JPH071748A - 高忠実度印刷方法およびインクジェット印刷カートリッジ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来のキャリッジおよび用紙処理電気機械ア
ッセンブリーをそのまま用いてグレースケールと色解像
度を改善することができる高忠実度印刷技術を提供す
る。 【構成】 印刷媒体上の約１画素領域を満たす単位イン
ク滴量を有する不連続ドロップオンディマンドインクジ
ェット印刷システムで、選択された画素位置に少ないイ
ンク量で印刷を行なう方法であって、印刷媒体上を平行
に横断するキャリッジ上にインク滴供給ノズルを有する
印刷カートリッジを設け、ノズルが単位インク滴量より
少ない量のインクを供給するようにインク滴量を低減
し、印刷媒体上の選択された画素位置に第１の低減され
た量のインク滴を付け、同じ画素位置に第２の低減され
た量のインク滴を付けて印刷を行うが、第２のインク滴
と第１のインク滴は異なるキャリッジの動作によって付
ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、広義にはインクジェッ
ト印刷を向上させる方法と装置に関し、より詳細にはコ
ストと印刷速度の犠牲を最小限にしながら、画像品質と
解像度を大きく改善するための、各画素に加えられるイ
ンク量の制御に関する。

【０００２】

【技術背景】インクジェット印刷システムの使用は、近
年、劇的に広がりつつある。これは、解像度と印刷品質
が大幅に改善される一方で、価格がかなり低化したこと
によるものと考えられる。今日のインクジェットプリン
タは、数年前の同等の製品の価格に比べて大幅に低く、
多くの業務用および家庭用のアプリケーションに対して
十分な印刷品質を提供する。そのような状況にあって、
なおインクジェット印刷品質の改善のための研究開発が
続けられている。一般に、その印刷品質は、写真印刷や
オフセット印刷、グラビア印刷と言ったより費用のかか
る技術には及ばない。そこで、そのコストを増大させる
ことなく、インクジェット印刷システムの印刷品質を向
上させると言う課題が残っている。この目的を達成する
努力に対して、ドロップオンディマンド法および殆どの
連続インクジェット法は、２値的であると言う基本的制
約がある。すなわち、紙（あるいは他の出力媒体）の各
画素（ピクセル）にインクを付けるか、全く付けないか
のどちらかしかできない。このため、グレースケール解
像度が厳しく制限される。

【０００３】カラーインクジェットプリンタは、通常、
３色あるいは４色のインク（マゼンタ、黄、シアン、お
よび場合によって黒）だけを用いる。従って、各画素に
これらの色の異なる組合せを用いて非常に限られた範囲
の色合しか印刷することができない。このようにして形
成することのできる色の範囲すなわち色解像度は、２〜
３滴以上のインクを付けると量が大きくなり過ぎ、にじ
み（ｂｌｅｅｄ）やまだら（ｍｏｔｔｌｅ）が発生し易
くなるため、厳しく制約される。かかる制約は、従来、
いわゆるディザー（ｄｉｔｈｅｒ）技術によって多少緩
和されてきた。この技術では、画像を多数の正方形のマ
トリックスに分割する。各マトリックスは、例えば４×
４画素あるいは８×８画素と言った一定数の画素を有す
る。マトリックス毎にインクを付ける画素数を変えるこ
とによって、異なる色合を得ることができる。従って、
４×４のマトリックスを用いると１６の異なる色合と白
（無色）を生成することができ、８×８のマトリックス
では白に加えて６４の色合を得ることができる。従っ
て、ディザリングは、基本システムカラー以外の全ての
色に対して有効空間解像度を低下させる。あるシステム
の基本システムカラーは、単一のグリッド内に印刷可能
な色である。さらに、進んだディザリング技術やデジタ
ルハーフトーニング（ｄｉｇｉｔａｌ ｈａｌｆｔｏｎ
ｉｎｇ）技術を用いても、インク滴が比較的大きい場
合、一般に画像が粗くなり、印刷の粒状性が肉眼にも明
らかなものになる。

【０００４】印刷画像の品質は、各画素の色密度を連続
的に変化させることができれば、劇的に向上させること
ができる。これは、非常に小さい画素を用いて通常の距
離では裸眼では解像できないようにすれば、殆ど連続的
に変化させることができる。従って、例えば、１ｍｍに
対して１００画素のグリッド上に形成された画像は、裸
眼で見た場合には、写真カラー印刷の場合のような真に
連続的な色調の画像と同じ外観を持つものになる。問題
は、このような良好な解像度を低コストで達成できるか
どうかである。

【０００５】当該技術分野において、ノズルが詰まった
り部分的に動作不能になったりした場合の影響を小さく
するために、それぞれの印刷ドットを少なくとも同じ色
のインクの２つのインク滴で形成し、それぞれのインク
滴を異なるノズルから射出するようにすることが知られ
ている。第２のインク滴は、印刷ヘッドの２回目の通過
時あるいは戻りの際に加えられる。この種の技術が米国
特許４，９６３，８８２号に開示されている。この“ダ
ブルドット”技術では解像度は改善されない。

【０００６】“Ｇｒａｙ Ｓｃａｌｅ Ｐｒｉｎｔｉｎ
ｇ ｗｉｔｈ Ｉｎｋ Ｊｅｔｓ”と題するＶａｕｇｈ
ｔの米国特許４，４９４，１２８号には、実際のジェッ
ト印刷処理中にビヒクル（希釈剤）をインクと混合して
目に見える印刷密度（グレースケール）に変化を持たせ
るためのサーマルインクジェットシステム中の弁装置が
開示されている。かかるシステムを変換器チャンバー中
の色の混合に適用することが提案されている。かかる技
術は実際に実施することが困難である。

【０００７】Ｈｅｒｔｚその他の米国特許４，６２０，
１９６号には、高解像度インクジェット印刷のための方
法と装置が開示されている。Ｈｅｒｔｚの特許は、かな
り複雑な従って高価なシステムを開示している。この特
許には、非常に小さなインク滴の連続的な流れが毎秒１
００万滴と言った非常に高い一定の頻度で射出される種
類のインクジェット印刷システムが開示されている。
“印刷パルス”と呼ばれる電気信号によって液滴形成点
を取り囲む電極が制御されて、それに従って連続ジェッ
トから生成されるインク滴が充電されたりされなかった
りする。次に、かかるインク滴が電場を通過するとき、
充電されたインク滴は偏向されてキャッチャーに入り、
充電されなかったインク滴は偏向されず記録紙に射出さ
れる。Ｈｅｒｔｚの特許によれば、各画素に加えられる
インクの量は、それらの画素に付けられるインク滴の数
を変化させることによって制御される。インク滴の数
は、制御信号の持続時間あるいはパルス幅によって制御
される。これは、インク滴は一定の速度で発射されるた
めである。この技術は高い解像度を提供する。例えば、
この特許では１つの画素に０から３０のインク滴が付け
られ、ほとんど連続的な解像度が得られて色密度が制御
される。

【０００８】Ｈｅｒｔｚの特許自体に述べられているよ
うに、“この発明の原理は、比較的単純に見え、また事
実単純であるが、それを実用化することは極めて困難で
ある”。このＨｅｒｔｚその他の特許には、上述した印
刷システムの幾つかの問題点を挙げている。例えば、イ
ンク滴の直径は非常に小さくなければならず、またイン
ク滴の生成速度は一般に高くまた基本的に一定でなけれ
ばならない。また、微小なインク滴は高い空気抵抗を受
けるため、個々のインク滴だけでなく、インク滴群もま
た用紙に到達する前に合体する傾向があり、これによっ
て粒状性が目立つようになる。従って、高いインク滴生
成速度を保証するには、ジェットの直径を小さく、また
その速度を高くしなければならない。ジェットのインク
滴形成処理を超音波を用いて励起することは、高く一定
したインク滴生成速度を保証し、またインク滴の直径を
制御する上で必須である。用紙に到達すべきインク滴を
僅かに帯電させて、それによって同じ電荷がインク滴の
間で反発力を発生してインク滴の合体する傾向に対抗す
るようにする電気装置が必要とされる。以上の課題、ま
たその他の課題、あるいはそれによって加わる複雑性に
よって、装置が非常に高価なものになる。従って、低コ
ストのインクジェット印刷システムから高品質の出力を
得ることが望まれている。

