JPH07138338A - ポリウレタンウレアの反応成形法 - Google Patents

ポリウレタンウレアの反応成形法

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JPH07138338A
JPH07138338A JP6155515A JP15551594A JPH07138338A JP H07138338 A JPH07138338 A JP H07138338A JP 6155515 A JP6155515 A JP 6155515A JP 15551594 A JP15551594 A JP 15551594A JP H07138338 A JPH07138338 A JP H07138338A
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mol
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JP6155515A
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Hiroyuki Hanabatake
博之 花畑
Emiko Yamazaki
英美子 山崎
Haruyuki Yoneda
晴幸 米田
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた力学物性を有するポリウレタンウレア
弾性体を、重合溶媒を使用せずに反応と同時に連続的に
成形する、簡略化された製法を提供する。 【構成】 (A)液:非対称ジアミンとカルボニル含有
化合物との反応組成物と、(B)液:2官能以上の末端
イソシアネートプレポリマーとを酸化合物の存在下で混
合機器に連続的に供給、排出することを特徴とするポリ
ウレタンウレアの反応成形法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた性質を示すポリ
ウレタンウレア弾性体を溶媒を用いず、反応成形する方
法に関するものである。更に本発明は、溶媒を用いない
ため、従来溶媒に不溶であったポリウレタンウレア弾性
体を成形することができる新規な方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般にポリウレタンウレア弾性体は、ジ
メチルアセトアミド等の溶媒中でポリマージオールとジ
イソシアネートから、両末端イソシアネートのプレポリ
マーを合成し、次いでこのプレポリマーをジアミン化合
物で連結し、高分子量化することによって得られてい
る。
【0003】溶媒が必要な主な理由は、以下の2点によ
る。1つは、ポリウレタンウレア弾性体は熱可塑性を示
さないために、ポリマー溶液から乾式紡糸、湿式紡糸等
の方法を用いて成形せざるを得ないこと2つ目は、プレ
ポリマーとジアミン化合物の反応は非常に高速であり溶
媒を用いないと不均一なポリマーしか得られないことで
ある。
【0004】溶媒を用いる製法では、溶剤を除去、回収
する工程が必須となり、従って工程が複雑となり、エネ
ルギーを大量に消費し、かつ環境汚染の問題につながり
かねない。アミン化合物をケトンでキャップすることに
より、プレポリマー中のイソシアネート基との反応を遅
くし得ることは、例えば特開昭47−34305号公報
に記載されているように古くから知られており、コーテ
ィング、ラッカー塗装の分野で該ケトンキャップの使用
例が存在している。
【0005】特開昭60−161417号公報には、ア
ミンとケトンの反応生成物であるケトイミン化合物とイ
ソシアネート基含有化合物からなる湿分硬化性組成物が
提示されている。水分のない状態では長いポットライフ
を有し、塗装により水分を吸収し、硬化被膜を形成する
ものであるが、この場合には、溶媒を含有させたもであ
る。更に特開昭53−24396号公報では、水を積極
的に添加することによりケトイミン化合物とイソシアネ
ート基との反応をコーティングに適した速度にコントロ
