JPH07154031A - 半導体レーザ装置 - Google Patents

半導体レーザ装置

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JPH07154031A
JPH07154031A JP16662193A JP16662193A JPH07154031A JP H07154031 A JPH07154031 A JP H07154031A JP 16662193 A JP16662193 A JP 16662193A JP 16662193 A JP16662193 A JP 16662193A JP H07154031 A JPH07154031 A JP H07154031A
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JP
Japan
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layer
carrier concentration
clad layer
semiconductor laser
conductivity type
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JP16662193A
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English (en)
Inventor
Misao Hironaka
美佐夫 廣中
Yoichiro Ota
洋一郎 太田
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温動作電流を小さくし、高信頼性を有し、
低消費電力が得られる半導体レーザ装置を提供する。 【構成】 活性層3上に配置される上クラッド層を、1
×1018〜1×1020cm-3の高いキャリア濃度、及び
0.01〜0.10μmの薄い厚さtA をもつ第1の上
クラッド層4と、1×1015〜1×1017cm-3の低いキ
ャリア濃度と、0.3μmの厚みtB を持つ第2の上ク
ラッド層20との2層から構成した。 【効果】 活性層3近傍の第1上クラッド層4のキャリ
ア濃度が高いため、高温時の少数キャリアのオーバーフ
ローが小さく、かつ該層4の層厚が薄いため、リーク電
流も小さい。また、トータルの上クラッド層厚(tA +
tB )が厚いため、吸収損失が小さく、高温動作電流値
を小さくできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、半導体レーザ装置に
関し、特に動作電流が低く、高温特性の優れた半導体レ
ーザ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図4は、従来のAlGaAs系の半導体
レーザ装置の断面構造を示す断面図であり、図4におい
て、1はSiなどのドナーをドーパントとしたn型のG
aAs基板、2は該GaAs基板1上にMOCVD(Me
tal Organic Chemical Vapor Deposition )法などの方
法によってエピタキシャル成長された,GaAsと格子
定数が合い、Al組成比xが0.5程度のAlxGa1-
xAsであり、Seなどのドナーをドーパントとした,
n型のAlxGa1-xAs下クラッド層であり、その不
純物濃度は1×1017〜1×1018cm-3程度、膜厚は
1.5〜1.8μm程度である。3は該下クラッド層2
上に連続的に成長され、Al組成比yが0.15程度
で、Znなどのアクセプタをドーピングした,p型のA
lyGa1-yAs活性層であり、例えばその不純物濃度
はp型で2×1018cm-3程度、膜厚は0.05〜0.1
μm程度である。なお、この活性層は、p型でも、n型
でも、あるいはアンドープでもよいものである。4は該
活性層3上に連続的に成長され、Al組成比zが0.5
程度で、Znなどのアクセプタをドーピングした,p型
のAlzGa1-zAs上クラッド層であり、その不純物
濃度は1×1017〜1×1018cm-3程度、膜厚は0.2
〜0.35μm程度である。5は上クラッド層4の一部
のストライプ状の領域を除いて、エッチング加工してリ
ッジ状の凸部を形成した後に、上クラッド層4上にエピ
タキシャル成長され、Seなどのドナーをドーピングし
たn型のGaAs電流ブロック層である。6はリッジ状
の凸部で上クラッド層4と接触する以外は、電流ブロッ
ク層5上に形成された、Znなどのアクセプタをドーピ
ングしたp型GaAsコンタクト層である。7はコンタ
クト層6上に形成されたアノード電極、8はGaAs基
板1上に形成されたカソード電極である。