【０００９】Ｃｈｅｅ−Ｓｈｕｅｎその他の米国特許
４，４９９，４７９号には、インク滴の量を実時間で変
化させるための円筒状の圧電変換器印刷ヘッドを用いた
グレースケール印刷が説明されている。すなわち、この
変換器は、別々に起動することのできるセクションに分
割されている。駆動信号が、かかるセクションのうちの
１つあるいはそれ以上を選択的に起動して、印刷データ
に応じた内部圧力波を形成して、所望の量のインク滴が
形成されるようにしている。インク滴の量をさらに制御
するために、この駆動信号の振幅を変化させることがで
きる。駆動信号のパルス幅を変化させて、さらに調整を
行なうことできる。しかし、かかる駆動信号を提供する
ための制御手段は、比較的複雑である。さらに、変換器
をセグメント化するこの方法は、サーマルインクジェッ
ト印刷には適用することができない。

【００１０】Ｍｉｙａｋａｗａの米国特許４，６１７，
５８０号には、印刷媒体が紙であるか第二原紙であるか
を判定する検出器を有するインクジェットプリンタが開
示されている。後者である場合には、このプリンタは、
通常の１画素領域に複数のインク滴を付け、それぞれの
インク滴を水平方向および／または垂直方向に互いに僅
かにずらして、第２原紙上のインクジェット印刷に必要
な媒体の塗布範囲を向上させている。この特許によれ
ば、インクドットは、記録紙の送りピッチを細かくする
ことによって、垂直方向にずらすことができ、また射出
タイミングの遅延時間をずらすことによって、あるいは
水平方向の射出ピッチを小さくすることによって、水平
方向にずらすことができる。第二原紙は拡散性が低くイ
ンク滴の量に対して色ドットのサイズが小さくなるた
め、画素領域に対する塗布範囲を改善するためにインク
滴は僅かにずらされる。しかし、用紙の送りピッチ（垂
直方向）を小さくすることおよび／または水平方向の解
像度（すなわち、キャリッジの位置決め）を細かくする
ことは、それにかかわる機械的アッセンブリーを大幅に
改良することを要し、大幅なコスト増につながる。

【００１１】

【発明の目的】本発明は、印刷グリッド解像度の増大を
必要とすることなく、サーマルインクジェット印刷シス
テムのグレースケールと色解像度を改善する方法を実施
するための方法および装置を提供することを目的とす
る。

【００１２】

【発明の概要】従って、本発明によれば、周知のキャリ
ッジおよび用紙処理電気機械アッセンブリーは、実質的
にそのまま用いられる。本発明は、インク滴の総量およ
び／またはインク染料濃度をより良好に制御することに
よって、所定の画素グリッド中の解像度を向上させる。

【００１３】本発明の第１の特徴によれば、インクの名
目（ｎｏｍｉｎａｌ）の量あるいは“単位量”は、印刷
媒体のほぼ１画素位置に対して選択されたインクの量と
して定義される。つまり、この単位量は、ペンのノズル
から射出される１つのインク滴の通常の量である。印刷
品質を向上させるためには、インク滴の量はこの単位量
以下に低減され、印刷動作を複数回行なって、各画素位
置にこのような低減された量のインク滴を２つ以上付け
ることを可能にする。従って、インクの単位量は、同じ
画素位置に少なくとも２つの低減された量のインク滴を
付けることによって形成する（あるいは近似する）こと
ができる。

【００１４】ある例では、かかる低減された量は、単位
量の半分に等しい。これは、通常の２値的なモードでは
なく、３つのレベル、すなわちゼロ、半量、単位量の選
択を可能にすることによって、印刷密度の解像度が増大
するという利点を有する。色（あるいはグレースケー
ル）解像度を上げることに要するコストの増大は、印刷
グリッド解像度（例えば３００ＤＰＩ）が維持されるた
め、さほど大きくはない。従って、本発明を用いるのに
印刷グリッドを規定するプリンタの機構や駆動手段の改
造は必要ではない。

【００１５】本発明の第２の特徴は、１つの印刷システ
ムに少なくとも２つの異なるインク滴量を提供すること
である。かかる２つの量は、１つの印刷カートリッジ中
で、あるいは複数の印刷カートリッジを用いて実施する
ことができる。一例としては、そのノズルの半分が単位
量の１／３のインク滴を射出するように構成され、他の
半分が単位量の２／３のインク滴を射出するように構成
された印刷カートリッジがある。同一水平線上で両方の
インク滴量が使用可能である場合（“インラインペンレ
イアウト”−図３（Ａ）参照）、印刷ヘッドが１回通過
するだけで、４つの可能なインク量、すなわち０、１／
３、２／３、あるいは３／３（ｉ）単位インク量のうち
の任意の１つが各グリッド位置に付けられ、これによっ
て解像度が増大する。同じ印刷ヘッドが再度通過する
と、合計で４／３、５／３、６／３（ｉｉ）単位量のイ
ンクが各グリッド位置に付けられ、可能なレベルは合計
で７つになる。オフセットペンレイアウト（図３（Ｂ）
参照）を用いると、同じ７つのレベルが４回の通過で可
能である。この原理を拡張して、さらにインク滴量を増
やし、また印刷ヘッドの通過回数を増やせば、印刷され
る単位面積当たりのドットサイズをさらに小さく、ドッ
ト数をさらに多くして解像度をさらに高めることができ
る。

【００１６】本発明の第３の特徴は、“染料負荷”とも
呼ばれるインク着色剤濃度を変化させることによって、
印刷品質を向上させることである。染料負荷は、インク
が媒体に塗布されるとすぐに蒸発するインクのキャリア
あるいは溶液部分と区別される印刷溶液中の染料あるい
は着色剤の相対量である。インクの染料負荷は、印刷ド
ットの色密度に影響する。従って、インク中の染料負荷
の低下は、空間解像度の向上と基本システムカラーの数
の増大に利用することができる。

【００１７】本発明の第４の特徴は、単一のペンに提供
された複数の染料負荷を利用する印刷法であることであ
る。例えば、特定のカラーインクの３つの異なる染料負
荷を提供するのに３つのチャンバーを有するペンを用い
ることができる。３つの染料濃度と２回の印刷動作によ
って２７のグレースケールレベルが提供される。１つの
カラーシステムにおいて、各色に対して３つの染料濃度
を提供することができる。ＣＹＭシステムにおいては、
例えばこの構成によれば１９，６８３のドットの組合せ
（２７シアン）×（２７マゼンタ）×（２７黄）が可能
であり、これによって１９，６８３の基本システムカラ
ーが提供される。

【００１８】本発明の第５の特徴は、インク量の低減と
染料負荷の低減の技術の組合せである。これら２つの変
数を個々に制御して、この場合にも印刷グリッドを構成
する駆動機構、ハードウエアおよびソフトウエアを変更
することなく、解像度を大きく向上させることができ
る。本発明の利点は、任意のプリンタグリッドサイズに
適用できることはもちろんである。

【００１９】本発明の以上の目的、特徴および利点、ま
たその他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行
なう以下の実施例の詳細な説明からより明確になるであ
ろう。

【００２０】

【実施例】

〔プリンタ装置の概要〕図１において、１０は不連続イ
ンクジェット印刷システムを示す。この種類のインクジ
ェットプリンタは、印刷技術の分野においては周知であ
り、例えばＨｅｗｌｅｔｔ−ＰａｃｋａｒｄのＤｅｓｋ
Ｊｅｔ ５５０ＣＴＭがある。このプリンタの重要な
構成要素には、プリンタ１０の幅全体に伸張する横棒１
２が含まれる。横棒１２には、横棒１２に沿って直線的
に移動するキャリッジ１４が取り付けられている。図１
には示していないが、このキャリッジを横棒１２に沿っ
て前進させる手段が設けられている。しかし、かかる手
段は、当該技術分野では周知であり、ステッパモーター
とギヤを含む。キャリッジ１４は、印刷カートリッジ１
６および１８を受けるように設計されている。印刷カー
トリッジ１６および１８は、それぞれ別々のインク溜め
を有する。本実施例において、印刷カートリッジ１６に
は３つの別々の着色顔料（Ｃ，Ｙ，Ｍ）が入っており、
印刷カートリッジ１８にはキャリッジ１４の着色顔料
（Ｋ）が入っている。各印刷カートリッジの下側には複
数のインクジェットノズルが配置され、対応するカート
リッジに蓄えられたインクはこれらを通過する。これら
のノズルを選択的に作動させて印刷媒体に所望の画像を
形成する能力はインクジェット印刷の分野では周知であ
る。

