JPH0717287A - 車両のトルク分配装置 - Google Patents

車両のトルク分配装置

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JPH0717287A
JPH0717287A JP16794993A JP16794993A JPH0717287A JP H0717287 A JPH0717287 A JP H0717287A JP 16794993 A JP16794993 A JP 16794993A JP 16794993 A JP16794993 A JP 16794993A JP H0717287 A JPH0717287 A JP H0717287A
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JP
Japan
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hydraulic pump
vehicle
hydraulic
torque
oil
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JP16794993A
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English (en)
Inventor
Koji Shibahata
康二 芝端
Tetsushi Asano
哲史 浅野
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両のトルク分配装置において、トルク分配
を行う油圧モータを駆動するためのエネルギーを節減す
る。 【構成】 エンジンEのトルクを左輪WL 及び右輪WR
に所定の比率で分配すべく、主差動装置Dに付設された
遊星歯車装置Pを駆動する油圧モータ24が、斜板式の
可変容量型油圧ポンプ20に接続される。油圧ポンプ2
0の回転数は車速に比例しており、且つその斜板はステ
アリングホイールに接続されて斜板傾転角が操舵角に比
例するように制御される。その結果、油圧ポンプ20の
吐出量は必要充分な値、すなわち適切なトルク配分を行
わせるための回転数で油圧モータ24を駆動するのに必
要充分な値に抑えられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンのトルクを少
なくとも2つの出力軸に所定の比率で分配制御するため
のトルク分配用駆動源を備えた車両のトルク分配装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の動力伝達系に設けられる差動装
置は、自動車の旋回時に左右の車輪に生じる回転速度差
を吸収し、エンジンのトルクを左右両輪に適切な比率で
分配するように構成される。しかしながら、一般の差動
装置は左右の車輪に加わる負荷の差により作動するた
め、一方の車輪が摩擦係数が小さい路面に乗り上げて空
転したような場合に、他方の車輪へのトルクの伝達量が
減少したりトルクの伝達が遮断される問題がある。
【0003】かかる不都合を回避するために、操舵角や
車速に基づいて差動装置を積極的に制御し、その時の運
転状態に適したトルクを左右の車輪に分配する車両のト
ルク分配装置が、特開平1−282075号公報におい
て提案されている。このトルク分配装置によれば、油圧
ポンプが吐出する圧油で作動する油圧モータによって左
右の車輪に分配されるトルクの大きさを制御することが
可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の車両のトルク分配装置は、車両の走行中であればト
ルク分配が行われていないとき(すなわち、油圧モータ
が作動していないとき)であっても油圧ポンプが圧油を
吐出しているため、該油圧ポンプを駆動するためのエネ
ルギーが無駄に消費される不具合がある。
【0005】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、トルク分配用駆動源を作動させるためのエネルギー
