JPH07173252A - 積層板用エポキシ樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents

積層板用エポキシ樹脂組成物及びその製造方法

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JPH07173252A
JPH07173252A JP11572394A JP11572394A JPH07173252A JP H07173252 A JPH07173252 A JP H07173252A JP 11572394 A JP11572394 A JP 11572394A JP 11572394 A JP11572394 A JP 11572394A JP H07173252 A JPH07173252 A JP H07173252A
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善彦 中村
Masahiro Matsumura
昌弘 松村
Eiji Motobe
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Yukihiro Hatsuta
行大 八田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フェノール系の硬化剤を使用していて、積層
板の製造工程で成形不良(板厚不良またはかすれ不良)
の発生を少なくできるエポキシ樹脂組成物及びその製造
方法を提供する。 【構成】 ビスフェノールA(ハロゲン化されたものも
含む)型であり、エポキシ当量が1000以下である2
官能エポキシ樹脂を60重量%以上含んでいるエポキシ
樹脂(a)、ノボラック樹脂(b)、重量平均分子量が
5000〜100000であるフェノキシ樹脂(c)、
硬化促進剤(d)及び溶媒(e)を必須成分とする積層
板用エポキシ樹脂組成物及びフェノキシ樹脂(c)を予
め溶媒(e)に溶解させて溶液とし、この溶液を用いて
製造する積層板用エポキシ樹脂組成物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば電気・電子機器
に使用される積層板用エポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電気・電子機器に使用される積層
板は、ガラス布等の基材をエポキシ樹脂組成物からなる
ワニスに含浸し、次いで乾燥して得られるプリプレグを
複数枚積層し、さらに、その上下に銅箔を配置し、次い
で成形して製造されている。この用途に使用されるエポ
キシ樹脂組成物では硬化剤として、例えばジシアンジア
ミドのようなアミン系の硬化剤を使用するのが一般的で
ある。近年、実装密度の増大と共に、従来より耐熱性に
優れる積層板が求められるようになり、従来のアミン系
の硬化剤より耐熱性に優れるフェノール系の硬化剤が検
討されている。(例えば、特開平3−79621号)積
層板を製造する際には、プリプレグの乾燥状態が加熱不
足であれば、成型時に樹脂が流出して板厚不良が発生
し、一方、加熱過剰であれば、得られる積層板中に微細
な空隙が生じる、いわゆる、かすれ不良が発生するが、
従来のアミン系の硬化剤であれば、このような不良の防
止のために、積層成形に適するゲル化までの時間(以下
ゲル化時間と略す)と溶融粘度を併せ持つプリプレグを
製造できる乾燥条件の設定が可能であった。
【0003】しかし、フェノール系の硬化剤を使用した
エポキシ樹脂組成物では、硬化反応の過程において、エ
ポキシ樹脂等の分子が直鎖状に延びることなく3次元架
橋が進行するためと考えられるが、溶融粘度の上昇開始
後すぐにゲル化するという現象が生じるので、いかにプ
リプレグの製造条件を調整しても積層成形に適するゲル
化時間と溶融粘度を併せ持つようにプリプレグを製造す
ることは困難であった。
【0004】この成形性とプリプレグ特性についてモデ
ル的に説明すると、下記の表1の関係にあると考えら
れ、フェノール系の硬化剤を使用した場合には、表1に
おける(ロ)または(ニ)の状態のプリプレグしか得ら
れていないと考えられる。
【0005】
【表1】
【0006】前記の表1の関係を言い換えると、溶融粘
度が適切な範囲にあることで、樹脂の流出により生じる
板厚不良が防止され、一方、適切なゲル化時間を併せ持
つことで、成型中に適度な樹脂の流動状態が得られ、積
層板中の微細な空隙が完全に樹脂で充填されて、かすれ
不良が防止されるものと推定される。
【0007】従来のアミン系の硬化剤であれば、ゲル化
時間と溶融粘度の両者共に適切な範囲にすることが可能
であったが、フェノール系の硬化剤を使用した場合に
は、一方を適切な範囲にすると、他方が適切な範囲から
