JPH07158482A - 多気筒内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

多気筒内燃機関の燃料噴射制御装置

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JPH07158482A
JPH07158482A JP30552593A JP30552593A JPH07158482A JP H07158482 A JPH07158482 A JP H07158482A JP 30552593 A JP30552593 A JP 30552593A JP 30552593 A JP30552593 A JP 30552593A JP H07158482 A JPH07158482 A JP H07158482A
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JP
Japan
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cylinder
engine
crank angle
injection
fuel
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Application number
JP30552593A
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English (en)
Inventor
Giichi Shioyama
議市 塩山
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/02Circuit arrangements for generating control signals
    • F02D41/04Introducing corrections for particular operating conditions
    • F02D41/042Introducing corrections for particular operating conditions for stopping the engine

Landscapes

  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】内燃機関の始動性と排気浄化性能の両立を図
る。 【構成】クランク角センサ1から各気筒の所定のクラン
ク角位置で出力される基準信号及び単位角信号に基づい
て機関停止時の各気筒のクランク角位置状態を停止時ク
ランク角位置状態記憶手段63によって記憶しておき、始
動判定手段65でエンジンキースイッチ3のON操作を判
定すると、水温判定手段66が水温が極低温 (−10°C以
下等) か否かを判定し、その情報に基づいて噴射方式・
噴射順序切換手段67が極低温時には同時噴射方式により
全気筒同時に噴射させ、極低温以上ではシーケンシャル
噴射方式により気筒別に燃料噴射する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多気筒内燃機関におけ
る始動時の燃料噴射制御装置に関し、特に、始動時の燃
料噴射方式を切り換えて始動性を確保しつつ排気浄化性
能も良好とするようにした技術に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】多気筒内燃機関の電子
制御式の燃料噴射装置においては、特定気筒の所定のク
ランク角位置で出力され当該気筒の判別が可能な信号
(いわゆる気筒判別信号)によって当該特定気筒を判別
し、他の気筒は夫々の所定のクランク角位置で出力され
る基準信号の入力回数をカウントして気筒判別を行い、
対応する気筒に燃料噴射制御するようになっている。
【0003】その場合、始動時 (クランキング時) には
前記特定の気筒の気筒判別信号が入力されるまでの間は
気筒の判別を行えないため、無条件で全気筒同時に燃料
噴射制御することが一般的であった。しかしながら、こ
のように無条件に全気筒同時噴射する方式では、各気筒
の燃焼行程1回につき複数回の燃料噴射が行われること
となるので、1回の燃料噴射で充分良好な始動性を確保
できるような場合には、燃料供給が過剰となって排気浄
化性能を悪くしてしまうという問題があった。
【0004】一方、機関の停止時に各気筒のクランク角
位置状態を記憶しておき、該記憶データに基づいて始動
時の各気筒のクランク角位置状態を検出できるようにし
たものがある( 特開昭60−240875号参照) 。このものに
おいても始動時には全気筒同時に燃料噴射を行うものが
開示されているが、記憶されたデータに基づいて始動当
初から燃焼行程順序に従って気筒別に燃焼行程1回当り
1回の燃料噴射を行ういわゆるシーケンシャル噴射制御
を行うことは可能である。
【0005】しかし、始動時に無条件でシーケンシャル
噴射制御を行うことは、始動性の点で以下のような問題
を生じる。極低温 (例えば−10°C以下の低温) での始
動に際しては、供給される燃料が殆ど壁流分として吸気
ポート内に残ってしまい、噴射時期に対応した燃焼行程
に間に合って燃焼室内に流入する量が極めて少なくな
り、初爆に至るまでは相応の時間経過が必要である。つ
まり始動性が大幅に悪化する。
【0006】本発明は、このような従来の実状に鑑みな
されたもので、始動時の各気筒のクランク角位置状態を
検出しつつ、機関の温度状態に応じて燃料噴射方式を切
り換えることにより、始動性能と排気浄化性能との両立
を図った多気筒内燃機関の燃料噴射制御装置を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このため本発明に係る多
気筒内燃機関の燃料噴射制御装置は、図1に示すよう
に、気筒毎に燃料噴射弁を備えた多気筒内燃機関の燃料
噴射制御装置において、各気筒の所定のクランク角位置
で基準信号を出力し、かつ、特定の気筒の基準信号は当
該気筒の判別が可能に形成されてなる基準信号出力手段
と、前記基準信号に基づいて機関停止時の各気筒のクラ
ンク角位置状態を記憶する停止時クランク角位置状態記
憶手段と、気筒別に燃焼行程順序に従って燃焼行程1回
当り1回ずつ燃料噴射させるシーケンシャル噴射制御手
段と、各気筒の燃料行程1回当り複数回の燃料噴射が行
われるように複数気筒同時に燃料噴射させる同時噴射制
御手段と、機関の始動状態を判定する始動判定手段と、
機関の温度状態を検出する機関温度検出手段と、前記機
関温度検出手段によって検出される始動時の機関温度が
所定以上の状態であるときには、前記停止時クランク角
位置状態検出手段によって検出される各気筒のクランク
角位置状態に基づいて、前記シーケンシャル噴射制御手
段によりシーケンシャル噴射を行わせ、始動時の機関温
度が前記所定未満の低温状態であるときには、前記同時
噴射制御手段によって同時噴射を行わせるように燃料噴
射方式を切り換える噴射方式切換手段と、を含んで構成
したことを特徴とする。
【0008】
【作用】基準信号出力手段により出力される特定気筒の
基準信号と他の気筒の基準信号とで、各気筒のクランク
角位置状態を検出することができ、停止時クランク角位
置記憶手段は機関の停止時において検出された各気筒の
クランク角位置状態を記憶する。
【0009】そして、前記停止時に記憶されている各気
筒のクランク角位置状態と、新たに入力される各気筒の
基準信号とに基づいて始動時における各気筒のクランク
角位置状態を検出する。一方、始動時の機関温度状態が
機関温度検出手段によって検出され、機関温度が所定以
上の常温乃至高温である場合は、シーケンシャル噴射制
御手段によって前記始動時の各気筒のクランク角位置状
態に応じてシーケンシャル噴射方式による燃料噴射が行
われる。かかる温度状態では、燃料の気化が良好に行わ
れるため良好な始動性を確保でき、また、燃料噴射量を
必要最小量に抑えられるので排気浄化性能も満たされ
る。
【0010】また、始動時の機関温度が所定未満の低温
である場合には、同時噴射制御手段により複数気筒同時
に燃焼行程1回当り複数回の燃料噴射が行われる。これ
により、壁流分に引き充てるための余剰の燃料を先立っ
て噴射させ、その後に噴射される必要分の燃料を燃焼行
程に間に合わせて燃焼室内に到達させることができ、も
って、低温時の始動性を確保できる。
【0011】
【実施例】以下に本発明の実施例を図に基づいて説明す
る。図2は、本発明に係る多気筒内燃機関の燃料噴射制
御装置の一実施例を示す。図において、4サイクル4気
筒機関の機関回転と同期して回転するカムシャフト等に
クランク角センサ1が設けられる。該クランク角センサ
1は、各気筒の所定のクランク角位置で基準信号を出力
する (クランク角180 °毎に出力) 。ここで、特定気筒
(例えば第1気筒) の基準信号は他の基準信号に比較し
てパルス幅が大きいなどにより当該特定気筒であること
が判別可能となっている。したがってクランク角センサ
1は、基準信号出力手段を構成する。また、クランク角
センサ1は同時に単位クランク角 (例えば1°) 毎の単
位角信号も出力する。
【0012】そして、前記クランク角センサ1からの前
記基準信号,単位角信号の他、機関温度検出手段として
水温センサ2により検出される機関の冷却水温度信号、
エンジンキースイッチ3のON,OFF信号、エアフロ
ーメータ4により検出される吸入空気流量Q信号、スタ
ータスイッチ5のON,OFF信号などが、制御回路6
に出力される。
【0013】制御回路6は、前記各種検出信号に基づい
て以下の各手段により演算/処理/判定を行い、決定さ
れた燃料噴射方式に従って各気筒に備えられた燃料噴射
弁7を駆動して燃料噴射制御を行う。以下、前記各手段
の機能の概要を説明する。機関回転速度検出手段61は、
前記単位角信号の単位時間当りの入力回数を演算して、
これに比例する機関回転速度Nを演算して検出する。ま
たは、前記各基準信号の入力間の周期を測定して、それ
に反比例する値として機関回転速度Nを演算してもよ
い。
【0014】クランク角位置検出手段62は、前記基準信
号及び単位角信号を入力して各気筒のクランク角位置を
検出する。ここで、クランク角位置を単にピストン位置
として検出するのみならず、吸気−圧縮−爆発 (燃焼)
−排気のどの行程におけるクランク角位置を含めて検出
しうる。具体的には、特定気筒の基準信号の入力により
当該気筒の行程を知り、その後入力される基準信号によ
りその他の気筒の行程を知ることができる。
【0015】停止時クランク角位置検出状態手段63は、
機関の停止時に前記クランク角位置検出手段62によって
検出された各気筒のクランク角位置状態 (行程を含む)
を記憶する。基本燃料噴射量演算手段64は、機関回転速
度検出手段61で演算された機関回転速度Nとエアフロー
メータ4により検出された吸入空気流量Qとに基づいて
シリンダに吸入される空気量に比例した量として基本燃
料噴射量TP を演算する。
【0016】始動判定手段65は、エンジンキースイッチ
3のON信号の入力によって始動を判定し、該始動判定
直後に水温判定手段66が水温センサ2からの信号により
極低温た否かを判定し、該判定情報を噴射方式・噴射順
序決定手段67に送出する。噴射方式・噴射順序決定手段
67は水温に応じてシーケンシャル噴射方式及び同時噴射
方式のいずれかを決定すると共に、決定された噴射方式
に対応する各気筒への噴射順序を決定する。
【0017】噴射パルス幅演算手段68は、前記基本燃料
噴射量TP を冷却水温度等によって補正して求めた最終
的に燃料噴射量に相当する噴射パルス幅Ti を演算し、
該噴射パルス信号を噴射弁駆動手段69に出力する。噴射
弁駆動手段69は、前記噴射方式・噴射順序決定手段67に
より決定された噴射方式・噴射順序に従って燃焼時期に
対応する気筒の燃料噴射弁7に接続された駆動用トラン
ジスタ70を前記噴射パルス幅に相当する時間通電するこ
とにより、該燃料噴射弁7を開弁駆動させ、設定された
量の燃料を噴射供給させる。
【0018】かかる始動時の燃料噴射制御を図3に示し
たフローチャートに従って詳細に説明する。このルーチ
ンは、スタータスイッチ5のON操作つまりクランキン
グ開始と同時に開始される。ステップ (図ではSと記
す。以下同様) 1では、後述する別ルーチンにより前回
の機関停止時に記憶された気筒カウンタCYLCNTの
値及びこの値に対応する気筒のクランク角θを読み込
む。これによって機関停止時における各気筒のクランク
角位置状態を知ることができる。
【0019】ステップ2では、水温センサ2により検出
された冷却水温度Tを、極低温として設定された所定値
0 (例えば−10°C) 以下であるかを判定する。そし
て、所定値T0 以下の極低温時には、ステップ3以降に
進んで、同時噴射方式により燃料噴射を行う。まず、ス
テップ3では、前記ステップ1で読み込まれた気筒カウ
ンタCYLCNTの値が0又は2であるか否かを判定す
る。
【0020】0又は2である場合は、ステップ4へ進み
所定の燃料噴射時期に全気筒同時に燃料噴射を行う。本
実施例は4サイクル4気筒機関であり、したがって機関
の1回転につき1回の割合、また、1気筒当りでは1サ
イクル当り2回の燃料噴射が行われることになる。ここ
で、ステップ1で読み込まれたクランク角θを基準とし
てクランク角センサ1から入力された単位角信号をカウ
ントして加算することにより現在のクランク角を計測し
つつ前記燃料噴射時期を検出する。尚、既に燃料噴射時
期を経過していた場合は、そのままステップ5へ進むよ
うにしてもよいが、噴射の遅れを重視して初回は無条件
に噴射する構成としてもよい。
【0021】次いで、ステップ5でクランク角センサ1
から新たに基準信号が入力されるのを待ち、基準信号が
入力されるとステップ6で、当該基準信号が特定気筒
(本実施例では第1気筒) に対応する信号であるか否か
を判定する。そして、特定気筒であると判定された場合
はステップ7へ進んで気筒カウンタCYLCNTの値を
対応する値、ここでは0にセットした後、また、特定気
筒でないと判定された場合はステップ8へ進み、気筒カ
ウンタCYLCNTをインクリメントした後ステップ9
へ進む。
【0022】ステップ9では、スタータスイッチ4がO
Nのままであるか否かを判定し、ONのままであれば、
ステップ3へ戻って同時噴射方式による燃料噴射が繰り
返される。かかる同時噴射による始動が終了し、スター
タスイッチ4がOFF操作されると、ステップ9からス
テップ10以降へ進みシーケンシャル噴射方式による燃料
噴射に切り換えられる。
【0023】また、ステップ2で冷却水温度Tが所定値
0 を超えるときには、始動開始からステップ10以降へ
進みシーケンシャル噴射方式により燃料噴射が行われ
る。まず、ステップ10では、前記気筒カウンタCYLC
NTの値に応じて次に燃料噴射される気筒を判定する。
具体的には、本実施例の場合、燃焼行程順序が第1気筒
→第3気筒→第4気筒→第2気筒であるとして、CYL
CNT=0,1,2,3に夫々対応する燃料噴射気筒
は、第1気筒,第3気筒,第4気筒,第2気筒となるの
で、各値に対応するステップ11A〜11Dのいずれかへ進
み、所定の噴射時期を待って対応する気筒の燃料噴射弁
7から燃料噴射を行う。かかるシーケンシャル噴射方式
においては、各気筒別の吸気行程において順次燃料噴射
が行われる。つまり、各気筒について1サイクル (1燃
焼行程) 当り1回の割合で順次燃料噴射が行われる。
【0024】次いでステップ12へ進み、新たな基準信号
の入力を待ち、基準信号が入力されるとステップ13で当
該基準信号が特定気筒に対応する信号であるか否かを判
定し、特定気筒である場合はステップ13へ進んで気筒カ
ウンタCYLCNTの値を0にセットし、特定気筒でな
い場合はステップ14へ進んで気筒カウンタCYLCNT
をインクリメントした後ステップ10へ戻り、以後運転停
止までシーケンシャル噴射制御を繰り返す。
【0025】次に、運転停止時に各気筒のクランク角位
置状態を記憶するルーチンを図4に基づいて説明する。
ステップ21で、機関の回転が完全に停止したか否かを判
定する。これは、キースイッチ3のOFF操作後、所定
時間の経過をみたり、クランク角センサ1からの単位角
信号の入力の停止を検出したりして行えばよい。
【0026】そして、機関が完全に停止したことを確認
した後、ステップ22へ進んで、現在の気筒カウンタCY
LCNTの値及び対応する気筒のクランク角θを、バッ
クアップ機能付のRAMに記憶する。この記憶された値
が、既述したように始動開始時に読み込まれるわけであ
る。かかる構成とすれば、始動時に水温に応じて同時噴
射方式とシーケンシャル噴射方式とを切り換えることに
より、燃料が気化しにくい極低温時の始動性を確保しつ
つ、常温,高温時には始動に必要なだけの燃料を供給し
て排気浄化性能を良好に維持することができる。図5
は、冷却水温度を横軸パラメータとして、シーケンシャ
ル噴射方式と同時噴射方式との場合の始動から完爆に至
るまでの所要時間を比較した実験結果を示す。
【0027】図示の如く、極低温側になるほど、同時噴
射方式の方が短時間で始動が完了する結果が得られた。
この主要因としては、噴射開始直後、シーケンシャル噴
射方式とした場合は、その初回噴射燃料分の殆どの量が
吸気ポート内に壁流分として残留し、燃焼室内への燃料
到達が期待できないということが挙げられ、より低温側
へ移行するほど、その傾向が強くなるものと解釈できる
(これは、燃料の揮発性,粘性の性状変化に起因する現
象と考えられる) 。これに対し、低温時における同時噴
射方式とした場合の完爆に至るまでの所要時間は大幅な
改善効果を示している。この要因は、前述の内容の逆説
になるが、例えば始動開始直後、吸気行程 (要求燃料噴
射点) が後になる気筒に関して考えるとき、始動の瞬間
に不要な燃料噴射が行われるわけであり、正規 (吸気行
程に同期して) 噴射される噴射分Ti が作用する前に、
余剰分の燃料が吸気ポート内に介在することになる。即
ち、この余剰分の燃料が吸気ポート内壁流分として作用
し、次に関わる正規噴射パルス幅に相当する燃料分が前
記の壁流分に上乗せされて吸気ポート内に供給されるこ
とが、燃焼室への燃料到達時間を早める効果として表
れ、結果としてシーケンシャル噴射の場合よりも始動性
が向上する大きな要因となりうる。
【0028】言い換えれば、当初からシーケンシャル噴
射を行う場合、初回より吸気行程に同期して燃料を供給
するが、この1〜2噴射回数分は壁流分として作用し、
燃料室への燃料到達が同時噴射方式に比べ遅れることに
なるといえる。図6は、前記図5に示した実験データの
取得時に測定した始動時のHC排出量を示すが、始動時
間を短縮化可能とした分、同時噴射方式の場合の方がH
C排出レベルも低く、シーケンシャル噴射方式に比べ、
排出レベルの再現性も安定しており本発明の効果の程が
わかる。
【0029】一方、図6において常温始動域は始動性
(完爆までの所要時間) に大きな差は認められなかっ
た。これは前述の燃料の揮発性,粘性の点で壁流相当分
がさほど多量ではなく、燃焼室への燃料到達が比較的容
易に実現できていることによるものと考えられる。した
がって、常温始動域では不必要な燃料を供給する同時噴
射方式は排気性能(特にHC低減) の観点から適切とは
いえず、始動所要時間が二者で同等であれば必要とする
気筒に必要な燃料量だけ噴射するシーケンシャル噴射方
式の方が好ましい。即ち、常温以上ではシーケンシャル
噴射方式、低温時は同時噴射方式とした本発明の特徴が
理解できる。
【0030】尚、前記本発明の実施例では同時噴射方式
は機関の1回転毎に1回の割合で全気筒同時噴射する方
式としたが、機関の1回転当り2回つまりシーケンシャ
ル噴射方式における噴射時期毎に2気筒同時に噴射する
いわゆるグループ噴射方式を採用してもよく、各気筒の
2回の噴射タイミングを対等 (夫々同じ行程で噴射)と
し、1回は正規噴射とすることができる。
【0031】また、前記実施例では、停止時に気筒カウ
ンタCYLCNTと同時に単位クランク角のカウントに
よるθの値も記憶して、始動開始後基準信号が入力され
る前から燃料噴射が可能な構成としたが、簡易的には気
筒カウンタCYLCNTの値のみを記憶しておいて、始
動開始後基準信号を1回入力した後に燃料噴射を開始す
る構成としてもよい。但し、この方式では、前記の全気
筒同時噴射方式では最初に基準信号が非噴射の場合 (実
施例の場合では気筒カウンタCYLCNTの値が1,3
の場合) 噴射が遅れてしまうので、前記のグループ噴射
にするか、若しくは、最初に入力した基準信号に合わせ
て全気筒同時噴射を行うような構成とすることもでき
る。
【0032】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明によれ
ば、機関停止時のクランク角位置状態を記憶しておき、
始動時に機関の温度状態に基づいて常温以上ではシーケ
ンシャル噴射方式、所定以下の低温時は同時噴射方式に
切り換える構成としたため、低温時の始動性を良好に確
保できると共に、常温以上では不必要な燃料噴射を停止
して排気浄化性能を良好に維持でき、始動性と排気浄化
性能の両立を図れるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成・機能を示すブロック図。
【図2】本発明の一実施例の構成を示す図。
【図3】同上実施例の燃料噴射制御ルーチンを示すフロ
ーチャート。
【図4】同じく機関停止時のクランク角位置状態記憶ル
ーチンを示すフローチャート。
【図5】同じく水温に対する始動所要時間の関係を示す
線図。
【図6】同じく始動後経過時間に対するHC排出濃度の
関係を示す線図。
【符号の説明】
1 クランク角センサ 2 水温センサ 3 エンジンキースイッチ 5 スタータスイッチ 6 制御回路 7 燃料噴射弁 63 停止時クランク角位置状態記憶手段 65 始動判定手段 66 水温判定手段 67 噴射方式・噴射順序切換手段

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】気筒毎に燃料噴射弁を備えた多気筒内燃機
    関の燃料噴射制御装置において、 各気筒の所定のクランク角位置で基準信号を出力し、か
    つ、特定の気筒の基準信号は当該気筒の判別が可能に形
    成されてなる基準信号出力手段と、 前記基準信号に基づいて機関停止時の各気筒のクランク
    角位置状態を記憶する停止時クランク角位置状態記憶手
    段と、 気筒別に燃焼行程順序に従って燃焼行程1回当り1回ず
    つ燃料噴射させるシーケンシャル噴射制御手段と、 各気筒の燃料行程1回当り複数回の燃料噴射が行われる
    ように複数気筒同時に燃料噴射させる同時噴射制御手段
    と、 機関の始動状態を判定する始動判定手段と、 機関の温度状態を検出する機関温度検出手段と、 前記機関温度検出手段によって検出される始動時の機関
    温度が所定以上の状態であるときには、前記停止時クラ
    ンク角位置状態検出手段によって検出される各気筒のク
    ランク角位置状態に基づいて、前記シーケンシャル噴射
    制御手段によりシーケンシャル噴射を行わせ、始動時の
    機関温度が前記所定未満の低温状態であるときには、前
    記同時噴射制御手段によって同時噴射を行わせるように
    燃料噴射方式を切り換える噴射方式切換手段と、 を含んで構成したことを特徴とする多気筒内燃機関の燃
    料噴射制御装置。
JP30552593A 1993-12-06 1993-12-06 多気筒内燃機関の燃料噴射制御装置 Pending JPH07158482A (ja)

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