ールする方法が提示されている。
【0006】エチレンジアミンとアセトンの反応物とい
う特定のケトイミン化合物を用いて、かつケトイミン化
合物にポリマージオールを添加することにより、イソシ
アネート基を持つプレポリマーの粘度に近づけ両者の混
合を容易にすることにより、無溶剤で連続的に太いフィ
ラメント等を成形する方法が提示されている。(特開昭
63−154719号公報、特開平1−210416号
公報参照)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】エチレンジアミンとア
セトンからなるケトイミン化合物を用いた無溶剤の成形
方法では、ポリウレタンウレア弾性糸が得られるもの
の、太いフィラメントに限定されてしまう。実際に衣料
用途向けの細いフィラメントを得るには、まだ重合の均
一性が充分であるとは言えず、又得られた太いフィラメ
ントの力学物性はやや不充分であった。
【0008】又、特開昭53−24396号公報の方法
はコーティング用途に適用する方法であるが、該方法を
弾性糸の製造に適用してみたが、やはり細フィラメント
を得るだけの重合の均一性が不足している(実際には溶
媒が必要)し、更に、該公報におけるアミン化合物は実
際には脂環式ジアミンであり、これらの化合物では、実
用に供せる物性を有したポリウレタンウレア弾性糸を得
るのは困難である。
【0009】以上述べたように、これまで一定の品質、
即ち、物性斑がなく良好な物性を有した細いフィラメン
トのポリウレタンウレア弾性体を得るのに充分な程、重
合の均一性に優れた方法は全く知られていなかったので
ある。即ち本発明の目的は、従来法のものに比較して一
段と高い物性を有し、均一性の高い弾性体を無溶媒で連
続的に重合すると同時に成形する方法を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々のア
ミン化合物について検討した結果、特定構造のアミン化
合物を選択使用し、該アミン化合物とケトン化合物との
反応混合物がイソシアネート基との反応において、無溶
剤、連続重合成形を行なうのに最適な速度を有するこ
と、及び該反応が従来のものと比較して副反応が少なく
非常に良好なものであることを見出し本発明に到達し
た。
【0011】すなわち本発明は、
【化8】 で表わされる非対称ジアミン化合物と
【0012】
【化9】 で表わされるケトン化合物および/またはアルデヒド化
合物を1/1〜1/10のモル比で反応させてなる組成
物であって、
【0013】(I)仕込みの非対称ジアミン化合物に対
して (1)未反応の非対称ジアミン 30モル%以下 (2)
【化10】 及び
【0014】
【化11】 合計70モル%以下
【0015】(3)
【化12】 20モル%以下
【0016】 (4)H2 O 130モル%以下 の各組成比率を有する組成物と2官能以上の末端イソシ
アネートプレポリマーとを非対称ジアミン化合物に対し
て0.0001モル%〜10モル%の酸化合物の存在下
で混合機器に連続的に供給、排出することを特徴とする
ポリウレタンウレアの反応成形法、に関するものであ
り、また、各組成比率を有する組成物が、更に、
【0017】(II)フェニルイソシアネートと反応さ
せた場合に得られる
【化13】 及び
【0018】
【化14】 が仕込みの非対称ジアミン化合物に対して95モル%以
上生成する能力を有する組成物である前記ポリウレタン
ウレアの反応成形法、に関するものである。以下、本発
明を詳細に説明する。
【0019】本発明において使用するアミン化合物とは
【化15】 で表わされる非対称ジアミン化合物である。
【0020】具体的な化合物として、1,2−プロピレ
ンジアミン、1,3−ブチレンジアミン、1,2−ブチ
レンジアミン、1,4−ペンテンジアミン、1,5−ヘ
キセンジアミン、イソブチレンジアミン等が挙げられ
る。重合反応速度、得られた弾性体の力学物性等の点か
ら1,2級ジアミン化合物が好ましく、具体的な化合物
として1,2−プロピレンジアミンが好ましい。