【0003】次に動作について説明する。アノード電極
7にプラス,カソード電極8にマイナスのバイアスを印
加すると、活性層3と、下クラッド層2との間のPN接
合には順方向バイアスが印加され、又、電流ブロック層
5と、上クラッド層4との間には逆方向バイアスが印加
されるため、電流は、図中10で示す矢印の通りとな
り、電流ブロック層5の存在しない、ストライプ状のリ
ッジ部のみに、局所的な順方向電流の注入が活性層3で
生じることとなり、キャリアの発光再結合と、誘導放出
が生じ、レーザ発振が実現する。レーザ動作時の特性の
1つである光出力−電流特性は、外部バイアスによっ
て、レーザ装置内を流れる電流と、レーザ装置から放出
される光出力のエネルギーとによって定義され、特に、
特定の光出力エネルギーを得るために必要な電流値を、
動作電流と言い、50℃〜60℃での高温時の動作電流
を高温動作電流と言うが、この動作電流には、レーザ発
振に直接寄与しないリーク電流も含まれる。
【0004】図4中の11は、そのリーク電流成分を図
示したものであり、エッチング加工後の上クラッド層4
の厚みをtA とすると、tA が小さいほど、リーク電流
11が小さくなるが、レーザ発振時には光のしみ出しが
活性層3の外部へ生じ、該tA が小さいと、該活性層3
外部へしみ出した光が電流ブロック層5に吸収されるこ
とによる吸収損失が大きくなるため、上記のようにtA
が小さいと、上記吸収損失により光出力が低下する分を
補うために注入電流が大きくなることとなり、結果的
に、最終的な動作電流は上記エッチング加工後の上クラ
ッド層4の厚みtA が小さくてもさほど小さくはならな
いこととなる。
【0005】図4中の12は、しみ出した光の分布を示
すものであり、一定の光出力下では、該しみ出した光の
分布12はほぼ同じ大きさを持つと考えられる。また、
13はしみ出した光によって電流ブロック層5で生じる
光吸収の領域を示している。吸収損失を小さくするため
には、上記上クラッド層4の厚みtA を大きくして、し
み出した光の分布12から、電流ブロック層5を遠ざけ
るようにすれば良い。
【0006】また、高温動作電流を下げるためには、さ
らに活性層3の外部へオーバーフローする少数キャリア
を抑えることが必要であるが、これは、活性層3と上下
クラッド層2,4との間のバンド障壁を高くするため
に、それぞれのAl組成比の差,つまりx−y,z−y
を大きくしたり、あるいはそれぞれのキャリア濃度を大
きくしたりすることにより実現することができる。この
ようにして、特に高温動作電流を小さくすることによ
り、劣化の小さい高い信頼性や、低消費電力を得ること
ができるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の半導体レーザ装
置は以上のように構成されているので、高温動作電流を
小さくするためには、Al組成比の差x−y,z−yを
大きくしたり、キャリア濃度を大きくしなければならな
いが、それぞれ次のような問題点があった。即ち、Al
組成比の差を大きくすると、活性層3と、上下クラッド
層2,4との屈折率差も同時に大きくなるため、光は活
性層3に閉じ込められることとなり、光のしみ出し分布
12は小さくなるが、発光点が小さくなることから、活
性層内部の光密度が上昇し、劣化しやすく、信頼性が悪
くなることとなる。又、出射する光のビーム広がり角度
が大きくなり、ビームの楕円性が強くなり、実用上、ビ
ームスポットを絞りきれなくなる。
【0008】また、キャリア濃度を大きくすると、上ク
ラッド層4の抵抗も小さくなるため、同じ上クラッド層
厚tA の値に対し、リーク電流11の値も大きくなり、
動作電流の増加を招くこととなる。リーク電流自体を小
さくするには、上記上クラッド層厚tA を小さくしさえ
すれば良いが、従来の装置の動作でも述べたように、光
のしみ出し分布12の内、電流ブロック層5で吸収され
る領域13が大きくなるため、吸収損失が大きくなり、
特に高光出力時の動作電流は逆に上昇することとなる。
【0009】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、動作電流,特に高温動作電流を
小さくし、信頼性が高く、低消費電力の半導体レーザ装
置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明にかかる半導体
レーザ装置は、第1の導電型を有するGaAs基板と、
該GaAs基板上に順次エピタキシャル成長された第1
の導電型のAlxGa1-xAs下クラッド層,AlyG
a1-yAs活性層,及び第2の導電型のAlzGa1-z
As上クラッド層からなるダブルヘテロ接合構造と、該
ダブルヘテロ接合構造に電流を集中的に注入できるよ
