JP2833433B2 - 積層板用エポキシ樹脂組成物および積層板の製造法 - Google Patents

積層板用エポキシ樹脂組成物および積層板の製造法

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JP2833433B2 JP22149493A JP22149493A JP2833433B2 JP 2833433 B2 JP2833433 B2 JP 2833433B2 JP 22149493 A JP22149493 A JP 22149493A JP 22149493 A JP22149493 A JP 22149493A JP 2833433 B2 JP2833433 B2 JP 2833433B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積層板用エポキシ樹脂
組成物ならびにこの組成物を使用した積層板の製造法に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器は構成部品の組込みが高
密度化し、これにともなって、電子機器に組込んで使用
されるプリント回路板の回路の細線・高密度化およびス
ルーホールの小径化が進んでいる。このような状況に対
応するためには、プリント回路板の基板となる積層板の
絶縁特性、特に、耐マイグレーション性が改善されなけ
ればならない。従来、耐マイグレーション性を改善する
ためには、マイグレーションの原因となる遊離金属イオ
ンを捕捉する金属イオン捕捉剤を樹脂中に配合すること
が提案されている。また、エポキシ樹脂積層板において
は、塩素イオンが遊離するので、塩素イオン捕捉剤を樹
脂中に配合することが提案されている。しかし、これら
イオン捕捉剤は樹脂との相溶性が悪かったり、イオン捕
捉剤を樹脂中に配合することによって、耐熱性が低下す
る。一方、エポキシ樹脂の一成分として配合するノボラ
ックエポキシ樹脂の軟化温度が高いほど耐熱性が向上す
ることより、通常、軟化温度が80℃を越えるノボラッ
クエポキシ樹脂が積層板製造に使用されている。しか
し、このようなノボラックエポキシ樹脂を配合したエポ
キシ樹脂組成物をシート状基材に含浸乾燥して製造した
プリプレグを長期保管すると、その間にプリプレグの硬
化度が進み、製造した積層板にボイドが発生しやすかっ
た。ボイドが存在すると積層板の耐熱性が低下する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する第一の課題は、エポキシ樹脂積層板における遊離塩
素イオンに着目し、これを低減して耐マイグレーション
性を向上させることである。第二の課題は、金属イオン
捕捉剤を配合した樹脂組成物を使用した場合に、積層板
特性を低下させることなく耐マイグレーション性を向上
させることである。第三の課題は、耐マイグレーション
性を向上させながら、耐熱性の低下が少なく、プリプレ
グの使用可能期間(ライフ)の長い樹脂組成物を得るこ
とである。
【0004】スルーホールが小径化しスルーホール間隔
が狭くなってくると、耐マイグレーション性の向上が一
層必要となってくるわけであるが、スルーホールのため
の穴明け加工をドリルで行なうとき、小径ドリルは曲が
りやすく位置ずれを起こしやすい。位置ずれで穴間隔が
設定値以上に狭くなる箇所ができると、そこでは、耐マ
イグレーション性を向上させた効果が半減してしまう。
本発明が解決しようとする第四の課題は、ガラス織布を
基材とするエポキシ樹脂積層板のドリル穴明け加工を位
置精度良く行なえるようにすることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記第一の課題を解決す
るために、本発明に係る積層板用エポキシ樹脂組成物
は、下記(A)〜(C)成分を触媒下に予備反応させた
生成物にジシアンジアミド(硬化剤)を配合したもので
ある。そして、(A)および(B)成分は前記予備反応
生成物中の加水分解性塩素が100ppm以下の量にな
るように選択されており、ジシアンジアミドの配合量は
予備反応生成物のエポキシ当量に対して0.45〜0.
