JPH07155191A - 乳酸の発酵方法 - Google Patents

乳酸の発酵方法

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JPH07155191A
JPH07155191A JP5308347A JP30834793A JPH07155191A JP H07155191 A JPH07155191 A JP H07155191A JP 5308347 A JP5308347 A JP 5308347A JP 30834793 A JP30834793 A JP 30834793A JP H07155191 A JPH07155191 A JP H07155191A
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fermentation
lactic acid
lactate
electrodialysis
medium
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JP5308347A
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Shigenobu Miura
重信 三浦
Akira Kumagai
晃 熊谷
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Musashino Chemical Laboratory Ltd
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Musashino Chemical Laboratory Ltd
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    • C12P7/40Preparation of oxygen-containing organic compounds containing a carboxyl group including Peroxycarboxylic acids
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 実用可能な電気透析発酵により乳酸塩、特に
乳酸アンモニウムを得る方法を提供する。 【構成】 培地中に乳酸塩を蓄積する能力を有する微生
物を培養する発酵部と電気透析装置との間で発酵液を循
環し、該電気透析装置により発酵液から乳酸塩を除去す
ることを特徴とする乳酸の発酵方法により達成される。 【効果】 容易に粗精製された乳酸塩、特に、乳酸アン
モニウム水溶液を得ることができ、同時に発酵装置の生
産性が向上するという点で大きな利益をもたらすことが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な乳酸の発酵方法
に関するものである。
【0002】乳酸は、食品添加物として清酒、清涼飲
料、漬物、醤油、製パンまたはビールなどの製造に利用
され、また、工業として皮革、繊維、プラスチック、医
薬品または農薬などの製造に使用されている。
【0003】また、最近では乳酸の誘導体または合成中
間体である乳酸エチル、または乳酸ブチルなどのエステ
ル類は安全性の高い溶剤、洗浄剤としての用途が広がっ
ている。さらに乳酸のポリマーであるポリ乳酸は、生分
解性ポリマーとしての用途が拡大するものとして期待さ
れている。
【0004】
【従来の技術】従来、乳酸の製造方法としては、糖質や
澱粉などを原料として乳酸菌を用いる発酵法が広く行わ
れているが、その製造方法は、原料に乳酸菌の栄養源と
してホエー、コーンスチープリカー、酵母エキスなどを
用い、また、生成する乳酸の中和剤として炭酸カルシウ
ムを添加して乳酸菌を接種して乳酸発酵を行うのが一般
的である。
【0005】しかし、炭酸カルシウムによって培地に蓄
積する乳酸を中和する方法では精製に手間がかかるのみ
ならず、生成される乳酸により発酵が生成物阻害を受け
るため、特に乳酸が高濃度となる場合には発酵速度が妨
げられ発酵装置の生産性が著しく損なわれることにな
る。
【0006】一方、発酵装置の生産性を高める手段とし
ては菌体の固定化や膜分離を用いる高密度培養が開発さ
れているが、このような発酵方法においても乳酸による
生成物阻害が現れることに変わりはない。
【0007】これに対し発酵培地から生成物である乳酸
を分離して生成物阻害を無くし、生産性を高める方法と
しては抽出発酵あるいは電気透析発酵が考えられる。
【0008】抽出発酵は、発酵培地中に蓄積する乳酸を
逐次抽出により回収することによって生成物阻害を無く
し、同時に粗生成を兼ねるという方法であるが、発酵に
最適なpHと抽出に最適なpHとが異なること、および
優れた抽出剤ほど一般に菌体に対する毒性が強いことか
ら、今のところ十分な開発がなされていない。
【0009】電気透析発酵は、はじめに野村らによって
開発がなされている(Applied and Env
iromental Microbiology,Au
g.1986,p.314−319)。この電気透析装
置は、カソード、アニオン交換膜、カチオン交換膜、ア
ノードの順に並べられたもので、カソード室に発酵液を
導入し乳酸をアニオン交換膜を通して透析するものであ
り、フリーの乳酸を得ることができる。
【0010】しかしながら、発酵培地のpHを乳酸の電
気透析によってコントロールするため発酵液中の乳酸濃
度が低くなり、このため電気透析の電流効率が低く、そ
の上、乳酸とともに燐酸イオンが透析され、さらにカソ
ード室においては菌体が、電極およびアニオン交換膜と
接触して死滅するために生産性は十分に上昇しない。
【0011】また、戸田らは、発酵液中の乳酸を塩の形
で存在させることによりフリーの乳酸として存在するよ
りも生成物阻害を軽減できるため発酵液中の乳酸濃度を
2〜3%としても十分に発酵が速く進み、さらに菌体の
膜分離を介して菌体の死滅を防ぎ、カソード、アニオン
交換膜、カチオン交換膜、アノードの順に並べられた電
気透析装置のカソード室に発酵液を導いて乳酸を透析す
ることにより、より効率のよい電気透析発酵ができるこ
とを示している(J.Gen.Appl.Microb
iol.,36,111−125,1990)。
【0012】さらに、ボヤバル(Boyaval) らは、発酵液
を限界濾過膜を介してカソードとアノードの間にカチオ
ン交換膜とアニオン交換膜を複数組設置した電気透析装
置に導き、乳酸ナトリウムの透析ができることを示して
いる(Biotechnology Letters
Vol.9 No.3 207−212,1987)。
【0013】しかしながら、乳酸ナトリウムから高純度
の乳酸を経済的に能率よく回収し、ナトリウムを再利用
する方法は知られていない。
【0014】さらに上述の戸田らあるいはボヤバル(Boy
aval) らのように電気透析装置に発酵液を導く前に菌体
の精密濾過または限外濾過を行う場合には、発酵液中の
乳酸濃度を低く保って生産性を高めようとするならば乳
酸濃度の低い状態の発酵液を濾過しなければならないた
めに、通常の連続発酵のような乳酸を10%前後含む発
酵液の濾過に比較して数倍〜数十倍の通液量を必要とす
るため膜面積が大きくなり、経済的ではないという欠点
を持つ。
【0015】一方、乳酸アンモニウムは炭素数4以上の
アルコールにより容易にエステル化されることが知られ
ており、実際の乳酸アンモニウム発酵液から高純度の乳
酸を効率よく得る方法が、本発明者の一人である三浦ら
により開示されている(特願平5−230428号)。
これによると乳酸アンモニウムを含む発酵液にn−ブタ
ノールを添加してエステル化を進めると同時にアンモニ
アの大部分を遊離させて回収し、次に硫酸を添加してエ
ステル化をさらに進めることによって乳酸ブチルを効率
よく生成することができ、次いで乳酸ブチルを蒸留によ
り生成した後加水分離することにより、高純度の乳酸を
得ることができる。しかし乳酸アンモニウムを実用的な
発酵装置により生成物阻害を除いて経済的に生産する方
法は知られていなかった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上記諸問題に鑑み、本
発明の目的は、新規な乳酸の発酵方法を提供することに
ある。
【0017】また本発明の他の目的は、実用可能な電気
