JPH071675B2 - シャドウマスクの製造方法及びシャドウマスク板材 - Google Patents

シャドウマスクの製造方法及びシャドウマスク板材

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JPH071675B2 JP2221964A JP22196490A JPH071675B2 JP H071675 B2 JPH071675 B2 JP H071675B2 JP 2221964 A JP2221964 A JP 2221964A JP 22196490 A JP22196490 A JP 22196490A JP H071675 B2 JPH071675 B2 JP H071675B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、カラーテレビ受像管等に用いられるシャド
ウマスクを製造する方法、特に複数枚のシャドウマスク
板材を重ね合わせ互いに接着して1枚のシャドウマスク
を製造する方法、並びにその製造方法において使用され
るシャドウマスク板材に関する。
〔従来の技術〕
カラーブラウン管は、第6図に示すように、3本の電子
ビームBを放射する電子銃1と、この電子銃1から放射
された電子ビームBを受けて三原色に発光する蛍光体2
と、この蛍光体2と電子銃1との間に配置され、各電子
ビームBのうちの必要な方向の電子ビームだけを選択的
に通過させて不要な方向の電子ビームを遮断するための
透孔が多数形成されたシャドウマスク3とを備えて構成
されている。
カラーブラウン管に用いられる上記シャドウマスク3
は、一般に、第2図に示すような工程を経ることにより
製造されている。すなわち、板厚が0.1〜0.3mm程度の低
炭素アルミキルド鋼、或いはアンバー(Invar)合金と
呼ばれる、ニッケル含有率が例えば36%の鉄−ニッケル
合金をシャドウマスク板材として用い、まず、このシャ
ドウマスク板材にフォトエッチング法によって多数の電
子ビーム通過孔を形成する。このエッチング穿孔加工に
おける作業の概略を説明すると、まず、上記シャドウマ
スク板材の表裏両面に感光液を塗布しそれを乾燥させ
て、厚みが数μmのフォトレジスト膜を被着形成する。
次に、シャドウマスク板材の両面に被着形成された各フ
ォトレジスト膜の表面に、形成しようとする電子ビーム
通過孔に対応した所要の画像を有するマスターパターン
を、表・裏で画像位置を一致させてそれぞれ密着させ、
露光を行なう。続いて、現像し、無水クロム酸の溶液中
へ浸漬した後バーニングすることにより硬膜処理を施
し、シャドウマスク板材の表裏両面に所要のパターン状
画像の耐食性皮膜(レジスト膜)をそれぞれ形成する。
そして、塩化第二鉄水溶液を用いてスプレイエッチング
を行なって、シャドウマスク板材に多数の透孔を形成し
た後、その表裏両面からレジスト膜を剥離する。
以上のエッチング穿孔加工が終了すると、多数の透孔が
形成されたシャドウマスク板材にプレス成形性を付与す
る目的で、焼鈍を行なう。この焼鈍は、非酸化性雰囲気
中においてシャドウマスク板材を吊り下げ、或いは何枚
かの板材を積み重ね、シャドウマスク板材がアルミキル
ド鋼である場合には700〜900℃、板材がアンバー合金で
ある場合には1,000℃前後の温度に加熱することにより
行なわれる。このようにして焼鈍されたシャドウマスク
は、プレス成形によって球面加工が施された後、熱輻射
性の向上並びに電子ビームの乱反射性の低減を目的とし
て、黒化炉中で黒化処理し、表面に酸化皮膜を形成する
ことにより、シャドウマスクが完成する。
ところで、カラーブラウン管においては、電子銃から放
射されて蛍光体の方へ向かう電子ビームの多くは、上記
したように不要な方向の電子ビームとしてシャドウマス
クに衝突し吸収されることになる。この結果、シャドウ
マスクが加熱されてその温度が上昇し、熱膨張によっ
