JPH0718101B2 - スチールコードおよびタイヤ - Google Patents

スチールコードおよびタイヤ

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JPH0718101B2
JPH0718101B2 JP63207961A JP20796188A JPH0718101B2 JP H0718101 B2 JPH0718101 B2 JP H0718101B2 JP 63207961 A JP63207961 A JP 63207961A JP 20796188 A JP20796188 A JP 20796188A JP H0718101 B2 JPH0718101 B2 JP H0718101B2
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strand
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敏明 清水
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はタイヤやコンベアベルト等の補強材として使用
され、高強度、耐靱性、耐腐食性およびゴムとの接着性
に優れたスチールコードおよび上記スチールコードを補
強材として用いたタイヤに関するものである。
(従来の技術) 従来、一般にこの種のスチールコードを熱間圧延後、調
整冷却した素線径が5.0〜6.4mmを有する線材を、伸線加
工およびパテンティング処理を繰り返して伸線し、プラ
スメッキを施した後、最終伸線加工によってスチールコ
ード用素線を形成し、上記素線を複数本撚り合わせて形
成されていた。
そして、上記スチールコードの複数本が平行に引き揃え
られた状態でゴム材により被覆され、タイヤやコンベア
ベルト等に使用されている。
ところで、上記スチールコードをゴム補強材として使用
したタイヤやコンベアベルト等の種々の製品が様々の使
用環境下において十分な耐久性、経済性、乗心地性等を
有するためには、特にスチールコードの各素線自体が耐
腐食性を有し、かつ強度的に優れていること、及びスチ
ールコード並びに各素線がゴム材とよく接着することが
要求されている。すなわち、スチールコードが補強材と
しての役割を充分に果すためには、高強度、高靱性でし
かも完全なゴムとの複合体になっていることが必要であ
る。
例えば、タイヤの場合、まず、スチールコードが高強
度、高靱性であり、かつ接着状態のよいことが必要であ
る。スチールコードが高強度、高靱性を有することによ
り、スチールコード単位重量当りの強力が向上し、その
結果、タイヤへの打込本数が減少し、タイヤの軽量化、
乗心地性および耐久性の向上が図れる。しかるに、スチ
ールコードとゴムとの接着状態が悪いと、走行時にコー
ドとゴム材とが剥離するいわゆるセパレーツ現象を起
し、タイヤの性能を著しく阻害するという問題が生じ
る。
また、接着状態および耐腐食性が悪いと、ゴム中の水分
や外部より浸入した水分、塩分等によって素線に錆が急
速に発生し、コードの強力が大巾に低下したり、セパレ
ーツ現象を早めて、タイヤの耐久性を著しく阻害すると
いう問題があった。
そこで、上記問題をなくしゴムとの接着性を良くするた
め、表面にプラスメッキを施した複数本の素線(23)を
第8図(イ)〜(ト)に示すような横断面形状に撚り合
わせたスチールコード(24)(撚り構成1×3,1×4,1×
5,1×3×0.20+6×0.38,1×12,3+9,3+9+15で全て
クローズ撚)が広く使用されていた。しかし、上記スチ
ールコード(24)では各素線(23)同志が互いに略密着
して撚り合わされた構造であるため、ゴム材で被覆した
とき、ゴム材がスチールコード(24)の中心空間Xや内
部空間Y、Zにまで浸入せず、しかも各素線(23)も夫
々完全にゴム材で被覆されず、ゴムとの接着が不十分で
あった。
このため、スチールコード(24)の中心や内部にできた
空間X、Y、Zに、ゴム中の水分および外部より浸入し
た水分、塩分等が入り込み、空間X、Y、Zの内部にス
チールコード(24)の長手方向に伝播し、錆の発生を促
進するという問題点があった。このため、最近ではゴム
の浸入性を良くした撚りのあまいいわゆるオープンコー
ドと称されるスチールコードが提案され、使用されてい
る。
(発明が解決しようとする課題) 最近のスチールコードにおいては、上述のようなオープ
ン構造にすることにより、ゴムとの接着性が改善された
が、補強材としてのスチールコードの強度、靱性の点
で、未だに十分なものではなかった。
そこで、本発明者はスチールコードに用いられる素線の
金属組成およびスチールコードの撚り構成との組合わせ
について研究を重ねた結果、本発明をなすに至ったもの
である。
本発明の目的は、高強度、高靱性で、且つ撚加工性に優
れると共に耐腐食性を有し、ゴムとの接着性も優れたス
チールコードと、耐久性、経済性、乗心地性に優れ、長
寿命のタイヤを提供するにある。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するために、本発明の第1の発明である
スチールコードは、重量%で、C:0.75〜0.90%,Si:0.45
〜1.20%,Mn:0.30〜0.90%,Ni:0.05〜1.00%を含有し、
かつV:0.05〜1.00%、Cu:0.10〜0.50%の1種又は2種
を含有すると共に、残部が鉄及び不可避的不純物よりな
る素線径0.10〜0.50mmの素線を2本撚り合わせて成る。
第2の発明のスチールコードは、重量%で、C:0.75〜0.
