JPH07165U

JPH07165U - 羽毛布団

Info

Publication number: JPH07165U
Application number: JP3272792U
Authority: JP
Inventors: 定雄岡林
Original assignee: 有限会社共栄企画
Priority date: 1992-04-20
Filing date: 1992-04-20
Publication date: 1995-01-06

Abstract

(57)【要約】【目的】羽毛収容室間での羽毛の移動を防止でき、ま
た、マチ布テープの生地への取り付けがきわめて容易
で、しかもマチ布テープと生地との縫目のない羽毛布団
を提供することにある。【構成】布団の内部に多数の羽毛収容室５を区画形成す
るために縦用のマチ布テープ３と横用のマチ布テープ４
とを格子状に立体的に配置すると共に該マチ布テープの
長手方向の両端部を表地１と裏地２に取り付けてなる羽
毛布団Ａにおいて、テープの小片を２枚重ねて左右両端
縁部を縦用のマチ布テープ３又は横用のマチ布テープ４
のいずれかに取り付けると共に内側のテープ片８の一端
縁部を該マチ布テープの一端縁部に封止状態で取り付け
ることにより、各羽毛収容室５に弁構造をなした羽毛供
給ホース口６を形成し、また、生地とマチ布テープ及び
生地と連結用テープを熱プレスすることによりマチ布テ
ープ３，４を生地１，２に接着固定するように構成し
た。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は完全マチ入り羽毛布団に係り、特に、羽毛収容室間での羽毛の移動を防止するように構成した羽毛布団に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、布団の内部に多数の羽毛収容室を区画形成するために縦用のマチ布テープと横用のマチ布テープとを格子状に立体的に配置すると共に該マチ布テープの長手方向の両端部を表地と裏地に縫着してなる、いわゆる完全マチ入り羽毛布団があり、羽毛収容室に羽毛供給ホース口を設ける手段としては、非縫合部を設けるようにしたもの（例えば、特開昭６０−２３４６０８号公報）や縦用のマチ布テープと横用のマチ布テープとの交差部に筒状部を形成したもの（例えば、特開平１−２１４３１４号公報）等が提案されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、上記のように非縫合部を設ける前者にあっては、羽毛収容室間で羽毛が移動する欠点がある。この点、筒状部を設ける後者においては羽毛の移動が比較的少ない、という利点があるが、それでも筒状部を介して羽毛が移動することを防止することができない。一方、従来の羽毛布団にあってはマチ布テープと表地及び裏地とを縫着しているため、縫製作業に時間がかかってコストアップとなると共に羽毛が縫目から他の羽毛収容室に移動する欠点があった。

【０００４】本考案の目的は上記した従来の羽毛布団の欠点を解消し、羽毛収容室への羽毛の供給が容易であるのは勿論、羽毛収容室間での羽毛の移動を防止でき、また、マチ布テープの生地への取り付けがきわめて容易であり、しかもマチ布テープと生地との縫目のない羽毛布団を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案の羽毛布団は、布団の内部に多数の羽毛収容室を区画形成するために縦用のマチ布テープと横用のマチ布テープとを格子状に立体的に配置すると共に該マチ布テープの長手方向の両端部を表地と裏地に取り付けてなる羽毛布団において、テープの小片を２枚重ねて左右両端縁部を縦用のマチ布テープ又は横用のマチ布テープのいずれかに取り付けると共に内側のテープ片の一端縁部を該マチ布テープの一端縁部に封止状態で取り付けることにより、各羽毛収容室に弁構造をなした羽毛供給ホース口を形成したものである。この場合、外側のテープ片の幅をマチ布テープの幅よりも大きくして、羽毛供給ホース口の出口側に舌片部を形成してもよい。マチ布テープの生地への取付手段としては、該マチ布テープの生地への取付面に、細布テープの一面に熱圧型接着テープを被服せしめてなる第１の接着用テープを縫着し、上記マチ布テープの裏面側には連結用テープをその一端部を縫着して取り付けると共に該連結用テープの他端部の表面側には第２の接着用テープを縫着して、生地とマチ布テープ及び生地と連結用テープを熱プレスすることによりマチ布テープを生地に接着固定するように構成したものである。そしてこの場合、表地と裏地のそれぞれにマチ布テープを取り付けると共に両マチ布テープを縫着して中閉じすることもできる。

