JPH07181734A - トナー用ポリエステル樹脂 - Google Patents

トナー用ポリエステル樹脂

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JPH07181734A
JPH07181734A JP5344740A JP34474093A JPH07181734A JP H07181734 A JPH07181734 A JP H07181734A JP 5344740 A JP5344740 A JP 5344740A JP 34474093 A JP34474093 A JP 34474093A JP H07181734 A JPH07181734 A JP H07181734A
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JP
Japan
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resin
toner
diol
temp
acid
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JP5344740A
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English (en)
Inventor
Shinji Kubo
伸司 久保
Takayuki Tajiri
象運 田尻
Hitoshi Iwasaki
等 岩崎
Yoichi Nagai
陽一 永井
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐ブロッキング性、溶融流動性、低温定着性
及び耐オフセット性に優れたトナー用ポリエステル樹脂
を開発する。 【構成】 (a)全酸成分に対して60モル%以上の芳
香族ジカルボン酸を含むジカルボン酸成分と、(b)全
酸成分に対して5モル%以上の芳香族ジオール(I)を
含むジオール成分と、(c)全酸成分に対して5モル%
以上の芳香族ジオール(II)を含むジオール成分とか
らなるポリエステル樹脂であって、軟化温度が90〜1
30℃、ガラス転移点Tgが50〜80℃であるトナー
用ポリエステル樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電記録
法や静電印刷法などにおいて静電荷像または磁気潜像の
現像に用いる乾式トナーとして有用なポリエステル樹脂
に関する。さらに詳しくは、耐ブロッキング性、溶融流
動性及び低温定着性に優れ、特に高い溶融流動性が要求
されるフルカラー用、低温定着性が要求される高速複写
機及び高速プリンター用として有用なトナー用ポリエス
テル樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】制電荷像より恒久的な顕像を得る方法に
おいては、光導電性感光体または静電記録体上に形成さ
れた静電荷像をあらかじめ摩擦により帯電させたトナー
によって現像した後、定着される。磁気潜像の場合は、
磁気ドラム上の潜像を磁性体を含むトナーによって現像
した後、定着される。定着は、光導電性感光体または静
電記録体上に現像によって得られたトナー像を直接融着
させるか、紙やフィルム上にトナー像を転写した後、こ
れを転写シート上に融着させることによって行われる。
トナー像の融着は、溶剤蒸気との接触、加圧及び加熱に
よって行われ、加熱方式には、電気オーブンによる無接
触加熱方式と加圧ローラーによる圧着加熱方式がある
が、定着工程の高速化が要請される最近では主として後
者が用いられている。
【0003】乾式現像方式で使用されるトナーには、1
成分系トナーと2成分系トナーがある。2成分系トナー
は、先ず樹脂、着色剤、荷電制御剤及びその他必要な添
加剤を溶融混練して十分に分散させた後、粗粉砕し、次
いで微粉砕して、所定の粒度範囲に分級して製造され
る。1成分系トナーは、上記の2成分系のトナーの各成
分の他に磁性鉄粉を添加して同様に製造される。
【0004】樹脂は、トナー配合中の主成分であるた
め、トナーに要求される性能の大部分を支配する。この
ためトナー用樹脂には、トナー製造においては溶融混練
工程での着色剤の分散性、粉砕工程での粉砕性の良い事
などが要求され、またトナーの使用においては定着性、
オフセット性、ブロッキング性及び電気的性質が良いこ
となど多用な性能が要求される。トナーの製造に用いら
れる樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、
ポリスチレン樹脂、メタクリル系樹脂などが公知である
が、圧着加熱定着方式用は主にスチレンと(メタ)アク
リル酸エステルの共重合体が用いられてきた。しかし、
より低温で定着が可能であることや定着されたトナー像
の耐塩ビ可塑剤性が優れていることより、ポリエステル
樹脂が注目されている。
【0005】一方、カラー画像を得るためには、上述の
現像行程において、3〜4色のトナーを転写紙に付着さ
せ、次いで定着行程において、各種溶融混合しながら発
色させ、定着させなければならない。このため、フルカ
ラートナー用のバインダー樹脂には上述のごとく定着行
程での混合性の良い樹脂、換言すれば、溶融流動性の良
い樹脂が強く望まれている。しかし、溶融流動性の良好
なバインダー樹脂を用いた場合、定着行程での耐オフセ
ット現象が生じる問題がある。耐オフセット現象を防止
するため、バインダー樹脂を架橋化させたりすると、溶