て、いわゆるドーミング現象と呼ばれる熱変形を生じ、
このために電子ビームの軌道が変化して色ずれが起こる
ことがある。一方、近年においてはカラーブラウン管が
大型化する傾向があり、これに伴って上記ドーミング現
象による熱変形の影響も大きく現われることになる。こ
の熱変形を少なくするための対策として、最も一般的に
採られているのは、シャドウマスク板材の厚みを厚くし
てシャドウマスクの強度を増す方法である。また、近年
では、カラーブラウン管の大型化と共に高精細度化の要
求があり、このため、シャドウマスクに形成される電子
ビーム通過孔のピッチを小さくする必要が生じている。
このように、シャドウマスク板材の厚みが厚くなると、
エッチング穿孔の際にいわゆるサイドエッチングにより
厚み方向と垂直な方向に孔が広がってしまい、他方、孔
の形成ピッチが小さくなると、隣接する透孔同士が互い
につながってしまうことになる。
以上の対策として、第1図に示すように、フォトエッチ
ング法によって予め多数の透孔6、7を形成した複数枚
(図示例では2枚)のシャドウマスク板材4、5を、互
いに透孔6、7の位置を合致させて重ね合わせ接着する
ことにより、1枚のシャドウマスクを製造する方法が、
例えば特開昭49-79170号公報、特開昭49-131676号公
報、国際特許公開WO89/07329号公報、特開平1-302639号
公報等に開示されている。
これらの公報に開示されているように、複数枚のシャド
ウマスク板材を接着して1枚のシャドウマスクを製造す
る場合においては、特にシャドウマスクが大型になる
と、カラーブラウン管の製造工程で衝撃を受けても、特
にプレス成形時に加わる力によっても中央部が凹んだり
しないように、充分な強度を持たせる必要があり、この
ために板材同士は全面にわたって接着することが望まし
い。
従来、複数枚の板材同士を接着する方法としては、特開
平2-46628号公報や特開平2-46629号公報等に開示されて
いるように、互いに重ね合わせた板材同士を全面にわた
り数センチメートル間隔で、レーザー光又は電子ビーム
によってスポット溶接するこが提案されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、例えば対角線距離が20インチの板材同士
を3センチメートルの間隔でスポット溶接してゆくとす
ると、150ポイント以上での溶接が必要となるため、1
枚当りの溶接時間が30分以上もかかってしまい、製造工
程全体の生産効率が非常に悪くなり、生産性の面からみ
て工業的規模での実施が困難である、といった問題点が
あった。
この発明は、以上のような事情に鑑みてなされたもので
あり、予め多数の透孔が形成された複数枚のシャドウマ
スク板材を、互いに透孔の位置を合致させて重ね合わせ
接着することにより、1枚のシャドウマスクを製造する
方法において、板材同士を接着する工程を簡略化し、生
産効率を高めることができるようにすることを技術的課
題とする。
〔課題を解決するための手段〕
この発明では、シャドウマスクの製造工程中の、エッチ
ング工程に続いて行なわれる焼鈍工程において、多数の
透孔が形成された複数枚のシャドウマスク板材同士を焼
鈍によって互いに接着させるようにする。複数枚の板材
同士が焼鈍によって接着するようにさせるため、シャド
ウマスク板材として、以下のような表面微細構造を有す
る金属薄板を用いるようにする。
中心線平均粗さRa:0.1〜0.7μm スキューネスRsk:0.3以下、さらに好ましくは0以下
(負の値) 各山の平均距離Sm:60μm以上 ピークカウントPc:60/cm以下 ここで、中心線平均粗さRaは、測定長さL内の粗さ曲線
上の全ての地点の算術平均値であり、測定長さL内の中
心線をX軸、縦倍率の方向をY軸とし、粗さ曲線をy=
Y(x)とすると、次式で与えられる。
スキューネスRskは、測定長さL内で平均線に対しての
粗さ曲線の上下の相対性を示す値であり、次式で表わさ