透析発酵により乳酸塩、特に乳酸アンモニウムを得る方
法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するた
めに、本発明者らは新規な乳酸の発酵方法について鋭意
検討した結果、発酵のpHをアルカリ添加によって行
い、菌体を含む発酵液を電気透析装置の希釈室に導いて
乳酸塩を透析することによって容易に高い電流効率で発
酵液から乳酸塩を除去し、発酵装置の生産性を高めるこ
とができることを確認し、本発明を完成した。
【0019】すなわち、本発明の目的は、(1)培地中
に乳酸塩を蓄積する能力を有する微生物を培養する発酵
部と電気透析装置との間で発酵液を循環し、該電気透析
装置により発酵液から乳酸塩を除去することを特徴とす
る乳酸の発酵方法によって達成される。
【0020】また本発明の目的は、(2)電気透析装置
の運転を断続的に行うことを特徴とする上記(1)に示
す乳酸の発酵方法によっても達成される。
【0021】また本発明の目的は、(3)電気透析装置
が複数の発酵部と連結され、該複数の発酵部の発酵液を
交互に該電気透析装置と発酵部の間で循環することを特
徴とする上記(1)に示す乳酸の発酵方法によっても達
成される。
【0022】また本発明の目的は、(4)電気透析装置
の運転停止時に電気透析により培地から除去される発酵
原料を発酵部に補充することを特徴とする上記(2)ま
たは(3)に示す乳酸の発酵方法によっても達成され
る。
【0023】また本発明の目的は、(5)発酵部に一部
補充する発酵原料が糖、および/または無機塩であるこ
とを特徴とする上記(4)に示す乳酸の発酵方法によっ
ても達成される。
【0024】また本発明の目的は、(6)電気透析装置
の運転を発酵培地の電気伝導度によって制御することを
特徴とする上記(1)に示す乳酸の発酵方法によっても
達成される。
【0025】また本発明の目的は、(7)乳酸塩を蓄積
する能力を有する微生物が、ラクトバシラス(Lactobaci
llus) 属、ラクトコッカス(Lactococcus) 属、バシラス
(Bacillus)属、スポロラクトバシラス(Sporolactobacil
lus)属のいずれかに属する微生物であることを特徴とす
る上記(1)に示す乳酸の発酵方法によっても達成され
る。
【0026】また本発明の目的は、(8)菌体の分離装
置を介して微生物の菌体を分離した発酵液を電気透析装
置に導くことを特徴とする上記(7)に示す乳酸の発酵
方法によっても達成される。
【0027】また本発明の目的は、(9)乳酸塩を蓄積
する能力を有する微生物が、リゾプス(Rhizopus)属に属
する微生物であって、滅菌装置を介して微生物の生菌体
を滅菌した発酵液を電気透析装置に導くことを特徴とす
る上記(1)に示す乳酸の発酵方法によっても達成され
る。
【0028】また本発明の目的は、(10)発酵部から
培地および菌体の一部を抜き出し、新鮮培地を発酵部に
添加して連続的に発酵を進めることを特徴とする上記
(1)に示す乳酸の発酵方法によっても達成される。
【0029】また本発明の目的は、(11)乳酸塩が乳
酸アンモニウムであり、発酵培地のpHをアンモニアに
よりコントロールすることを特徴とする上記(1)に示
す乳酸の発酵方法によっても達成される。
【0030】
【作用】以下、本発明について詳しく説明する。
【0031】従来、乳酸の電気透析発酵は主にフリーの
乳酸を生成物として与えるシステムについて開発がなさ
れてきた。その方法は発酵液中のフリーの乳酸を電気透
析するものと、一旦は塩の形にしてから電気分解によっ
て乳酸を発酵液から透析分離するものに分けられる。こ
のような方法の欠点としては発酵液をカソード室に通す
ために菌体がカソードおよびアニオン交換膜の表面上で
死滅することが挙げられる。これを防ぐために発酵液を
電気透析装置に導く前に膜分離装置、または遠心分離装
置などに通して菌体を分離し、菌体は発酵部に戻す方法
が採択されるものであるが、発酵部の乳酸濃度は電気透
析発酵の本質として生成物阻害を軽減する目的で低く保
たれることが必要なために、菌体分離部における乳酸濃
度が低く、電気透析により分離する乳酸に対して多量の
発酵液を処理しなければならないことが大きな問題点と
して挙げられる。
【0032】また、カソードに菌体が接触するのを防ぐ
もう一つの方法としてカソードとアニオン交換膜の間に
もう一枚のアニオン交換膜を設置し、この2枚のアニオ
ン交換膜の間に発酵液を通すことも考えられるが、電気
分解により電気透析セルの入口から出口にかけてpH勾
配が生じるため、やはり菌体の死滅が起こると同時にア
ニオン交換膜の増加に伴う電気抵抗を生じるため、操作
電圧が高くなり電力の増加にもつながることになる。
【0033】また電気透析では乳酸または乳酸塩が発酵
液の他の成分と分離されるため、ある程度の粗生成がな
された状態になるが、食品添加物、あるいは工業用など
の目的に供するには不十分であり、高純度の乳酸を得る
ためにはさらなる精製工程を経る必要がある。
【0034】ところで高純度の乳酸を得る有力な方法と
して、先に述べた乳酸アンモニウムをn−ブタノールに
より直接エステル化する方法があるが、この方法による
と発酵部でフリーの形の乳酸を得る必要は全く無く、乳
酸アンモニウムを得ることで十分である。また乳酸アン
モニウムのn−ブタノールによるエステル化の方法では
乳酸アンモニウムの発酵液を菌体の分離なしにそのまま
使うことも可能である。なお、発酵原料によっては反応
部における発酵培地成分の付着が激しくなることあり、
乳酸アンモニウムの発酵液は粗精製がなされていること
が好ましい。また乳酸アンモニウムの発酵液をそのまま
使うことが可能である場合にも、粗精製がなされている
ならば乳酸ブチルを蒸留分解した後の発酵液残さの量が
減少し粘度も低くなるので蒸留による精製がスムーズに
行われ、蒸留収率の向上も達成されることになる。
【0035】このような状況の中で、本発明の方法は、
容易に粗精製された乳酸塩、特に、乳酸アンモニウム水
溶液を得ることができ、同時に発酵装置の生産性が向上
するという点で大きな利益をもたらすことは容易に理解
されるものである。
【0036】以下、本発明の乳酸の発酵方法について、
より詳細に説明する。
【0037】まず、本発明に用いることのできる微生物
としては、乳酸塩を蓄積する能力を有するものであれ
ば、特に制限されるものでないが、例えば、ラクトバシ
ラス(Lactobacillus) 属、ラクトコッカス(Lactococcu
s) 属、バシラス(Bacillus)属、スポロラクトバシラス
(Sporolactobacillus)属などの乳酸菌やリゾプス(Rhizo
pus)属の細菌などが挙げられる。なお、ここで、「微生
物」とは、酵母、かび、きのこ、細菌、放線菌、単細胞
藻類、ウイルス、原生動物などを意味し、さらには、動
物または植物の分化していない細胞および組織培養物も
含まれる。
【0038】また、該微生物により蓄積される乳酸塩と
しては、その後の精製により高純度の乳酸を得るのに便
利であることから、乳酸アンモニウムが望ましいが、こ
れに限定されるものでなく、他の乳酸ナトリウム、乳酸
カリウムなどであってもよい。これらの塩は、水に可溶
であり、まったく無毒で、FDAによりGRASに分類
され、乳酸の代わりに食品添加物などに利用することも
可能である。
【0039】次に、本発明に用いることのできる培地組
成としては、通常の微生物の培養に用いられるものを適
用することができ、例えば、YM培地、ポテト・グルコ
ース培地、ゴロドコワ培地、酢酸ソーダ培地、麦芽汁培
地、麦芽エキス培地、野菜汁培地、石膏培地、コーンミ
ール培地、ポテト・イースト浸出液・グルコース培地、
ツァペック培地、サブロー培地、オートミール培地、合
成ムコール培地、YpSs培地、グルコース・ドライイ
ースト培地、肉汁培地、イースト・麦芽培地、スターチ
・無機塩培地、グリセリン・アスパラギン培地、ペプト
ン・イースト・鉄培地、チロシン培地およびプリドハム
・ゴトリーブ培地などが挙げられ、これらの培地は液
体、ゼラチンまたは寒天などの固体のものを用いること
ができる。
【0040】本発明に用いることのできる発酵原料とし
ては、用いる微生物の種類によっても変わるものである
が、資化することができれば基本的にはどのようなもの
でも良い。一般的な乳酸発酵の原料としては、例えば、