融流動性が低下するため、フルカラートナー用のバイン
ダー用樹脂としては適さない。従って、フルカラー用複
写機の場合、耐オフセットをえるため、定着ローラー表
面にシリコーンオイル等を塗布している。しかしなが
ら、定着ローラー表面にシリコンオイル等を塗布すると
複写物にも、オイルが付着し、取扱いに支障をきたす場
合があり、特にOHP等に複写した場合には、その現象
が顕著である。
【0006】ところで、ポリエステル樹脂は、フルカラ
ー用バインダー樹脂として用いられているが、一般にポ
リエステル樹脂は粘度を下げ高流動性を付与するとTg
が低下し、耐ブロッキング性が悪くなる。このような相
反する物性を同時に満足させる方法として、ビスフェノ
ールAのプロピレンオキサイド付加物をジオール成分と
して用いて縮合させることが提案されている。しかし、
この付加物は、(1)非常に反応性が悪く、任意の重合
度まで反応を進行させるためには酸成分が制約される。
(2)また、得られたポリマーも分子量が低いため非常
に脆く、トナー生産時に微粉の発生が激しく、歩留まり
が低下する。(3)さらに得られたトナーの複写物も定
着強度が低下する、という問題がある。
【0007】これらの問題を解決するために、ビスフェ
ノールA誘導体でも比較的反応性の良いエチレンオキサ
イド付加物を併用するという提案もされているが、ビス
フェノールAのエチレンオキサイド付加物は、Tgの低
下をもたらすため、多く使用することができない。また
ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物は、固体
であるため、モノマーとして使用する場合、粉砕の必要
性があるため、コストが高くなり、それを用いた樹脂
は、一般大衆化している複写機・プリンターへの使用は
適さない。さらに、ポリマー重合の際、ブロック体であ
るビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物は、ス
ラリー化が困難で、その使用量も制限されるという問題
がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な欠点を解決するためになされたものであり、その目的
とするところは、耐ブロッキング性、溶融流動性及び低
温定着性に優れたトナー用ポリエステル樹脂を提供する
ことにある。さらに、本発明の他の目的は、トナーに強
靭性が付与され、かつ安価で重合安定性が良好なトナー
用ポリエステル樹脂を得ることを目的とするものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成すべく鋭意検討を進めた結果、特定の芳香族ジオ
ールを重合体成分として含むポリエステル樹脂がその目
的を達成できることを見い出し本発明を完成した。すな
わち、本発明は、(a)全酸成分に対して60モル%以
上の芳香族ジカルボン酸を含むジカルボン酸成分と、
(b)全酸成分に対して5モル%以上の下記式(I)で
示される芳香族ジオールを含むジオール成分と、(c)
全酸成分に対して5モル%以上の下記式(II)で示され
る芳香族ジオールを含むジオール成分とからなるポリエ
ステル樹脂であって、軟化温度が90〜130℃、ガラ
ス転移点Tg(以下、Tgと略称する。)が50〜80
℃であることを特徴とするトナー用ポリエステル樹脂に
ある。
【0010】
【化3】
【0011】
【化4】
【0012】本発明で用いられる芳香族ジカルボン酸
(a)は、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカ
ルボン酸及びそれらの低級アルキルエステルから選ばれ
るものである。テレフタル酸及びイソフタル酸の低級ア
ルキルエステルの例としては、例えばジメチルテレフタ
ル酸、ジメチルイソフタル酸、ジエチルテレフタル酸、
ジエチルイソフタル酸、ジブチルテレフタル酸、ジブチ
ルイソフタル酸等が挙げられるが、コスト及びハンドリ
ングの点でジメチルテレフタル酸やジメチルイソフタル
酸が好ましい。上記の芳香族ジカルボン酸またはその低
級アルキルエステルは、1種でまた2種以上を併用して
使用される。芳香族ジカルボン酸は、得られる樹脂のT
gを上げ、耐ブロッキング性の向上に寄与し、それの持
つ疎水性のため耐湿性にも効果がある。従って、芳香族
ジカルボン酸は、全酸成分に対して60モル%以上、好
ましくは70モル%以上使用する必要がある。その中で
もテレフタル酸系は、樹脂のTgをアップさせるのに効
果があり、またイソフタル酸系は反応性を高める効果が
あるので目的によってその使用バランスを変えて用いる
必要がある。
【0013】本発明においては、必要に応じて上記の芳
香族ジカルボン酸との併用して使用できる他のジカルボ
ン酸としては、例えばフタル酸、セバシン酸、イソデシ
ル琥珀酸、フマル酸、アジピン酸及びこれらのモノメチ
ル、モノエチル、ジメチル、ジエチルエステル等、並び
にこれらの酸無水物が挙げられる。これらのジカルボン
酸はトナーの定着性や耐ブロッキング性に大きく影響を
与えるので、これらの特性を考慮して使用する必要があ
る。好ましくは全酸成分に対して30モル%以下の範囲
で使用される。
【0014】また、本発明において用いられる上記式
(I)で示される芳香族ジオール(b)は、樹脂のTg
を挙げ、反応性を制御するための成分である。式(I)
で示される芳香族ジオールの例としては、ポリオキシプ
ロピレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.
