマー100重量部に対して22〜40重量部の増
粘剤および微粉末充填剤とを含み、揺変性を有する合成
樹脂系塗布液を、粘度を10,000〜50,000cPにした状態
で、口径2〜4mmのノズルを用いて合成樹脂製塗り床の
表面に吹き付け塗布し、高さ0.4〜0.8mmの丸味をおびた
突起を形成することを特徴としている。
〈作用〉 上記構成からなる、この発明の合成樹脂製塗り床におい
ては、合成樹脂系塗布液を硬化させてなる、高さ0.4〜
0.8mmの範囲内で、且つ、丸みをおびた突起が、清掃を
妨げることなく、且つ、確実に滑りを防止する。
また、この発明の合成樹脂製塗り床の施工方法によれ
ば、プレポリマーと、増粘剤と、微粉末充填剤と、さら
に必要に応じて非反応性希釈剤とを上記の割合で含み、
揺変性を有する合成樹脂系塗布液を、攪拌等によって粘
度を10,000〜50,000cPに低下させた状態で、口径2〜4m
mのノズルを用いて合成樹脂製塗り床の表面に粒状に吹
付け塗布すると、塗り床の表面で粘度が上昇して、粒状
を維持しつつ硬化し、合成樹脂製塗り床の表面に、防滑
性、清掃性に優れた、高さが0.4〜0.8mmの丸みを帯びた
突起が形成される。
〈実施例〉 以下に、この発明を、実施例を示す図面を参照しつつ説
明する。
第1図に示すように、この実施例の合成樹脂製塗り床
は、モルタル、コンクリート等からなる下地1の表面
に、合成樹脂製のアンダーコート層2とベースコート層
3とが積層されると共に、ベースコート層3の表面に、
合成樹脂系塗布液を硬化させてなる、断面略半円状の突
起31が多数形成されているものである。
上記多数の突起31…は、その高さ(第1図中n)が0.4
〜0.8mmの範囲内である必要がある。突起の高さが0.4mm
未満では、乾燥時および湿潤時の防滑性がコンクリート
のそれよりも低下して、滑り易く危険なものとなり、逆
に、突起の高さが0.8mmを超えると、清掃性が悪化す
る。
また、上記突起31…の直径(図中d)については特に限
定されないが、0.5〜3.0mmの範囲内であることが好まし
い。突起の直径が0.5mm未満では、相対的に、突起の高
さが低くなって、前記範囲の下限を下まわる虞があり、
逆に、突起の直径が3.0mmを超えると、突起が偏平状に
なり、防滑性が劣ってくる。
上記突起31…の、ベースコート層3の表面における単位
面積当たりの個数は、上述した突起31…の直径等により
異なるが、例えば、直径が1.0〜2.0mmの突起についてい
えば、1cm2当たり15〜30個程度があることが好まし
い。1cm2当たりの突起の個数が15個未満では防滑性が
不十分になる虞があり、30個を超えると清掃性が悪化す
る虞がある。
なお、ここでいう断面略半円状の突起には、第1図に模
式的に示した半円状の突起の他に、例えば、角が円くな
った断面略台形状の突起等、多少形がくずれた突起も含
まれており、実際には、これら種々の形状の突起が混在
しているものと考えられる。また、第1図では、複数の
突起31…が、ほぼ同じ高さに描かれているが、実際に
は、多少高さの違う突起が混在している。
上記アンダーコート層2、ベースコート層3および突起
31…を構成する合成樹脂材料としては、塗り床用として
現在一般に用いられている、エポキシ樹脂系、ウレタン
樹脂系、ポリエステル樹脂系、ビニルエステル樹脂系等
の、いわゆる硬化タイプの合成樹脂系塗布液を塗布、硬
化させたものが用いられる。
上記硬化タイプの合成樹脂系塗布液は、硬化反応によっ
て塗布液中のプレポリマーが巨大分子化して硬化するも
ので、前記各樹脂系のプレポリマーを主要素とし、この
主要素を、硬化触媒、顔料、分散剤、希釈剤等の副要素
と共に溶解或いは分散させることで構成される。なお、
この硬化タイプの合成樹脂系塗布液は、硬化方法の違い
等により、2液常温硬化タイプ、2液熱硬化タイプ、1
液湿気硬化タイプ等、種々の形態のものが使用できる。
また、上記アンダーコート層2、ベースコート層3およ
び突起31…を構成する合成樹脂材料は、通常、各層間の
密着性を良くするため、それぞれ同系統のものが用いら
