JP2991568B2 - 線状セグメント化ポリウレタンウレア及びその製造法 - Google Patents

線状セグメント化ポリウレタンウレア及びその製造法

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JP2991568B2
JP2991568B2 JP4153746A JP15374692A JP2991568B2 JP 2991568 B2 JP2991568 B2 JP 2991568B2 JP 4153746 A JP4153746 A JP 4153746A JP 15374692 A JP15374692 A JP 15374692A JP 2991568 B2 JP2991568 B2 JP 2991568B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は線状のセグメント化ポリ
ウレタンウレア及びその製造法に関する。さらに詳しく
は、高物性の弾性繊維を安定して製造するのに有用な、
ポリマー中の分岐構造が著しく少ない線状セグメント化
ポリウレタンウレア及びその高濃度溶液を生産性良く製
造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタンはフォーム、接着剤、塗
料、エラストマー、合成皮革、さらに繊維等広い分野に
進出し、多くの有用な製品を生み出している。この中で
もとりわけ高弾性が要求されるポリウレタンウレア弾性
繊維は、通常セグメント化ポリウレタンウレアから成
り、以下の(1),(2)に示すいわゆる「二段階法」
で製造される。(1)まずジイソシアネート成分とジオ
ール成分とを溶融状態で反応させ、両末端にイソシアネ
ート基を有する溶融状プレポリマーとして後でジメチル
ホルムアミドやジメチルアセトアミドの様な溶媒に溶解
させてプレポリマー溶液を得るか(溶融合成法)、また
は両成分を直接上記溶媒中で反応させてプレポリマー溶
液を得て(溶液合成法)、(2)ついで該プレポリマー
をUSP2929804に記載されているような脂肪族
ジアミンで鎖伸長し、セグメント化ポリウレタンウレア
溶液を得る。そして、該溶液より溶媒を除去して、ポリ
ウレタンウレア弾性繊維が得られる。しかし、上記のポ
リマー製造途中で好ましくない副反応(架橋反応)が生
じ易く、このため得られる最終のポリマーは多くの分岐
構造を有する。その結果、ポリマー溶液は高粘度でゲル
化し易くなり、ポリマー溶液濃度を下げると言った生産
性を無視した方法をとっても、ポリマー溶液のゲル化の
傾向は完全にはなくならない。又その後の安定剤配合等
の後工程において分岐切断による溶液粘度低下が起き、
安定した紡糸などの成型が困難になり、さらにポリマー
中のミクロゲルの為に断糸を伴う。この解決のために、
特公昭41−3472、特公昭44-22311及び特公昭47−35317
号公報に見られるように、ポリマーの分岐構造を切断
し、成形に適する粘度まで下げる方法がある。これらの
方法では切断に長時間を必要として、分岐切断が不充分
であり、時間的ロスが大であり、場合によってはポリマ
ー溶液が着色したり、失透したりする。さらに、ミクロ
ゲルは除去しきれず、成形中、たとえば細デニール糸の
紡糸や紡糸速度を上げた場合に依然断糸が起こる。また
分岐を切断せずにポリマー分子量や濃度を下げて成形可
能な粘度を有するポリマー溶液を調整した後で成形する
ことも可能であるが、後工程での分岐切断による粘度変
化は避け難く、やはり安定成形は困難であるし、高物性
の成形品は得られず、上述したようにポリマー溶液の生
産性も悪化する。
【0003】これらに対し、分岐反応(架橋反応)を抑
制して分岐構造の少ないポリマーを最初から得ようとす
る試みもある。例えば、「ポリウレタン樹脂」(岩田敬
治著、日刊工業新聞社社販)には、トルエンのような中
性溶媒中又は無溶剤下にプレポリマー反応を行う場合
に、酸性物質を添加すると架橋反応を抑制できると述べ
られている。これは原料ジオール成分中に残存する、ジ
オール製造用触媒であって、架橋反応を促進するアルカ
リ化合物を酸性物質によって中和・失活するためだと考
えられる。これに対して、本発明で対象とするセグメン
ト化ポリウレタンウレアの良溶媒であり、塩基性溶媒で
あるジメチルホルムアミド(pKa =−0.01)やジメ
チルアセトアミド(pKa =−0.18)中に、少量の酸
性物質を添加しても、酸としての効力が低下してしま
う。しかも、これらの溶媒は酸性物質の存在下に、アミ
ンとカルボン酸とに分解し、結果的に添加された酸性物
質はこの分解アミンと中性塩を形成する。後にカルボン
酸が残存するが、前記溶媒中では酸としてはほとんど作
用しない。したがって、このような塩基性溶媒中では、
トルエンのような中性で分解しない溶媒と違って、酸性
物質は架橋反応を抑制する効果がないと考えられてい
た。しかし、驚くべきことに、前述したようにプレポリ
マー溶液を前記塩基性溶媒中で溶液合成法又はバルク合
成法で調製する場合には、少量の酸性物質をあらかじめ
添加しておくと、有機ジアミンによって鎖伸長し、得ら
れたポリマー中の分岐構造が著しく少ない場合があるこ
とが分かった。ただし、添加する酸性物質の種類や量に
よって、最終ポリマーの分岐構造の程度やポリマー溶液
粘度が異なり、場合によっては高粘度で分岐の多いゲル
状のポリマー溶液や、分岐は少ないが溶液粘度が異常に