【００２１】媒体トレー２０中に設けられた紙等の印刷
媒体は、通常１組の駆動ローラ（図示せず）によって、
媒体トレー２０から取出され、制御された態様で軸Ｘに
沿って進められる。印刷媒体がＸ軸に沿って通過すると
き、キャリッジ１４は、印刷カートリッジ１６および１
８を印刷媒体上に位置決めするように、横棒１２に沿っ
て進められる。印刷カートリッジ１６および１８が所望
の位置に位置決めされると、いずれかのカートリッジあ
るいは両方のカートリッジの適当なノズルが動作可能に
なる。動作可能になったノズルはその中にインク滴を形
成し、次にこれがその下の印刷媒体上に射出される。次
に、キャリッジ１４は、通常、プリンタの水平方向の解
像度を規定する量だけ横棒１２に沿ってさらに送られ、
この処理全体が繰り返される。キャリッジ１４が印刷媒
体の幅全体に移動した後、印刷媒体は、通常、そのプリ
ンタの垂直方向の解像度によって規定される所定の量だ
け送られ、キャリッジは横棒１２に沿ってその通路を逆
方向に戻る。

【００２２】図２は、従来の印刷カートリッジ２２上の
印刷ノズルの構成の一例を示す。この例では、それぞれ
のノズルを小さな円で表わしている。これらの印刷ノズ
ルは、６つの平行な垂直方向の列に構成されている（こ
こで、垂直とは、印刷カートリッジの走行に対して垂直
であることを意味する）。この例では、各列に１６のノ
ズルがあるが、この数は設計に応じて選択することがで
きる。列の各対、例えば列２４と列２６は、列中の隣接
するノズルの間の距離の半分だけ互いに垂直方向にずら
されている。これによって垂直方向の解像度が向上す
る。例えば、１つの列中で３００分の１インチの間隔の
インクジェットノズルを実施することは困難である。３
００ＤＰＩの印刷は、それぞれの色のインクに対して列
２４、２６のような２つの平行なノズル列を設け、各列
中のノズルを垂直方向に互いに１５０分の１インチの間
隔に配することによって達成される。各列を１５０分の
１インチずらすことによって、２つの列のうちの１つの
ノズルを要求に応じて適当に起動させることにより３０
０ＤＰＩの垂直解像度を得ることができる。

【００２３】〔低減したインク滴量による印刷〕ドット
は、紙あるいはその他の媒体上に印刷された１つのイン
クの点である。ドットを小さくすれば、個々のドットの
識別が付き難くなり、印刷品質が向上する。例えば、ド
ットが小さくなれば、明るい色調を、より平滑で、粒状
性の少ないものにすることができる。ある領域中のドッ
ト数を増やせば、紙のその領域中に表示される情報の量
が増え、これによって可能な色およびグレースケールの
数が増える。色相間の色の変化がより滑らかになり、中
間調の色がより均一になる。その他に、ドラフト品質の
向上、コンポジットブラック（ｃｏｍｐｏｓｉｔｅｂｌ
ａｃｋ）の向上、二次色（ｓｅｃｏｎｄａｒｙ ｃｏｌ
ｏｒ）が明かるくなる、染料のバランスをとるさいの自
由度が増すといった利点がある。

【００２４】まず、単位インク滴量を、ある印刷媒体上
のほぼ１つの画素位置を満たすために選択される通常の
量と定義する。印刷品質を向上させるために、インク滴
量はこの単位量以下に低減され、複数の印刷動作を用い
て、複数の低減された量のインク滴を、各グリッドある
いは画素位置に１回の動作について１滴付ける。１つの
グリッド位置は、印刷装置がドットを置くことのできる
最も細かい分割位置である。例えば、３００ドット／イ
ンチ（ＤＰＩ）の機械は、３００分の１インチの各グリ
ッド位置に印刷を行なう。本発明によれば、印刷カート
リッジが各グリッド位置を通過する度に１つのドットを
印刷することによって、各グリッド位置に複数の低減さ
れた量のドットが印刷される。従って、各位置に印刷さ
れるドットの総数は、印刷動作の回数以下である（これ
は、次に説明するインラインペンレイアウトを用いた複
数インク量印刷の場合には必ずしも当てはまらな
い。）。

【００２５】本発明の一実施例の一例においては、印刷
カートリッジは、“単位量”すなわち同じ解像度の場合
の“通常の”インク滴の量の半分のインク滴を提供する
ように改造される。キャリッジが印刷媒体上を始めに通
過するとき、所望の画像に応じて各画素位置にインク滴
が付けられないか、あるいは半分の量のインク滴が付け
られる。キャリッジが印刷媒体上を２回目に通過すると
き、プリンタは、再度任意の画素位置にインクを付けな
かったり、あるいは半分の量のインク滴を付けることが
できる。このように、２回の印刷動作で、それぞれの画
素位置に対して３つのインク滴の組合せが得られる。す
なわちインク滴が付けられない場合、１滴の場合、２滴
の場合である。３色システムにおいては、この方法によ
って、２７のドットの組合せが提供される。すなわち６
つの原色（ｐｒｉｍａｒｙ）、１２の二次色、８つのコ
ンポジットブラックあるいはニア（ｎｅａｒ）ニュート
ラル（および白）である。

【００２６】図４において、選択されたドットの組合せ
を、例えば画素３２、３４等の画素領域の規則的な配列
からなる所定の矩形の印刷グリッド３０上に示す。色
は、黄、シアン、およびマゼンタについて図示するよう
な斜線の方向により示される。インク滴の量は、１つの
画素領域をほぼ満たす単位量よりかなり少ない（１つの
画素は、これよりさらに小さい名目上のドットサイズを
垂直方向および／または水平方向にずらすことによっ
て、より完全に近く満たすことができる。この“位相シ
フティング”はペンレイアウトで実行するか、あるいは
ドット発射タイミングを変えることによって実行するこ
とができるが、印刷グリッドの変更は一般に望ましくな
い。）。

【００２７】図４において、印刷グリッド３０の左上の
四分区画３６を形成する４つの隣接する画素は、それぞ
れが各色の単一のドットを含む。３つの色の全てが２回
の動作の度に印刷され、合計で６つのインク滴が印刷さ
れている。右上の四分区画３８には、マゼンタとシアン
のドットがやはり２回の印刷動作のそれぞれにおいて１
ドットずつ印刷され、合計で４つのインク滴が印刷され
ている。左下の四分区画４０には、黄とマゼンタのイン
クが１ドットずつ示され、最後に右下の四分区画４２に
は、マゼンタとシアンのドットが示されている。下の四
分区画は、１回あるいは２回の印刷動作で印刷すること
ができる。図４は、多数の可能なドットの組合せのうち
の極く一部を示す。次の表１には、２７の可能な組合せ
を掲げている。

【００２８】

【表１】

【００２９】さまざまな色のドットの選択された印刷順
序によって得られる印刷画像には、別の順序の場合に比
べて、僅かに色調のずれがあることに注意しなければな
らない。この効果は、ここに説明したものより大きい範
囲の基本システムカラーを提供する場合に利用すること
ができる。

【００３０】コンピュータソースデータ（画像データ）
の特定のプリンタデータへの変換は、通常、ソフトウエ
アで実施されるプリンタドライバによって行なわれる。
このドライバソフトエアは、デジタルハーフトーニング
技術を用いて、画像データを目標出力装置の解像度に変
換する。すなわち、本発明は、３００×３００ＤＰＩの
シアン／黄／マゼンタ印刷システムに適用することがで
きる。デジタルハーフトーニングは、（プリンタドライ
バ中で）ソースデータを２４ビット／画素（８ビット／
色）から６ビット／画素に低減するのに用いられる。こ
の６ビットデータは、シアン、マゼンタ、黄に対して１
つずつの計３つの２ビット構成要素からなる。これら２
つのビットは、それぞれ１つの印刷グリッド位置におい
て、単位量の１／２のインク滴を制御する。

