JPH07138187A - 経口免疫寛容原、経口慢性関節リウマチ治療剤及び機能性食品 - Google Patents

経口免疫寛容原、経口慢性関節リウマチ治療剤及び機能性食品

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JPH07138187A
JPH07138187A JP5311231A JP31123193A JPH07138187A JP H07138187 A JPH07138187 A JP H07138187A JP 5311231 A JP5311231 A JP 5311231A JP 31123193 A JP31123193 A JP 31123193A JP H07138187 A JPH07138187 A JP H07138187A
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oral
peptide
tolerogen
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therapeutic agent
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JP5311231A
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Shiyuuichi Uenokawa
修一 上野川
Akio Ametani
章夫 飴谷
Toshiyuki Yamura
敏志 八村
Tatsuhiro Hisatsune
辰博 久恒
Takayuki Matsumoto
貴之 松本
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Sumitomo Electric Industries Ltd
NH Foods Ltd
Original Assignee
Nippon Meat Packers Inc
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 慢性関節リウマチ(RA)の治療・予防に有用
な経口免疫寛容原並びにそれを含有する経口RA治療剤
及び機能性食品を提供することを目的とする。 【構成】 本発明の経口免疫寛容原は、II型コラーゲン
中の部分配列を有するペプチドからなる。RAの発病メ
カニズムはII型コラーゲンを含む自己成分を抗原とする
自己免疫疾患であると考えられており、本発明の経口免
疫寛容原を投与することにより、生体内においてII型コ
ラーゲンに対する免疫応答が抑制されるので、RAの治
療及び予防を行うことができ、特に投与が簡便な経口投
与によりRAの治療・予防を図ることができるという効
果を奏する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は経口免疫寛容原、経口慢
性関節リウマチ治療剤及び機能性食品に関する。より詳
細には、特定のアミノ酸配列を有するペプチドからな
り、慢性関節リウマチの治療・予防に有用な経口免疫寛
容原並びにそれを含有する経口慢性関節リウマチ治療剤
及び機能性食品に関する。
【0002】
【従来の技術】慢性関節リウマチ(Rheumatoid Arthrit
is, 以下、RAという)は罹患患者の多い慢性疾患の一
つであり、結合組織に炎症をきたす全身的な疾患であ
る。当該疾患は、主に関節の滑膜に非特異的炎症を起
し、全身の多発性関節炎の病像を呈し、軟骨や骨の損傷
をきたす。RAの発病メカニズムは充分に解析されてい
ないが、リンパ球抗原(HLA)−DR4が関係し、活
性化T細胞が関与する自己免疫疾患であると考えられて
いる(Lancet 341, 283, 1993)。II型コラーゲンが軟骨
中の主要構造蛋白であることや実験動物にII型コラーゲ
ンを投与するとリウマチ関節炎に形態的に類似した症状
を起すことから、II型コラーゲンが本疾患の自己抗原の
一つであると考えられている(J. Exp. Med. 146, 857,
1977; Lab. Invest. 54, 26, 1986)。RAに対する治療
剤としては、抗リウマチ剤(金塩製剤、D-ペニシラミン
等)、非ステロイド剤、免疫抑制剤などが汎用されてい
るが、これらの薬剤の投与により十分な効果が得られな
いようなときには、強い抗炎症作用と免疫抑制作用を有
しているステロイド剤が用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の薬剤によるRA
の治療は対症療法的であり、根治的な治療法とはいえな
い。また、ステロイド剤は重篤な副作用を引き起こすお
それがあるので、その使用に際しては十分な注意をはら
い、常に減量や使用中止を考慮する必要性のあることが
指摘されている。最も望ましいRAの治療法は、疾患特
異的なメカニズムに基づいて関節の炎症を軽減すること
であり、使用される薬剤は毒性のないことが望ましい。
このような観点から、免疫寛容に基づくRAの治療法が
注目されている。免疫寛容とは、ある条件下に抗原で動
物を処理しておくと、次にこの抗原で適切な免疫操作を
行っても、抗体産生などの免疫応答が起こらない現象で
あり、免疫寛容を導く物質は免疫寛容原と称される。免
