JPH07149601A - 衣類害虫用防虫剤 - Google Patents

衣類害虫用防虫剤

Info

Publication number
JPH07149601A
JPH07149601A JP5323309A JP32330993A JPH07149601A JP H07149601 A JPH07149601 A JP H07149601A JP 5323309 A JP5323309 A JP 5323309A JP 32330993 A JP32330993 A JP 32330993A JP H07149601 A JPH07149601 A JP H07149601A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
insect repellent
tablet
room temperature
container
sublimable substance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP5323309A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3822917B2 (ja
Inventor
Takamasa Muramoto
孝允 村本
Yukari Fuse
由香理 布施
Keiko Kawai
恵子 河合
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fumakilla Ltd
Original Assignee
Fumakilla Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fumakilla Ltd filed Critical Fumakilla Ltd
Priority to JP32330993A priority Critical patent/JP3822917B2/ja
Publication of JPH07149601A publication Critical patent/JPH07149601A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3822917B2 publication Critical patent/JP3822917B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 常温揮散性防虫薬剤を一定期間安定して徐放
的に揮散させることが出来、かつ薬効残存状態及び薬剤
揮散完了後に終点が明確に判別できる衣類害虫用防虫剤
を提供する。 【構成】 常温揮散性防虫薬剤と昇華性物質とを組み合
わせた錠剤1を、箱状に成形された透明な樹脂製フィル
ム3と板状の不織布又は紙等で構成された液状物質を容
易に含浸保持可能な通気性材料2からなる包納容器内に
収納し、これを開孔16、17を有する外カバー容器1
0内に収容する。揮散に際しては、揮散前から既に通気
性材料に移行していた常温揮散性防虫薬剤、及び昇華性
物質の揮散と共に錠剤表面に滲出して少しずつ残存し、
その残存油状防虫薬剤が通気性材料へ遂次含浸・拡散さ
れた常温揮散性防虫薬剤と、昇華性物質とが、上記容器
の開孔を通して揮散される。上記透明な樹脂製フィルム
を通して錠剤の昇華消失状態を目視することによって薬
効残存状態及び終点が認知できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、衣類害虫用防虫剤に関
し、更に詳しくは、常温揮散性防虫薬剤を一定期間安定
して徐放的に揮散させることが出来ると共に、薬効残存
状態及び終点が明確に判別できるようにした衣類害虫用
防虫剤に関する。
【0002】
【従来の技術】衣類用防虫剤としては、従来、パラジク
ロルベンゼン、ナフタリン、樟脳等の昇華性固体防虫薬
剤が用いられてきた。これらはそれ自身常温常圧下で徐
々に昇華するため、顆粒、錠剤、ボール状の剤型におい
てその大きさ及び消失状態で薬剤残存状態及びその終点
を認知することができる。しかしながら、これらの固体
防虫薬剤は、パラジクロルベンゼン、ナフタリンにあっ
ては独特の刺激臭と安全性(毒性)の点で、一方、樟脳
については殺虫効力が低い点で問題があった。また、上
記防虫薬剤は衣類が防虫薬剤臭くなったり、皮膚、目等
に刺激がある等の問題があった。
【0003】このような問題を解決するものとして、近
年、無臭で、しかも微量で効力を有する常温揮散性の液
状の防虫薬剤、特にピレスロイド系殺虫剤であるエムペ
ントリンが注目され、これを使用した商品が多数出廻っ
ている。例えば、異臭がなく安全性の高いエムペントリ
ンをパルプ製原紙に含浸させた防虫マットを、PE又は
PPでラミネート加工した紙又は不織布の内装紙に包納
する方法が特公昭60−161908号に、また、昇華
性防虫薬剤の錠剤と常温揮散性防虫薬剤を含浸させたシ
ートとを通気性の包材とガスバリヤー性包材で包被する
方法が特公昭62−72601号に、あるいは、常温揮
散性防虫薬剤が昇華性物質の成形基材内に含有せしめら
れてなる構成を特徴とする防虫方法が特公昭61−83
102号に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記エムペントリンに
代表される、異臭がなく、安全性が高く、害虫に対する
殺虫力が大きいピレスロイド系殺虫剤の常温揮散性防虫
薬剤をパルプ製原紙に含浸させた防虫マットを、ラミネ
ート加工した紙又は不織布の内装紙に包納し、又は通気
性を有するシートで包被すると、薬剤の蒸気が通気性を
有するフィルムを透過していく必要があるために、薬剤
自身の揮散性がかなり高くないと効果が低く、防殺虫薬
剤のように比較的揮散しにくい薬剤の場合、必要な揮散
量が確保できないという問題がある。一方、常温揮散性
防虫薬剤が昇華性物質の成形基材内に含有せしめられて
なる構成の錠剤は、揮散表面積が小さく、揮散性がおち
るという難点がある。更に、昇華性物質が昇華消失する
に従って、含有している常温揮散性防虫薬剤の揮散が遅
いため順次表面上に露出して油状物が溜まり、衣服を汚
染するという問題がある。また、前記昇華性固体防虫薬
剤は防虫薬剤自身が昇華消失することによって終点を明
確に表示できるのに比較して、前記エムペントリン等の
常温揮散性防虫薬剤の液状薬剤はその性状から一般に含
浸体に含浸保持された剤型として使用されるので、効力
終点時においても紙又はプラスチック等の含浸体がその
ままの形状で残り、外観的には何ら変化を起こさず、使
用の終点を明確に認知することができないという問題が
ある。
【0005】従って、本発明の目的は、上記のような欠
点をなくし、常温揮散性防虫薬剤をその使用目的に応じ
て一定期間安定して徐放的に揮散させることが出来ると
共に、薬効残存状態及び薬剤揮散完了後に終点が明確に
判別できる衣類害虫用防虫剤を提供することにある。更
に本発明のより特定的な目的は、常温揮散性防虫薬剤と
昇華性物質とを組み合わせた錠剤を収納し、揮散に際し
て、常温揮散性防虫薬剤が昇華性物質の揮散と共に錠剤
表面に滲出して少しずつ残存し、その残存油状防虫薬剤
が容器の通気性材料へ遂次含浸・拡散されて、より広い
揮散面積で常温揮散性防虫薬剤をスムーズに揮散して長
期間に亘り所定の防虫効力が保たれるように徐放せしめ
ると共に、容器の一部を構成する透明な樹脂製フィルム
もしくは板状体を通して上記昇華性物質の昇華消失状態
を目視することによって薬効残存状態及び終点が認知で
きるようにした衣類害虫用防虫剤を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、前記目
的を達成するため、常温揮散性防虫薬剤と該常温揮散性
防虫薬剤を含有保持する無臭性もしくは微臭性の昇華性
物質とを組み合わせた錠剤を、一部が透明な樹脂製フィ
ルムもしくは板状体からなり、他の部分が不織布又は紙
等で構成された液状物質を容易に含浸保持可能な通気性
材料からなる包納容器内に収納し、揮散に際して、錠剤
から昇華性物質が揮散する前から既に通気性材料に移行
していた常温揮散性防虫薬剤、及び昇華性物質の揮散と
共に錠剤表面に滲出して少しずつ残存し、その残存油状
防虫薬剤が上記通気性材料へ遂次含浸・拡散された常温
揮散性防虫薬剤と、昇華性物質とを、上記通気性材料を
介して揮散せしめると共に、上記透明な樹脂製フィルム
もしくは板状体を通して上記昇華性物質の昇華消失状態
を目視することによって薬効残存状態及び終点が認知で
きるようにしたことを特徴とする衣類害虫用防虫剤が提
供される。
【0007】好適な態様によれば、前記樹脂製フィルム
もしくは板状体は、微細な孔を多数開けたり、あるいは
通気性の樹脂フィルムを用いることによって、通気が可
能となり、また、前記錠剤を収納している包納容器の通
気性材料を覆うように、1乃至複数の開孔部を有する外
カバー容器を設ける。前記錠剤は、常温揮散性防虫薬剤
及び昇華性物質の他に、揮発性溶剤又は不揮発性溶剤、
気化性防黴剤、抗酸化剤、安定剤、結着剤、香料その他
の薬剤を含有することができ、また好ましくは、常温揮
散性防虫薬剤のみの原液、又は必要に応じて他の成分を
任意に混合した混合原液を、1製剤に使用される全使用
量の1%〜50%を通気性材料に含浸保持させ、残りの
原液は昇華性物質の錠剤内に含浸保持させることもでき
る。
【0008】
【発明の作用及び態様】本発明の衣類害虫用防虫剤は、
常温揮散性防虫薬剤の単剤、常温揮散性防虫薬剤と香
料、常温揮散性防虫薬剤と揮発性溶剤又は不揮発性溶剤
を混入した2薬剤混合液、あるいは目的に応じて任意に
数種類の他の揮散性薬剤が混在している薬剤原液等が昇
華性物質の成形基材内に含有された錠剤を、一部が透明
で中の状態がよく見えるように樹脂製フィルムもしくは
板状体等から構成され、他の部分が不織布又は紙等の液
状物質を容易に含浸保持可能な通気性材料から構成され
た包納容器内に収納し、上記錠剤中の常温揮散性防虫薬
剤や昇華性物質等の揮散性薬剤を包納容器の通気性材料
を介して揮散せしめるものである。したがって、揮散に
