JPH07157626A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH07157626A
JPH07157626A JP33933493A JP33933493A JPH07157626A JP H07157626 A JPH07157626 A JP H07157626A JP 33933493 A JP33933493 A JP 33933493A JP 33933493 A JP33933493 A JP 33933493A JP H07157626 A JPH07157626 A JP H07157626A
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propylene
ethylene
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phase
copolymer
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JP33933493A
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Tetsuya Kawamura
哲也 河村
Yuji Fujita
祐二 藤田
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Tonen General Sekiyu KK
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Tonen Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 極めて延性の大きいプロピレン‐エチレンブ
ロック共重合体とポリオレフィン系ゴムを含む熱可塑性
樹脂組成物を提供する。 【構成】 多段重合により得られるプロピレンホモポリ
マー相とプロピレン‐エチレンランダム共重合相を含む
プロピレン‐エチレンブロック共重合体とポリオレフィ
ン系ゴムを含む熱可塑性樹脂組成物において、上記プロ
ピレン‐エチレンブロック共重合体が、所定の物性を有
するプロピレン‐エチレンブロック共重合体(A)及び
(B)から成ることを特徴とする樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多段重合により得られ
るプロピレン‐エチレンブロック共重合体とポリオレフ
ィン系ゴムを含む熱可塑性樹脂組成物に関し、更に詳し
くは自動車、家電等の工業用材料として有用な上記熱可
塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリプロピレン系樹脂の耐衝撃性
を改善するために、プロピレン‐エチレンブロック共重
合体にエチレン‐プロピレン共重合体ゴム等及びタル
ク、炭酸カルシウム等の無機充填剤を配合することが知
られている。
【0003】例えば、特公昭64‐2536号公報に
は、(I)メルトインデックスが15〜30(g/10
分)、エチレン含量が5〜15重量%、プロピレンとエ
チレン共重合部のエチレン含量が30〜60重量%、か
つ該共重合部の135℃テトラリン溶液での極限粘度が
4〜10(dl/g)であるプロピレン‐エチレンブロ
ック共重合体50〜70重量部、(II)エチレン含量が
40〜80重量%、ムーニー粘度ML1+4 (100℃) が1
5〜45、かつ70℃キシレン溶液での極限粘度が1.
2〜2.0(dl/g)であるエチレン‐プロピレン共
重合ゴム25〜35重量部、及び(III) 平均粒子径が
0.5〜10μであるタルク5〜20重量部からなる樹
脂組成物が開示されている。しかし、該樹脂組成物にお
いては、剛性度と低温における衝撃強度のバランスは改
善されるものの、未だ十分な延性を得るには至っていな
い。
【0004】特開平5‐98125号公報には、(a)
多段重合により得られるプロピレン‐エチレンブロック
共重合体50〜70重量%と、(b)エチレン‐プロピ
レン共重合体系ゴム10〜20重量%と、(c)エチレ
ン‐ブテン共重合体ゴム10〜20重量%と、(d)タ
ルク7〜15重量%とを含有し、かつ前記(b)+
(c)の合計が25〜35重量%である自動車外装用樹
脂組成物であって、前記多段重合により得られるプロピ
レン‐エチレンブロック共重合体が、プロピレン‐エチ