90%,Si:0.45〜1.20%,Mn:0.30〜0.90%,Ni:0.05〜1.00
%を含有し、かつCu:0.10〜0.50%およびS:0.01〜0.04
%を含有すると共に、残部が鉄及び不可避的不純物より
なる素線径0.10〜0.50mmの素線を2本撚り合わせて成
る。
第3の発明のスチールコードは、上記第1又は第2の発
明と同一の金属組成と素線径とを有する素線で以て2層
撚りにしたスチールコードであって、芯ストランドを3
本の素線、側ストランドを6本の素線で形成し、かつ側
素線の直径を芯素線の直径の略1.60〜1.80倍にして成
る。
第4の発明のスチールコードは、前記第1又は第2の発
明と同一の金属組成と素線径とを有する素線で以て2層
撚りにしたスチールコードであって、芯を2本の素線、
側を6〜7本の素線で形成し、かつ芯素線と側素線の直
径を略同一にして成る。
第5の発明のスチールコードは、前記第1又は第2の発
明と同一の金属組成と素線径とを有する素線で以て2層
撚りにしたスチールコードであって、芯ストランドを3
本の素線、側ストランドを9本の素線で形成し、かつ側
素線の直径を側素線の直径の略1.05〜1.25倍にして成
る。
第6の発明のスチールコードは、前記第1又は第2の発
明と同一の金属組成と素線径とを有する素線から成るス
チールコードであって、2本の素線を撚り合わせた撚線
群と2本の素線を撚り合わせていない素線束とを上記撚
線群と同一ピッチで撚り合わせ、かつ上記4本の素線径
を略同一にして成る。
第7の発明のスチールコードは、前記第1又は第2の発
明と同一の金属組成と素線径とを有する素線で以て3層
撚りにしたスチールコードであって、コアを2〜4本の
素線、中間層を7〜9本の素線、外層を12〜15本の素線
で形成し、かつ中間層の各素線の中心を結ぶ線上におけ
る各素線間の間隙の総和と、外層の各素線の中心を結ぶ
線上における各素線間の間隙の総和を、上記各層の各素
線の中心を結ぶ円周の長さの5〜20%として成る。
ところで、少くとも上記中間層と外層は各素線間に隙間
を有して撚り合わせて成るものである。
第8の発明であるタイヤは、上述のように構成されたス
チールコードの複数本を、ベルト部、カーカス部、チェ
ーファ部の少くとも一部に有して成る。上記所定本数の
スチールコードは、予めゴムに配列埋設して略ベルト状
の補強材として、タイヤの所定部分に設けると作業性が
向上する。
次に、各添加元素の化学成分を上記のように限定した理
由について詳述する。
Cはこの種のスチールコードに要求される強度を確保す
るために重要であり、0.75%以上が必要である。しか
し、C量を高めるほど高強度のスチールコードが得られ
るが、高くしすぎると伸線時及び撚線時に溶接部やC偏
析部において断線が発生しやすく、また熱処理において
も初析セメンタイトが発生し、伸線、撚線に悪影響をも
たらすので、0.90%以下が好ましい。
Siは鋼の脱酸のため必要であり、またフェライトを固溶
強化するため、パテンティング処理材の引張強さを高め
るのに有効である。したがって、Cの場合と同様、所望
の引張強さを得るには、Si含有量は0.45%〜1.20%の範
囲が好ましい。1.20%を越えてSiを多量に添加すると、
フェライトの靱延性が劣化し、SiO2系の非延性介在物が
生成されるため、伸線時、撚線時において断線頻度が高
くなり好ましくない。
MnはSiと同様に脱酸のために必要であるが、同時に焼入
性を向上させ、引張強さを向上させるという効果があ
る。
上記効果を有効に発揮させるためには、Mn含有量は、0.