れるが、各層間の密着性が良ければ、互いに系統の異な
る樹脂を用いることもできる。
アンダーコート層2およびベースコート層3は、上記合
成樹脂系塗布液を、流し展べ法等の通常のコーティング
法によって塗布し、硬化させることで形成される。
一方、突起31…は、揺変性を有する合成樹脂系塗布液を
使用し、この合成樹脂系塗布液に攪拌等によって外力を
加えて、その揺変性により粘度を低下させた状態で、ベ
ースコート層3の表面に粒状に吹付け塗布すると、ベー
スコート層3の表面で揺変前の状態に戻り、合成樹脂系
塗布液の粘度が上昇して上記粒状が維持され、その状態
で硬化反応が進行して突起31…が形成される。
揺変性を有する合成樹脂系塗布液としては、エポキシ樹
脂系プレポリマーを主要素とするもの、またはビニルエ
ステル樹脂系プレポリマーを主要素とするものが使用さ
れる。
このうち前者の、エポキシ樹脂系プレポリマーを主要素
とするものは、当該プレポリマーに、前記副要素を所定
量配合するとともに、プレポリマー100重量部に対して
5〜20重量部の非反応性希釈剤と、22〜40重量部の増粘
剤および微粉末充填剤とを配合することで、揺片性を付
与したものである。
かかるエポキシ樹脂系の合成樹脂系塗布液において、非
反応性希釈剤の割合が上記範囲未満であるか、あるいは
増粘剤、微粉末充填剤の合計の割合が上記範囲を超えた
場合には、揺変性が不十分となって、攪拌等によって合
成樹脂系塗布液の粘度を十分に低下させることができ
ず、粘度が高すぎて吹き付け塗布が困難になる。逆に、
非反応性希釈剤の割合が上記範囲を超えるか、あるいは
増粘剤、微粉末充填剤の合計の割合が上記範囲未満であ
る場合には、揺変性が強すぎて、攪拌等によって合成樹
脂系塗布液の粘度が低くなり過ぎ、吹き付け塗布後、粘
度上昇するのに時間がかかり、合成樹脂系塗布液が流動
して粒状がくずれてしまい、はっきりした突起を形成で
きなくなる。
一方後者の、ビニルエステル樹脂系プレポリマーを主要
素とするものは、当該プレポリマーに、前記副要素を所
定量配合するとともに、プレポリマー100重量部に対し
て22〜40重量部の増粘剤および微粉末充填剤を配合する
ことで、揺変性を付与したものである。
かかるビニルエステル樹脂系の合成樹脂系塗布液におい
て、増粘剤、微粉末充填剤の合計の割合が上記範囲を超
えた場合には、揺変性が不十分となって、攪拌等によっ
て合成樹脂系塗布液の粘度を十分に低下させることがで
きず、粘度が高すぎて吹き付け塗布が困難になる。逆
に、増粘剤、微粉末充填剤の合計の割合が上記範囲未満
である場合には、揺変性が強すぎて、攪拌等によって合
成樹脂系塗布液の粘度が低くなり過ぎ、吹き付け塗布
後、粘度上昇するのに時間がかかり、合成樹脂系塗布液
が流動して粒状がくずれてしまい、はっきりした突起を
形成できなくなる。
なお、上記両合成樹脂系塗布液の、吹き付けに使用され
る際の粘度は10,000〜50,000cPの範囲内である必要があ
る。粘度が10,000cP未満では、吹き付け塗布後、粒状を
維持できる程度まで粒度が上昇せず、合成樹脂系塗布液
が流動して、上記粒状がくずれてしまい、はっきりした
突起を形成できなくなり、逆に、粘度が50,000cPを超え
ると、塗布液の流動性が不十分で、吹付け塗布が困難に
なる。
合成樹脂系塗布液に揺変性を付与するため、この合成樹
脂系塗布液に配合される増粘剤としては、コロイド状シ
リカ、有機ベンドナイト、ステアリン酸アルミニウム、
水素添加ひまし油、重合植物油、アマイドワックス、繊
維状粘度鉱物等が例示され、微粉末充填剤としては、沈
降炭酸カルシウム、重質炭カル等の炭酸カルシウム;タ
ルク、カーボンブラック、粘土、木粉、パルプ粉等が例
示される。非反応性希釈剤としては、ベンジルアルコー
ル等の有機溶媒が例示される。
上記合成樹脂系塗布液が2液タイプ等の多成分タイプで
ある場合には、各成分を配合して合成樹脂系塗布液を調
製する際の攪拌混合時に、その揺変性によって粘度が低
下するので、例えば吹付け機のタンク内等で各成分を混
合すると同時に粘度を低下させて、粘度が前記範囲内に