3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、ポリオキシプロピレン−(2.8)−2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロ
ピレン−(3.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン等があげられ、これらは1種でまたは
2種以上を混合して使用される。式(I)の芳香族ジオ
ールの使用量は全酸成分に対して5モル%以上であり、
好ましくは20〜80モル%の範囲である。これは、使
用量が5モル%未満では樹脂のTgの低下をもたらし、
トナーのブロッキング性が低下するようになるためであ
る。また、80モル%を超えて使用すると、反応性が著
しく低下し目的の重合度まで反応が進行しなくなるため
であり、好ましくは70モル%以下の範囲で使用する。
【0015】さらに、本発明において用いられる上記式
(II)で示される芳香族ジオール(c)は、分子の配向
性を高め樹脂に強靭性を付与させ、反応性を向上させる
成分である。式(II)で示される芳香族ジオールの例と
しては、ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエ
チレン−(2.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、ポリオキシエチレン−(2.8)−
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポ
リオキシエチレン−(3.0)−2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン等が挙げられ、中でもポリ
オキシエチレン−(2.3)−2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパンが高Tg化、反応性及びハン
ドリングの点で好ましい。これらは1種または2種以上
を混合して使用される。芳香族ジオール(c)の使用量
は、全酸成分に対して5モル%以上あり、好ましくは1
0〜70モル%の範囲である。これは、使用量が5モル
%未満では分子の配向性が低下し靭性が低下するためで
ある。また、70モル%を超えて使用すると原料投入時
のスラリー化が困難となり生産性が低下するためであ
る。
【0016】本発明においては、上記の成分(b)及び
(c)を併用することが必須であり、どちらかの成分を
欠いても本発明の目的は達成されない。成分(b)及び
(c)の合計使用量は反応性やコスト等の面から全酸成
分に対して20〜80モル%の範囲が好ましい。本発明
においては、上記成分(b)及び(c)を併用すること
によって、反応性、高Tg化、定着性及び生産性のバラ
ンスのとれたトナー用樹脂を得ることができるものあ
る。
【0017】また、本発明においては、ジオール成分と
して上記の芳香族ジオールに脂肪族ジオールを併用させ
て使用することができる。脂肪族ジオールの例として、
エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、プロピ
レングリコール、ブタンジオール、ポリエチレングリコ
ール等が挙げられ、これらは1種でまたは2種以上を混
合で使用される。これらの脂肪族ジオールは、縮重合反
応速度を向上せしめる作用を有する。これらの中でも定
着性の点から、エチレングリコール、ネオペンチルグリ
コール、ブタンジオールの使用が好ましい。脂肪族ジオ
ールの使用量は、全酸成分に対して20モル%以上の範
囲とするのが好ましい。
【0018】以上の構成からなる本発明のトナー用ポリ
エステル樹脂は、軟化温度が90〜130℃、好ましく
は95〜120℃、Tgが50〜80℃、好ましくは5
5〜70℃であることが必要である。これはポリエステ
ル樹脂の軟化温度が90℃未満になると、ポリマー自体
の凝集性が極端に低下するため樹脂の凝集力が低下し
て、耐オフセット性が悪くなるためであり、軟化温度が
130℃を超えると耐オフセット性に関して好ましい方
向に向かうが、溶融混合性が低下し、色の混色性が低下
するためである。また、Tgが50℃未満では、定着性
が向上するが、耐ブロッキング性が著しく低下する。一
方、Tgが80℃を超えると耐ブロッキング性は向上す
るが、定着性が低下する。
【0019】本発明のトナー用ポリエステル樹脂の製造
においては、上記の重合成分(a)〜(c)を反応釜に
仕込み、加熱昇温して、エステル化反応、またはエステ
ル交換反応を行う。この時、必要に応じて硫酸、チタン