際して、まず使用開始時には錠剤から昇華性物質が揮散
する前から既に通気性材料に移行していた常温揮散性防
虫薬剤が揮散し、使用開始初期から所定の防虫効果が得
られる。また、使用時においては、昇華性物質が常温揮
散性防虫薬剤より速く揮散し、昇華性物質が昇華消失す
るに従って、錠剤中に含有されている常温揮散性防虫薬
剤や他の含有成分が順次錠剤表面上に滲出露出し、その
残存油状防虫薬剤がすぐに包納容器の不織布又は紙等の
液状物質を容易に含浸保持可能な通気性材料へ遂次含浸
され、常に少しずつ常温揮散性防虫薬剤が通気性材料へ
補給され、通気性材料全面に拡散される。その結果、常
温揮散性防虫薬剤の揮散面積が広くなり、防虫薬剤がス
ムーズに揮散して長期間に亘り一定の防虫効力が保たれ
るように徐放せしめることができる。また、錠剤を収納
する包納容器の一部が透明な樹脂製フィルムもしくは板
状体からなるため、該透明な樹脂製フィルムもしくは板
状体を通して上記昇華性物質の昇華消失状態を目視する
ことによって、薬効残存状態及び終点を明瞭に認知する
ことができる。
【0009】前記したように、常温揮散性防虫薬剤をパ
ルプ製原紙に含浸させた防虫マットをラミネート加工し
た紙又は不織布の内装紙に包納し、又は、通気性を有す
るシートで包被すると、薬剤の蒸気が通気性を有するフ
ィルムを透過していく必要があるために、薬剤自身の揮
散性がかなり高くないと揮散効率が悪くなる。したがっ
て、防殺虫薬剤のように比較的揮散しにくい薬剤の場
合、必要な揮散量が確保できない。また、常温揮散性防
虫薬剤が昇華性物質の成形基材内に含有せしめられてな
る構成の錠剤は揮散表面積が小さく、且つ、昇華性物質
が昇華消失するに従って、含有されている常温揮散性防
虫薬剤の揮散が遅いため順次表面上に滲出露出して、少
しずつ錠剤の表面に残存する。その結果、残存油状防虫
薬剤が錠剤表面に溜まり、揮散効率が悪くなる。更に、
残存油状防虫薬剤により衣服の汚染が生じる。
【0010】これに対して、本発明のように、常温揮散
性防虫薬剤や他の常温揮散性薬剤原液等が昇華性物質の
成形基材内に含有された錠剤を収納する包納容器の大部
分を、不織布又は紙等の液状物質を容易に含浸保持可能
な通気性材料から構成することにより、昇華性物質が昇
華消失するに従って錠剤中に含有されている常温揮散性
防虫薬剤や他の含有成分が順次錠剤表面上に滲出露出し
ても、その残存油状防虫薬剤はすぐに包納容器の不織布
又は紙等の液状物質を容易に含浸保持可能な通気性材料
へ遂次含浸され、常に少しずつ常温揮散性防虫薬剤が通
気性材料へ補給され、通気性材料全面に拡散される。し
たがって、常温揮散性防虫薬剤の揮散面積が広くなり、
揮散効率が高くなると共に必要な揮散量を充分に確保で
き、防虫薬剤がスムーズに揮散して長期間に亘り一定の
防虫効力が保たれるように徐放せしめることができる。
また、前記錠剤を収納している包納容器の通気性材料に
含浸された油状防虫薬剤は通気性材料全面に拡散され、
速やかに揮散されるため、衣服を汚染する恐れは少ない
が、上記通気性材料を覆うように、1乃至複数の開孔部
を有する外カバー容器を設けることにより、衣服の汚染
を完全に防止することができる。
【0011】また、前記錠剤に、常温揮散性防虫薬剤及
び昇華性物質の他に、揮発性溶剤又は不揮発性溶剤や香
料等を含有させることにより、常温揮散性防虫薬剤の通
気性材料への移行促進効果が得られ、また気化性防黴剤
その他の薬剤を含有させることにより、使用薬剤に応じ
た他の効果も得られる。さらに、常温揮散性防虫薬剤の
みの原液、又は必要に応じて他の成分を任意に混合した
混合原液を、1製剤に使用される全使用量の1%〜50
%を通気性材料に含浸保持させ、残りの原液は昇華性物
質の錠剤内に含浸保持させることにより、使用開始時の
初期防虫効果を高めることができる。
【0012】本発明の錠剤には、常温揮散性を有する液
状防殺虫剤や気化性防黴剤が含有保持される。液状防殺
虫剤としては、例えば(R,S)−1−エチニル−2−
メチルペント−2−エニル(1R)−シス、トランスク
リサンテマート(以下、エムペントリンという)、1−
エチニル−2−メチル−2−ペンテニル−2,2−ジメ
チル−3−(2′,2′−ジクロルビニル)−シクロプ
ロパン−1−カルボキシレート、1−エチニル−2−メ
チル−2−ペンテニル−2,2,3,3−テトラメチル
シクロプロパンカルボキシレート、3−アリル−2−メ
チルシクロペント−2−エン−4−オン−1−イル−
2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキ
シレート(以下、テトラメスリンという)、5−(2−
プロパルギル)−3−フリルメチルクリサンテマート
(一般名フラメトリン)、(+)1R・トランス−2,
2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)−ジク
ロロプロパンカルボン酸2,3,5,6−テトラフルオ
ロベンジル(以下、ベンフルスリンという)等のピレス
ロイド系殺虫剤、ジクロルボス等の常温揮散性殺虫剤、
フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチ
ル、フマル酸ジエチル、N,N−ジエチル−m−トルア
ミド等の防虫・忌避剤、安息香酸エチル、サフロール、
イソサフロール、オイゲノール、シトロネロール、アネ
トール、L−カルボン等の防虫香料、ケイ皮アルデヒ
ド、ベンズアルデヒド等の防虫・防黴剤、その他昇華性
の防虫薬剤などが挙げられ、上記防殺虫性薬剤を単独で
あるいは2種以上組み合わせて使用することができる。
また、気化性防黴剤としては、α−ブロムシンナムアル
デヒド(BCA)、2−イソプロピル−5−メチルフェ
ノール(チモール)などが挙げられる。
【0013】前記常温揮散性を有する液状防殺虫剤や気
化性防黴剤を含有保持させるための昇華性物質として
は、2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリ
オキサン(商品名「サンサブリ」、小川香料(株)
製)、トリシクロドデカン(商品名「アイサワーD」、
出光石油化学(株)製)、アダマンタン、2−ヒドロキ
シカンファー(慣用名:ボルネオール)、2,2−ジメ
チル−1,3−プロパンジオール(慣用名:ネオペンチ
ルグリコール)、シクロデカンなど従来公知の各種昇華
剤を用いることができる。本発明の錠剤は、これら各種
昇華性物質を主体とし、前記常温揮散性を有する液状防
殺虫剤や気化性防黴剤を含有させる他、ジャスミン、パ
インアップルオイル、L−カルボン、ソオイゲノール、
ベンズアルデヒド、ベンジルアセテート等各種香料及び
調合香料など、また、N,N−ジエチル−m−トルアミ
ド、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ
ブチル、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ミリ
スチン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、パルミチ
ン酸イソプロピル等の揮発性溶剤又は不揮発性溶剤など
を含有させることにより、常温揮散性を有する防虫薬剤
や防黴剤等が、包納容器の不織布又は紙等で構成されて
いる液状物質を容易に含浸保持可能な通気性材料へ遂次
少しずつ、徐々にスムーズに滲出、含浸されるように適
用し、常温揮散性を有する防虫薬剤や防黴剤等の揮散を
効率的に行えるようにせしめ、長期間に亘って防虫薬剤
や防黴剤を徐放的に揮散させ一定効力を発揮させる衣類
用防虫剤や防黴剤等として好適に用いることができる。
【0014】なお、前記薬剤を目的に応じて任意に配合
した薬液を昇華性物質に含有保持してなる本発明の錠剤
は、必要に応じて、例えば、2,6−ジブチル−3−メ
チルフェノール(BHT)、イソアスコルビン酸、イソ
アスコルビン酸ナトリウム、dl−α−トコフェノール
(ビタミンE)等の抗酸化剤、2−ヒドロキシ−4−メ
トキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤、また、着色剤
等を適宜配合する事により、防殺虫性薬剤の経時におけ
る分解をおさえ、長期間に亘って防虫効力を安定して発
揮せしめることができる。
【0015】本発明で用いる防殺虫性薬剤を含有した昇
華性物質の錠剤を収納する包納容器の大部分は、不織布
又は紙等の通気性材料から構成されるが、この材質は昇
華性物質の錠剤から滲出する防殺虫性薬剤を全て含浸、
拡散せしめ得る材質であれば全て使用可能であり、例え
ば、成形された紙容器(厚さ0.1〜4mm)、成形加
工が可能な不織布(厚さ0.1〜1mm、商品名「スマ
ッシュ」、旭化成工業(株)製)、成形加工された焼結
プラスチック(厚さ1〜5mm)、素焼き陶器(厚さ1
〜5mm)などが挙げられる。本発明の包納容器は、こ
のような通気性材料から通常の容器形態に作製できる。
なお、昇華性物質の錠剤を収納する容器のサイズは、一
般に口部は5〜80mmφ、高さは5〜50mm、また
容器の縁の巾は1〜40mm程度が適当であり、またこ
れら容器の口部、高さ及び容器の縁の巾を変えることに
より防殺虫性薬剤の揮散面積を任意に調整できる。
【0016】また、通常の容器形態の場合、常温揮散性
防虫薬剤を含有した昇華性物質の錠剤の薬効残存状態及
び終点が認知できるように、容器の口部又は側部窓部に
透明な樹脂製フィルムもしくは板状体等を溶着密封し、
容器内に収納した昇華性物質の錠剤が外から良く見える
様にする。容器の口部又は窓部を覆う透明樹脂製フィル
ムもしくは板状体等の蓋部の材質は、ポリプロピレン
(PP)、ポリエチレン(PE)、塩化ビニール、アク
リロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(AB
S)、4−メチルペンテン−1をベースとするポリオレ
フィン(商品名「TPX」、三井石油化学(株)製)、
また透明な多層フィルム、例えば、ポリプロピレンの多
層シート(商品名「マルチレイ」、出光石油化学(株)