なるように調整したのち、ただちに吹き付け塗布すれば
良い。また、1液タイプの合成樹脂系塗布液の場合に
は、上記タンク内等で攪拌して、粘度を前記範囲内まで
低下させたのち、吹き付け塗布に使用すれば良い。な
お、吹き付けの途中で、タンク内の合成樹脂系塗布液の
粘度が上昇した際には、攪拌する等して外力を加えれ
ば、合成樹脂系塗布液の揺変性により、再度粘度を低下
させることができる。
合成樹脂系塗布液をベースコート層3の表面に吹付け塗
布するための吹付け機としては、リシンガン等の通常の
吹付け機を使用することができるが、吹付け機のノズル
の口径は、2〜4mmの範囲内である必要がある。ノズル
の口径ガ2mm未満では、突起の高さが0.4mmよりも低くな
って、十分な防滑性を有する塗り床を形成できず、逆
に、ノズルの口径が4mmを超えると、突起の高さが0,8mm
よりも高くなって、塗り床の清掃性が悪化する。
吹付け機の吹付け圧力は、前述した粘度範囲の合成樹脂
系塗布液を吹き付け塗布できる通常の圧力、例えば5〜
7kgf/cm2程度であれば良く、また、合成樹脂系塗布液の
粘度が10,000〜20,000cPと低い場合には、吹付け圧力は
2〜5kgf/cm2程度でも良い。
合成樹脂系塗布液の吹付け量は、0.3〜0.5kg/m2である
ことが好ましい。吹付け量が0.3kg/m2未満では、塗布液
の量が少な過ぎて、十分な大きさを持った突起を形成で
きなくなる虞があり、逆に、吹付け量が0.5kg/m2を超え
ると、塗布液が多過ぎて連続した塗膜となり、はっきり
した突起を形成できなくなる虞がある。
なお、この発明の合成樹脂製塗り床およびその施工方法
は、上記実施例に限定されるものではない。
例えば、合成樹脂製塗り床の構成は、実施例におけるア
ンダーコート層2とベースコート層3とを備えた2層タ
イプの塗り床以外にも、例えば3層以上、或いは単層
の、従来公知の種々のタイプの塗り床に適用することが
できる。
また、合成樹脂製塗り床を施工するための施工方法とし
ては、揺変性を有する合成樹脂系塗布液を、多数の突起
に対応した多数の突起が表面に形成された塗布ローラ等
によって塗布する方法を採用することもできるが、しか
し、施工時間の短縮等を考慮すれば、上記合成樹脂系塗
布液を吹付け塗布する、この発明の施工方法が最も好ま
しい施工方法である。
その他、この発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更
を施すことができる。
〈実験例〉 以下、実験例に基づき、この発明を説明する。
(塗布液の調製) ・ エポキシ樹脂系塗布液 エポキシ樹脂系プレポリマー(油化シェルエポキシ社
製、商品名「エピコート828」)100重量部、増粘剤とし
ての超微粉シリカ6重量部、微粉末充填剤としての重質
炭カル25重量部、非反応性希釈剤としてのベンジルアル
コール12.5重量部に、さらに、ポリアミンを主成分とし
た硬化剤40重量部を配合し、電動ミキサーを用いて攪拌
混合して、エポキシ樹脂系塗布液を作製した。
・ ビニルエステル樹脂系塗布液 ビニルエステル樹脂系プレポリマー(日本ユピカ社製、
商品名「ネオポール8250L」)100重量部、増粘剤として
の繊維状粘土鉱物25重量部、微粉末充填剤としての重質
炭カル8重量部、硬化剤としてメチルエチルケトンパー
オキサイド(55%)1重量部、硬化促進剤としてのナフ
テン酸コバルト(金属6%)0.5重量部を、電動ミキサ
ーを用いて攪拌混合して、ビニルエステル樹脂系塗布液
を作製した。
(実験例1) 上記エポキシ樹脂系塗布液およびビニルエステル樹脂系
塗布液を、吹き付け機のタンク内で、それぞれ攪拌混合
して、エポキシ樹脂系塗布液は22,000cP、ビニルエステ
ル樹脂系塗布液は35,000cPに粘度を調整した状態で、第
2図(a)に示す各口径のノズルを有するリシンガンを
用いて、吹付け圧力7kgf/cm2、吹付け量0.4kg/m2、吹付
け温度25℃の条件で、エポキシ樹脂製ベースコート層の
表面に吹付けて、ベースコート層の表面に多数の突起を