【００３１】複数回の印刷動作を用いて印刷を行なうこ
とには別の利点がある。これによって、インクのにじみ
の管理が改善され、また機構やペンのドット配置誤りが
目立たない。この印刷モードを実施するためのコストの
上昇は、グリッド解像度が一定であるため最小限です
む。Ｍｉｙａｋａｗａの特許に開示されるような、ドッ
トをずらすための細かいピッチ制御は不要である。ペー
ジを印刷する時間が増大するという問題はあるが、多く
のアプリケーションにおいて、複数回の印刷動作は、い
わゆる“シングリング”技術等の他の理由ですでに用い
られている。さらに、印刷モードの選択はユーザーの制
御下で行なうことができ、ユーザーは、ドラフト品質の
出力をより高速にするために、高解像度の印刷モードを
不能にすることができる。ユーザーの選択は、ハーフト
ーニングを制御するために、ドライバソフトウエアに入
力される。

【００３２】この本発明の原理をさらにインク量の低減
に利用して、印刷品質の向上を得ることができる。例え
ば、単位量の１／３のインク滴を３回の印刷動作で印刷
することができる。同様に、インク量は、単位インク滴
量の１／４まで低減することができ、この場合、４回の
印刷動作を行なう。インク滴量を１／４にすると、それ
ぞれの原色のインクに対して、各グリッド位置におい
て、５つのレベルの密度が提供される（４レベルのイン
クとインクなし）。５つのレベルが提供されると、３色
システムにおいて各グリッド位置に５×５×５、すなわ
ち１２５の原色のインク滴の組合せが得られる。従っ
て、このシステムは、１２５の基本システムカラーを有
する。

【００３３】例えば、インク滴の量をさらに名目値の１
／８に低減するというような他の変更態様を用いること
もできる。１／８のインク滴量は、各原色に対して９つ
の密度レベルを提供し、その結果（３つのカラーペンの
場合）９回の印刷動作で各グリッド位置に９×９×９、
すなわち７２９の可能な色の組合せを得ることができ
る。４色システム（例えば、ＫＣＭＹ）においては、１
／８のインク滴量とすることによって９×７２９、すな
わち６，５６１の基本システムカラーが得られる。

【００３４】印刷品質は、黒インクの解像度の増大とこ
のインク量低減法を組合せることによって、さらに向上
させることができる。殆どの画像情報は、グレーコンテ
ントに含まれているため、この方法を用いて、僅かなコ
スト増で大きな色品質の向上を得ることができる。これ
を説明すると、３００ＤＰＩ色システムにおいて、グレ
ー解像度を６００ＤＰＩに上げると、基本的に各グリッ
ドすなわち画素位置において最大で５レベルのグレー系
の解像度が提供される。上述したように、単位量の半分
のカラードットを２回の印刷動作で印刷することができ
る。ただし、黒のインクは、３００×３００のグリッド
位置を満たす２×２ドットの超画素中に、０、１、２あ
るいは４ドットで印刷することができるインク滴の量
は、３００ＤＰＩインク滴量の約１／４である。この構
成は、最小の黒ドットサイズで、各画素に４つのグレー
レベルを提供する。各画素において得られるドットの組
合せを表２にまとめて示す。これらの組合せのうち５０
以上が使用可能である。

【００３５】

【表２】

【００３６】従って、この低減インク量印刷法は、ドッ
トサイズの縮小とある領域中のドット数の増大とによっ
て、カラーおよび／またはグレースケール印刷品質を向
上させる。重要なことは、次に説明するように、複数の
インク滴量を提供することによって、印刷動作の回数を
直線的に増やすことなく、印刷品質の向上を達成するこ
とができることである。

【００３７】〔複数インク量印刷〕本発明の他の特徴
は、単一のドロップオンディマンド印刷システムにおい
て、複数の異なるインク滴量を用いることである。好適
には、複数の異なるインク滴量が単一の印刷カートリッ
ジ中で用いられるが、複数のカートリッジが単一のキャ
リッジに取り付けられる。使用可能なインク滴量は、そ
れぞれ予め定められる。図６において、インクジェット
プリンタの一部を斜視図で示す。改造されたキャリッジ
７０が、横断レール７２に取り付けられている。キャリ
ッジ７０は、４つの印刷カートリッジ６２、６４、６６
および６８を受け、これらを搬送するように構成されて
いる。各カートリッジは、単一の色、例えばＣ、Ｍ、Ｙ
あるいはＫのインク滴を提供するように構成されてい
る。さらに、各カートリッジは、要求に応じて、対応す
るインクの少なくとも２つの異なる量からの選択を可能
にするように構成されている。

【００３８】複数のインク滴量を印刷するためのペンノ
ズルの構成（“ペンレイアウト”）の一例を図３（Ａ）
に示す。図３（Ａ）において、ノズルは、それぞれの色
に対して１列ずつの計３対の列に構成されている。例え
ば、列７８と列８０は、いずれもシアンのインクを射出
する。ただし、列７８中のノズルから射出されるインク
滴の量は、列８０からのものより少ない。例えば、列７
８のノズルは、単位量の１／８を提供し、列８０は３／
８の量を提供する。

【００３９】インク滴の量の変化は、必ずしもノズルサ
イズすなわち口径を変えることによって提供する必要は
ない。カートリッジの内部構造の適当な変更および／ま
たはカートリッジを制御する駆動信号の変化を用いて、
インク滴の量を変えることができる。サーマルインクジ
ェット印刷ヘッド中のインク滴量の制御については、米
国特許４，３３９，７６２号に論じられている。

【００４０】複数の異なるインク滴量を用いた印刷方法
は、印刷動作回数を直線的に増大させることなく、イン
ク滴の量を幅広く制御することを可能にする。例えば、
その半分のドットが１／３単位量であり、他の半分が２
／３単位量である印刷カートリッジを設けることができ
る。これらのノズルは、両方の量が同じ水平線上で使用
可能であり、それによっていずれか一方あるいは両方の
量を１回の動作で印刷することができるように構成する
ことができる。これをインラインペンレイアウトと呼
び、図３（Ａ）に示す。このように構成されたペンを用
いて、０、１／３、２／３、３／３のインク滴量を、１
回の動作で各グリッド位置に印刷することができる。あ
るいはこれらのノズルを、図３（Ｂ）に示すように、異
なる量が互いに垂直方向にずれるように構成することが
できる。これをオフセットペンレイアウトと呼ぶ。斜め
レイアウト等のその他の構成も可能である。オフセット
レイアウトのペンで２回の印刷動作を行なうと、上述し
た４つのインク量レベルが提供される。

【００４１】図５において、印刷グリッド４４の一部
は、３つの画素列、すなわち列４６、５０および５４を
有する。列４６を形成する画素はそれぞれ例えばドット
４８等の１ドットのインクを有し、それぞれのドットは
単位量の約１／３のインクを有する。列５０を形成する
画素はそれぞれ例えばドット５２等の１ドットのインク
を有し、これらのドットは単位量の約２／３のインクを
有する。列５４を形成する画素は、それぞれ例えば多重
ドット４８等の２ドットのインクを有する。ドット５６
は、２／３単位量のインク滴５７と１／３単位量のイン
ク滴５８によって形成される。これらのドットのいずれ
かあるいはその全てを上述したインラインペンレイアウ
トを用いて１回の動作で印刷するか、あるいはオフセッ
トペンレイアウトを用いて２回の印刷動作で印刷するこ
とができる。本発明のこの特徴を応用して他のインク滴
量を選択し、追加の印刷動作を用いて、さらに小さいド
ットと、より大きな領域当たりドット数を得ることがで
きる。これらの技術は、基本的な印刷グリッド解像度を
変更することなく、印刷品質を大きく向上させることが
わかった。