D−グルコース、シュークロース、ラクトース、D−お
よびL−アラビノース、D−リボース、D−キシロー
ス、D−マンノース、D−ガラクトース、L−ラムノー
ス、D−フラクトース、L−ソルボース、マルトース、
ラクトース、メリビオース、セロビオース、トレハロー
ス、ラフィノース、メレジトース、α−メチル−D−グ
ルコシド、D−グルコサミン、N−アセチルグルコサミ
ン、アルブチン、デキストリン、可溶性デンプン、イヌ
リン、メタノール、エタノール、アドニトール、エリス
ルトール、イノシトール、D−マンニトール、D−ソル
ビトール、ズルシトール、D−グルコン酸塩、グリセリ
ン、ヘキサデカンおよびスターチなどが挙げられるが、
廃糖蜜、ホエーなどのような不純物を含む糖源でも可能
である。
【0041】また用いる微生物がラクトバシラス(Lacto
bacillus) 属、ラクトコッカス(Lactococcus) 属、バシ
ラス(Bacillus)属、スポロラクトバシラス(Sporolactob
acillus)属などの乳酸菌の場合には、副原料として酵母
エキス、ペプトン、コーンスチープリカーなどの微生物
の育成に必須の窒素源を添加するのが一般的である。必
要な場合には、これに燐酸第一カリウム、燐酸第二カリ
ウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸第一
鉄、硫酸マンガン、硫酸銅、塩化マンガン、硫酸亜鉛お
よび炭酸カルシウムなどの無機塩を添加することもあ
る。リゾプス(Rhizopus)属の場合には原料となる糖など
の他に上記のような無機塩を添加するのみで良い。
【0042】次に本発明に係る乳酸の発酵方法を実施し
得る乳酸発酵装置の概略図の一実施態様を図1に示す。
【0043】図1より、乳酸発酵装置10では、培地中
に乳酸塩を蓄積する能力を有する微生物を培養する発酵
部11と電気透析装置12との間で発酵液を発酵液循環
ポンプ13により循環し、該電気透析装置12を用いて
電気透析することで、発酵液から濃縮された乳酸塩が回
収乳酸塩循環ポンプ14を介して、乳酸抜出ポンプ15
により、抜き出し回収され、他方、発酵液から乳酸塩の
抜き取られた発酵液は廃菌体・廃培地抜出ポンプ16に
より、再び発酵部11に戻される。また乳酸発酵装置1
0では、連続発酵により乳酸塩が発酵できるように、適
宜、発酵部11に原料ポンプ17を通じて発酵原料が供
給され、また、発酵部11の発酵培地のpHあるいは乳
酸濃度を測定し、後述するpH値あるいは濃度値となる
ように、必要に応じて、アルカリ供給ポンプ18を通じ
てアルカリ水溶液が供給される。
【0044】このうち、上記発酵部としては、特に制限
されることなく、例えば、通常の撹拌式の発酵タンク、
あるいはカラギーナン、アルギン酸カルシウムなどのゲ
ルビーズなどによる固定化増殖菌体充填カラム式リアク
ター、膜により菌体を高密度に封じ込めた膜型リアクタ
ーなどを用いることができる。なお、後述するような乳
酸塩濃度、発酵培地のpHまたは電気伝導度を測定する
ことができるように各種センサーが設けられていること
が望ましい。
【0045】また、電気透析装置としては、発酵液から
乳酸塩を透析するようなものであれば種類を問わない
が、図2に表された本発明の方法に用いられる電気透析
装置概略図に示されるような連続式で、かつ透析用セル
が複数組が設置されてなる電気透析装置などを用いるこ
とができる。
【0046】図2より、本発明の方法に用いられる電気
透析装置20は、その一般的な構成としては、カソード
21、カチオン交換膜22とアニオン交換膜23の複数
(図面上7組)の対、カチオン交換膜23、アノード2
4の順に並び、各イオン交換膜22,23で仕切られた
部分は、カソード室25から順に希釈室26と濃縮室2
7との複数(図面上7組)の対、アノード室28となっ
ており、各希釈室26に発酵液を通液し、アルカリイオ
ンがカチオン交換膜22を通ってカソード21の方向に
移動し、乳酸塩のイオンがアニオン交換膜23を通って
アノード24方向に移動して濃縮室27に乳酸塩が濃縮
される。また、pH調製をアンモニアで行う際には、カ
ソード室25とアノード室28とに硫安を循環する。こ
れにより、カソード室25とアノード室28の液は、相
互に循環され、カソード室25の隣の希釈室26からカ
ソード室25に移動したアルカリは、アノード室28か
らアノード室28の隣の濃縮室27に移動する。
【0047】このような電気透析装置20では発酵液が
各電極21,24と接することがなく、また希釈室26
内での発酵液のpH勾配がほとんど無いために、電気透
析装置20に菌体を含む発酵液を直接送っても微生物の
菌体が死滅することがないことも本発明の特徴の一つで
ある。
【0048】さらに電気透析によって得られる乳酸塩か
ら微生物の菌体が除去されるとともに非イオン性の有機
物や高分子化合物が除去されるため、十分な粗精製がな
されることになる。また電気透析装置20における透析
量は小さいので各イオン交換膜22,23表面での菌体
の堆積も少なく、通常の発酵液の膜ろ過よりも省力的に
菌体分離がなされることになる。
【0049】ただし、連続発酵などによって微生物の菌
体密度が増加し、これによって電気透析装置20の各イ
オン交換膜22,23の目詰まり、または電流効率の著
しい低下が認められる場合には、発酵液を電気透析装置
20に通液する前に菌体を分離、除去することが必要で
ある。かかる分離装置としては、特に制限なく、従来よ
り用いられている膜分離装置または遠心分離装置などを
用いることができる。
【0050】このように菌体の分離装置を電気透析装置
と別に設ける場合には、前述のように分離装置が大きく
なるため経済的に不利があるが、本発明に用いる電気透
析装置は、フリーの乳酸を得るための電気分解装置に比
べてその構成上はるかに安価であるため、装置全体とし
ては充分に経済的となり得るものである。
【0051】また微生物がリゾプス(Rhizopus)属に属す
る微生物の菌体である場合には、培地と菌体の分離が簡
単になされるため、上記のように特殊な分離装置を設け
る必要もないが、菌糸の一部または胞子が電気透析装置
に流入し、菌体が電気透析装置に固定化され内部で育成
するのを防ぐために、菌体を死滅させる滅菌装置を設け
ることが必要である。この場合の滅菌装置としては加熱
によるものが簡単であるが、他の滅菌方法を利用した装
置を用いることももちろん可能である。
【0052】次に、本発明の電気透析発酵法において、
発酵部では用いる微生物の培養のための最適条件となる
べく、アルカリ、特に後の精製工程のために、好ましく
はアンモニアまたはアンモニア水の添加によって発酵培
地のpHを、通常4〜8、好ましくは5〜7の範囲とな
るようにコントロールしつつ行うことが望ましい。かか
る方法にいては、生成する乳酸塩を電気透析によって発
酵液から分離し、透析された乳酸塩は回収し、透析後の
発酵液は、循環系を用いて再び発酵部に戻し、該発酵液
を含めた発酵培地全体のpH値および電気伝導度、並び
に乳酸塩濃度が所望の設定値となるようにコントロール
することにより、生成物阻害なく、高生産性を維持しな
がら発酵が進められる。
【0053】また、発酵部での発酵液中の乳酸塩濃度
は、できるだけ低く保つことによって発酵速度を高める
ことができるが、乳酸塩濃度が低くなるに従い発酵培地
の電気伝導度が低下し、かかる発酵液を電気透析する際
の電流効率が悪化し、電気透析装置の生産性が低下する
とともに他の成分の透析量が増加するために選択性の低
下にもつながるので、発酵液中の乳酸塩濃度は、好まし
くは0.2〜2重量%程度とするのが良い。
【0054】また、発酵液中の乳酸塩濃度のコントロー
ル方法は、どのようなものでも可能であるが、電気透析
装置の入口と出口の乳酸塩濃度の差が小さい場合、すな
わち狭い濃度範囲でコントロールする場合は、イオン交
換膜面積あたりの電流が低くなり、電流密度が低下する
ため電気透析装置の生産性が低下する。そこで発酵液中
の乳酸塩濃度の上限と下限を設定しその範囲に収まるよ
うにON−OFF制御などによって電気透析装置の運転
と停止を繰り返すことによって効率の良いシステムを構
成することが可能である。ただし菌体を分離しない発酵
液をそのまま電気透析装置に循環する場合には、電気透
析装置内部に菌体が堆積するのを防ぐため、発酵液の循
環は停止せずに電気透析装置の電極への通電を停止する