製)、アクリロニトリル系可塑性樹脂を主体にした多層
シート(商品名「ゼクロン」、三井東圧化学(株)製)
等が挙げられる。また、容器の口部や開口窓部を、透明
な樹脂製フィルムもしくは板状体等に微細な多孔を開け
たもの、又は、1〜10mmφの孔を1乃至複数個開け
たもの、或いは、常温揮散性防虫薬剤が透過する透過性
フィルム、例えばポリオレフィン系のフィルムを積層し
たもの等で溶着密封して覆い、収納した錠剤から常温揮
散性防虫薬剤及び昇華性物質が容器全面から揮散するよ
うに構成することもできる。
【0017】本発明の衣類害虫用防虫剤に用いる容器の
形態は、上記のような通常の容器形態だけでなく、任意
の形態に作製することができる。幾つかの好適な形態
を、図面を参照して説明する。図1及び図2は、吊下げ
用の扁平な防虫剤容器形態を示し、図中、1は常温揮散
性防虫薬剤が昇華性物質の成形基材内に含有保持せしめ
られた錠剤、2は不織布又は紙等で構成された液状物質
を容易に含浸保持可能な通気性材料、3は箱状に成形さ
れた透明な樹脂製フィルムである。符号10は外カバー
容器であり、該外カバー容器10は基板部11と該基板
部11に開閉自在に装着されたカバー部12とからな
り、基板部11の上端には半環状の吊下げ部13が突設
されている。また、基板部11の内面には複数の筋状の
突部15が突設され、通気性材料2と基板部11との間
に間隙が形成されるようにされていると共に、複数の開
孔16が穿設されている。一方、カバー部12にも同様
に複数の開孔17が穿設されているが、カバー部12の
略中央部は開口され、該開口部の周縁は内側に折り曲げ
られて折曲部14が形成され、該折曲部14の内周面に
上記箱状に成形された樹脂製フィルム3の周縁部が固着
されている。錠剤1は、該箱状の樹脂製フィルム3と通
気性材料2とで形成される空間内に収容されている。揮
散に際しては、錠剤1中の昇華性物質が昇華消失するに
従って錠剤1表面に残存・滲出した常温揮散性防虫薬剤
の残存油状防虫薬剤は、上記通気性材料2へ遂次移行し
て含浸・拡散され、上記通気性材料2から外カバー容器
10の開孔16、17を通して揮散される。また、薬効
残存状態及び終点は、上記透明な樹脂製フィルム3を通
して上記錠剤1の昇華消失状態を観察することによって
容易に判定できる。
【0018】図3及び図4は、外カバー容器10aのカ
バー部12aがドーム状に成形され、かつ不織布又は紙
等で構成された液状物質を容易に含浸保持可能な通気性
材料2aが錠剤1aを収容するためにドーム状に成形さ
れている点において、図1及び図2に示す容器形態とは
異なる。すなわち、ドーム状に成形された通気性材料2
aの周縁部は、上端に吊下げ部13aを有する外カバー
容器10aの基板部11aに直に固着されており、錠剤
1aは、該ドーム状の通気性材料2aと基板部11aと
で形成される空間内に収容されている。また、ドーム状
のカバー部12aには斜めに複数のスリット状の開孔1
7aが穿設されている。揮散に際しては、錠剤1a中の
昇華性物質が昇華消失するに従って錠剤1a表面に残存
・滲出した常温揮散性防虫薬剤の残存油状防虫薬剤は、
上記通気性材料2aへ遂次移行して含浸・拡散され、上
記通気性材料2aから外カバー容器10aの開孔17a
を通して揮散される。また、薬効残存状態及び終点は、
上記外カバー容器10aの透明な基板部11aを通して
上記錠剤1aの昇華消失状態を観察することによって容
易に判定できる。
【0019】図5は、図3及び図4に示すドーム状の容
器形態とは異なり、扁平な円形容器状に成形された透明
なプラスチック製外カバー容器10bを用いた例を示
す。外カバー容器10bの凹陥状の側壁カバー部12b
には複数の開孔17bが穿設されており、その内面には
不織布で構成された通気性材料2bが貼着されている。
また、外カバー容器10bの他側部にも、その開口部を
覆うように同様に不織布で構成された通気性材料2cが
貼着されている。常温揮散性防虫薬剤が昇華性物質の成
形基材内に含有保持せしめられた錠剤1bは、上記両通
気性材料2b,2cの間に配置されている。なお、符号
13bは外カバー容器10bの上端縁から突設された吊
下げ部である。図5に示す容器形態においては、揮散に
際して、錠剤1b中の昇華性物質が昇華消失するに従っ
て錠剤1b表面に残存・滲出した常温揮散性防虫薬剤の
残存油状防虫薬剤は、その両側に配設された上記通気性
材料2b,2cへ遂次移行して含浸・拡散され、通気性
材料2cから直に揮散されると共に、上記通気性材料2
bから外カバー容器10bの開孔17bを通しても揮散
され、より広い揮散面を有する。また、薬効残存状態及
び終点は、透明な上記外カバー容器10bを通して上記
錠剤1bの昇華消失状態を観察することによって容易に
判定できる。
【0020】
【実施例】以下、実施例を示して本発明について具体的
に説明する。
【0021】実施例1 昇華性物質と防虫薬剤を組み合わせる際、溶剤等の使用
による有効性を次の試験方法で確認した。 (試験方法)サンサブリ15gに下記表1に示す処方に
て成形した錠剤を、面積60cm2(10×6cm)、
厚さ1.5mmのパルプ原紙の上に設置して得られた衣
料用防虫剤をラミネート加工したフィルムで包納し、4
0℃で保存する。1週間後に、サンサブリ15gに残存
している薬剤とパルプ原紙に移行している薬剤をガスク
ロマトグラフィーによって定量分析を行い、薬剤のパル
プ原紙への移行性を確認した。その結果を表2に示す。
【表1】
【0022】
【表2】 (試験結果)いずれの処方例の防虫薬剤も濃度は等しく
なっており、全て昇華基材中に存在した状態で試験を開
始した。表2に示す結果から明らかなように、試験終了
後の1週間後には、どの処方例においても防虫薬剤は含
浸体に移行していた。中でも溶剤や香料を用いたもの
は、これらを用いない処方例よりも移行量が多く、溶剤
などの使用によって防虫薬剤の移行促進効果が得られる
ことは明らかである。
【0023】実施例2 昇華性物質と防虫薬剤を組み合わせた表3に示す処方の
以下の薬剤について、通気性を有し液状物質を容易に含
浸保持する含浸体を用いて、揮散試験を行った。 (試験方法)サンサブリ15gにエムペントリン300
mgを含浸させた錠剤を、含浸体のパルプ原紙面積60
cm2 (6×10cm)、厚さ1.5mmを介して揮散
させるものを処方例4とした。同様にサンサブリ15g
にエムペントリン300mgを含浸させた錠剤を処方例
5とした。また、昇華剤を使用せず面積60cm2 (6
×10cm)、厚さ1.5mmのパルプ原紙にエムペン
トリン300mgを含浸させたものを処方例6とした。
約50リットルの容積の引出しに羊毛モスリン布をほぼ
一杯に収納し、その上部にそれぞれの処方例の衣料用防
虫剤を設置した。衣料用防虫剤を定期的に回収し、定量
した薬剤残存量と試料調製時の薬剤量から薬剤揮散量を
求めた。その結果を表4及び図6に示す。
【表3】
【0024】
【表4】 (試験結果)表4及び図6に示す結果から明らかなよう
に、昇華性物質と防虫薬剤を組み合わせた錠剤(処方例
5)の場合、昇華性物質が防虫薬剤より速く揮散し、防
虫薬剤が錠剤表面に滲出して少しずつ残存し、その残存
油状防虫薬剤は殆ど揮散しなかった。一方、含浸体とし
てパルプ原紙を使用した場合は、防虫薬剤の揮散が見ら
れる。しかし、パルプ原紙に初めから薬剤が存在する処
方例6の場合は、初期の揮散量が多く、経時的に揮散量
が減少しており、一定な薬剤揮散とは言えない。これに
対して、本発明に従って昇華剤とパルプ原紙の両方を使
用した処方例4の場合は、昇華剤の減少に伴い錠剤表面
に滲出した防虫薬剤がパルプ原紙に含浸拡散して供給さ
れるため、一定の薬剤揮散速度が達成された。
【0025】実施例3 昇華性物質を通気性を有する容器に収納し、揮散試験を
行った。 (試験方法)サンサブリ5gの錠剤を、下記表5に示す
形態の容器に収納し、35℃の条件下に放置した。錠剤
を定期的に回収し、その時測定した重量と試験開始時の
重量を比較した。試験結果を表6及び図7に示す。
【表5】
【0026】
【表6】 (試験結果)表6及び図7に示す結果から明らかなよう
に、通気性の容器を用いることで錠剤昇華速度が遅くな
るが、使用初期の急激な昇華は抑制され、ほぼ一定の昇
華速度となった。また、容器の蓋部に微細孔を設けたシ
ートを用いた処方例8は微細孔の無いシートを用いた処
方例9よりも揮散が速く、揮散孔を有する外カバーを設
けた処方例10は外カバーの無い処方例9よりも揮散が
遅い。蓋部や外カバーの形状及び開孔度を加減調整する
ことで錠剤の揮散調節が可能となる。
【0027】実施例4 昇華性物質と防虫薬剤を組み合わせた表7に示す薬剤に
ついて、通気性を有し液状物質を容易に含浸保持する含
浸体に防虫薬剤を塗布した場合の薬剤の揮散量に関する
揮散試験を行った。 (試験方法)昇華性物質、含浸体にそれぞれ表7に示す
処方に従って防虫薬剤を含浸させ、含浸体上に昇華剤の
錠剤を設置する。約50リットルの容積の引出しに羊毛
モスリン布をほぼ一杯に収納し、その上部にそれぞれの
処方例の衣料用防虫剤を設置した。衣料用防虫剤を定期
的に回収し、ガスクロマトグラフィーにより定量した薬
剤残存量と試料調製時の薬剤量から薬剤揮散量を求め
た。結果を表8及び図8に示す。
【表7】
【0028】
【表8】 (試験結果)表8及び図8に示す結果から明らかなよう
に、含浸体に防虫薬剤を塗布した処方例12及び13の
場合、防虫薬剤を塗布していない処方例11と比較する
と初期の揮散量が多い。したがって、含浸体への薬剤塗
布は、使用後半に一定な揮散で初期には多量な薬剤揮散
が必要な場合に有効である。
【0029】
【発明の効果】以上のように、本発明の衣類害虫用防虫
剤によれば、常温揮散性防虫薬剤と該常温揮散性防虫薬
剤を含有保持する無臭性もしくは微臭性の昇華性物質と
を組み合わせた錠剤を、一部が透明な樹脂製フィルムも
しくは板状体からなり、他の部分が不織布又は紙等で構
成された液状物質を容易に含浸保持可能な通気性材料か
らなる包納容器内に収納したものであるため、揮散に際
して、常温揮散性防虫薬剤が昇華性物質の揮散と共に錠
剤表面に滲出して少しずつ残存し、その残存油状防虫薬