【０００６】

【作用】

生地とマチ布テープ及び生地と連結用テープを熱プレスすることによりマチ布テープを簡単に生地に接着固定することができる。この接着強度は剥離強度は比較的小さいが引っ張り強度はきわめて大きく、しかも、仮に、第１の接着用テープによるマチ布テープと生地との接着部が剥離しても、連結用テープと生地とが第２の接着用テープで接着されていてセフティー構造をなしているから、羽毛収容室の区画を確保することができる。また、マチ布テープと生地との接合部には縫目がないから該接合部から羽毛が移動することもない。各羽毛収容室に形成された羽毛供給ホース口の出口側には２つの開口部があるが、一方の開口部は行き止まりとなっていて袋になっており、該開口部から袋内に充填された羽毛により羽毛供給ホース口が押圧されて閉止状態となる。このように羽毛供給ホース口は弁構造をなすから、羽毛収容室間での羽毛の移動が防止される。

【０００７】

【実施例】

図において、１は羽毛布団の表地、２は裏地であり、縦用のマチ布テープ３と横用のマチ布テープ４とを格子状に立体的に配置すると共に該マチ布テープ３，４の長手方向の両端部を表地１と裏地２に取り付けて、布団の内部に多数の羽毛収容室５を区画形成し、この羽毛収容室５内に羽毛を充填して羽毛布団Ａが形成される。６は各羽毛収容室５に形成された羽毛供給ホース口であり、上記マチ布テープ３，４と同材質のテープの小片を２枚重ねて内側のテープ片７と外側のテープ片８とし、その左右両端縁部を縦用のマチ布テープ３又は横用のマチ布テープ４のいずれかに取り付けると共に内側のテープ片７の一端縁部を該マチ布テープ３又は４の一端縁部に縫着して取り付け、これによって羽毛供給口６を弁構造とする。

【０００８】実施例ではマチ布テープ３又は４の上端縁に所定の間隔をおいて切込み部９を設け、その切込み舌片９ａと内側のテープ片８の上端部８ａを下方向に折り返して両者を縫着した。これによって羽毛供給口６が段違いとなって羽毛供給ホース（図示しない）の挿入が容易となる。上記のようにして構成された羽毛供給ホース口６はその出口側には２つの開口部１０ａ，１０ｂが形成されるが、一方の開口部１０ａは行き止まりとなっており、羽毛供給ホース口６から他方の開口部１０ｂを介して充填された羽毛が開口部１０ａから袋内に充填され、この羽毛により羽毛供給ホース口６が押圧されて閉止状態となる。従ってこの羽毛供給ホース口６は弁構造をなしているということができる。また、実施例では外側のテープ片７の幅をマチ布テープ３又は４の幅よりも大きくして、羽毛供給ホース口６の出口側に舌片部７ａを形成した。この舌片部７ａが折れ曲がることにより上記羽毛供給ホース口６の逆支弁となって、羽毛の移動を確実に阻止することができる。

【０００９】図１乃至図４の実施例ではマチ布テープ３，４を生地に縫着した例を示しているが、マチ布テープ３，４の生地への取付手段としては図５に示す構造を採用することができる。この実施例では、マチ布テープ３又は４の生地１，２への取付面に、トリコットタイプの細布テープ１３の一面に熱圧型接着テープ１４を被服せしめてなる第１の接着用テープ１１を縫着し、上記マチ布テープ３，４の裏面側には連結用テープ１５をその一端部を縫着して取り付けると共に該連結用テープ１５の他端部の表面側には上記第１の接着用テープ１１と同様の第２の接着用テープ１２を縫着して、生地１，２とマチ布テープ３，４及び生地１，２と連結用テープ５を熱プレスすることによりマチ布テープ３，４を生地１，２に取り付けるように構成した。また、実施例では表地１と裏地２のそれぞれにマチ布テープ１６，１７を取り付けると共に両マチ布テープ１６，１７を縫着して中閉じした。