疫寛容によるRAの治療法としては、II型コラーゲンの
部分配列を有するペプチドを免疫寛容原として用い、こ
のぺプチドを新生児ラットに静脈ないし腹腔内投与する
と、RAの発症を抑制することができることが報告され
ている(J. Exp. Med. 170, 1999, 1989; J. Immunology
151, 500, 1993)。
【0004】上記の方法においては、免疫寛容原は静脈
ないし腹腔内投与されているが、静脈ないし腹腔内投与
による免疫寛容原の投与は煩雑であるのみならず、免疫
寛容原のペプチドをRA患者に連続的に静脈ないし腹腔
内投与する場合には、RA患者に重篤なアレルギー反応
やショックなどを引き起こすことも想定される。そこ
で、より簡便で且つ安全な投与方法によるRAの治療法
が望まれている。また、医薬品としてのみならず、日常
的な食物の摂取を通してRAの治療・予防が図れればよ
り好ましく、RAの治療・予防を目的とする機能性食品
も求められている。本発明者等は上記の問題を解消する
ために、簡便な投与方法によるRAの治療法を鋭意検討
した結果、経口免疫寛容によりRAの治療・予防を行う
ことができることを見出した。経口免疫寛容は、抗原が
経口的に腸管を通って入った場合、その抗原に対して全
身の免疫応答が失われる現象であり、経口免疫寛容にお
いては、抗原が経口的に腸管を通じて吸収されるとき、
パイエル板、腸管上皮細胞及びこれと隣接するリンパ
球、門脈、肝臓などのいろいろの器官と機能による作用
を受けるので、アレルギー反応やショックなどを引き起
こすことが少なく、アレルギーや臓器移植における免疫
抑制療法として試みられている。本発明者等はこの経口
免疫寛容に注目し、研究を重ねたところ、II型コラーゲ
ン中の部分配列からなるペプチドを経口投与するとRA
の発症を抑制でき、当該ペプチドが経口免疫寛容原とし
て有用であることを見出して本発明を完成した。本発明
はかかる知見に基づいてなされたもので、RAの予防・
治療を目的として用いられる経口免疫寛容原並びにそれ
を含む経口RA治療剤及び機能性食品を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた本発明の経口免疫寛容原は、配列番号1で
示されるペプチド又はその薬理学的に許容される塩から
なる。また、本発明の経口RA治療剤は上記の経口免疫
寛容原を有効成分とするものであり、更に本発明の機能
性食品は上記の経口免疫寛容原を含有するものである。
【0006】本発明の経口免疫寛容原は、配列番号1で
示されるペプチド又はその薬理学的に許容される塩から
なる。薬理学的に許容される塩としては、アルカリ金属
塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ
土類金属塩(マグネシウム塩、カルシウム塩等)のよう
な無機金属塩、アンモニウム塩、有機塩基塩(例えば、
トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ピリジン
塩、ピコリン塩等)、有機酸塩(例えば、ギ酸塩、酢酸
塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、ベ
ンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩等)、無機
酸塩(例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸
塩等)などが挙げられる。
【0007】配列番号1で示されるペプチド(以下、便
宜上、本願ペプチドという)は、通常、有機化学的な合
成方法によりアミノ酸を段階的に導入する方法により調
製することができるが、遺伝子工学的方法、II型コラー
ゲン又はII型コラーゲン由来ゼラチン及び/又はこれら
の含有物を酵素、酸又はアルカリを用いて加水分解処理
する方法などによっても調製することができる。
【0008】有機化学的な合成方法としては固相ペプチ
ド合成又は液相ペプチド合成法が知られており、例え
ば、泉谷信夫他著「ペプチド合成の基礎と実験(丸善発
行)」に詳細に記載されている。より具体的に説明する
と、液相ペプチド合成法では、C末端に位置すべきアミ
ノ酸のカルボキシル基を適当な保護基[例えば、ベンジ
ル基(Bzl)、t−ブチル基(t-Bu)等]で保護し、C末端
から2番目に位置すべきアミノ酸のアミノ基を適当な保
護基[例えば、t−ブチルオキシカルボニル基(Boc)、
ベンジルオキシカルボニル基(Z)等]で保護し、これら
のアミノ酸を適当な溶媒[例えば、ジメチルホルムアミ
ド(DMF)、テトラヒドロフラン等]に溶解し、縮合剤
[例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)等]
及び必要に応じてラセミ化防止剤[例えば、1−ヒドロ
キシベンゾトリアゾール(HOBT)等]の存在下、低温(4
℃程度)で10〜24時間程度反応させる。ついで、生
成物のアミノ保護基をトリフルオロ酢酸等を用いた常法
により除去し、ジペプチドが得られる。次いで、得られ
たジペプチドを第3のアミノ酸(これもアミノ基を保護
してある)とともに上記と同様にして反応させ、トリペ
プチドを得る。更に、同様な手順を繰り返して順次必要
なアミノ酸を結合させ、保護基の結合した状態の目的ペ