剤が容器の通気性材料へ遂次含浸・拡散されて、より広
い揮散面積で常温揮散性防虫薬剤をスムーズに揮散し、
長期間に亘り所定の防虫効力が保たれるように徐放せし
めることができると共に、容器の一部を構成する透明な
樹脂製フィルムもしくは板状体を通して上記昇華性物質
の昇華消失状態を目視することによって、薬効残存状態
及び終点を明瞭に認知することができる。
【0030】また、前記樹脂製フィルムもしくは板状体
は、微細な孔を多数開けたり、あるいは通気性の樹脂フ
ィルムを用い、通気性とすることによって、収納した錠
剤から常温揮散性防虫薬剤及び昇華性物質が包納容器全
面から揮散せしめることができる。また、前記錠剤を収
納している包納容器の通気性材料を覆うように、1乃至
複数の開孔部を有する外カバー容器を設けることによっ
て、衣類の汚染を防止できると共に、外カバーの形状を
加減調整することで錠剤の揮散調節が可能となる。更
に、前記錠剤は、常温揮散性防虫薬剤及び昇華性物質の
他に、揮発性溶剤又は不揮発性溶剤や香料その他の常温
揮散性薬剤を含有することによって、常温揮散性防虫薬
剤の通気性材料への移行促進効果が得られ、また、常温
揮散性防虫薬剤のみの原液、又は必要に応じて他の成分
を任意に混合した混合原液を、1製剤に使用される全使
用量の1%〜50%を通気性材料に含浸保持させ、残り
の原液は昇華性物質の錠剤内に含浸保持させることによ
って、使用開始の初期防虫効果が高められるなどの効果
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の衣類害虫用防虫剤の容器形態の一例を
示す正面図である。
【図2】図1に示す防虫剤容器の縦断面図である。
【図3】本発明の衣類害虫用防虫剤の容器形態の他の例
を示す正面図である。
【図4】図3に示す防虫剤容器の縦断面図である。
【図5】本発明の衣類害虫用防虫剤の容器形態のさらに
別の例を示す縦断面図である。
【図6】実施例2において作成した種々の形態の衣類害
虫用防虫剤の薬剤残存率と経過期間との関係を示すグラ
フである。
【図7】昇華性物質からなる錠剤の昇華に伴う残存量と
経過期間との関係(重量変化)を示すグラフである。
【図8】実施例4において作成した種々の形態の衣類害
虫用防虫剤の薬剤残存率と経過期間との関係を示すグラ
フである。
【符号の説明】
1,1a,1b 錠剤、 2,2a,2b,2c 通気
性材料、 3 樹脂製フィルム、 10,10a,10
b 外カバー容器、 11,11a 基板部、12,1
2a,12b カバー部、 13,13a,13b 吊
下げ部、 14 折曲部、 15 突部、 16,1
7,17a,17b 開孔
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年2月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、衣類害虫用防虫剤に関
し、更に詳しくは、常温揮散性防虫薬剤を一定期間安定
して徐放的に揮散させることが出来ると共に、薬効残存
状態及び終点が明確に判別できるようにした衣類害虫用
防虫剤に関する。
【0002】
【従来の技術】衣類用防虫剤としては、従来、パラジク
ロルベンゼン、ナフタリン、樟脳等の昇華性固体防虫薬
剤が用いられてきた。これらはそれ自身常温常圧下で徐
々に昇華するため、顆粒、錠剤、ボール状の剤型におい
てその大きさ及び消失状態で薬剤残存状態及びその終点
を認知することができる。しかしながら、これらの固体
防虫薬剤は、パラジクロルベンゼン、ナフタリンにあっ
ては独特の刺激臭と安全性(毒性)の点で、一方、樟脳
については殺虫効力が低い点で問題があった。また、上
記防虫薬剤は衣類が防虫薬剤臭くなったり、皮膚、目等
に刺激がある等の問題があった。
【0003】このような問題を解決するものとして、近
年、無臭で、しかも微量で効力を有する常温揮散性の液
状の防虫薬剤、特にピレスロイド系殺虫剤であるエムペ
ントリンが注目され、これを使用した商品が多数出廻っ
ている。例えば、異臭がなく安全性の高いエムペントリ
ンをパルプ製原紙に含浸させた防虫マットを、PE又は
PPでラミネート加工した紙又は不織布の内装紙に包納
する方法が特公昭60−161908号に、また、昇華
性防虫薬剤の錠剤と常温揮散性防虫薬剤を含浸させたシ
ートとを通気性の包材とガスバリヤー性包材で包被する
方法が特公昭62−72601号に、あるいは、常温揮
散性防虫薬剤が昇華性物質の成形基材内に含有せしめら
れてなる構成を特徴とする防虫方法が特公昭61−83
102号に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記エムペントリンに
代表される、異臭がなく、安全性が高く、害虫に対する
殺虫力が大きいピレスロイド系殺虫剤の常温揮散性防虫
薬剤をパルプ製原紙に含浸させた防虫マットを、ラミネ
ート加工した紙又は不織布の内装紙に包納し、又は通気
性を有するシートで包被すると、薬剤の蒸気が通気性を
有するフィルムを透過していく必要があるために、薬剤
自身の揮散性がかなり高くないと効果が低く、防殺虫薬
剤のように比較的揮散しにくい薬剤の場合、必要な揮散
量が確保できないという問題がある。一方、常温揮散性
防虫薬剤が昇華性物質の成形基材内に含有せしめられて
なる構成の錠剤は、揮散表面積が小さく、揮散性がおち
るという難点がある。更に、昇華性物質が昇華消失する
に従って、含有している常温揮散性防虫薬剤の揮散が遅
いため順次表面上に露出して油状物が溜まり、衣服を汚
染するという問題がある。また、前記昇華性固体防虫薬
剤は防虫薬剤自身が昇華消失することによって終点を明
確に表示できるのに比較して、前記エムペントリン等の
常温揮散性防虫薬剤の液状薬剤はその性状から一般に含
浸体に含浸保持された剤型として使用されるので、効力
終点時においても紙又はプラスチック等の含浸体がその
ままの形状で残り、外観的には何ら変化を起こさず、使
用の終点を明確に認知することができないという問題が
ある。
【0005】従って、本発明の目的は、上記のような欠
点をなくし、常温揮散性防虫薬剤をその使用目的に応じ
て一定期間安定して徐放的に揮散させることが出来ると
共に、薬効残存状態及び薬剤揮散完了後に終点が明確に
判別できる衣類害虫用防虫剤を提供することにある。更
に本発明のより特定的な目的は、常温揮散性防虫薬剤と
昇華性物質とを組み合わせた錠剤を収納し、揮散に際し
て、常温揮散性防虫薬剤が昇華性物質の揮散と共に錠剤
表面に滲出して少しずつ残存し、その残存油状防虫薬剤
が容器の通気性材料へ遂次含浸・拡散されて、より広い
揮散面積で常温揮散性防虫薬剤をスムーズに揮散して長
期間に亘り所定の防虫効力が保たれるように徐放せしめ
ると共に、容器の一部を構成する透明な樹脂製フィルム
もしくは板状体を通して上記昇華性物質の昇華消失状態
を目視することによって薬効残存状態及び終点が認知で
きるようにした衣類害虫用防虫剤を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、前記目
的を達成するため、常温揮散性防虫薬剤と該常温揮散性
防虫薬剤を含有保持する無臭性もしくは微臭性の昇華性
物質とを組み合わせた錠剤を、一部が透明な樹脂製フィ
ルムもしくは板状体からなり、他の部分が不織布又は紙
等で構成された液状物質を容易に含浸保持可能な通気性
材料からなる包納容器内に収納し、揮散に際して、錠剤
から昇華性物質が揮散する前から既に通気性材料に移行
していた常温揮散性防虫薬剤、及び昇華性物質の揮散と
共に錠剤表面に滲出して少しずつ残存し、その残存油状
防虫薬剤が上記通気性材料へ遂次含浸・拡散された常温
揮散性防虫薬剤と、昇華性物質とを、上記通気性材料を
介して揮散せしめると共に、上記透明な樹脂製フィルム
もしくは板状体を通して上記昇華性物質の昇華消失状態
を目視することによって薬効残存状態及び終点が認知で
きるようにしたことを特徴とする衣類害虫用防虫剤が提
供される。
【0007】好適な態様によれば、前記樹脂製フィルム
もしくは板状体は、微細な孔を多数開けたり、あるいは
通気性の樹脂フィルムを用いることによって、通気が可
能となり、また、前記錠剤を収納している包納容器の通
気性材料を覆うように、1乃至複数の開孔部を有する外
カバー容器を設ける。前記錠剤は、常温揮散性防虫薬剤
及び昇華性物質の他に、揮発性溶剤又は不揮発性溶剤、
気化性防黴剤、抗酸化剤、安定剤、結着剤、香料その他
の薬剤を含有することができ、また好ましくは、常温揮
散性防虫薬剤のみの原液、又は必要に応じて他の成分を
任意に混合した混合原液を、1製剤に使用される全使用
量の1%〜50%を通気性材料に含浸保持させ、残りの
原液は昇華性物質の錠剤内に含浸保持させることもでき
る。
【0008】
【発明の作用及び態様】本発明の衣類害虫用防虫剤は、
常温揮散性防虫薬剤の単剤、常温揮散性防虫薬剤と香
料、常温揮散性防虫薬剤と揮発性溶剤又は不揮発性溶剤
を混入した2薬剤混合液、あるいは目的に応じて任意に
数種類の他の揮散性薬剤が混在している薬剤原液等が昇
華性物質の成形基材内に含有された錠剤を、一部が透明
で中の状態がよく見えるように樹脂製フィルムもしくは
板状体等から構成され、他の部分が不織布又は紙等の液
状物質を容易に含浸保持可能な通気性材料から構成され
た包納容器内に収納し、上記錠剤中の常温揮散性防虫薬
剤や昇華性物質等の揮散性薬剤を包納容器の通気性材料
を介して揮散せしめるものである。したがって、揮散に
際して、まず使用開始時には錠剤から昇華性物質が揮散
する前から既に通気性材料に移行していた常温揮散性防
虫薬剤が揮散し、使用開始初期から所定の防虫効果が得
られる。また、使用時においては、昇華性物質が常温揮
散性防虫薬剤より速く揮散し、昇華性物質が昇華消失す
るに従って、錠剤中に含有されている常温揮散性防虫薬
剤や他の含有成分が順次錠剤表面上に滲出露出し、その
残存油状防虫薬剤がすぐに包納容器の不織布又は紙等の
液状物質を容易に含浸保持可能な通気性材料へ遂次含浸
され、常に少しずつ常温揮散性防虫薬剤が通気性材料へ
補給され、通気性材料全面に拡散される。その結果、常