【0021】次に本発明において使用するケトン化合物
及び/又はアルデヒド化合物とは
【化16】 で示されるカルボニル含有化合物である。
【0022】具体的な例として、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、アセトフェ
ノン、ペンゾフェノン、アセトアルデヒド、ブチルアル
デヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。脂肪族ケト
ンが好ましく、好ましい具体的な化合物例としては、ア
セトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メ
チルイソブチルケトン等が挙げられる。次にこれら非対
称ジアミン化合物とカルボニル含有化合物とからなる反
応組成物について述べる。
【0023】本発明における反応組成物は使用した非対
称ジアミン化合物に対して (1)未反応ジアミン 30モル%以下 (2)
【化17】 及び
【0024】
【化18】 合計70モル%以下
【0025】(3)
【化19】 20モル%以下 (4)H2 O 130モル%以下 の組成のものである。
【0026】組成物の比率は、イソシアネート基との反
応速度を制御するために重要であり、上記の範囲内にあ
ることが必須である。 (1)が30モル%を越えると反応が速くなり過ぎて不
均一な重合体しか得られなくなる。 (3)が20モル%を越えると反応が遅くなり過ぎて連
続的に成形体を得ることが困難になる。 (4)H2 Oは、アミン基とケトン基からケトイミン基
及び/又はアルドイミン基が生成する際に副生するもの
である。この反応は平衡反応であるので、ケトイミン基
及び/又はアルドイミン基からアミン基を再生するため
には、H2 Oは必須である。
【0027】本発明におけるH2 Oの量は、アミンを再
生するための理論量から理論量の1.2倍の130モル
%以下である。H2 O量がこれを越えると副反応が増加
し好ましくない。アミン基の再生速度をコントロールす
るのに酸化合物を存在させることが好ましく、酸化合物
の量が増えると再生速度が早くなる。
【0028】酸化合物としては、有機酸、無機酸等、特
に限定はないが具体的には、ギ酸、酢酸、プロピオン
酸、塩酸、硫酸、アルキルリン酸、ベンゼンスルホン
酸、パラトルエンスルホン酸等が挙げられる。酸化合物
の存在は、各組成比率を有する組成物及び/又は2官能
以上の末端イソシアネートプレポリマーに添加してもよ
く、さらにこれら両成分の混合時に添加してもよいが、
2官能以上の末端イソシアネートプレポリマーに添加す
るか混合時に添加するのが好ましくい。
【0029】添加量は、所望する再生速度により異なる
が通常ジアミン化合物に対して0.0001モル%〜1
0モル%である。この範囲より少ないと再生速度が遅く
成形が困難となり、又この範囲より多いと再生速度が速
すぎ混合直後に重合が進行し成形が不能となる。アミン
化合物とケトン化合物との反応において、更に、副反応
の量が一定量以下のものを用いると得られた弾性体の力
学的物性が大巾に優れることが見出された。
【0030】アミン化合物とカルボニル含有化合物との
反応から成る組成物中の副反応物を定量することが困難
であるため、単官能イソシアネートであるフェニルイソ
シアネートを実際に本発明における組成物と反応させ得
られた化合物
【化20】 及び
【0031】
【化21】 が組成物を得るために使用したジアミン化合物に対して
95モル%以上生成することを副反応物定量の一つの尺
度とした。前記化合物(ii)はフェニルイソシアネー
トと水との反応生成物であるが、反応中に化合物(i)
の生成反応に対して競争反応的に生成する。該化合物
(ii)の反応は弾性発現に寄与するものであり、副反
応とは見なしていない。
【0032】反応は、使用したジアミン化合物に対して
2.5倍モルのフェニルイソシアネートを50℃で添加
し、30分放置し、更にH2 Oをジアミンに対して1.
