JPH07178805A - プロピレン系重合体延伸フィルム - Google Patents

プロピレン系重合体延伸フィルム

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JPH07178805A
JPH07178805A JP5326848A JP32684893A JPH07178805A JP H07178805 A JPH07178805 A JP H07178805A JP 5326848 A JP5326848 A JP 5326848A JP 32684893 A JP32684893 A JP 32684893A JP H07178805 A JPH07178805 A JP H07178805A
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Takayuki Yamada
孝行 山田
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行雄 石井
Futoshi Hoshino
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】重合性不飽和結合を二つ以上含有するラジカル
重合可能な化合物と、重合性不飽和結合を一つ有するメ
タクリレートおよび/またはアクリレ−ト化合物と、メ
タクリレートおよび/またはアクリレ−ト化合物を除く
重合性不飽和結合を一つ有する化合物との共重合体から
なり、重量比が3〜15重量%、15〜97重量%、0
〜70重量%である微粒子と、MIが0.5〜50g/
10分であるプロピレン系重合体との混合物を溶融押出
し、少なくとも一軸延伸したフィルムで、表面に形成さ
れる突起のうち、フィルム中心面から0.06μm以上
の高さの突起数が1mm当たり15〜1000個、
0.06〜0.39μmの突起数が95%以上、かつ
0.06μmの突起数が50%以上である。 【効果】アンチブロッキング性、滑り性、耐スクラッチ
性、HAZEおよび光沢等の物性バランスに優れたプロ
ピレン系重合体延伸フィルムが提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプロピレン系重合体延伸
フィルムに関し、詳しくはアンチブロッキング性、滑り
性、耐スクラッチ性、HAZE(霞度)及び光沢等の物
性が良好なプロピレン系重合体延伸フィルムに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般に熱可塑性樹脂フィルム、特にポリ
プロピレンフィルムは、フィルム同士の密着が起こりや
すく、いわゆるアンチブロッキング性が悪いことが知ら
れている。その改良方法としては、ゼオライト、シリカ
等の無機粒子を成形加工時に添加(特公昭42-24523号、
特公昭52-16134号)することが公知である。
【0003】しかしながら上記方法では、十分なアンチ
ブロッキング性、滑り性を得る為に必要な添加量まで上
記無機粒子を添加すると、フィルム延伸時に無機粒子を
核とするボイドが発生してフィルムの内部HAZE(霞
度)が悪化し、また大きな粒子による外部HAZEの悪
化や光沢不良が生じる。さらに、フィルムの表面突起の
形状並びに硬度に由来するフィルム同士の擦れ合いによ
る表面傷付き性すなわち耐スクラッチ性が不良になるな
どの問題があった。このような問題を解決するために最
近では高分子系微粒子を添加する方法(特開昭61-18183
7 号、特開平04-189837 号、特開平04-220436 号)が知
られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら高分子系
微粒子を含有した従来の熱可塑性樹脂フィルムは、無機
粒子に比べ高分子微粒子の硬度が低いため耐スクラッチ
性を向上させることができるが、フィルム表面に形成さ
れる突起の形状が不揃いで、特に高さが高い突起は、フ
ィルムの外部HAZE並びに光沢を悪化させる原因とな
り、またアンチブロッキング性も無機粒子系よりも劣る
ためアンチブロッキング性を改良すべく添加量を増やす
と透明性、光沢の低下を招いていた。
【0005】本発明は、これらの問題点を解決してアン
チブロッキング性、滑り性、耐スクラッチ性、HAZ
E、光沢などの物性が良好なプロピレン系重合体延伸フ
ィルムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究を行った結果、フィルム表面
に特定の範囲の大きさの表面突起を特定数存在させるこ
とによって上記目的を達成できることを見いだした。
【0007】すなわち本発明は、(1) 重合性不飽和結合
を二つ以上含有するラジカル重合可能な化合物と、(2)
重合性不飽和結合を一つ有するメタクリレートおよび/
またはアクリレ−ト化合物と、(3) メタクリレートおよ
び/またはアクリレ−ト化合物を除く重合性不飽和結合
を一つ有する化合物との共重合体からなり、その重量比
が各々(1) 3〜15重量%、(2) 15〜97重量%、(3) 0〜
70重量%である高分子微粒子と、メルトフローインデッ
クス(MI)が 0.5〜50g/10分であるプロピレン系重
合体との混合物を溶融押出し、少なくとも一軸に延伸し
たフィルムであって、そのフィルム表面に形成される突
起のうち、フィルム中心面から0.06μm以上の高さの突
起の数がフィルム1mm2 当たり15〜1000個であり、該
0.06μm以上の高さの突起に対して0.06μm〜0.39μm
の突起数が95%以上、かつ0.06μm〜0.15μmの突起数
