JPH071722B2 - 薄膜抵抗体 - Google Patents

薄膜抵抗体

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JPH071722B2
JPH071722B2 JP60146089A JP14608985A JPH071722B2 JP H071722 B2 JPH071722 B2 JP H071722B2 JP 60146089 A JP60146089 A JP 60146089A JP 14608985 A JP14608985 A JP 14608985A JP H071722 B2 JPH071722 B2 JP H071722B2
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厚生 千田
外志 沼田
卓二 中川
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は金属酸化物からなる薄膜抵抗、特に高温使用
時においても抵抗変化の小さい高信頼性の金属酸化物か
らなる薄膜抵抗体に関する。
(従来の技術) 金属酸化物を抵抗体とする薄膜抵抗体は大きく分類する
と、 (1)SnO2やTa2O5に代表される金属酸化物抵抗、 (2)Cr−SiOやTa−SiOに代表される、いわゆるサーメ
ット抵抗、 (3)Ni−Crを熱酸化することにより、化学的に金属酸
化物としたもの、 がある。
そして、これらの薄膜抵抗体には外部接続用電極が形成
される。
該外部接続用電極としては、たとえばCr−Cu、Cr−Au、
Ni−Cu、Ni−Au、Ni−Ag、NiCr−Au、Ti−Pd−Au、Ti−
W−Auなどの多層電極が用いられている。多層構造から
なる外部接続用電極のうち、第1層のCr、Ni、NiCr、Ti
は薄膜抵抗との密着層として働らき、Cu、Au、Agは半田
付け層として働らくものである。
(発明が解決しようとする問題) 上記した金属酸化物薄膜からなる抵抗体を寿命試験、た
とえば室温での湿中試験を行うだけでは特性に変化は見
られないが、高温下、たとえば150℃で放置した場合、
あるいは70℃での定格電圧負荷寿命試験を実施すると抵
抗値に変化が認められた。この現象は抵抗体を絶縁樹脂
で被覆してもあるいは被覆しなくても、さらにはハーメ
チックシールした場合にも認められ、しかも抵抗値の変
化率はいずれの場合も等しい値を示した。
これは高温下において抵抗膜が変化していることを示し
ている。そしてその原因を究明した結果、金属酸化物を
抵抗体とする薄膜抵抗の抵抗値変化は、高温状態で抵抗
膜と外部接続用電極との接触部において、抵抗膜中の酸
素の一部が解離して電極を構成する金属に移行すること
によるものと判明した。たとえば、金属酸化物からなる
薄膜抵抗をクロム−酸化ケイ素(Cr−SiO)で構成し、
外部接続用電極として第1層をNiCr、第2層をAuで形成
した抵抗体について、150℃の温度に放置すると、時間
の経過とともに外部接続用電極近傍のCr−SiO薄膜の色
調に変化が起り、褐色から次第に無色透明な膜へと変化
してゆく。この現象をESCAあるいはEMXなどの手段を用
いて分析すると、Cr−SiO薄膜中の酸素が次第に脱離
し、外部接続用電極のNiCrに移行してゆき、この酸素の
電極への移行が抵抗膜の変色、さらには抵抗値への変化
の原因となっていることが判明した。
すなわち、金属酸化物からなる薄膜抵抗と外部接続用電
極の金属の接触部において、次式に示すような反応が起
っていることになる。
MeO′ +Me″→Me′O1-X+Me″OX (金属酸化物か (外部接続 らなる薄膜抵抗) 用電極) これは外部接続用電極が金属で構成されるため、高温負
荷時において外部接続用電極の金属が金属酸化物からな
る薄膜抵抗の酸素を奪ってこの電極が酸化される反応が
進むことになる。
発明者等はこのような現象を防止するために検討を加え
た結果、金属酸化物からなる薄膜抵抗と外部接続用電極
との間に安定な金属窒化物層あるいは窒素をドープした
金属層、すなわち中間層を介在させることにより、上記
した反応を防止することを見い出した。
(発明の目的) したがって、この発明は抵抗膜が金属酸化物の薄膜抵抗
からなる抵抗体について、高温時において抵抗値の変化
の小さいものを提供することを目的とする。
(発明の構成) すなわち、この発明の要旨とするところは、金属酸化物
からなる薄膜抵抗と外部接続用電極の間に、薄膜抵抗よ
り固有抵抗の低い導電性を有する金属窒化物層、または