【００４２】他の例では、印刷カートリッジのノズルの
半分が単位量の１／８の量のインク滴を供給するように
構成され、他の半分が単位量の３／８のインク滴量を供
給するように構成されている。この場合、（インライン
ペンレイアウトを用いた）２回の印刷動作によって、各
グリッド位置に、９つの密度レベル、すなわち０、１／
８、２／８、３／８、４／８、５／８、６／８、７／
８、８／８単位総インク量のうちのいずれかが提供され
る。同じ解像度を、オフセットペンレイアウトを用い
て、４回の印刷動作を用いることによって達成すること
ができる。通常の単位量を越える量、すなわち１０／８
（１２５％）および１２／８（１５０％）もまた、４回
の印刷動作で得ることができる。これらは、例えば、第
二原紙あるいはインク量を増やすことを必要とするその
他の媒体に印刷を行なうときに有効である。あるカラー
システム、例えばＣＭＹシステムにおいて、１画素／１
色当たり９レベルがある場合、（９シアン）×（９マゼ
ンタ）×（９黄）＝７２９のドットの組合せ、すなわち
基本システムカラーを得ることができる。

【００４３】ドットの組合せを実際に用いる場合、およ
びプリンタを駆動するためのデータの符号化の方法に
は、いくらかの自由度がある。例えば、前述の例の９つ
の可能なインク量のうちの７つあるいは８つを、最も使
用頻度の高いものとして選択することができる。この場
合、ドライバソフトウエアを１色／１画素当たり３ビッ
トデータを提供するように構成し、これによって選択さ
れたレベルのうちの１つを指定することができる。

【００４４】本発明は、絶対ドットサイズが定量化さ
れ、有効ドットサイズあるいは密度が複数の絶対ドット
によってより大きな有効ドットが形成されるときに増大
する他の走査ヘッド印刷あるいは画像形成技術に適用す
ることができる。

【００４５】〔低減された染料負荷による印刷〕本発明
の他の特徴は、“染料負荷”とも呼ばれるインク濃度を
調整することによって印刷品質を向上させることであ
る。まず、標準染料負荷を、単位インク滴量のその標準
染料負荷のインクがある媒体に塗布されるとき、許容可
能な大きさと密度（および他の特性）を有するドットを
形成するように選択される通常のあるいは正規の染料負
荷と定義する。従って、半分の染料負荷のインク滴（単
位量）は、用紙に、単位染料負荷インクのドットの半分
の染料しか提供しない。低減された染料負荷のドット
は、標準染料負荷のドットより光学濃度が低い。

【００４６】低減された染料負荷は、密度解像度を増大
するという利点を有する。例えば、染料負荷を標準の染
料負荷の半分に低減すると、基本的には、通常の２値的
なモードではなく、３つのドットサイズ、すなわち０、
半染料負荷、あるいは標準染料負荷を提供する。ペンレ
イアウトによっては、ある画素上に全密度のドット（す
なわち、２つの半染料負荷のドット）を印刷するのに、
２回の印刷動作を必要とする場合がある。ただし、２回
の印刷動作は、他の目的にために、多くのインクジェッ
トプリンタアプリケーションに用いられている。さら
に、低減された染料負荷の使用によって、高解像度を達
成するうえでのコスト増はさほど大きくはない。これ
は、低減されたインク滴量を用いる技術の場合と同様
に、既存のプリンタグリッド解像度、例えば３００ＤＰ
Ｉを用いることができる。従って、印刷グリッドを規定
する標準のプリンタ機構や駆動手段に対する改造を必要
としない。

【００４７】低減染料負荷法は、ハードウエアの変更を
必要とせず、多くのインクジェットプリンタシステムに
実施することができる点が特に有益である。染料低減イ
ンクは、取替え可能な印刷カートリッジに入れて提供す
ることができ、印刷法に必要な変更は、ディザリングソ
フトウエア中に実行される。インク滴の量に関連して上
述したように、染料負荷は、例えば１／２、１／３、１
／４等に低減することができ、これに対応して印刷動作
の回数が増える。

【００４８】複数の異なる染料負荷を用いると特に有益
である。かかる各種の染料負荷を単一の印刷カートリッ
ジ中で使用できるようにすると好適である。この方法に
よれば、印刷動作の数を直線的に増やすことなく、解像
度（密度レベルの数）を増大することができる。各種の
染料濃度のインク滴を、単一の画素中で組合せることが
できる。一例としては、使用できる３つの染料負荷を有
し、印刷ヘッドの２回の動作を用いるシステムがある。
これによって、各グリッド位置に、それぞれの染料濃度
のインク滴を、最大で２つまで供給することができる。
染料負荷は、中間濃度のインク１滴が低い濃度のインク
２滴より暗く、高い濃度のインク１滴が中間濃度のイン
ク２滴より暗くなるように選択される。

【００４９】２７の密度レベルを２回の印刷動作で得る
ことができる。第１のレベルは、インク滴が付けられな
い場合である。第２のレベルは、低濃度のインク滴１滴
だけからなる。第３のレベルは、２回の印刷動作で重ね
て付けられた２つの低濃度のインク滴に対応する。前述
したように、２つの低濃度のインク滴は、レベル４の１
つの中間濃度のインク滴より低濃度のインク滴を形成す
る。レベル５は、中間濃度のインク滴１つと低濃度のイ
ンク滴１つからなる。レベル６は、２つの低濃度のイン
ク滴と１つの中間濃度のインク滴からなる。レベル７
は、それぞれがキャリッジの別々の動作において付けら
れた２つの中間濃度のインク滴からなる。レベル８は、
２つの中間濃度のインク滴と１つの低濃度のインク滴か
らなり、低濃度のインク滴と中間濃度のインク滴のうち
１つは１回目の印刷動作で付けられ、第２の中間濃度の
インク滴は２回目の印刷動作で付けられる。

【００５０】レベル９は、２つの低濃度のインク滴と２
つの中間濃度のインク滴からなり、２つの連続する印刷
動作のそれぞれにおいて、１つの低濃度のインク滴と１
つの中間濃度のインク滴が付けられる。レベル１０から
レベル１８を生成するためには、１つの高濃度のインク
滴をレベル１からレベル９に追加する。レベル１９から
レベル２７を生成するためには、第２の高濃度インク滴
を２回目の印刷動作でレベル１０からレベル１８に追加
する。このようにして、３つの染料濃度を用い、印刷媒
体上で２回の印刷動作を行なうだけで、各色に対して２
７の異なるレベルの色密度すなわちグレーレベルを生成
することができる。３色システムにおいては、この３染
料負荷法を用いて、僅か２回の印刷動作で（２７シア
ン）×（２７マゼンタ）×（２７黄）＝１９，６８３の
ドットの組合せを得ることができる。

【００５１】本発明の一実施例の一動作例において、高
濃度インク滴の濃度は１００％（すなわち標準染料負
荷）、中間濃度インク滴は２０％、低濃度インク滴は２
％である。この組合せによって、最小限のインク滴数お
よび印刷動作回数で広いダイナミックレンジを得られる
ことに注意しなければならない。具体的な染料負荷は、
印刷媒体や環境条件に応じて経験的に最適化することが
できる。染料負荷と印刷動作回数を変化させることによ
って、各種の範囲のグレーレベルと色の組合せが得られ
る。いくつかの例を次の表３に示す。

【００５２】

【表３】

【００５３】図６に戻って、４つの印刷カートリッジ６
２、６４、６６および６８が１つのキャリッジ上に配設
されていることを思い出していただきたい。各カートリ
ッジは１色、例えばＣ、Ｍ、ＹあるいはＫのインク滴を
提供するように構成されている。各カートリッジは、例
えばＣ、Ｍ、ＹあるいはＫの１色のインクのものであっ
た。また、各カートリッジは、要求に応じて、対応する
インクの少なくとも２つの異なる量の対応するインク滴
を提供するものとして説明した。これに対して、各カー
トリッジは、少なくとも２つの異なる染料濃度のインク
を提供するように構成することができる。例えば、３チ
ャンバーペンは、３色のインクを提供するものとして周
知である。これに代えて、ここに説明した方法を実施す
るために、３つの異なる染料濃度の同じカラーインクの
入った周知のインクカートリッジを用いることができ
る。