0モル加え50℃で更に2時間放置し、過剰のフェニル
イソシアネートを分解した後、反応物に内部標準を使用
してNMRで定量することにより求めた。次に、非対称
ジアミン化合物とカルボニル含有化合物との反応による
本発明の組成物の製法について説明する。
【0033】非対称ジアミン化合物とカルボニル含有化
合物とは1/1〜1/10のモル比範囲で混合する。カ
ルボニル含有化合物が少ないと未反応ジアミンが増加し
好ましくない。又、カルボニル含有化合物が多くなると
前記(2)(3)の化合物が増加し好ましくなく、更
に、不要な化合物を留去する工程が必要となり好ましく
ない。
【0034】両化合物の混合に溶媒を使用することは可
能である。その場合反応終了後に溶媒を留去した方が好
ましい。反応温度、反応時間は、組成物が本発明の範囲
になる条件であれば特に制限はないが、通常は0℃〜8
0℃、10分〜50時間である。
【0035】次に、本発明で使用する2官能性以上の末
端イソシアネートプレポリマー(以下「末端イソシアネ
ートプレポリマー」という。)について説明すると、末
端イソシアネートプレポリマーは、ポリオールとジイソ
シアネート或いはトリイソシアネートとの反応により合
成する。ポリオールは、数平均分子量が800〜600
0、好ましくは1000〜3000の範囲であり、か
つ、融点が60℃以下のポリエーテルポリオール、ポリ
エステルポリオール、ポリラクトンポリオール、ポリカ
ーボネートポリオールである。数平均分子量が800未
満のポリオールでは、得られる成形物は伸度が低く、ポ
リウレタンウレア弾性体としての高伸度高回復性の特長
が生かされず、逆に数平均分子量が6000を超えるポ
リオールでは、得られる成形物は弾性率が低い。融点の
高いポリオールを使用すると、成形物の回復性が低く、
又、プレポリマーの粘度が高くなるので好ましくない。
かかるポリオールとして、例えば、ポリオキシエチレン
グリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオ
キシテトラメチレングリコール、ポリオキシペンタメチ
レングリコールや側鎖をもつポリエステルポリオール等
のポリエーテルポリオール、アジピン酸、セバチン酸、
マレイン酸等の二塩基酸の1種又は2種以上とエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、
ヘキサメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノー
ル等のグリコール、またはグリセリン、フロログリシノ
ール、ヘキサントリオール、トリメチロールエタン、ト
リメチロールプロパンやペンタエリスリトール等のポリ
オールの1種又は2種以上とから得られたポリエステル
ポリオール、ポリカプロラクトン、ポリバレロラクトン
等のポリラクトンポリオール、ポリヘキサメチレンカー
ボネートポリオール、ネオペンチレンカーボネートジオ
ール等のポリカーボネートポリオールが挙げられる。こ
れらのポリオールの1種又は2種以上とグリセリン、フ
ロログリシノール、ヘキサントリオール、トリメチロー
ルエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリト
ール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール等
のポリオールを併用することができる。これらのポリオ
ールの中で、ポリエステルポリオール及びポリラクトン
ポリオールは微脆化し易いこと、ポリカーボネートは溶
融粘度が高く取り扱いが繁雑であることの点により、ポ
リエーテルポリオールが好ましく、中でもポリオキシテ
トラメチレンジオールが特に好ましい。
【0036】イソシアネート化合物としては、脂肪族ジ
およびトリイソシアネート、芳香族ジおよびトリイソシ
アネートが挙げられ、脂肪族イソシアネートの具体例と
してエチレンジイソシアネート、テトラメチレン−1,
4−ジイソシアネート、ヘキサメチレン−1,6−ジシ
アネート、ドデカン−1,12−ジイソシアネート、
1,6,11−ウンデカトリイソシアネート、1,8−
ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタ
ン、リジンエステルトリイソシアネート、1,3,6−
ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロトリイソ
シアネート等が挙げられる。
【0037】芳香族ジおよびトリイソシアネートはイソ
シアネート基がベンゼン核に直結し、2個のイソシアネ
ート基は相互にパラ位に結合しているものが好ましい。
2個のイソシアネート基が非対称位置に結合している芳
香族ジイソシアネートを用いても均一な混合、均一な成
形物を得ることはできるが、成形物の物性がパラ位結合
の芳香族ジイソシアネートからのそれより劣るので好ま
しくない。かかる芳香族ジイソシアネートとしては、フ
ェニレン−1,4−ジイソシアネート、ジフェニルメタ
ン−4,4′−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル
−4,4′−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−
ジイソシアネート、ナフタレン−2,6−ジイソシアネ
ート、トリジン−4,4′−ジイソシアネート等が挙げ
られる。これらの芳香族ジイソシアネートの中で特に物
性面からのバランスからジフェニルメタン−4,4′−
ジイソシアネートが好ましい。芳香族トリイソシアネー
トとしては、トリフェニルメタントリイソシアネート、
トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート
を用いることができる。
【0038】プレポリマーを合成する際のジまたはトリ
イソシアネート化合物のモル量とポリオールのモル量の
比は、本発明の場合には溶剤に対する溶解性に考慮を払
う必要がないので、通常スパンデックス繊維製造で行わ
れる1.4〜1.8より更に高い比率でプレポリマーを
合成することができる。高い比率でプレポリマーを合成
した場合、ハードセグメントを大きくすることができる
ので、弾性率、強度、耐熱性などの優れた成形物を得る
ことができる。高すぎると加熱硬化に時間がかかり、一
方、低すぎるとプレポリマーの粘度が高くなり、混合機
器への供給が困難となるので、用いるポリオール及びイ
ソシアネートの種類でも異なるが、一般には1.4〜
2.2の範囲である。なお、ハードセグメント量をより
大きくする為に、反応後のプレポリマーに、更に、芳香
族イソシアネートを添加することもできる。
【0039】次に、非対称ジアミン化合物とカルボニル
含有化合物との反応組成物(A液)と末端イソシアネー
トプレポリマー(B液)との混合について説明する。本
発明の混合から成形において、化学的にはアミノ基(ケ
トイミノ基及び/又はアルドイミノ基から再生したアミ
ノ基を含む)とイソシアネート基との間の重付加反応で
あり、従って両方の基が等当量およびその周辺の混合比
でなければならない。
【0040】両方の基が化学的等当量となる混合比の場
合は、排出された混合物が粘着しなくなるのに要する時
間(以後非粘着時間と記す)が短くなり、等当量から外
れイソシアネート基量が多くなる混合比の場合では、非
粘着時間は長くなるものの、成形物の物性が優れ、逆に
アミノ基が多くなる混合比の場合では、等当量の1.5
倍程度まで大きくしても非粘着時間に大きな変化はない
ものの、成形物の物性が劣る。成形物の物性及び非粘着
時間のバランスからみてイソシアネート基量が等当量の
0.8〜1.5倍になる範囲でA液とB液を混合するの
が良い。
【0041】本発明の混合においては、重合反応が所望
の速度に制御されているため(A)、(B)液の粘度差
にかかわらず均一な成形体が得られる。しかし、特開昭
63−154719号公報、及び特開平1−21041
6号公報に記載されている様に、(A)液にポリマーポ
リオール等を加えて粘度を上げてより混合を容易にする
ことは、本発明においても可能である。
【0042】混合する(A)、(B)液に本発明の効果
を損わない限り通常の添加剤を混合することができる。
例えば、フェニル系やヒンダードアミン系などの酸化防
止剤、顔料、シリコン系やフッ素系などの内部離型剤、
ジエチルアミン等の分子量調整剤、(A)液の混合安定
性を向上させるための界面活性剤、油剤、染色改良剤等
が挙げられる。
【0043】本発明でいう混合機器とは、供給液の供給
口と混合液を排出する排出口とを備えた容積を有する機
器であって、該容積部において混合が実施される機器で
あり、混合の手段としては、攪拌機による機械混合、ス
タティックミキサーとして知られている充填物による充
填混合、供給液のジェット流による衝突混合などがあ
る。
【0044】混合機器内では供給されるA液とB液の間