逸脱するため、成形性が劣る結果になっていると考えら
れる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記の事情に鑑み、フ
ェノール系の硬化剤を使用したエポキシ樹脂組成物で
は、適切なゲル化時間と溶融粘度を併せ持ち、成形性が
優れるプリプレグを得ることが困難であるという問題を
解決することを本発明の課題としている。
【0009】即ち、本発明はフェノール系の硬化剤を使
用していて、積層板の製造工程で成形不良(板厚不良ま
たはかすれ不良)の発生を少なくできるエポキシ樹脂組
成物及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
積層板用エポキシ樹脂組成物は、分子内に下記式化4で
表される骨格を有し、エポキシ当量が1000以下であ
る2官能エポキシ樹脂を60重量%以上含んでいるエポ
キシ樹脂(a)
【0011】
【化4】
【0012】(式中Xは水素原子もしくはハロゲン原子
を表す。)、分子内に下記式化5で表される骨格を有す
るノボラック樹脂(b)
【0013】
【化5】
【0014】(式中Rは水素原子もしくは炭素数が9ま
でのアルキル基を表す。)、下記式化6で表される骨格
を有し、重量平均分子量が5000〜100000であ
るフェノキシ樹脂(c)
【0015】
【化6】
【0016】(式中Yは水素原子もしくはハロゲン原子
を表し、nは正の数を表す。)、硬化促進剤(d)及び
溶媒(e)を必須成分とすることを特徴としている。
【0017】本発明の請求項2に係る積層板用エポキシ
樹脂組成物は、請求項1記載の積層板用エポキシ樹脂組
成物において、1エポキシ当量のエポキシ樹脂(a)対
し0.6〜1.3フェノール性水酸基当量のノボラック
樹脂(b)を配合することを特徴としている。
【0018】本発明の請求項3に係る積層板用エポキシ
樹脂組成物は、請求項1または2記載の積層板用エポキ
シ樹脂組成物において、エポキシ樹脂(a)とノボラッ
ク樹脂(b)の合計量100重量部に対し、フェノキシ
樹脂(c)を1.5〜10重量部配合することを特徴と
している。
【0019】また、本発明の請求項4に係る積層板用エ
ポキシ樹脂組成物の製造方法は、フェノキシ樹脂(c)
を予め溶媒(e)に溶解させて溶液とし、この溶液を用
いてエポキシ樹脂組成物を製造することを特徴としてい
る。
【0020】以下、本発明を詳細に説明する。この発明
で使用するエポキシ樹脂(a)には、分子内に前記式化
4で表される骨格を有する、エポキシ当量が1000以
下である2官能(2個のエポキシ基を1分子内に有して
いる)エポキシ樹脂を60重量%以上含んでいる。な
お、前記式化4で表される骨格を有するということは、
いわゆるビスフェノールA(ハロゲン化されたものも含
む)型のエポキシ樹脂を表している。ビスフェノ−ルA
型の、エポキシ当量が1000以下である2官能エポキ
シ樹脂は、適度な溶融粘度を有していて、3官能以上の
多官能エポキシ樹脂に比べ、硬化反応の過程において、
分子が直鎖状に延びることができるので、急激な3次元
架橋が進行しないという特徴がある。そのため、上記の
2官能エポキシ樹脂を使用すると、プリプレグの製造条
件によりプリプレグのゲル化時間を制御することが容易
であり、本発明の目的を達成するのに好都合である。
【0021】上記の2官能エポキシ樹脂を60重量%以
上含むように限定する理由については、2官能エポキシ
樹脂の含有量が60重量%未満であると、残りのエポキ
シ樹脂は1官能または3官能以上の多官能エポキシ樹脂
で構成されることになり、その場合、1官能のエポキシ
樹脂成分が多い場合には得られる積層板の耐熱性が損な
われ、また、3官能以上の多官能エポキシ樹脂成分が多
い場合には、急激な3次元架橋が進行し、適切なゲル化
時間と溶融粘度を併せ持つプリプレグを得ることが困難
であるという問題が生じるからである。
【0022】上記の2官能エポキシ樹脂としては、具体
的にはビスフェノールAまたはテトラブロモビスフェノ
ールAとエピクロルヒドリンより合成され、両末端にエ
ポキシ基を有する化合物が例示できる。なお、このビス
フェノ−ルA型の、エポキシ当量が1000以下である
2官能エポキシ樹脂と以下に述べるフェノキシ樹脂とは
前記式化4で表される基本骨格を両者共に有するが、分
子量の点で大きく異なるものである。
【0023】この発明で使用するノボラック樹脂(b)
は分子内に前記式化5で表される骨格を有するものであ
り、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック
樹脂、p−キシレン−フェノール共重合型ノボラック樹
脂等が例示でき、これらは単独で用いてもよく、2種以
上併用してもよい。
【0024】また、上記のノボラック樹脂(b)の配合