低くかつ失透したポリマー溶液が得られた。この結果、
これらのポリマー溶液の紡糸性は安定せず、得られた弾
性繊維の物性も低く、又変動が大で安定しなかった。
【0004】この様に溶液合成法または溶融合成法によ
ってプレポリマー溶液を得、ついで有機ジアミンで鎖伸
長させてセグメント化ポリウレタンウレア溶液を製造す
る場合において、従来の技術では、高物性の製品を安定
して与える溶液、すなわち、ポリマー中の分岐構造が著
しく少ないセグメント化ポリウレタンウレアの均一透明
溶液を安定して生産性良く製造する事はできなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、高物性の製品を安定して成形することができるポリ
マー中の分岐構造が著しく少ない線状セグメント化ポリ
ウレタンウレア及びその均一透明溶液を安定して高濃度
で生産性良く製造する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に従えば、4,
4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−ト
ルエンジイソシアネート及び1,4−フェニレンジイソ
シアネートの群から選ばれた少なくとも一種の化学量論
的に過剰のジイソシアネート成分と数平均分子量が50
0〜6000のジオール成分とからなる両末端にイソシ
アネート基を有するプレポリマーをジメチルホルムアミ
ドまたはジメチルアセトアミドの有機溶媒中で有機ジア
ミンによって鎖伸長させて得られたセグメント化ポリウ
レタンウレアであって、該ポリマーの分岐度(Nb)が
3以下である線状セグメント化ポリウレタンウレアが提
供される。
【0007】本発明に従えば、また、4,4′−ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソ
シアネート及び1,4−フェニレンジイソシアネートの
群から選ばれた少なくとも一種の化学量論的に過剰のジ
イソシアネート成分と数平均分子量が500〜6000
のジオール成分とを溶媒であるジメチルアセトアミドま
たはジメチルホルムアミドの存在下に反応させ、両末端
にイソシアネート基を有するプレポリマー溶液とする
か、または両成分を溶媒の不在下溶融状態で反応させ
て、溶融状プレポリマーを得た後に溶媒に溶解させてプ
レポリマー溶液を得、その後に有機ジアミンによってプ
レポリマーを鎖伸長せしめてセグメント化ポリウレタン
ウレア溶液を製造する際に、両溶媒中での酸解離指数が
9以下の酸性物質を下記式に示された範囲量(モル/1
kgのプレポリマー溶液)存在させて、プレポリマー溶液
を得、ついで有機ジアミンで鎖伸長せしめることからな
る線状セグメント化ポリウレタンウレア溶液の製造法が
提供される。
【0008】X≦添加する酸性物質量(モル/1kgのプ
レポリマー溶液)≦A/100 (式中、X=A×B×〔1−e(B-A)kt 〕/〔A−B×
(B-A)kt 〕、
【0009】Aはプレポリマー溶液合成の場合、ジイソ
シアネート成分中のイソシアネート基の初期濃度からジ
オール成分中の両末端ヒドロキシル基の初期濃度を差し
引いた値(モル/1kgのプレポリマー溶液)、もう一方
の方法である溶融状プレポリマー合成の場合は溶媒にプ
レポリマーを溶解する際のプレポリマーの両末端イソシ
アネート基濃度(モル/1kgのプレポリマー溶液)、
【0010】Bはプレポリマー溶液合成の場合は溶媒の
初期濃度(モル/1kgのプレポリマー溶液)、他方の場
合は溶解に用いる溶媒の濃度(モル/1kgのプレポリマ
ー溶液)、tはプレポリマー溶液合成の場合、プレポリ
マー溶液製造時間(分)、他方の場合はプレポリマー溶
解時間(分)、k=C×106 ×e(-E/RT) であり、
【0011】C(kg/モル/分)及びE(kcal/モル)
はそれぞれ頻度係数及び活性化エネルギーであり、Tは
プレポリマー溶液合成の場合はプレポリマー溶液製造温
度、他方の場合は溶解時のプレポリマー温度(K)を表
し、Rはガス定数(1.9859×10-3kcal/ モル・
K)である)。
【0012】本発明者らは上記の課題について鋭意検討
した結果、ポリマー中の分岐度が3以下の高濃度の線状
セグメント化ポリウレタンウレア溶液によって紡糸中の
糸切れ回数が著しく減少し、製品物性が従来よりも一段
と向上する事、さらに分岐反応を促進する原因がプレポ
リマー溶液製造中に生成する物質のためである事、この
分岐反応促進物質の生成量はジイソシアネート成分及び
溶媒の種類、濃度や溶液合成法においてはプレポリマー
溶液製造温度、時間及び濃度、溶融合成法ではプレポリ
マー溶解温度、時間及び濃度に依存する事、プレポリマ
ー溶液製造時に特定の酸性物質を特定の範囲内量存在さ
せてプレポリマー溶液を製造させると、紡糸性の面のみ
ならず品質面(物性)でも優れた、ポリマーの分岐度が
3以下の線状セグメント化ポリウレタンウレアの均一透
明溶液を安定して高濃度で生産性良く製造できる事を見
い出し、本発明の完成に至った。以下、本発明の内容に
ついてさらに詳しく説明する。
【0013】本発明中で用いられるジオール成分は数平
均分子量が500〜6000、好ましくは900〜25
00のポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、
ポリカーボネートジオールからなる群から選ばれるジオ