を節減することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載された発明は、エンジンのトルクを
少なくとも2つの出力軸に所定の比率で分配制御するた
めのトルク分配用駆動源を備えた車両のトルク分配装置
において、前記トルク分配用駆動源を可変容量型の油圧
ポンプによって駆動される油圧モータで構成し、前記油
圧ポンプがトルク分配制御時に圧油を吐出するように構
成したことを特徴とする。
【0007】また、請求項2に記載された発明は、請求
項1の構成に加えて、前記油圧ポンプが車速に応じた回
転数で駆動される斜板式油圧ポンプであり、この斜板式
油圧ポンプの斜板傾転角が操舵角に応じて制御されるこ
とを特徴とする。
【0008】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。
【0009】図1は本発明の第1実施例による車両のト
ルク分配装置を、フロントエンジン・フロントドライブ
車に適用したものである。同図に示すように、車体に横
置きに搭載したエンジンEにはミッションMが接続さ
れ、そのミッションMの出力軸である差動装置入力軸1
はプラネタリギヤ式の主差動装置Dに駆動力を伝達する
ための入力ギヤ2を備える。
【0010】主差動装置Dは前記差動装置入力軸1の入
力ギヤ2に噛合する外歯ギヤ3を外周に有するリングギ
ヤ4と、このリングギヤ4の内部に同軸に配設されたサ
ンギヤ5と、前記リングギヤ4に噛合するアウタプラネ
タリギヤ6及び前記サンギヤ5に噛合するインナプラネ
タリギヤ7を、それらが相互に噛合する状態で支持する
プラネタリキャリヤ8とから構成される。前記主差動装
置Dは、そのリングギヤ4が入力要素として機能すると
ともに、一方の出力要素として機能するプラネタリキャ
リヤ8が右シャフト9を介して右輪WR に接続され、他
方の出力要素として機能するサンギヤ5が左シャフト1
0を介して左輪WL に接続される。
【0011】次に、主差動装置Dの入力要素であるリン
グギヤ4から入力されたトルクを2つの出力要素である
プラネタリキャリヤ8とサンギヤ5とに所定の比率で分
配する遊星歯車装置Pの構造を説明する。
【0012】遊星歯車装置Pにおいて、左シャフト10
に結合した第1の要素としてのプラネタリキャリヤ12
に設けられたプラネタリギヤ13は、左シャフト10に
相対回転自在に支持した第3の要素としてのサンギヤ1
4に噛合するとともにプラネタリキャリヤ12の外周に
配設した第2の要素としてのリングギヤ15に噛合す
る。主差動装置Dのプラネタリキャリヤ8と一体に形成
した外歯ギヤ16と遊星歯車装置Pのリングギヤ15に
形成した外歯ギヤ17とは、一体に形成された一対のピ
ニオン18,19にそれぞれ噛合する。これにより主差
動装置Dと遊星歯車装置Pが相互に連結される。
【0013】さて、遊星歯車装置Pのプラネタリギヤ1
3、サンギヤ14及びリングギヤ15の歯数をそれぞれ
P ,ZS ,ZR とし、プラネタリキャリヤ12、サン
ギヤ14及びリングギヤ15の回転速度をそれぞれω
C , ωS ,ωR とすると、サンギヤ14を固定した場合
(すなわちωS =0)には、良く知られているように、 ωR =ωC ×(1+ZS /ZR ) ・・・ が成り立つ。
【0014】ここで右輪WR と左輪WL とが同一速度で
回転する場合を考えると、左輪WLと一体に回転する前
記遊星歯車装置Pのプラネタリキャリヤ12の回転速度
は前述のようにωC であり、その左輪WL と同一速度で
ある右輪WR と一体に回転する主差動装置Dのプラネタ
リキャリヤ8の回転速度もωC となる。そして、遊星歯
車装置Pのプラネタリキャリヤ12により駆動されるリ
ングギヤ15の回転速度ωR は前記式によりωC ×
(1+ZS /ZR )で表される。
【0015】すなわち、右輪WR と左輪WL とが同一速
度ωC で回転するためには、主差動装置Dのプラネタリ
キャリヤ8の回転速度がωC となり、遊星歯車装置Pの
リングギヤ15の回転速度がωC ×(1+ZS /ZR
となるように、前記一対のピニオン18,19によりプ
ラネタリキャリヤ8とリングギヤ15とを相互に連動連