薄膜抵抗から酸素を奪わないように窒素をドープした金
属層、すなわち中間層が介在されていることを特徴とす
る薄膜抵抗体である。
上記した中間層を構成するもののうち、導電性を有する
金属窒化物層としては、窒化ニッケル、窒化タングステ
ン、窒化チタン、窒化バナジウム、窒化マンガン、窒化
鉄、窒化コバルト、窒化タンタル、窒化ハフニウム、窒
化イットリウム、窒化モリブデン、窒化クロム、窒化ニ
オブのうち少なくとも1種が用いられる。また、窒素を
ドープした金属層としては導電性を有する金属であれば
適用可能である。
抵抗要素である金属酸化物からなる薄膜抵抗としてはす
でに従来技術で説明したすべてのものが対象となるが、
中間層としてどのような導電性を有する金属窒化物層を
採用するかについては、その選択基準として金属酸化物
からなる薄膜抵抗より固有抵抗の低いより安定な金属窒
化物層を選ぶ必要がある。一方、中間層として窒素をド
ープした金属層としては特に限定されるものではない
が、金属酸化物からなる薄膜抵抗から酸素を奪わないよ
うに金属中に窒素が十分ドープされたものでなければな
らない。
具体的には、前者の例では、たとえば金属酸化物からな
る薄膜抵抗がSnO2の場合、中間層は窒化タンタルが選択
され、金属酸化物からなる薄膜抵抗がCr−SiOの場合、
中間層は窒化ニッケルが選択される。また後者の例で
は、たとえば、金属酸化物からなる薄膜抵抗がSiO2の場
合、中間層は窒素をドープしたニッケルが選択される。
中間層は一般的にスパッタリング法により形成される場
合が多く、導電性を有する金属窒化物とするか窒素をド
ープした金属のいづれにするかは次のような処理により
行われる。すなわち、スパッタリング時の窒素分圧を高
くすると窒化物となり、窒素分圧を下げると窒素をドー
プした金属となって形成されることになる。また、窒素
分圧が一定であるとすると、成膜速度、すなわちスパッ
タ電力の違いによって両者を区別して形成することがで
きる。たとえば成膜速度が遅い場合には、窒化が完全に
進行して窒化物となり、逆に成膜速度が速い場合には、
窒化が不十分で窒素が金属中にドープされた状態にとど
まる。
上記した例は中間層をスパッタリング法にて形成した場
合について説明したものであるが、その他真空蒸着法、
イオンプレーテイング法などの乾式薄膜形成手段につい
ても同様に当て嵌まる技術的事項である。
この発明において、外部接続用電極としては、従来例に
おいて説明した多層構造のもののほか、Cu、Au、Agなど
の金属層が用いられる。
(実施例) 実施例1. アルミナ基板の上に、金属錫をターゲットとして、酸素
とアルゴンの混合ガス中で下記の条件によりリアクテイ
ブスパッタを実施し、厚み1500Åの酸化錫薄膜抵抗を形
成した。
基板温度:200℃ 混合ガス比:酸素/アルゴン=20/80(容量比) 導入ガス圧:1Kg/cm2 導入ガス流量:20cc/分 DC出力:400W(3.0W/cm2) ガス圧:7.5×10-4〜2.0×10-2Torr その後、アルミナ基板にマスクを置き、酸化錫の薄膜抵
抗の上に形成する中間層の個所を露出させた。そして金
属タンタルをターゲットとして下記の条件によりリアク
テイブスパッタを行い、窒化タンタルからなる中間層を
形成した。
基板温度:250℃ 混合ガス比:酸素/アルゴン=40/60(容量比) 導入ガス圧:1Kg/cm2 導入ガス流量:100cc/分 DC出力:500W(4.0W/cm2) ガス圧:5×10-3Torr さらに、この窒化タンタルの上に半田付けのための金属
層、つまり、外部接続用電極としてCuを真空蒸着法によ
り形成した。
このようにして得られた薄膜抵抗体のCuにリード線を半
田付けし、さらに全体をエポキシ樹脂で被覆した。この
状態で、150℃の温度に1000時間設置した後の抵抗値の
変化を初期抵抗値と比較したところ、その変化率はわず
か0.01%以下であった。また薄膜抵抗の色調についても
変化は認められなかった。
実施例2 実施例1に記載した同様の方法により、アルミナ基板の
上にCr−SiOの薄膜抵抗を形成した。
次に、アルミナ基板にマスクを置き、Cr−SiOの薄膜抵
抗の上に形成する中間層の個所を露出させた。そして金
属ニッケルをターゲットとして下記の条件によりリアク
テイブスパッタを行い、窒素をドープしたニッケルから
なる中間層を形成した。
基板温度:250℃ 混合ガス比:酸素/アルゴン=10/90(容量比) 導入ガス圧:1Kg/cm2 導入ガス流量:100cc/分 DC出力:500W(4.0W/cm2) ガス圧:5×10-3Torr さらに、この窒素をドープしたニッケルの上に半田付け
