JPH0715109U - 横型押出プレス装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 横型押出プレス装置の提供。 【構成】 ベッド１に固設され、押出成形品を取り出す
ための開口部４ａを有するプラテン４と、ベッド１上に
摺動自在に案内され、押出用ステム５を突設するシリン
ダフレーム６と、シリンダフレーム６に形成した主シリ
ンダ６ａに液密かつ摺動自在に嵌合する主ピストン３の
ピストン棒３ａが、主シリンダ６ａから突出し、前端部
がプラテン４に固着されて構成され、シリンダフレーム
６をプラテン４に向けて低速にて前進移動させる主シリ
ンダ装置２と、コンテナ７と、金型９と、プラテン４と
シリンダフレーム６との間に配置され、シリンダフレー
ム６を高速にて前後移動させるためのシリンダフレーム
移動用シリンダ装置１４とを備える。 【効果】 機体が軽く、設置スペースが小さく、コスト
の安いプレスが供給されると共に、押出プレス工程の能
率を著しく向上することが可能になる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、横型押出プレス装置に関し、例えばアルミニウムビレットの押出又 は押出用金型の試押し用に使用する横型押出プレス装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来のこの種の横型押出プレス装置について、図３を参照して説明する。すな わち、ベッド６１上の一端部にプラテン５１を配置し、他端部にシリンダフレー ム５３を配置し、このプラテン５１とシリンダフレーム５３とを複数本のタイロ ッド５４にて結合してある。シリンダフレーム５３の中央部には、主シリンダ装 置５２が配設され、主シリンダ装置５２の主ラム６０の先端部には、クロスヘッ ド５５が結合されている。クロスヘッド５５は、押出用ステム５６が取付けられ ると共に、ベッド６１の摺動案内部６１ａ上に摺動自在に載置されている。

【０００３】 そして、押出用ステム５６の中心軸線方向の延長上に位置させて、プラテン５ １に押出成形品を取り出すための開口部５１ａが形成され、この開口部５１ａに は、金型５９を接続配置し、金型５９には、コンテナ５７を当接配置してある。 このコンテナ５７の通孔５７ａと押出用ステム５６との間には、支持台６３上に 乗せたビレット５８が供給される。

【０００４】 しかして、主シリンダ装置５２の圧力室５２ａに圧油を供給すれば、主ラム６ ０、クロスヘッド５５及び押出用ステム５６が一体に突出作動し、この押出用ス テム５６を介してビレット５８に押出力が作用する。これにより、ビレット５８ は、コンテナ５７の通孔５７ａを通過し、金型５９内に押し込まれ、前方押出加 工によつて所定形状に成形された状態で、プラテン５１の開口部５１ａから押し 出される。押出反力は、プラテン５１からタイロッド５４を介してシリンダフレ ーム５３に伝わり、押出力と釣合つている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような従来の横型押出プレス装置にあつては、主ラム６０ 及びクロスヘッド５５が移動することで、ビレット５８を押出可能な構造となつ ているため、機体長さが長く、部品数も多いと共に、短尺材の押出、アルミニウ ムビレットの押出又は押出用金型の試押しをするには、イニシャルコストも高く 、不経済である。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、このような従来の技術的課題に鑑みてなされたものであり、その構 成は、ベッド１に固設され、押出成形品を取り出すための開口部４ａを有するプ ラテン４と、ベッド１上に摺動自在に案内され、プラテン４の開口部４ａの後方 に対向する押出用ステム５を突設するシリンダフレーム６と、シリンダフレーム ６に形成した主シリンダ６ａに液密かつ摺動自在にそれぞれ嵌合する主ピストン ３を有し、主ピストン３に固着した各ピストン棒３ａが、主シリンダ６ａから液 密に突出し、前端部がプラテン４に固着されて構成され、シリンダフレーム６を プラテン４に向けて低速にて前進移動させる主シリンダ装置２と、押出用ステム ５とプラテン４との間に配置され、通孔７ａにビレット８が収用されるコンテナ ７と、プラテン４とコンテナ７との間に配置される金型９と、プラテン４とシリ ンダフレーム６との間に配置され、シリンダフレーム６を高速にて前後移動させ るための復動式のシリンダフレーム移動用シリンダ装置１４とを備え、プラテン ４の開口部４ａ、金型９の通孔９ａ、コンテナ７の通孔７ａ及び押出用ステム５ が、中心軸線を合致させて配置されることを特徴とする横型押出プレス装置であ る。

