JPH07173878A - 高力ボルト接合部用接合補助部材並びに継手金具 - Google Patents

高力ボルト接合部用接合補助部材並びに継手金具

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JPH07173878A
JPH07173878A JP28010293A JP28010293A JPH07173878A JP H07173878 A JPH07173878 A JP H07173878A JP 28010293 A JP28010293 A JP 28010293A JP 28010293 A JP28010293 A JP 28010293A JP H07173878 A JPH07173878 A JP H07173878A
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Sakae Suzuki
栄 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 所要のすべり耐力を安定して得ると共に、接
合面のすべり耐力を得るための鉄骨加工工場における錆
発生等の加工工程を不要とし得る高力ボルト接合部の接
合補助部材を提供する。 【構成】 母材8や添板5等と同等以上の強度及び硬度
を有すると共に、中心部にボルト孔2を有し、かつ1本
の高力ボルト10の締付力の影響が及ぶ範囲の大きさを
有する板状体3の少なくとも片面に、直線状をなす平行
な複数条の肩部付き刃状突起4が形成されていることに
より、高力ボルトによる母材と添板等の締め付けによっ
て、肩部付き刃状突起の刃部4bが母材又は母材と添板
等に根元まで食い込み、かつ肩部4aが母材等に密着し
若しくは滅り込み、一方向のすべり耐力が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄骨構造材(ステンレ
ス鋼等の構造材を含む)の高力ボルト接合部に用いられ
る接合補助部材並びに継手金具に関する。
【0002】
【従来の技術】高力ボルト接合は、高力ボルト(高張力
ボルト)を用いた鉄骨構造材の接合方法であり、ボルト
に軸力を導入して接合部材同士を強力に締め付けて接合
する工法であり、摩擦接合、引張接合、支圧接合の3種
に大別される。摩擦接合は、接合部材間に作用する摩擦
により生じるすべりに対する抵抗力(すべり耐力)を利
用し、ボルト軸と直角方向の応力を伝達しようとする、
いわゆるせん断型の接合方式であり、又、引張接合は、
ボルト軸方向の応力を伝達しようとする、いわゆる引張
型の接合方式であり、更に、支圧接合は、摩擦接合と同
様のせん断型において、加力初期ですべりが生じた時に
僅かなすべり変形でリベット接合と同様の支圧接合に移
行させようとする接合方式である。
【0003】従来、鉄骨造の高力ボルト接合部で、母材
と添板や継手金具等との接合面におけるすべり耐力を増
大させるため、母材や添板等の接合面の表面粗さを、例
えば赤錆やショットブラスト等を利用して増大し、高力
ボルトの締め付けによって摩擦を発生させ、所定のすべ
り係数(μ=0.45)を得ることが行われている。前
者の赤錆を利用する方法は、鋼板表面の黒皮をグライン
ダー研摩機等により除去し、研摩面を2〜3週間程度大
気に曝して赤錆を発生させる方法であり、後者のショッ
トブラストを利用する方法は、鋼板表面にショットブラ
スト処理を施して粗く適当な凹凸状態を形成する方法で
ある。一方、亜鉛メッキ若しくは塗装の鉄骨造、又はス
テンレス造等の場合、摩擦接合の高力ボルト接合部に種
々の問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
高力ボルト接合部では、すべらないこと(μ=1.0)
が理想であるが、やむを得ず発錆等によって所定のすべ
り係数を得るようにしているので、接合面のすべり係数