ールである。
【0014】ポリエステルジオールとしてエチレングリ
コール1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、ネオペンチルグリコールなどのグリコール類の一
種または混合物とコハク酸、グルタール酸、アジピン
酸、スペリン酸、マゼライン酸等の脂肪族ジカルボン酸
の一種または混合物、更に一部はテレフタル酸、イソフ
タル酸などの芳香族ジカルボン酸なども含まれてよいジ
カルボン酸とから製造される融点が60℃以下、好まし
くは40℃以下のポリエステルジオールの単独または2
種以上の混合物があげられる。
【0015】ポリエーテルジオールとしてポリテトラメ
チレンエーテルグリコール、ポリカプロラクトンジオー
ル、ポリエチレンエーテルグリコール、ポリプロピレン
エーテルグリコール等が挙げられる。
【0016】ポリカーボネートジオールとしてはジアル
キルカーボネート等とヒドロキシ化合物、例えば1,4
−ブタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,5
−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等との
反応により得られるポリ(ブタン−1,4−カーボネー
トジオール、ポリ(ペンタン−1,5−カーボネートジ
オール)、ポリ(ペンタン−1,3−カーボネートジオ
ール)、ポリ(ヘキサン−1,6−カーボネートジオー
ル)及びそれらの共重合体並びに混合物から選ばれるポ
リカーボネートジオールが挙げられる。
【0017】本発明中、ジイソシアネート成分とジオー
ル成分とのモル比を1.3〜2.5の範囲にしてプレポ
リマーを製造するのが好ましい。この範囲外であるとソ
フトセグメントとして機能するプレポリマーの本来有す
る特性が損なわれてしまい、好ましくない。
【0018】本発明で用いるプレポリマーの鎖伸長剤で
ある有機ジアミンは公知の脂肪族、脂環族及び芳香族ジ
アミンを用いることができる。たとえば、エチレンジア
ミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサ
メチレンジアミン、シクロヘキシレンジアミン、ピペラ
ジン、2−メチルピペラジン、フェニレンジアミン、ト
リレンジアミン、キシレンジアミン、3,3′−ジクロ
ル−4,4′−ビフェニルジアミン、2,6−ジアミノ
ピリジン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、水素
化されたm−フェニレンジアミン、p−フェニレンジア
ミン、テトラクロロ−m−フェニレンジアミン、テトラ
クロロ−p−フェニレンジアミン及びそれらの混合物か
らなる群から選ばれる。
【0019】更に日本特許出願4-116692号(1992年4月
10日出願)に記載されているような有機ジイソシアネー
トと有機ジアミンとからなるジアミノウレア化合物も含
まれる。このような化合物としては、例えば4,4′メ
チレン−ビス〔〔〔(2−アミノエチル)アミノ〕カル
ボニル〕アニリン〕〔化合物 (1)〕、4,4′メチレン
−ビス〔〔〔(2−アミノプロピル)アミノ〕カルボニ
ル〕アニリン〕〔化合物 (2)〕、4,4′メチレン−ビ
ス〔〔〔(6−アミノヘキシル)アミノ〕カルボニル〕
アニリン〕〔化合物 (3)〕や下式に示される化合物(4)
〜(13)があげられる。
【0020】
【化1】
【0021】
【化2】
【0022】
【化3】
【0023】
【化4】
【0024】本発明中で使用される鎖伸長剤の量はプレ
ポリマー遊離イソシアネート含量の80〜98%(化学
量論量にもとづいて)の範囲が好適である。この範囲よ
りも少ないとポリマー分子量が低くなりすぎて高物性が
得られないし、この範囲よりも多いと、逆にポリマー分
子量が大きくなり過ぎて、成形不可能になる。この際、
ポリマー分子量調整剤として、たとえば、ジエチルアミ
ンやジエタノールアミン等の末端停止剤を用いてもよ
い。
【0025】本発明に適する酸性物質としては、ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセトアミド溶媒中での酸解
離指数が1〜9の酸クロライド、リン酸エステル、ホウ
酸エステル、亜リン酸エステル、スルホン酸、オキシ
酸、亜硫酸ガス、無機酸などであり、例えば塩化ベンゾ
イル、アルキルリン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトル
エンスルホン酸、亜硫酸ガス、塩酸、硫酸などから選ば
れた少なくとも1種類の酸である。酸解離定数が9より
も大きい酸性物質ではプレポリマー溶液中に存在する分
岐促進物質を完全に中和できず、従って分岐抑制効果が
小さい。尚、酸解離指数は酸解離定数(25℃)の逆数
の対数値を示し、測定法は化学便覧基礎編II(化学同人
社)に記載の方法によって求める。
【0026】次に該酸性物質の添加量であるが、これは
下式で表される範囲になければならない。
【0027】X≦添加する酸性物質量(モル/1kgのプ
レポリマー溶液)≦A/100 (式中、X=A×B×〔1−e(B-A)kt 〕/〔A−B×
(B-A)kt 〕、
【0028】Aはプレポリマー溶液合成の場合、ジイソ
シアネート成分中のイソシアネート基の初期濃度からジ
オール成分中の両末端ヒドロキシル基の初期濃度を差し