れる。
但し、Rq:自乗平均粗さ(測定長さL内における平均線
からの全ての振れの自乗平均の平方根であり、 n:粗さの曲線上の縦座標の数、yi:縦座標の高さであ
る。
例えば第3図に示すように、2つの粗さ曲線A,A′の中
心線平均粗さRaが等しい場合であっても、Rskが負の値
であるときは振幅分布曲線Bの最大値が平均線の上部に
あることを示し、Rskが正の値であるときは振幅分布曲
線B′の最大値が平均線の下部にあることを示す。そし
て、前者の場合には、粗さ曲線Aのように山の形が台形
状になり、後者の場合には、粗さ曲線A′のように山の
形が鋭角的になる。
次に、Smは、測定長さLで測定された、平均線における
隣接する2つのプロフィールピークの間の平均距離を示
す。プロフィールピークとは、平均線を上向きに横切る
点と、その直後に平均線を下向きに横切る点との間の、
プロフィールの最も高い点のことを指す。
第4図を参照して、平均線における各プロフィールピー
クの間の間隔をそれぞれs1、S2、s3、……、snとすると、
Smは次の式で表わされる。
Smの定義及び上式から分かるように、Smが小さいほど、
プロフィールのピークが近接して多数表面上にあり、Sm
が大きいほど、プロフィールのピーク間の比較的平坦な
部分の距離が長くなる。
また、ピークカウントPcは、測定長さL内での平均線を
中心として0.5μmの高さの切断線を越えた、1cmの長さ
内での全てのピークをカウントして得られる個数を示
す。
そして、接着されるべき複数枚のシャドウマスク板材
を、それぞれに形成された透孔を互いに対応させて重ね
合わせた状態で、従来から行なわれているのと同様の方
法により焼鈍工程を行なうようにする。また、その焼鈍
工程において、複数枚のシャドウマスク板材を積み重
ね、接着させようとする複数枚のシャドウマスク板材同
士以外のシャドウマスク板材間にはスペーサを介挿して
焼鈍を行なうようにすることができる。
〔作用〕
上記したような表面微細構造を有するシャドウマスク板
材を用いるとともに、接着させようとする複数枚のシャ
ドウマスク板材同士を重ね合わせた状態で焼鈍工程を行
なうことにより、互いに重ね合わされた板材同士が接着
する。さらに詳しく説明すると、シャドウマスク板材の
中心線平均粗さRaが0.1μm以下であると、レジストの
密着性が悪くなるとともに、露光工程においてマスター
パターンを真空密着させる時間が長くなってしまい、他
方、Raが0.7μm以上になると、エッチング穿孔加工性
が損なわれ、エッチングによってシャドウマスク板材に
形成された透孔のエッジがざらつき、製造されたシャド
ウマスク全体における電子ビームの透過むらを生じ、シ
ャドウマスクの品質が低下することになるが、この発明
に係る製造方法において用いられるシャドウマスク板材
は、その中心線平均粗さRaが0.1〜0.7μmであるため、
それらの問題は無い。このようにシャドウマスク板材と
して一般に求められる条件の表面粗さを有しつつ、この
発明に係るシャドウマスク板材は、スキューネスRskが
0.3を越えないようにされているので、Rskの値が大きく
重ね合わされた板材間の空間容積が大きくなり板材同士
が接着しにくくなる、といったこともなく、板材同士の
接触面積が大きくなるため重ね合わされた板材同士が焼
鈍によって容易に接着することになる。特に、Rskが負
の値であるときは、焼鈍によって板材同士が一層強固に
接着する。そして、このシャドウマスク板材は、各山の
平均距離Smが60μm以上であるので、各板材の表面が接
触し易くなり、さらに、ピークカウントPcが大きい場合
には重ね合わされた板材間に空間をつくり易くて板材同
士が接着しにくくなるが、Pcは60個/cm以下とされてい
るため、板材同士の接着が妨げられることもない。
以上説明したように、この発明に係る方法では、シャド
ウマスクを製造する場合において従来から行なわれてい
る焼鈍工程により、複数枚のシャドウマスク板材同士の