が50%以上であることを特徴とするプロピレン系重合体
延伸フィルムである。
【0008】本発明のフィルムに用いられるプロピレン
系重合体としては、プロピレンホモポリマー、プロピレ
ンと他のα−オレフィンとの共重合体、プロピレン/エ
チレンランダムコポリマー、プロピレン/エチレンブロ
ックコポリマー、プロピレン/エチレン/1−ブテンラ
ンダムコポリマーなどが例示でき、これらの混合物や、
また必要に応じてポリエチレン、ポリブテン、スチレン
系樹脂、EPR(エチレン−プロピレンゴム)、EPD
M(エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体)等の
ポリオレフィン系重合体を添加することも可能である。
また、これらプロピレン系重合体のメルトフローレート
(ASTM−D1238に準拠して230℃、2.16kgの加
重を用いて測定した。以下、MIと記す。)は、 0.5〜
50g/10分であり、1.0 〜20g/10分のものが特に好ま
しく用いられる。
【0009】本発明のフィルムに含有する高分子微粒子
は、(1) 重合性不飽和結合を二つ以上含有するラジカル
重合可能な化合物と、(2) 重合性不飽和結合を一つ有す
るメタクリレートおよび/またはアクリレ−ト化合物
と、(3) メタクリレートおよび/またはアクリレ−ト化
合物を除く重合性不飽和結合を一つ有する化合物との共
重合体からなるものであるが、(1) の重合性不飽和結合
を二つ以上含有するラジカル重合可能な化合物は架橋剤
としての役割を持っており、例えばジビニルベンゼンに
代表されるジビニル化合物やエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレートなどのジ(メタ)アクリレート化合
物、トリ(メタ)アクリレート化合物などが挙げられ、
高分子微粒子全体に対する重量比が5〜15重量%の範囲
に有ることが必要であり、5重量%より小さいと耐熱性
に劣り、15重量%より大きいと耐スクラッチ性に劣る。
【0010】また、(2) はCH2CHCH3COORの化学式(アク
リレート化合物はCH2CH2COOR)で表されるRの炭素数が
1から15までのメタクリレート化合物および/またはア
クリレート化合物であり、1種あるいは2種以上組み合
わせてもちいることができる。例えば、(メタ)アクリ
ル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アク
リル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸i-ブチル、(メ
タ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸2-エチル
ヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリルヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドキシ
(メタ)アクリレートなどが挙げられ、高分子微粒子全
体に対する重量比が15〜95重量%の範囲に有ることが必
要であり、15重量%より小さいと耐スクラッチ性に劣
り、95重量%より大きいと耐熱性に劣る可能性がある。
【0011】また、(3) はメタクリレートおよび/また
はアクリレート化合物を除く重合性不飽和結合を一つ有
する化合物からなる共重合体であり、例えば、スチレ
ン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、クロル
スチレン、ブロムスチレンなどの芳香族モノビニル化合
物が挙げられ、中でもスチレンが好ましく用いられる。
本来、これら化合物は上記(1) および(2) の化合物と同
様に高分子微粒子を構成するに重要な成分の一つではあ
るが、上記(2) のメタクリレートおよび/またはアクリ
レート化合物に置き換えることも可能であることから、
必要に応じて用いることができ、したがって高分子微粒
子全体に対する重量比が0〜70重量%の範囲に有ること
が必要であり、この範囲を逸脱すると耐スクラッチ性が
劣る傾向にある。
【0012】上述の化合物よりなる本発明における高分
子微粒子としては、例えば、ジビニルベンゼン/メチル
(メタ)アクリレート/スチレン共重合体、ジビニルベ
ンゼン/メチル(メタ)アクリレート/ヒドロキシプロ
ピルメタクリレート/スチレン共重合体、ジビニルベン
ゼン/n−ブチル(メタ)アクリレート/スチレン共重
合体、ジビニルベンゼン/n−ブチル(メタ)アクリレ
ート/ヒドロキシプロピルメタクリレート/スチレン共
重合体、ジビニルベンゼン/メチル(メタ)アクリレー
ト/スチレン共重合体、ジビニルベンゼン/n−ブチル
(メタ)アクリレート/メチル(メタ)アクリレート/
スチレン共重合体、ジビニルベンゼン/n−ブチル(メ
タ)アクリレート/メチル(メタ)アクリレート/ヒド
ロキシプロピルメタクリレート/スチレン共重合体等が
挙げられる。
【0013】これら上記重合体は、高分子微粒子として
粒径が揃ったものを用いることにより、フィルムの表面
にある一定高さの表面突起とその数を制御することが容
易にできる。その粒径は 0.1〜3μmであることが望ま
しい。このような粒径の揃った高分子微粒子としては市
場で入手可能であり、また、必要に応じて市販の高分子
微粒子を分級したり、乳化重合、分散重合、懸濁重合、
析出重合などの方法で合成されたものを使用することが
できる。
【0014】また上記高分子微粒子のプロピレン系重合
体に対する添加量は、0.01〜0.50重量%が望ましく、0.