引いた値(モル/1kgのプレポリマー溶液)、もう一方
の方法である溶融状プレポリマー合成の場合は溶媒にプ
レポリマーを溶解する際のプレポリマーの両末端イソシ
アネート基濃度(モル/1kgのプレポリマー溶液)、
【0029】Bはプレポリマー溶液合成の場合は溶媒の
初期濃度(モル/1kgのプレポリマー溶液)、他方の場
合は溶解に用いる溶媒の濃度(モル/1kgのプレポリマ
ー溶液)、
【0030】tはプレポリマー溶液合成の場合、プレポ
リマー溶液製造時間(分)、他方の場合はプレポリマー
溶解時間(分)、k=C×106 ×e(-E/RT) であり、
【0031】Tはプレポリマー溶液合成の場合はプレポ
リマー溶液製造温度(K)、他方の場合は溶解時のプレ
ポリマー温度(K)を表し、Rはガス定数(1.985
9×10-3kcal/モル・K)であり、
【0032】C値(頻度係数、kg/モル分)とE値(活
性化エネルギー、kcal/モル))はジイソシアネートと
溶媒との組合せによって決まる定数であり、表1のよう
になる。
【0033】 表 1 ─────────────────────────── 溶 媒 イソシアネート ───────────── ジメチルホ ジメチルア ルムアミド セトアミド ─────────────────────────── 4,4′−ジフェニ C値 20.0 2.5 ルメタンジイソシア ──────────────── ネート E値 16.8 17.9 ─────────────────────────── 2,4−トルエンジイ C値 30.0 3.5 ソシアネート ──────────────── E値 16.9 18.1 ─────────────────────────── 1,4−フェニレンジ C値 40.0 4.5 イソシアネート ──────────────── E値 13.9 14.9 ───────────────────────────
【0034】酸性物質の添加量がこの範囲より少ないと
(式中のX以下)、ポリマーの分岐度が大きくなり、ポ
リマー溶液が高粘度でゲル状になる。その結果、高濃度
のポリマー溶液が得られず生産性が悪くなり、その後の
安定剤配合等の後工程において分岐切断による溶液粘度
の低下が起き、安定した成形が困難になる。さらに、ポ
リマー中のミクロゲルのために、紡糸などの成形中に断
糸を招く。逆に、この範囲より多い(式中のA/100
以上)と、鎖伸長時に存在する過剰の酸性物質によって
鎖伸長剤である有機ジアミンの官能基能力が減退し、所
望するポリマー分子量が得られず、高物性の成形品を与
えるポリマー溶液が得られない。また、ポリマー溶液が
経時的に失透し易くなり、工程上の種々のトラブルを引
き起こす。酸性物質を添加する時期は好ましくは反応開
始時であるが、イソシアネート基のウレタン基への転化
率が95%になった時点でも可能である。
【0035】本発明中、プレポリマー溶液製造温度はプ
レポリマー溶液合成の場合は、5〜70℃が好ましい。
5℃未満であると製造時間が大幅に長くなるし、70℃
を超えると上記の副反応以外の反応、例えばイソシアネ
ート基の三量化などが顕著になり望ましくないからであ
る。溶融合成の場合のプレポリマー製造温度は、30〜
120℃が好ましい。この範囲外の温度条件はプレポリ
マー溶液合成の場合と同じ理由で好ましくない。
【0036】鎖伸長反応は0〜30℃が好適である。こ
れ以下だと、プレポリマーの溶解性が悪化し、系が不均
一になってくるし、これ以上だとイソシアネート基とア
ミノ基との反応が異常に速くなって反応を制御しにくく
なるからである。
【0037】この様にして得られる本発明の線状セグメ
ント化ポリウレタンウレアは分岐度(Nb)が3以下で
あり、その均一透明溶液は製造後の工程に於いても粘度
低下がほとんど見られず安定であり、しかも低粘度であ
るので、ポリマー溶液濃度を従来よりも高濃度にでき、
生産性が向上する。さらに、均一透明であるために紡糸
などの成形安定性に優れ、紡糸中の糸切れの回数も従来
に比べ著しく減少する。さらに成形後の製品は高物性を
示し、満足のいくものである。
【0038】以上述べた線状ポリウレタンウレアの製造
において、プレポリマー反応及び鎖伸長反応は回分式に
よるものであった。プレポリマーを回分式で製造する
際、バッチ毎の原料仕込み比がずれたり、大容量の反応
釜中でしばしば観測される系内の反応温度むらが原因
で、プレポリマー溶液中のイソシアネート基濃度が変動
する場合がある。さらに、釜内でプレポリマーが滞留す
ると、架橋構造につながる副反応が起こりやすくなる。
又、鎖伸長反応を回分式で行なう場合は、イソシアネー
ト基とアミノ基との反応が極めて速いために、プレポリ
マー溶液とアミン液とが均一に混合する前に反応が起こ
り所望する性状を有するポリマー溶液が得られない場合
がある。これらの問題点は高精度の秤量器を用いたり、
釜内の溶液ができるだけ均一に混合できるように攪拌羽
根の形状を工夫するなどエンジニアリング面からかなり
解決できうるが充分とはいい難く、プレポリマー、ポリ
マー両溶液の製造法は回分式から連続式にかえる方がよ
り好ましい。
【0039】プレポリマー溶液及びポリマー溶液の連続
合成については、以下に記載する方法で達成できる。す
なわち、図1に示す様に化学量論的過剰のジイソシアネ
ート成分Aとジオール成分B及び溶媒Cの各原料フロー
を連続的に定量ポンプで供給混合した後、反応器2中で