う、ストライプ状のリッジ部以外の上記上クラッド層上
に形成された,第1の導電型のGaAs電流ブロック層
とを備えた半導体レーザ装置において、上記上クラッド
層を、活性層側への少数キャリアのオーバーフローを防
止する,高いキャリア濃度、及び横方向のリーク電流が
小さい,薄い厚さを持つ第1のクラッド層と、該第1の
クラッド層上に形成された,低いキャリア濃度を持つ第
2の上クラッド層との,キャリア濃度の異なる2層から
なるものとしたものである。
【0011】またこの発明は、上記半導体レーザ装置に
おいて、さらに、上記2層からなる上クラッド層上のリ
ッジ部分に形成され、高いキャリア濃度を持つ第3の上
クラッド層を備え、かつ、該第3の上クラッド層からド
ーパントを上記リッジ部分の上記第2の上クラッド層に
のみ拡散させて、電流が注入されるリッジ部分のみの第
2の上クラッド層のキャリア濃度を高めてなる拡散領域
を有するものとしたものである。
【0012】この発明にかかる半導体レーザ装置は、上
記電流ブロック層直下の上クラッド層を、上記電流ブロ
ック層をエピタキシャル成長する直前の上クラッド層の
主面に、第1の導電型を形成し得る不純物の拡散、もし
くはイオン注入を行うことによってその一部のキャリア
濃度を変化させて、これを第2の導電型の状態でキャリ
ア濃度を低下させた領域、真性状態とした領域、又は第
1の導電型に導電型を反転してなる導電型反転領域のい
ずれかの濃度変化領域とし、該濃度変化領域下に残る上
記上クラッド層を、活性層側への少数キャリアのオーバ
ーフローを防止する,高いキャリア濃度、及び横方向の
リーク電流が小さい,薄い厚さを持つ層となるようにし
たものである。
【0013】
【作用】この発明においては、活性層上に順次形成され
た, 高キャリア濃度の膜厚の薄い第1上クラッド層と、
低キャリア濃度の第2上クラッド層とを、電流ブロック
層の直下に導入したから、第1上クラッド層のキャリア
濃度が高いことによって高温時の少数キャリアのオーバ
ーフローが少なく、該第1上クラッド層の層厚が薄いこ
とによって横方向のリーク電流も少なく、かつ第1,第
2のトータルの上クラッド層の層厚が厚いことによっ
て、光のしみ出しに対する電流ブロック層による吸収損
失が少なく、このため高光出力時の余分な動作電流の上
昇もなく、低い高温動作電流を実現できる半導体レーザ
装置が得られる。
【0014】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1は本発明の一実施例による半導体レーザ装置
を示し、図1において、n型のGaAs基板1、n型の
AlxGa1-xAs下クラッド層2、p型のAlyGa
1-yAs活性層3、n型のGaAs電流ブロック層5、
p型GaAsコンタクト層6、アノード電極7、及びカ
ソード電極8は、図4と同一のものである。
【0015】4は、図4において上述したように、上記
活性層3上に連続的に成長され、Al組成比zが0.5
程度で、Znなどのアクセプタをドーピングした,p型
のAlzGa1-zAs上クラッド層の一部を構成する第
1の上クラッド層であり、この第1上クラッド層4は、
本実施例1では、1×1018〜1×1020cm-3程度の高
いキャリア濃度と、0.01〜0.10μm程度の薄い
厚みtA とを有するものとして形成されている。そし
て、この第1上クラッド層4上には、該第1上クラッド
層4のエピタキシャル成長に続けて、1×1015〜1×
1017cm-3程度の低いp形のキャリア濃度と、0.3μ
m程度の厚みtB を持つ第2の上クラッド層20が形成
されている。また、21は本レーザのリッジ部分のみに
おいて、上記第2の上クラッド層20上に設けられた,
1×1018〜1×1020cm-3程度の高いp型のキャリア
濃度を持つ第3の上クラッド層である。また、図中の矢
印22は、第2の上クラッド層4a中を流れるリーク電
流を示すものである。
【0016】本実施例1の図1の構造のレーザ装置にお
いても、従来のものと同様、アノード電極7と、カソー
ド電極8との間に順方向バイアスを印加すれば、レーザ
発振が行なわれる。この場合、キャリアのオーバーフロ
ーを抑えるために、第1の上クラッド層4はキャリア濃
度は1×1018〜1×1020cm-3と充分高いが、厚みt
A は0.01〜0.10μm程度と薄くしており、この
層4のリーク電流11は小さく、無視することができ
る。また、第2の上クラッド層20のキャリア濃度は1
×1015〜1×1017cm-3程度と低いため、例えば、
0.3μm程度の厚みでもリーク電流22は充分小さ
い。また、上記第2の上クラッド層20の厚みtB は特
に制限されないので、t=tA +tB の厚みは、光のし
み出し分布12程度の厚さである,例えば0.3〜0.