【０００７】

【作用】

このような横型押出プレス装置によれば、金型９の通孔９ａをプラテン４の開 口部４ａに芯合わせした状態で、シリンダフレーム６をシリンダフレーム移動用 シリンダ装置１４にて高速にて前進させ、押出用ステム５の先端をビレット１５ に接触させてビレット８をコンテナ７の通孔７ａ内に押し込み可能にする。

【０００８】 その後、各主シリンダ装置２に圧油を供給する。これにより、シリンダフレー ム６が前方に低速かつ高圧にて押し出され、ビレット８が押出用ステム５によつ てコンテナ７の通孔７ａ内に押し込まれると共に、通孔７ａに接続する金型９の 通孔９ａに押し込まれ、押出成形される。押出成形品は、プラテン４の開口部４ ａから外部に取り出すことができる。かくして、各主シリンダ装置２によつて与 えられるシリンダフレーム６及び押出用ステム５の必要ストロークは、押出用ス テム５がビレット８に接触する位置から金型９に達するまでの長さで良い。

【０００９】 このようにして、押出成形が終了したなら、主シリンダ装置２をドレインさせ た状態で、シリンダフレーム移動用シリンダ装置１４を作動させ、シリンダフレ ーム６をベッド１上を摺動させながら高速にて後退復帰移動させる。シリンダフ レーム６の後退復帰移動により、主シリンダ装置２も復帰する。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案の実施例について図面を参照して説明する。 図１，図２は、本考案の１実施例に係る横型押出プレス装置を示す。図中にお いて符号１はベッドを示し、ベッド１上には、一端部にプラテン４を固着し、他 端部にシリンダフレーム６を摺動自在に配置し、このプラテン４とシリンダフレ ーム６とが水平方向に対向配置されている。シリンダフレーム６の前面には、そ の中央部に押出用ステム５が突設され、押出用ステム５に関して点対称位置とし て複数個（図示の実施例にあつては上下左右に４個）の主シリンダ装置２を配置 する。各主シリンダ装置２は、シリンダフレーム６に形成した主シリンダ６ａと 、主シリンダ６ａにシール部材２０を介在させて液密かつ摺動自在に嵌合する主 ピストン３とからなり、主ピストン３に固着したピストン棒３ａは、主シリンダ ６ａにシール部材２１を介在させて液密に前方に突出し、先端部がプラテン４に 固着されている。

【００１１】 しかして、主シリンダ６ａの前部には、主ピストン３とピストン棒３ａとで区 画される圧力室２ａが形成され、圧力室２ａに圧油を供給することにより、シリ ンダフレーム６が前方（図上にて左方）に低速にて押し出される。

【００１２】 また、プラテン４の上端部には、左右に対をなすシリンダフレーム移動用シリ ンダ装置１４が固設されている。各シリンダフレーム移動用シリンダ装置１４の ピストン棒１４ａの先端部は、シリンダフレーム６の上端部に固着されている。 しかして、シリンダフレーム移動用シリンダ装置１４のピストン棒１４ａを突出 作動させることにより、ベッド１上を摺動させながらシリンダフレーム６を後方 に高速にて復帰移動させることができ、また、ピストン棒１４ａを没入作動させ ることにより、シリンダフレーム６を前方に高速にて移動させることができる。