6当量であることを特徴とするものである。 (A)ノボラックエポキシ樹脂 (B)多価フェノールのジグリシジルエーテル、また
は、そのアルキルあるいはハロゲン誘導体 (C)多価フェノール、または、そのアルキルあるいは
ハロゲン誘導体 第二の課題を解決する積層板用エポキシ樹脂組成物は、
上記(A)〜(C)成分に加えて、(D)反応性官能基
を有するキレート化剤を一緒に予備反応させたものであ
る。第三の課題を解決するために、(A)ノボラックエ
ポキシ樹脂の軟化温度を好ましくは50〜80℃に限定
する。
【0006】本発明に係る積層板の製造法は、シート状
基材に熱硬化性樹脂を含浸乾燥したプリプレグを加熱加
圧成形するものにおいて、熱硬化性樹脂が上記積層板用
エポキシ樹脂組成物であることを特徴とするものであ
る。また、上記第四の課題を解決するために、本発明に
係る積層板の製造法は、上記シート状基材がガラス織布
であり、ガラス織布を構成するガラス繊維が脆化処理さ
れたものであることを特徴とする。前記脆化処理は、好
ましくは、ガラス繊維表面に多孔質のゲル皮膜を形成す
る処理である。
【0007】
【作用】(A)〜(C)成分を触媒下に予備反応させた
積層板用エポキシ樹脂組成物は公知であり、骨格の異な
る(A)、(B)2種類のエポキシ樹脂を(C)の介在
で化学結合した分子構造となっている。このようなエポ
キシ樹脂組成物をシート状基材に含浸乾燥したプレプレ
グを加熱加圧成形すると硬化反応のバラツキが小さく、
(A)〜(C)成分を単に混合した組成物を使用して積
層板を製造した場合に較べて、耐熱性、耐薬品性、電気
特性に優れガラス転移温度の高い積層板を製造すること
ができる。プリント回路板のマイグレーション現象は、
基板である積層板が吸湿すると樹脂中のイオン分が溶出
して電位差のある隣接回路間に微小電流が流れ、回路を
構成する銅のイオン化を促進し銅イオンが回路間を移行
して、最終的には回路間で短絡を起こす現象である。エ
ポキシ樹脂の製造はエピクロルヒドリンを原料とするた
め、製造した樹脂中には副生成物として加水分解性塩素
が残る。従って、エポキシ樹脂積層板においては、イオ
ン化してマイグレーションの原因となる加水分解性塩素
が含まれている。本発明においては、予備反応生成物中
の加水分解性塩素が100ppm以下の量になるように
(A)および(B)成分を選択して積層板中に含まれる
加水分解性塩素の量を少なくしている。また、予備反応
生成物に配合するジシアンジアミドを、エポキシ当量に
対して0.6当量以下とすることにより、積層板中の加
水分解性塩素の量を少なく抑えている。このようにジシ
アンジアミドの配合量を少なくすると、ジシアンジアミ
ドを核とする硬化反応以外に、エポキシ基が開化して生
成した2級水酸基とエポキシ基の反応が起こるので、加
水分解性塩素を硬化樹脂の分子鎖中に取込むことがで
き、イオン化する加水分解性塩素を少なくできるのであ
る。予備反応生成物中の加水分解性塩素を100ppm
以下の量にしても、ジシアンジアミドの配合当量を0.