結する必要がある。そのためには、リングギヤ15に形
成した外歯ギヤ17の半径r1 とプラネタリキャリヤ8
に形成した外歯ギヤ16の半径r2 とが、 r2 /r1 =1+(ZS /ZR ) ・・・ の関係を満たすように設定すれば良い。
【0016】周知のアキシャルピストン型の可変容量油
圧ポンプ20は、リングギヤ4と一体に形成された外歯
ギヤ3に噛合するピニオン21に接続されて駆動され
る。油圧ポンプ20は油路22,23を介して油圧モー
タ24に接続されており、この油圧モータ24の出力軸
に設けたピニオン25が遊星歯車装置Pのサンギヤ14
と一体に形成された遊星歯車装置入力ギヤ26に噛合す
る。
【0017】ステアリングホイールの操作に連動して車
体左右方向に移動するステアリングギヤ27の両端は、
一対のボーデンワイヤ28,29を介して前記油圧ポン
プ20の斜板を駆動する容量調整レバー30に接続され
る。従って、ステアリングホイールが中立状態にあると
きに油圧ポンプ20の吐出量は0になり、ステアリング
ホイールを一方向に操舵すると、その操舵角及びそのと
きのピニオン21の回転数(すなわち車速)に応じた量
の圧油が油圧ポンプ20から油路22側に吐出され、ス
テアリングホイールを他方向に操舵すると、その操舵角
及びそのときの車速に応じた量の圧油が油圧ポンプ20
から油路23側に吐出される。
【0018】図2から明らかなように、電子制御ユニッ
トUに接続された油圧制御手段34は、油タンク35と
油路22,23との間にストレーナ36、チャージポン
プ37、調圧弁38及び一対のチェック弁39,40備
えており、また前記調圧弁38と油路22,23との間
にリリーフ弁41及び一対のチェック弁42,43を備
える。リリーフ弁41は電子制御ユニットUに接続され
て制御されるリニアソレノイド44と、このリニアソレ
ノイド44によってセット荷重を調節し得る弁ばね45
と、この弁ばね45によって閉弁方向に付勢された弁体
46とを備えており、前記油路22,23の油圧が弁ば
ね45のセット荷重によって決定されるリリーフ圧を越
えると開弁する。而して、油路22,23の一方の油圧
がリリーフ弁41のリリーフ圧を越えると、その油圧は
チェック弁39またはチェック弁40を介して他方の油
路22,23に逃がされる。また、油路22,23から
失われた油は、チャージポンプ37から調圧弁38及び
チェック弁39,40を介して油路22,23に補給さ
れる。
【0019】また、油路22,23には電子制御ユニッ
トUに接続される油圧センサ47,48がそれぞれ設け
られており、この油圧センサ47,48の出力に基づい
てリリーフ弁41のリリーフ圧を調整することにより油
路22,23の油圧をフィードバック制御し、油圧モー
タ24の回転数を調整することができる。
【0020】次に、前述の構成を備えた本発明の第1実
施例の作用について説明する。
【0021】車両の通常走行時にはトルク分配モードが
適用され、電子制御ユニットUからの指令によって油圧
制御手段34のリリーフ弁41の弁ばね45のセット荷
重が高められる。これにより、油路22,23相互の連
通が阻止されて油圧ポンプ20の吐出油は油圧モータ2
4に供給される。そして、油圧ポンプ20の吐出方向は
操舵方向によって決定され、また吐出量は操舵角及び車
速によって決定されるため、油圧モータ24はステアリ
ングホイールの操舵方向及び操舵角、並びに車速に応じ
て駆動されることになる。
【0022】ステアリングホイールが操作されない車両
の直進走行時には、油圧ポンプ20の斜板を駆動する容
量調整レバー30が中立位置に保持されるため、油圧ポ
ンプ20の吐出量は0となって油圧モータ24は停止状
態に保持され、その油圧モータ24のピニオン25に遊
星歯車装置入力ギヤ26を介して接続された遊星歯車装
置Pのサンギヤ14が固定される。このとき主差動装置
Dのプラネタリキャリヤ8と遊星歯車装置Pのプラネタ
リキャリヤ12とは、前述のようにリングギヤ15、外
歯ギヤ17、ピニオン19、ピニオン18及び外歯ギヤ
16を介して所定のギヤ比で連動連結されている。した
がって、両プラネタリキャリヤ8,12の回転速度、す