ことで乳酸塩の透析操作のみを停止し、さらに発酵液の
流路は、例えば、先述の図2の電気透析装置を例にとる
と、各イオン交換膜によって複数に区画された各希釈室
の上方から下方に向けて通液し、循環できるように設計
することが好ましい。
【0055】また、電気透析装置の電極への通電を停止
することはそのまま電気透析装置の稼働率の低下につな
がるため、好ましくは1基の電気透析装置が複数の発酵
部を受け持ち、電気透析装置への発酵液の循環を発酵部
の切り替えることによって、上記の乳酸塩濃度のコント
ロールを行えば、電気透析装置の稼働率を実質的に10
0%とすることが可能となる。
【0056】また、上記の電気透析装置の運転と停止、
または発酵部の切り替えの時期は、発酵部中の発酵培地
の電気伝導度を測定することによって簡単に行うことが
できる。電気伝導度によって電気透析をコントロールす
ることは一般的であるが、従来の乳酸の電気透析発酵法
においては、発酵部中の発酵液中の乳酸塩濃度を測定し
て電気透析装置をコントロールすることが行われてい
た。しかし本発明者らの知見によると他の無機塩や供雑
物を多く含み大きな緩衝能を持つ発酵培地においても電
気伝導度の測定によって十分に乳酸塩濃度を推定するこ
とが可能であることが分かり、これによって従来の乳酸
の電気透析発酵法に比較して非常に簡単な電気伝導度セ
ンサーにより電気透析発酵のコントロールが可能となっ
たものである。かかる電気伝導度は、乳酸塩濃度と相間
関係を有することから、前述の好ましい乳酸塩濃度範囲
である0.2〜2重量%に対応するような電気伝導度で
あればよく、かかる電気伝導度としては、1〜30mS
/cm、より好ましくは5〜15mS/cmの範囲とな
るように調整することが望ましい。すなわち、電気伝導
度が前記範囲内にあれば電気透析装置を運転し、前記範
囲を外れた時点から再び前記範囲内に戻るまでの間は電
気透析装置を停止する操作を順次行うか、あるいは透析
している発酵部の発酵培地の電気伝導度が上記範囲を外
れる時点で、電気伝導度が上記範囲内にある別の発酵部
に切り替えて透析を行う操作を順次行うことにより、電
気透析発酵のコントロールが行えるものである。
【0057】さらに電気透析発酵のコントロールに関し
て、電気透析により乳酸塩を透析する発酵方法の利点を
挙げるならば、運転中に発酵部の乳酸塩濃度が何らかの
原因で設定値以上に上昇することがあっても、もともと
発酵部の発酵培地のpHは、アンモニア水などのアルカ
リの添加によって、電気透析とは別にコントロールされ
ているためほとんど問題はなく、システムが安定であり
トラブルが少ないという利点がある。
【0058】次に電気透析の選択性であるが、乳酸塩を
透析する際に、微生物の培養に関する他の必須成分であ
る無機塩も透析によって発酵液から失われることは明ら
かである。しかし回分式の電気透析発酵の場合に発酵開
始前に適当量の無機塩を存在させておけば途中でそれら
の無機塩を発酵液に補充することなしに発酵が完了する
ことが確認される。これははじめに存在していた無機塩
が発酵初期に菌体内に取り込まれ、一回分の回分発酵に
は充分だったものと考えられる。したがってコーンスチ
ープリカーなどのように必須の無機塩が充分に含まれて
いるものでは、回分式の電気透析発酵および連続式の電
気透析発酵のいずれも、無機塩を別に補充する必要はな
いが、栄養源として酵母エキスなどを用いて、無機塩を
別に添加する必要のあるときには、電気透析の選択性を
向上し、無機塩のロスを防ぐために発酵開始時に無機塩
の量を少なくし、電気透析の開始後は、上記の電気透析
のコントロール方法における電気透析装置の停止時、ま
たは他の発酵部への切り替えにより切り替え前まで電気
透析を行っていた発酵部と電気透析装置とが切り放され
ているときに該発酵部に無機塩の補充を行うことによっ
て、無機塩が効率よく微生物により使われることにな
る。
【0059】また発酵部の培地中に含まれる発酵の主原
料となる糖成分としては、先述のごとく、D−グルコー
ス、シュークロース、ラクトースなどあるが、これらは
乳酸塩の電気透析の際に同時に、先述の図2に示すよう
な装置では、希釈室側からイオン交換膜により隔たれた
濃縮室側に移動するため、糖成分の循環回収率の低下を
招き、選択性も落ちることになる。一般に低分子量のも
のほどイオン交換膜を透過し、例えば回分式の電気透析
発酵で原料の糖成分にグルコースを用いた場合には、原
料糖成分の仕込み濃度を10重量%とすると、イオン交
換膜の種類および電気透析の運転条件によっても異なる
が、発酵終了時に5〜10重量%のグルコースが濃縮室
側に移動してしまう。従って糖成分の場合にも無機塩と
同様に発酵液中の濃度を常に低く保つように添加し、特
に電気透析の運転開始後は、上記の電気透析のコントロ
ール方法における電気透析装置の停止時、または他の発
酵部への切り替えにより切り替え前まで発酵透析を行っ
ていた発酵部と電気透析装置とが切り放されているとき
に該発酵部に糖成分を添加することによって、濃縮部へ
の損失を低いレベルに抑えることができる。
【0060】また分子量の大きなスターチやその部分加
水分解物であるデキストリンなどを発酵原料とすれば、
該発酵原料の損失を充分に抑えることが可能である。な
お、一般に分子量の大きなスターチなどは乳酸菌によっ
て資化されにくいことが多いが、その場合には液化酵
素、糖化酵素などを補助的に発酵液に添加することも可
能である。
【0061】さらに、本発明の電気透析発酵を連続化す
る場合には、微生物の菌体の高密度培養も可能である。
発酵部に新鮮培地を連続的または断続的に送り、生成す
る乳酸塩を電気透析によって除去、回収することによ
り、菌体が発酵部に蓄積されて高密度となるために、回
分式よりも高い生産性が得られることになる。
【0062】ただし発酵液を電気透析装置に導入する前
に菌体を分離しない場合には、電気透析装置内で菌体が
堆積することのないように工夫をするとともに菌体密度
を一定値以下にコントロールする必要がある。一般の乳
酸菌の場合には湿菌体密度で50g/リットル以下に抑
えることが好ましい。菌体密度をコントロールするに
は、電気透析装置出口において発酵部に戻す菌体の一部
を廃棄することにより行う方法などを用いることができ
る。
【0063】電気透析装置に発酵液を導入する前に菌体
を膜分離または遠心分離によって分離する場合には、発
酵液中の菌体密度に特に制限はなく、膜分離装置または
遠心分離装置の能力によって制限されることになる。こ
の場合には菌体の分離装置の出口において菌体の一部を
廃棄することにより菌体の密度をコントロールする方法
などを用いることができる。
【0064】
【実施例】以下に本発明の実施例を示す。
【0065】実施例1 図3に示す本実施例の乳酸の電気透析発酵の実験装置を
用いて、本発明に係る乳酸の発酵方法を行った。
【0066】まず、図3より、本実施例の乳酸の電気透
析発酵の実験装置30では、3リットルのジャーファー
メンター31と電気透析装置32(旭化成工業株式会社
製マイクロアシライザーEX3 有効通電面積 0.5
5dm2 ,15cp,イオン交換膜カートリッジAC−
220)とを循環系となるように接続し、ジャーファー
メンター31にグルコース200gおよびコーンスチー
プリカー80gを含む培地1920mlをオートクレー
ブ滅菌して仕込んだ。これに予め下記表1に示す培地組
成として、ラクトバシラス ラムノサス(Lactobacillus
rhamnosus)IFO 3863を培養したシード培養液
80mlを添加し、発酵を開始した。
【0067】
【表1】
【0068】ジャーファーメンター31に取付けてなる
ヒータおよび攪拌機を作動させて、発酵温度42℃、撹
拌回転数100rpmに保持し、さらにジャーファーメ
ンター31に取付けてあるpH電極33により該ジャー
ファーメンター31内の発酵培地のpHを測定し、所定
のpH値を下回る場合には、該pH電極33の信号によ
りアンモニア水供給ポンプ34を作動させて、アンモニ
ア水貯蔵容器35より10%アンモニア水をジャーファ
ーメンター31に供給することにより、発酵培地のpH
を6.0程度に保持した。
【0069】また、発酵開始後、発酵培地の電気伝導度
がジャーファーメンター31に取付けてある電気伝導度
電極36による測定値で26mS/cmとなったところ
で、電気伝導度電極36の信号により発酵液循環ポンプ