【００５４】〔混合システム―ハイファイインク滴〕本
発明のまた別の特徴は、上述した低減インク量技術と低
減染料負荷技術を組合せることである。その一例は、低
減した量のインク滴（例えば単位量の１／４）と低減し
た染料負荷（例えば標準染料負荷の１／２）の両方を用
いる印刷方法である。この印刷法で形成されたドットの
ドットサイズと密度は、通常の約１／８である。低減さ
れた染料負荷の低減された量のインク滴を“ハイファ
イ”（高忠実度）インク滴と呼ぶことにする。上述した
ように、複数のハイファイインク滴を用いて、この例で
は９つの密度レベルが提供される。この実施態様では、
３００ＤＰＩのインクジェットプリンタにおいて非常に
優れたカラー印刷品質が得られる。他のハイファイイン
ク滴を選択して、さらに高い解像度を達成することもで
きる。一般に、この技術で生成されるハイファイドット
サイズおよび密度は、相対インク滴量と相対染料負荷の
積にほぼ等しい。次の表４にこの点を２、３の例を用い
て説明する。

【００５５】

【表４】

【００５６】低減インク量と低減染料負荷の組合せは、
それぞれの変数について解像度条件を緩和するため、ア
プリケーションによっては好適である。例えば、１／４
単位インク滴量は、ペンの制約のために実施が困難であ
る場合がある。染料負荷を半分に低減することによっ
て、１／４ドットサイズを１／２単位インク滴量を用い
て実施することができる。

【００５７】上述した方法を用いて、染料濃度数および
印刷回数の他の組合せが可能である。１つのグリッド位
置内でインク滴の総数が大きくなると、印刷媒体の単位
面積当たりの総流体量が媒体の吸収容量を越えないよう
に、インク滴のサイズを小さくしなければならない。１
画素当たりの可能な総インク滴数（印刷動作回数×染料
濃度数×ペンの数）が媒体の容量を越えるシステムにお
いては、ドライバソフトウエアあるいはシステムハード
ウエアを、可能な組合せを制限するように、構成するこ
とができる。

【００５８】図７は、インクジェット印刷システムにお
ける本発明の一実施態様を説明するフロー図である。グ
ラフィックイメージデータ（ソースデータ）８２、例え
ば２４ビットＲＧＢデータは、ホストシステムあるいは
アプリケーションソフトウエアによって、プリンタドラ
イバ８４に提供される。プリンタドライバ８４は、ソー
スデータを所望の解像度に下げるためのデジタルハーフ
トーニングソフトウエアを有する。その結果、得られる
印刷データは、例えば６ビットのＣＭＹデータあるいは
８ビットのＣＭＹＫデータあるいは本発明の増大した解
像度を反映するより大きな数のビットであるが、これを
変換ステップ８６で変換して、プリンタ制御言語ファイ
ルを形成することができる。このプリンタ制御言語ファ
イルは、次に上述した種類のインクジェットプリンタ８
８等のプリンタ機構に提供される。

【００５９】プリンタ８８は、低減インク滴量による印
刷を行なうための１つあるいはそれ以上の低減されたイ
ンク滴量を提供するように構成することができる。この
場合、使用可能なインク滴量を表わすデータ９２が、プ
リンタドライバ８４に入力される。プリンタ８８は、ま
た低減された染料負荷による印刷を行なうための１つあ
るいはそれ以上の低減された染料負荷あるいはインク濃
度を提供するように構成することができる。この場合、
使用可能な染料濃度を表わすデータ９４が、プリンタド
ライバ８４に入力される。データ９２とデータ９４の両
方が提供されると、ハイファイインク滴を用いることが
できる。例えば、インラインペンレイアウト対オフセッ
トペンレイアウトと言ったペンレイアウト情報９８もま
た、プリンタドライバに入力される。プリンタとプリン
タに設置されているインクカートリッジを定義する情報
を、ホストマシーン中の“プリンタセットアップ”ルー
チン等によって提供することができる。あるいは、この
情報は、プリンタ中で自動的に読み出しあるいは検出す
ることができ、また破線９６によって示すようにドライ
バに提供することができる。さらに、ユーザーあるいは
ホストマシーンがドライバに入力する１画素当たりの所
望の最大ドット数９０の表示を提供してもよい。ユーザ
ーは、例えば、印刷動作回数を少なくするために、１画
素当たりのドット数の小さい“ドラフトモード”を選択
して、それによって印刷品質を落とす代わりに速度を上
げ、インク使用料を低減することができる。

【００６０】以上の詳述したように、本発明の高忠実度
印刷は、〔１〕印刷媒体上の約１画素領域を満たすよう
に選択された単位インク滴量を有する不連続ドロップオ
ンディマンドインクジェット印刷システムにおいて、選
択された画素位置に、低減されたインク量で、印刷を行
なう方法であって；印刷媒体上をその表面に平行に横断
するキャリッジ上に配設されたインク滴を供給するため
のノズルを有する印刷カートリッジを設けるステップ；
ノズルが単位インク滴量より少ない量のインクを供給す
るようにインク滴の量を低減するステップ；印刷媒体上
の選択された画素位置に第１の低減された量のインク滴
を付けるステップ；および印刷媒体上の同じ選択された
画素位置に第２の低減された量のインク滴を付けるステ
ップからなり；前記の第２のインク滴を付けるステップ
は第１の低減された量のインク滴を付けるステップと異
なるキャリッジの動作によって達成されることを特徴と
し、次のような好ましい実施態様を有する。

【００６１】〔２〕〔１〕の方法において、さらに印刷
媒体上の同じ選択された位置に１つあるいはそれ以上の
追加の低減された量のインク滴を付けるステップを含
み、それぞれの追加のインク滴はキャリッジの異なる動
作中に付けられ、それによってこの選択された画素位置
に低減されたインク量の整数倍に等しい総インク量を付
ける。

【００６２】〔３〕〔１〕の方法において、低減された
インク滴の量は単位量の半分にほぼ等しく、２回の印刷
動作で選択された画素位置に、インクなし、単位量の半
分のインク、あるいは１単位量のインクを、選択して印
刷することができる。

【００６３】〔４〕〔１〕の方法において、印刷カート
リッジは少なくとも３つのノズルを有し、それぞれのノ
ズルは３つの異なる色のインクのうちの１つを供給する
ように構成されており、前記のインク滴の量の低減はこ
の３つの異なる色のそれぞれの低減されたインク滴を要
求に応じて提供するステップを含み、前記のインクを付
けるステップは、第１の印刷動作において、選択された
画素位置に、それぞれの色の低減された量の最高１つの
インク滴を付けるステップ；および第２の印刷動作にお
いて、選択された画素位置に、それぞれの色の低減され
た量の最高１つの追加のインク滴を付けるステップから
なり、それによって、同じ画素位置に、単位量のインク
滴を用いて印刷した場合よりも高いグレースケール解像
度で印刷を行なう。

【００６４】〔５〕〔４〕の方法において、３つの色の
インクの低減された量は、全て単位量の半分にほぼ等し
く、２回の印刷動作で、選択された画素位置に、インク
なし、単位量の半分、あるいは１単位量のうちの選択さ
れた量のそれぞれの色のインクで、印刷を行なうことが
でき、これによって選択された画素位置に２７の異なる
可能なドットの組合せを提供する。

【００６５】〔６〕〔４〕の方法において、さらに３つ
の色のインクの全ての低減された量を単位量の１／Ｎに
等しく選択するステップを有し、ここでＮは１より大き
い整数であり、選択された画素位置にそれぞれの画素位
置にＮ＋１の異なる量のうちの任意の１つの量のそれぞ
れの色のインクを印刷することが可能であり、それによ
って選択された画素位置に（Ｎ＋１）^３の異なる可能な
ドットの組合せを提供する。