接着が行なわれるため、その焼鈍工程に引き続いて直ち
にプレス成形工程に移行すればよいことになる。従っ
て、従来の製造方法におけるように、複数枚のシャドウ
マスク板材同士を接着させるために、スポット溶接など
による特別の接着工程を行なう必要が無くなる。また、
複数枚のシャドウマスク板材を積み重ね、接着させよう
とする複数枚のシャドウマスク板材同士以外のシャドウ
マスク板材間にスペーサを介挿して焼鈍を行なうように
するときは、従来のスポット溶接などによった場合には
一度に2枚の板材同士の接着しか行なえなかったのに対
し、スペーサの介挿位置を適当に決めることにより、同
時に3枚以上の板材の接着も可能であり、また、複数対
の板材同士の接着を同時に行なうことができる。
以上の通り、この発明では、従来、例えば特開平2-2520
1号公報等に開示されているようにスタック焼鈍(何枚
かの板材を積み重ねた状態で行なう焼鈍)時に生じる焼
鈍密着を防止する技術とは逆に、焼鈍による密着現象
を、シャドウマスクの厚みを厚くするのに複数枚の板材
同士を接着して1枚のシャドウマスクを製造する方法に
おいて積極的に利用し、スポット溶接等による特別の接
着工程を省略できるようにしたものである。
〔実施例〕
以下、この発明の好適な実施例について説明する。
シャドウマスクの製造工程そのものは、前述したように
従来一般的に行なわれている方法と特に変わるところは
ない。この発明に係る製造方法は、次のような条件で規
定される表面微細構造を有するシャドウマスク板材を用
いる点に特徴がある。すなわち、中心線平均粗さRaが0.
1〜0.7μm、スキューネスRskが0.3以下、好ましくはRs
kが負の値(0以下)、各山の中心線上での平均距離Sm
が60μm以上、平均線から0.5μmの高さの切断線を越
えたピークのカウント数Pcが60/cm以下であるような表
面微細構造を有し、板厚が0.1〜0.3mm程度の低炭素アル
ミキルド鋼やアンバー合金がシャドウマスク板材として
用いられる。上記のような表面微細構造を有するシャド
ウマスク板材を得るには、所定の板厚のアルミキルド鋼
やアンバー合金素材に対し、例えばバフ研磨、酸洗、シ
ョットブラスト、ダルロール加工等を施すようにする。
そして、接着させようとする複数枚、通常は2枚のシャ
ドウマスク板材を、フォトエッチング法によって予め形
成された電子ビーム通過孔を互いに対応させて重ね合わ
せた状態で、焼鈍工程が行なわれる。焼鈍工程は、前述
した従来の方法と同様にして行なえばよい。ただ、多数
枚のシャドウマスク板材を積み重ねて焼鈍する場合に
は、接着させようとする2枚のシャドウマスク板材同士
以外のシャドウマスク板材間には、スペーサとして厚み
が0.3mm程度のステンレス板を介挿するようにして、不
要な焼鈍接着が生じないようにする必要がある。また、
焼鈍によって2枚のシャドウマスク板材同士を接着させ
る過程で、両板材同士を重ね合わせるに際してそれらを
位置決めするには、第5図に示すように、シャドウマス
ク8のスカート部と呼ばれる、電子ビーム通過孔が形成
された有効部9の周辺部10に、予めエッチング穿孔加工
によって電子ビーム通過孔と一緒に位置決め用の透孔11
を複数個(図示例では4個)形成しておき、その各透孔
11に位置決めピン等を挿通して2枚のシャドウマスク板
材間で位置ずれが生じないように固定し、その状態で焼
鈍を行なうようにすればよい。
次に、この発明を実際に適用した実験例及び比較例、並
びにそれらの結果について説明する。
試料としては、表に示すような表面粗さを有するアルミ
キルド鋼又はアンバー合金からなる板材a〜eを使用し
た。アルミキルド鋼又はアンバー合金素材の表面をそれ
ぞれ所望の粗さに形成する方法としては、ショットブラ
ストによって表面加工処理が施された一対のロール間に
板状素材を圧接させながら通すようにした。また、形成
された表面粗さの測定を行なう測定装置としては、ラン
