JPH0714332B2 - 食用海藻ペーストの製造方法 - Google Patents

食用海藻ペーストの製造方法

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JPH0714332B2
JPH0714332B2 JP4335680A JP33568092A JPH0714332B2 JP H0714332 B2 JPH0714332 B2 JP H0714332B2 JP 4335680 A JP4335680 A JP 4335680A JP 33568092 A JP33568092 A JP 33568092A JP H0714332 B2 JPH0714332 B2 JP H0714332B2
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国寛 林
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株式会社エスティーエフ
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な食品素材として各
種利用できる食用海藻ペーストの製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】こんぶ、わかめ、ひじき等の食用海藻
は、その形状を保持したまま各種食用に供されるほか、
乾燥品を粉砕して食品に添加されることもあるが、ペー
ストして利用された例は少ない。従来、食用海藻をペー
スト化する試みは一般に長時間の蒸煮によって行なわれ
ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は食用海藻を
ペースト化して新たな食用素材を開発するべく、まずこ
の食用海藻を長時間の蒸煮によってペースト化してみ
た。その結果、得られたペーストは食感が不満足であ
り、風味も飛消してしまっているほか栄養成分の損失も
大きい等種々の問題があることが判明した。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の如き
食用海藻のペースト化の欠陥を正視しつつ、食感、風
味、栄養成分等を保持し、容易に欠陥の改善を計るべく
実験研究の結果、本発明を完成させたものである。
【0005】本発明は、ペースト化に避け難い上記欠陥
を改善する為、従来広く行われていた前述の方法を廃
し、食用海藻をいかに短時間蒸煮でペースト可能な最少
水量、及び風味保持に必要な蒸煮時間と方法の選定等、
種々実験の結果得られたものである。すなわち、目的達
成に必要な加工法は、短時間、少量水量で海藻特有の香
味を保持したまま可能なものであり、圧力釜による加工
法が最適であると言う結果を得た。
【0006】本方法でできたペーストは、前述の欠陥を
補うに充分なるもので、本発明に必要な最適条件を要約
して説明すれば、次の通りである。圧力釜内の蒸煮する
食用海藻は予め切断しておくのがよい。この切断は10〜
20mm巾程度が適当である。この切断巾は、圧力、加熱、
蒸煮時間に加え磨砕等の条件に適していた。尚切断後、
塩分除去の為軽く水洗い、水切りしておく。
【0007】まず、食用海藻を蒸煮する際に圧力釜内に
加えられる水量は食用海藻の生の重量の10〜50%程度と
する。この水量は生の食用海藻に対するものであり、食
用海藻が乾燥品の場合にはそれを生の状態に戻す水量が
更に必要である。一般に、乾燥海藻を生の状態に戻す乾
燥重量の8〜9倍の水を吸収するとされている。この生
の重量の10〜50%程度の余剰水量が食用海藻の軟化に必
要な最適水量であり、蒸煮後は磨砕するだけで適度な濃
度のペーストを得ることができる。余剰水量の特に好ま
しい量は生の重量の20〜40%程度である。
【0008】圧力釜の加熱は釜内温度が110〜130℃程
度、好ましくは115〜125℃程度になるように行なう。釜
内温度が130℃を越える加熱を行なうと処理品の肉質が
ベトベト状になり、食感が悪くなる。
【0009】加熱時間は3〜15分間程度とする。この条
件下で処理した食用海藻は、組織(肉質)が軟化するた
め、食感、風味、栄養成分、退色、味覚等の品質劣化が
少なく、良好なペーストが容易に得られる。
【0010】加熱後の磨砕は50℃以上の品温、即ち膨潤
状態で行なうことが好ましい。蒸煮海藻を、一度冷却後
ペースト化を行うと磨砕機内で海藻に含まれているアル
ギン酸(多糖類)で粘化状になり、好ましい食感を持っ
たペーストは出来にくい。この事は品温が高温程良質な
ペーストが容易に出来る事を示す。60℃以上の品温で磨
砕することが特に好ましい。
【0011】得られた食用海藻ペーストは、離乳食、バ
ター(マーガリン)、ドレッシング、アイスクリーム、
シャーベット、ジャム、ゼリー菓子、パン、うどん、ス
パゲッティー、ガム、アメ、和菓子(羊羹など)、カマ
ボコ等練製品、ソーセージ、クッキー、プリン、プディ
ング、ババロア、ムース、パティー、玉子焼等に使用で
きる。添加量は10〜80%程度、多くの場合15〜50%程度
が適当である。
【0012】
【実施例】〔ペーストの製造とその応用食品の製造〕 (1) 乾燥昆布ペーストのマリーンソフトバターの製造 乾燥昆布10重量部を、10mm巾に切断し軽く水洗い、
同時に付着塩分を除去し水切りする。 を生の状態に復元する水量90重量部、軟化に必要
な水量30重量部を加え、圧力釜で8分間圧力(1.3気圧)
加熱蒸煮する。 で得られた蒸煮昆布の品温65℃で磨砕機でペース