形成し、その高さを測定した。形成された突起の高さと
ノズルの口径との関係を第2図(a)に示す。なお、同
図において、○印および実線はエポキシ樹脂系塗布液、
×印および一点鎖線はビニルエステル樹脂系塗布液にお
ける結果を示している。
上記測定の結果、同図に見るように、突起の高さとノズ
ルの口径とは正比例の関係にあり、高さ0.4〜0.8mmの突
起を形成するには、何れの樹脂系の場合でも、ノズルの
口径を2〜4mmにしなければならないことが判明した。
(実験例2) エポキシ樹脂系プレポリマー(油化シェルエポキシ社
製、商品名「エピコート828」)100重量部に対する、非
反応性希釈剤としてのベンジルアルコール、増粘剤とし
ての超微粉シリカ、および微粉末充填剤としての重質炭
カルの配合量を変更して、エポキシ樹脂系塗布液を作製
した。そして、各エポキシ樹脂系塗布液を攪拌混合し
て、種々の粘度状態にし、吹付け圧力7kgf/cm2、吹付け
量0.4kg/m2、吹付け温度25℃の条件で、口径3mmのノズ
ルを有するリシンガンを用いてエポキシ樹脂製ベースコ
ート層の表面に吹付けて、突起の形成状態を観察したと
ころ、エポキシ樹脂系プレポリマー100重量部に対する
非反応性希釈剤の配合量が5〜20重量部、増粘剤および
微粉末充填剤の配合量が合計で22〜40重量部(増粘剤2
〜10重量部、微粉末充填剤20〜30重量部)で、かつ粘度
が10,000〜50,000cPの範囲内である場合に、防滑性、清
掃性に優れた、丸みを帯びた突起を形成できることが確
認された。
なお、ウレタン樹脂系、ポリエステル樹脂系、ビニルエ
ステル樹脂系の各塗布液についても、同様の試験を行っ
たところ、上記と同様の結果が得られた。
(実験例3) 15cm×15cmの基材の表面に積層されたエポキシ樹脂製ベ
ースコート層の表面に、前記塗布液の調整で作製したエ
ポキシ樹脂系塗布液およびビニルエステル樹脂系塗布液
を、それぞれ攪拌混合して、エポキシ樹脂系塗布液は2
2,000cP、ビニルエステル樹脂系塗布液は35,000cPに粘
度を調整した状態で、前述した各口径のノズルを有する
リシンガンを用いて、吹付け圧力7kgf/cm2、吹付け量0.
4kg/m2、吹付け温度25℃の条件で吹付け塗布して、第2
図(b)に示す高さを有する突起を備えた各試料を作製
した。
これらの試料を、よごし機とあらい機とからなるよごれ
促進試験機(小野英哲、「床の汚れに関する一考察」、
月刊建築仕上技術1985年4月号参照)のうち、よごし機
の多角形筒状の回転箱中にセットすると共に、この回転
箱中に、直径3cm、重さ110gの鋼球を10個、カーボラン
ダムNo.80を150g、汚れの代用品としてのこげ茶色のパ
ステル(NUPASTEL No.209)を2g入れ、回転速度20回/
分で3分間回転させて、試料の表面を汚した。
次に、表面が汚された上記各試料を、あらい機のターン
テーブル上にセットし、ターンテーブルを回転速度110
回/分で回転させつつ、その表面を、34.1kgの加重によ
り圧接された布によって、20秒間清掃した。
そして、清掃後の各試料の表面を、130lxの昼白色蛍光
灯の照明下で、20人の被検者に観察させ、汚れ具合を、
下記の7段階で評価させた。
・ 汚れ評価(共通尺度(z)) 1;汚れが全く気にならない。
2;汚れがほとんど気にならない。
3;汚れがほんの少し気になる。
4;汚れが少し気になる。
5;汚れがかなり気になる。
6;汚れが大部気になる。
7;汚れが非常に気になる。
結果を第2図(b)に示す。なお、同図においても、○
印および実線はエポキシ樹脂系塗布液、×印および一点
鎖線はビニルエステル樹脂系塗布液における結果を示し
ている。
上記評価の結果、同図に見るように、突起の高さが0.8m
m以下であれば、何れの樹脂系の場合でも、汚れは、ほ
んの少し気になる程度にまで清掃、除去することがで
き、清掃性に優れることが判明した。
(実験例4) 30cm×30cmの基材の表面に積層されたエポキシ樹脂製ベ
ースコート層の表面に、前記エポキシ樹脂系塗布液およ
びビニルエステル樹脂系塗布液を、それぞれ攪拌混合し