ウレタン化反応せしめ、両末端にイソシアネート基を有
するプレポリマー溶液を得るか、ジイソシアネート成分
Aとジオール成分Bとを連続的に混合し、ウレタン化反
応せしめた後で溶媒Cのフローを該溶融状プレポリマー
に連続的に加え、混合器3で混合し、プレポリマー溶液
とした後に、該溶液フローを有機ジアミンDのフローと
連続的にそれぞれ定量ポンプを用いて供給し、混合器4
で混合し、プレポリマーを鎖伸長しポリマー溶液Eを得
る。
【0040】本発明において原料として用いられるジイ
ソシアネート成分、ジオール成分、溶媒及び有機ジアミ
ンは前述したバッチ式(回分式)方法によるプレポリマ
ー、ポリマー両溶液製造法の場合に用いたものと同様の
ものを使用できる。又、ジイソシアネート成分とジオー
ル成分とのモル比、鎖伸長剤の量及び酸性物質の種類、
量もバッチ式製造法の場合と同様である。さらにプレポ
リマー溶液製造温度及び鎖伸長反応温度もバッチ式製造
法の場合と同様である。
【0041】本発明に係るプレポリマー、ポリマー両溶
液の連続製造法において、ジイソシアネート成分とジオ
ール成分及び溶媒の各原料フローの連続的混合及びプレ
ポリマー溶液と有機ジアミン溶液フローとの混合は、充
分な混合効果が得られるならスタテックタイプ又ダイナ
ミックタイプのミキサーのいずれでもよい。
【0042】プレポリマー溶液の連続製造用に用いられ
る反応器は、パイプライン型の空管反応器、パイプライ
ン型でスタテックミキサーを装着したものや、完全混合
槽列型反応器、さらには Polymer Extrusion(Chris Ra
uwendeal著、 Hanser Publishers,1986年) に記載されて
いる様な単軸又は多軸押出器タイプの反応器なども挙げ
られる。
【0043】この様にして得られる本発明の線状セグメ
ント化ポリウレタンウレアの分岐度はバッチ式の製造方
法で得られたものに比べ、さらに少なく、ポリマー溶液
も均一透明である。従って、紡糸などの成形安定性及び
成形後の製品は高物性を示し、しかもバッチ式で得られ
たものより、さらに満足のいくものである。
【0044】分岐度(Nb)はプレポリマー中のアロフ
ァネート、ビューレット結合数を示す指数で、n−ブチ
ルアミンによる化学分解法を用いて、以下のようにして
求める事ができる。本発明中で対象となるセグメント化
ポリウレタンウレアの0.005g/ml濃度のDMAc
溶液に0.1容量%のn−ブチルアミンを加え、その還
元粘度(ηsp/C)を25℃で測定し、その値を Dml/
gとする。この溶液を50℃、4時間処理後の還元粘度
(ηsp′/C)を Eml/gとする。加熱前後の還元粘度
変化から次式で定義される分岐度(Nb)を算出する。
【0045】Nb=(D−E)/D×100
【0046】この方法によってアロファネート、ビュー
レットの両分岐結合だけが定量的に切断される事はOkut
o(Macromol.Chem., 98, 148(1966))やFurukawaおよびYo
koyamaらによって明らかにされている(J.Polym Sci.,Po
lym.lett.Ed.,17,175(1979)) 。
【0047】又、ポリマー溶液が均一透明とは以下の2
つの測定結果より判断した。(i)ポリマーの30重量
%のジメチルホルムアミドまたはジメチルアセトアミド
溶液の透過率が90%以上であること。ただし、透過率
はポリマー溶液を20℃で2週間経時後に濁度計(日製
産業製、モデル:LT−11)を用いて測定した。(ii)
製造後20℃で2週間経時したポリマー溶液中に、ミク
ロゲル及び目視判定ができる程度の大きさのマクロゲル
が認められないこと。ただし、ミクロゲルがないとはポ
リマーの1重量%のジメチルホルムアミドまたはジメチ
ルアセトアミド溶液中に50μm以上の粒子が存在しな
いことを意味する。ミクロゲル粒子の測定法はいろいろ
あるが、ここではコールーターカウンター(Coulter Ele
ctronics社.モデル:TA−2)を用いた。
【0048】
【実施例】次に本発明の実施態様を具体的に実施例で説
明する。なお、実施例中の部は断わりのない限り重量
(g)に関するものである。
【0049】ポリマー溶液の成型安定性については、回
転円筒レオメーターを用いて、ポリマー溶液を80℃で
5時間攪拌(シェアレートはlsec-1)後の粘度と攪
拌前の初期粘度との差と、ポリマー溶液を通常の方法で
毎分500mの速度で40デニール/4フィラメントの
糸を10時間連続で乾式紡糸し、その間の糸切れ回数の
2つの結果から評価した。ただし、ポリマー粘度の低下
幅が小さく紡糸中の糸切れ回数が極めて少ない場合を
“+”、逆にポリマー粘度の低下幅が大きく紡糸中の糸
切れ回数が極めて多い場合を“−”とし、両者の中間を
“±”とした。
【0050】得られた糸の物性はASTM−D−273
−72の一般的方法によって測定した。各測定には5cm
のゲージ長の5本糸を用い、試料に毎分1000%の一
定の引っ張り速度で1回伸長を行い、100%モジュラ
ス(g)、破断時に於ける伸び(%)及び強度(g)を
測定した。
【0051】ポリマー中の特定カルボニル基の伸縮振動
に由来する1688cm-1における吸収の吸光度(Aν(C=
O、1688cm-1))及びベンゼン環の伸縮振動に由来する
1610cm-1におけるもの(Aν(C=C、1610cm-1))は次
の様にして測定した。ポリマーの20重量%溶液からキ