なわち主差動装置Dの一対の出力要素であるプラネタリ
キャリヤ8及びサンギヤ5の回転速度は強制的に一致せ
しめられ、右輪WR と左輪WL とは同一速度で回転す
る。
【0023】さて、車両を旋回させるべくステアリング
ホイールが操作されると、操舵方向、操舵角及び車速に
応じて油圧ポンプ20が駆動され、その吐出油によって
油圧モータ24が所定の回転方向及び回転速度で回転す
る。その結果、遊星歯車装置Pのサンギヤ14が回転
し、両プラネタリキャリヤ8,12の回転速度、すなわ
ち主差動装置Dのプラネタリキャリヤ8及びサンギヤ5
の回転速度に所定の差が発生する。而して、ミッション
Mから主差動装置Dのリングギヤ4に伝達されたトルク
は、油圧モータ24の回転方向及び回転速度により決定
される所定の比率で左右両輪WL ,WR に伝達される。
【0024】このとき、右輪WR の回転数ω1 と左輪W
L の回転数ω2 との間の回転数差Δωを車両の旋回状態
に見合った適切な大きさとすべく、油圧ポンプ20の吐
出量が調節されて油圧モータ24の回転数が決定され
る。
【0025】これを図3に基づいて説明する。ホイール
ベースL、トレッドTの車両が、車速V、操舵角θ、車
両の旋回半径R、右輪WR の旋回半径R1 、左輪WL
旋回半径R2 、ヨーレートY(=V/R)で左旋回して
いると仮定すると、右輪WRの回転数ω1 と左輪WL
回転数ω2 との間の回転数差Δωは、 Δω=ω1 −ω2 ∝Y×R1 −Y×R2 =Y×T =(V/R)×T ・・・ で表される。従って、左右両輪WL ,WR の回転数差Δ
ωは車速Vに比例し、且つ旋回半径に反比例することに
なる。
【0026】次に、旋回半径Rと操舵角θとの関係を考
えると、図1からR sinθ=Lであり、θが小さいとに
きは、R≒L/θであるから、前記式は、、 Δω∝(T/L)×V×θ ・・・ となる。式は、左右両輪WL ,WR の回転数差Δωは
車速Vに比例し、且つ操舵角θに比例することを示して
いる。
【0027】また、前記回転数差Δωは油圧モータ24
の回転数に比例し、且つ油圧モータ24の回転数は、該
油圧モータ24の容量QM を一定とすれば油圧ポンプ2
0の吐出量QP に比例する。更に、良く知られているよ
うに、斜板傾転角αが小さいときには、油圧ポンプ20
の吐出量QP は斜板傾転角αに比例し、且つ該油圧ポン
プ20の回転数(すなわち車速V)に比例する。従っ
て、回転数差Δωは、 Δω∝QP ∝α×V ・・・ で表される。
【0028】而して、前記式及び式から、 α∝(T/L)×θ ・・・ が導かれる。この式は、油圧ポンプ20が車速Vに比
例して駆動されている場合には、油圧ポンプ20の斜板
傾転角αを操舵角θに比例させることにより、すなわち
本実施例の如くステアリングホイールの操作に連動する
ステアリングギヤ27をボーデンワイヤ28,29を介
して油圧ポンプ20の斜板を駆動する容量調整レバー3
0に接続することにより、左右両輪WL ,WR の間に、
そのときの旋回状態(すなわち、車速V及び操舵角θ)
に見合った適切な回転数差Δωを発生させ、安定した旋
回を行わせることが可能となることを示している。尚、
油圧ポンプ20が車速に応じて駆動されず、例えば一定
回転数で駆動される場合であっても、油圧ポンプ20の
斜板傾転角αを車速Vと操舵角θとの積に比例させるこ
とにより、前述と同様の回転数差Δωを得ることができ
る。
【0029】また、電子制御ユニットUからの指令でリ
リーフ弁41の弁ばね45のセット荷重を弱めてリリー
フ圧を低下させることにより、油圧ポンプ20の吐出油
の一部を油路22,23間で短絡させて油圧モータ24
の回転数を低下させ、左右両輪WL ,WR へのトルクの
分配を適宜調整することができる。
【0030】以上のように、ステアリングホイールが操
作されない場合に油圧ポンプ20の吐出量が0とされ、
またステアリングホイールが操作された場合には操舵角
に比例して油圧ポンプ20の吐出量が増加するので、油
圧ポンプ20の駆動に要するエネルギーが必要最小限に
押さえられ、エンジンEの出力が無駄に消費されること
がない。