温揮散性防虫薬剤の揮散面積が広くなり、防虫薬剤がス
ムーズに揮散して長期間に亘り一定の防虫効力が保たれ
るように徐放せしめることができる。また、錠剤を収納
する包納容器の一部が透明な樹脂製フィルムもしくは板
状体からなるため、該透明な樹脂製フィルムもしくは板
状体を通して上記昇華性物質の昇華消失状態を目視する
ことによって、薬効残存状態及び終点を明瞭に認知する
ことができる。
【0009】前記したように、常温揮散性防虫薬剤をパ
ルプ製原紙に含浸させた防虫マットをラミネート加工し
た紙又は不織布の内装紙に包納し、又は、通気性を有す
るシートで包被すると、薬剤の蒸気が通気性を有するフ
ィルムを透過していく必要があるために、薬剤自身の揮
散性がかなり高くないと揮散効率が悪くなる。したがっ
て、防殺虫薬剤のように比較的揮散しにくい薬剤の場
合、必要な揮散量が確保できない。また、常温揮散性防
虫薬剤が昇華性物質の成形基材内に含有せしめられてな
る構成の錠剤は揮散表面積が小さく、且つ、昇華性物質
が昇華消失するに従って、含有されている常温揮散性防
虫薬剤の揮散が遅いため順次表面上に滲出露出して、少
しずつ錠剤の表面に残存する。その結果、残存油状防虫
薬剤が錠剤表面に溜まり、揮散効率が悪くなる。更に、
残存油状防虫薬剤により衣服の汚染が生じる。
【0010】これに対して、本発明のように、常温揮散
性防虫薬剤や他の常温揮散性薬剤原液等が昇華性物質の
成形基材内に含有された錠剤を収納する包納容器の大部
分を、不織布又は紙等の液状物質を容易に含浸保持可能
な通気性材料から構成することにより、昇華性物質が昇
華消失するに従って錠剤中に含有されている常温揮散性
防虫薬剤や他の含有成分が順次錠剤表面上に滲出露出し
ても、その残存油状防虫薬剤はすぐに包納容器の不織布
又は紙等の液状物質を容易に含浸保持可能な通気性材料
へ遂次含浸され、常に少しずつ常温揮散性防虫薬剤が通
気性材料へ補給され、通気性材料全面に拡散される。し
たがって、常温揮散性防虫薬剤の揮散面積が広くなり、
揮散効率が高くなると共に必要な揮散量を充分に確保で
き、防虫薬剤がスムーズに揮散して長期間に亘り一定の
防虫効力が保たれるように徐放せしめることができる。
また、前記錠剤を収納している包納容器の通気性材料に
含浸された油状防虫薬剤は通気性材料全面に拡散され、
速やかに揮散されるため、衣服を汚染する恐れは少ない
が、上記通気性材料を覆うように、1乃至複数の開孔部
を有する外カバー容器を設けることにより、衣服の汚染
を完全に防止することができる。
【0011】また、前記錠剤に、常温揮散性防虫薬剤及
び昇華性物質の他に、揮発性溶剤又は不揮発性溶剤や香
料等を含有させることにより、常温揮散性防虫薬剤の通
気性材料への移行促進効果が得られ、また気化性防黴剤
その他の薬剤を含有させることにより、使用薬剤に応じ
た他の効果も得られる。さらに、常温揮散性防虫薬剤の
みの原液、又は必要に応じて他の成分を任意に混合した
混合原液を、1製剤に使用される全使用量の1%〜50
%を通気性材料に含浸保持させ、残りの原液は昇華性物
質の錠剤内に含浸保持させることにより、使用開始時の
初期防虫効果を高めることができる。
【0012】本発明の錠剤には、常温揮散性を有する液
状防殺虫剤や気化性防黴剤が含有保持される。液状防殺
虫剤としては、例えば(R,S)−1−エチニル−2−
メチルペント−2−エニル(1R)−シス、トランスク
リサンテマート(以下、エムペントリンという)、1−
エチニル−2−メチル−2−ペンテニル−2,2−ジメ
チル−3−(2′,2′−ジクロルビニル)−シクロプ
ロパン−1−カルボキシレート、1−エチニル−2−メ
チル−2−ペンテニル−2,2,3,3−テトラメチル
シクロプロパンカルボキシレート、3−アリル−2−メ
チルシクロペント−2−エン−4−オン−1−イル−
2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキ
シレート(以下、テトラメスリンという)、5−(2−
プロパルギル)−3−フリルメチルクリサンテマート
(一般名フラメトリン)、(+)1R・トランス−2,
2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)−ジク
ロロプロパンカルボン酸2,3,5,6−テトラフルオ
ロベンジル(以下、ベンフルスリンという)等のピレス
ロイド系殺虫剤、ジクロルボス等の常温揮散性殺虫剤、
フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチ
ル、フマル酸ジエチル、N,N−ジエチル−m−トルア
ミド等の防虫・忌避剤、安息香酸エチル、サフロール、
イソサフロール、オイゲノール、シトロネロール、アネ
トール、L−カルボン等の防虫香料、ケイ皮アルデヒ
ド、ベンズアルデヒド等の防虫・防黴剤、その他昇華性
の防虫薬剤などが挙げられ、上記防殺虫性薬剤を単独で
あるいは2種以上組み合わせて使用することができる。
また、気化性防黴剤としては、α−ブロムシンナムアル
デヒド(BCA)、2−イソプロピル−5−メチルフェ
ノール(チモール)などが挙げられる。
【0013】前記常温揮散性を有する液状防殺虫剤や気
化性防黴剤を含有保持させるための昇華性物質として
は、2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリ
オキサン(商品名「サンサブリ」、小川香料(株)
製)、トリシクロドデカン(商品名「アイサワーD」、
出光石油化学(株)製)、アダマンタン、2−ヒドロキ
シカンファー(慣用名:ボルネオール)、2,2−ジメ
チル−1,3−プロパンジオール(慣用名:ネオペンチ
ルグリコール)、シクロデカンなど従来公知の各種昇華
剤を用いることができる。本発明の錠剤は、これら各種
昇華性物質を主体とし、前記常温揮散性を有する液状防
殺虫剤や気化性防黴剤を含有させる他、ジャスミン、パ
インアップルオイル、L−カルボン、ソオイゲノール、
ベンズアルデヒド、ベンジルアセテート等各種香料及び
調合香料など、また、N,N−ジエチル−m−トルアミ
ド、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ
ブチル、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ミリ
スチン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、パルミチ
ン酸イソプロピル等の揮発性溶剤又は不揮発性溶剤など
を含有させることにより、常温揮散性を有する防虫薬剤
や防黴剤等が、包納容器の不織布又は紙等で構成されて
いる液状物質を容易に含浸保持可能な通気性材料へ遂次
少しずつ、徐々にスムーズに滲出、含浸されるように適
用し、常温揮散性を有する防虫薬剤や防黴剤等の揮散を
効率的に行えるようにせしめ、長期間に亘って防虫薬剤
や防黴剤を徐放的に揮散させ一定効力を発揮させる衣類
用防虫剤や防黴剤等として好適に用いることができる。
【0014】なお、前記薬剤を目的に応じて任意に配合
した薬液を昇華性物質に含有保持してなる本発明の錠剤
は、必要に応じて、例えば、2,6−ジブチル−3−メ
チルフェノール(BHT)、イソアスコルビン酸、イソ
アスコルビン酸ナトリウム、dl−α−トコフェノール
(ビタミンE)等の抗酸化剤、2−ヒドロキシ−4−メ
トキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤、また、着色剤
等を適宜配合する事により、防殺虫性薬剤の経時におけ
る分解をおさえ、長期間に亘って防虫効力を安定して発
揮せしめることができる。
【0015】本発明で用いる防殺虫性薬剤を含有した昇
華性物質の錠剤を収納する包納容器の大部分は、不織布
又は紙等の通気性材料から構成されるが、この材質は昇
華性物質の錠剤から滲出する防殺虫性薬剤を全て含浸、
拡散せしめ得る材質であれば全て使用可能であり、例え
ば、成形された紙容器(厚さ0.1〜4mm)、成形加
工が可能な不織布(厚さ0.1〜1mm、商品名「スマ
ッシュ」、旭化成工業(株)製)、成形加工された焼結
プラスチック(厚さ1〜5mm)、素焼き陶器(厚さ1
〜5mm)などが挙げられる。本発明の包納容器は、こ
のような通気性材料から通常の容器形態に作製できる。
なお、昇華性物質の錠剤を収納する容器のサイズは、一
般に口部は5〜80mmφ、高さは5〜50mm、また
容器の縁の巾は1〜40mm程度が適当であり、またこ
れら容器の口部、高さ及び容器の縁の巾を変えることに
より防殺虫性薬剤の揮散面積を任意に調整できる。
【0016】また、通常の容器形態の場合、常温揮散性
防虫薬剤を含有した昇華性物質の錠剤の薬効残存状態及
び終点が認知できるように、容器の口部又は側部窓部に
透明な樹脂製フィルムもしくは板状体等を溶着密封し、
容器内に収納した昇華性物質の錠剤が外から良く見える
様にする。容器の口部又は窓部を覆う透明樹脂製フィル
ムもしくは板状体等の蓋部の材質は、ポリプロピレン
(PP)、ポリエチレン(PE)、塩化ビニール、アク
リロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(AB
S)、4−メチルペンテン−1をベースとするポリオレ
フィン(商品名「TPX」、三井石油化学(株)製)、
また透明な多層フィルム、例えば、ポリプロピレンの多
層シート(商品名「マルチレイ」、出光石油化学(株)
製)、アクリロニトリル系可塑性樹脂を主体にした多層
シート(商品名「ゼクロン」、三井東圧化学(株)製)
等が挙げられる。また、容器の口部や開口窓部を、透明
な樹脂製フィルムもしくは板状体等に微細な多孔を開け
たもの、又は、1〜10mmφの孔を1乃至複数個開け
たもの、或いは、常温揮散性防虫薬剤が透過する透過性
フィルム、例えばポリオレフィン系のフィルムを積層し
たもの等で溶着密封して覆い、収納した錠剤から常温揮
散性防虫薬剤及び昇華性物質が容器全面から揮散するよ
うに構成することもできる。
【0017】本発明の衣類害虫用防虫剤に用いる容器の
形態は、上記のような通常の容器形態だけでなく、任意