【００６６】また、本発明の高忠実度印刷は、〔７〕媒
体上で印刷を行なうための画素位置の配列を形成する所
定の印刷グリッドを有する不連続のオンディマンドイン
クジェット印刷システムにおいて、選択された画素位置
に、複数のインク量のインクを印刷する方法であって；
印刷媒体上のほぼ１つの画素位置を満たす単位インク滴
量を定義するステップ；単位量より小さい第１の所定の
量を有するインク滴を要求に応じて提供するステップ；
第１の量より小さい第２の所定の量を有する第２のイン
ク滴を要求に応じて提供するステップ；媒体上の第１の
印刷動作において、媒体上の選択された画素位置に最高
１つの第１の量のインク滴を付けるステップ；および媒
体上の第２の印刷動作において、媒体上の同じ選択され
た画素位置に最高１つの第２の量のインク滴を付けるス
テップからなり；それによって、インクなし、第１の
量、第２の量、あるいは第１の量に第２の量を加えた量
のうちの選択された１つに等しい量のインクをこの画素
位置に付けて、印刷グリッドを変更することなく、グレ
ースケール解像度を向上させることを特徴とし、次のよ
うな好ましい実施態様を有する。

【００６７】〔８〕〔７〕の方法において、第１の量は
単位量の２／３にほぼ等しく、第２の量は単位量の１／
３にほぼ等しくなっており、それによって最高２回の印
刷動作で３つのゼロではない総インク量からの選択を可
能にする。

【００６８】

〔９〕〔７〕の方法において、第１の量は
単位量の３／８にほぼ等しく、第２の量は単位量の１／
８にほぼ等しくなっており、それによって最高４回の印
刷動作で８つのゼロではない総インク量からの選択を可
能にする。

【００６９】また、本発明の高忠実度印刷方法は、〔１
０〕画素位置の配列を形成する所定の印刷グリッドを有
する不連続のオンディマンドインクジェット印刷システ
ムにおいて、選択された画素位置に、低減された染料負
荷を用いて印刷を行なう方法であって；所定のインク滴
量を単位量として選択するステップ；所定のインク濃度
を標準染料負荷として選択するステップ；画素位置に単
位量の標準染料負荷のインクが付けられるとき、画素位
置をほぼ満たすような大きさのドットを印刷媒体上に形
成するのに適したレベルの単位量と標準染料濃度を選択
するステップ；それぞれが標準染料負荷より小さい低減
した染料負荷を有するインク滴を要求に応じて提供する
ステップ；印刷媒体の選択された画素位置に第１の低減
された染料負荷のインク滴を付け、それによってこの画
素位置に標準染料負荷のインク滴によって形成されるド
ットより小さい第１のドットを形成するステップ；およ
び印刷媒体の同じ選択された画素位置に第２の低減され
た染料負荷のインク滴を付けるステップからなり；前記
の第２のインク滴を付けるステップは第１のインク滴を
付けるステップと異なるキャリッジの動作によって達成
され、印刷グリッドを変更することなく、グレースケー
ル解像度を向上させることを特徴とし、次のような好ま
しい実施態様を有する。

【００７０】〔１１〕〔１０〕の方法において、さらに
印刷媒体上の同じ選択された画素位置に１つあるいはそ
れ以上の追加の低減された染料負荷のインク滴を付ける
ステップを有し、それぞれの追加のインク滴はキャリッ
ジの異なる動作で付けられる。

【００７１】〔１２〕〔１０〕の方法において、さらに
要求に応じて複数の異なるインク染料負荷のうちの選択
された１つを提供するステップを有し、それぞれのイン
ク染料負荷は標準染料負荷より小さく、印刷動作回数を
直線的に増大させることなくグレースケール解像度印刷
を向上させる。

【００７２】〔１３〕〔１０〕の方法において、印刷カ
ートリッジは少なくとも３つのノズルを有し、それぞれ
のノズルは３つの異なる色のインクのうちの１つを供給
するように構成されており、前記のインク染料負荷のう
ちの１つを提供するステップは３つの異なる色のインク
のそれぞれの低減された染料負荷のインク滴を要求に応
じて提供するステップを含み、前記のインクを付けるス
テップは、第１の印刷動作において選択された画素位置
にそれぞれの色の低減された染料負荷の最高１つのイン
ク滴を付けるステップ、および第２の印刷動作において
選択された画素位置にそれぞれの色の低減された染料負
荷の最高１つのインク滴を付けるステップからなり、そ
れによって同じ画素位置に標準染料負荷のインク滴を用
いて印刷した場合より高い色解像度で印刷を行なう。

【００７３】〔１４〕〔１３〕の方法において、３つの
色のインクの低減された染料負荷は全て標準染料負荷の
１／Ｎにほぼ等しく、ここでＮは１より大きい整数であ
り、Ｎ回の印刷動作で選択された画素位置に、Ｎ＋１の
異なる染料の量のうちの任意の１つの量のそれぞれの色
のインクでの印刷を行なうことができ、これによって印
刷グリッドを修正することなく、（Ｎ＋１）^３の数の異
なる可能な色の組合せを提供する。

【００７４】また、本発明の高忠実度印刷方法は、〔１
５〕画素位置の配列を形成する所定の印刷グリッドを有
する不連続のオンディマンドインクジェット印刷システ
ムにおいて、選択された画素位置に、高忠実度の印刷を
行なう方法であって；所定のインク滴量を単位量として
選択するステップ；所定のインク濃度を標準染料負荷と
して選択するステップ；画素位置に単位量の標準染料負
荷のインクが付けられるとき、画素位置をほぼ満たすよ
うな大きさのドットを印刷媒体上に形成するのに適した
レベルの単位量と標準染料濃度を選択するステップ；そ
れぞれが標準染料負荷より小さい低減した染料負荷を有
するインク滴を要求に応じて提供するステップ；低減さ
れた染料負荷の各インク滴の量を高忠実度インク滴を印
刷するための単位量より小さい量に低減するステップ；
最高で１つの高忠実度インク滴を印刷媒体上の選択され
た画素位置に付けるステップ；印刷媒体上の同じ選択さ
れた画素位置に第２の高忠実度インク滴を付けるステッ
プからなり；前記の第２のインク滴を付けるステップは
第１のインク滴を付けるステップと異なるキャリッジの
動作によって達成され、印刷グリッドを変更することな
く、グレースケール解像度を向上させることを特徴と
し、次のような好ましい実施態様を有する。

【００７５】〔１６〕〔１５〕の方法において、低減さ
れた量は単位量の半分にほぼ等しく、低減された染料負
荷は標準染料負荷の半分にほぼ等しく、さらに最高で２
回の追加の印刷動作で同じ画素位置に最高で２つの追加
の高忠実度インク滴を付けるステップを有し、それによ
って最高で４回の印刷動作で１画素当たり５つのグレー
スケールレベルを提供する。

【００７６】〔１７〕〔１５〕の方法において、低減さ
れた量は単位量の１／４にほぼ等しく、低減された染料
負荷は標準染料負荷の半分にほぼ等しく、さらに最高で
６回の追加の印刷動作で同じ画素位置に最高で６つの追
加の高忠実度インク滴を付けるステップを有し、それに
よって最高で８回の印刷動作で１画素当たり９つのグレ
ースケールレベルを提供する。

【００７７】本発明のインクジェット印刷カートリッジ
は〔１８〕インクを保持するためのインク溜め；インク
溜めに結合され、それぞれが第１の所定の量を有する第
１のインク滴を要求に応じて射出するように構成された
第１のノズル群；およびインク溜めに結合され、それぞ
れが第２の所定の量を有する第２のインク滴を要求に応
じて射出するように構成された第２のノズル群を有し；
１つの画素位置に、第１の量と第２の量の整数の組合せ
に等しい総インク量を有する有効ドットの印刷を可能に
することを特徴とし、次のような好ましい実施態様を有
する。

【００７８】〔１９〕〔１８〕のインクジェット印刷カ
ートリッジにおいて、第１および第２のノズル群がイン
ラインペンレイアウトに構成され、それによってこのカ
ートリッジの１回の印刷動作中に第１および第２のイン
ク滴のそれぞれの最高１ドットを印刷することを可能に
する。

【００７９】〔２０〕〔１８〕のインクジェット印刷カ
ートリッジにおいて、第１および第２のノズル群がオフ
セットペンレイアウトに構成され、それによってこのカ
ートリッジの２回の印刷動作中に第１および第２のイン
ク滴のそれぞれの最高１ドットを印刷することを可能に
する。