30%以上必要であるが、0.90%を越えると、成分の偏析
傾向が強くなり、靱性及び延性を低下させて好ましくな
いので、0.30〜0.90%の範囲が好適である。
次に、Niは、Siと同様、フェライト中に固溶し、僅かに
パテンティング処理材の引張強さを高める効果がある。
本発明者は、Niを適当量添加した鋼について、伸線実験
を行った結果、NiがCやNによる時効を遅らせ、鋼線の
靱延性を低下させることなく、高強度極細線を製造でき
ることを見出したのである。上記時効を遅らせるNiの効
果は、捻回試験における縦割れ発生を抑制するばかりで
なく、一定の極細線の引張強さのものにおいてでも、従
来の高炭素鋼線に比べて高い絞りを示すため、伸線時、
撚線時の断線度合を低減することができる。しかし、Ni
は鋼線の焼入れ性を上げるため、1.00%を越えて添加す
ると、鉛パテンティング時に完全なパーライト組織が得
られず、マルテンサイトやベーナイト組織が発生し、伸
線加工、撚線加工が困難となる。またNiはMs点を下げる
ため、多量に添加すると、組織中の残留オーステナイト
量が増加し、伸線時、撚線時にこれらがマテンサイトに
変態するので、伸線、撚線ができ難くなる。よって、Ni
含有量は0.05〜1.00%の範囲が好ましい。
Vは微細な炭窒化物として分散して、オーステナイト粒
度やノジュールサイズを粗大化させず、パーライトラメ
ラ間隔も狭くする効果を有し、結晶粒界の腐食防止に効
果があり、各素線の耐腐食性を向上させるとともに、伸
線加工性を向上させる。
上記効果を発揮させるためには0.05%以上含有させるこ
とが必要であるが、1.%を越えて過多に含有させると靱
性や延性を劣化させる。よって、V含有量は0.05〜1.0
%の範囲が好ましい。
CuはH2より貴な金属であり、水素発生型の腐食を防止
し、空気中で錆が発生しにくい性質があり、耐候性を有
している。
上記効果を発揮させるたるめには0.10%以上が必要であ
るが、過多になると脆くなる。よって、Cu含有量は0.10
〜0.50%の範囲が好ましい。
なお、V及びCuは少なくとも1種を含有ればよいが、V,
Cuの2種を含有すれば、耐腐食性を一層向上することが
できる。
Sは有害元素で熱間脆性をおこす性質があるが、Cuと共
に適量に添加することにより、CuとSが結合し、不動態
化して耐食効果が発揮される。しかし0.04%を越えると
脆化が著しいので、SはCuと同時に添加し、0.01〜0.04
%の範囲とするのが好ましい。
次に、スチールコードの構成についてみる。
スチールコードの隣り合う素線間の隙間は、ゴムが浸入
可能な範囲であればよいが、上記隙間が余り広すぎる
と、撚り構成との関係で、撚りが不安定となり、ゴムと
の複合材としてのモジュラスが低下するばかりか、強度
的にも不十分となる傾向になる。
よって、第3の発明においては、芯を3本の素線、側を
6本の素線で構成し、かつ側素線の直径を芯素線の直径
の略1.60〜1.80倍とし、第4の発明においては、芯を2
本の素線、側を6〜7本の素線で構成し、かつ芯素線と
側素線の直径を略同一とし、第5の発明では、芯を3本
の素線、側を9本の素線で構成し、かつ芯素線の直径を
側素線の直径の略1.05〜1.25倍とし、第6の発明では、
2本の撚線群と2本の素線束とを撚り合わせた構成で、
4本の素線径を同一とし、更に、第7の発明では、中間
層及び外層の各素線の中心を結ぶ線上における各素線間
の間隙の総和を、上記中間層及び外層の各素線の中心を
結ぶ円周の長さの5〜20%として、隣り合う各素線間に
隙間を設けるようにしたものである。
ところで、上記スチールコードは、一般的に、表面にブ
ラスメッキ、ブロンズメッキ等のメッキ処理を施し、素
線径が0.10〜0.50mmを有する素線を撚りピッチ5.0〜20.