の形態に作製することができる。幾つかの好適な形態
を、図面を参照して説明する。図1及び図2は、吊下げ
用の扁平な防虫剤容器形態を示し、図中、1は常温揮散
性防虫薬剤が昇華性物質の成形基材内に含有保持せしめ
られた錠剤、2は不織布又は紙等で構成された液状物質
を容易に含浸保持可能な通気性材料、3は箱状に成形さ
れた透明な樹脂製フィルムである。符号10は外カバー
容器であり、該外カバー容器10は基板部11と該基板
部11に開閉自在に装着されたカバー部12とからな
り、基板部11の上端には半環状の吊下げ部13が突設
されている。また、基板部11の内面には複数の筋状の
突部15が突設され、通気性材料2と基板部11との間
に間隙が形成されるようにされていると共に、複数の開
孔16が穿設されている。一方、カバー部12にも同様
に複数の開孔17が穿設されているが、カバー部12の
略中央部は開口され、該開口部の周縁は内側に折り曲げ
られて折曲部14が形成され、該折曲部14の内周面に
上記箱状に成形された樹脂製フィルム3の周縁部が固着
されている。錠剤1は、該箱状の樹脂製フィルム3と通
気性材料2とで形成される空間内に収容されている。揮
散に際しては、錠剤1中の昇華性物質が昇華消失するに
従って錠剤1表面に残存・滲出した常温揮散性防虫薬剤
の残存油状防虫薬剤は、上記通気性材料2へ遂次移行し
て含浸・拡散され、上記通気性材料2から外カバー容器
10の開孔16、17を通して揮散される。また、薬効
残存状態及び終点は、上記透明な樹脂製フィルム3を通
して上記錠剤1の昇華消失状態を観察することによって
容易に判定できる。
【0018】図3及び図4は、外カバー容器10aのカ
バー部12aがドーム状に成形され、かつ不織布又は紙
等で構成された液状物質を容易に含浸保持可能な通気性
材料2aが錠剤1aを収容するためにドーム状に成形さ
れている点において、図1及び図2に示す容器形態とは
異なる。すなわち、ドーム状に成形された通気性材料2
aの周縁部は、上端に吊下げ部13aを有する外カバー
容器10aの基板部11aに直に固着されており、錠剤
1aは、該ドーム状の通気性材料2aと基板部11aと
で形成される空間内に収容されている。また、ドーム状
のカバー部12aには斜めに複数のスリット状の開孔1
7aが穿設されている。揮散に際しては、錠剤1a中の
昇華性物質が昇華消失するに従って錠剤1a表面に残存
・滲出した常温揮散性防虫薬剤の残存油状防虫薬剤は、
上記通気性材料2aへ遂次移行して含浸・拡散され、上
記通気性材料2aから外カバー容器10aの開孔17a
を通して揮散される。また、薬効残存状態及び終点は、
上記外カバー容器10aの透明な基板部11aを通して
上記錠剤1aの昇華消失状態を観察することによって容
易に判定できる。
【0019】図5は、図3及び図4に示すドーム状の容
器形態とは異なり、扁平な円形容器状に成形された透明
なプラスチック製外カバー容器10bを用いた例を示
す。外カバー容器10bの凹陥状の側壁カバー部12b
には複数の開孔17bが穿設されており、その内面には
不織布で構成された通気性材料2bが貼着されている。
また、外カバー容器10bの他側部にも、その開口部を
覆うように同様に不織布で構成された通気性材料2cが
貼着されている。常温揮散性防虫薬剤が昇華性物質の成
形基材内に含有保持せしめられた錠剤1bは、上記両通
気性材料2b,2cの間に配置されている。なお、符号
13bは外カバー容器10bの上端縁から突設された吊
下げ部である。図5に示す容器形態においては、揮散に
際して、錠剤1b中の昇華性物質が昇華消失するに従っ
て錠剤1b表面に残存・滲出した常温揮散性防虫薬剤の
残存油状防虫薬剤は、その両側に配設された上記通気性
材料2b,2cへ遂次移行して含浸・拡散され、通気性
材料2cから直に揮散されると共に、上記通気性材料2
bから外カバー容器10bの開孔17bを通しても揮散
され、より広い揮散面を有する。また、薬効残存状態及
び終点は、透明な上記外カバー容器10bを通して上記
錠剤1bの昇華消失状態を観察することによって容易に
判定できる。
【0020】図6及び図7はドーム状の他の防虫剤容器
の形態を示し、不織布又は紙等で構成された液状物質を
容易に含浸保持可能な通気性材料2dは漏斗状に形成さ
れている。一方、透明なプラスチック製のカバー容器1
0cは略半球状の中空体に形成されており、その周壁に
は図示のような種々の形状の複数の開孔17c,17
d,17eが穿設されており、またその開口端部近傍の
内面には対向する一対の爪部18,18が突設されてい
る。符号1cは、常温揮散性防虫薬剤が昇華性物質の基
材内に含有保持せしめられ、略楕円球状に成形された錠
剤である。組込みに際しては、まず複数の錠剤1cをカ
バー容器10c内に入れ、次いで漏斗状の通気性材料2
dをその円錐頂部がカバー容器10c内に配されるよう
に挿入し、その周縁部をカバー容器内面に形成された爪
部18にスナップ嵌めし、図7に示すように組み立て
る。図7に示す容器形態においては、揮散に際して、錠
剤1c中の昇華性物質が昇華消失するに従って、錠剤1
c表面に残存・滲出した常温揮散性防虫薬剤の残存油状
防虫薬剤は、カバー容器10c内に配設された上記通気
性材料2dへ遂次移行して含浸・拡散され、通気性材料
2dから直に揮散されると共に、上記通気性材料2dか
らカバー容器10cの開孔17d,17eを通しても揮
散され、より広い揮散面を有する。また、薬効残存状態
及び終点は、透明な上記カバー容器10cを通して上記
錠剤1cの昇華消失状態を観察することによって容易に
判定できる。さらに、上記防虫剤容器は、通常は図7に
示す状態で配置・使用され、錠剤1cが常に通気性材料
2dに接触した状態にあるが、ひっくり返った場合に
も、漏斗状の通気性材料2dの円錐頂部が下に位置する
ようになり、該円錐頂部とカバー容器10cの間隙部に
錠剤1cが移動するため、常に錠剤1cが通気性材料2
dに接触した状態が保たれ、逐次薬剤が通気性材料2d
に移行して含浸・拡散される。
0021
【実施例】以下、実施例を示して本発明について具体的
に説明する。
0022】実施例1 昇華性物質と防虫薬剤を組み合わせる際、溶剤等の使用
による有効性を次の試験方法で確認した。 (試験方法)サンサブリ15gに下記表1に示す処方に
て成形した錠剤を、面積60cm2(10×6cm)、
厚さ1.5mmのパルプ原紙の上に設置して得られた衣
料用防虫剤をラミネート加工したフィルムで包納し、4
0℃で保存する。1週間後に、サンサブリ15gに残存
している薬剤とパルプ原紙に移行している薬剤をガスク
ロマトグラフィーによって定量分析を行い、薬剤のパル
プ原紙への移行性を確認した。その結果を表2に示す。
【表1】
0023
【表2】 (試験結果)いずれの処方例の防虫薬剤も濃度は等しく
なっており、全て昇華基材中に存在した状態で試験を開
始した。表2に示す結果から明らかなように、試験終了
後の1週間後には、どの処方例においても防虫薬剤は含
浸体に移行していた。中でも溶剤や香料を用いたもの
は、これらを用いない処方例よりも移行量が多く、溶剤
などの使用によって防虫薬剤の移行促進効果が得られる
ことは明らかである。
0024】実施例2 昇華性物質と防虫薬剤を組み合わせた表3に示す処方の
以下の薬剤について、通気性を有し液状物質を容易に含
浸保持する含浸体を用いて、揮散試験を行った。 (試験方法)サンサブリ15gにエムペントリン300
mgを含浸させた錠剤を、含浸体のパルプ原紙面積60
cm2 (6×10cm)、厚さ1.5mmを介して揮散
させるものを処方例4とした。同様にサンサブリ15g
にエムペントリン300mgを含浸させた錠剤を処方例
5とした。また、昇華剤を使用せず面積60cm2 (6
×10cm)、厚さ1.5mmのパルプ原紙にエムペン
トリン300mgを含浸させたものを処方例6とした。
約50リットルの容積の引出しに羊毛モスリン布をほぼ
一杯に収納し、その上部にそれぞれの処方例の衣料用防
虫剤を設置した。衣料用防虫剤を定期的に回収し、定量
した薬剤残存量と試料調製時の薬剤量から薬剤揮散量を
求めた。その結果を表4及び図に示す。
【表3】
0025
【表4】 (試験結果)表4及び図に示す結果から明らかなよう
に、昇華性物質と防虫薬剤を組み合わせた錠剤(処方例
5)の場合、昇華性物質が防虫薬剤より速く揮散し、防
虫薬剤が錠剤表面に滲出して少しずつ残存し、その残存
油状防虫薬剤は殆ど揮散しなかった。一方、含浸体とし
てパルプ原紙を使用した場合は、防虫薬剤の揮散が見ら
れる。しかし、パルプ原紙に初めから薬剤が存在する処
方例6の場合は、初期の揮散量が多く、経時的に揮散量
が減少しており、一定な薬剤揮散とは言えない。これに
対して、本発明に従って昇華剤とパルプ原紙の両方を使
用した処方例4の場合は、昇華剤の減少に伴い錠剤表面
に滲出した防虫薬剤がパルプ原紙に含浸拡散して供給さ
れるため、一定の薬剤揮散速度が達成された。
0026】実施例3 昇華性物質を通気性を有する容器に収納し、揮散試験を
行った。 (試験方法)サンサブリ5gの錠剤を、下記表5に示す
形態の容器に収納し、35℃の条件下に放置した。錠剤
を定期的に回収し、その時測定した重量と試験開始時の
重量を比較した。試験結果を表6及び図に示す。
【表5】
0027
【表6】 (試験結果)表6及び図に示す結果から明らかなよう
に、通気性の容器を用いることで錠剤昇華速度が遅くな
るが、使用初期の急激な昇華は抑制され、ほぼ一定の昇
華速度となった。また、容器の蓋部に微細孔を設けたシ
ートを用いた処方例8は微細孔の無いシートを用いた処
方例9よりも揮散が速く、揮散孔を有する外カバーを設
けた処方例10は外カバーの無い処方例9よりも揮散が
遅い。蓋部や外カバーの形状及び開孔度を加減調整する
ことで錠剤の揮散調節が可能となる。
0028】実施例4 昇華性物質と防虫薬剤を組み合わせた表7に示す薬剤に
ついて、通気性を有し液状物質を容易に含浸保持する含
浸体に防虫薬剤を塗布した場合の薬剤の揮散量に関する
揮散試験を行った。 (試験方法)昇華性物質、含浸体にそれぞれ表7に示す
処方に従って防虫薬剤を含浸させ、含浸体上に昇華剤の