01重量%より少ないと十分なアンチブロッキング性、滑
り性を得ることは難しく、また0.50重量%より多いとH
AZE、光沢が悪化してしまうので好ましくない。
【0015】本発明は、後述する方法により得られるプ
ロピレン系重合体と上記高分子微粒子からなるフィルム
の表面に形成される突起のうち、フィルム中心面から0.
06μm以上の高さの突起の数がフィルム1mm2 の面積
中15〜1000個であり、該0.06μm以上の高さの突起に対
して0.06μm〜0.39μmの突起数が95%以上、かつ0.06
μm〜0.15μmの突起数が50%以上であることを特徴と
するものであり、そのフィルムの表面突起が15個より少
なければアンチブロッキング性に劣り、1000個より多け
ればHAZE、光沢が悪化してしまう。また中心面から
0.06μm〜0.39μmの高さの突起の数が0.06μm以上の
高さの突起数の95%より少なければ、表面の平滑性が損
なわれHAZE、光沢が悪化してしまう。また中心面か
ら0.06μm〜0.15μmの高さの突起の数が0.06μm以上
の高さの突起数の50%より少なければ、アンチブロッキ
ング性が劣ってしまい商品価値を大きく損なってしま
う。またフィルム厚みは、4μm〜200 μmであること
が望ましいが、任意のフィルム厚みにおいても突起の高
さと突起数を制御することによって上記目的を達成する
ことができる。
【0016】ここでいう表面突起とは、延伸したフィル
ムに含まれる高分子微粒子によって形成される突起
(山)のことであり、また中心面とは、高分子微粒子に
よって作られたフィルム表面の山と谷の断面の面積が等
しくなるように分割した面をいう。そして表面突起の高
さとは、この中心面からの高さをいい、その平均を平均
高さという。これらの表面突起を測定する方法として
は、JIS−B0601に準拠し、粗さ試験器を用いて
測定するのが一般的である。
【0017】また本発明のフィルムには、上記高分子微
粒子以外に必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、着
色剤、塩酸捕捉剤などの通常プロピレン系重合体に添加
される添加剤を添加することももちろん可能である。
【0018】本発明におけるフィルムは、上述のプロピ
レン系重合体に当該高分子微粒子および必要に応じて上
記添加剤を含有した高分子材料を 200〜300 ℃の範囲で
溶融押し出しして得られた原反シートを少なくとも一軸
に延伸することで得ることができる。
【0019】延伸フィルムを得る場合、下記に示すよう
な条件に限定はされないが、一軸延伸では、例えば、バ
ッチ式二軸延伸機を用い上記原反シートを一端冷却した
後、100〜160 ℃で4〜10倍に機械方向に延伸すること
により得ることができる。また二軸延伸では、一軸延伸
によって得られたフィルムを、更に一軸延伸と同様な条
件で機械方向とは直角に逐次延伸することや機械方向及
び機械方向とは直角な方向への延伸を同時に行う同時二
軸延伸を行うことによって得ることができる。また、工
業的には、押出機より押し出された溶融ポリマーをチュ
ーブのまま両軸に同時延伸するチューブラーフィルム
法、または押出機より押し出された溶融ポリマーを冷却
ロールで冷却固化し、予熱ロールおよび複数の縦延伸ロ
ールで縦方向に延伸し、引き続き横方向延伸装置(テン
ター)内にフィルムを導入して横方向に延伸する連続二
軸延伸するテンター法などを用いてフィルムを得ること
ができる。
【0020】このように延伸して得られるフィルムの厚
みは、その用途に応じて任意に決められ特に限定はされ
ないが、通常4〜200 μmであり、好ましくは8〜100
μmの範囲である。また上記フィルムは当該高分子微粒
子を含まない基層フィルム上に積層することによっても
アンチブロッキング性、滑り性、耐スクラッチ性、HA
ZE、光沢に対する十分な効果を出すことも可能であ
る。この積層する方法としては、基層フィルム用ポリマ
ーと当該高分子微粒子を含む表層用ポリマーを別々の押
し出し機を用いて溶融押出してフィルムを得るというよ
うなものが挙げられる。
【0021】
【実施例】以下に実施例を示し本発明を詳細に説明す
る。尚、以下の実施例におけるフィルム物性の測定は下