に反応が起き、供給液よりも粘度の高い混合液を生成す
るので、A液とB液の混合が遅いと不均一に反応が進
み、粘度にむらのある混合物として排出され、不均一な
成形物となる。従って、混合機器での混合は速くなけれ
ばならない。重合温度は、生成量、混合機内の滞留時間
により異なるが通常10〜150℃の範囲であり20〜
50℃の範囲が好ましく、いかなる理由かは明確ではな
いが、低い温度においても、高い温度においても副反応
が増加し好ましくない。
【0045】混合を均一にするために、混合機器に更に
超音波を伝播させるのも一つの方法である。混合機器に
超音波を伝播させる手段としては、超音波振動子を直接
混合機器に取り付ける直接法と、例えば、水、シリコー
ン油、低級アルコール、低級グリコール等の媒体の中に
振動子を置き超音波を発生させ、その媒体を介して混合
機器に超音波を伝播する間接法とが可能であるが、振動
子は振動に伴い発熱するので冷却する必要があり、混合
機器の外部の冷却媒体に振動子を設け混合機器の冷却と
振動子の冷却とを同時に行い、更に、混合機器への超音
波の伝播が簡単な構造で行える後者の間接法が好まし
い。
【0046】混合機器に超音波振動を与える為に使用す
る超音波振動機の発生周波数は、混合機器の種類、大き
さ、混合機器への超音波の伝播方法等により異なるが、
通常は10〜100KHzの範囲が実用的であり、周波
数が10KHz未満だと騒音の面で好ましくなく、一
方、100KHzを超える周波数の超音波振動機の使用
は、媒体を介した間接法では混合機器への超音波の伝播
が弱く、混合機器内の反応混合物による閉塞を防止の為
には高出力を必要とし、電気エネルギーコストが高くな
り好ましくない。乳化、分散、洗浄用に多く使用される
15〜50KHzの周波数の高周波を発生する超音波振
動機を使用するのが安価に入手できることから好まし
い。
【0047】混合機器で十分に混合された混合物は、所
望の形態、例えば、フィラメント、テープ、フィルム状
など形態に口金を通して、ロール、移動するベルト、加
熱浴、加熱水浴などに排出する。排出直後の混合物はま
だ粘着性を有している為、支持体の表面は、離型剤、例
えばシリコン系、フッ素系物質等で離型処理されている
のが好ましい。次いで、支持体上の混合物は加熱し硬化
させる。加熱源としては、熱風、赤外線、遠赤外線など
の通常の加熱方法が採用できるが、加熱温度は、高すぎ
ると、得られるポリウレタンウレア成形物が軟化し好ま
しくなく、逆に低すぎると、硬化に時間を要するので、
加熱方式にもよるが、通常40〜80℃で行うのが良
い。加熱時間は、A液やB液の原料の種類や組成、混合
条件、加熱方式や温度などで変わるので、加熱後の成形
物の重合度や物性を測定して決定する。
【0048】
【実施例】以下に、実施例を介して本発明をより具体的
に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限をうける
ものではない。なお、以下の実施例中に記載されている
測定項目は次の方法により測定した値である。
【0049】1)ηsp/e :ジメチルアセトアミ
ド溶媒中で 0.5g/100cc濃度、25℃で測定
した。 2)破断強度・伸度:テンシロンUTM−III(東洋
ボールドウイン社製)を用いて、試料長 50mm 引
張速度 1000%/分、温度20℃で測定した。 3)組成物のモル%:IR、NMRを用いて求めた。 4)両末端イソシアネートプレポリマーのMn:合成し
た両末端イソシアネートプレポリマーにエタノールを反
応させたのちGPC(ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィー)を用いて測定した。
【0050】(実施例1) (1)ジアミン/カルボニル含有化合物の組成物の調製 表1に示した所定モル比の化合物をそれぞれ秤量し、反
応器中で50℃、10時間攪拌下反応させた。反応組成
物の各組成比率はIR(ケトイミノ基1720cm-1
及びNMRを用いて求めた。
【0051】(2)両末端イソシアネートプレポリマー ポリテトラメチレングリコール〔数平均分子量(Mn)
1800〕18.0kgとメチレンジフェニルジイソシ
アネート(MDI)4.25kgを攪拌機付の反応器に
入れ、80℃にて4時間反応させ、反応生成物のジイソ
シアネート基量を滴定により求めたところ、0.62当
量/kgであった。反応物に更に酢酸1.9mmol/
kgになるように添加した。