量については、1エポキシ当量のエポキシ樹脂(a)対
し0.6〜1.3フェノール性水酸基当量のノボラック
樹脂(b)を配合することが望ましい。この範囲を外れ
ると得られる積層板の耐熱性が損なわれるという問題が
生じる。
【0025】この発明で使用するフェノキシ樹脂(c)
としては、特に限定するものではないが、ビスフェノー
ルAまたはテトラブロモビスフェノールAとエピクロル
ヒドリンより合成される線状高分子を例示することがで
きる。このフェノキシ樹脂(c)は前記式化6で表され
る骨格を有していて、重量平均分子量が5000〜10
0000であるものが望ましい。重量平均分子量が50
00未満であると溶融粘度が低いために、適切なゲル化
時間と溶融粘度を併せ持つ、成形性が改善されたプリプ
レグを得ることが困難になり、100000を越えると
溶剤への溶解性が劣り、均一な溶液の樹脂組成物にする
ことが困難になる。また、フェノキシ樹脂(c)の配合
量については、エポキシ樹脂(a)とノボラック樹脂
(b)の合計量100重量部に対し、フェノキシ樹脂
(c)を1.5〜10重量部配合することが望ましい。
1.5重量部未満であると、適切なゲル化時間と溶融粘
度を併せ持つ、成形性が改善されたプリプレグを得るこ
とが困難になり、10重量部を越えると、得られる積層
板の機械的強度(曲げ強さ等)が低下する問題が生じ
る。
【0026】この発明で使用する硬化促進剤(d)とし
ては、特に限定するものではないが、1,8-ジアザ−ビシ
クロ(5、4 、0)ウンデセン-7、トリエチレンジアミン、
ベンジルジメチルアミン等の三級アミン類、2-メチルイ
ミダゾール、2-エチル4-メチルイミダゾール、2-フェニ
ルイミダゾール等のイミダゾール類、トリブチルホスフ
ィン、トリフェニルホスフィン等の有機ホスフィン類
(リン系硬化促進剤)、テトラフェニルホスホニウムテ
トラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラ
フェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩等が例示
できる。
【0027】この発明で使用する溶剤(e)としては、
均一な溶液の樹脂組成物を得ることが可能な溶剤であれ
ば良く、特に限定するものではないが、アセトン、メチ
ルエチルケトン等のケトン類、エチレングリコールモノ
メチルエーテル等のエーテル類、ベンゼン、トルエン等
の芳香族炭化水素類などが例示できる。
【0028】また、積層板用エポキシ樹脂組成物の製造
方法において、固体であるフェノキシ樹脂(c)を他の
成分と同時に混合して溶媒(e)に溶解させようとする
と、フェノキシ樹脂(c)が溶解しにくいので、均一な
組成のエポキシ樹脂組成物が得られにくいという問題が
ある。不均一な組成のエポキシ樹脂組成物(ワニス)を
用いてプリプレグを製造した場合には、得られるプリプ
レグ1枚内のレジンコンテントのバラツキが、場合によ
っては±3%以上と、大きくなる現象が生じる。このよ
うなレジンコンテントのバラツキが大きいプリプレグを
用いて積層板を成形すると、得られる積層板内の板厚の
バラツキが大きくなり、例えばコネクターと確実に接続
できない等の実用上の不都合を生じる。
【0029】本発明の製造方法に関する発明では、フェ
ノキシ樹脂(c)を予め溶媒(e)に溶解させて溶液と
し、この溶液を用いてエポキシ樹脂組成物を製造するの
で、上記の問題は解消し、得られるプリプレグ1枚内の
レジンコンテントのバラツキを、例えば±2%以下と、
良好な範囲に収めることが可能になる。なお、このフェ
ノキシ樹脂(c)を予め溶媒(e)に溶解させるときに
加熱させるようにしても差支えない。
【0030】
【作用】本発明で、エポキシ樹脂組成物中に特定の重量
平均分子量のフェノキシ樹脂を含有させることは、エポ
キシ樹脂組成物中の樹脂成分の溶融粘度を増加させる働
きをする。従って、フェノキシ樹脂の配合量の調整とプ
リプレグの製造条件(乾燥条件)の調整とによって、適
切なゲル化時間と溶融粘度を併せ持つ、成形性が改善さ
れたプリプレグを得ることが可能になる。すなわち、フ
ェノキシ樹脂の配合量を調整することで、従来困難であ
った、プリプレグのゲル化時間を殆ど変化させずに溶融
粘度のみを変化させることが可能になった。
【0031】また、フェノキシ樹脂として、臭素等のハ
ロゲン原子を分子内に持つフェノキシ樹脂を使用するこ
とは、得られる積層板に難燃性を付与する作用をする。
【0032】また、フェノキシ樹脂を予め溶媒に溶解さ
せて溶液とし、この溶液を用いてエポキシ樹脂組成物を
製造することは、均一な組成のエポキシ樹脂組成物(ワ
ニス)を得ることができる作用をする。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例に基づいて