37を作動させて、電気透析装置32に供給すると共
に、電気透析装置32の電極への通電を開始し、電気伝
導度が電気伝導度電極36による測定値で12mS/c
mとなった時点で、電気伝導度電極36の信号により発
酵液循環ポンプ37を停止させと共に、通電を停止し、
その後再び電気伝導度が電気伝導度電極36による測定
値で26mS/cmまで回復するまで発酵液循環ポンプ
37の作動および電極への通電を停止した。その後も同
様にして電気透析装置32の電極への通電をON−OF
F制御して発酵を続けた。また、通電時には、回収乳酸
アンモニウム水溶液循環ポンプ38を作動させて、乳酸
アンモニウム水溶液回収容器39に濃縮分離された乳酸
アンモニウムの回収を行った。通電電流は、1.8Aの
定電流でおこなった。
【0070】上記電気伝導度を用いた電気透析コントロ
ールにより、発酵液中の乳酸アンモニウム濃度は、常時
2.0〜1.0重量%の範囲に保たれ、発酵は36時間
で終了した。全通電時間は4.0時間であった。またグ
ルコースの回収容器39側へのリークは、当初の発酵培
地重量全体に対して、5.9重量%であった。
【0071】一方、同様の発酵培地により通常の回分式
発酵を行ったときの発酵終了時間は57時間であった。
【0072】実施例2 電気透析のON−OFF制御における毎回の電気透析終
了時に下記表2に示す無機塩をジャーファーメンター3
1の発酵培地に添加する以外は実施例1と同様にして発
酵を行った。
【0073】
【表2】
【0074】発酵は、実施例1とほとんど変わらずに進
行し、36時間で終了した。全通電時間は4.3時間で
あった。またグルコースの回収容器39側へのリーク
は、当初の発酵培地重量全体に対して、6.7重量%で
あった。
【0075】実施例3 実施例1と同様にして電気伝導度が電気伝導度電極36
による測定値で136mS/cmになるように、電気透
析装置32の電極への通電をON−OFF制御して発酵
を続けた。通電電流は0.7Aの定電流で行った。
【0076】発酵液中の乳酸アンモニウム濃度は、常に
0.5〜1.0重量%に保たれ、発酵終了時間は28時
間に短縮された。全通電時間は6.8時間であった。ま
た回収容器39側へのグルコースの回収容器39側への
リークは、当初の発酵培地重量全体に対して、9.6重
量%であった。
【0077】実施例4 図4に示す本実施例の乳酸の電気透析発酵の実験装置を
用いて、本発明に係る乳酸の発酵方法を行った。
【0078】図4の実験装置40は、発酵部31と電気
透析装置32の間に精密濾過膜モジュール用循環ポンプ
41、膜分離装置としての精密濾過膜モジュール42
(旭メディカル製 AHF−MA セルロースジアセテ
ート中空糸 内径370μm、長さ183mm、ポアサ
イズ0.2μm、3100本)および該精密濾過膜モジ
ュール42と電気透析装置32とを結ぶ液溜43を設け
てある以外は実施例1に示す図3の実験装置と同じであ
り、実際の実験操作においても、電気伝導度電極36に
よる測定値が26mS/cmとなったところで、電気伝
導度電極36の信号により精密濾過膜モジュール用循環
ポンプ41を作動させて、発酵液を精密濾過膜モジュー
ル42に送り、菌体を膜分離してなる発酵液を液溜43
に送り、さらにを電気伝導度電極36の信号により、発
酵液循環ポンプ37も作動させて、液溜43の発酵液を
電気透析装置32に供給し、電気透析する以外は実施例
1と同様にして発酵を行った。
【0079】発酵液中の乳酸アンモニウム濃度は、2.
0〜1.0重量%に保たれ、発酵終了時間は36時間で
実施例1と変わらなかった。全通電時間は3.5時間で
あった。またグルコースの回収容器39側へのリーク
は、当初の発酵培地重量全体に対して、5.9重量%で
あった。
【0080】
【発明の効果】本発明の方法により、容易に粗精製され
た乳酸塩、特に、乳酸アンモニウム水溶液を得ることが
でき、同時に発酵装置の生産性が向上するという点で大
きな利益をもたらすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例の1態様を示すものである。
【図2】 本発明に係る電気透析装置の1態様を示すも
のである。
【図3】 本発明の実施例1〜3の実験装置を示す概略
図である。
【図4】 本発明の実施例4の実験装置を示す概略図で
ある。
【符号の説明】
10…乳酸発酵装置、 11…発酵
部、12…電気透析装置、 13…
発酵液循環ポンプ、14…回収乳酸塩循環ポンプ、
15…乳酸抜出ポンプ、16…廃菌体・廃培地
抜出ポンプ、 17…原料ポンプ、18…アルカ
リ供給ポンプ、 20…電気透析装置、2
1…カソード、 22…カチオ
ン交換膜、23…アニオン交換膜、
24…アノード、25…カソード室、
26…希釈室、27…濃縮室、
28…アノード室、30…電気透析発酵の実
験装置、 31…ジャーファーメンター、32
…電気透析装置、 33…pH電
極、34…アンモニア水供給ポンプ、 35…
アンモニア水貯蔵容器、36…電気伝導度電極、
37…発酵液循環ポンプ、38…回収乳酸
アンモニウム水溶液循環ポンプ、39…乳酸アンモニウ
ム水溶液回収容器、 40…電気透析発酵の実験装置、
41…精密濾過膜モジュール用循環ポンプ、42…精密
濾過膜モジュール、 43…液溜。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年3月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】ところで高純度の乳酸を得る有力な方法と
して、先に述べた乳酸アンモニウムをn−ブタノールに
より直接エステル化する方法があるが、この方法による
と発酵部でフリーの形の乳酸を得る必要は全く無く、乳
酸アンモニウムを得ることで十分である。また乳酸アン
モニウムのn−ブタノールによるエステル化の方法では
乳酸アンモニウムの発酵液を菌体の分離なしにそのまま
使うことも可能である。なお、発酵原料によっては反応
部における発酵培地成分の付着が激しくなること
り、乳酸アンモニウムの発酵液は粗精製がなされている
ことが好ましい。また乳酸アンモニウムの発酵液をその
まま使うことが可能である場合にも、粗精製がなされて
いるならば乳酸ブチルを蒸留分解した後の発酵液残さの
量が減少し粘度も低くなるので蒸留による精製がスムー
ズに行われ、蒸留収率の向上も達成されることになる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正内容】
【0043】図1より、乳酸発酵装置10では、培地中
に乳酸塩を蓄積する能力を有する微生物を培養する発酵
部11と電気透析装置12との間で発酵液を発酵液循環
ポンプ13により循環し、該電気透析装置12を用いて
電気透析することで、発酵液から濃縮された乳酸塩が回
収乳酸塩循環ポンプ14を介して、乳酸抜出ポンプ15
により、抜き出し回収され、他方、発酵液から乳酸塩の
抜き取られた発酵液は再び発酵部11に戻されるが、そ
の一部は、廃菌体・廃培地抜出ポンプ16により、死滅
菌体や発酵の老廃物などが培地中に過剰に増加すること
を防ぐために、系外に抜き出される。また乳酸発酵装置
10では、連続発酵により乳酸塩が発酵できるように、
適宜、発酵部11に原料ポンプ17を通じて発酵原料が
供給され、また、発酵部11の発酵培地のpHあるいは
乳酸濃度を測定し、後述するpH値あるいは濃度値とな
るように、必要に応じて、アルカリ供給ポンプ18を通
じてアルカリ水溶液が供給される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正内容】
【0052】次に、本発明の電気透析発酵法において、
発酵部では用いる微生物の培養のための最適条件となる
べく、アルカリ、特に後の精製工程のために、好ましく
はアンモニアまたはアンモニア水の添加によって発酵培
地のpHを、通常4〜8、好ましくは5〜7の範囲とな
るようにコントロールしつつ行うことが望ましい。かか
る方法にいては、生成する乳酸塩を電気透析によって
発酵液から分離し、透析された乳酸塩は回収し、透析後
の発酵液は、循環系を用いて再び発酵部に戻し、該発酵
液を含めた発酵培地全体のpH値および電気伝導度、並
びに乳酸塩濃度が所望の設定値となるようにコントロー
ルすることにより、生成物阻害なく、高生産性を維持し
ながら発酵が進められる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正内容】
【0055】また、電気透析装置の電極への通電を停止
することはそのまま電気透析装置の稼働率の低下につな
がるため、好ましくは1基の電気透析装置が複数の発酵
部を受け持ち、電気透析装置への発酵液の循環に係わる
発酵部切り替えることによって、上記の乳酸塩濃度の
コントロールを行えば、電気透析装置の稼働率を実質的
に100%とすることが可能となる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正内容】
【0056】また、上記の電気透析装置の運転と停止、
または発酵部の切り替えの時期は、発酵部中の発酵培地
の電気伝導度を測定することによって簡単に行うことが
できる。電気伝導度によって電気透析をコントロールす
ることは一般的であるが、従来の乳酸の電気透析発酵法
においては、発酵部中の発酵液中の乳酸塩濃度を測定し
て電気透析装置をコントロールすることが行われてい
た。しかし本発明者らの知見によると他の無機塩や供雑
物を多く含み大きな緩衝能を持つ発酵培地においても電
気伝導度の測定によって十分に乳酸塩濃度を推定するこ
とが可能であることが分かり、これによって従来の乳酸
の電気透析発酵法に比較して非常に簡単な電気伝導度セ
ンサーにより電気透析発酵のコントロールが可能となっ
たものである。かかる電気伝導度は、乳酸塩濃度と相間
関係を有することから、前述の好ましい乳酸塩濃度範囲
である0.2〜2重量%に対応するような電気伝導度で
あればよく、かかる電気伝導度としては、1〜30mS
/cm、より好ましくは5〜15mS/cmの範囲とな
るように調整することが望ましい。すなわち、先述のよ
うに電気透析装置を断続的に運転する場合には、発酵部
の電気伝導度に上限値と下限値を設定し、発酵部におけ
る発酵が進行して乳酸塩の濃度が上昇し、発酵培地の電
気伝導度が上限値に達した時に電気透析装置の運転を開
始し、電気透析によって発酵部の乳酸塩濃度が低下し、
発酵培地の電気伝導度が下限値に達した時に電気透析装
置の運転を停止するか、あるいは1基の電気透析装置が
複数の発酵部を受け持つ場合には、電気伝導度の下限値
を設定して、透析している発酵部の発酵培地の電気伝導
度が下限値に達した時点で、発酵培地の電気伝導度が下
限値より高い他の発酵部に切り替えて透析を行う操作を
順次行うことにより、電気透析発酵のコントロールが行
えるものである。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正内容】
【0059】また発酵部の培地中に含まれる発酵の主原
料となる糖成分としては、先述のごとく、D−グルコー
ス、シュークロース、ラクトースなどあるが、これらは
乳酸塩の電気透析の際に同時に、先述の図2に示すよう
な装置では、希釈室側からイオン交換膜により隔たれた
濃縮室側に移動するため、糖成分の循環回収率の低下を
招き、選択性も落ちることになる。一般に低分子量のも
のほどイオン交換膜を透過し、例えば回分式の電気透析
発酵で原料の糖成分にグルコースを用いた場合には、原
料糖成分の仕込み濃度を10重量%とすると、イオン交
換膜の種類および電気透析の運転条件によっても異なる
が、発酵終了時に、仕込みグルコースの5〜10重量
濃縮室側に移動してしまう。従って糖成分の場合にも
無機塩と同様に発酵液中の濃度を常に低く保つように添
加し、特に電気透析の運転開始後は、上記の電気透析の
コントロール方法における電気透析装置の停止時、また
は他の発酵部への切り替えにより切り替え前まで発酵透
析を行っていた発酵部と電気透析装置とが切り放されて
いるときに該発酵部に糖成分を添加することによって、
濃縮部への損失を低いレベルに抑えることができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正内容】
【0069】また、発酵開始後、発酵培地の電気伝導度
がジャーファーメンター31に取付けてある電気伝導度
電極36による測定値で26mS/cmとなったところ
、発酵液循環ポンプ37を作動させて、電気透析装置
32に供給すると共に、電気伝導度電極36の信号によ
電気透析装置32の電極への通電を開始し、電気伝導
度が電気伝導度電極36による測定値で12mS/cm
となった時点で、電気伝導度電極36の信号により通
を停止し、その後再び電気伝導度が電気伝導度電極36
による測定値で26mS/cmまで回復するまで電極へ
の通電を停止した。また、発酵液循環ポンプ37の作動
開始と同時に回収乳酸アンモニウム水溶液循環ポンプ3
作動させて、乳酸アンモニウム水溶液回収容器39
に濃縮分離された乳酸アンモニウムの回収を行った。
の後も同様にして電気透析装置32の電極への通電をO
N−OFF制御して発酵を続けた。通電電流は、1.8
Aの定電流で行った。発酵液循環ポンプ37と乳酸アン
モニウム水溶液回収容器39は、作動開始後から発酵終
了まで電気透析装置32の電極への通電のON−OFF
に係わらず、停止せずに運転を行った。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0070
【補正方法】変更
【補正内容】
【0070】上記電気伝導度を用いた電気透析コントロ
ールにより、発酵液中の乳酸アンモニウム濃度は、常時
2.0〜1.0重量%の範囲に保たれ、発酵は36時間
で終了した。全通電時間は4.0時間であった。またグ
ルコースの回収容器39側へのリークは、当初の仕込み
グルコース重量に対して、5.9重量%であった。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】変更
【補正内容】
【0074】発酵は、実施例1とほとんど変わらずに進
行し、36時間で終了した。全通電時間は4.3時間で
あった。またグルコースの回収容器39側へのリーク
は、当初の仕込みグルコース重量に対して、6.7重量
%であった。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】変更
【補正内容】
【0075】実施例3 実施例1と同様にして電気伝導度が電気伝導度電極36
による測定値で6〜13mS/cmになるように、電気
透析装置32の電極への通電をON−OFF制御して発
酵を続けた。通電電流は0.7Aの定電流で行った。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0076
【補正方法】変更
【補正内容】
【0076】発酵液中の乳酸アンモニウム濃度は、常に
0.5〜1.0重量%に保たれ、発酵終了時間は28時
間に短縮された。全通電時間は6.8時間であった。ま
たグルコースの回収容器39側へのリークは、当初の
込みグルコース重量に対して、9.6重量%であった。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0078
【補正方法】変更
【補正内容】
【0078】図4の実験装置40は、発酵部31と電気
透析装置32の間に精密濾過膜モジュール用循環ポンプ
41、膜分離装置としての精密濾過膜モジュール42
(旭メディカル製 AHF−MA セルロースジアセテ
ート中空糸 内径370μm、長さ183mm、ポアサ
イズ0.2μm、3100本)および該精密濾過膜モジ
ュール42と電気透析装置32とを結ぶ液溜43を設け
てある以外は実施例1に示す図3の実験装置と同じであ
り、実際の実験操作においても、電気伝導度電極36に
よる測定値が26mS/cmとなったところで、電気伝
導度電極36の信号により精密濾過膜モジュール用循環
ポンプ41を作動させて、発酵液を精密濾過膜モジュー
ル42に送り、菌体を膜分離してなる発酵液を液溜43
に送り、さらにを電気伝導度電極36の信号により、発
酵液循環ポンプ37も作動させて、液溜43の発酵液を
電気透析装置32に供給し、電気透析する以外は実施例
1と同様にして発酵を行った。なお、精密濾過膜モジュ
ール用循環ポンプ41は、作動開始後から発酵終了まで
電気透析装置32の電極への通電のON−OFFに係わ
らず、停止せずに運転を行った。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0079
【補正方法】変更
【補正内容】
【0079】発酵液中の乳酸アンモニウム濃度は、2.
0〜1.0重量%に保たれ、発酵終了時間は36時間で
実施例1と変わらなかった。全通電時間は3.5時間で
あった。またグルコースの回収容器39側へのリーク
は、当初の仕込みグルコース重量に対して、5.9重量
%であった。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年2月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】乳酸は、食品添加物として清酒、清涼飲
料、漬物、醤油、製パンまたはビールなどの製造に利用
され、また、工業として皮革、繊維、プラスチック、
医薬品または農薬などの製造に使用されている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】抽出発酵は、発酵培地中に蓄積する乳酸を
逐次抽出により回収することによって生成物阻害を無く
し、同時に粗精製を兼ねるという方法であるが、発酵に
最適なpHと抽出に最適なpHとが異なること、および
優れた抽出剤ほど一般に菌体に対する毒性が強いことか
ら、今のところ十分な開発がなされていない。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】さらに、ボヤバル(Boyaval) らは、発酵液
を限濾過膜を介してカソードとアノードの間にカチオ
ン交換膜とアニオン交換膜を複数組設置した電気透析装
置に導き、乳酸ナトリウムの透析ができることを示して
いる(Biotechnology Letters
Vol.9 No.3 207−212,1987)。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】一方、乳酸アンモニウムは炭素数4以上の
アルコールにより容易にエステル化されることが知られ
ており、実際の乳酸アンモニウム発酵液から高純度の乳
酸を効率よく得る方法が、本発明者の一人である三浦ら
により開示されている(特願平5−230428号)。
これによると乳酸アンモニウムを含む発酵液にn−ブタ
ノールを添加してエステル化を進めると同時にアンモニ
アの大部分を遊離させて回収し、次に硫酸を添加してエ
ステル化をさらに進めることによって乳酸ブチルを効率
よく生成することができ、次いで乳酸ブチルを蒸留によ
精製した後加水分離することにより、高純度の乳酸を
得ることができる。しかし乳酸アンモニウムを実用的な
発酵装置により生成物阻害を除いて経済的に生産する方
法は知られていなかった。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】また本発明の目的は、(4)電気透析装置
の運転停止時に発酵原料を発酵部に補充することを特徴
とする上記(2)または(3)に示す乳酸の発酵方法に
よっても達成される。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】また電気透析では乳酸または乳酸塩が発酵
液の他の成分と分離されるため、ある程度の粗精製がな
された状態になるが、食品添加物、あるいは工業用など
の目的に供するには不十分であり、高純度の乳酸を得る
ためにはさらなる精製工程を経る必要がある。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】ところで高純度の乳酸を得る有力な方法と
して、先に述べた乳酸アンモニウムをn−ブタノールに
より直接エステル化する方法があるが、この方法による
と発酵部でフリーの形の乳酸を得る必要は全く無く、乳
酸アンモニウムを得ることで十分である。また乳酸アン
モニウムのn−ブタノールによるエステル化の方法では
乳酸アンモニウムの発酵液を菌体の分離なしにそのまま
使うことも可能である。なお、発酵原料によっては反応
部における発酵培地成分の付着が激しくなることがあ
り、乳酸アンモニウムの発酵液は粗精製がなされている
ことが好ましい。また乳酸アンモニウムの発酵液をその
まま使うことが可能である場合にも、粗精製がなされて
いるならば乳酸ブチルを蒸留分離した後の発酵液残さの
量が減少し粘度も低くなるので蒸留による精製がスムー
ズに行われ、蒸留収率の向上も達成されることになる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】まず、本発明に用いることのできる微生物
としては、乳酸塩を蓄積する能力を有するものであれ
ば、特に制限されるものでないが、例えば、ラクトバシ
ラス(Lactobacillus) 属、ラクトコッカス(Lactococcu
s) 属、バシラス(Bacillus)属、スポロラクトバシラス
(Sporolactobacillus)属などの乳酸菌やリゾプス(Rhizo
pus)属のかびなどが挙げられる。なお、ここで、「微生
物」とは、酵母、かび、きのこ、細菌、放線菌、単細胞
藻類、ウイルス、原生動物などを意味し、さらには、動
物または植物の分化していない細胞および組織培養物も
含まれる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正内容】
【0043】図1より、乳酸発酵装置10では、培地中
に乳酸塩を蓄積する能力を有する微生物を培養する発酵
部11と電気透析装置12との間で発酵液を発酵液循環
ポンプ13により循環し、該電気透析装置12を用いて
電気透析することで、発酵液から濃縮された乳酸塩が回
収乳酸塩循環ポンプ14を介して、乳酸抜出ポンプ15
により、抜き出し回収され、他方、乳酸塩の抜き取られ
た発酵液は再び発酵部11に戻されるが、その一部は、
廃菌体・廃培地抜出ポンプ16により、死滅菌体や発酵
の老廃物などが培地中に過剰に増加することを防ぐため
に、系外に抜き出される。また乳酸発酵装置10では、
連続発酵により乳酸塩が発酵できるように、適宜、発酵
部11に原料ポンプ17を通じて発酵原料が供給され、
また、発酵部11の発酵培地のpHを測定し、後述する
pH値となるように、必要に応じて、アルカリ供給ポン
プ18を通じてアルカリ水溶液が供給される。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正内容】
【0045】また、電気透析装置としては、発酵液から
乳酸塩を透析するようなものであれば種類を問わない
が、図2に表された本発明の方法に用いられる電気透析
装置概略図に示されるような連続式で、かつ透析用セ
数組が設置されてなる電気透析装置などを用いること
ができる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】図2より、本発明の方法に用いられる電気
透析装置20は、その一般的な構成としては、カソード
21、カチオン交換膜22とアニオン交換膜23の複数
(図面上7組)の対、カチオン交換膜23、アノード2
4の順に並び、各イオン交換膜22,23で仕切られた
部分は、カソード室25から順に希釈室26と濃縮室2
7との複数(図面上7組)の対、アノード室28となっ
ており、各希釈室26に発酵液を通液し、アルカリイオ
ンがカチオン交換膜22を通ってカソード21の方向に
移動し、乳酸イオンがアニオン交換膜23を通ってアノ
ード24方向に移動して濃縮室27に乳酸塩が濃縮され
る。また、pH調製をアンモニアで行う際には、カソー
ド室25とアノード室28とに硫安を循環する。これに
より、カソード室25とアノード室28の液は、相互に
循環され、カソード室25の隣の希釈室26からカソー
ド室25に移動したアルカリは、アノード室28からア
ノード室28の隣の濃縮室27に移動する。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正内容】