記の方法により行った。 ・HAZE:ASTM D1003に準拠した。 ・光沢:ASTM D523−62Tに準拠した。 ・表面突起長さ並びに表面突起数:小坂研究所製三次元
粗さ測定器(MODELSE−3AK(A) 及び三次元粗
さ解析装置MODEL SPA−11(B) )を用いて測
定した。詳しくは、フィルム中任意の1000μm×1000μ
mの領域に対して(A) の装置を用い、ピッチ幅2μmで
表面粗さを測定した後、中心面を高さ0とし、0.03μm
のスライスレベルで表面突起の数を解析した。 ・耐スクラッチ性:2枚のフィルムを用意して、一方の
フィルム(6cm×20cm)を下部フィルムとして固定し、
他方のフィルムを上部フィルムとし、上部フィルムには
2.1kg の錘りをのせて下部フィルムと 2.5cm×13cmの面
積で接触させ、上部フィルムを水平に移動させることに
よって5cm間を往復10回擦り合わせた。この操作を行う
前後のHAZEをASTM D1003に準拠して測定
した。 ・摩擦:ASTM D1894に準拠した。 ・アンチブロッキング性:60mm×60mmサンプル2枚を重
ね合わせ、上部に2kgの加重をのせた状態で40℃、湿度
70%の雰囲気中に24時間放置した後に、2枚のフィルム
を、親指と人差し指で摘み、指先の力で両者を剥す際の
ブロッキングの状態を官能評価した。評価の指標として
は後述の(表1)に示すが、○は指先で簡単に剥離す
る。△はかなりの抵抗を感じるが、指先での剥離は可能
である。×は指先での剥離が不可能である。と記載す
る。
【0022】実施例1 〔高分子微粒子の合成〕撹拌機、温度計および還流コン
デンサーを装備した5リットルのセパラブルフラスコを
用意し、水900 重量部を仕込み、撹拌下に窒素置換しな
がら70℃まで昇温する。内温を70℃に保ちながら重合開
始剤として過硫酸ナトリウム4部を添加して完全に溶解
させた後、予め水300 重量部、ラウリル硫酸ナトリウム
3.2 重量部にメタクリル酸メチル720 重量部、ジビニル
ベンゼン40重量部およびメタクリル酸2ヒドロキシプロ
ピル40重量部を撹拌下に加えて調製しておいた乳化物の
全量の1重量%を添加して70℃で30分重合を行った。次
いで、残りの乳化物を約3時間かけて全量を連続的に添
加し、さらに75℃に昇温して3時間の熟成を行い、固形
分40%、平均粒子径0.2 μmの樹脂粒子エマルジョンを
得た。
【0023】続いて、上記と同様のセパラブルフラスコ
に水1150重量部と上記樹脂粒子エマルジョン15重量部を
仕込み、撹拌下に窒素置換しながら70℃まで昇温する。
内温を70℃に保ちながら、予め過硫酸ナトリウム4重量
部を水40重量部に溶解させておいた重合開始剤水溶液を
全量添加した。次いで、予め水300 重量部、ラウリル硫
酸ナトリウム1.6 重量部、メタクリル酸メチル 720重量
部、ジビニルベンゼン40重量部およびメタクリル酸2ヒ
ドロキシプロピル40重量部を撹拌下に加えて調製してお
いた乳化物を約5時間かけて全量添加し、重合させた
後、さらに75℃に昇温して4時間に熟成を行い、固形分
35重量%、平均粒子径 0.9μmの樹脂粒子エマルジョン
が得られた。この得られた樹脂粒子エマルジョンをスプ
レードライヤーにより乾燥、粉末化して高分子微粒子と
した。このようにして得られた高分子微粒子の組成は、
仕込み重量比から (1)成分/ (2)成分/ (3)成分=5/
85/10重量%であった。
【0024】〔フィルムの製造〕次に、プロピレン系重
合体としてメルトフローレートが 2.0g/10分、アイソ
タクチックインデックス(沸騰n−ヘプタン不溶分)が
96.0%のポリプロピレンホモポリマー100 重量部に対
し、上記方法で合成した高分子微粒子を0.05重量部、酸
化防止剤としてBHT0.30重量部、塩素捕捉剤としてス
テアリン酸カルシウム0.05重量部を添加しヘンシェルミ
キサーで予備混合した後、得られた組成物を樹脂温度が
250℃以下となる条件でペレット化した。次いで得られ
たペレットを50mm径押出機を用い 250℃以下で溶融押
出しして延伸用原反とした。得られた原反厚みは750 μ
mであった。
【0025】このようにして得られた原反シートをバッ
チ式二軸延伸機(T.M−LONG社製)を用い、145