にバラツキがあり、高力ボルト接合部の十分なすべり耐
力を管理しにくい状況にある。又、すべり耐力を得るた
めの赤錆を発生させる方法及びショットブラスト処理を
施す方法のいずれも鉄骨加工工場で行われるが、部材を
移動させるためのクレーンやグラインダー研摩機、ショ
ットブラスト機械が必要となると共に、大変な手間が必
要となる。特に、赤錆発生は、所定の錆の発生に日時と
放置のための置場が必要となる為、鉄鋼加工工程のネッ
クとなっている。更に、赤錆やショットブラスト等を利
用できない構造材もある。そこで、本発明は、所要のす
べり耐力が安定して得られると共に、接合面のすべり耐
力を増大させるための鉄骨加工工場での鉄骨構造材の加
工工程を不要とし得る高力ボルト接合部用接合補助部材
並びに継手金具を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の第1の高力ボルト接合部用接合補助部材
は、高力ボルト接合部における母材と添板等との間に介
装される接合補助部材であって、母材や添板等と同等以
上の強度及び硬度を有すると共に、中心部にボルト孔を
有し、かつ1本の高力ボルトの締付力の影響が及ぶ範囲
の大きさを有する板状体の少なくとも片面に、直線状を
なす平行な複数条の肩部付き刃状突起、又はリング状、
渦巻状、放射状、格子状(メッシュ状を含む。以下、同
じ)若しくはこれらを組み合わせた形状の肩部付き刃状
突起が形成されていることを特徴とする。又、第2の高
力ボルト接合部用接合補助部材は、高力ボルト接合部に
おける母材と添板等との間に介装される接合補助部材で
あって、母材や添板等と同等以上の強度及び硬度を有す
ると共に、1本の高力ボルトの締付力の影響が及ぶ範囲
に亘るリング状、渦巻状、放射状、格子状若しくはこれ
らを組み合わせた形状の板状体の少なくとも片面に、板
状体の幅より適宜小幅な刃状突起、又は板状体の幅より
適宜小さな一辺を有する複数の角錐状突起が形成されて
いることを特徴とする。更に、本発明の高力ボルト接合
部用継手金具は、高力ボルト接合部における母材と接合
される添板等の継手金具であって、母材と同等以上の強
度及び硬度を有する一方、母材と接合される接合面のボ
ルト孔の周囲における1本の高力ボルトの締付力の影響
が及ぶ範囲に亘って、直線状をなす平行な複数条の肩部
付き刃状突起、又はリング状、渦巻状、放射状、格子状
若しくはこれらを組み合わせた形状の肩部付き刃状突起
が形成されていることを特徴とする。
【0006】
【作用】本発明の第1の高力ボルト接合部用接合補助部
材においては、高力ボルトによる母材と添板等の締め付
けによって、肩部付き刃状突起の刃部が母材又は母材と
添板等に根元まで食い込み、かつ肩部が母材又は母材と
添板等に密着し若しくは滅り込み、一方向又は全方向の
すべり耐力が得られる。又、第2の高力ボルト接合部用
接合補助部材においては、板状体が肩部として機能し、
第1のものとほぼ同様の作用を奏する。更に、高力ボル
ト接合部用継手金具においては、添板やT型継手等の継
手金具自体が肩部付き刃状突起を備えたものとなり、第
1のものと同様の作用を奏する。
【0007】母材等と同等以上の強度及び硬度を有する
板状体並びに継手金具の材料としては、高張力鋼、ステ
ンレス鋼、セラミックス、超硬合金又はサーメット等が
用いられる。接合補助部材は、肩部付き刃状突起を含む
厚さが1〜10mm前後の範囲で厚さの異なる数種類を
揃えることが好ましく、このようにすることにより厚さ
の異なる母材を接合する際に、板厚調節機能を持たせる
ことができる。1本の高力ボルトの締付力が及ぶ範囲の
大きさを有する板状体の形状は、加工上円形が好ましい
が、長円形、方形その他の形状であってもよい。肩部付
き刃状突起が片面のみに形成されている場合、板状体
を、添板や継手金具のボルト孔の周囲の接合面に溶接や
接着剤等によって接合し、あるいはボルト孔の周囲の座
ぐり凹部に嵌め込み若しくは嵌め込みかつ溶接や接着剤