4μm程度にすることができ、これにより、光の吸収損
失を小さくすることができる。従ってこれにより、高光
出力時の余分な動作電流の上昇もなく、低い高温動作電
流を実現することができることとなる。
【0017】このような本実施例1では、上クラッド層
を、高いキャリア濃度と、薄い厚みを持つ第1の上クラ
ッド層4と、低いキャリア濃度を持つ第2の上クラッド
層とからなる2層構造にしたことにより、第1の上クラ
ッド層4のキャリア濃度が高いことによってレーザ発振
時の少数キャリアのオーバーフローを抑えることがで
き、かつ該第1のクラッド層の層厚が薄いことによって
横方向のリーク電流も少なく、かつトータルの上クラッ
ド層の層厚t=(tA +tB )が厚いことによって、電
流ブロック層での吸収損失も少なく、このため高光出力
時の余分な動作電流の上昇もなく、低い高温動作電流を
実現できる半導体レーザ装置を得ることができる効果が
ある。
【0018】実施例2.図2は本発明の第2の実施例に
よる半導体レーザ装置を示し、図2において、図1と同
一符号は同一部分を示し、30は第3の上クラッド層2
1から不純物拡散をさせて形成された拡散領域である。
【0019】本実施例2による半導体レーザ装置は、上
記実施例1のレーザ構造において、第3の上クラッド層
21のキャリア濃度を1×1020cm-3程度に非常に高く
形成した後、700℃〜800℃の高温に放置するなど
の方法により、第3の上クラッド層21からp型不純物
ドーパントを第2の上クラッド層20へ拡散させ、これ
により、新たにリッジ部に低抵抗の拡散領域30を設け
るようにしたものである。
【0020】図2に示すこのような構造の本実施例2の
レーザでは、特に、リッジ部に形成した拡散領域30の
キャリア濃度が、第2の上クラッド層20のそれよりも
高いため、該拡散領域30は低抵抗となり、また、ジュ
ール熱による発熱が小さいため、高温動作電流はさらに
小さくなるものである。
【0021】このように本実施例2においては、リッジ
部に低抵抗の拡散領域30を設けることにより、上記実
施例1の効果に加え、高温動作電流をさらに小さくする
ことができる効果が得られる。
【0022】実施例3.図3は、本発明の第3の実施例
による半導体レーザ装置を示す。図3において、図4と
同一符号は同一または相当部分を示し、40は上クラッ
ド層4をストライプ状のリッジ形状にエッチング加工し
た後に、そのエッチングして除去した,後ちその上に電
流ブロック層を形成する,上記上クラッド層4の露出し
た表面領域部分のみに選択的に、n型のドーパントを気
相拡散もしくはイオン注入することによって形成された
濃度変化領域である。この領域は、上記拡散又はイオン
注入の量によって、低濃度のp型,真性,n型のいずれ
にすることも可能であり、そのいずれの場合も得られる
効果は同じである。
【0023】本実施例3の半導体レーザ装置の製造にお
いては、まず、p型AlzGa1-zAs第1上クラッド
層4を、後で濃度変化領域40に変化する領域を含むそ
の厚みtA が、光のしみ出し分布12程度の厚み、即
ち,0.3〜0.4μm程度に、しかも該第1上クラッ
ド層4のキャリア濃度を、キャリアのオーバーフローを
生じない程度に高いキャリア濃度、即ち1×1018〜1
×1020cm-3に形成する。そして、リッジ部をエッチン
グ加工により形成する。その後、n型GaAs電流ブロ
ック層5をエピタキシャル形成する直前に、エッチング
加工され、露出した上クラッド層4の主面側から、例え
ばSe,Te,Siなどのn型のドーパントを、p型の
導電型を持つ上記AlzGa1-zAs上クラッド層4
に、所定の深さに拡散もしくは注入させて上記p型不純
物を補償させることにより、等価的にキャリア濃度の低
い、例えば1×1015〜1×1017cm-3以下のp型であ
るか、又は真性であるか,又はn型に反転させた、濃度
変化領域40を形成する。そして、これにより、該濃度
変化領域40下に高不純物濃度状態で残る上クラッド層
4は、上記実施例1と同様、活性層側への少数キャリア
のオーバーフローを防止することのできる,高いキャリ
ア濃度、即ち1×1018〜1×1020cm-3を持ち、かつ
横方向のリーク電流が小さい,薄い厚さ、即ち0.01
〜0.10μm程度の厚みを持つようにする。
【0024】本実施例3のレーザ装置においては、アノ
ード電極7とカソード電極8との間に順方向バイアスを