ブトキサイド、ジブチルスズオキシド、酢酸マグネシウ
ム、酢酸マンガン等の通常のエステル化反応またはエス
テル交換反応で使用されるエステル化触媒またはエステ
ル交換触媒を使用することができる。次いで、常法に従
って該反応で生じた水またはアルコールを除去する。そ
の後引き続き重合反応を実施するが、このとき150m
mHg以下の真空下でジオール成分を留出除去させなが
ら重合を行う。
【0020】また、重合に際しては通常公知の重合触
媒、例えばチタンブトキサイド、ジブチルスズオキシ
ド、酢酸スズ、酢酸亜鉛、二硫化スズ、三酸化アンチモ
ン、二酸化ゲルマンニウム等を用いることができる。ま
た、重合温度、触媒量については特に限定されるもので
はなく、必要に応じて任意に設定すれば良い。
【0021】本発明のトナー用ポリエステル樹脂におい
ては、必要によりシリカ等の無機粉末を加えて耐ブロッ
キング性を改良することができる。このシリカ粉末の添
加はバインダー樹脂のTgが低い場合、その効果は特に
顕著である。しかしTgが40℃以下の樹脂に関しては
耐ブロッキング性の改良効果は顕著でない
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、実施例及び比較例における性能評価は以下の
方法を用いて行った。
【0023】(1)軟化温度(℃) (株)島津製作所製、フローテスター(CFT−50
0)を用いて、ノズル1.0mmφ×10mmL、荷重
30kg、昇温3℃/分、サンプル量1.0gの条件下
でサンプルが半分流出した時の温度を軟化温度(℃)と
した。
【0024】(2)Tg(ガラス転移点)(℃) (株)島津製作所製、示差走査熱量計を用い、昇温5℃
/分で測定した時のTg近傍の吸熱曲線の接線と、ベー
スラインとの接点をTgとした。
【0025】(3)組成分析 樹脂をヒドラジンで加水分解し、液体クロマトグラフィ
ーで定量した。
【0026】(4)耐ブロッキング性 トナー5gをガラス製のサンプル瓶に入れ、温度50
℃、湿度65%の条件下で50時間放置した。その後、
サンプルを室温まで冷却し、その凝集状態を目視で観察
し、以下の基準に従って評価した。 A…サンプル瓶を逆さにした時にトナーが落ちる。 B…サンプル瓶を逆さにして軽く振った時にトナーが落
ちる。 C…サンプル瓶を逆さにして上から軽く叩いた時にトナ
ーが落ちる。 D…サンプル瓶を逆さにして上から激しく叩いた時にト
ナーが落ちる。 E…サンプル瓶を逆さにして上から激しく叩いてもトナ
ーが落ちない。
【0027】(5)定着性 温度可変のプリンターにテスト画像を形成し、初期濃度
1.0±0.3の部分を定着ローラーに通した後、定着
部分のテープ剥離を行い、マクベス反射濃度計を用いて
濃度の減衰率を測定した。次いで、ローラの温度を5℃
毎上昇させ、定着率が90%(減衰率10%)を超えた
温度を定着温度とし、以下の基準に従って評価した。な
お、定着ローラーの速度は100mm/秒、ニップ幅は
0.8mmとした。 ◎:定着温度が110℃以下 ○:定着温度が120〜130℃ ×:定着温度が130℃を超える
【0028】なお、実施例及び比較例で用いた略記号
は、次のものを表わす。 ジオールA:ポリオキシプロピレン−(2.0)−2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン ジオールB:ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
【0029】実施例1〜3 表1に示す量のテレフタル酸、ジオールA、ジオールB
及びエチレングリコールを蒸留塔を備えた反応容器に投
入した。さらに、触媒である三酸化アンチモンを全酸成
分に対して0.05重量部添加し、内温を250℃、攪
拌回転数を120rpmに保ち、常圧下で5時間エステ
ル化反応させた後、反応系内を30分かけて1.0mm
Hgまで減圧し、内温を260℃に保持して、エチレン
グリコールを留出せしめながら縮合反応を行った。縮合
反応の終点を1時間、2時間及び3時間の3点に設定
し、それに対応する樹脂R−1,R−2及びR−3の3
種を得た。得られた樹脂R−1,R−2及びR−3の組
成及び物性の測定結果を表1に示す。
【0030】得られた樹脂(R−1〜R−3)94重量
%に対して、カーボンブラック(三菱化成(株)製#4
0)5重量%、荷電制御剤(オリエント化学工業(株)
製ボントロンS−34)1重量%を添加して、ヘンシェ
ルミキサーを用いてプレミキシングを行った後、インタ
ーナルミキサーを用いて温度150℃、回転数65rp
mで溶融混練を行った。得られた溶融混練物を室温まで