等によって接合することが好ましい。又、両面に肩部付
き刃状突起が形成されている場合でも、板状体を、添板
や継手金具のボルト孔の周囲の座ぐり凹部に嵌め込み若
しくは嵌め込みかつ溶接や接着剤等によって接合するよ
うにしてもよい。肩部付き刃状突起が両面に形成されて
いる場合、両面共同一とすることなく、異なる形状の肩
部付き刃状突起としてもよい。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1、図2は本発明の高力ボルト接合部用
接合補助部材の第1実施例を示す図面である。この高力
ボルト接合部用接合補助部材1は、中心部にボルト孔2
を有する円形の板状体3の片面(図2においては上面)
に、直線状をなす互いに平行な複数条(実施例では3
条)の肩部付き刃状突起4を一体形成して構成されてい
る。そして、接合補助部材1は、後述する母材や添板等
と同等以上の強度及び硬度を有する高張力鋼からなり、
1本の高力ボルトの締付力の影響の及ぶ範囲の大きさ、
例えば高力ボルト径16〜30mm、添板の板厚12m
mの場合、外径40〜90mm前後の大きさを有し、か
つ肩部付き刃状突起4を含む厚さが1〜20mm前後の
範囲で異なる数種類が揃えられているものである。
【0009】ところで、肩部のない刃状突起(刃の角
度;45°、刃の高さ;3mm、刃の長さ;135.8
mm)を有する接合補助部材を用いて高力ボルト接合部
におけるボルト締付荷重と食い込み量の関係を計測する
と、すべり耐力をより高くするには、刃部の高さと肩部
の形状に関係あることがわかった。そこで、例えばボル
ト軸力の7割位を刃部に、残り3割を肩部に分配するよ
うな割合の形状を作製すると、食い込んだ刃部の周囲を
肩部が押えているため、母材や添板等の接合面を圧縮力
として加圧することになる。そこで、刃部に横力を加え
ると肩部の圧縮力との合力となり、一層すべり耐力を増
加させることとなった。以上の結果、肩部付き刃状突起
4は、肩部4aの高さが0.5〜5mm、刃部4bを含
む肩部4aの幅が3〜15mmであることが好ましく、
又、刃部4bの角度が20〜90°、刃部4bの高さが
0.5〜3.0mm、刃部4bの長さが45〜225m
mであることが好ましいことがわかった。
【0010】上記構成の接合補助部材1は、図3、図4
に示すように、SS400等の構造材からなる添板5の
ボルト孔6の周囲の座ぐり凹部7に嵌め込まれかつ全周
溶接されて用いられるものであり、この状態で、その肩
部付き刃状突起4が添板5の接合面から突出されてい
る。そして、添板5と同様の構造材からなり、直線状に
突き合わされた鉄骨等の母材8と、両母材8の端部間に
跨がって両側に配置された上記添板5とを、そのボルト
孔6、接合補助部材1のボルト孔2及び母材8のボルト
孔9を挿通した所要数(実施例においては2本)の高力
ボルト10の1本毎の締め付けによって、肩部付き刃状
突起4の刃部4bが母材8の接合面に根元まで食い込
み、かつ肩部4aが母材8の接合面に密着し若しくは滅
り込み、肩部付き刃状突起4の延在方向と直角な一方向
のすべり耐力が得られる。
【0011】ここで、上述した第1実施例の接合補助部
材1を、図3、図4に示すように用いてすべり耐力試験
を行ったところ、初期導入軸力の和Nt、30分後の軸
力残存率Re1、すべり荷重Ps、及びすべり係数μ
(μ=Ps/2Nt)は、表1に示すようになり、かつ
軸力低下と時間の関係、及び引張荷重と変位量の関係
は、図5及び図6に示す(共に試験体SA2を示す)よ
うになった。
【0012】
【表1】
【0013】表中の各試験体の板状体は、厚さ3mm、
外径50mm、内径23mmで、肩部付き刃状突起は、
肩部の幅(刃部を含む)4mm、高さ1mm、刃部の角
度SAタイプ45°,SBタイプ60°、長さSA1タ
イプ135.8mm,SB2タイプ及びSA2タイプ8
9.0mmである。表1から刃部の角度を45°、長さ
を89.0mmとすると、すべり耐力が増大でき、かつ