6当量以下としなければ、加水分解性塩素を硬化樹脂の
分子鎖中に取込むための上記反応が起こりにくく、積層
板中の加水分解性塩素を少なくできず、抽出電導率を低
くすることができない。しかし、ジシアンジアミドの配
合量を少なくし過ぎると、積層板の成形時に樹脂が十分
硬化せず、ガラス転移温度や接着強度が低下するので、
エポキシ当量に対して0.45以上としなければならな
い。(A)〜(C)成分に加えて、(D)反応性官能基
を有するキレート化剤を一緒に予備反応させると、予備
反応生成物の分子骨格中にキレート化剤が取り込まれる
ことにより、キレート化剤と樹脂の相溶性が改善される
と共に耐熱性の低下も見られなくなる。また、予備反応
生成物中の加水分解性塩素が100ppm以下で、
(A)ノボラックエポキシ樹脂の軟化温度を50〜80
℃に限定すると、耐熱性の低下が少なく、プリプレグの
ライフを長くできる。ノボラックエポキシ樹脂の軟化温
度が50℃より低い場合は、ノボラックエポキシ樹脂中
の2核体数が多量になっており、積層板のガラス転移温
度が低下する傾向にある。ノボラックエポキシ樹脂の軟
化温度が80℃を越えると、予備反応生成物の分子量分
布の高分子領域が増加し、プリプレグのライフが短かく
なる。ノボラックエポキシ樹脂の軟化温度が50〜80
℃の範囲であっても、予備反応生成物中の加水分解性塩
素が100ppm以下でないと、イミダゾール化合物な
どの硬化促進剤の量を増加しなければならず、プリプレ
グのライフに悪影響を及ぼす。
【0008】ガラス織布を構成するガラス繊維を脆化処
理しておくと、積層板にスルーホールメッキのためのド
リル穴明けをするとき、ドリルの位置ずれを起こしにく
くなる。ドリル穴明け加工の位置精度を高めスルーホー
ル間隔を正確に保てるので、ドリルの位置ずれでスルー
ホール間隔が狭くなる部分ができて耐マイグレーション
性を低下させるようなことがなくなる。ガラス繊維の脆
化処理は、ガラス織布を400〜500℃で加熱処理し
てガラス繊維の強度を弱くする処理でもよいが、ガラス
繊維表面に多孔質のゲル皮膜を形成する処理技術を採用
すると、ガラス繊維の芯まで強度を低下させないので積
層板の強度を維持する上で好ましいものである。
【0009】
【実施例】本発明に係る積層板用エポキシ樹脂組成物に
おいて、(A)成分は、フェノールノボラックエポキシ
樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、ビスフェノ
ールAノボラックエポキシ樹脂等である。(B)成分
は、ビスフェノールA、臭素化ビスフェノールA、ビス
フェノールF等多価フェノールのジグリシジルエーテ
ル、または、そのアルキルあるいはハロゲン誘導体であ
る。(C)成分は、ビスフェノールA、臭素化ビスフェ
ノールA、ビスフェノールF等多価フェノールまたは、
そのアルキルあるいはハロゲン誘導体である。(A)、
(B)および(C)成分の予備反応過程は公知であり、
骨格の異なる(A)、(B)成分のエポキシ樹脂を10
0℃で溶融混合し、(C)成分を配合して120℃前後
で撹拌することにより透明な溶融混合物を得る。これに
触媒を投入して140℃で反応を行なう。反応は、必要
に応じ溶媒で希釈して行なう。反応の終点は、エポキシ
当量の経時変化を測定し所定の点とする。この予備反応
に使用する触媒は、アルカリ性水酸化物およびハロゲン
化物、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の第3級
アミンおよびその塩酸塩類、塩化テトラメチルアンモニ
ウム、臭化テトラメチルアンモニウム等の第4級アンモ
ニウム塩、イミダゾール、2−エチル4−メチルイミダ
ゾール等のイミダゾール類、トリフェニルホスホニウム
等の酸性リン系化合物である。キレート化剤は、2,
2’−ジピリジル、8−キノリノール、クペロン、サリ
チル酸、m−アミノフェノール、イミノ2酢酸等を用い
ることができるが、これらは、エポキシ樹脂と反応する
水酸基、アミノ基等の官能基を含有しているものであれ
ば特に限定しない。
【0010】ガラス繊維表面の多孔質のゲル皮膜は、ガ
ラス繊維表面で金属アルコキシド化合物を収縮させるこ
とによって形成することができる。本発明に係る方法で
製造する積層板は、両面または片面銅張り積層板、多層
回路板用の積層板も含むものである。また、樹脂ワニス
を含浸するシート状基材は、ガラス織布とガラス不織布
を組み合わせて使用してもよい。
【0011】(実施例1)請求項1,3、請求項5,6
に相当 撹拌機、冷却管、窒素ガス導入装置および温度計を備え
た四ッ口フラスコに、 クレゾールノボラック型エポキシ樹脂200g(油化シ
ェルエポキシ製「E−180」,エポキシ当量210g
/eq,加水分解性塩素200ppm、軟化温度70
℃) ビスフェノールA型エポキシ樹脂600g(油化シェル
エポキシ製「Ep−828」,エポキシ当量187g/
eq,加水分解性塩素30ppm) ビスフェノールA200g を投入し、2−エチル4−メチルイミダゾール(2E4
MEZ)0.08gの存在下に140℃で3時間反応さ
せ、予備反応物Aを得た(エポキシ等量415g/e
q,加水分解性塩素75ppm)。予備反応物Aに0.