ク テーラー ホブソン(RANK TAYLOR HOBSON)社製の
Forum Talysurf S4Cを用いて検査した。そして、それぞ
れの試料板材に、一般に行なわれている方法と同様のエ
ッチング穿孔加工により多数の電子ビーム通過孔を形成
した。すなわち、まず、試料板材をトリクロルエタンを
用いて脱脂し、水洗した後、板材の両面に牛乳カゼイン
と重クロム酸アンモニウムの水溶液とからなる感光液を
塗布し、加熱によりその塗布液を乾燥させて、板材の両
面に数μmの厚みのフォトレジスト膜をそれぞれ被着形
成した。次に、板材の両面の各フォトレジス ト膜の表面に、電子ビーム通過孔に対応した所要の画像
を有するマスターパターンを、表・裏で画像位置を一致
させてそれぞれ真空密着させ、メタルハライド灯により
露光を行なった。この後、水道水を用いて現像を行な
い、続いて、無水クロム酸の溶液中へ浸漬し、水洗した
後、バーニングによって硬膜処理を施し、シャドウマス
ク板材の表裏両面に所要のレジスト膜をそれぞれ形成し
た。そして、塩化第二鉄水溶液を用いてスプレイエッチ
ングを行なって、板材に多数の透孔を形成した後、アル
カリ水溶液によって板材の表裏両面からレジスト膜を剥
離し、水洗、乾燥を行なった。このようにして、1つの
試料につき20枚ずつ、エッチング穿孔により多数の電子
ビーム通過孔が形成された板材を準備した。尚、各試料
におけるエッチング加工性は良好であった。
次に、各試料板材を2枚ずつ重ね合わせ、その2枚一組
の板材と他の2枚一組の板材との間に、厚さが0.3mmの
ステンレス(SUS304)の薄板をスペーサとして介在さ
せ、合計20枚の試料板材を上下に積み重ねたものを1ロ
ットとした。そして、板材がアルミキルド鋼である試料
については、窒素(N2):90%、水素(H2):10%、露
点:0〜10℃のガス雰囲気中において830℃の温度で10分
間、板材がアンバー合金である試料については、高真空
下(例えば10-1Torr)において1,000℃の温度で10分間
加熱することにより焼鈍を行なった。この結果、何れの
試料についても、2枚の板材同士はそれぞれ完全に接着
し、続いて行なわれたプレス成形において、2枚の板材
間に位置ずれは全く認められなかった。
次に、この発明に対する比較例として、表に示すような
表面粗さを有するアルミキルド鋼又はアンバー合金から
なる板材f〜lを使用し、これらの各試料板材に上記と
同様の処理を施して、プレス成形時における2枚の板材
間の位置ずれの有無を調べた。この結果、何れの試料も
エッチング加工性は良好であったが、試料f、gについ
ては、一部において、プレス成形時に2枚の板材間にお
ける位置ずれがみられ、また、試料h〜lについては、
2枚の板材同士の接着が不十分であるためにプレス成形
時に位置ずれが起こった。
以上の実験結果より、Rskを0.3以下とし、Smを60μm以
上、Pcを60以下とすることにより、焼鈍によってシャド
ウマスク板材同士を互いに接着させることが可能である
ことが分かる。
〔発明の効果〕
この発明は以上説明したように構成されかつ作用するの
で、予め多数の透孔が形成された複数枚のシャドウマス
ク板材を互いに重ね合わせて接着することにより1枚の
シャドウマスクを製造する場合に、この発明に係る方法
によれば、そして、この発明のシャドウマスク板材を用
いるようにすれば、複数枚のシャドウマスク板材を接着
する工程を殊更に行なわなくても、焼鈍工程でシャドウ
マスク板材同士が接着されることになるため、製造工程
全体の生産効率が大いに高められる。また、複数枚のシ
ャドウマスク板材を積み重ね、接着させようとする複数
枚のシャドウマスク板材同士以外のシャドウマスク板材
間にスペーサを介挿して焼鈍を行なうようにするとき
は、同時に3枚以上の板材の接着も可能であり、また複
数対の板材同士を同時に接着することができるため、生
産効率が一層高められる。以上の通り、この発明は、特