【0031】次に、図4に基づいて本発明の第2実施例
を説明する。
【0032】第2実施例は、車速に応じて駆動される可
変容量型の油圧ポンプ20の斜板が電気モータ49に接
続されており、操舵角センサ31に接続された電子制御
ユニットUからの指令で電気モータ49を駆動すること
により、油圧ポンプ20の吐出方向及び吐出量が制御さ
れる。また、油路22,23はシャトル弁50及びリリ
ーフ弁51を介して油タンク35に接続される。その他
の構成は、前述の第1実施例と同様である。
【0033】而して、リリーフ弁41のセット荷重を高
めて両油路22,23の短絡を防止した状態で、操舵角
センサ31で検出した操舵角に基づいて電気モータ49
を駆動し、油圧ポンプ20の斜板傾転角を前記操舵角に
比例するように制御する。このとき、油圧ポンプ20の
回転数は車速に比例するため、結局油圧ポンプ20の吐
出量は車速及び操舵角に比例したものとなり、第1実施
例と同様にして左右両輪WL ,WR の間に旋回状態に見
合った適切な回転数差Δωを発生させ、安定した旋回を
行わせることが可能となる。
【0034】また、上記トルク分配モードにおいて、油
圧モータ24から低圧側の油路22,23に吐出された
比較的高温の油が、シャトル弁50及びリリーフ弁51
を介して油タンク35に逃がされる。
【0035】この第2実施例においても、ステアリング
ホイールが操作されていないときには油圧ポンプ20の
吐出量が0とされ、ステアリングホイールが操作される
と操舵角に比例した吐出量が発生するので、油圧ポンプ
20の駆動ネエルギーを最小限に抑えることができる。
【0036】次に、図5に基づいて本発明の第3実施例
を説明する。
【0037】第3実施例は、第2実施例における電気モ
ータ49の駆動力を、油圧アシスト機構52で増幅して
油圧ポンプ20の斜板を駆動するものである。油圧アシ
スト機構52は、ケーシング53の内部に油圧ポンプ2
0の斜板に接続された第1スプール54を摺動自在に収
納するともに、第1スプール54の内部に電気モータ4
9に接続された第2スプール55を摺動自在に収納した
もので、調圧弁38に連なる高圧(P1 )の第1油室5
6と、チェック弁57を介して油タンク35に連なる中
圧(P2 )の第2油室58と、油タンク35に連なる低
圧(P3 ≒0)の第3油室59とを備える。
【0038】而して、電気モータ49が停止していると
き、第1スプール54と第2スプール55との間に形成
される第1弁部V1 及び第2弁部V2 は共に閉じてお
り、第1油室56の油圧P1 が第1スプール54を右方
向に押圧する荷重と、第2油室58の油圧P2 が第1ス
プール54を左方向に押圧する荷重とが釣合い、第1ス
プール54は停止している。電気モータ49で第2スプ
ール55を右動させると、第2弁部V2 が開いて第2油
室58の油圧がP2 からP3 に減少するため、第1油室
56の油圧P1 に押されて第1スプール54が右動し、
第2弁部V2 が閉じる位置で停止する。逆に、電気モー
タ49で第2スプール55を左動させると、第1弁部V
1 が開いて第2油室58の油圧がP2 からP1 に増加す
るため、第2油室58の油圧P1 に押されて第1スプー
ル54が左動し、第1弁部V1 が閉じる位置で停止す
る。
【0039】上述のようにして、小容量の電気モータ4
9で第2スプール55を駆動することにより油圧アシス
ト力を発揮させ、第1スプール54を前記第2スプール
55に追随して移動させて油圧ポンプ20の斜板を駆動
することができる。尚、第2油室58と油タンク35と
の間に設けたチェック弁57はフェイルセーフ用のもの
で、第2油室58が負圧になって油圧ロックするのを防
止するためのものである。
【0040】次に、図6に基づいて本発明の第4実施例
を説明する。
【0041】第4実施例は、第3実施例における電気モ
ータ49及び油圧アシスト機構52に代えて、4方向切
換弁60及び油圧シリンダ61で油圧ポンプ20の斜板
を駆動するものである。油圧シリンダ61はシリンダ6
2の内部に摺動自在に嵌合して油圧ポンプ20の斜板に
接続されたピストン63を備えており、そのピストン6
3の両側に形成された第1油室65及び第2油室66
に、リニアソレノイド67,68及びスプール69を有
する4方向切換弁60を介して選択的に油圧が供給され
る。
【0042】而して、操舵角センサ31に接続された電
子制御ユニットUからの指令で4方向切換弁60のスプ
ール69を左動させると、油圧シリンダ61の第1油室
65に油圧が供給されてピストン63が右動し、また4
方向切換弁60のスプールを右動させると、油圧シリン
ダ61の第2油室66に油圧が供給されてピストン63
が左動し、これにより油圧ポンプ20の斜板を操舵角に
比例して駆動することができる。
【0043】次に、図7及び図8に基づいて本発明の第
5実施例を説明する。
【0044】図7から明らかなように、第5実施例の油
圧ポンプ20は吐出方向が一定の可変容量型ポンプであ
って、スプリング33で一方向に付勢された容量調整レ
バー30は、ステアリングホイールを何れの方向に操舵
しても同一方向に揺動するようにボーデンワイヤ28,
29に接続される。従って、ステアリングホイールが操
作されていないとき油圧ポンプ20の吐出量は0であ
り、ステアリングホイールが何れの方向に操作されて
も、その操舵角の増加に応じて一方の油路(油路23)
への吐出量が増加する。
【0045】図8に示すように、油圧ポンプ20の吐出
側の油路23と戻り側の油路22との間には、前記リリ
ーフ弁41と同一構造のリリーフ弁70と、チェック弁
71とが設けられる。油路23は二股に分岐し、その一
方はチェック弁72及びリニアソレノイドを備えた調圧
弁73を介して油圧モータ24の一方のポートに接続さ
れるとともに、その他方はチェック弁74及びリニアソ
レノイドを備えた調圧弁75を介して油圧モータ24の
他方のポートに接続される。また、油路22も二股に分
岐し、それぞれ前記一対の調圧弁73,75に接続され
る。
【0046】而して、トルク分配モードが選択されたと
き、電子制御ユニットUに接続された操舵方向センサ3
2により例えばステアリングホイールが右方向に操舵さ
れたことが検知されれば、一対の調圧弁73,75をそ
れぞれを左位置及び右位置に切り換えることにより油圧
モータ24が一方向に駆動され、逆にステアリングホイ
ールが左方向に操舵されたことが検知されれば、一対の
調圧弁73,75をそれぞれを右位置及び左位置に切り
換えることにより油圧モータ24が他方向に駆動され
る。このとき、油圧ポンプ20の回転数が車速に比例し
ており、且つ油圧ポンプの斜板傾転角が操舵角に比例し
ていることから、油圧ポンプの吐出量すなわち油圧モー
タ24の回転数は車速及び操舵角に比例し、これにより
左右両輪W L ,WR の回転数差Δωが旋回状態に見合っ
た適切なものとなる。
【0047】尚、上記トルク分配モードでは、リリーフ
弁70のリリーフ圧を増加させることにより油圧ポンプ
20の吐出油の全量が油圧モータ24に供給されるが、
リリーフ弁70のリリーフ圧を減少させて油圧ポンプ2
0の吐出油の一部を油圧モータ24を介さずに還流させ
れば、主差動装置Dに発生する差動力を適宜調節するこ
とができる。
【0048】また、デフロックモードが選択されると、
一対の調圧弁73,75を共に左位置に切り換えるとと
もに、リリーフ弁70を実質的に開弁状態とする。その
結果、油圧ポンプ20の吐出油はリリーフ弁70を介し
て無負荷で還流し、また油圧モータ24は一対のチェッ
ク弁72,74によって回転不能にロックされる。この
デフロックモードでは、左右両輪WL ,WR の回転数が
強制的に一致せしめられて所謂デフロック状態が実現さ
れ、車両が泥濘に嵌まって片輪スリップ状態に陥った場
合等に効果を発揮する。
【0049】更に、ノーマルデフモードが選択される
と、一対の調圧弁73,75を共に右位置に切り換える
とともに、リリーフ弁70を実質的に開弁状態とする。
その結果、油圧ポンプ20の吐出油はリリーフ弁70を
介して無負荷で還流し、また油圧モータ24は一対の調
圧弁73,75を介して閉回路で接続されて無負荷で自
由回転可能な状態となり、ノーマルデフモードが実現さ
れる。
【0050】尚、このノーマルデフモードにおいて、一
対の調圧弁73,75を共にリニアソレノイドによって
左位置に向けて付勢すれば、ノーマルデフモードとデフ
ロックモードとの中間の状態、すなわち主差動装置Dに
所定の作動制限力が作用する状態を実現することができ
る。
【0051】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は前記実施例に限定されるものではなく、種々の設計
変更を行うことができる。
【0052】例えば、トルク分配のための構成は主差動
装置D及び遊星歯車装置Pを用いた実施例のものに限定
されず、種々の公知のものに置き換えることができる。
また、油圧ポンプ20は斜板式のアキシャルピストンポ
ンプに限定されず、斜板式のラジアルピストンポンプや
カムリングの偏心量を変えることにより容量を調整し得
るベーンポンプ等を採用することができる。また、油圧
ポンプ20の回転数が車速と比例しない場合、例えば油
圧ポンプ20をエンジンEのクランクシャフトに直結し
て駆動したり電気モータで駆動する場合には、その吐出
量を車速及び操舵角の両方に比例するように制御すれ
ば、左右両輪WL ,WR の適切な回転数差Δωを得るこ
とができる。このとき、油圧ポンプ20からの吐出量を
必要とされる量よりも少し多めにしておき、余剰分をリ
リーフ弁41,70から排出するようにしても良い。ま
た、トルク分配制御が行われていない時であっても、油
圧ポンプ20から少量の油を吐出させておくことも可能
である。更に、本発明のトルク分配機構は車両の前輪の
駆動系に限らず後輪の駆動系にも適用可能であり、四輪
駆動車両における前輪と後輪間のトルク分配にも適用可
能である。
【0053】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載された発
明によれば、トルク分配用駆動源を可変容量型の油圧ポ
ンプによって駆動される油圧モータで構成し、前記油圧
ポンプをトルク分配制御時に圧油を吐出するように構成
しているので、トルク分配が行われないときに油圧ポン
プが圧油を吐出する無駄を避け、且つトルク分配時に油
圧ポンプの吐出量を調整して必要量の圧油だけを吐出さ
せ、油圧ポンプを駆動するためのエネルギーを最小限に
抑えることができる。
【0054】また、請求項2に記載された発明によれ
ば、油圧ポンプが車速に応じた回転数で駆動される斜板
式油圧ポンプであり、この斜板式油圧ポンプの斜板傾転
角が操舵角に応じて制御されることにより、油圧モータ
の回転数すなわちトルク分配の比率を車両の旋回状態に
応じた適切なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例によるトルク分配装置を示す図
【図2】第1実施例の油圧回路を示す図
【図3】作用の説明図
【図4】第2実施例の油圧回路を示す図
【図5】第3実施例の油圧回路を示す図
【図6】第4実施例の油圧回路を示す図
【図7】第5実施例によるトルク分配装置を示す図
【図8】第5実施例の油圧回路を示す図
【符号の説明】
9 右シャフト(出力軸) 10 左シャフト(出力軸) 20 油圧ポンプ 24 油圧モータ(トルク分配用駆動源) E エンジン

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン(E)のトルクを少なくとも2
    つの出力軸(9,10)に所定の比率で分配制御するた
    めのトルク分配用駆動源(24)を備えた車両のトルク
    分配装置において、 前記トルク分配用駆動源(24)を可変容量型の油圧ポ
    ンプ(20)によって駆動される油圧モータで構成し、
    前記油圧ポンプ(20)がトルク分配制御時に圧油を吐
    出するように構成したことを特徴とする、車両のトルク
    分配装置。
  2. 【請求項2】 前記油圧ポンプ(20)が車速に応じた
    回転数で駆動される斜板式油圧ポンプであり、この斜板
    式油圧ポンプの斜板傾転角が操舵角に応じて制御される
    ことを特徴とする、請求項1記載の車両のトルク分配装
    置。
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