ボルト締付時のボルト軸力変化が減少し、図5に示すよ
うに早期に安定することがわかる。なお、試験体SA
1,SB2も同様の性状を示した。そして、上記すべり
耐力試験の結果を示す図6のように、最大の引張荷重
(すべり耐力)を示した時点で各肩部付き刃状突起の刃
部が根元から破断し、その後、肩部のすべり抵抗に移行
した状況がわかり、本形状が非常に安定したすべり耐力
を発生させるものであることが判明した。なお、試験体
SA1,SB2も同様であった。
【0014】図7,図8、図9及び図10は本発明の高
力ボルト接合部用接合補助部材の第2実施例、第3実施
例及び第4実施例を示す図面である。図7,図8の接合
補助部材11は、中心部にボルト孔12を設けた円形の
板状体13の片面に、ボルト孔12を中心とするリング
状の肩部付き刃状突起14を一体形成し、又、図9の接
合補助部材15は、中心部にボルト孔16を設けた円形
の板状体17の片面に、ボルト孔16を中心とする渦巻
状の肩部付き刃状突起18を一体形成し、更に、図10
の接合補助部材19は、中心部にボルト孔20を設けた
円形の板状体21の片面に、ボルト孔20を中心とする
放射状の肩部付き刃状突起22を一体形成して構成され
ている。これらの接合補助部材11,15,19は、第
1実施例のものと同様の態様で使用されるものであり、
全方向のすべり耐力を示す外はほぼ同様の作用効果を奏
する。なお、板状体3,13,17,21は、円形に限
らず、長円形、方形その他の形状としてもよい。又、肩
部付き刃状突起4,14,18,22は、板状体3,1
3,17,21の片面に限らず、両面に一体形成するよ
うにしてもよい。両面に肩部付き刃状突起4、14,1
8,22が設けられている場合、母材8と添板5等との
間に直接介装させてもよいし、あるいは添板5等のボル
ト孔6の周囲の座ぐり凹部7に嵌め込み若しくは嵌め込
みかつ溶接や接着剤等によって接合するようにしてもよ
い。
【0015】図11,図12は本発明の高力ボルト接合
部用接合補助部材の第5実施例を示す図面である。この
接合補助部材23は、母材や添板等と同等以上の強度及
び硬度を有すると共に、1本の高力ボルトの締付力の影
響が及ぶ範囲に亘るリング状の板状体24の両面に、板
状体24の幅より適宜小幅な刃状突起25を一体形成し
て構成されている。上記構成の接合補助部材23は、母
材と添板等との間にそれらのボルト孔を同軸的に囲むよ
うにして介装され、高力ボルトの締め付けによって刃状
突起25が母材等に根元まで食い込み、かつ板状体24
が前述した各実施例の接合補助部材1,11,15,1
9の段付き刃状突起4,14,18,22の肩部4aと
して機能し、母材等に密着し若しくは滅り込み、全方向
のすべり耐力が得られるものである。
【0016】図13,図14は本発明の高力ボルト接合
部用接合補助部材の第6実施例を示す図面である。この
接合補助部材26は、母材や添板等と同等以上の強度及
び硬度を有すると共に、1本の高力ボルトの締付力の影
響が及ぶ範囲に亘る、リング状の外板状部27a、この
外板状部27aより適宜小径のリング状の内板状部27
b、及び両板状部27a,27bを同心円状に連結して
放射状をなす連結板状部27cからなる板状体27の両
面に、各板状部27a,27b,27cの幅より適宜小
幅の刃状突起28を一体形成して構成されている。上記
構成の接合補助部材26は、第5実施例のものと同様の
態様で使用されるものであり、かつほぼ同様の作用を奏
する。
【0017】図15,図16は本発明の高力ボルト接合
部用接合補助部材の第7実施例を示す図面である。この
接合補助部材29は、第5実施例のものと同様の性状を
呈する板状体30の両面に、この板状体30の幅より適
宜小さな一辺を有する複数の角錐状突起31(実施例に
おいては四角錐)を一体形成して構成されている。上記
構成の接合補助部材29は、第5実施例のものと同様の