て、エポキシ樹脂系塗布液は22,000cP、ビニルエステル
樹脂系塗布液は35,000cPに粘度を調整した状態で、前述
した各口径のノズルを有するリシンガンを用いて、吹付
け圧力7kgf/cm2、吹付け量0.4kg/m2、吹付け温度25℃の
条件で吹付け塗布して、第2図(c)に示す高さを有す
る突起を備えた各試料を作製した。
これらの試料を、ポータブルスキッドレジスタンステス
ター(Stanley社製)を使用して、ASTM E 303に基づい
て乾燥時並びに湿潤時の試料表面の防滑性(スキッドレ
ジスタンス値)を測定した。結果を第2図(c)に示
す。
なお、同図において、実線付近の○印はエポキシ樹脂系
塗布液における乾燥時の結果、×印はビニルエステル樹
脂系塗布液における乾燥時の結果を示し、一点鎖線付近
の○印はエポキシ樹脂系塗布液における湿潤時の結果、
×印はビニルエステル樹脂系塗布液における湿潤時の結
果を示している。
上記測定の結果、同図に見るように、突起の高さが0.4m
m以上であれば、何れの樹脂系の場合でも、乾燥時、湿
潤時共に、コンクリート表面の防滑性(乾燥時70〜80、
湿潤時30〜40)と同程度またはそれ以上の防滑性を発揮
できることが判明した。
〈発明の効果〉 この発明の合成樹脂製塗り床は、以上のように構成され
ており、表面に、合成樹脂系塗布液を硬化させてなる、
高さ0.4〜0.8mmの丸みを帯びた突起を有するため、防滑
性、清掃性共に優れたものとなる。しかも、上記のよう
に、合成樹脂系塗布液を硬化させてなる突起は、合成樹
脂系塗り床の表面に形成されているので、容易に剥離す
ることがなく、長期間の使用に耐え得るものとなる。
また、この発明の合成樹脂製塗り床の施工方法は、以上
のように構成されており、揺変性を有する合成樹脂系塗
布液を粘度低下吹付け塗布するだけで、上記突起が形成
されるので、この発明の合成樹脂製塗り床を施工するた
めに好適なものとなる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の合成樹脂製塗り床の一実施例の層構
成を示す模式的断面図、第2図(a)〜(c)は、それ
ぞれ、実験例1,3,4の結果を示すグラフある。 1……下地、2……アンダーコート層、3……ベースコ
ート層、31……突起。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合成樹脂系塗布液を硬化させてなる、高さ
    0.4〜0.8mmの、丸味をおびた突起を表面に有することを
    特徴とする合成樹脂製塗り床。
  2. 【請求項2】エポキシ樹脂系プレポリマーと、このエポ
    キシ樹脂系プレポリマー100重量部に対して5〜20重量
    部の非反応性希釈剤と、22〜40重量部の増粘剤および微
    粉末充填剤とを含み、揺変性を有する合成樹脂系塗布液
    を、粘度を10,000〜50,000cPにした状態で、口径2〜4m
    mのノズルを用いて合成樹脂製塗り床の表面に吹き付け
    塗布し、高さ0.4〜0.8mmの丸味をおびた突起を形成する
    ことを特徴とする合成樹脂製塗り床の施工方法。
  3. 【請求項3】ビニルエステル樹脂系プレポリマーと、こ
    のビニルエステル樹脂系プレポリマー100重量部に対し
    て22〜40重量部の増粘剤および微粉末充填剤とを含み、
    揺変性を有する合成樹脂系塗布液を、粘度を10,000〜5
    0,000cPにした状態で、口径2〜4mmのノズルを用いて合
    成樹脂製塗り床の表面に吹き付け塗布し、高さ0.4〜0.8
    mmの丸味をおびた突起を形成することを特徴とする合成
    樹脂製塗り床の施工方法。
JP18306389A 1989-07-14 1989-07-14 合成樹脂製塗り床およびその施工方法 Expired - Fee Related JPH0718230B2 (ja)

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