に最近のようにカラーブラウン管が大型化する傾向の中
で、工業的に寄与するところが絶大である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、2枚のシャドウマスク板材を重ね合わせ互い
に接着することによって形成されるシャドウマスクの部
分拡大断面図、第2図は、シャドウマスクの製造工程の
1例を説明するための図、第3図は、シャドウマスク板
材の表面粗さのパラメータの1つであるスキューネスRs
kについて説明するための図、第4図は、同じく粗さ曲
線の各山の中心線上での平均距離Smについて説明するた
めの図、第5図は、焼鈍によって2枚のシャドウマスク
板材同士を接着させる過程での、両板材同士の位置決め
方法の1例を説明するための図、第6図は、カラーブラ
ウン管の概略構成を示す図である。 1……電子銃、2……螢光体、3……シャドウマスク、
B……電子ビーム、4、5……シャドウマスク板材、
6、7……透孔(電子ビーム通過孔)。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも、シャドウマスク板材にフォト
    エッチング法によって多数の電子ビーム通過孔を形成す
    る工程と、多数の電子ビーム通過孔が形成されたシャド
    ウマスク板材を焼鈍する工程と、焼鈍され、それぞれに
    形成された電子ビーム通過孔を互いに対応させて接着さ
    れた複数枚のシャドウマスク板材をプレス成形する工程
    とを備えてなるシャドウマスクの製造方法において、前
    記シャドウマスク板材として、測定長さL内の粗さ曲線
    上の全ての地点の算術平均値である中心線平均粗さRaが
    0.1〜0.7μm、測定長さL内で平均線に対しての粗さ曲
    線の上下の相対性を示す値であるスキューネスRskが0.3
    以下、測定長さL内での平均線上に突き出た各山の中心
    線上での平均距離Smが60μm以上、測定長さL内での平
    均線を中心として0.5μmの高さの切断線を越えた単位
    長さ当りのピークカウントPcが60/cm以下である表面微
    細構造を有する金属薄板を用いるとともに、接着される
    べき複数枚のシャドウマスク板材を、それぞれに形成さ
    れた電子ビーム通過孔を互いに対応させて重ね合わせた
    状態で前記焼鈍工程を行なうようにしたことを特徴とす
    るシャドウマスクの製造方法。
  2. 【請求項2】シャドウマスク板材のスキューネスRskが
    負の値である請求項1に記載のシャドウマスクの製造方
    法。
  3. 【請求項3】複数枚のシャドウマスク板材を積み重ね、
    接着させようとする複数枚のシャドウマスク板材同士以
    外のシャドウマスク板材間にスペーサを介挿して焼鈍工
    程を行なうようにする請求項1又は請求項2に記載のシ
    ャドウマスクの製造方法。
  4. 【請求項4】互いに接着されて1枚のシャドウマスクを
    形成するシャドウマスク板材において、測定長さL内の
    粗さ曲線上の全ての地点の算術平均値である中心線平均
    粗さRaが0.1〜0.7μm、測定長さL内で平均線に対して
    の粗さ曲線の上下の相対性を示す値であるスキューネス
    Rskが0.3以下、測定長さL内での平均線上に突き出た各
    山の中心線上での平均距離Smが60μm以上、測定長さL
    内での平均線を中心として0.5μmの高さの切断線を越
    えた単位長さ当りのピークカウントPcが60/cm以下であ
    る表面微細構造を有することを特徴とするシャドウマス
    ク板材。
  5. 【請求項5】スキューネスRskが負の値である請求項4
    に記載のシャドウマスク板材。
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