55等量のジシアンジアミド(DICY)を添加し、2
E4MEZ(硬化促進剤)を添加し170℃のゲル化時
間を4分とした(樹脂組成物A)。樹脂組成物Aを、ガ
ラス繊維表面に多孔質のゲル皮膜を有するガラス織布
(旭シュエーベル製「G7195/AS633AV」)
に含浸、乾燥してプリプレグを得、このプリプレグ複数
枚を重ねた両面に銅箔を重ね合わせ、常法により、加熱
加圧成形して、厚さ1.6mmの両面銅張り積層板を得
た。
【0012】尚、上記の加水分解性塩素量の測定は、予
備反応物をメチルエチルケトンに溶解した後、エチレン
グリコールモノブチルエーテル、アルカリ性エチレング
リコールモノブチルエーテルおよび氷酢酸を加え、0.
01N硝酸銀標準液を用いて滴定で行なった。ノボラッ
クエポキシ樹脂の軟化温度の測定は、JIS K 25
31に準拠した。以下の実施例、比較例等においても同
様である。
【0013】(実施例2)請求項1,3、請求項5,6
に相当 撹拌機、冷却管、窒素ガス導入装置および温度計を備え
た四ッ口フラスコに、 クレゾールノボラック型エポキシ樹脂200g(油化シ
ェルエポキシ製「E−180」,エポキシ当量210g
/eq,加水分解性塩素200ppm,軟化温度70
℃) ビスフェノールA型エポキシ樹脂600g(油化シェル
エポキシ製「Ep−828」,エポキシ当量187g/
eq,加水分解性塩素80ppm) ビスフェノールA200g を投入し、2E4MEZ0.08gの存在下に140℃
で3時間反応させ、予備反応物Bを得た(エポキシ等量
415g/eq,加水分解性塩素90ppm)。予備反
応物Bに0.58等量のDICYを添加し、2E4ME
Zを添加し170℃のゲル化時間を4分とした(樹脂組
成物B)。樹脂組成物Bを、実施例1と同様のガラス織
布に含浸、乾燥してプリプレグを得、このプリプレグを
用いて実施例1と同様に加熱加圧成形して、厚さ1.6
mmの銅張り積層板を得た。
【0014】(実施例3)請求項1,3、請求項5,6
に相当 撹拌機、冷却管、窒素ガス導入装置および温度計を備え
た四ッ口フラスコに、 フェノールノボラック型エポキシ樹脂200g(油化シ
ェルエポキシ製「E−154」,エポキシ当量176g
/eq,加水分解性塩素200ppm、軟化温度65
℃) ビスフェノールA型エポキシ樹脂500g(油化シェル
エポキシ製「Ep−828」,エポキシ当量187g/
eq,加水分解性塩素80ppm) テトラブロモビスフェノールA300g を投入し、トリフェニルホスホニウム0.08gの存在
下に140℃で4時間反応させ、予備反応物Cを得た
(エポキシ等量370g/eq,加水分解性塩素90p
pm)。予備反応物Cに0.45等量のDICYを添加
し、2E4MEZを添加し170℃のゲル化時間を4分
とした(樹脂組成物C)。樹脂組成物Cを、実施例1と
同様のガラス織布に含浸、乾燥してプリプレグを得、こ
のプリプレグを用いて実施例1と同様に加熱加圧成形し
て、厚さ1.6mmの銅張り積層板を得た。
【0015】(実施例4)請求項2,3、請求項5,6
に相当 撹拌機、冷却管、窒素ガス導入装置および温度計を備え