錠剤を設置する。約50リットルの容積の引出しに羊毛
モスリン布をほぼ一杯に収納し、その上部にそれぞれの
処方例の衣料用防虫剤を設置した。衣料用防虫剤を定期
的に回収し、ガスクロマトグラフィーにより定量した薬
剤残存量と試料調製時の薬剤量から薬剤揮散量を求め
た。結果を表8及び図10に示す。
【表7】
0029
【表8】 (試験結果)表8及び図10に示す結果から明らかなよ
うに、含浸体に防虫薬剤を塗布した処方例12及び13
の場合、防虫薬剤を塗布していない処方例11と比較す
ると初期の揮散量が多い。したがって、含浸体への薬剤
塗布は、使用後半に一定な揮散で初期には多量な薬剤揮
散が必要な場合に有効である。
0030
【発明の効果】以上のように、本発明の衣類害虫用防虫
剤によれば、常温揮散性防虫薬剤と該常温揮散性防虫薬
剤を含有保持する無臭性もしくは微臭性の昇華性物質と
を組み合わせた錠剤を、一部が透明な樹脂製フィルムも
しくは板状体からなり、他の部分が不織布又は紙等で構
成された液状物質を容易に含浸保持可能な通気性材料か
らなる包納容器内に収納したものであるため、揮散に際
して、常温揮散性防虫薬剤が昇華性物質の揮散と共に錠
剤表面に滲出して少しずつ残存し、その残存油状防虫薬
剤が容器の通気性材料へ遂次含浸・拡散されて、より広
い揮散面積で常温揮散性防虫薬剤をスムーズに揮散し、
長期間に亘り所定の防虫効力が保たれるように徐放せし
めることができると共に、容器の一部を構成する透明な
樹脂製フィルムもしくは板状体を通して上記昇華性物質
の昇華消失状態を目視することによって、薬効残存状態
及び終点を明瞭に認知することができる。
0031】また、前記樹脂製フィルムもしくは板状体
は、微細な孔を多数開けたり、あるいは通気性の樹脂フ
ィルムを用い、通気性とすることによって、収納した錠
剤から常温揮散性防虫薬剤及び昇華性物質が包納容器全
面から揮散せしめることができる。また、前記錠剤を収
納している包納容器の通気性材料を覆うように、1乃至
複数の開孔部を有する外カバー容器を設けることによっ
て、衣類の汚染を防止できると共に、外カバーの形状を
加減調整することで錠剤の揮散調節が可能となる。更
に、前記錠剤は、常温揮散性防虫薬剤及び昇華性物質の
他に、揮発性溶剤又は不揮発性溶剤や香料その他の常温
揮散性薬剤を含有することによって、常温揮散性防虫薬
剤の通気性材料への移行促進効果が得られ、また、常温
揮散性防虫薬剤のみの原液、又は必要に応じて他の成分
を任意に混合した混合原液を、1製剤に使用される全使
用量の1%〜50%を通気性材料に含浸保持させ、残り
の原液は昇華性物質の錠剤内に含浸保持させることによ
って、使用開始の初期防虫効果が高められるなどの効果
が得られる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の衣類害虫用防虫剤の容器形態の一例を
示す正面図である。
【図2】図1に示す防虫剤容器の縦断面図である。
【図3】本発明の衣類害虫用防虫剤の容器形態の他の例
を示す正面図である。
【図4】図3に示す防虫剤容器の縦断面図である。
【図5】本発明の衣類害虫用防虫剤の容器形態のさらに
別の例を示す縦断面図である。
【図6】本発明の衣類害虫用防虫剤の容器形態のさらに
他の例を示す分解斜視図である。
【図7】図6に示す防虫剤容器の組立状態を示す縦断面
図である。
【図8】実施例2において作成した種々の形態の衣類害
虫用防虫剤の薬剤残存率と経過期間との関係を示すグラ
フである。
図9昇華性物質からなる錠剤の昇華に伴う残存量と
経過期間との関係(重量変化)を示すグラフである。
図10実施例4において作成した種々の形態の衣類
害虫用防虫剤の薬剤残存率と経過期間との関係を示すグ
ラフである。
【符号の説明】 1,1a,1b,1c 錠剤、 2,2a,2b,2
,2d 通気性材料、 3 樹脂製フィルム、 1
0,10a,10b 外カバー容器、 10 c カバー
容器、 11,11a 基板部、 12,12a,12
b カバー部、 13,13a,13b 吊下げ部、
14 折曲部、 15 突部、 16,17,17a,
17b,17c,17d,17e 開孔、 18 爪部
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図7】
【図8】
【図5】
【図6】
【図9】
【図10】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年4月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】 本発明の錠剤には、常温揮散性を有する
液状防殺虫剤や気化性防黴剤が含有保持される。液状防
殺虫剤としては、例えば(R,S)−1−エチニル−2
−メチルペント−2−エニル(1R)−シス、トランス
クリサンテマート(以下、エムペントリンという)、1
−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル−2,2−ジ
メチル−3−(2′,2′−ジクロルビニル)−シクロ
プロパン−1−カルボキシレート、1−エチニル−2−
メチル−2−ペンテニル−2,2,3,3−テトラメチ
ルシクロプロパンカルボキシレート、3−アリル−2−
メチルシクロペント−2−エン−4−オン−1−イル−
2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキ
シレート(以下、テラレスリンという)、5−(2−プ
ロパルギル)−3−フリルメチルクリサンテマート(一
般名フラメトリン)、(+)1R・トランス−2,2−
ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)−ジクロロ
プロパンカルボン酸2,3,5,6−テトラフルオロベ
ンジル(以下、ベンフルスリンという)等のピレスロイ
ド系殺虫剤、ジクロルボス等の常温揮散性殺虫剤、フタ
ル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、
フマル酸ジエチル、N,N−ジエチル−m−トルアミド
等の防虫・忌避剤、安息香酸エチル、サフロール、イソ
サフロール、オイゲノール、シトロネロール、アネトー
ル、L−カルボン等の防虫香料、ケイ皮アルデヒド、ベ
ンズアルデヒド等の防虫・防黴剤、その他昇華性の防虫
薬剤などが挙げられ、上記防殺虫性薬剤を単独であるい
は2種以上組み合わせて使用することができる。また、
気化性防黴剤としては、α−ブロムシンナムアルデヒド
(BCA)、2−イソプロピル−5−メチルフェノール
(チモール)などが挙げられる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常温揮散性防虫薬剤と該常温揮散性防虫
    薬剤を含有保持する無臭性もしくは微臭性の昇華性物質
    とを組み合わせた錠剤を、一部が透明な樹脂製フィルム
    もしくは板状体からなり、他の部分が不織布又は紙等で
    構成された液状物質を容易に含浸保持可能な通気性材料
    からなる包納容器内に収納し、揮散に際して、錠剤から
    昇華性物質が揮散する前から既に通気性材料に移行して
    いた常温揮散性防虫薬剤、及び昇華性物質の揮散と共に
    錠剤表面に滲出して少しずつ残存し、その残存油状防虫
    薬剤が上記通気性材料へ遂次含浸・拡散された常温揮散
    性防虫薬剤と、昇華性物質とを、上記通気性材料を介し
    て揮散せしめると共に、上記透明な樹脂製フィルムもし
    くは板状体を通して上記昇華性物質の昇華消失状態を目
    視することによって薬効残存状態及び終点が認知できる
    ようにしたことを特徴とする衣類害虫用防虫剤。
  2. 【請求項2】 前記樹脂製フィルムもしくは板状体が通
    気性を有することを特徴とする請求項1に記載の衣類害
    虫用防虫剤。
  3. 【請求項3】 前記錠剤を収納している包納容器の通気
    性材料を覆うように、1乃至複数の開孔部を有する外カ
    バー容器を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記
    載の衣類害虫用防虫剤。
  4. 【請求項4】 前記錠剤が、常温揮散性防虫薬剤及び昇
    華性物質の他に、揮発性溶剤又は不揮発性溶剤、気化性
    防黴剤、抗酸化剤、安定剤、結着剤及び香料からなる群
    から選ばれた少なくとも1種の薬剤を含有することを特
    徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の衣類害
    虫用防虫剤。
  5. 【請求項5】 常温揮散性防虫薬剤のみの原液、又は必
    要に応じて他の成分を任意に混合した混合原液を、1製
    剤に使用される全使用量の1%〜50%を通気性材料に
    含浸保持させ、残りの原液は昇華性物質の錠剤内に含浸
    保持させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか
    一項に記載の衣類害虫用防虫剤。
JP32330993A 1993-11-30 1993-11-30 衣類害虫用防虫剤 Expired - Fee Related JP3822917B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32330993A JP3822917B2 (ja) 1993-11-30 1993-11-30 衣類害虫用防虫剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32330993A JP3822917B2 (ja) 1993-11-30 1993-11-30 衣類害虫用防虫剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07149601A true JPH07149601A (ja) 1995-06-13
JP3822917B2 JP3822917B2 (ja) 2006-09-20