レンランダム共重合体部分を4〜10重量%含有し、プ
ロピレンホモポリマー部分の極限粘度が0.9〜1.2
dl/gであり、前記プロピレン‐エチレンランダム共
重合体部分の極限粘度が4.0dl/g以上であり、前
記プロピレン‐エチレンランダム共重合体部分中のエチ
レン含有量が30〜70重量%であり、かつ前記組成物
中のプロピレンホモポリマー部分の極限粘度(A)と、
前記プロピレンホモポリマー部分以外の樹脂成分の極限
粘度(B)との比(A/B)が0.1〜2.5の範囲内
であることを特徴とする樹脂組成物が開示されている。
このように上記発明は、二種類の異なるポリオレフィン
系ゴムを配合することにより、プロピレン系樹脂組成物
の耐衝撃性、延性、機械的強度、耐熱変形性、脆化温
度、硬度のバランスを改善するものであり、弾性率が低
いという欠点を有する。
【0005】また、本願発明の出願人は、上記欠点を解
決すべく、多段重合により得られるプロピレンホモポリ
マー相とプロピレン‐エチレンランダム共重合相を含む
プロピレン‐エチレンブロック共重合体とポリオレフィ
ン系ゴムとを含む熱可塑性樹脂組成物において、上記プ
ロピレン‐エチレンブロック共重合体が、(A)プロピ
レン‐エチレンランダム共重合相のエチレン含有量が5
重量%以上50重量%以下であるプロピレン‐エチレン
ブロック共重合体及び(B)プロピレン‐エチレンラン
ダム共重合相のエチレン含有量が50重量%を超え98
重量%以下であるプロピレン‐エチレンブロック共重合
体から成ることを特徴とする樹脂組成物について、既に
出願した。しかし、該樹脂組成物の延性は、未だ十分と
はいえなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、極めて延性
の大きい、プロピレン‐エチレンブロック共重合体とポ
リオレフィン系ゴムを含む熱可塑性樹脂組成物を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の本
出願人の先願について更に詳細に検討を加えた。その結
果、(A)及び(B)の各プロピレン‐エチレンブロッ
ク共重合体において、プロピレン‐エチレンランダム共
重合相のエチレン含有量及びその極限粘度を下記所定の
範囲に限定することにより、得られる樹脂組成物の延性
を著しく向上し得ることを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0008】即ち、本発明は、多段重合により得られる
プロピレンホモポリマー相とプロピレン‐エチレンラン
ダム共重合相を含むプロピレン‐エチレンブロック共重
合体とポリオレフィン系ゴムとを含む熱可塑性樹脂組成
物において、上記プロピレン‐エチレンブロック共重合
体が、 (A)プロピレン‐エチレンランダム共重合相のエチレ
ン含有量が5重量%以上50重量%以下であり、上記プ
ロピレン‐エチレンランダム共重合相の極限粘度が4.
0dl/g以上8.0dl/g以下であるプロピレン‐
エチレンブロック共重合体及び (B)プロピレン‐エチレンランダム共重合相のエチレ
ン含有量が50重量%を超え98重量%以下であり、上
記プロピレン‐エチレンランダム共重合相の極限粘度が
2.0dl/g以上4.0dl/g未満であるプロピレ
ン‐エチレンブロック共重合体から成ることを特徴とす
る樹脂組成物である。
【0009】本発明の多段重合により得られるプロピレ
ン‐エチレンブロック共重合体は、実質的にプロピレン
ホモポリマー相と、プロピレン‐エチレンランダム共重
合相と、場合によっては少量のエチレンホモポリマー相
とからなるものであり、夫々の部分は単独のポリマーと
して存在していても、あるいは夫々が結合した状態にあ
ってもよい。上記各相は基本的にはプロピレン及び/又
はエチレンとからなるものであるが、他のα‐オレフィ
ンやジエン系モノマーを少量含有していてもよい。上記
プロピレンホモポリマー相としては、プロピレンのホモ
ポリマー又は少量のコモノマー成分を含むプロピレンコ
ポリマーが挙げられる。コモノマー成分としては、ブテ
ン‐1、オクテン‐1等の他のα‐オレフィンやジエン
系モノマー等が挙げられる。
【0010】成分(A)の多段重合により得られるプロ
ピレン‐エチレンブロック共重合体中のプロピレン‐エ
チレンランダム共重合相は、低結晶性の部分であり、エ
チレンの含有量(Gv)が、5重量%以上50重量%以
下(分母は共重合相の重量)、好ましくは20重量%以
