JPH0716590Y2 - 紙製液体容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、牛乳やジュース等を収納する容器であっ
て、特にゲーベルトップと称される紙製液体容器に関す
るものである。

［従来の技術］ この種の液体収納容器は、頂部が切妻型の屋根のように
形成されており、開口するときにはその合掌状態に接合
された封着部の一方の端部の合わせ目を剥すと共に、封
着部の中央部まで引き剥がして折込片を平面状態に押し
拡げ、更にその折込片の上部の両端部を後方に押しなが
ら上縁の中央を押し出すように剥離させ、引き続き折込
片の両端部まで剥離させて折込片の接着層を完全に剥す
共に、その折込片の両端部を窄めるようにして中央部を
三角形に突出させて注出口を形成出来るようにしてあ
る。

［考案が解決しようとする課題］ 前記のような液体容器の開口に際しては、封着部の引き
剥しを中央部まで完全に行わないと、折込片の上縁の中
央を押し出す剥離作業が円滑にいかず、指を引っ掛けて
強引にこじあけることが往々にしてある。これは不衛生
であるばかりでなく、折込片の上縁中央部が破れて注出
作業がし難くなる。また、折込片の剥離が円滑にいった
としても、その折込片の上縁に剥がれた接着層の一部が
付着しているので不潔な感じを与える。

このような欠点を防止するために注出口となる折込片の
上部にスリットを設けたもの（例えば、実開昭52-62224
号公報、実公昭45-32525号公報）があるが、スリットが
不連続であったり、スリットの位置が不適当であったり
して必ずしも満足すべき結果が得られるものではない。

本考案は、以上のような従来の種々の問題点を技術的に
解決することを課題として成されたものである。

［課題を解決するための手段］ その課題を解決する手段として、本考案は、開閉自在の
注出口を有する頂部を切妻型とした熱接着性プラスチッ
クフィルムラミネート紙製容器において、前記注出口と
なる折込片４の上端部の外面側は両端部が接着層4aでそ
の間に挟まれた部分は非接着層4bに形成され、この非接
着層4bには注出口の上縁となるほぼ横長Ｕ字型の半切Ｌ
が表側から形成され、前記折込片４の上端部の内面側は
一定の幅で接着層4cが形成され、その下縁に沿って半切
Ｍが前記半切Ｌに関連させて若干位置をずらして裏側か
ら形成されたことを要旨とするものである。

［作用］ 注出口の形成において、折込片を拡げてその両端部を窄
めると半切に沿って層間剥離が生じ、その部分が切れて
注出口を形成することができ、かつ注出口の上縁は接着
層のカスが付着せずに綺麗な状態となる。

［実施例］ 以下、図示の実施例によって本考案を具体的に説明す
る。

１は容器本体を構成する側板であり、横に４枚並設され
ると共にそれらの上縁には容器の頂部を形成する一対の
天板２、３と折込片４、５が交互に連設されている。こ
のようなブランクは、従来と同様に熱接着性プラスチッ
クフィルムラミネート紙で一体成形される。６は一方の
端縁に設けられた糊代である。前記天板２、３の上縁に
は互いに合掌状態に接着される封止片2a、3aが形成さ
れ、前記折込片４の上端部の外面は両端部が接着層4aに
形成されると共に、その接着層に挟まれた部分は剥離ニ
スを塗布することによって非接着層4bに形成され、この
非接着層の部分に注出口の上縁となるほぼ横長Ｕ字型の
半切Ｌが表側から形成されている。また、この折込片４
の上端部の内面側は、一定の幅で接着層4cが形成され、
その下縁に沿って半切Ｍが前記半切Ｌに関連させて若干
位置をずらせて裏側（内面側）から形成されている。

本考案に係る紙製容器は上記のように形成され、前記糊
代６をその糊代と反対側の側板１の端部に接着して角筒
状の容器本体を形成すると共に、前記折込片４、５を折
り込み、前記天板２、３の封止片2a、3aを合掌状態に接
着することによって切妻型の頂部を形成できるようにな
っている。このとき、前記折込片４の上端部の外面側
は、前記接着層4aにより両端部のみが相互に自己接着さ
れる。

この紙製容器を開口するには、従来と同様にまず合掌状
態に接合された封着部の一方の端部の合わせ目及び折込
片４の合わせ目を剥すと共に、封着部の中央部まで引き
剥がして折込片４を平面状態に押し拡げる。次に、折込
片４の両端部を窄めてその中央部を押し出すようにする
と、第７図に示すように前記表裏の半切Ｌ、Ｍにより折
込片４の上端部に層間剥離が生じ、半切Ｌを上縁とする
三角形の注出口を形成することができる。この注出口の
上縁は、表裏いずれも接着層が全然付着していないので
極めて清潔である。

また、折込片４の非接着層4bの部分は、その内面側が前
記封止片2a、3aの内面側に接着されているので、前記の
ように注出口を形成した際に層間剥離が生じた部分と共
にそのまま残留することになる。尚、内容物である液体
の注出後に再封するには、従来と同様に注出口を折り込
むようにして折込片４を元の状態に戻せば良い。

［考案の効果］ 以上説明したように、この考案によれば、ゲーベルトッ
プ型の紙製液体容器を開口する際に、注出口となる折込
片の両端部を窄めることにより半切を上縁とする注出口
が形成されるようにしたので、開口作業が非常に簡単で
あると共に、注出口の上縁には接着層の剥離カスが付着
しないので、極めて清潔である等の優れた効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る紙製容器の要部の展開図、第２図
は組み立てられた紙製容器の頂部の斜視図、第３図はそ
の頂部の接着状態を示す説明図、第４図は折込片を拡げ
た状態での頂部の斜視図、第５図はそのときの頂部の状
態を示す説明図、第６図は同じく折込片の正面図、第７
図は注出口を形成したときの頂部の斜視図、第８図はそ
のときの頂部の状態を示す説明図である。 １……側板、２、３……天板 ４……折込片、4a……接着層 4b……非接着層、4c……接着層 ５……折込片、６……糊代 Ｌ、Ｍ……半切

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】開閉自在の注出口を有する頂部を切妻型と
   した熱接着性プラスチックフィルムラミネート紙製容器
   において、前記注出口となる折込片４の上端部の外面側
   は両端部が接着層4aでその間に挟まれた部分は非接着層
   4bに形成され、この非接着層4bには注出口の上縁となる
   ほぼ横長Ｕ字型の半切Ｌが表側から形成され、前記折込
   片４の上端部の内面側は一定の幅で接着層4cが形成さ
   れ、その下縁に沿って半切Ｍが前記半切Ｌに関連させて
   若干位置をずらして裏側から形成されたことを特徴とす
   る紙製液体容器。