ャスト法により、厚さ10μmのポリマーフィルムを得
る(成膜条件:減圧下(2Torr)、50℃、24時
間)。BIO−RAD社製FT−IR、モデルFTS−
60Aを用い透過法により、このフィルムの1750cm-1
1600cm-1の領域の赤外吸収を測定する。Yamamotoら(Po
lymer J.,Vol.21,No.11,1989) の方法によって、この領
域の赤外スペクトルをカーブフィッティング法によって
9種類の波形に波形分離する(各波形のピーク位置は、
高波数側からそれぞれ、1737、1730、1709、1685、166
5、1638、1633、1610と1592cm-1)。波形分離後の1688及
び1610cm-1における吸光度から、両吸光度比、すなわち
Aν(C=O、1688cm-1) /Aν′(C=C、1610c
m-1)が求まる。
【0052】実施例1 酸性物質をプレポリマー溶液反応時に最低必要量Xの2
倍量の1.1×10-4モル添加して、プレポリマー溶液
を得、ついで鎖伸長反応によりポリマー溶液を製造する
例を示す。攪拌機、温度計、窒素シール管などを備えた
反応容器内に、まず570部のジメチルアセトアミド
(DMAc)を入れ、次に470部のポリテトラメチレ
ンエーテルグリコール(PTMG,数平均分子量Mn=
2000)、最後に100部の4,4′−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート(MDI)を仕込み、30℃で90
分間、50重量%のDMAc溶液中でプレポリマー反応
を行うものとして、塩化ベンゾイルを15.4mg(1.
1×10-4モル)精秤して反応容器内に加えた。反応終
了時に於ける残存イソシアネート基濃度は0.271モ
ルであった。ただし、残存イソシアネート基濃度は、An
alytical Chemistry of Polyurethanes(New York, Wile
y-Interscience, 1969) のPolyurethanes, Sect.III に
記載されている方法等により求めた。そのあとで、7.
6部のエチレンジアミン(EDA)と1.3部のジエチ
ルアミン(DEA)を含む514部のDMAc溶液を調
製し(EDAのモル数/DEAモル数=7.12、ポリ
マー濃度=35重量%)、15℃で該溶液を高速攪拌さ
れたプレポリマー溶液中に迅速に加えた。該溶液のイソ
シアネート基の2260cm-1に於ける吸収が認められな
くなった時点で鎖伸長反応を終了した。このポリマーの
分岐度(Nb)は2.5で、ポリマー溶液性状は均一透
明であり、成形安定性は極めて良好であり、弾性糸(4
0d)のモジュラス(100%伸長時)、破断強度及び
伸度はそれぞれ3.2g,72g,750%と極めて高
物性に示した。更に得られたポリマー中のカルボニル基
とベンゼン環=重結合の赤外吸収比
【0053】
【0054】(式中、Aν(C=O,1688cm-1):ポリ
マーの1688cm-1における吸光度、Aν′ (C=C,1610
cm-1) :ポリマーの1610cm-1における吸光度)は0.1
以下であった。弾性糸の物性値を表2に示す。
【0055】比較例1及び2 比較例1ではプレポリマー溶液反応時に添加する塩化ベ
ンゾイル量を最低必要量Xの1/3の1.7×10-5
ルとし、比較例2では塩化ベンゾイル量を上限値A/1
00の2倍の5.6×10-3モルとする以外は実施例1
と同一条件でポリマー溶液を得た。結果を表2に示す。
【0056】比較例3 ここではプレポリマー溶液反応時に塩化ベンゾイルをま
ったく添加せずにプレポリマー溶液を製造する以外は実
施例1と同一条件でポリマー溶液を得た。結果を表2に
示す。
【0057】比較例4 ここではプレポリマー溶液反応時にジメチルアセトアミ
ド中での酸解離定数が9以上である酢酸を添加する(最
低必要量Xの2倍量の1.1×10-4モル)以外は実施
例1と同一条件でポリマー溶液を得た。結果を表2に示
す。
【0058】実施例2 ここではプレポリマー溶液反応時に添加する酸性物質の
種類を変える。塩化ベンゾイルの代わりに濃硫酸(97
%)を1.1×10-4モル添加する(最低必要量Xの2
倍で)以外は実施例1と同一条件でポリマー溶液を得
た。結果を表2に示す。
【0059】比較例5及び6 比較例5ではプレポリマー溶液反応時に濃硫酸 (97
%)を最低必要量Xの1/3で1.7×10-5モル添加
し、比較例6では濃硫酸量を上限値A/100の2倍の
5.6×10-3モル添加する以外は実施例1と同一条件
でポリマー溶液を得た。結果を表2に示す。
【0060】実施例3 ここでは実施例1のプレポリマー溶液反応条件の内、反
応温度、反応時間をそれぞれ50℃、50分に変更する
例を示す。この条件変更に伴って、塩化ベンゾイル量を
3.8×10-4モルとする(最少必要量Xの2倍)以外
は実施例1と同一の条件でポリマー溶液を製造した。結
果を表3に示す。
【0061】実施例4 ここでは実施例1のプレポリマー溶液反応条件の内、プ
レポリマー溶液濃度を70重量%に変更する例を示す。
それに伴いプレポリマー製造時間を70分に、塩化ベン
ゾイル量は5×10-5モルとする(最低必要量の2倍)
以外は実施例1と同一の条件でポリマー溶液を製造し
た。結果を表3に示す。
【0062】実施例5 実施例1で用いた溶媒をDMAcからDMFに変える。
プレポリマー溶液の製造温度、時間を30℃,70min.