説明する。
【0034】エポキシ樹脂(a)としては下記の5種類
のエポキシ樹脂を表2、表3及び表4に示す割合で配合
して使用した。 エポキシ樹脂1−−前記式化4で表される骨格を有
し、エポキシ当量が500である、2官能のビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂〔油化シェルエポキシ(株)製、
商品名エピコート1001〕 エポキシ樹脂2−−前記式化4で表される骨格を有
し、エポキシ当量が180である、2官能のビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂〔油化シェルエポキシ(株)製、
商品名エピコート828〕 エポキシ樹脂3−−前記式化4で表される骨格を有
し、エポキシ当量が400である、2官能のテトラブロ
モビスフェノールA型エポキシ樹脂〔住友化学工業
(株)製、商品名ESB400〕 エポキシ樹脂4−−前記式化4で表される骨格を有
し、エポキシ当量が500である、2官能のテトラブロ
モビスフェノールA型エポキシ樹脂〔ダウケミカル社
製、商品名DER511〕 エポキシ樹脂5−−前記式化4で表される骨格を有し
ていない、エポキシ当量が200である、主として3官
能以上である多官能のクレゾールノボラック型エポキシ
樹脂〔東都化成(株)製、商品名YDCN702P〕
【0035】分子内に前記式化5で表される骨格を有す
るノボラック樹脂(b)としては、下記の2種類のフェ
ノール系硬化剤を表2、表3及び表4に示す割合で配合
して使用した。なお、表2、表3及び表4にはエポキシ
樹脂(a)とノボラック樹脂(b)の反応基の比につい
てエポキシ基/フェノール性水酸基の当量比として示し
ている。 -1フェノール系硬化剤1−−水酸基当量が105であ
るフェノールノボラック樹脂〔荒川化学工業(株)製、
商品名タマノール752〕 -2フェノール系硬化剤2−−水酸基当量が180であ
るp−キシレン−フェノール共重合型ノボラック樹脂
〔三井東圧化学(株)製、商品名ミレックス225〕
【0036】前記式化6で表される骨格を有するフェノ
キシ樹脂(c)としては、下記の2種類を表2、表3及
び表4に示す割合で配合して使用した。 フェノキシ樹脂1−−重量平均分子量が42600で
あり、前記式化6のYが水素原子であるフェノキシ樹脂
〔ユニオンカーバイド社製、商品名PKHH〕 フェノキシ樹脂2−−重量平均分子量が52500で
あり、前記式化6のYが水素原子であるフェノキシ樹脂
〔東都化成(株)製、商品名YP50〕 フェノキシ樹脂3−−重量平均分子量が52500で
あり、前記式化6のYが臭素原子である骨格を有するフ
ェノキシ樹脂〔東都化成(株)製、商品名YPB40、
臭素含有率20重量%〕
【0037】硬化促進剤(d)としては2-エチル4-メチ
ルイミダゾールを、溶媒(e)としてはメチルエチルケ
トンを、それぞれ表2、表3及び表4に示す割合で配合
して使用した。
【0038】上記の原料を用いて、実施例1及び比較例
1、2については、各原料を同時に混合、溶解してエポ
キシ樹脂組成物を得た。一方実施例2〜10について
は、フェノキシ樹脂を予め溶媒に溶解させて溶液とし、
次いでこの溶液と他の原料とを混合、溶解してエポキシ
樹脂組成物を得た。
【0039】このようにして得たワニス状のエポキシ樹
脂組成物にガラス布〔旭シュエーベル(株)製、品番7
628W〕を含浸し、次いで150℃で乾燥して、レジ
ンコンテントが約45重量%で、厚みが約0.2mmの
プリプレグを作製した。この時の乾燥時間は、プリプレ
グになった段階での樹脂組成物の130℃の溶融粘度
(130℃で測定した時の最低溶融粘度)が300〜5
00ポイズとなるように、それぞれの樹脂組成物毎に設
定した。上記で作製したプリプレグについて、130℃
でのゲル化時間、130℃の溶融粘度及び1枚のプリプ
レグ内のレジンコンテントのバラツキを測定した。その
結果を表2、表3及び表4に示す。なお、上記の溶融粘
度はプリプレグに付着している樹脂成分を揉み落とし
て、高化式フローテスターで測定し、レジンコンテント
のバラツキは1枚のプリプレグの異なる位置から試験片
を採取し、各試験片の重量から試験片相当の大きさのガ
ラス布のみの重量を差し引いて各試験片のレジンコンテ
ントを算出し、得られた各試験片のレジンコンテントか
らバラツキ(Rmax)を求めた。
【0040】次に、作製したプリプレグを8枚重ね、離
型フィルムを介して、金属プレートで挟んで、下記の条
件で加圧、加熱して成形し、積層板を作製した。 第1ステップ:圧力5kg/cm2 、温度120℃、時
間5分 第2ステップ:圧力40kg/cm2 、温度120℃、
時間15分 第3ステップ:圧力40kg/cm2 に保持し、170