℃、60secの予熱後、縦方向に5倍、横方向に7倍の
逐次延伸を行い、二軸延伸フィルムを得た。このフィル
ムについて物性評価した結果を(表1)に示す。
【0026】比較例1 高分子微粒子に代えて無機粒子(水沢化学社製:シルト
ンMC、平均粒子径1.8 μm)を用いた他は実施例1と
同様にしたところ、耐スクラッチ性が悪化した。結果は
(表1)に示す。
【0027】比較例2 高分子微粒子に代えて有機粒子(日本触媒社製:エポス
ター1004、平均粒子径4±1μm)を用いた他は実
施例1と同様にしたところ、耐スクラッチ性およびアン
チブロッキング性が劣る結果であった。結果は(表1)
に示す。
【0028】実施例2 プロピレン系重合体として、実施例1と同様の方法で得
られるペレットのうち、(A) 高分子微粒子を含まないホ
モポリマーペレットを50mm押出機から、(B)高分子微
粒子を含む実施例1と同組成のホモポリマーペレットを
40mm押出機から同時に共押出しして、(B)/(A) =150
μm/600 μmの厚み組成を持つ積層原反を得た他は実
施例1と同様の方法で評価した。結果は(表1)に示
す。
【0029】実施例3 高分子微粒子の添加量を0.20重量部とした他は実施例1
と同様にした。結果は(表1)に示す。
【0030】実施例4 表層(B) に積層する高分子微粒子の添加量を0.20重量部
とした他は実施例2と同様にした。結果は(表1)に示
す。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】本発明を実施することによりアンチブロ
ッキング性、滑り性、耐スクラッチ性、HAZEおよび
光沢等が良好なで、かつ物性バランスに優れたプロピレ
ン系重合体延伸フィルムを提供することができ、工業上
その価値は非常に高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 7:00 (72)発明者 石井 行雄 大阪府高石市高砂1丁目6番地 三井東圧 化学株式会社内 (72)発明者 星野 太 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1) 重合性不飽和結合を二つ以上含有する
    ラジカル重合可能な化合物と、(2) 重合性不飽和結合を
    一つ有するメタクリレートおよび/またはアクリレ−ト
    化合物と、(3) メタクリレートおよび/またはアクリレ
    −ト化合物を除く重合性不飽和結合を一つ有する化合物
    との共重合体からなり、その重量比が各々(1) 3〜15重
    量%、(2) 15〜97重量%、(3) 0〜70重量%である高分
    子微粒子と、メルトフローインデックス(MI)が 0.5
    〜50g/10分であるプロピレン系重合体との混合物を溶
    融押出し、少なくとも一軸に延伸したフィルムであっ
    て、そのフィルム表面に形成される突起のうち、フィル
    ム中心面から0.06μm以上の高さの突起の数がフィルム
    1mm2 当たり15〜1000個であり、該0.06μm以上の高
    さの突起に対して0.06μm〜0.39μmの突起数が95%以
    上、かつ0.06μm〜0.15μmの突起数が50%以上である
    ことを特徴とするプロピレン系重合体延伸フィルム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07214660A (ja) * 1994-01-27 1995-08-15 Mitsui Toatsu Chem Inc ポリオレフィン延伸フィルム
US5958574A (en) * 1996-02-20 1999-09-28 Sumitomo Chemical Company, Limited Polyolefin resin composition and oriented film therefrom
JP2001072813A (ja) * 1999-09-06 2001-03-21 Japan Polychem Corp ポリプロピレン系樹脂組成物およびその延伸フィルム

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