とし、塩化ベンゾイルを2.1×10-3モル添加する
(最少必要量)以外は実施例1と実質上同一条件でポリ
マー溶液を得た。結果を表3に示す。
【0063】実施例6 ここでは本発明の溶融状プレポリマー合成法の例を述べ
る。攪拌機、温度計、窒素シール管を備えた反応容器中
に100部の固形状のMDIを入れ、45℃で溶解す
る。次に、470.0部のPTMG(Mn=2000)
を添加し、80℃で150分間プレポリマー反応を行っ
た。反応終了後、溶融状プレポリマーを30℃まで冷却
し、570部のDMAcを加え、90分攪拌下溶解し
た。この際、塩化ベンゾイルを最低必要量の2倍である
15.4mg(1.1×10-4モル)精秤して反応容器内
に加えた。溶解終了時に於ける残存イソシアネート基濃
度が0.323モルであった。次に、7.6部のエチレ
ンジアミン(EDA)と1.3部のジエチルアミン(D
EA)を含む514部のDMAc溶液を調製し、実施例
1と同様にしてポリウレタン溶液を得た。結果を表4に
示す。
【0064】比較例7及び8 比較例7では溶融状プレポリマーをDMAcに溶解する
際に塩化ベンゾイル量を最低必要量の1/3の量の1.
7×10-5、比較例8では5.6×10-3モル添加する
以外は実施例7と同一条件でポリマー溶液を得た。結果
を表3に示す。
【0065】尚、各表中の符号は次の通りである。 1)量が少ない、多いとは添加した酸性物質が請求範囲
量に比べ、それぞれ少ない、多い事を示す。 2)40デニール糸の100%モジュラス(%) 3) 〃 糸破断時の強度(g) 4) 〃 糸破断時の伸度(g)
【0066】比較例9 特公昭47-35317号公報に記載されているように、比較例
1で製造したポリマーを70℃で10時間加熱攪拌し、
分岐切断したものを得た(処理後の分岐度5.3)。結
果を表2に示す。
【0067】実施例7 図1に示す様に、100部/分の4,4′−ジフェニル
メタンジイソシアネートのフロー、470部/分のテト
ラメチレンエーテルグリコールのフロー及び570部/
分のジメチルアセトアミド(2.7×10-2重量%の塩
化ベンゾイルを含む)のフローを定量ポンプによって、
連続的に強制攪拌式の混合器内に導く(平均滞留時間1
分)。その後パイプライン式の反応器に混合后の溶液を
導き、平均滞留時間100分、30℃の条件下で反応せ
しめ、連続的にプレポリマー溶液を得る。次に該溶液フ
ロー(1140部/分)と514部/分のアミン溶液フ
ロー(7.6部のエチレンジアミン、1.3部のジエチ
ルアミン及び505.1部のジメチルアセトアミドから
なる)とを連続的に強制攪拌式の混合器内に導き(平均
滞留時間3秒)、15℃で鎖伸長を行ないポリマー溶液
を得た。鎖伸長反応の終了確認は実施例1と同様にして
行なった。結果は表2に示す。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
【表3】
【0071】
【発明の効果】表2の結果から分かるように、本発明の
線状セグメント化ポリウレタンウレアは、プレポリマー
溶液反応時に酸性物質を全く添加しない場合(比較例
3)や少ない場合(比較例1,5)及びDMAc中での
酸解離定数が9以上の酸性物質を添加した場合(比較例
4)に比べ、又逆に多い場合(比較例2,6)に比べ、
更に後工程で分岐切断したもの(比較例9)に比べ、本
発明のポリマーの分岐度が3以下でその溶液は均一透明
であるために、成形安定性に優れ、得られた成形品は従
来法では得られなかった高物性、即ちモジュラスが向上
して、しかも高伸度、高強度を発現し得ることがわか
る。同様の事が溶融状プレポリマー合成の場合にも言え
る(表3)。さらに、表4の結果から分かるようにプレ
ポリマー溶液製造条件を大幅に変更しても、本発明の効
果が十分に発見されていることが分かる。また、ポリマ
ーの製造法においてプレポリマー合成、重合までの全工
程を連続化することによって得られたポリマーの物性
(実施例7)はバッチ法によるものに比べ、より好まし
いこともわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に従った線状セグメント化ポリウ
レタンウレア溶液の連続製造法のフローの一例を示す図
面である。
【符号の説明】
A…ジイソシアネート成分 B…ジオール成分 C…溶媒 D…アミン成分 E…ポリマー成分 1…混合器 2…プレポリマー合成反応器 3…混合器 4…混合器 5…定量ポンプ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−97097(JP,A) 特開 昭47−15498(JP,A) 特開 昭48−20895(JP,A) 特開 平3−124813(JP,A) 特公 昭48−19719(JP,B1) 特公 昭46−14473(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 18/65 - 18/66 C08G 18/32 C08G 18/40 - 18/48 C08G 18/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 4,4′−ジフェニルメタンジイソシア