印加することにより、従来のものと全く同様に、レーザ
動作を行なうことができる。また、濃度変化領域40を
含む上クラッド層4の全体の厚みtA は、光のしみ出し
分布12程度に厚く、0.3〜0.4μm程度であるの
で、上クラッド層4の光の吸収損失は小さく、濃度変化
領域40に流れるリーク電流は小さいものとなる。ま
た、上記濃度変化領域40下に残るAlzGa1−zA
s上クラッド層4の元々のキャリア濃度は1×1018
〜1×1020cm-3と高いため、高温時のキャリアオーバ
ーフローは小さく、かつ、その層厚tA は薄いためリー
ク電流も小さく、低い高温動作電流を実現することがで
きるものである。
【0025】従って、本実施例3によれば、上記本実施
例1と同様に、第1の上クラッド層4の元々の層のキャ
リア濃度が高いことによってレーザ発振時の少数キャリ
アのオーバーフローを抑えることができ、かつ該層4の
層厚が薄いことによって横方向のリーク電流も少なく、
かつ上クラッド層のトータルの層厚(tA +tB )が厚
いことによって、電流ブロック層での吸収損失も少な
く、このため高光出力時の余分な動作電流の上昇もな
く、低い高温動作電流を実現できる半導体レーザ装置を
得ることができる効果がある。
【0026】
【発明の効果】以上のように、この発明にかかる半導体
レーザ装置によれば、電流ブロック層直下の活性層上
に、順次薄く高いキャリア濃度を有する第1の上クラッ
ド層と、低いキャリア濃度を有する第2の上クラッド層
との少くとも2層の上クラッド層を形成するようにした
ので、高温時のキャリアのオーバーフローが少なくて高
温動作電流が小さく、光のしみ出しによる吸収損失が少
なくて低消費電力であり、さらにリーク電流も少なく、
高い信頼性を持つ半導体レーザ装置を得られる効果があ
る。
【0027】またこの発明にかかる半導体レーザ装置に
よれば、上記2層からなる上クラッド層の上に、さら
に、高いキャリア濃度を持つ第3の上クラッド層を備
え、かつ、上記第3の上クラッド層からドーパントを、
リッジ部分の上記第2の上クラッド層にのみ拡散させ
て、電流が注入されるリッジ部分のみに第2の上クラッ
ド層のキャリア濃度を高めた拡散領域を有するものとし
たので、さらに高温動作電流を小さくした半導体レーザ
装置が得られる効果がある。
【0028】またこの発明にかかる半導体レーザ装置に
よれば、電流ブロック層直下の上クラッド層を、上記電
流ブロック層をエピタキシャル成長する直前の上クラッ
ド層の主面に、第1の導電型を形成し得る不純物の拡
散、もしくはイオン注入を行うことによってその一部の
キャリア濃度を変化させて、第2の導電型の状態でキャ
リア濃度を低下させた領域、又は真性状態とした領域、
又は第1の導電型に導電型を反転してなる導電型反転領
域としたので、上クラッド層の全体の厚みは光のしみ出
し分布の程度であって光の吸収損失は小さいとともに、
濃度変化領域に流れるリーク電流は小さいものであり、
また、元々の上クラッド層として残る層のキャリア濃度
は高く、その層厚も薄くしたので、高温時のキャリアオ
ーバーフローは小さく、低い高温動作電流を実現するこ
とができる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による半導体レーザ装置
を示す断面図。
【図2】本発明の第2の実施例による半導体レーザ装置
を示す断面図。
【図3】本発明の第3の実施例による半導体レーザ装置
を示す断面図。
【図4】従来の半導体レーザ装置を示す断面図。
【符号の説明】 1 n型GaAs基板 2 n型AlxGa1-xAs下クラッド層 3 p型AlyGa1-yAs活性層 4 p型AlzGa1-zAs上クラッド層 5 n型GaAs電流ブロック層 6 p型GaAsコンタクト層 7 アノード電極 8 カソード電極 10 注入電流を表わす矢印 11 リーク電流 12 しみ出した光の分布 13 光吸収の領域 20 第2の上クラッド層 21 第3の上クラッド層 22 リーク電流 30 拡散領域 40 濃度変化領域

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の導電型を有するGaAs基板と、 該GaAs基板上に順次エピタキシャル成長された,第
    1の導電型のAlxGa1-xAs下クラッド層,Aly
    Ga1-yAs活性層,及び第2の導電型のAlzGa1-