0mmで撚り合わせるが、撚り方向、撚りピッチは適宜選
択するもので、同方向撚り、同一ピッチでも可能であ
る。
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
(実施例1) 第1図に示すように、化学成分が重量%で、C:0.83%,S
i:0.71%,Mn:0.52%,Ni:0.25%のほか、P:0.012%,S:0.
004%,V:0.23%を含有し、残部が鉄及び不可避的不純物
から成り、素線径0.30mmの素線(1)を、1×2の撚り
構成で、撚りピッチ14.0mm、S撚りで撚り合わせてスチ
ールコード(2)を得た。
(実施例2) 第2図に示すように、化学成分が重量%で、C:0.81%,S
i:0.84%,Mn:0.58%,Ni:0.21%のほか、P:0.01%,S:0.0
07%,Cu:0.33%を含有し、残部が鉄及び不可避的不純物
から成る、素線径0.20mmの芯ストランドとなる素線
(3)と素線径0.36mmの側ストランドとなる素線(4)
とを、3+6の撚り構成で、撚りピッチ10.0/18.0mm、
撚り方向S/Z撚りで撚り合わせて、2層撚りのスチール
コード(5)を得た。
(実施例3) 第3図(イ)に示すように、化学成分が重量%で、C:0.
77%,Si:0.56%,Mn:0.48%,Ni:0.50%のほか、P:0.007
%,S:0.003%,V:0.61%を含有し、残部が鉄及び不可避
的不純物から成る素線径0.22mmの素線(6)で以て、芯
となる2本の素線束又は撚線と側となる6本の素線
(6)とを、2+6の撚り構成で、撚りピッチ12.0/12.
0mm、撚り方向S/S撚りで撚り合わせて2層撚りのスチー
ルコード(7)を得た。
また、第3図(ロ)に示すように、化学成分が重量%
で、C:0.79%,Si:0.62%,Mn:0.49%,Ni:0.46%のほか、
P:0.008%,S:0.005%,V:0.28%,Cu:0.37%を含有し、残
部が鉄及び不可避的不純物から成る素線径0.22mmの素線
(8)で以て、2+7の撚り構成で、撚りピッチ10.0/1
2.0mm、撚り方向S/S撚りで撚り合わせて2層撚りのスチ
ールコード(9)を得た。この場合、撚りピッチを同
一、撚り方向を相異することも可能である。
(実施例4) 第4図(イ)に示すように、化学成分が重量%で、C:0.
79%,Si:0.62%,Mn:0.49%,Ni:0.46%のほか、P:0.008
%,S:0.005%,V:0.28%,Cu:0.37を含有し、残部が鉄及
び不可避的不純物から成る素線径0.22mmの芯ストランド
となる素線(10)と素線径0.20mmの側ストランドとなる
素線(11)とを、撚り構成3+9、撚りピッチ14.5/14.
5mm、撚り方向S/S撚りで撚り合わせて2層撚りのスチー
ルコード(12)を得た。
また、第4図(ロ)は、化学成分が重量%で、C:0.80
%,Si:0.87%,Mn:0.53%,Ni:0.68%のほか、P:0.012%,
S:0.003%,V:0.56%,Cu:0.15%を含有し、残部が鉄及び
不可避的不純物から成る素線(10)(11)とで以て、上
述と同一の撚り構成3×0.22+9×0.20、撚り方向S/S
で、撚りピッチを6.0/12.0mmにして撚り合わせたスチー
ルコード(13)を示す。
(実施例5) 第5図に示すスチールコード(16)は、化学成分が重量
%で、C:0.85%,Si:0.97%,Mn:0.51%,Ni:0.81%のほ
か、P:0.008%,S:0.015%,Cu:0.26%を含有し、残部が
鉄及び不可避的不純物から成る素線径0.25mmの素線4本
で以て、2本の素線束(14)と、撚り方向S撚り、撚り
ピッチ14.0mmで2本の素線を撚った撚線(15)とを、上
記撚線と同一ピッチで撚り合わせて成る。
(実施例6) 第6図(イ)に示すスチールコード(20)は、化学成分
が重量%で、C:0.82%,Si:0.49%,Mn:0.54%,Ni:0.77%
のほか、P:0.009%,S:0.035%,Cu:0.41%を含有し、残
部が鉄及び不可避的不純物から成る素線径0.20mmの素線
(17)で以て、撚り構成3+8+12、撚り方向S/S/Z撚
り、撚りピッチ5/10.5/15.5mmで撚り合わせ、かつ中間
層(18)及び外層(19)の各素線(17)の中心を結ぶ線
上における各素線間の間隙の総和を、上記中心を結ぶ円
周の長さの5〜20%になるように構成したものである。
また、第6図(ロ)に示すスチールコード(22)は、化
学成分が重量%で、C:0.81%,Si:0.49%,Mn:0.51%,Ni:
0.62%のほか、P:0.007%,S:0.030%,V:0.10%、Cu:0.3
8%を含有し、残部が鉄及び不可避的不純物から成る素
線径0.20mmの素線で以て、撚り構成4+9+14、撚り方
向S/S/Z撚り、撚りピッチ5/10.5/15.5mmで撚り合わせ、
かつ中間層及び外層の各素線間の間隙の総和を、上記中
心を結ぶ円周の長さの5〜20%になるように構成したも
のである。
ところで、この実施例6の場合、各層の素線本数は、コ
アが2〜4本、中間層が7〜9本、外層が12〜15本が適
当である。
(実施例7) 第7図に示すように、上記実施例1〜6で得られたスチ
ールコードのうち、例えば、実施例2のスチールコード
(5)複数本を並列して配置してゴム材により被覆して
補強材(S)を形成し、この補強材(S)を、タイヤの
ベルト部(Ta)、カーカス部(Tb)に埋設して所望のタ
イヤ(T)を構成する。
尚、上記補強材(S)は、タイヤのベルト部、カーカス
部、チェーファ部(Tc)の全部又は一部に配設すること
も可能である。
次に、本発明のスチールコードと従来材を用いた比較用
スチールコードについて行った比較テストの結果につい
て説明する。
第1表は本発明用の改良線材と比較用としたスチールコ
ードの従来線材との主要化学成分を示す。
(表中:線材番号Aは従来線材、線材番号B〜Iは改良
線材である。) 上記線材(素線径5.5mm)A〜Iを、伸線加工、鉛パテ
ンティング処理を繰返し、ブラスメッキ処理を施した
後、最終湿式伸線加工によって、素線径0.25mmの素線
〜に夫々仕上げた。
そして、これら9種の素線〜について、引張強さ、
絞り及び捻回値の機械的性質を測定したところ、第2表
の如き結果を得た。
上記第2表から明らかなように、従来線材Aの素線は
引張強さ330kg/mm2、捻回値31回であったのに対し、改
良線材B〜Iの素線〜は、いずれも370kg/mm2以上
の高い引張り強さを有すると共に絞りも十分にあり、し
かもこのような高強度であっても40回以上の高い捻回値
を得ることが判明した。
次に、これらの素線〜を用いて、第3表の撚り構成
のスチールコード1〜30を作り、これらのスチールコー
ド1〜30をゴムに埋設して接着および疲労試験用サンプ
ル〜を作り、引抜試験、発錆度測定を行ったとこ
ろ、第4表に示す如き結果を得た。
第4表において、引抜力保持率とは、食塩水中に浸漬す
る前にスチールコードから引き抜た引抜力と、20%食塩
水中に一週間浸漬した後にスチールコードをゴムから引
き抜いた引抜力との関係を示したもので、スチールコー
ドが未老化のときの比率は100%であり、数値が大きい
程老化(劣化)が少なく、良好であることを示してい
る。
また、接着劣化長さとは、ゴムに埋設したスチールコー
ド即ちサンプルを長さ15cmに切断し、一方の端面を腐食
液が浸透しないように合成樹脂塗料で被覆し、室温下で
濃度10%の水酸化ナトリウム水溶液に24時間浸漬した
後、スチールコードの腐食によりスチールコードとゴム
間の接着劣化した部分、すなわちスチールコードとゴム
が接着していない部分の長さを測定し、その測定値をmm
で表わしたものである。150mmとは全長にわたって接着
劣化しており、数値が大きい程、錆の拡散が著しいこと
を示している。
第4表から明らかなように、従来の撚り構成のスチール
コードで従来線材からなる素線及び改良線材からなる素
線を用いたサンプル〜は、本発明のもの〜に比
して引抜力保持率が極めて低く、また錆の拡散が著しい
ものである。
次に、本発明のスチールコードをベルト部、カーカス部
に用いてタイヤを試作し、耐久性及び運動性能を測定し
た。
耐久性の評価は、長距離の実車走行テスト後、タイヤを
切断してスチールコードの破損状況、発錆状況を測定し
た。また、運動性能評価は、コーナリングパワーと乗心
地性、経済性を測定した。
この結果、スチールコードの破断及び発錆については、
本発明のスチールコードを使用したタイヤが従来タイヤ
に比して非常に効果があることが確認されたが、コーナ
リングパワー、乗心地性については余り大差はなかっ
た。しかし、経済性については、本発明のものは、高強
度のため、スチールコードの使用量が約12%減少するこ
とができ、タイヤの軽量化により、走行距離に対して、
燃料消費量の削減が可能となった。
(発明の効果) 本発明は、特定の金属組成と撚り構造にしたので、伸
線、撚線時における塑性加工性が低下せず、優れた靱性
と強度及び耐腐蝕性を有し、またゴム接着性及びゴム浸
入に優れ、素線表面がゴムによって完全に被覆可能で、
スチールコード内部への水分等の侵入を防止できる。
また、引張強度が高いけれども捻回値が従来材に比して
高いので、撚線工程において撚加工が容易である。この
ため、特に素線間に隙間を設けるいわゆるオープン構造
のスチールコードの製造に適し、撚工程における断線が
少なく、またくせ付けも容易で所望の隙間(オーブン
度)を形成できる。
更に、本発明のスチールコードをベルト部、カーカス
部、チェーファ部の全部又は一部に埋設したタイヤは、
経済性、乗心地性および耐久性が大巾に向上すると共に
軽量化が図れる。また、特に路面と直接接触するトレッ
ドに近いベルト部に設けた場合、著しい効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1のスチールコードの断面図、第2図は
実施例2のスチールコードの断面図、第3図(イ),
(ロ)は実施例3のスチールコードの断面図、第4図
(イ),(ロ)は実施例4のスチールコードの断面図、
第5図は実施例5のスチールコードを示し、(イ)は正
面図、(ロ)は(イ)のI−I〜IV−IV線の切断端面
図、第6図は(イ),(ロ)は実施例6のスチールコー
ドの断面図、第7図は本発明のスチールコードを用いた
タイヤの一実施例を示し、(イ)は概略断面図、(ロ)
は(イ)における補強材の概略説明図、第8図(イ),
(ロ),(ハ),(ニ),(ホ),(ヘ),(ト)は夫
々従来の異なるスチールコードの断面図である。 (1),(3),(4),(6),(8),(10),
(11),(17),(21)……素線、(2),(5),
(7),(9),(12),(13),(16),(20),