    ネート、2,4−トルエンジイソシアネート及び1,4
    −フェニレンジイソシアネートの群から選ばれた化学量
    論的に過剰のジイソシアネート成分と数平均分子量が5
    00〜6000のジオール成分とからなる両末端にイソ
    シアネート基を有するプレポリマーをジメチルホルムア
    ミドまたはジメチルアセトアミドの有機溶媒中で有機ジ
    アミンによって鎖伸長させて得られたセグメント化ポリ
    ウレタンウレアであって、該ポリマーの分岐度(Nb)
    が3以下である線状セグメント化ポリウレタンウレア。
  2. 【請求項2】 線状セグメント化ポリウレタンウレア中
    のカルボニル基の赤外分光法における吸光度が下式の関
    係を満足する請求項1記載の線状セグメント化ポリウレ
    タンウレア。 式中、Aν(C=O,1688cm-1):ポリマーの1688cm-1
    における吸光度 Aν′(C=C,1610cm-1):ポリマーの1610cm-1にお
    ける吸光度
  3. 【請求項3】 4,4′−ジフェニルメタンジイソシア
    ネート、2,4−トルエンジイソシアネート及び1,4
    −フェニレンジイソシアネートの群から選ばれた化学量
    論的に過剰のジイソシアネート成分と数平均分子量が5
    00〜6000のジオール成分とを溶媒であるジメチル
    アセトアミドまたはジメチルホルムアミドの存在下に反
    応させ、両末端にイソシアネート基を有するプレポリマ
    ー溶液とするか、または両成分を溶媒の不在下溶融状態
    で反応させて、溶融状プレポリマーを得た後に溶媒に溶
    解させてプレポリマー溶液を得、その後に有機ジアミン
    によってプレポリマーを鎖伸長せしめてセグメント化ポ
    リウレタンウレア溶液を製造する際に、両溶媒中での酸
    解離指数が9以下の酸性物質を下記式に示された範囲量
    (モル/1kgのプレポリマー溶液)存在させて、プレポ
    リマー溶液を得、ついで有機ジアミンで鎖伸長せしめる
    ことからなる線状セグメント化ポリウレタンウレア溶液
    の製造法。 X≦添加する酸性物質量(モル/1kgのプレポリマー溶
    液)≦A/100 (式中、X=A×B×〔1−e(B-A)kt 〕/〔A−B×
    (B-A)kt 〕、 Aはプレポリマー溶液合成の場合、ジイソシアネート成
    分中のイソシアネート基の初期濃度からジオール成分中
    の両末端ヒドロキシル基の初期濃度を差し引いた値(モ
    ル/1kgのプレポリマー溶液)、もう一方の方法である
    溶融状プレポリマー合成の場合は溶媒にプレポリマーを
    溶解する際のプレポリマーの両末端イソシアネート基濃
    度(モル/1kgのプレポリマー溶液)、 Bはプレポリマー溶液合成の場合は溶媒の初期濃度(モ
    ル/1kgのプレポリマー溶液)、他方の場合は溶解に用
    いる溶媒の濃度(モル/1kgのプレポリマー溶液)、 tはプレポリマー溶液合成の場合、プレポリマー溶液製
    造時間(分)、他方の場合はプレポリマー溶解時間
    (分)、k=C×106 ×e(-E/RT) であり、 C(kg/モル/分)及びE(kcal/モル)はそれぞれ頻
    度係数及び活性化エネルギーであり、Tはプレポリマー
    溶液合成の場合はプレポリマー溶液製造温度、他方の場
    合は溶解時のプレポリマー温度(K)を表し、Rはガス
    定数(1.9859×10-3kcal/モル・K)であ
    る)。
  4. 【請求項4】 化学量論的に過剰のジイソシアネート成
    分、ジオール成分及び溶媒の各原料フローを連続的に混
    合し、ウレタン化反応せしめ、両末端にイソシアネート
    基を有するプレポリマー溶液を得るか、ジイソシアネー
    ト成分とジオール成分とを連続的に混合し、ウレタン化
    反応せしめた後に溶媒フローを連続的に加え、該プレポ
    リマー溶液を得、さらに該溶液フローを有機ジアミンの
    フローと連続的に混合して、プレポリマー鎖伸長反応を
    行わしめる請求項3記載の線状セグメント化ポリウレタ
    ンウレア溶液の連続製造法。
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