【００１３】 このようなシリンダフレーム６の中央部には、前述したように押出用ステム５ が突設され、押出用ステム５とプラテン４の開口部４ａとの間には、押出加工さ れるビレット８、コンテナ７及び金型９が順次に配置される。ビレット８は、ベ ッド１に配置する支持台１６上に載置して供給される。コンテナ７は、通孔７ａ を有し、前後移動自在である。すなわち、図２に示すようにプラテン４の上部に は、復動式のコンテナ移動用シリンダ装置１３が固設され、そのピストン棒１３ ａの先端部が、コンテナ７の上端部に固着されている。なお、コンテナ移動用シ リンダ装置１３は、左右に一対装備されている。しかして、コンテナ移動用シリ ンダ装置１３の一方の圧力室１３ｂ又は１３ｃに圧油を供給し、他方の圧力室１ ３ｃ又は１３ｂをドレインさせることにより、コンテナ７を図上にて左右方向に 移動させることができる。なお、支持台１６は、コンテナ７に固設することも可 能である。

【００１４】 金型９は、ビレット８を所定形状に成形するための通孔９ａを有し、金型ホル ダー１１上に着脱自在に取付けられ、金型ホルダー１１は、ベッド１に固設した １本の上下シリンダ装置１２のピストン棒１２ａの上端部に固着されている。し かして、上下シリンダ装置１２の突出又は没入作動により、金型ホルダー１１及 び金型９に上下動を与えることができる。

【００１５】 次に、上記実施例の作用について説明する。 図２に示すように上下シリンダ装置１２の作動により、金型９の通孔９ａをプ ラテン４の開口部４ａに芯合わせした状態で、コンテナ移動用シリンダ装置１３ の一方の圧力室１３ｂに圧油を供給し、金型９をコンテナ７とプラテン４とで挟 着する。次いで、ビレット８を支持台１６上に載置し、シリンダフレーム６をシ リンダフレーム移動用シリンダ装置１４にて高速にて前進させ、押出用ステム５ の先端をビレット８に接触させる。勿論、各主シリンダ装置２の圧力室２ａは、 ドレインさせておく。

【００１６】 その後、主シリンダ装置２の圧力室２ａに圧油を強制的に供給する。これによ り、シリンダフレーム６が図上にて左方に低速かつ高圧にて押し出され、支持台 １６上のビレット８が押出用ステム５によつてコンテナ７の通孔７ａ内に押し込 まれ、続いて通孔７ａに接続する金型９の通孔９ａに押し込まれ、押出成形され る。押出成形品は、プラテン４の開口部４ａから外部に取り出すことができる。 しかして、各主シリンダ装置２によつて与えられるシリンダフレーム６及び押出 用ステム５の必要ストロークＬは、図２に示すように押出用ステム５がビレット ８に接触する位置から金型９に達するまでの長さＬである。

【００１７】 このようにして、押出成形が終了したなら、主シリンダ装置２の圧力室２ａを ドレインさせた状態で、シリンダフレーム移動用シリンダ装置１４のピストン棒 １４ａを突出作動させ、シリンダフレーム６をベッド１上を摺動させながら高速 にて後退復帰移動させる。シリンダフレーム６の後退復帰移動により、主シリン ダ装置２も復帰する。次いで、コンテナ移動用シリンダ装置１３の他方の圧力室 １３ｃに圧油を供給し、一方の圧力室１３ｂをドレインさせることにより、コン テナ７を後退移動させ、金型９とコンテナ７との間に適当な空間を確保し、図外 のシャーによつて金型９の表面に付着する押粕を切断し、金型９から製品を分離 する。再度、コンテナ７を金型９に密着させることにより、ビレット８の押出成 形が可能な状態となる。

【００１８】 そして、上下シリンダ装置１２の作動により、金型ホルダー１１及び金型９を コンテナ７と支障を生じない位置にまで下降移動させ、金型９を所要形状の通孔 ９ａを備えるものと交換することができる。金型９の交換作業は、金型９に水平 移動、回転移動等を与えて行うことも可能である。