冷却した後、ハンマーミルを用いて粗粉砕を行い、ジェ
ットミルを用いて15μm以下まで粉砕を行った。次い
で、風力分級機を用いて粒径5〜15μmに分級して、
トナーT−1〜T−3を得た。得られたトナー(T−1
〜T−3)を用いて、耐ブロッキング性、定着性の評価
を行い、その結果を表1に示す。表1より、樹脂R−1
〜R−3は軟化温度が低く、Tgも50℃を超えてお
り、また、これらの樹脂を用いて得られたトナーは耐ブ
ロッキング性及び定着性ともに良好であった。
【0031】
【表1】
【0032】実施例4 重合仕込み組成を表2の如くにし、軟化温度が115℃
となる重合度で反応を終了するようにした以外は、実施
例1と同様な操作を行い、樹脂R−4を得た。この得ら
れた樹脂R−4の組成及び物性の測定結果を表2に示
す。
【0033】得られた樹脂R−4を用いて、実施例1〜
3と同様な方法でトナーT−4を得た。得られたトナー
T−4を用いて、耐ブロッキング性、定着性の評価を行
い、その結果を表2に示す。表2より、樹脂R−4は特
定の芳香族ジオールを併用することにより、低軟化温度
で高Tg化が達成されており、また、耐ブロッキング性
及び定着性ともに良好であった。
【0034】
【表2】
【0035】比較例1〜4 重合仕込み組成を表3のようにする以外は、実施例4と
同様の操作を行い、樹脂R−5〜R−8を得た。これら
の樹脂についての組成及び物性の測定結果を表3に示
す。
【0036】得られた樹脂R−5〜R−8を用いて、実
施例1〜3と同様の方法でトナーT−5〜T−8を得
た。得られたトナーT−5〜T−8を用いて、耐ブロッ
キング性、定着性の評価を行い、その結果を表3に示
す。表3より、 (1)樹脂R−5は芳香族ジカルボン酸の使用量が少な
いため、所定の粘度まで重合を進行させても、Tgが4
1℃と低く、トナーとして使用した場合、耐ブロッキン
グ性が悪い。 (2)樹脂R−6はTgが81℃と高く、耐ブロッキン
グ性は良好であるが、定着性及び溶融流動性が低下す
る。 (3)樹脂R−7は芳香族ジオールとして、ジオールA
のみを使用した場合であり、目標の特性値が得られるま
で、245℃の反応温度で10時間要し、生産性が低か
った。 (4)樹脂R−8は芳香族ジオールとして、ジオールB
のみを全酸成分に対して10モル%使用した場合であ
り、目的の重合度は得られるが、Tgが低下し、耐ブロ
ッキング性が悪いということが判かる。
【0037】
【表3】
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のトナー用
ポリエステル樹脂は、ポリマー中に特定の芳香族ジオー
ルを併用して縮重合させることによって、耐ブロッキン
グ性、溶融流動性、及び低温定着性が良好であり、フル
カラー用、高速複写機及び高速プリンター用等のトナー
用樹脂として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永井 陽一 愛知県豊橋市牛川通四丁目1番地の2 三 菱レイヨン株式会社豊橋事業所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)全酸成分に対して60モル%以上
    の芳香族ジカルボン酸を含むジカルボン酸成分と、
    (b)全酸成分に対して5モル%以上の下記式(I)で
    示される芳香族ジオールを含むジオール成分と、(c)
    全酸成分に対して5モル%以上の下記式(II)で示され
    る芳香族ジオールを含むジオール成分とからなるポリエ
    ステル樹脂であって、軟化温度が90〜130℃、ガラ
    ス転移点Tgが50〜80℃であることを特徴とするト
    ナー用ポリエステル樹脂。 【化1】 【化2】
JP5344740A 1993-12-21 1993-12-21 トナー用ポリエステル樹脂 Pending JPH07181734A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008047775A1 (fr) * 2006-10-16 2008-04-24 Kao Corporation Toner pour l'électrophotographie

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WO2008047775A1 (fr) * 2006-10-16 2008-04-24 Kao Corporation Toner pour l'électrophotographie
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