【0052】(3)混合及び成形 図1に示した装置を用いて (A)液 :ジアミン/カルボニル含有化合物 (B)液 :両末端イソシアネートプレポリマー/酢酸 を、 (A)液 0.23g/min (B)液 50g/min になるよう混合器に連続的に供給し、紡口より排出し
た。排出物を加熱筒の中を通し、更に熱水中を通した
後、巻き取った。成形した糸の物性をまとめて表1に示
した。
【0053】(実施例2〜5、8)表1に示したジアミ
ン/カルボニル含有化合物の組成物、酸、両末端ジイソ
シアネートを用いた以外は実施例1と同様にして成形を
行なった。結果を表1にまとめて示した。
【0054】(実施例6) (1)ジアミン/カルボニル含有化合物の組成物の調製 実施例1と同様にジアミンとカルボニル含有化合物から
なる組成物の調製を行った。 (2)末端イソシアネートプレポリマー ポリテトラメチレングリコール〔数平均分子量(Mn)
1800〕15.2kgとメチレンジフェニルジイソシ
アネート(MDI)4.25kgとを攪拌機付き反応器
に入れ、80℃、2.5時間反応させた後、トリメチロ
ールプロパン(TMP)0.12kgを添加し、更に、
80℃、1.5時間反応させた。 (3)混合及び成形 実施例1と同様にした。結果を表1に示した。
【0055】(実施例7) (1)ジアミン/カルボニル含有化合物の組成物の調製 実施例1と同様にジアミンとカルボニル含有化合物から
なる組成物の調製を行った。 (2)末端イソシアネートプレポリマー アジピン酸とエチレングリコール/グリセリン(8:
2、モル比)から得られたポリエステルポリオール〔数
平均分子量(Mn)1800〕15.2kgとメチレン
ジフェニルジイソシアネート(MDI)4.25kgを
攪拌機付の反応器に入れ、80℃にて3時間反応させ
た。 (3)混合及び成形 実施例1と同様にした。結果を表1に示した。
【0056】(比較例1)ジアミンとして、本発明の範
囲外であるエチレンジアミンを用いて表1に示した酸、
両末端ジイソシアネートを用いた以外は実施例1と同様
の方法で成形を行なった。6000d以下の細い繊度の
ものを得ることは出来なかった。
【0057】
【表1】
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
重合溶媒を用いることなく反応と同時に連続的に成形す
る方法により、破断強度、破断伸度等に優れた力学特性
を有するポリウレタンウレア弾性体を提供することがで
きる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年9月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】追加
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例で用いた混合及び紡糸装置の
概略図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 【化1】 で表わされる非対称ジアミン化合物と 【化2】 で表わされるケトン化合物および/またはアルデヒド化
    合物を1/1〜1/10のモル比で反応させてなる組成
    物であって、 (I)仕込みの非対称ジアミン化合物に対して (1)未反応の非対称ジアミン化合物 30モル%以下 (2) 【化3】 及び 【化4】 合計70モル%以下 (3) 【化5】 20モル%以下 (4)H2 O 130モル%以下 の各組成比率を有する組成物と2官能以上の末端イソシ
    アネートプレポリマーとを非対称ジアミン化合物に対し
    て0.0001モル%〜10モル%の酸化合物の存在下
    で混合機器に連続的に供給、排出することを特徴とする
    ポリウレタンウレアの反応成形法。
  2. 【請求項2】 各組成比率を有する組成物が、更に、 (II)フェニルイソシアネートと反応させた場合に得
    られる 【化6】 及び 【化7】 が仕込みの非対称ジアミン化合物に対して95モル%以
    上生成する能力を有する組成物である請求項1記載のポ
    リウレタンウレアの反応成形法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102532475A (zh) * 2010-12-07 2012-07-04 佳能化成株式会社 聚脲树脂组合物和固化剂

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