た四ッ口フラスコに、 フェノールノボラック型エポキシ樹脂200g(油化シ
ェルエポキシ製「E−154」,エポキシ当量176g
/eq,加水分解性塩素200ppm、軟化温度65
℃) ビスフェノールA型エポキシ樹脂500g(油化シェル
エポキシ製「Ep−828」,エポキシ当量187g/
eq,加水分解性塩素80ppm) テトラブロモビスフェノールA300g 2,2’−ジピリジル10g を投入し、2E4MEZ0.04gの存在下に140℃
で3時間反応させ、予備反応物Dを得た(エポキシ等量
380g/eq,加水分解性塩素100ppm)。予備
反応物Dに0.45等量のDICYを添加し、2E4M
EZを添加し170℃のゲル化時間を4分とした(樹脂
組成物D)。樹脂組成物Dを、実施例1と同様のガラス
織布に含浸、乾燥してプリプレグを得、このプリプレグ
を用いて実施例1と同様に加熱加圧成形して、厚さ1.
6mmの銅張り積層板を得た。
【0016】(実施例5)請求項1,3、請求項5,6
に相当 樹脂組成物Aを、脆化処理をしていない通常のガラス織
布に含浸、乾燥してプリプレグを得、このプリプレグを
用いて実施例1と同様に加熱加圧成形して、厚さ1.6
mmの銅張り積層板を得た。
【0017】(実施例6)撹拌機、冷却管、窒素ガス導
入装置および温度計を備えた四ッ口フラスコに、 クレゾールノボラック型エポキシ樹脂200g(油化シ
ェルエポキシ製「E−180」,エポキシ当量210g
/eq,加水分解性塩素200ppm、軟化温度80
℃) ビスフェノールA型エポキシ樹脂600g(油化シェル
エポキシ製「Ep−828」,エポキシ当量187g/
eq,加水分解性塩素30ppm) ビスフェノールA200g を投入し、2E4MEZ0.08gの存在下に140℃
で3時間反応させ、予備反応物Eを得た(エポキシ等量
425g/eq,加水分解性塩素75ppm)。予備反
応物Eに0.55等量のDICYを添加し、2E4ME
Zを添加し170℃のゲル化時間を4分とした(樹脂組
成物E)。樹脂組成物Eを、実施例1と同様のガラス織
布に含浸、乾燥してプリプレグを得、このプリプレグを
用いて実施例1と同様に加熱加圧成形して、厚さ1.6
mmの銅張り積層板を得た。
【0018】(実施例7)請求項1,3、請求項5,6
に相当 撹拌機、冷却管、窒素ガス導入装置および温度計を備え
た四ッ口フラスコに、 クレゾールノボラック型エポキシ樹脂200g(油化シ
ェルエポキシ製「E−180」,エポキシ当量210g
/eq,加水分解性塩素200ppm、軟化温度50
℃) ビスフェノールA型エポキシ樹脂600g(油化シェル
エポキシ製「Ep−828」,エポキシ当量187g/
eq,加水分解性塩素30ppm) ビスフェノールA200g を投入し、2E4MEZ0.08gの存在下に140℃
で3時間反応させ、予備反応物Fを得た(エポキシ等量
400g/eq,加水分解性塩素70ppm)。予備反
応物Fに0.55等量のDICYを添加し、2E4ME
Zを添加し170℃のゲル化時間を4分とした(樹脂組
成物F)。樹脂組成物Fを、実施例1と同様のガラス織
布に含浸、乾燥してプリプレグを得、このプリプレグを