【００１０】上記のようにしてマチ布テープ３，４を表地（１）と裏地（２）に接着固定した場合、その接合部の剥離強度は１Ｋｇ程度であるが、引っ張り強度はきわめて大きく、約１０Ｋｇともなるから、通常の使用態様では何等の支障とならない。また、仮に、第１の接着用テープ１１によるマチ布テープ３，４と生地１，２との接着部が剥離しても、連結用テープ１５と生地とが第２の接着用テープ１２で接着されていてセフティー構造をなしているから、羽毛収容室５の区画を十分に確保することができる。

【００１１】

【考案の効果】

本考案の羽毛布団によれば、生地とマチ布テープ及び生地と連結用テープを熱プレスすることによりマチ布テープを簡単に生地に接着固定することができ、この接着強度は剥離強度は比較的小さいが引っ張り強度はきわめて大きく、しかも、仮に、第１の接着用テープによるマチ布テープと生地との接着部が剥離しても、連結用テープと生地とが第２の接着用テープで接着されていてセフティー構造をなしているから、羽毛収容室の区画を十分に確保することができる。また、マチ布テープと生地との接合部には縫目がないから該接合部から羽毛が移動することもない。更に、各羽毛収容室に形成された羽毛供給ホース口の出口側には２つの開口部があるが、一方の開口部は行き止まりとなっていて袋となっているから、該開口部から袋内に充填された羽毛により羽毛供給ホース口が押圧されて閉止状態となり、従ってこの羽毛供給ホース口は弁構造をなすから、羽毛収容室間での羽毛の移動を確実に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】表地にマチ布テープを取り付けた状態の斜視
図。

【図２】羽毛供給ホース口の正面図。

【図３】図２におけるＸーＸ線断面図。

【図４】羽毛供給ホース口の斜視図。

【図５】表地にマチ布テープを取り付ける他の構成例を
示す断面図。

【符号の説明】

Ａ羽毛布団１表地２裏地３縦用のマチ布テープ４横用のマチ布テープ５羽毛収容室６羽毛供給ホース口７外側のテープ片８内側のテープ片１１第１の接着用テープ１２第２の接着用テープ片１３細布テープ１４熱圧型接着テープ１５連結用テープ

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】布団の内部に多数の羽毛収容室（５）を
区画形成するために縦用のマチ布テープ（３）と横用の
マチ布テープ（４）とを格子状に立体的に配置すると共
に該マチ布テープの長手方向の両端部を表地（１）と裏
地（２）に取り付けてなる羽毛布団（Ａ）において、テ
ープの小片を２枚重ねて左右両端縁部を縦用のマチ布テ
ープ（３）又は横用のマチ布テープ（４）のいずれかに
取り付けると共に内側のテープ片（８）の一端縁部を該
マチ布テープの一端縁部に封止状態で取り付けることに
より、各羽毛収容室（５）に弁構造をなした羽毛供給ホ
ース口（６）を形成したことを特徴とする羽毛布団。
【請求項２】外側のテープ片（７）の幅がマチ布テー
プの幅よりも大きくなっており、羽毛供給ホース口
（６）の出口側に舌片部（７ａ）が形成されていること
を特徴とする請求項１記載の羽毛布団。
【請求項３】布団の内部に多数の羽毛収容室（５）を
区画形成するために縦用のマチ布テープ（３）と横用の
マチ布テープ（４）とを格子状に立体的に配置すると共
に該マチ布テープの長手方向の両端部を表地（１）と裏
地（２）に取り付けてなる羽毛布団（Ａ）において、マ
チ布テープ（３，４）の生地（１，２）への取付面には
細布テープ（１３）の一面に熱圧型接着テープ（１４）
を被服せしめてなる第１の接着用テープ（１１）を縫着
し、上記マチ布テープ（１，２）の裏面側には連結用テ
ープ（１５）をその一端部を縫着して取り付けると共に
該連結用テープの他端部の表面側には第２の接着用テー
プ（１２）を縫着して、生地とマチ布テープ及び生地と
連結用テープを熱プレスすることによりマチ布テープ
（３，４）を生地（１，２）に接着固定するように構成
したことを特徴とする羽毛布団。
【請求項４】表地（１）と裏地（２）のそれぞれにマ
チ布テープ（１６，１７）を接着固定すると共に両マチ
布テープを中閉じすることを特徴とする請求項３記載の
羽毛布団。