【0054】また、発酵液中の乳酸塩濃度のコントロー
ル方法は、どのようなものでも可能であるが、発酵液中
の乳酸塩濃度が低い場合には、発酵速度は高くなるが、
イオン交換膜面積あたりの電流が低くなり、電流密度が
低下するためこの状態で連続的に電気透析を行うと電気
透析装置の生産性が低下する。そこで発酵液中の乳酸塩
濃度の上限と下限を設定しその範囲に収まるようにON
−OFF制御などによって電気透析装置の運転と停止を
繰り返すことによって効率の良いシステムを構成するこ
とが可能である。ただし菌体を分離しない発酵液をその
まま電気透析装置に循環する場合には、電気透析装置内
部に菌体が堆積するのを防ぐため、発酵液の循環は停止
せずに電気透析装置の電極への通電を停止することで乳
酸塩の透析操作のみを停止し、さらに発酵液の流路は、
例えば、先述の図2の電気透析装置を例にとると、各イ
オン交換膜によって複数に区画された各希釈室の上方か
ら下方に向けて通液し、循環できるように設計すること
が好ましい。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正内容】
【0059】また発酵部の培地中に含まれる発酵の主原
料となる糖成分としては、先述のごとく、D−グルコー
ス、シュークロース、ラクトースなどあるが、これらは
乳酸塩の電気透析の際に同時に、先述の図2に示すよう
な装置では、希釈室側からイオン交換膜により隔たれた
濃縮室側に移動するため、糖成分の循環回収率の低下を
招き、選択性も落ちることになる。一般に低分子量のも
のほどイオン交換膜を透過し、例えば回分式の電気透析
発酵で原料の糖成分にグルコースを用いた場合には、原
料糖成分の仕込み濃度を10重量%とすると、イオン交
換膜の種類および電気透析の運転条件によっても異なる
が、発酵終了時に、仕込みグルコースの5〜10重量%
が濃縮室側に移動してしまう。従って糖成分の場合にも
無機塩と同様に発酵液中の濃度を常に低く保つように添
加し、特に電気透析の運転開始後は、上記の電気透析の
コントロール方法における電気透析装置の停止時、また
は他の発酵部への切り替えにより切り替え前まで電気
析を行っていた発酵部と電気透析装置とが切り放されて
いるときに該発酵部に糖成分を添加することによって、
濃縮部への損失を低いレベルに抑えることができる。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正内容】
【0069】また、発酵開始後、発酵培地の電気伝導度
がジャーファーメンター31に取付けてある電気伝導度
電極36による測定値で26mS/cmとなったところ
で、発酵液循環ポンプ37を作動させて、電気透析装置
32に供給すると共に、電気伝導度電極36の信号によ
り電気透析装置32の電極への通電を開始し、電気伝導
度が電気伝導度電極36による測定値で12mS/cm
となった時点で、電気伝導度電極36の信号により通電
を停止し、その後再び電気伝導度が電気伝導度電極36
による測定値で26mS/cmまで回復するまで電極へ
の通電を停止した。また、発酵液循環ポンプ37の作動
開始と同時に回収乳酸アンモニウム水溶液循環ポンプ3
8も作動させて、乳酸アンモニウム水溶液回収容器39
に濃縮分離された乳酸アンモニウムの回収を行った。そ
の後も同様にして電気透析装置32の電極への通電をO
N−OFF制御して発酵を続けた。通電電流は、1.
Aの定電流で行った。発酵液循環ポンプ37と乳酸アン
モニウム水溶液回収容器39は、作動開始後から発酵終
了まで電気透析装置32の電極への通電のON−OFF
に係わらず、停止せずに運転を行った。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0078
【補正方法】変更
【補正内容】
【0078】図4の実験装置40は、発酵部31と電気
透析装置32の間に精密濾過膜モジュール用循環ポンプ
41、膜分離装置としての精密濾過膜モジュール42
(旭メディカル製 AHF−MA セルロースジアセテ
ート中空糸 内径370μm、長さ183mm、ポアサ
イズ0.2μm、3100本)および該精密濾過膜モジ
ュール42と電気透析装置32とを結ぶ液溜43を設け
てある以外は実施例1に示す図3の実験装置と同じであ
り、実際の実験操作においても、電気伝導度電極36に
よる測定値が26mS/cmとなったところで、精密濾
過膜モジュール用循環ポンプ41を作動させて、発酵液
を精密濾過膜モジュール42に送り、菌体を膜分離して
なる発酵液を液溜43に送り、さらに発酵液循環ポンプ
37も作動させて、液溜43の発酵液を電気透析装置3
2に供給し、電気透析する以外は実施例1と同様にして
発酵を行った。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:01) (C12P 7/56 C12R 1:07)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 培地中に乳酸塩を蓄積する能力を有する
    微生物を培養する発酵部と電気透析装置との間で発酵液
    を循環し、該電気透析装置により発酵液から乳酸塩を除
    去することを特徴とする乳酸の発酵方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、電気透析装置の運転
    を断続的に行うことを特徴とする乳酸の発酵方法。
  3. 【請求項3】 請求項1において、該電気透析装置が複
    数の発酵部と連結され、該複数の発酵部の発酵液を交互
    に該電気透析装置と発酵部の間で循環することを特徴と
    する乳酸の発酵方法。
  4. 【請求項4】 請求項2または3において、電気透析装
    置の運転停止時に電気透析により培地から除去される発
    酵原料を発酵部に補充することを特徴とする乳酸の発酵
    方法。
  5. 【請求項5】 請求項4において発酵部に一部補充する
    発酵原料が糖および/または無機塩であることを特徴と
    する乳酸の発酵方法。
  6. 【請求項6】 請求項1において、電気透析装置の運転
    を発酵培地の電気伝導度によって制御することを特徴と
    する乳酸の発酵方法。
  7. 【請求項7】 請求項1において乳酸塩を蓄積する能力
    を有する微生物がラクトバシラス(Lactobacillus) 属、
    ラクトコッカス(Lactococcus) 属、バシラス(Bacillus)
    属、スポロラクトバシラス(Sporolactobacillus)属のい
    ずれかに属する微生物であることを特徴とする乳酸の発
    酵方法。
  8. 【請求項8】 請求項7において分離装置を介して微生
    物の菌体を分離した発酵液を電気透析装置に導くことを
    特徴とする乳酸の発酵方法。
  9. 【請求項9】 請求項1において乳酸塩を蓄積する能力
    を有する微生物がリゾプス(Rhizopus)属に属する微生物
    であって、滅菌装置を介して該微生物の生菌体を滅菌し
    た発酵液を電気透析装置に導くことを特徴とする乳酸の
    発酵方法。
  10. 【請求項10】 請求項1において発酵部から培地およ
    び菌体の一部を抜き出し、新鮮培地を発酵部に添加して
    連続的に発酵を進めることを特徴とする乳酸の発酵方
    法。
  11. 【請求項11】 請求項1において乳酸塩が乳酸アンモ
    ニウムであり、発酵培地のpHをアンモニアによりコン
    トロールすることを特徴とする乳酸の発酵方法。
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