    zAs上クラッド層からなるダブルヘテロ接合構造と、 該ダブルヘテロ接合構造に集中的に電流を注入できるよ
    う、ストライプ状のリッジ部以外の上記上クラッド層上
    に形成された,第1の導電型のGaAs電流ブロック層
    とを備えた半導体レーザ装置において、 上記上クラッド層は、 上記活性層上に該活性層に接して配置され、該活性層か
    らの少数キャリアのオーバーフローを防止する,高いキ
    ャリア濃度、及び横方向のリーク電流の小さい,薄い厚
    さを持つ第1の上クラッド層と、 該第1のクラッド層上に形成された、低いキャリア濃度
    を有する第2の上クラッド層との,2つのキャリア濃度
    の異なる層からなるものであることを特徴とする半導体
    レーザ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の半導体レーザ装置におい
    て、 上記第1のクラッド層のキャリア濃度が、1×1018
    1×1020cm-3であり、その膜厚が0.01〜0.10
    μmであり、 上記第2の上クラッド層のキャリア濃度が、1×1015
    〜1×1017cm-3であることを特徴とする半導体レーザ
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の半導体レーザ装置におい
    て、 上記2層からなる上クラッド層の上のリッジ部分に形成
    され、高いキャリア濃度を持つ第3の上クラッド層をさ
    らに備え、かつ、 上記第3の上クラッド層からドーパントを上記リッジ部
    分の上記第2の上クラッド層にのみ拡散させて、電流が
    注入されるリッジ部分のみの第2の上クラッド層のキャ
    リア濃度を高めてなる拡散領域を有することを特徴とす
    る半導体レーザ装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の半導体レーザ装置におい
    て、 上記第1の上クラッド層のキャリア濃度が、1×1018
    〜1×1020cm-3であり、その層厚が0.01〜0.1
    0であり、 上記第2の上クラッド層のキャリア濃度が、1×1015
    〜1×1017cm-3であり、 上記第3の上クラッド層のキャリア濃度が、1×1018
    〜1×1020cm-3であり、 上記ドーパントのリッジ部分の第2の上クラッド層への
    拡散を、上記リッジ部分上に、上記第3のクラッド層中
    に含まれるドーパントを、高温にて所定の時間放置する
    ことにより行ったことを特徴とする半導体レーザ装置。
  5. 【請求項5】 第1の導電型を有するGaAs基板と、 該基板上に順次エピ成長された第1の導電型のAlxG
    a1-xAs下クラッド層,AlyGa1-yAs活性層,
    及び第2の導電型のAlzGa1-zAs上クラッド層か
    らなるダブルヘテロ接合構造と、 該ダブルヘテロ接合構造に電流を集中的に注入できるよ
    う、ストライプ状のリッジ部以外の前記上クラッド層上
    に形成された第1の導電型のGaAs電流ブロック層と
    を備えた半導体レーザ装置において、 上記電流ブロック層直下の上クラッド層は、上記電流ブ
    ロック層をエピタキシャル成長する直前の上クラッド層
    の主面に、第1の導電型を形成し得る不純物の拡散、も
    しくはイオン注入を行うことによってその一部のキャリ
    ア濃度を変化させて、これを第2の導電型の状態でキャ
    リア濃度を低下させた領域、真性状態とした領域、又は
    第1の導電型に導電型を反転してなる導電型反転領域の
    いずれかの濃度変化領域とし、 該濃度変化領域下に残る上記上クラッド層を、活性層側
    への少数キャリアのオーバーフローを防止する,高いキ
    ャリア濃度、及び横方向のリーク電流が小さい,薄い厚
    さを持つ層となるようにしたことを特徴とする半導体レ
    ーザ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005223316A (ja) * 2004-01-09 2005-08-18 Sharp Corp 化合物半導体装置、化合物半導体装置の製造方法、光伝送システム、および、光ディスク装置
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