用いて実施例1と同様に加熱加圧成形して、厚さ1.6
mmの銅張り積層板を得た。
【0019】(実施例8)請求項1、請求項5,6に相
当 撹拌機、冷却管、窒素ガス導入装置および温度計を備え
た四ッ口フラスコに、 クレゾールノボラック型エポキシ樹脂200g(油化シ
ェルエポキシ製「E−180」,エポキシ当量205g
/eq,加水分解性塩素200ppm、軟化温度45
℃) ビスフェノールA型エポキシ樹脂600g(油化シェル
エポキシ製「Ep−828」,エポキシ当量187g/
eq,加水分解性塩素30ppm) ビスフェノールA200g を投入し、2E4MEZ0.08gの存在下に140℃
で3時間反応させ、予備反応物Gを得た(エポキシ等量
400g/eq,加水分解性塩素70ppm)。予備反
応物Gに0.55等量のDICYを添加し、2E4ME
Zを添加し170℃のゲル化時間を4分とした(樹脂組
成物G)。樹脂組成物Gを、実施例1と同様のガラス織
布に含浸、乾燥してプリプレグを得、このプリプレグを
用いて実施例1と同様に加熱加圧成形して、厚さ1.6
mmの銅張り積層板を得た。
【0020】(実施例9)請求項1,請求項5,6に相
当 撹拌機、冷却管、窒素ガス導入装置および温度計を備え
た四ッ口フラスコに、 クレゾールノボラック型エポキシ樹脂200g(油化シ
ェルエポキシ製「E−180」,エポキシ当量205g
/eq,加水分解性塩素200ppm、軟化温度85
℃) ビスフェノールA型エポキシ樹脂600g(油化シェル
エポキシ製「Ep−828」,エポキシ当量187g/
eq,加水分解性塩素30ppm) ビスフェノールA200g を投入し、2E4MEZ0.08gの存在下に140℃
で3時間反応させ、予備反応物Hを得た(エポキシ等量
415g/eq,加水分解性塩素75ppm)。予備反
応物Hに0.55等量のDICYを添加し、2E4ME
Zを添加し170℃のゲル化時間を4分とした(樹脂組
成物H)。樹脂組成物Hを、実施例1と同様のガラス織
布に含浸、乾燥してプリプレグを得、このプリプレグを
用いて実施例1と同様に加熱加圧成形して、厚さ1.6
mmの銅張り積層板を得た。
【0021】(比較例1)撹拌機、冷却管、窒素ガス導
入装置および温度計を備えた四ッ口フラスコに、 クレゾールノボラック型エポキシ樹脂200g(油化シ
ェルエポキシ製「E−180」,エポキシ当量210g
/eq,加水分解性塩素200ppm、軟化温度70
℃) ビスフェノールA型エポキシ樹脂600g(油化シェル
エポキシ製「Ep−828」,エポキシ当量187g/
eq,加水分解性塩素120ppm) ビスフェノールA200g を投入し、2E4MEZ0.08gの存在下に140℃
で3時間反応させ、予備反応物Iを得た(エポキシ等量
415g/eq,加水分解性塩素130ppm)。予備
反応物Iに0.55等量のDICYを添加し、2E4M
EZを添加し170℃のゲル化時間を4分とした(樹脂
組成物I)。樹脂組成物Iを、実施例1と同様のガラス
織布に含浸、乾燥してプリプレグを得、このプリプレグ
を用いて実施例1と同様に加熱加圧成形して、厚さ1.