トにする。 で得られたペーストを用いて、下記のレシピーで
昆布のソフトバターを製造した。 コンブペースト 87% 植 物 油 5% 調 味 料 8%
【0013】このペーストは、なめらかな食感と海藻特
有な香味を有し、且つ海藻が持つ「アルギン酸」(多糖
類)により軟固型する為、硬化油を添加せず、単に5%
程度の植物油で昆布のソフトバターが出来た。
【0014】(2) 生ワカメペーストのワカメドレッシン
グの製造 生ワカメ90重量部を、20mm巾に切断し軽く水洗い、
同時に付着塩分を除去し水切りする。 に軟化に必要な水量30重量部を加え、圧力釜で4
分間加圧(1.3気圧)加熱蒸煮する。 で得られた蒸煮ワカメの品温65℃で磨砕機でペー
ストにする。 で得られたワカメペーストを用いて、下記のレシ
ピーでワカメドレッシングを製造した。 ワカメペースト 39% 食 酢 33% 植 物 油 20% 調 味 料 8%
【0015】このペーストは、アルギン酸(多糖類)の
効果により少ない油で野菜等に効率良く付着し、食味豊
かなドレッシングが出来た。
【0016】(3) 乾燥ヒジキペーストのスターチプディ
ングの製造法 乾燥ヒジキ10重量部を、軽く水洗い、同時に付着塩
分を除去し水切りする。 に生の状態に復元する水量80重量部、軟化に必要
な水量20重量部を加え、圧力釜で5分間加圧(1.3気圧)
加熱蒸煮する。 で得られた蒸煮ヒジキの品温65℃で磨砕機でペー
ストにする。 で得られたヒジキペーストを用いて、下記のレシ
ピーでスターチプディングを製造した。 ヒジキペースト 27.6% ス タ ー チ 8.8% 砂 糖 8.3% 食 塩 0.3% 牛 乳 55%
【0017】このヒジキプディングは、本来ヒジキの保
有する栄養価(特にカルシウム)を考慮すれば離乳食に
適合すると思われる。
【0018】〔官能検査要網〕各食用海藻のペースト
が、実際に加工食品としての適性を確認するため上記で
製造された加工食品3点を、別紙、官能検査により評価
した。
【0019】(1) 官能検査法 官能検査対象者 パ ネ ル……15名 内 訳……一般家庭の家族・専門的飲食従事者 パネル構成
【0020】
【表1】
【0021】(2) 官能検査の実施法 各官能検査は、別紙官能検査用紙の設問項目に各パ
ネルの自由意識によるチェック法で行なった。 別紙官能検査用紙が示す如く、本件に必要な設問と
「レシピー」に必要な予備項目に大別した。よって「レ
シピー」に必要な項目の解析は本分より除外した。 本件に必要な設問となる「全体的な風味」の10点法
は、各パネルの嗜好感覚等、感性により製品別採点を行
った。採点は、パネルの採点合計点をパネル数で割り算
した平均点を評価点とする。尚、平均点7点以上を一応
可の評価と言われている。 評価の対比品 (a) コンブのソフトバターについて A記号 コンブのソフトバター B記号(対比品) 雪印のソフトマーガリン フランスパンを10mm厚さに切り、各パネルの自由な使用
量で試食させる。 (b) ワカメのドレッシングについて A記号 ワカメのドレッシング B記号(対比品) キューピーフレンチドレッシング レタス、キュウリに各パネルの自由な使用量で試食させ
る。 (c) ヒジキのスターチプディングについて 市販品で対比品に該当なく単品で行った。
【0022】(3) 評価結果 (1)の官能検査要網に基づき行った、官能検査の評価結
果。尚、評価は10点法による。 コンブのソフトバター A記号 平均点 7,08点 B記号 平均点 6,38点 ワカメのドレッシング A記号 平均点 7,85点 B記号 平均点 5,77点 ヒジキのスターチプディング 単 品 平均点 7,92点
【0023】以上の評価結果を考察すれば、本発明によ
る食用海藻ペーストが、加工食品に充分適合すると言え
る。又、この評価より推察すれば、離乳食、ジャム、ア
イスクリーム、パン、うどん等、その他の練り製品に応
用出来る。尚、参考として別紙官能検査集計表1、2、
3を添付する。
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】
【発明の効果】本発明の方法によれば、食用海藻の食
感、風味、及び栄養成分を保持し良好なる食用海藻の加
工食品に必要なペーストを、容易に製造することができ
る。加圧、加熱、蒸煮が密閉状態で行われる為、香味豊
かなペーストができる。全処理量をそのまま磨砕機にて
ペースト化出来、栄養成分の流失もなく、食感(滑ら
か)の良好なペーストを廃水等を出さずに製造出来る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 食用海藻を圧力釜に入れてその生の重量
    の10〜50%の余剰水の存在下で釜内温度110〜130℃で3
    〜15分間加熱し、その後磨砕することを特徴とする食用
    海藻ペーストの製造方法
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JP2007174993A (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Nard Inst Ltd 海藻微細化物の分散系コロイド状組成物およびその製造方法
JP2008161101A (ja) * 2006-12-28 2008-07-17 Intekku:Kk 乳化食品の製造方法および乳化食品

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