のための金属層、つまり、外部接続用電極としてCuを真
空蒸着法により形成した。
得られた薄膜抵抗体を実施例1と同様に処理し、150℃
の温度に1000時間設置した後の抵抗値の変化を初期抵抗
値と比較したところ、その変化率は実施例1と同様0.01
%以下であった。また薄膜抵抗の色調についても変化は
認められなかった。
実施例3 アルミナ基板の上に、TaとSiOの焼結体をターゲットと
して、酸素とアルゴンの混合ガス中で下記の条件により
リアクテイブスパッタを実施し、面積抵抗が100Ω/□
のサーマルプリンタヘッド用のTa−SiOからなる薄膜抵
抗を形成した。
基板温度:200℃ 混合ガス比:酸素/アルゴン=5/95(容量比) 導入ガス圧:1Kg/cm2 導入ガス流量:20cc/分 RF出力:400W ガス圧:0.3〜2×10-2Torr その後、実施例1、実施例2と同様、中間層としてそれ
ぞれ窒化ニッケル膜、窒素をドープしたニッケル膜を形
成した。
さらに、各中間層の上に半田付けのための金属層、つま
り、外部接続用電極としてAuを真空蒸着法により形成
し、それぞれ薄膜抵抗体を作成した。
このようにして得られた薄膜抵抗体のAuにリード線を半
田付けした。この状態で150℃の温度に1000時間設置し
た後の抵抗値の変化を初期抵抗値と比較したところ、そ
の変化率はそれぞれ0.01%以下であった。
実施例4〜17 アルミナ基板の上に、表に示す各種の金属酸化物からな
る薄膜抵抗を形成した。その後アルミナ基板の上にマス
クを置き、金属酸化物からなる薄膜抵抗の上に形成する
中間層の個所を露出させた。そしてこの個所に表に示す
中間層を形成した。さらに表に示す半田付け可能な金属
層、つまり、外部接続用電極を形成し、この金属層にリ
ード線を半田付けし、薄膜抵抗体を作成した。そして、
実施例1と同様に抵抗値変化率を測定し、その結果を表
に併せて示した。
比較例1 実施例1に記載の方法により酸化錫よりなる薄膜抵抗を
形成した。
その後、酸化錫の薄膜抵抗の上にマスクを介してNiCr層
を真空蒸着法により形成し、さらにその上に半田付け可
能なCuを真空蒸着法により形成して外部接続用電極を形
成した。
このようにして得られた薄膜抵抗体のCuにリード線を半
田付けし、さらに全体をエポキシ樹脂で被覆した。この
状態で150℃の温度に250時間設置したところ、酸化錫の
薄膜抵抗が変色し、それにつれて抵抗値も初期抵抗値に
くらべ2%以上も変化した。
比較例2 実施例3に記載の方法によりCr−SiOよりなる薄膜抵抗
体を形成した。
その後、Cr−SiOの薄膜抵抗の上にマスクを介してNiCr
層を真空蒸着法により形成し、さらにその上に半田付け
可能なCuを真空蒸着法により形成して外部接続用電極を
形成した。
このようにして得られた薄膜抵抗体を150℃の温度に100
0時間設置したところ、抵抗値は初期抵抗値にくらべて1
0%変化した。
(効果) 以上この発明によれば、金属酸化物からなる薄膜抵抗と
外部接続用電極の間に、薄膜抵抗より固有抵抗の低い導
電性を有する金属窒化物層または薄膜抵抗から酸素を奪
わないように窒素をドープした金属層を介在したもので
あるため、高温時での特性劣化、つまり抵抗値の劣化の
小さいものとなり、安定した特性を有する薄膜抵抗体が
得られることになる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属酸化物からなる薄膜抵抗と外部接続用
    電極の間に、前記薄膜抵抗より固有抵抗の低い導電性を
    有する金属窒化物層または前記薄膜抵抗から酸素を奪わ
    ないように窒素をドープした金属層が介在されているこ
    とを特徴とする薄膜抵抗体。
JP60146089A 1985-07-02 1985-07-02 薄膜抵抗体 Expired - Lifetime JPH071722B2 (ja)

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US4900298A (en) * 1987-08-21 1990-02-13 Cobe Laboratories, Inc. Centrifuge drive and support assembly
JP4736021B2 (ja) * 2004-12-28 2011-07-27 独立行政法人産業技術総合研究所 圧電素子
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