6mmの銅張り積層板を得た。
【0022】(比較例2)予備反応物Aに0.63等量
のDICYを添加し、2E4MEZを添加し170℃の
ゲル化時間を4分とした(樹脂組成物J)。樹脂組成物
Jを、実施例1と同様のガラス織布に含浸、乾燥してプ
リプレグを得、このプリプレグを用いて実施例1と同様
に加熱加圧成形して、厚さ1.6mmの銅張り積層板を得
た。
【0023】(比較例3)予備反応物Aに0.43等量
のDICYを添加し、2E4MEZを添加し170℃の
ゲル化時間を4分とした(樹脂組成物K)。樹脂組成物
Kを、実施例1と同様のガラス織布に含浸、乾燥してプ
リプレグを得、このプリプレグを用いて実施例1と同様
に加熱加圧成形して、厚さ1.6mmの銅張り積層板を得
た。
【0024】(従来例1) クレゾールノボラック型エポキシ樹脂200g(油化シ
ェルエポキシ製「E−180」,エポキシ当量210g
/eq,加水分解性塩素200ppm、軟化温度90
℃) ビスフェノールA型エポキシ樹脂300g(油化シェル
エポキシ製「E−1001」,エポキシ当量450g/
eq) 低臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂500g(油
化シェルエポキシ製「E−5046」,エポキシ当量4
75g/eq)を溶解混合し、0.50等量のDICY
を添加し、2E4MEZを添加し170℃のゲル化時間
を4分とした(樹脂組成物L,エポキシ等量380g/
eq,加水分解性塩素280ppm)。樹脂組成物L
を、脆化処理をしていない通常のガラス織布に含浸、乾
燥してプリプレグを得、このプリプレグを用いて実施例
1と同様に加熱加圧成形して、厚さ1.6mmの銅張り積
層板を得た。
【0025】(従来例2) クレゾールノボラック型エポキシ樹脂200g(油化シ
ェルエポキシ製「E−180」,エポキシ当量210g
/eq,加水分解性塩素200ppm、軟化温度90
℃) ビスフェノールA型エポキシ樹脂300g(油化シェル
エポキシ製「E−1001」,エポキシ当量450g/
eq) 低臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂500g(油
化シェルエポキシ製「E−5046」,エポキシ当量4
75g/eq) 2,2’−ジピリジル10g を溶解混合し、0.50等量のDICYを添加し、2E
4MEZを添加し170℃のゲル化時間を4分とした
(樹脂組成物M,エポキシ等量380g/eq,加水分
解性塩素280ppm)。樹脂組成物Mを、脆化処理を
していない通常のガラス織布に含浸、乾燥してプリプレ
グを得、このプリプレグを用いて実施例1と同様に加熱
加圧成形して、厚さ1.6mmの銅張り積層板を得た。
【0026】実施例の樹脂組成物の性状を表1に、比較
例および従来例の樹脂組成物の性状を表2にそれぞれま
とめて示す。また、実施例で得た銅張り積層板の特性を
表3に、比較例および従来例で得た銅張り積層板の特性
を表4に示す。特性の評価方法は次のとおりである。 (1)銅箔ピール強度:JIS C−6481に準拠。 (2)抽出導電率:積層板を200メッシュ程度に粉砕
した試料2gを、テフロン容器に入れた純水20cc中に
沈め、テフロン容器を密封状態で121℃のオーブンに
入れ168時間処理した後、水の導電率を測定。 (3)耐マイグレーション:銅張り積層板を図1の回路
パターンのプリント回路板に加工し(スルホールの穴径
0.3mm,めっき厚25μm,穴壁間隔0.3mm)、8
5℃/85%RH雰囲気中で50Vの電圧をかけ、回路
パターン間の抵抗値が108Ω以下となる時間を測定。 (4)穴位置ずれ量および位置バラツキ:銅張り積層板
を3枚重ね(下面には1.5mm厚フェノール樹脂積層
板、上面には0.2mm厚アルミニウム板を配置)、0.