℃まで昇温 第4ステップ:圧力40kg/cm2 、温度170℃、
時間60分 第5ステップ:圧力40kg/cm2 の保持し、室温ま
で冷却
【0041】上記で作製した積層板について、目視によ
り積層板中に微細な空隙が生じている、いわゆる、かす
れ不良の有無を調べ、その結果を表2、表3及び表4に
示した。また積層板から所定の大きさの試験片を切出
し、UL規格に準拠して難燃性を調べ、難燃性がUL規
格のV−0相当かどうかを判定し、その結果を表2、表
3及び表4に示した。
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】表2、表3及び表4の結果から、次のこと
が確認された。実施例1と比較例1の比較及び実施例3
と比較例2の比較から、フェノキシ樹脂を含まないもの
では、プリプレグの溶融粘度を300〜500(適切な
溶融粘度の範囲)に入れようとすると、ゲル化時間が1
分と短くなってしまい、成型時の樹脂の流動性の不足に
より得られる積層板にかすれ不良が発生しているが、フ
ェノキシ樹脂を含ませたものは、プリプレグの溶融粘度
を300〜500に入れて、かつ、ゲル化時間を15〜
25分と適切なゲル化時間にすることが可能であるた
め、かすれ不良が発生していない。(適切なゲル化時間
は15〜30分と推定している。)また、臭素化タイプ
のフェノキシ樹脂3を使用している実施例4〜7及び実
施例10ではV−0合格と優れた難燃性を有している。
【0046】また実施例1と実施例2の比較から、フェ
ノキシ樹脂を予め溶媒に溶解させて溶液とし、次いでこ
の溶液と他の原料とを混合、溶解してエポキシ樹脂組成
物を得る方法で作製された実施例2のプリプレグは、レ
ジンコンテントのバラツキが±1%以内と良好な(小さ
い)範囲に収まっている。
【0047】
【発明の効果】請求項1〜3記載の本発明の積層板用エ
ポキシ樹脂組成物は上記のように構成されているので、
これらの積層板用エポキシ樹脂組成物によれば、適切な
ゲル化時間と溶融粘度を併せ持ち、従って、成形性が優
れるプリプレグを得ることが可能となる。すなわち、フ
ェノール系硬化剤を使用している積層板の製造におい
て、成形不良(板厚不良またはかすれ不良)の低減が本
発明の積層板用エポキシ樹脂組成物を使用することによ
り可能となる。
【0048】請求項4記載の積層板用エポキシ樹脂組成
物の製造方法によれば、均一な組成のエポキシ樹脂組成
物(ワニス)を得ることができるので、レジンコンテン
トのバラツキが小さいプリプレグを製造することが可能
となり、積層板内の板厚のバラツキを小さくできるとい
う効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 63/00 NJY (72)発明者 八田 行大 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子内に下記式化1で表される骨格を有
    し、エポキシ当量が1000以下である2官能エポキシ
    樹脂を60重量%以上含んでいるエポキシ樹脂(a) 【化1】 (式中Xは水素原子もしくはハロゲン原子を表す。)、
    分子内に下記式化2で表される骨格を有するノボラック
    樹脂(b) 【化2】 (式中Rは水素原子もしくは炭素数が9までのアルキル
    基を表す。)、下記式化3で表される骨格を有し、重量
    平均分子量が5000〜100000であるフェノキシ
    樹脂(c) 【化3】 (式中Yは水素原子もしくはハロゲン原子を表し、nは
    正の数を表す。)、硬化促進剤(d)及び溶媒(e)を
    必須成分とする積層板用エポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 1エポキシ当量のエポキシ樹脂(a)対
    し0.6〜1.3フェノール性水酸基当量のノボラック
    樹脂(b)を配合した請求項1記載の積層板用エポキシ
    樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 エポキシ樹脂(a)とノボラック樹脂
    (b)の合計量100重量部に対し、フェノキシ樹脂
    (c)を1.5〜10重量部配合した請求項1または2
    記載の積層板用エポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 フェノキシ樹脂(c)を予め溶媒(e)
    に溶解させて溶液とし、この溶液を用いてエポキシ樹脂
    組成物を製造することを特徴とする請求項1、2または
    3記載の積層板用エポキシ樹脂組成物の製造方法。
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