(22)……スチールコード、(14)……素線束、(15)
……撚線、(18)……中間層、(19)……外層、T……
タイヤ、Ta……ベルト部、Tb……カーカス部、Tc……チ
ェーファ部、S……補強材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−91947(JP,A) 特開 昭52−74057(JP,A) 特開 昭55−30499(JP,A) 特開 昭57−193253(JP,A) 特開 昭48−17462(JP,A) 特開 昭62−256950(JP,A) 特開 昭53−56122(JP,A) 特開 昭61−177326(JP,A) 特開 昭62−18678(JP,A) 特開 昭62−141144(JP,A) 特開 昭63−130404(JP,A) 実公 昭56−14396(JP,Y1)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、C:0.75〜0.90、Si:0.45〜1.2
    0、Mn:0.30〜0.90、Ni:0.05〜1.00を含有し、かつV:0.0
    5〜1.00、Cu:0.10〜0.50の1種又は2種を含有すると共
    に、残部が鉄及び不可避的不純物よりなる素線径0.10〜
    0.50mmの素線を2本撚り合わせて成るスチールコード。
  2. 【請求項2】重量%で、C:0.75〜0.90、Si:0.45〜1.2
    0、Mn:0.30〜0.90、Ni:0.05〜1.00を含有し、かつCu:0.
    10〜0.50およびS:0.01〜0.04を含有すると共に、残部が
    鉄及び不可避的不純物よりなる素線径0.10〜0.50mmの素
    線を2本撚り合わせて成るスチールコード。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の金属組成と素線径と
    を有する素線で以て2層撚りにしたスチールコードであ
    って、芯ストランドを3本の素線、側ストランドを6本
    の素線で形成し、かつ側素線の直径を芯素線の直径の1.
    60〜1.80倍としたスチールコード。
  4. 【請求項4】請求項1又は2記載の金属組成と素線径と
    を有する素線で以て2層撚りにしたスチールコードであ
    って、芯を2本の素線、側を6〜7本の素線で形成し、
    かつ芯素線と側素線直径を略同一にしたスチールコー
    ド。
  5. 【請求項5】請求項1又は2記載の金属組成と素線径と
    を有する素線で以て2層撚りにしたスチールコードであ
    って、芯ストランドを3本の素線、側ストランドを9本
    の素線で形成し、かつ芯素線の直径を側素線の直径の略
    1.05〜1.25倍としたスチールコード。
  6. 【請求項6】請求項1又は2記載の金属組成と素線径と
    を有する素線から成るスチールコードであって、2本の
    素線を撚り合わせた撚線群と2本の素線を撚り合わせて
    いない素線束とを上記撚線群と同一ピッチで撚り合わ
    せ、かつ上記4本の素線径を略同一にしたスチールコー
    ド。
  7. 【請求項7】請求項1又は2記載の金属組成と素線径と
    を有する素線で以て3層撚りにしたスチールコードであ
    って、コアを2〜4本の素線、中間層を7〜9本の素
    線、外層を12〜15本の素線で形成し、かつ中間層の各素
    線の中心を結ぶ線上における各素線間の間隙の総和と、
    外層の各素線の中心を結ぶ線上における各素線間の間隙
    の総和を、上記各層の各素線の中心を結ぶ円周の長さの
    5〜20%としたスチールコード。
  8. 【請求項8】請求項1、2、3、4、5、6又は7記載
    のスチールコードをベルト部、カーカス部、チェーファ
    部の少なくとも一部に有するタイヤ。
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