4mm径のドリル(ユニオンツール製 ST30)を用い
て、回転数70krpm、送り速度20μm/revで
穴明け10,000hit後に測定。 (5)耐湿耐熱性:プレッシャークカー処理(121
℃)4時間後に260℃の半田浴に浸漬し、表面にフク
レが発生するまでの時間を測定。 (6)プリプレグのライフ:プリプレグを40℃のオー
ブン中に10日間保管し、プリプレグのゲル化時間の変
化を測定して数1により求める。
【0027】
【数1】
【0028】(7)ガラス転移温度(Tg):熱機械分
析(TMA)を用い、積層板の厚み方向の膨張量の変曲
温度を示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】
【発明の効果】表3、表4から明らかなように、本発明
に係る樹脂組成物を用いた積層板は、耐マイグレーショ
ン性を向上させることができ、銅箔のピール強度が大き
いことから樹脂の硬化反応も十分に進んでいることが分
かる。反応性官能基をもつキレート化剤を(A)〜
(C)成分と一緒に予備反応させたときには、耐熱性を
低下させることなく、さらに耐マイグレーション性を向
上させることがでる。(A)ノボラックエポキシ樹脂と
して、軟化温度が50〜80℃のものを用いると、プリ
プレグのライフが長くなり耐熱性も優れたものになる。
また、積層板の基材として脆化処理したガラス繊維から
なるガラス織布を用いると、ドリル穴明けの位置精度が
高くなりスルーホール間隔に狭いところができにくいの
で、前記の耐マイグレーション性の効果が顕著になり、
高密度プリント回路板用として有用なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】耐マイグレーションの試験を行なうプリント回
路板の回路パターンを示す説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−288318(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 59/14 C08G 59/44 - 59/46 B32B 17/04 C08J 5/24

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(A)〜(C)成分の触媒下の予備反
    応生成物にジシアンジアミド(硬化剤)を配合してな
    り、(A)および(B)成分は前記予備反応生成物中の
    加水分解性塩素が100ppm以下の量になるように選
    択されており、ジシアンジアミドの配合量は予備反応生
    成物のエポキシ当量に対して0.45〜0.60当量で
    あることを特徴とする積層板用エポキシ樹脂組成物。 (A)ノボラックエポキシ樹脂 (B)多価フェノールのジグリシジルエーテル、また
    は、そのアルキルあるいはハロゲン誘導体 (C)多価フェノール、または、そのアルキルあるいは
    ハロゲン誘導体
  2. 【請求項2】下記(A)〜(D)成分の触媒下の予備反
    応生成物にジシアンジアミド(硬化剤)を配合してな
    り、(A)および(B)成分は前記予備反応生成物中の
    加水分解性塩素が100ppm以下の量になるように選
    択されており、ジシアンジアミドの配合量は予備反応生
    成物のエポキシ当量に対して0.45〜0.6当量であ
    ることを特徴とする積層板用エポキシ樹脂組成物。 (A)ノボラックエポキシ樹脂 (B)多価フェノールのジグリシジルエーテル、また
    は、そのアルキルあるいはハロゲン誘導体 (C)多価フェノール、または、そのアルキルあるいは
    ハロゲン誘導体 (D)反応性官能基を有するキレート化剤
  3. 【請求項3】(A)ノボラックエポキシ樹脂の軟化温度
    が50〜80℃であることを特徴とする請求項1または
    2に記載の積層板用エポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】シート状基材に熱硬化性樹脂を含浸乾燥し
    たプリプレグを加熱加圧成形する積層板の製造におい
    て、前記熱硬化性樹脂が請求項1〜3のいずれかに記載
    の積層板用エポキシ樹脂組成物である積層板の製造法。
  5. 【請求項5】シート状基材がガラス織布であり、ガラス
    織布を構成するガラス繊維が脆化処理されたものである
    請求項4記載の積層板の製造法。
  6. 【請求項6】脆化処理が、ガラス繊維表面に多孔質のゲ
    ル皮膜を形成する処理である請求項5記載の積層板の製
    造法。
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