【００８０】本発明の原理をその実施例において図示お
よび説明したが、当業者には、本発明の構成および細部
にはかかる原理から逸脱することなく変更を加え得るこ
とは明らかであろう。特許請求の範囲に該当する全ての
変更態様を特許請求するものである。

【００８１】

【発明の効果】本発明によれば、印刷グリッド解像度の
増大を必要とすることなく、サーマルインクジェット印
刷システムのグレースケールと色解像度を改善すること
ができる。また、本発明によれば、従来のキャリッジお
よび用紙処理電気機械アッセンブリーを、実質的にその
まま用いることができる。さらに、本発明によれば、イ
ンク滴の総量および／またはインク染料濃度をより良好
に制御することによって、所定の画素グリッド中の解像
度を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来のインクジェットプリンタ機構の斜視図で
ある。

【図２】サーマルインクジェットペンのノズルの従来の
構成を示す図である。

【図３】（Ａ）は１つのインクジェット印刷カートリッ
ジ中に複数の異なるインク滴量を提供するためのインラ
インペンレイアウトを示す図であり、（Ｂ）は１つのイ
ンクジェット印刷カートリッジ中に複数の異なるインク
滴量を提供するためのオフセットペンレイアウトを示す
図である。

【図４】カラー印刷における低減された量のインク滴の
使用を示す図である。

【図５】複数の異なる低減された量のインク滴の使用を
示す図である。

【図６】複数の異なるインク滴量および／または複数の
異なるインク染料濃度を提供するための複数のペンを配
設したインクジェットプリンタ機構の斜視図である。

【図７】インクジェット印刷システムにおける本発明の
一実施態様を示すフロー図である。

【符号の説明】

１０：プリンタ １２：横棒 １４：キャリッジ １６，１８，２２：印刷カートリッジ ２０： 媒体トレー ２４，２６：列 ３０，４４：印刷グリッド ３２，３４：画素 ３６：印刷グリッドの左上の四分区画 ３８：右上の四分区画 ４０：左下の四分区画 ４２：右下の四分区画 ４６，５０，５４：画素列 ４８，５６：ドット ５７，５８：インク滴 ６２，６４，６６，６８：印刷カートリッジ ７０：改造されたキャリッジ ７２：横断レール ７８，８０：列 ８４：プリンタドライバ ８６：変換ステップ ８８：インクジェットプリンタ ９０：最大ドット数 ９２，９４：データ ９６：破線 ９８：ペンレイアウト情報

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ４１Ｊ 3/04 １０４ Ｈ (72)発明者 ジョセフ エム トーガーサン アメリカ合衆国オレゴン州フィロマス ハ イデン・バレー・ロード 24901

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 印刷媒体上の約１画素領域を満たすよう
   に選択された単位インク滴量を有する不連続ドロップオ
   ンディマンドインクジェット印刷システムにおいて、選
   択された画素位置に、低減されたインク量で、印刷を行
   なう方法であって、 印刷媒体上をその表面に平行に横断するキャリッジ上に
   配設されたインク滴を供給するためのノズルを有する印
   刷カートリッジを設けるステップ、 ノズルが単位インク滴量より少ない量のインクを供給す
   るようにインク滴の量を低減するステップ、 印刷媒体上の選択された画素位置に第１の低減された量
   のインク滴を付けるステップ、および印刷媒体上の同じ
   選択された画素位置に第２の低減された量のインク滴を
   付けるステップからなり、 前記の第２のインク滴を付けるステップは第１の低減さ
   れた量のインク滴を付けるステップと異なるキャリッジ
   の動作によって達成される、ことを特徴とする高忠実度
   印刷方法。
2. 【請求項２】 媒体上で印刷を行なうための画素位置の
   配列を形成する所定の印刷グリッドを有する不連続のオ
   ンディマンドインクジェット印刷システムにおいて、選
   択された画素位置に、複数のインク量のインクを印刷す
   る方法であって、 印刷媒体上のほぼ１つの画素位置を満たす単位インク滴
   量を定義するステップ、 単位量より小さい第１の所定の量を有するインク滴を要
   求に応じて提供するステップ、 第１の量より小さい第２の所定の量を有する第２のイン
   ク滴を要求に応じて提供するステップ、 媒体上の第１の印刷動作において、媒体上の選択された
   画素位置に最高１つの第１の量のインク滴を付けるステ
   ップ、および媒体上の第２の印刷動作において、媒体上
   の同じ選択された画素位置に最高１つの第２の量のイン
   ク滴を付けるステップからなり、 それによって、インクなし、第１の量、第２の量、ある
   いは第１の量に第２の量を加えた量のうちの選択された
   １つに等しい量のインクをこの画素位置に付けて、印刷
   グリッドを変更することなく、グレースケール解像度を
   向上させる、ことを特徴とする高忠実度印刷方法。
3. 【請求項３】 画素位置の配列を形成する所定の印刷グ
   リッドを有する不連続のオンディマンドインクジェット
   印刷システムにおいて、選択された画素位置に、低減さ
   れた染料負荷を用いて印刷を行なう方法であって、 所定のインク滴量を単位量として選択するステップ、 所定のインク濃度を標準染料負荷として選択するステッ
   プ、 画素位置に単位量の標準染料負荷のインクが付けられる
   とき、画素位置をほぼ満たすような大きさのドットを印
   刷媒体上に形成するのに適したレベルの単位量と標準染
   料濃度を選択するステップ、 それぞれが標準染料負荷より小さい低減した染料負荷を
   有するインク滴を要求に応じて提供するステップ、 印刷媒体の選択された画素位置に第１の低減された染料
   負荷のインク滴を付け、それによってこの画素位置に標
   準染料負荷のインク滴によって形成されるドットより小
   さい第１のドットを形成するステップ、および印刷媒体
   の同じ選択された画素位置に第２の低減された染料負荷
   のインク滴を付けるステップからなり、 前記の第２のインク滴を付けるステップは第１のインク
   滴を付けるステップと異なるキャリッジの動作によって
   達成され、印刷グリッドを変更することなく、グレース
   ケール解像度を向上させる、ことを特徴とする高忠実度
   印刷方法。
4. 【請求項４】 画素位置の配列を形成する所定の印刷グ
   リッドを有する不連続のオンディマンドインクジェット
   印刷システムにおいて、選択された画素位置に、高忠実
   度の印刷を行なう方法であって、 所定のインク滴量を単位量として選択するステップ、 所定のインク濃度を標準染料負荷として選択するステッ
   プ、 画素位置に単位量の標準染料負荷のインクが付けられる
   とき、画素位置をほぼ満たすような大きさのドットを印
   刷媒体上に形成するのに適したレベルの単位量と標準染
   料濃度を選択するステップ、 それぞれが標準染料負荷より小さい低減した染料負荷を
   有するインク滴を要求に応じて提供するステップ、 低減された染料負荷の各インク滴の量を高忠実度インク
   滴を印刷するための単位量より小さい量に低減するステ
   ップ、 最高で１つの高忠実度インク滴を印刷媒体上の選択され
   た画素位置に付けるステップ、および印刷媒体上の同じ
   選択された画素位置に第２の高忠実度インク滴を付ける
   ステップからなり、 前記の第２のインク滴を付けるステップは第１のインク
   滴を付けるステップと異なるキャリッジの動作によって
   達成され、印刷グリッドを変更することなく、グレース
   ケール解像度を向上させる、ことを特徴とする高忠実度
   印刷方法。
5. 【請求項５】 インクを保持するためのインク溜め、 インク溜めに結合され、それぞれが第１の所定の量を有
   する第１のインク滴を要求に応じて射出するように構成
   された第１のノズル群、およびインク溜めに結合され、
   それぞれが第２の所定の量を有する第２のインク滴を要
   求に応じて射出するように構成された第２のノズル群を
   有し、 １つの画素位置に、第１の量と第２の量の整数の組合せ
   に等しい総インク量を有する有効ドットの印刷を可能に
   する、ことを特徴とするインクジェット印刷カートリッ
   ジ。