Family

ID=18153352

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32330993A Expired - Fee Related JP3822917B2 (ja) 1993-11-30 1993-11-30 衣類害虫用防虫剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3822917B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11148850A (ja) * 1997-11-17 1999-06-02 Yazaki Corp マイコンメータ
JP2005160469A (ja) * 2003-11-10 2005-06-23 Dainippon Jochugiku Co Ltd 薬剤揮散装置
US7528081B2 (en) 2004-02-20 2009-05-05 Sumitomo Chemical Company, Limited Fabric protectant
JP2014210749A (ja) * 2013-04-20 2014-11-13 株式会社シビルテック 有効成分放散具及び液状体充填シート
CN111885916A (zh) * 2018-01-11 2020-11-03 加法尔企业R&D公司 浸渍有挥发性有机物质和特定酯的固体聚合物材料及其用途
CN115006113A (zh) * 2022-06-02 2022-09-06 深圳市乐闵科技有限公司 一种复合高分子纸尿裤内芯及其纸尿裤

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11148850A (ja) * 1997-11-17 1999-06-02 Yazaki Corp マイコンメータ
JP2005160469A (ja) * 2003-11-10 2005-06-23 Dainippon Jochugiku Co Ltd 薬剤揮散装置
US7528081B2 (en) 2004-02-20 2009-05-05 Sumitomo Chemical Company, Limited Fabric protectant
JP2014210749A (ja) * 2013-04-20 2014-11-13 株式会社シビルテック 有効成分放散具及び液状体充填シート
CN111885916A (zh) * 2018-01-11 2020-11-03 加法尔企业R&D公司 浸渍有挥发性有机物质和特定酯的固体聚合物材料及其用途
CN115006113A (zh) * 2022-06-02 2022-09-06 深圳市乐闵科技有限公司 一种复合高分子纸尿裤内芯及其纸尿裤
CN115006113B (zh) * 2022-06-02 2022-11-18 深圳市乐闵科技有限公司 一种复合高分子纸尿裤内芯及其纸尿裤

Also Published As

Publication number Publication date
JP3822917B2 (ja) 2006-09-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20060231213A1 (en) Volatilizer
JP5249658B2 (ja) 防虫器
JPH07149601A (ja) 衣類害虫用防虫剤
JP5556790B2 (ja) ピレスロイド系化合物の光・紫外線劣化が防止された組成物及び光・紫外線劣化防止方法
JP3660694B2 (ja) 衣類害虫用防虫剤
JP2006296351A (ja) 防虫剤
JP4829558B2 (ja) 防虫剤
JP3016155B2 (ja) 浄化槽内害虫防除方法
JP6041720B2 (ja) 衣料害虫の侵入阻害剤および摂食阻害剤
JP5805521B2 (ja) ドアノブ用薬剤揮散体
JP6383776B2 (ja) 薬剤容器
JP2007153774A (ja) 防虫剤
JP3825837B2 (ja) 衣類害虫用防虫剤
JP4445459B2 (ja) 薬剤蒸散装置
KR20220112804A (ko) 디스펜서 및 이의 사용 방법
JP2004254550A (ja) 薬剤収納体
JP5263588B2 (ja) 加熱蒸散システムおよびそれを用いた蒸散方法
JP2003250415A (ja) 揮散性薬剤収納容器
JP5141510B2 (ja) 加熱蒸散システム
JP2016042859A (ja) 揮発性物質収納容器
JP2003189778A (ja) 防虫剤容器
JP2005298362A (ja) 防殺虫蒸散体
JP5564703B2 (ja) 加熱蒸散装置
JP4959500B2 (ja) 加熱蒸散用製剤
JP2003183103A (ja) 防虫脱臭剤

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040713

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040913

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041207

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050315

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050406

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060620

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060626

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090630

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100630

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110630

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120630

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees