JPH07145191A - ガラクトシルホスフォネート誘導体 - Google Patents

ガラクトシルホスフォネート誘導体

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JPH07145191A
JPH07145191A JP29302393A JP29302393A JPH07145191A JP H07145191 A JPH07145191 A JP H07145191A JP 29302393 A JP29302393 A JP 29302393A JP 29302393 A JP29302393 A JP 29302393A JP H07145191 A JPH07145191 A JP H07145191A
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JP
Japan
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group
compound
benzoyl
acyl
mmol
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Application number
JP29302393A
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English (en)
Inventor
Tadashi Honda
忠士 本田
Masanobu Suzuki
正暢 鈴木
Hiroyuki Tsuji
宏幸 辻
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Japan Tobacco Inc
Original Assignee
Japan Tobacco Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】一般式 【化1】 (式中、R1 は、水素原子、アシル基であり、R2 は水
素原子、アシル基もしくはR1とR2が一緒になってフェ
ニルメチレン基を示し、R3 は、水素原子、低級アルキ
ル基、アシル基であり、R4 は、水素原子、低級アルキ
ル基、アシル基もしくはR3とR4が一緒になってジメチ
ルメチレン基を示し、R5 は水素原子、低級アルキル基
であり、R6 は、水素原子、アシル基であり、R7 は、
水素原子、アシル基もしくはR6とR7が一緒になってジ
メチルメチレン基を示し、R8 は、水素原子、アシル
基、ベンゾイル基であり、R9 は、水素原子、アシル
基、ベンゾイル基を示す)で表されるガラクトシルホス
フォネート誘導体又はその製薬上許容しうる塩。 【効果】本発明化合物及びその製薬上許容しうる塩は、
シアル酸含有及びフコース含有糖鎖の生合成を阻害す
る、更に詳しくはシアル酸転移酵素とCMP−シアル酸
の反応を阻害することにより炎症反応の予防及び治療に
有効である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なガラクトシルホ
スフォネート誘導体及びその合成中間体に関する。更に
詳しくは、炎症反応の予防及び治療を目的とするシアル
酸含有及びフコース含有糖鎖の生合成を阻害する新規な
ガラクトシルホスフォネート誘導体及びその合成中間体
に関する。
【0002】
【従来の技術】血小板や白血球と血管内皮細胞との相互
作用は炎症反応の必須の反応であり、これにより補体の
活性化、凝固、免疫応答等の一連の反応が生じることが
知られている。血小板や白血球と血管内皮細胞との相互
作用を司る接着分子には、LECAM−1、ELAM−
1、GMP−140等のセレクチンファミリーと呼ばれ
るシアル酸含有、フコース含有糖鎖を認識する分子群;
血管内皮細胞に発現するICAM−1、ICAM−2、
ICAM−3、VCAM−1、VCAM−2等のイムノ
グロブリンスーパーファミリー;それらと結合するイン
テグリンファミリーの3つの分子群が知られている。セ
レクチンのリガンドはシアル酸、フコース含有糖鎖であ
り、末端のシアル酸やフコースを酵素的に除去すると細
胞の相互作用が低下することから、これらの末端糖鎖は
細胞接着における重要性が指摘されている。よって、セ
レクチンのリガンドであるシアル酸、フコース含有糖鎖
の生合成に関する、CMP−シアル酸合成酵素、シアル
酸転移酵素、GMP−フコース合成酵素、フコース転移
酵素等を標的とした阻害剤は、セレクチンのリガンドの
生合成を阻害することにより、血小板、白血球と血管内
皮細胞との相互作用を阻害することが示唆されている。
シアル酸転移酵素阻害活性又は拮抗作用を有する化合物
としては特開昭61−83125号公報、特開昭62−
223124号公報、特開平4−290894号公報等
が知られているが、これらに記載されている化合物はい
ずれもシアル酸誘導体である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、より安
定で優れたシアル酸含有及びフコース含有糖鎖の生合成
阻害活性を有する化合物を見い出すべく鋭意検討した結
果、シアル酸誘導体でなく、ガラクトシルホスフォネー
ト誘導体を用いることにより、シアル酸含有及びフコー
ス含有糖鎖の生合成阻害作用を有し、抗炎症剤として有
用な化合物を見い出し本発明を完成した。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明によれば、
新規なガラクトシルホスフォネート誘導体は、下記一般
式[I]で表される。
【0005】
【化3】
【0006】(式中、R1 は、水素原子、アシル基であ
り、R2 は水素原子、アシル基もしくはR1とR2が一緒
になってフェニルメチレン基を示し、R3 は、水素原
子、低級アルキル基、アシル基であり、R4 は、水素原
子、低級アルキル基、アシル基もしくはR3とR4が一緒
になってジメチルメチレン基を示し、R5 は水素原子、
低級アルキル基であり、R6 は、水素原子、アシル基で
あり、R7 は、水素原子、アシル基もしくはR6とR7が
一緒になってジメチルメチレン基を示し、R8 は、水素
原子、アシル基、ベンゾイル基であり、R9 は、水素原
子、アシル基、ベンゾイル基を示す)で表される新規な
ガラクトシルホスフォネート誘導体又はその製薬上許容
しうる塩。また、その中間体であるガラクトース誘導体
は、下記一般式[II]で示される。
【0007】
【化4】
【0008】(式中、Rは、水酸基、ハロゲン原子、エ
ステル化されてもよいホスホノ基であり、R1、R2、R
3、R4は前記と同じである)で表されるガラクトース誘
導体又はその塩。
【0009】本明細書において、種々の定義に用いる語
句の意味は以下の通りである。「低級アルキル基」と
は、炭素数1乃至5好ましくは1乃至4の直鎖又は分枝
状のアルキルを意味し、具体的にはメチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチ
ル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチ
ル基、イソペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基等
であり、好ましくはメチル基、エチル基であり、特に好
ましくはメチル基である。
【0010】「アシル基」とは、炭素数1乃至6好まし
くは1乃至5の直鎖又は分枝状のアシル基を意味し、具
体的にはホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブ
チリル基、バレリル基、ヘキサノイル基、ベンゾイル
基、トルオイル基、サリチロイル基、シンナモイル基、
ナフトイル基、フロイル基等であり、好ましくはホルミ
ル基、アセチル基、ベンゾイル基であり、特に好ましく
はアセチル基、ベンゾイル基である。
【0011】「ハロゲン原子」とは、具体的にはフッ素
原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等であり、好ま
しくは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、特に好
ましくは臭素原子である。
【0012】「エステル化されてもよいホスホノ基」と
は、具体的には例えばホスホノ基及び低級アルキル基に
よってエステル化されたホスホノ基であり、例えばメチ
ルホスホノ基、ジメチルホスホノ基、エチルホスホノ
基、エチルメチルホスホノ基、ジエチルホスホノ基、プ
ロピルホスホノ基、メチルプロピルホスホノ基、エチル
プロピルホスホノ基、ジプロピルホスホノ基等であり、
好ましくはメチルホスホノ基、ジメチルホスホノ基、エ
チルホスホノ基、エチルメチルホスホノ基、ジエチルホ
スホノ基であり特に好ましくはメチルホスホノ基、ジメ
チルホスホノ基である。
【0013】「製薬上許容しうる塩」とは、例えば塩酸
塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩等の各種
無機酸付加塩;酢酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、
グリコ−ル酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエ
ン酸塩、マレイン酸塩、フマ−ル酸塩、メタンスルホン
酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、アスコルビン酸塩等
の各種有機酸付加塩;アスパラギン酸塩、グルタミン酸
塩等の各種アミノ酸との塩;ナトリウム塩、カリウム塩
等の各種アルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム
塩等の各種アルカリ土類金属塩;アンモニウム塩、トリ
メチルアンモニウム塩、トリエチルアンモニウム塩等の
各種アンモニウム塩等の各種が含まれるが、これらに限
定されるものではない。また、一般式[I]及び[II]
で示される化合物は2個以上の不斉炭素を有しており、
光学的に純粋なジアステレオマー、そのラセミ体、ある
いは、それらの組合せ、及び比率が任意の混合物が存在
し、本発明は、それらのいかなる異性体をも包含する。
さらに、一般式[I]で示される化合物は場合によって
は、水和物であってもよい。
【0014】化合物[I]を医薬製剤として使用する場
合、通常、それ自体公知の薬理学的に許容される担体、
賦形剤、希釈剤、増量剤、崩壊剤、安定剤、保存剤、緩
衝剤、乳化剤、芳香剤、着色剤、甘味剤、粘稠剤、矯味
剤、溶解補助剤、その他の添加剤、具体的には水、植物
油、エタノール、ベンジルアルコール又はヒドロキシプ
ロピルアルコールのようなアルコール、ポリエチレング
リコール、グリセロールトリアセテート、ゼラチン、ラ
クトース、でんぷん等のような炭水化物、ステアリン酸
マグネシウム、タルク、ラノリン、ワセリン、乳糖、白
糖、ブドウ糖、マンニット、ソルビット、結晶セルロー
ス、アラビアゴム、デキストリン、プルラン、ケイ酸、
アルミニウム、リン酸カルシウム、ワックス類、ホウ
酸、DLロイシン、脂肪酸ナトリウム、ラウリル硫酸マ
グネシウム、デキストリン、ヒドロキシプロピルメチル
セルロース、ポリビニルピロリドン、マクロゴール、カ
ルナウバロウ、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピ
レン、グリコール、カカオ脂、ラウリン酸、レシチン、
グリセリン、パラオキシ安息香酸ナトリウム、安息香酸
ナトリウム、サリチル酸、ソルビン酸カリウム等と混合
して錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、坐剤、注射剤、点眼
剤、液剤、カプセル剤、トローチ剤、エアゾール剤、エ
リキシル剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤等の形態により
経口又は非経口的に投与することができる。投与量は、
疾患の種類及び程度、投与する化合物並びに投与経路、
患者の年齢、性別、体重等により変わり得るが、経口投
与の場合、通常、成人1日当たり化合物[I]を0.0
01〜1000mg特に0.1〜100mgを投与する
のが好ましい。
【0015】次に、これらガラクトシルホスフォネート
誘導体の製造方法について述べるが、本発明化合物の製
造方法は例示の製造方法に限定されるものではないこと
は勿論である。以下、合成法を示し、更に詳しく説明す
る。
【0016】
【化5】
【0017】一般製法 1 工程1 ガラクトピラノース誘導体(化合物1)(Carboh
ydrate Research,93 177−19
0 1983記載)を塩化亜鉛、塩化鉄、塩化アルミニ
ウム、硫酸銅−硫酸、p−トルエンスルホン酸等の酸の
存在下に氷冷下乃至加温下に、好ましくは室温でジメチ
ルホルムアミド等の極性有機溶媒中又は無溶媒で、ジメ
チルアセタール又はアセトンを反応させることにより、
化合物2を得る。
【0018】工程2 氷冷下乃至加温下、好ましくは氷冷下で水素化ナトリウ
ム、水素化カリウム等の水素化アルカリ金属とテトラブ
チルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウム
クロライド、テトラメチルアンモニウムブロミド、テト
ラメチルアンモニウムクロライド等のテトラアルキルア
ンモニウムハライドの両者を、エーテル、ジオキサン、
テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチル
スルホキシド等の溶媒又はそれらの混合溶媒中に添加
し、攪拌、混合して懸濁液となす。次に、工程1で得ら
れた化合物2を添加したエーテル、ジオキサン、テトラ
ヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホ
キシド等の溶媒又はそれらの混合溶媒に溶解してなる化
合物2の溶液を、予め準備しておいた前記懸濁液中に加
え、更に臭化アリル、塩化アリル等のハロゲン化アリル
を加えて反応させることにより化合物3を得る。
【0019】工程3 工程2で得られた化合物3をメタノール、エタノール等
のアルコール性溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、
塩化メチレン、クロロホルム、エーテル、ジオキサン、
テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルホルム
アミド、ジメチルスルホキシド等の溶媒又はそれらの混
合溶媒中に添加して溶解又は懸濁させ、氷冷下乃至加温
下、好ましくは氷冷下にオゾンガス、酸素ガス又はそれ
らの混合ガスを通じて酸化した後、必要に応じて窒素ガ
スを通じ、最後に水素化ホウ素ナトリウムを加えて氷冷
下乃至室温で還元反応に付すことにより化合物4を得
る。
【0020】工程4 (R=Brの場合) 工程3で得られた化合物4をベンゼン、トルエン、キシ
レン、塩化メチレン、クロロホルム、エーテル、ジオキ
サン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の溶媒又はそれ
らの混合溶媒中に、四臭化炭素及びトリフェニルホスフ
ィン、トリメチルホスフィン等のホスフィンを加えて臭
素化することにより化合物5を得る。
【0021】工程4 (R=Clの場合) 工程3で得られた化合物4をベンゼン、トルエン、キシ
レン、塩化メチレン、クロロホルム、エーテル、ジオキ
サン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の溶媒又はそれ
らの混合溶媒中に、五塩化リン、又は四塩化炭素及びト
リフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン等のホス
フィンを添加して塩素化することにより化合物5を得
る。
【0022】工程4 (R=Iの場合) 工程3で得られた化合物4をベンゼン、トルエン、キシ
レン、塩化メチレン、クロロホルム、エーテル、ジオキ
サン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の溶媒又はそれ
らの混合溶媒中に、N−ヨードスクシンイミド及びトリ
フェニルホスフィン、トリメチルホスフィン等のホスフ
ィンを添加してヨウ素化することにより化合物5を得
る。
【0023】工程5 工程4で得られた化合物5をトリメチルホスファイト、
トリエチルホスファイト、トリフェニルホスファイト等
のトリ置換ホスファイトに加えて、還流好ましくは加熱
還流させて、反応させることにより化合物6を得る。
【0024】工程6 工程5で得られた化合物6を塩化メチレン、クロロホル
ム、エーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセ
トニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
シド等の溶媒又はそれらの混合溶媒に加え、トリエチル
アミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン等の塩基
及びチオフェノールを加えて反応させることにより化合
物7を得る。
【0025】工程7 トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフ
ェニルホスフィン等のトリ置換ホスフィンを添加したベ
ンゼン、トルエン、キシレン、塩化メチレン、クロロホ
ルム、エーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ア
セトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホ
キシド等の溶媒又はそれらの混合溶媒に、氷冷下乃至加
温下、好ましくは氷冷下でアゾジカルボン酸ジイソプロ
ピル等の塩基を加える。この溶液を工程6で得られた化
合物7及び化合物8(J.Org.Chem.,44,
1309,1979記載)を加えたベンゼン、トルエ
ン、キシレン、塩化メチレン、クロロホルム、エーテ
ル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトニトリ
ル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の
溶液又はそれらの混合溶液に添加して反応させることに
より化合物[I−a]を得る。
【0026】工程8 工程6と同様の操作を行うことにより、化合物[I−
a]から化合物[I−b]を得る。
【0027】工程9 工程8で得られた化合物[I−b]をメタノール、エタ
ノール等のアルコール性溶媒、水、塩化メチレン、クロ
ロホルム、エーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチル
スルホキシド等の溶媒又はそれらの混合溶媒に添加し、
塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸、酢酸、クエン酸、トリフ
ルオロ酢酸、ベンゼンスルホン酸等の有機酸又はそれら
の水溶液に加えて反応させて加水分解することにより化
合物[I−c]を得る工程である。
【0028】工程10 工程9で得られた化合物[I−c]をメタノール、エタ
ノール等のアルコール性溶媒、水、アセトン、ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキシド等の溶媒又はそれら
の混合溶媒に添加し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の塩基を
加える。次いで、Dowex HCR−S(H+ )、A
G50W−X8(H+)、Amberlite IR−
120B(H+)等を加え、無水酢酸、ジメチルアミノ
ピリジン、ピリジンを加えるか、あるいは化合物[I−
b]を無水酢酸又は塩化アセチルと共に塩化メチレンに
添加し、ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミンを
加えて反応させることにより化合物[I−d]を得る。
【0029】本発明化合物は、以下の製造方法によって
も合成することができる。 一般製法 2
【0030】
【化6】
【0031】工程11 ガラクトピラノース誘導体(化合物9)(Carboh
ydrate Research,36,159,19
74)をピリジン等の有機溶媒中、塩化ベンゾイル、臭
化ベンゾイル等のハロゲン化ベンゾイルを加えて反応さ
せるか、又は他の周知のベンゾイル化の方法を採用する
ことにより化合物10を得る。
【0032】工程12 工程11で得られた化合物10を塩酸、硫酸、硝酸等の
無機酸、酢酸、クエン酸、トリフルオロ酢酸、ベンゼン
スルホン酸等の有機酸を用いて又はそれらの水溶液を用
いて加水分解することにより化合物11を得る。
【0033】工程13 ベンゼン、トルエン、キシレン、塩化メチレン、クロロ
ホルム、エーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、
アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
ホキシド等の溶媒又はそれらの混合溶媒中に、工程12
で得られた化合物11及びジブチルスズオキシド等の塩
基を添加し、攪拌混合して懸濁液となし、これを加熱還
流する。次に、この懸濁液中に、臭化アリル、塩化アリ
ル等のハロゲン化アリル、及びテトラブチルアンモニウ
ムブロミド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テ
トラメチルアンモニウムブロミド、テトラメチルアンモ
ニウムクロライド等のテトラアルキルアンモニウムハラ
イドを加えて反応させることにより化合物12を得る。
【0034】工程14 工程11と同様である。即ち、工程13で得られた化合
物12をピリジン等の有機溶媒中、塩化ベンゾイル、臭
化ベンゾイル等のハロゲン化ベンゾイルを加えて反応さ
せるか、又は他の周知のベンゾイル化の方法を採用する
ことにより化合物13を得る。
【0035】工程15 工程14で得られた化合物13を用い、工程3と同様の
操作を行うことにより、化合物14を得る。
【0036】工程16 工程15で得られた化合物14を用い、工程4と同様の
操作を行うことにより、化合物15を得る。
【0037】工程17 工程16で得られた化合物15を用い、工程5と同様の
操作を行うことにより、化合物16を得る。
【0038】工程18 工程17で得られた化合物16を用い、工程6と同様の
操作を行うことにより、化合物17を得る。
【0039】工程19 工程18で得られた化合物17を用い、工程7と同様の
操作を行うことにより、化合物[I−e]を得る。
【0040】工程20 工程19で得られた化合物[I−e]を用い、工程8と
同様の操作を行うことにより、化合物[I−f]を得
る。
【0041】工程21 化合物[I−f]をメタノール、エタノール等のアルコ
ール性溶媒、水、アセトン、ジオキサン、テトラヒドロ
フラン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメ
チルスルホキシド等の溶媒又はそれらの混合溶媒に添加
し、更に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マ
グネシウム、水酸化カルシウム等の塩基を加える。次い
で、Dowex HCR−S(H+)、AG50W−X
8(H+)、Amberlite IR−120B(H+
)等を加えて反応させることにより化合物[I−g]
を得る。
【0042】工程22 工程22は、工程21で得られた化合物[I−g]に酢
酸、クエン酸、トリフルオロ酢酸、ベンゼンスルホン酸
等の有機酸又はそれらの水溶液を加えて加水分解するこ
とにより化合物[I−h]を得る。これら上記一般製法
1及び2の各工程は、必要に応じてろ過、抽出、洗浄、
濃縮、乾燥、精製等の操作を行ってもよい。
【0043】
【実施例】以下に、参考例及び実施例を挙げて本発明を
更に詳しく説明するが、本発明は実施例のみに限定され
るものではない。 参考例1 1,2−O−イソプロピリデン−4,6−O−ベンジリ
デン−α−D−ガラクトピラノース 4,6−O−ベンジリデン−α−D−ガラクトピラノー
ス(Carbohydrate Research,9
3 177−190 1983記載)4g(14.9m
mol)を室温で、アセトン(400ml)に懸濁、攪
拌しつつ塩化亜鉛12gを加え、40時間攪拌した。内
容物を5%炭酸ナトリウム水溶液にあけ、生じた沈澱を
ろ過することで除去し、沈澱を熱アセトンで洗浄した。
ろ液を合わせ、減圧濃縮後、残渣をクロロホルムで3回
抽出、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、減圧濃縮
し、残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー
(クロロホルム/メタノール=50/1)で精製し、標
題化合物2.1g(46%)を油状物として得た。 IR(film,cm-1):3520,2936,1604,1458,126
9,1112,1070,1057,700 1H NMR(300MHz,CDCl3)δ:1.41(3H, s), 1.56(3H, s),
2.47(1H, d, m), 3.71-3.81(6H, m), 4.05(1H, dd, J=1
2.0, 3.0Hz), 4.30(1H, dd, J=6.0, 3.0Hz), 4.41(1H,
dd, J=12.0, 1.5Hz), 4.45(1H, t, J=3.0Hz), 5.52(1H,
s), 6.02(1H, d,J=2.3Hz), 7.37-7.49(5H, m). FAB−MS(+):m/z 309.1(M+H)
+;calcd.for C16H20O6=308.126
【0044】参考例2 3−O−(2−プロペニル)−4,6−O−ベンジリデ
ン−1,2−O−イソプロピリデン−α−D−ガラクト
ピラノース 氷冷下、水素化ナトリウム(油性、60%)1.26g
(31.5mmol)と、テトラブチルアンモニウムブ
ロミド34mg(1.05mmol)を無水テトラヒド
ロフラン(10ml)、ジメチルホルムアミド(1m
l)からなる混合溶媒に懸濁し、ここに参考例1で得ら
れた1,2−O−イソプロピリデン−4,6−O−ベン
ジリデン−α−D−ガラクトピラノース6.46g(2
0.95mmol)の無水テトラヒドロフラン(50m
l)溶液を滴下した。室温で30分攪拌後、臭化アリル
3.9ml(45mmol)をゆっくり滴下した後、1
時間攪拌した。内容物を氷水にあけ、エーテルで2回抽
出、水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムに
て乾燥した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカ
ゲルフラッシュクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢
酸エチル=4/1)で精製し、標題化合物5.50g
(75%)を油状物として得た。 IR(film,cm-1):2984,1647,1497,1458,137
5,1171,1080,1057,875,747,696 1H NMR(300MHz,CDCl3)δ:1.41(3H, s), 1.56(3H, s),
3.73(1H, dd, J=6.0, 3.0Hz), 3.78(1H, m), 4.08(1H,
dd, J=12.0, 3.0Hz), 4.13-4.41(5H, m), 5.22(1H, dq,
J=12.0, 3.0Hz), 5.35(1H, dq, J=15.0, 3.0Hz), 5.51
(1H, s), 5.98(1H,m), 6.03(1H, d, J=6.0Hz), 7.34-7.
38(3H, m), 7.45-7.48(2H, m). FAB−MS(+):m/z 349.2(M+H)
+;calcd.for C19H24O6=384.157
【0045】参考例3 メチル 2,6−ジ−O−ベンゾイル−3,4−O−イ
ソプロピリデン−α−D−ガラクトピラノシド メチル 3,4−O−イソプロピリデン−α−D−ガラ
クトピラノシド(Carbohydrate Rese
arch,36,159,1974)8.6g(36.
71mmol)をピリジン(25ml)に溶解し、氷冷
下塩化ベンゾイル8.95ml(77.1mmol)を
加えた。室温で1時間攪拌後、クロロホルムに溶解し、
希塩酸、水、飽和重曹水、水、飽和食塩水で順次洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。減圧濃縮後、
残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(n−
ヘキサン/酢酸エチル=7/1)で精製し、標題化合物
15.28g(95%)を油状物として得た。 IR(film,cm-1):2986,1721,1602,1584,145
2,1382,1267,1112,711 1H NMR(300MHz,CDCl3)δ:1.32(3H, s), 1.52(3H, s),
3.39(3H, s), 4.36-4.70(5H, m), 5.03(1H, d, J=3.6H
z), 5.19(1H, dd, J=8.1, 3.6Hz), 7.42-7.48(4H,m),
7.50-7.60(2H, m), 8.06-8.12(4H, m). FAB−MS(+):m/z 443.1(M+H)
+;calcd.for C24H26O8=442.162
【0046】参考例4 メチル 2,6−ジ−O−ベンゾイル−α−D−ガラク
トピラノシド 参考例3で得られたメチル 2,6−ジ−O−ベンゾイ
ル−3,4−O−イソプロピリデン−α−D−ガラクト
ピラノシド15.2g(34.37mmol)を80%
酢酸水溶液に溶解し、50℃にて3時間加熱攪拌した。
反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルフラッシュクロ
マトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=4/5)
で精製し、標題化合物14.68g(99%)を油状物
として得た。 IR(film,cm-1):3472,1720,1602,1584,145
2,1277,1116,1045,711 1H NMR(300MHz,CDCl3)δ:2.96(1H, br-s), 3.06(1H, br
-s), 3.42(3H, s), 4.17-4.23(2H, m), 4.52(1H, dd, J
=11.4, 6.9Hz), 4.72(1H, dd, J=11.4, 6.0Hz),5.08(1
H, d, J=3.7Hz), 5.28(1H, dd, J=10.1, 3.7Hz), 7.43-
7.48(4H, m), 7.50-7.60(2H, m), 8.05(4H, m). FAB−MS(+):m/z 403.0(M+H)
+;calcd.for C21H22O8=402.131
【0047】参考例5 メチル 3−O−(2−プロペニル)−2,6−ジ−O
−ベンゾイル−α−D−ガラクトピラノシド 参考例4で得られたメチル 2,6−ジ−O−ベンゾイ
ル−α−D−ガラクトピラノシド14.2g(35.3
mmol)、ジブチルスズオキシド10.24g(4
1.12mmol)をトルエン(800ml)に懸濁
し、Dean-Starkトラップを付して、途中約100mlの
含水トルエンを除きつつ6時間加熱還流させた。放冷
後、Dean-Starkトラップを除き、臭化アリル20.7m
l(240mmol)、テトラブチルアンモニウムブロ
ミド6.6g(20.6mmol)を加え、8時間加熱
還流した。減圧濃縮後、残渣をエーテルに溶解し、エー
テル溶液を5%重曹水、飽和食塩水で洗浄した後、無水
硫酸マグネシウムで乾燥させた。減圧濃縮後、シリカゲ
ルフラッシュクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸
エチル=4/1)で精製し、標題化合物11.48g
(75%)を油状物として得た。 IR(film,cm-1):3068,3054,1720,1602,158
4,1452,1333,1316,1273,1107,710 1H NMR(300MHz,CDCl3)δ:3.37(3H, s), 4.00(1H, dd, J
=9.01, 3.0Hz), 4.10-4.19(4H, m), 4.63(2H, ABX, JAB
=12.0, JAX=6.0, JBX=6.1Hz), 5.09(1H, d, J=6.0Hz),
5.16(1H, d, J=9.0Hz), 5.26(1H, dd, J=15.0, 1.5Hz),
5.38(1H, dq, J=9.0, 3.0Hz), 5.79-5.92(2H, m), 7.4
3-7.56(4H, m), 7.56-7.58(2H, m), 8.06-8.09(4H,m). FAB−MS(+):m/z 443.0(M+H)
+;calcd.for C24H26O8=442.163
【0048】参考例6 メチル 3−O−(2−プロペニル)−2,4,6−ト
リ−O−ベンゾイル−α−D−ガラクトピラノシド 参考例5で得られたメチル 3−O−(2−プロペニ
ル)−2,6−ジ−O−ベンゾイル−α−D−ガラクト
ピラノシド4.07g(9.20mmol)をピリジン
(25ml)に溶解し、氷冷下塩化ベンゾイル1.18
ml(10.12mmol)を加えた。室温で1時間攪
拌後、エーテルで希釈し、希塩酸、水、飽和重曹水、
水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで
乾燥させた。減圧濃縮後、残渣をシリカゲルフラッシュ
クロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=4/
1)で精製し、標題化合物4.21g(84%)を油状
物として得た。 IR(film,cm-1):3066,3032,2954,1723,165
0,1602,1584,1452,1334,1316,1266,1197,1117,1112,105
2,710 1H NMR(300MHz,CDCl3)δ:3.42(3H, s), 4.07-4.23(3H,
m), 4.39-4.46(2H, m),4.55(1H, dd, J=12.5, 8.7Hz),
5.11(1H, dq, J=10.3, 1.6Hz), 5.20-5.27(2H,m), 5.44
(1H, dd, J=10.3, 3.7Hz), 5.74-5.87(1H, m), 5.90(1
H, br-d, J=2.8Hz), 7.38-7.55(9H, m), 8.03-8.15(6H,
m). FAB−MS(+):m/z 547.1(M+H)
+;calcd.for C31H30O9=546.189
【0049】実施例1 4,6−O−ベンジリデン−3−O−(2−ヒドロキシ
エチル)−1,2−O−イソプロピリデン−α−D−ガ
ラクトピラノース 参考例2で得られた3−O−(2−プロペニル)−4,
6−O−ベンジリデン−1,2−O−イソプロピリデン
−α−D−ガラクトピラノース5g(14.35mmo
l)のメタノール(100ml)、塩化メチレン(30
ml)溶液に、−78℃にてオゾン発生装置により発生
させたオゾン/酸素ガスを攪拌しつつ通じた。反応液が
薄い紫色を呈した時点で、反応液に窒素ガスを通じ、次
に水素化ホウ素ナトリウム1.085g(28.7mm
ol)を少量ずつ加えた後、氷冷下、1時間攪拌した。
内容物を氷−希塩酸にあけ、クロロホルムで3回抽出
し、水、5%炭酸ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で
順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。減圧
濃縮後、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ク
ロロホルム/メタノール=25/1)を行い、標題化合
物4.92g(97%)を油状物として得た。 IR(film,cm-1):3442,1700,1543,1455,138
4,1067,878,701 1H NMR(300MHz,CDCl3)δ:1.44(3H, s), 1.55(3H, s),
2.90(1H, d, J=6.0Hz), 3.86(1H, m), 4.03-4.19(3H,
m), 4.31-4.40(2H, m), 5.57(1H, s), 5.86(1H, d,J=3.
0Hz), 7.35-7.39(3H, m), 7.44-7.47(2H, m). FAB−MS(+):m/z 353.1(M+H)
+;calcd.for C18H24O7=352.152
【0050】実施例2 4,6−O−ベンジリデン−1,2−O−イソプロピリ
デン−3−O−(2−ブロモエチル)−α−D−ガラク
トピラノース 実施例1で得られた4,6−O−ベンジリデン−3−O
−(2−ヒドロキシエチル)−1,2−O−イソプロピ
リデン−α−D−ガラクトピラノース4.9g(13.
9mmol)の乾燥塩化メチレン(150ml)溶液に
室温にて、四臭化炭素9.2g(27.8mmol)、
トリフェニルホスフィン7.29g(27.8mmo
l)を順次加え、10分攪拌した後、飽和重曹水を加え
分液した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、
濃縮後、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(n
−ヘキサン/酢酸エチル=3/1)を行い、標題化合物
5.01g(87%)を油状物として得た。 IR(film,cm-1):2984,1735,1615,1497,145
5,1372,1243,1222,1169,1083,1056,876,748,699 1H NMR(300MHz,CDCl3)δ:1.41(3H, s), 1.56(3H, s),
3.47-4.46(10H, m), 5.52(1H, s), 6.04(1H, d, J=3.0H
z), 7.31-7.40(3H, m), 7.45-7.60(2H, m). FAB−MS(+):m/z 414.7/412.7
(M+H)+ /(M+H−2)+;calcd.for
C18H23O6Br=414.067
【0051】実施例3 ジメチル {4,6−O−ベンジリデン−1,2−O−
イソプロピリデン−α−D−ガラクトピラノース−3−
O−イル}エチルホスフォネート 実施例2で得られた4,6−O−ベンジリデン−1,2
−O−イソプロピリデン−3−O−(2−ブロモエチ
ル)−α−D−ガラクトピラノース5.0g(12.0
4mmol)にトリメチルホスファイト25mlを加
え、20時間加熱還流した。減圧下、過剰のトリメチル
ホスファイトを除去し、残渣をシリカゲルフラッシュク
ロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=25/
1)で精製し、標題化合物5.28g(99%)を油状
物として得た。 IR(film,cm-1):3460,2984,2954,1639,145
8,1376,1244,1170,1037,876,817,756,700 1H NMR(300MHz,CDCl3)δ:1.40(3H, s), 1.56(3H, s),
2.19(2H, dt, J=18.0, 6.0Hz), 3.70(6H, d, J=12.0H
z), 3.66-4.00(4H, m), 4.08(1H, dd, J=12.0, 2.0Hz),
4.37-4.45(2H, m), 5.50(1H, s), 6.03(1H, d, J=3.0H
z), 7.33-7.38(3H, m), 7.40-7.61(2H, m). FAB−MS(+):m/z 445.0(M+H)
+;calcd.for C20H29O9P=444.153
【0052】実施例4 メチル トリエチルアンモニウム {4,6−O−ベン
ジリデン−1,2−O−イソプロピリデン−α−D−ガ
ラクトピラノース−3−O−イル}エチルホスフォネー
ト 実施例3で得られたジメチル {4,6−O−ベンジリ
デン−1,2−O−イソプロピリデン−α−D−ガラク
トピラノース−3−O−イル}エチルホスフォネート
5.3g(11.93mmol)の無水テトラヒドロフ
ラン(40ml)溶液に、トリエチルアミン10ml
(71.6mmol)、チオフェノール4.9ml(4
7.7mmol)を加え、室温にて20時間攪拌した。
溶媒及び過剰の試薬を減圧下除去した後、残渣をシリカ
ゲルフラッシュクロマトグラフィー(クロロホルム/メ
タノール/トリエチルアミン=6/1/0.1)で精製
し、標題化合物5.63g(99%)を不定形化合物と
して得た。 IR(film,cm-1):3396,2984,2944,1654,145
8,1372,1169,1056,876,757,701 1H NMR(500MHz,CDCl3)δ:1.28(9H, t, J=7.2Hz), 1.39
(3H, s), 1.54(3H, s), 2.07(2H, m), 3.02(6H, t, J=
7.2Hz), 3.56(3H, d, J=7.2Hz), 3.68(1H, dd, J=5.7,
2.0Hz), 3.76(1H, s), 3.91(2H, m), 4.07(1H, dd, J=1
2.5, 1.7Hz), 4.27(1H, m), 4.37(1H, d, J=12.5Hz),
4.48(1H, m), 5.50(1H, s), 6.03(1H, d, J=3.7Hz), 7.
34-7.40(3H, m), 7.45-7.47(2H, m). FAB−MS(+):m/z 532.0(M+H)
+;calcd.for C25H42NO9P=531.259
【0053】実施例5 (N4 −ベンゾイル−2’,3’−O−イソプロピリデ
ンシチジン−5’−イル) メチル {4,6−O−ベ
ンジリデン−1,2−O−イソプロピリデン−α−D−
ガラクトピラノース−3−O−イル}エチルホスフォネ
ート トリフェニルホスフィン2.1g(8.0mmol)の
無水テトラヒドロフラン(20ml)溶液に氷冷下、ア
ゾジカルボン酸ジイソプロピル1.57ml(8.0m
mol)を加え、30分間攪拌した。この懸濁液の1.
3ml(0.47ml)を、実施例4で得られたメチル
トリエチルアンモニウム {4,6−O−ベンジリデ
ン−1,2−O−イソプロピリデン−α−D−ガラクト
ピラノース−3−O−イル}エチルホスフォネート21
0mg(0.395mmol)及びN4 −ベンゾイル−
2’,3’−O−イソプロピリデンシチジン(J.Or
g.Chem.,44,1309,1979記載)19
9mg(0.513mmol)の無水テトラヒドロフラ
ン(4ml)溶液に氷冷下滴下し、1時間後室温に戻し
24時間攪拌した。メタノール2mlを加え反応液を濃
縮し、残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー
(酢酸エチル/メタノール=95/5)で精製し、標題
化合物242mg(77%)を不定形化合物として得
た。 [α]D=+22.9(c=1.10,CHCl3) IR(film,cm-1):2988,2936,1669,1626,155
9,1484,1383,1321,1247,1170,1059,876,756,702 1H NMR(500MHz,CDCl3)δ:1.35(3/2H, s), 1.36(3/2H,
s), 1.40(3/2H, s), 1.41(3/2H, s), 1.54(3/2H, s),
1.55(3/2H, s), 1.56(3/2H, s), 1.57(3/2H, s), 2.15
(2H, m), 3.68(3/2H, d, J=11Hz), 3.69(3/2H, d, J=1
0.2Hz), 3.80-4.50(9H, m), 4.82(1H, m), 4.92(1H,
m), 5.51,5.54(1H, each s), 5.77(1H, br-s), 6.03(1/
2H, d, J=2.3Hz), 6.05(1H, d, J=2.3Hz), 7.33-7.86(1
2H, m), 8.74(1H,br-s). FAB−MS(+):m/z 800.0(M+H)
+;calcd.for C38H46N3O14P=799.27
【0054】実施例6 (N4 −ベンゾイル−2’,3’−O−イソプロピリデ
ンシチジン−5’−イル) トリエチルアンモニウム
{4,6−O−ベンジリデン−1,2−O−イソプロピ
リデン−α−D−ガラクトピラノース−3−O−イル}
エチルホスフォネート 実施例5で得られた(N4 −ベンゾイル−2’,3’−
O−イソプロピリデンシチジン−5’−イル) メチル
{4,6−O−ベンジリデン−1,2−O−イソプロ
ピリデン−α−D−ガラクトピラノース−3−O−イ
ル}エチルホスフォネート192mg(0.24mmo
l)を無水テトラヒドロフラン(1ml)に溶解し、ト
リエチルアミン0.2ml(1.44mmol)、チオ
フェノール0.1ml(0.96mmol)を加え、室
温で20時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、残渣を
シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(クロロホル
ム/メタノール/トリエチルアミン=7/1/0.1)
で精製し、標題化合物145mg(68%)を不定形化
合物として得た。 [α]D=+22.0(c=1.00,CHCl3) IR(film,cm-1):3372,3064,2984,1662,162
2,1564,1486,1383,1307,1245,1216,1171,1050,876,756,
704 1H NMR(300MHz,CDCl3)δ:1.52(9H, t, J=7.2Hz), 1.35
(3H, s), 1.38(3H, s), 1.53(3H, s), 1.59(3H, s), 2.
00(2H, m), 2.76(6H, q, J=7.2Hz), 3.65(1H, dd,J=5.
6, 1.5Hz), 3.78-3.86(2H, m), 4.06-4.11(2H, m), 4.2
5(1H, dd, J=5.6,3.8Hz), 4.35(1H, d, J=12.5Hz), 4.4
1(1H, br-s), 4.52(1H, m), 4.85(2H, ABX, JAB=6.2, J
AX=2.6, JBX=1.5Hz), 5.55(1H, s), 6.00(1H, d, br-
s), 6.03(1H,d, J=3.7Hz), 7.30-7.58(10H, m), 7.83(2
H, d, J=7.2Hz), 8.32(1H, br-s). FAB−MS(+):m/z 887.0(M+H)
+;calcd.for C43H59N4O14P=886.376
【0055】実施例7 (N4 −ベンゾイルシチジン−5’−イル) (D−ガ
ラクトピラノース−3−O−イル)エチルホスフォネー
ト 実施例6で得られた(N4 −ベンゾイル−2’,3’−
O−イソプロピリデンシチジン−5’−イル) トリエ
チルアンモニウム {4,6−O−ベンジリデン−1,
2−O−イソプロピリデン−α−D−ガラクトピラノー
ス−3−O−イル}エチルホスフォネート200mg
(0.225mmol)を塩化メチレン(8ml)に溶
解し、90%トリフルオロ酢酸水溶液10mlを加え、
室温で1時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、分取薄
層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール/水
/濃アンモニア水=50/50/4/0.2)で精製
後、ゲルろ過(Sephadex LH−20、水)を
行い、標題化合物65mg(47%)を不定形化合物と
して得た。 [α]D=+55.5(c=0.40,H2O) IR(KBr,cm-1):3390,1647,1567,1486,1393,1
314,1248,1108,1066,790,704 1H NMR(500MHz,D2O)δ:2.10(2H, m), 3.49(2H, ABX, JA
B=9.8, JAX=7.9, JBX=3.2Hz), 3.61-4.37(15H, m), 4.5
6(0.6H, d, J=7.8Hz), 5.24(0.4H, d, J=2.5Hz),5.97(1
H, d, J=7.5Hz), 7.52(0.6H, d, J=7.5Hz), 7.53(0.4H,
d, J=7.4Hz), 7.58(2H, t, J=7.8Hz), 7.70(1H, t, J=
7.8Hz), 7.93(2H, d, J=7.8Hz), 8.44(0.6H, d, J=7.5H
z), 8.45(0.4H, d, J=7.5Hz). FAB-MS(+):m/z 618.1(M+H)+;calcd.for C24H32N3O14P=617.162
【0056】実施例8 (N4 −アセチル−2’,3’−ジ−O−アセチルシチ
ジン−5’−イル)トリエチルアンモニウム {1,
2,4,6−テトラ−O−アセチル−D−ガラクトピラ
ノース−3−O−イル}エチルホスフォネート 実施例7で得られた(N4 −ベンゾイルシチジン−5’
−イル) (D−ガラクトピラノース−3−O−イル}
エチルホスフォネート174mg(0.282mmo
l)をメタノール(6ml)、水(24ml)に溶解
後、1規定水酸化ナトリウム水溶液を加え、pH=13
以上とし室温で3時間攪拌した。DowexHCR−S
(H+ )を加えてpH=3付近にし、ろ過後、樹脂を濃
アンモニウム水で洗浄し、合わせたろ液を減圧下、濃
縮、乾固した。ここに無水酢酸0.53ml、ジメチル
アミノピリジン34mg、ピリジン5mlを加え、室温
で12時間攪拌した。反応液にメタノール5mlを加え
減圧濃縮を行い、得られた残渣をシリカゲルフラッシュ
クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール/トリ
エチルアミン=7/1/0.1)で精製し、標題化合物
113mg(44%)を不定形化合物として得た。 [α]D=+44.0(c=0.90,CHCl3) IR(film,cm-1):3402,2980,2478,1749,166
9,1626,1565,1493,1442,1373,1314,1061,816,789,753 1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.24(9H, t, J=7.3Hz), 1.95
(2H, m), 2.03-2.23(21H,each-s), 2.93(6H, q, J=7.3H
z), 3.61-4.34(13H, m), 5.14(1H, m), 5.41-5.54(2H,
m), 5.66(0.6H, d, J=8.3Hz), 6.32(0.4H, d, J=3.7H
z), 6.37(0.6H, d,J=5.9Hz), 6.38(0.4H, d, J=5.8Hz),
7.42(1H, d, J=7.5Hz), 8.51(0.6H, d, J=7.5Hz), 8.5
3(0.4H, d, J=7.5Hz). FAB−MS(+):m/z 909.1(M+H)
+;calcd.for C37H57N4O20P=908.330
【0057】実施例9 メチル 2,4,6−トリ−O−ベンゾイル−3−O−
(2−ヒドロキシエチル)−α−D−ガラクトピラノシ
ド 参考例6で得られたメチル 3−O−(2−プロペニ
ル)−2,4,6−トリ−O−ベンゾイル−α−D−ガ
ラクトピラノシド4.2g(7.68mmol)のメタ
ノール(100ml)、塩化メチレン(30ml)の溶
液に、−78℃にてオゾン発生装置により、発生させた
オゾン/酸素ガスを攪拌しつつ通じた。反応液が薄い紫
色を呈した時点で、反応液に窒素ガスを通じ、次に水素
化ホウ素ナトリウム581mg(15.36mmol)
を少しずつ加えた後、氷冷下、1時間攪拌した。内容物
を氷−希塩酸にあけ、クロロホルムで3回抽出し、水、
5%炭酸ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で順次洗浄
後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。減圧濃縮後、
シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(n−ヘキサ
ン/酢酸エチル=4/1)で精製し、標題化合物3.9
2g(93%)を油状物として得た。 IR(film,cm-1):3520,2936,1722,1602,145
2,1269,1112,1070,1050,712 1H NMR(300MHz,CDCl3)δ:2.51(1H, t, J=6.5Hz), 3.44
(3H, s), 3.57(2H, m), 3.78(2H, m), 4.19(1H, dd, J=
10.4, 3.5Hz), 4.39-4.44(2H, m), 4.58(1H, dd,J=10.
4, 6.1Hz), 5.25(1H, d, J=3.6Hz), 5.38(1H, dd, J=1
0.4, 3.6Hz), 5.90(1H, br-s), 7.40-7.65(9H, m), 8.0
1-8.15(6H, m). FAB−MS(+):m/z 551.0(M+H)
+;calcd.for C30H30O10=550.1839
【0058】実施例10 メチル 2,4,6−トリ−O−ベンゾイル−3−O−
(2−ブロモエチル)−α−D−ガラクトピラノシド 実施例9で得られたメチル 2,4,6−トリ−O−ベ
ンゾイル−3−O−(2−ヒドロキシエチル)−α−D
−ガラクトピラノシド8.2g(14.71mmol)
の塩化メチレン(200ml)の溶液に、室温にて四臭
化炭素9.75g(29.4mmol)、トリフェニル
ホスフィン7.71g(29.4mmol)を攪拌しつ
つ加え、5分後、飽和重曹水を加え、分液した。有機層
を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥さ
せた。減圧濃縮後、シリカゲルフラッシュクロマトグラ
フィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製
し、標題化合物8.70g(96%)を油状物として得
た。 IR(film,cm-1):2956,1723,1602,1584,145
2,1333,1269,1177,1110,1069,1050,758,709 1H NMR(300MHz,CDCl3)δ:3.30(2H, m), 3.43(3H, s),
3.80(1H, m), 4.10(1H, m), 4.20(1H, dd, J=10.6, 3.6
Hz), 4.41(2H, m), 4.56(1H, dd, J=13.2, 8.9Hz), 5.2
4(1H, d, J=3.6Hz), 5.42(1H, dd, J=10.6, 3.6Hz), 5.
91(1H, br-d, J=2.9Hz), 7.41-7.62(9H, m), 8.02-8.13
(6H, m). FAB−MS(+):m/z 615.0/613.0
(M+H+2/M+H)+;calcd.for C30
H29O9Br=612.099
【0059】実施例11 ジメチル (2,4,6−トリ−O−ベンゾイル−1−
O−メチル−α−D−ガラクトピラノース−3−O−イ
ル)エチルホスフォネート 実施例10で得られたメチル 2,4,6−トリ−O−
ベンゾイル−3−O−(2−ブロモエチル)−α−D−
ガラクトピラノシド3.78g(6.16mmol)に
トリメチルホスファイト15mlを加え、15時間加熱
還流した。過剰のトリメチルホスファイトを減圧蒸留に
て除去し、残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフ
ィー(酢酸エチル)で精製し、標題化合物3.68g
(93%)を油状物として得た。 IR(film,cm-1):3610,3440,3064,2954,284
8,1720,1654,1602,1584,1452,1268,1109,1049,819,757,
712 1H NMR(300MHz,CDCl3)δ:1.80-2.02(2H, m), 3.43(3H,
s), 3.51(3H, d, J=10.9Hz), 3.57(3H, d, J=10.9Hz),
3.78(1H, m), 3.96(1H, m), 4.14(1H, m), 4.37-4.44(2
H, m), 4.55(1H, dd, J=12.9, 9.0Hz), 5.21(1H, d, J=
3.6Hz), 5.41(1H,dd, J=10.4, 3.6Hz), 5.90(1H, d, J=
3.1Hz), 7.40-7.65(9H, m), 8.03-8.13(6H, m). FAB−MS(+):m/z 643.1(M+H)
+;calcd.for C32H35O12P=642.186
【0060】実施例12 メチル トリエチルアンモニウム {2,4,6−トリ
−O−ベンゾイル−1−O−メチル−α−D−ガラクト
ピラノース−3−O−イル}エチルホスフォネート 実施例11で得られたジメチル (2,4,6−トリ−
O−ベンゾイル−1−O−メチル−α−D−ガラクトピ
ラノース−3−O−イル)エチルホスフォネート5.5
g(8.56mmol)の無水テトラヒドロフラン(4
0ml)溶液に、トリエチルアミン7.16ml(5
1.3mmol)、チオフェノール3.52ml(3
4.2mmol)を加え、室温にて48時間攪拌した。
溶媒及び過剰の試薬を減圧下除去した後、残渣をシリカ
ゲルフラッシュクロマトグラフィー(クロロホルム/メ
タノール/トリエチルアミン=9/1/0.1)で精製
し、標題化合物5.95g(95%)を不定形化合物と
して得た。 IR(film,cm-1):3420,2948,1720,1601,158
3,1269,1112,1052,757,717 1H NMR(300MHz,CDCl3)δ:1.20(9H, t, J=7.3Hz), 1.89
(2H, m), 2.88(6H, q, J=7.3Hz), 3.38(6H, br-s), 3.7
5(1H, m), 3.95(1H, m), 4.14(1H, dd, J=10.4Hz), 4.3
5-4.50(3H, t, m), 5.21(1H, d, J=3.5Hz), 5.34(1H, d
d, J=10.4, 3.5Hz), 5.97(1H, br-s), 7.38-7.51(9H,
m), 7.98-8.09(6H, m). FAB−MS(+):m/z 730.1(M+H)
+;calcd.for C37H48NO12P=729.291
【0061】実施例13 (N4 −ベンゾイル−2’,3’−O−イソプロピリデ
ンシチジン−5’−イル) メチル {2,4,6−ト
リ−O−ベンゾイル−1−O−メチル−α−D−ガラク
トピラノース−3−O−イル}エチルホスフォネート トリエチルホスフィン2.1g(8.0mmol)の無
水テトラヒドロフラン(20ml)溶液に氷冷下、アゾ
ジカルボン酸ジイソプロピル1.57ml(8.0mm
ol)を加え、30分間攪拌した。この懸濁液の2.2
5ml(0.83mmol)を、実施例12で得られた
メチル トリエチルアンモニウム {2,4,6−トリ
−O−ベンゾイル−1−O−メチル−α−D−ガラクト
ピラノース−3−O−イル}エチルホスフォネート50
5mg(0.692mmol)及び実施例5で使用した
N4 −ベンゾイル−2’,3’−O−イソプロピリデン
シチジン268mg(0.692mmol)の無水テト
ラヒドロフラン(10ml)溶液に氷冷下滴下し、1時
間後室温に戻し、12時間攪拌した。メタノール2ml
を加え、反応液を濃縮し、残渣をシリカゲルフラッシュ
クロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール=98/
2)で精製し、標題化合物226mg(33%)を不定
形化合物として得た。 [α]D=+38.8(c=0.68,CHCl3) IR(film,cm-1):1720,1667,1626,1559,148
3,1451,1375,1265,1117,1109,1068,1027,711 1H NMR(300MHz,CDCl3)δ:1.36(3H, s), 1.58(3H, s),
1.98(2H, m), 3.42(3H, s), 3.52(3/2H, d, J=11Hz),
3.56(3/2H, d, J=10.2Hz), 3.75-5.02(19H, m), 5.21(1
/2H, m), 5.40(1/2H, d, J=12Hz), 5.74(1/2H, d, J=6.
0Hz), 5.98(1/2H, br-s), 7.38-7.58(12H, m), 7.82-8.
11(8H, m), 8.79(1H, br-s). FAB−MS(+):m/z 998.1(M+H)
+;calcd.for C50H52N3O17P=997.303
【0062】実施例14 (N4 −ベンゾイル−2’,3’−O−イソプロピリデ
ンシチジン−5’−イル) トリエチルアンモニウム
{2,4,6−トリ−O−ベンゾイル−1−O−メチル
−α−D−ガラクトピラノース−3−O−イル}エチル
ホスフォネート 実施例13で得られた(N4 −ベンゾイル−2’,3’
−O−イソプロピリデンシチジン−5’−イル) メチ
ル {2,4,6−トリ−O−ベンゾイル−1−O−メ
チル−α−D−ガラクトピラノース−3−O−イル}エ
チルホスフォネート200mg(0.20mmol)を
無水テトラヒドロフラン(1ml)に溶解し、トリエチ
ルアミン0.17ml(1.2mmol)、チオフェノ
ール0.08ml(0.8mmol)を加え、室温で4
8時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、残渣をシリカ
ゲルフラッシュクロマトグラフィー(クロロホルム/メ
タノール/トリエチルアミン=9/1/0.1)で精製
し、標題化合物187mg(86%)を不定形化合物と
して得た。 [α]D=+40.0(c=0.63,CHCl3) IR(KBr,cm-1):3420,1723,1652,1571,1486,1
452,1384,1268,1112,1056,713 1H NMR(300MHz,CDCl3)δ:Broadenigのため測定不可能 FAB−MS(−):m/z 982.0(M−H−E
t3N)+;calcd.for C55H65N4O17P=
1084.408
【0063】実施例15 (2’,3’−O−イソプロピリデンシチジン−5’−
イル) (1−O−メチル−α−D−ガラクトピラノー
ス−3−O−イル}エチルホスフォネート 実施例14で得られた(N4 −ベンゾイル−2’,3’
−O−イソプロピリデンシチジン−5’−イル) トリ
エチルアンモニウム {2,4,6−トリ−O−ベンゾ
イル−1−O−メチル−α−D−ガラクトピラノース−
3−O−イル}エチルホスフォネート170mg(0.
157mmol)をメタノール(2ml)に溶解後、1
規定水酸化ナトリウム水溶液を加え、pH=13以上と
し、室温で3時間攪拌した。Dowex HCR−S
(H+ )を加えてpH=3付近にし、ろ過後、樹脂を濃
アンモニア水で洗浄し、合わせたろ液を減圧下濃縮、乾
固した。残渣をゲルろ過(Sephadex−LH−2
0、メタノール/水=1/9)で精製し、標題化合物8
4.2mg(95%)を不定形化合物として得た。 [α]D=+70.8(c=0.52,H2O) IR(KBr,cm-1):3410,1653,1494,1381,1212,1
070 1H NMR(300MHz,D2O)δ:1.25(3H, s), 1.44(3H, s), 1.8
0(2H, m), 3.25(3H, s),3.33-3.71(7H, m), 3.91-3.96
(3H, m), 4.40(1H, br-s), 4.67(1H, d, J=3.0Hz), 4.8
2(2H, m), 5.74(1H, d, J=6.0Hz), 7.62(1H, d, J=6.0H
z). FAB−MS(−):m/z 566.1(M−H)
+;calcd.for C21H34N3O13P=567.1837
【0064】実施例16 シチジン−5’−イル (1−O−メチル−α−D−ガ
ラクトピラノース−3−O−イル)エチルホスフォネー
ト 実施例15で得られた(2’,3’−O−イソプロピリ
デンシチジン−5’−イル) (1−O−メチル−α−
D−ガラクトピラノース−3−O−イル}エチルホスフ
ォネート124mg(0.219mmol)を80%ト
リフルオロ酢酸−水(4ml)に溶解し、室温で1時間
攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、残渣を水(5ml)
に溶解して12時間放置した後、溶媒を減圧下留去して
標題化合物116mg(99%)を不定形化合物として
得た。 [α]D=+63.0(c=0.852,H2O) IR(KBr,cm-1):3386,1682,1540,1434,1204,1
136 1H NMR(300MHz,D2O)δ:2.16(2H, m), 3.48(3H, s), 3.6
7(1H, dd, J=10.1, 3.3Hz), 3.79-3.98(6H, m), 4.16-
4.43(6H, m), 4.91(1H, d, J=4.0Hz), 6.00(1H, d, J=
2.7Hz), 6.36(1H, d, J=7.8Hz), 8.76(1H, d, J=7.8H
z). FAB−MS(+):m/z 528.1(M+H)+
,550.1(M+Na)+;calcd.for C
18H30N3O13P=527.152
【0065】
【発明の効果】本発明化合物及びその製薬上許容しうる
塩は、シアル酸含有及びフコース含有糖鎖の生合成を阻
害する、更に詳しくはシアル酸転移酵素とCMP−シア
ル酸の反応を阻害することにより炎症反応の予防及び治
療に有効である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 (式中、R1 は、水素原子、アシル基であり、 R2 は水素原子、アシル基もしくはR1とR2が一緒にな
    ってフェニルメチレン基を示し、 R3 は、水素原子、低級アルキル基、アシル基であり、 R4 は、水素原子、低級アルキル基、アシル基もしくは
    R3とR4が一緒になってジメチルメチレン基を示し、 R5 は水素原子、低級アルキル基であり、 R6 は、水素原子、アシル基であり、 R7 は、水素原子、アシル基もしくはR6とR7が一緒に
    なってジメチルメチレン基を示し、 R8 は、水素原子、アシル基、ベンゾイル基であり、 R9 は、水素原子、アシル基、ベンゾイル基を示す)で
    表されるガラクトシルホスフォネート誘導体又はその製
    薬上許容しうる塩。
  2. 【請求項2】 一般式 【化2】 (式中、Rは、水酸基、ハロゲン原子、エステル化され
    てもよいホスホノ基であり、R1、R2、R3、R4は前記
    と同じである)で表されるガラクトース誘導体又はその
    塩。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000008040A1 (en) * 1998-08-07 2000-02-17 Universität Konstanz Sialyltransferase inhibitors
WO2000048609A1 (en) * 1999-02-19 2000-08-24 Norsk Hydro Asa Chemical compounds
WO2007093769A1 (en) * 2006-02-13 2007-08-23 Isis Innovation Limited Oligosaccharide biosynthesis inhibitors

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