上40重量%以下である。エチレンの含有量が5重量%
未満あるいは50重量%を超えると、延性が不足するた
め好ましくない。該プロピレン‐エチレンランダム共重
合相の極限粘度[η]CXS (135℃、テトラリン溶
液)は、4.0dl/g以上8.0dl/g以下であ
り、好ましくは5.0dl/g以上7.0dl/g以下
である。該極限粘度が4.0dl/g未満では、相溶化
剤としての機能を十分に発揮し得ず延性等の物性の向上
が十分でなく、8.0dl/gを超えては、相溶化剤と
してプロピレンホモポリマー相とポリオレフィン系ゴム
との間に存在しに難くなるため好ましくない。
【0011】上記プロピレン‐エチレンランダム共重合
相の極限粘度[η]CXS (135℃、テトラリン溶液)
は、特公昭64-2536 号公報に記載されているように次の
式で計算される粘度を意味する。
【0012】[η]CXS =(1/X)[η]T −{(1
/X)−1}[η]P ここで、[η]P はプロピレンホモポリマー相の極限粘
度、[η]T はプロピレン‐エチレンブロック共重合体
の極限粘度、Xはプロピレン‐エチレンブロック共重合
体中のプロピレンホモポリマー相とプロピレン‐エチレ
ンランダム共重合相の重合比率(重合比率はプロピレン
ホモポリマー相とプロピレン‐エチレンブロック共重合
体の結晶融解熱量を測定することにより求めた。)を示
す。
【0013】成分(A)の多段重合により得られるプロ
ピレン‐エチレンブロック共重合体中のプロピレン‐エ
チレンランダム共重合相の含有量(Cv)は好ましくは
1重量%以上30重量%以下、特に好ましくは3重量%
以上15重量%以下である。1重量%未満では延性が低
下し、30重量%を超えては、流動性が低下するため好
ましくない。
【0014】プロピレン‐エチレンブロック共重合体中
のプロピレンホモポリマー相のメルトフローレート(J
IS K6758に準拠し230℃、2160g荷重下
で測定)は、好ましくは1(g/10分)以上500
(g/10分)以下であり、特に好ましくは5(g/1
0分)以上100(g/10分)以下である。メルトフ
ローレートが1(g/10分)未満では樹脂組成物の流
動性が不足し、また500(g/10分)を超えると延
性が不足するするため好ましくない。
【0015】該プロピレン‐エチレンブロック共重合体
中にエチレンホモポリマー相を含有する場合には、その
含有量は好ましくは40重量%以下であり、(A)のプ
ロピレン‐エチレンブロック共重合体全体中のエチレン
含有量は、好ましくは5〜50重量%であり、特に好ま
しくは30〜40重量%である。
【0016】成分(B)の多段重合により得られるプロ
ピレン‐エチレンブロック共重合体において、プロピレ
ン‐エチレンランダム共重合相中のエチレンの含有量
(Gv)は、50重量%を超え98重量%以下(分母は
共重合相の重量)、好ましくは50重量%を超え80重
量%以下である。エチレンの含有量が50重量%以下あ
るいは98重量%を超えると、延性が不足するため好ま
しくない。該プロピレン‐エチレンランダム共重合相の
極限粘度[η]CXS (135℃、テトラリン溶液)は、
2.0dl/g以上4.0dl/g未満であり、好まし
くは3.0dl/g以上4.0dl/g未満である。該
極限粘度が2.0dl/g未満では、相溶化剤としての
機能を十分に発揮し得ず延性等の物性の向上が十分でな
く、4.0dl/g以上では、相溶化剤としてプロピレ
ンホモポリマー相とポリオレフィン系ゴムとの間に存在
し難くなるため好ましくない。
【0017】上記成分(B)のプロピレン‐エチレンブ
ロック共重合体において、プロピレン‐エチレンランダ
ム共重合相の含有量(Cv)及びプロピレン‐エチレン
ブロック共重合体中のプロピレンホモポリマー相のメル
トフローレートは、いずれも上記成分(A)と同じ範囲
である。
【0018】該プロピレン‐エチレンブロック共重合体
中にエチレンホモポリマー相を含有する場合には、その
含有量は好ましくは40重量%以下であり、(B)のプ
ロピレン‐エチレンブロック共重合体全体中のエチレン
含有量は、好ましくは50〜98重量%であり、特に好
ましくは60〜70重量%である。
【0019】上記成分(A)及び(B)のプロピレン‐
エチレンブロック共重合体のメルトフローレート(JI
S K6758に準拠し230℃、2160g荷重下で
測定)は、いずれも好ましくは1〜70(g/10分)
であり、特に好ましくは10〜30(g/10分)であ
る。該MFR値が1(g/10分)未満では得られる組
成物の成形性、特に射出成形性が低下し、また70(g
/10分)を超えると機械的強度が低下するため好まし
くない。
【0020】本発明で使用される上記の(A)及び
(B)のプロピレン‐エチレンブロック共重合体は、例
えば、チーグラー・ナッタ系触媒により、まずプロピレ
ンを重合してプロピレンホモポリマー相(少量のコモノ
マー成分を含んでいてもよい)を生成し、次の段階でエ
チレンとプロピレンの混合物を共重合させることにより
ランダム共重合相を生成することにより得られる。
【0021】本発明の樹脂組成物中、多段重合により得
られるプロピレン‐エチレンブロック共重合体は、上記
成分(A)及び(B)から成るものであり、(A)及び
(B)から成るものであれば、夫々上記物性の範囲内で
二種類以上のプロピレン‐エチレンブロック共重合体を
使用することもできる。
【0022】本発明において、上記(A)と(B)との
配合比は、重量比で好ましくは95/5〜5/95、更
に好ましくは90/10〜10/90であり、配合比が
90/10〜40/60の範囲では、著しく高い延性を
得ることができるため特に好ましい。該配合比が、95
/5を超えては延性が改善されず、5/95未満でもや
はり延性が改善されないため好ましくない。
【0023】本発明において使用されるポリオレフィン
系ゴムとしては、エチレン‐プロピレン共重合体ゴム
(EPR)、エチレン‐プロピレン‐ジエン共重合体ゴ
ム(EPDM)、エチレン‐ブテン共重合体ゴム(EB
R)、ポリスチレン‐ポリエチレンブチレン‐ポリスチ
レン共重合体ゴム(SEBS)及びポリスチレン‐ポリ
エチレンプロピレン‐ポリスチレン共重合体ゴム(SE
PS)等が挙げられる。エチレン‐プロピレン共重合体
ゴムは、エチレンの含有量が50〜90モル%、プロピ
レンの含有量が50〜10モル%であることが好まし
く、より好ましくはエチレンの含有量が70〜80モル
%、プロピレンの含有量が30〜20モル%である。エ
チレン‐プロピレン‐ジエン共重合体ゴムの場合、ジエ
ン化合物としては、例えばエチリデンノルボルネン、ジ
シクロペンタジエン、1,4‐ヘキサジエン等が挙げら
れる。エチレン‐ブテン共重合体ゴムは、エチレンの含
有量が好ましくは70〜90モル%、ブテン‐1の含有
量が好ましくは30〜10モル%のランダム共重合体で
あり、特にエチレンの含有量が75〜85モル%、ブテ
ン‐1の含有量が15〜25モル%のものが好ましい。
また、EBRはエチレン及びブテン‐1以外のヘキセン
‐1、オクテン‐1等の他のα‐オレフィンやエチリデ
ンノルボルネン、ジシクロペンタジエン等のジエン化合
物を少量共重合していてもよい。ポリスチレン‐ポリエ
チレンブチレン‐ポリスチレン共重合体ゴムは、ポリス
チレンの含有量が好ましくは10〜65モル%、ポリエ
チレンブチレンの含有量が好ましくは35〜90モル%
のブロック共重合体であり、特にポリスチレンの含有量
が30〜40モル%、ポリエチレンブチレンの含有量が
60〜70モル%のものが好ましい。ポリエチレンブチ
レン中のブチレンの含有量は10〜70モル%が好まし
く、特に30〜50モル%が好ましい。ポリスチレン‐
ポリエチレンプロピレン‐ポリスチレン共重合体は、ポ
リスチレンの含有量が好ましくは10〜65モル%、ポ
リエチレンプロピレンの含有量が好ましくは35〜90
ル%、特にポリスチレンの含有量が30〜50モル%、
ポリエチレンプロピレンの含有量が50〜70モル%の
ものが好ましい。該ポリオレフィン系ゴムは、二種類以
上を任意に組合せて用いることもできる。
【0024】上記ポリオレフィン系ゴムのメルトフロー
レート[JIS K6758に準拠し230℃(EBR
については190℃)、2160g荷重下で測定]は、
好ましくは0.01〜200(g/10分)であり、特
に好ましくは0.1〜50(g/10分)である。該M
FRが、0.01(g/10分)未満では、樹脂組成物
の流動性が不足し、また200(g/10分)を超えて
は、延性が不足するため好ましくない。
【0025】本発明において、多段重合により得られる
プロピレン‐エチレンブロック共重合体(A)と(B)
との総量とポリオレフィン系ゴムとの配合比は、重量比
で好ましくは98/2〜2/98、特に好ましくは95
/5〜5/95である。該配合比が、98/2を超えて
は延性が低下し、2/98未満では曲げ弾性率等の機械
的強度が低下するため好ましくない。
【0026】また、本発明の樹脂組成物においては、上
記の成分以外に、その物性を損なわない範囲において、
その目的に応じ当業者に公知の各種の添加剤、例えば他
の高分子材料、顔料や染料、ガラス繊維、金属繊維、金
属フレーク、炭素繊維、ガラスフレーク、ミルドグラス
等の補強材や充填剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸
収剤、光安定剤、離型剤、可塑剤、帯電防止剤及び難燃
剤等を添加することができる。
【0027】本発明の構造を有する樹脂組成物は、多段
重合により得られるプロピレン‐エチレンブロック共重
合体とポリオレフィン系ゴムとを例えば下記に示したよ
うに溶融混練することにより製造することができる。即
ち、該樹脂組成物は、スーパーミキサー等を使用してプ
リブレンドした後に、二軸押出機を用いて製造すること
ができる。混練温度は、好ましくは180〜250℃、
特に好ましくは190〜230℃であり、混練時間は好
ましくは15秒〜5分、特に好ましくは30秒〜1.5
分である。
【0028】以下、実施例及び比較例により本発明を更
に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
【0029】
【実施例】以下の実施例、比較例においては下記の化合
物を使用した。 <プロピレン‐エチレンブロック共重合体(ICP)>
表1に示すような性質を有する各種プロピレン‐エチレ
ンブロック共重合体を使用した。
【0030】
【表1】
【0031】*1 MFR(g/10分):JIS K
6758により230℃、2160g荷重下で測定した
メルトフローレート *2 Cv(重量%):プロピレン‐エチレンブロック
共重合体中のプロピレン‐エチレンランダム共重合相の
含有率 *3 Gv(重量%):プロピレン‐エチレンランダム
共重合相中のエチレンの含有率 *4 MFRH (g/10分):プロピレン‐エチレン
ブロック共重合体中のプロピレンホモポリマー相のJI
S K6758により230℃、2160g荷重下で測
定したメルトフローレート *5 [η]CXS (dl/g):プロピレン‐エチレン
ブロック共重合体中のプロピレン‐エチレンランダム共
重合相の極限粘度 <ポリオレフィン系ゴム> ゴム1:エチレンプロピレン共重合体ゴム(EPR、日
本合成ゴム株式会社製、EP961SP) エチレン含
有量77重量%、メルトフローレート(JIS K67
58により230℃、2160g荷重下で測定)0.8
(g/10分) ゴム2:エチレンプロピレンジエン共重合体ゴム(EP
DM、日本合成ゴム株式会社製、EP57P) エチレ
ン含有量72重量%、メルトフローレート(JIS K
6758により230℃、2160g荷重下で測定)
0. 4(g/10分) ゴム3:エチレンブテン共重合体ゴム(EBR、日本合
成ゴム株式会社製、EBM1041P) エチレン含有
量84重量%、メルトフローレート(JIS K675
8により190℃、2160g荷重下で測定)3.5
(g/10分) <任意物質> タルク:富士タルク工業株式会社製、LMS200、平
均粒径1.3μm
【0032】
【実施例1〜14、比較例1〜5】表2及び3に示す量
(重量部)の各成分を45mmφ二軸押出機(L/D=
30)を使用してバレル設定温度200℃、回転数20
0rpmで混練押出し、ペレットを作成した。更に出来
上がったペレットをシリンダー温度200℃、金型温度
50℃に設定した射出成形機により成形して、試験片を
作成し諸特性の試験に供した。一例として、図1に実施
例4で得られた成形品の切断面の電子顕微鏡写真(17
000倍、日立製作所製透過型電子顕微鏡H‐700H
使用、四酸化ルテニウムにより染色を施した)を示し
た。プロピレンホモポリマー相とポリオレフィン系ゴム
との境界部分において、プロピレンホモポリマー相、共
重合相、ポリオレフィン系ゴムの順で配置されているこ
とが分かる。ここで、(A)の共重合相と(B)の共重
合相の区別は不可能であるが、エチレン含有量が少なく
よりポリプロピレンに近い構造を持つ(A)の共重合相
がプロピレンホモポリマー相側に存在し、(B)の共重
合相はポリオレフィン系ゴム側に存在するものと推定さ
れる。
【0033】諸特性は次の試験方法により評価した。 ・引張破断伸び(%)及び引張降伏強度(kg/c
2 ):JIS K7113により測定した。 ・曲げ弾性率(kg/cm2 ):JIS K7203に
より測定した。 ・メルトフローレート(MFR、g/10分):JIS
K6758により測定した。 これらの評価結果を表2及び3に示した。
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】 実施例1〜7は、多段重合により得られるプロピレン‐
エチレンブロック共重合体(A)と(B)の配合比を変
化させたものである。引張り破断伸び値は、(A)と
(B)の配合比が、50対50のときに最大となる。
(A)又は(B)のいずれの配合比を低下させても、引
張り破断伸び値は低下するが、(A)の配合比を低下し
た場合がより顕著である。実施例8〜10は、実施例4
に対してポリオレフィン系ゴムの配合比を変化させたも
のである。ゴムの配合比を増加しても破断伸び値は変化
せず、減少すると多少低下する。実施例11及び12
は、実施例4に対してポリオレフィン系ゴムの種類を変
えたものである。いずれのゴムを使用した場合にも、実
施例4とほぼ同等の物性値を示した。実施例13は、実
施例4に対して任意物質であるタルクを配合した場合で
ある。タルクの配合により、引張り破断延び値を低下さ
せることなく、引張り降伏強度及び曲げ弾性率を著しく
増加することができる。実施例14は、実施例4で使用
した(A)及び(B)と比較して、いずれもMFR値が
より高いプロピレン‐エチレンブロック共重合体を使用
した場合である。該MFR値とは関係なく、本発明の
(A)と(B)の使用により、高い破断伸び値を有する
樹脂組成物が得られることが分った。
【0036】一方、比較例1及び2は、夫々(A)又は
(B)単独とポリオレフィン系ゴムとを配合したもので
ある。比較例1及び2は、破断伸び値が小さい。本発明
のように(A)と(B)とを配合することにより、非常
に優れた延性を得ることができることが分った。比較例
3は、実施例1の(A)及び(B)に代えて、いずれも
プロピレン‐エチレンランダム共重合相の極限粘度が本
発明の範囲外にあるプロピレン‐エチレンブロック共重
合体を使用したものである。比較例3の破断伸び値は低
い。比較例4及び5は、夫々(A)、(B)のみを単独
で使用したものであり、破断伸び値が著しく低い。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、極めて延性の大きいプ
ロピレン‐エチレンブロック共重合体とポリオレフィン
系ゴムを含む熱可塑性樹脂組成物を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例4で得られた成形品の粒子状態を示す電
子顕微鏡写真である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多段重合により得られるプロピレンホモ
    ポリマー相とプロピレン‐エチレンランダム共重合相を
    含むプロピレン‐エチレンブロック共重合体とポリオレ
    フィン系ゴムとを含む熱可塑性樹脂組成物において、上
    記プロピレン‐エチレンブロック共重合体が、(A)プ
    ロピレン‐エチレンランダム共重合相のエチレン含有量
    が5重量%以上50重量%以下であり、上記プロピレン
    ‐エチレンランダム共重合相の極限粘度が4.0dl/
    g以上8.0dl/g以下であるプロピレン‐エチレン
    ブロック共重合体及び(B)プロピレン‐エチレンラン
    ダム共重合相のエチレン含有量が50重量%を超え98
    重量%以下であり、上記プロピレン‐エチレンランダム
    共重合相の極限粘度が2.0dl/g以上4.0dl/
    g未満であるプロピレン‐エチレンブロック共重合体か
    ら成ることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)と(B)との配合比が、重量比で
    95/5〜5/95である請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (A)と(B)との総量とポリオレフィ
    ン系ゴムとの配合比が、重量比で98/2〜2/98で
    ある請求項1又は2記載の樹脂組成物。
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