【００１９】

【考案の効果】

以上の説明によつて理解されるように、本考案に係る押出プレス装置によれば 、下記の効果を奏することができる。 押出用ステムは、シリンダフレームに直接取り付けられているため、従来の横 型押出プレス装置のクロスヘッドが不要になり、また、プラテンとシリンダフレ ームとは、主シリンダ装置のピストン棒及びシリンダフレーム移動用シリンダ装 置によつて連結され、従来の横型押出プレス装置のタイロッドが不要になるため 、機体の長さ寸法の減少が可能になる。その結果、機体が軽く、設置スペースが 小さく、コストの安い横型押出プレス装置が供給される。

【００２０】 更に、従来の横型押出プレス装置の中でクロスヘッドを省略し、押出用ステム をシリンダフレームに直接突設するのみならず、主ラムに代えて、押出用ステム の周囲のシリンダフレームに複数個の主シリンダ装置を配置することにより、プ レス中心軸線上に配置されていた主要部品の収用スペースを削減した。そして、 シリンダフレームの移動は、シリンダフレーム移動用シリンダ装置によつて高速 にて前後移動させると共に、ビレットをコンテナに押し込むようになると、主シ リンダ装置によつてシリンダフレームをプラテンに向けて低速にて前進移動させ るので、主シリンダ装置の中心軸線方向長さを短縮させることと、主シリンダ装 置を高速移動させることとの両立が可能になる。これにより、機体寸法は主シリ ンダの寸法による制約を受けずに決定することが可能になる。その結果、機体が コンパクトになり、機体重量が軽くなり、コストの安い横型押出プレス装置を供 給できると共に、押出プレス工程の能率を著しく向上することが可能になる。か くして、アルミニウムビレットの押出又は押出用金型の試押し用に好適の横型押 出プレス装置が提供された。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の１実施例に係る押出プレス装置の概
略を示す断面図。

【図２】 同じく要部を示す断面図。

【図３】 従来例を示す断面図。

【符号の説明】

１：ベッド、２：主シリンダ装置、３：主ピストン、３
ａ：ピストン棒、４：プラテン、４ａ：開口部、５：押
出用ステム、６：シリンダフレーム、６ａ：主シリン
ダ、７：コンテナ、７ａ：通孔、９：金型、９ａ：通
孔、１３：コンテナ移動用シリンダ装置、１４：シリン
ダフレーム移動用シリンダ装置。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 渋谷 謙治 北海道室蘭市茶津町４番地 日鋼特機株式 会社内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ベッド（１）に固設され、押出成形品を
   取り出すための開口部（４ａ）を有するプラテン（４）
   と、ベッド（１）上に摺動自在に案内され、プラテン
   （４）の開口部（４ａ）の後方に対向する押出用ステム
   （５）を突設するシリンダフレーム（６）と、シリンダ
   フレーム（６）に形成した複数個の主シリンダ（６ａ）
   に液密かつ摺動自在にそれぞれ嵌合する主ピストン
   （３）を有し、主ピストン（３）に固着した各ピストン
   棒（３ａ）が、主シリンダ（６ａ）から液密に突出し、
   前端部がプラテン（４）に固着されて構成され、シリン
   ダフレーム（６）をプラテン（４）に向けて低速にて前
   進移動させる主シリンダ装置（２）と、押出用ステム
   （５）とプラテン（４）との間に配置され、通孔（７
   ａ）にビレット（８）が収用されるコンテナ（７）と、
   プラテン（４）とコンテナ（７）との間に配置される金
   型（９）と、プラテン（４）とシリンダフレーム（６）
   との間に配置され、シリンダフレーム（６）を高速にて
   前後移動させるための復動式のシリンダフレーム移動用
   シリンダ装置（１４）とを備え、プラテン（４）の開口
   部（４ａ）、金型（９）の通孔（９ａ）、コンテナ
   （７）の通孔（７ａ）及び押出用ステム（５）が、中心
   軸線を合致させて配置されることを特徴とする横型押出
   プレス装置。