態様で使用されるものであり、かつほぼ同様の作用を奏
する。
【0018】なお、第5実施例〜第7実施例のものにお
いては、刃状突起25,28や角錐状突起31を板状体
24,27,30の両面に形成する場合について述べた
が、片面のみに一体形成するようにしてもよい。この場
合の使用態様は、第1実施例〜第4実施例のものと同様
になる。又、板状体24,27,30は、リング状、同
心円状とする場合に限らず、渦巻状、放射状、格子状若
しくはこれらを組み合わせた形状としてもよい。
【0019】図17,図18は本発明の高力ボルト接合
部用継手金具の一実施例としての添板を示す図面であ
る。この添板32は、母材と同等以上の強度及び硬度を
有する矩形平板状の添板本体33に、高力ボルトが挿通
される複数のボルト孔34が適宜ピッチで設けられてい
る。そして、母材と接合される接合面の各ボルト孔34
の周囲における1本の高力ボルトの締付力が及ぶ範囲に
亘って、直線状をなす平行な複数条の肩部付き刃状突起
35を一体形成して構成されている。上記構成の添板3
2は、直線状に突き合わされた母材の端部間に跨がって
両側に配置され、そのボルト孔34及び母材のボルト孔
に挿通した高力ボルトの締め付けによって、肩部付き刃
状突起35の刃部が母材の接合面に根元まで食い込み、
かつ肩部が母材の接合面に密着し若しくは滅り込み、肩
部付き刃状突起35の延在方向と直角な一方向のすべり
耐力が得られるものである。
【0020】なお、上記実施例では、継手金具としての
添板32について述べたが、これに限らず、T型継手そ
の他の継手金具にも適用できる。又、肩部付き刃状突起
35は、直線状のものに限らず、リング状、渦巻状、放
射状、格子状若しくはこれらを組み合わせた形状のもの
としてもよい。
【0021】なお、前述した各実施例においては、母材
等と同等以上の強度及び硬度を有するものとして高張力
鋼を例示したが、これに限らず、SS400等と同等以
上の強度及び硬度を有するステンレス鋼、セラミック
ス、超硬合金又はサーメット等を用いてもよい。又、接
合補助部材1、11,15,19,23,26,29及
び継手は、摩擦接合の高力ボルト接合部に用いる場合に
限らず、引張接合又は支圧接合の高力ボルト接合部に用
いてもよい。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の高力ボル
ト接合部用接合補助部材並びに継手金具によれば、高力
ボルトによる母材と添板や継手金具等との締め付けによ
って、肩部付き刃状突起の刃部又は角錐状突起が母材又
は母材と添板等に均一かつ確実に食い込み、一方向又は
全方向のすべり耐力が得られるので、高力ボルトの締付
力を効率よく活用でき、かつ従来のようにすべり耐力に
バラツキが生じるようなことはなく、所要のすべり耐力
を安定して得ることができると共に、摩擦を得るために
鉄骨加工工場で錆発生等の加工を施す必要がなくて工期
を大幅に短縮でき、かつ高力ボルト接合による現場接合
を構造材の種類にかかわらず容易かつ確実に行うことが
できる。特に、肩部付き刃状突起の刃部又は角錐状突起
が母材又は母材と添板等に根元まで食い込み、かつ肩部
又は角錐状突起を設けた板状体が母材又は母材と添板等
に密着し若しくは滅り込み、食い込んだ刃部等の周囲を
肩部等が押えているため、母材や添板等の接合面を圧縮
力として加圧する一方、刃部等に加えられる横力との合
力となるので、肩部は、すべり耐力を一層増加させるこ
とができると共に、ボルト締付時及び締付後のボルト軸
力変化が減少し、締付力を安定化させることができ、か
つ肩部付き刃状突起等の刃部等が母材等に食い込んでい
るため、それらの発錆を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高力ボルト接合部用接合補助部材の第
1実施例を示す平面図である。
【図2】図1の接合補助部材の半断面側面図である。
【図3】図1の接合補助部材を用いた高力ボルト接合部
の側面図である。
【図4】図3の高力ボルト接合部の要部を示す断面図で
ある。
【図5】図3の高力ボルト接合部における高力ボルトの
軸力低下率と時間の関係を示す説明図である。
【図6】図3の高力ボルト接合部における引張荷重と変
位量の関係を示すすべり耐力試験結果の説明図である。
【図7】本発明の高力ボルト接合部用接合補助部材の第
2実施例を示す平面図である。
【図8】図7の接合補助部材の半断面側面図である。
【図9】本発明の高力ボルト接合部用接合補助部材の第
3実施例を示す平面図である。
【図10】本発明の高力ボルト接合部用接合補助部材の
第4実施例を示す平面図である。
【図11】本発明の高力ボルト接合部用接合補助部材の
第5実施例を示す平面図である。
【図12】図11の接合補助部材の半断面側面図であ
る。
【図13】本発明の高力ボルト接合部用接合補助部材の
第6実施例を示す平面図である。
【図14】図13の接合補助部材の半断面側面図であ
る。
【図15】本発明の高力ボルト接合部用接合補助部材の
第7実施例を示す平面図である。
【図16】図15の接合補助部材の半断面側面図であ
る。
【図17】本発明の高力ボルト接合部用継手金具の一実
施例を示す平面図である。
【図18】図17の継手金具の半断面側面図である。
【符号の説明】
1 接合補助部材 2 ボルト孔 3 板状体 4 肩部付き刃状突起 4a 肩部 4b 刃部 5 添板 8 母材 10 高力ボルト 11 接合補助部材 12 ボルト孔 13 板状体 14 肩部付き刃状突起 15 接合補助部材 16 ボルト孔 17 板状体 18 肩部付き刃状突起 19 接合補助部材 20 ボルト孔 21 板状体 22 肩部付き刃状突起 23 接合補助部材 24 板状体 25 刃状突起 26 接合補助部材 27 板状体 28 刃状突起 29 接合補助部材 30 板状体 31 角錐状突起 32 添板(継手金具) 34 ボルト孔 35 肩部付き刃状突起

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高力ボルト接合部における母材と添板等
    との間に介装される接合補助部材であって、母材や添板
    等と同等以上の強度及び硬度を有すると共に、中心部に
    ボルト孔を有し、かつ1本の高力ボルトの締付力の影響
    が及ぶ範囲の大きさを有する板状体の少なくとも片面
    に、直線状をなす平行な複数条の肩部付き刃状突起、又
    はリング状、渦巻状、放射状、格子状若しくはこれらを
    組み合わせた形状の肩部付き刃状突起が形成されている
    ことを特徴とする高力ボルト接合部用接合補助部材。
  2. 【請求項2】 高力ボルト接合部における母材と添板等
    との間に介装される接合補助部材であって、母材や添板
    等と同等以上の強度及び硬度を有すると共に、1本の高
    力ボルトの締付力の影響が及ぶ範囲に亘るリング状、渦
    巻状、放射状、格子状若しくはこれらを組み合わせた形
    状の板状体の少なくとも片面に、板状体の幅より適宜小
    幅な刃状突起、又は板状体の幅より適宜小さな一辺を有
    する複数の角錐状突起が形成されていることを特徴とす
    る高力ボルト接合部用接合補助部材。
  3. 【請求項3】 高力ボルト接合部における母材と接合さ
    れる添板等の継手金具であって、母材と同等以上の強度
    及び硬度を有する一方、母材と接合される接合面のボル
    ト孔の周囲における1本の高力ボルトの締付力の影響が
    及ぶ範囲に亘って、直線状をなす平行な複数条の肩部付
    き刃状突起、又はリング状、渦巻状、放射状若しくはこ
    れらを組み合わせた形状の肩部付き刃状突起が形成され
    ていることを特徴とする高力ボルト接合部用継手金具。
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