プチドを得る。なお、反応させるアミノ酸が側鎖官能基
を有する場合にはペプチド合成反応に先だって保護する
必要がある。例えば、リジンの6位のアミノ基はトシル
基(Tos)などにより保護する。最終反応の終了後、これ
らの保護基を接触還元やフッ化水素(HF)などにより除去
し、目的とするペプチドを得ることができる。
【0009】また、固相ペプチド合成法は、慣用のペプ
チドシンセサイザー(例えば、アプライドバイオシステ
ムズ社製430A型)を用いて行うことができる。この
方法においては、目的とするペプチドのC末端アミノ酸
が結合したフェニルアセトアミドメチル(PAM)樹脂(即
ち、アミノ酸-OCH2-PAM)のN側に、Boc基で保護したア
ミノ酸を自動制御により逐次結合させ、目的とするペプ
チドに保護基とPAM樹脂が結合した試料を得ることがで
きる。次いで、この試料にアニソールなどのスカベンジ
ャーを添加した後、HFを導入し、−2℃、1時間反応
させることにより目的ペプチドを遊離させることができ
る。遊離したペプチドは無水エーテルなどで洗浄後、酢
酸を含む水で抽出、凍結乾燥することにより、目的ぺプ
チドを得ることができる。
【0010】本願ペプチドは遺伝子工学的方法によって
も得ることができ、例えば、配列番号1のアミノ酸配列
をコードするDNA断片を合成し、このDNA断片を常
法により適当な発現ベクターに組み込み、この発現ベク
ターで適当な宿主を形質転換し、得られた形質転換体を
培養し、その培養物から単離・精製することにより、目
的ペプチドを調製することができる。なお、機能性食品
に供することを目的として、細菌及び/又は酵母を宿主
として発現した場合には、培養物から本願ペプチドを単
離・精製して使用する以外に、細菌及び/又は酵母の死
菌又はその粉末をそのまま使用してもよい。
【0011】また、本願ペプチドは、II型コラーゲン又
はII型コラーゲン由来ゼラチン及び/又はこれらの含有
物を酵素、酸又はアルカリを用いて加水分解処理する方
法によっても得ることができ、例えば、II型コラーゲン
又はII型コラーゲン由来ゼラチン及び/又はこれらの含
有物を、酵素(例えば、キモトリプシン、トリプシン、
V8プロテアーゼ等)で加水分解し、加熱処理して酵素
を失活させた後、濾過、遠心分離などの手段で固液分離
し、得られる液体を限外濾過、ゲル濾過などの手段で分
離・精製することにより、目的ペプチドを調製すること
ができる。触媒として酸又はアルカリを使用する場合に
は、上記の方法における酵素に代えて酸又はアルカリを
用いて同様な加水分解処理を行えばよい。
【0012】かくして得られた本願ぺプチドは、高速液
体クロマトグラフィー、イオン交換カラムクロマトグラ
フィー等の慣用の手段に付して精製することができる。
なお、本願発明において、RA治療・予防のための経口
免疫寛容原として有用である限り、本願ペプチドはその
N末端及び/又はC末端に1又は2以上のアミノ酸が付
加していてもよく、また当該ペプチドのアミノ酸配列中
の1又は2以上のアミノ酸が欠失又は他のアミノ酸で置
換されていてもよい。また、本願ぺプチドの塩は、常法
に準じて当該ぺプチドに、酸又は塩基を付加させること
により調製することができる。
【0013】本発明の経口免疫寛容原はRA発症抑制作
用を有し、ヒトをはじめとする哺乳動物のRAの治療、
予防に有用であり、医薬品、機能性食品等として利用さ
れる。特に、本願ぺプチドはII型コラーゲンの部分配列
からなるペプチドであることから、安全性が高いと推定
される。
【0014】本発明のRA治療剤は、上記の経口免疫寛
容原を有効成分とするものであり、RAの治療・予防を
目的として経口投与される。投与に際しては、有効成分
を経口投与に適した固体又は液体の医薬用無毒性担体と
混合して、慣用の医薬製剤の形態で投与され、このよう
な製剤としては、例えば、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセ
ル剤等の固形剤、溶液剤、懸濁剤、乳剤等の液剤、凍結
乾燥製剤等が挙げられ、これらの製剤は製剤上の常套手
段により調製することができる。上記の医薬用無毒性担
体としては、例えば、グルコース、乳糖、ショ糖、澱
粉、マンニトール、デキストリン、脂肪酸グリセリド、
ポリエチレングリコール、ヒドロキシエチルデンプン、
エチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂
肪酸エステル、アミノ酸、アルブミン、水、生理食塩水
等が挙げられる。また、必要に応じて、安定化剤、滑
剤、湿潤剤、乳化剤、結合剤等の慣用の添加剤を適宜添
加することができる。本発明のRA治療剤において、有
効成分の投与量は、患者の年齢、体重、症状、疾患の程
度、投与スケジュール、製剤形態等により、適宜選択・
決定されるが、例えば、1日当り0.05〜500μg/kg
体重程度とされ、1日数回に分けて投与してもよい。
【0015】また、本発明の機能性食品は、上記の経口
免疫寛容原を含有することからなり、そのまま、又は種
々の栄養分を加えて、若しくは飲食品中に含有せしめ
て、RAの治療及び予防に有用な機能性食品(又は食品
素材)として食される。例えば、上述した適当な助剤を
添加した後、慣用の手段を用いて、食用に適した形態、
例えば、顆粒状、粒状、錠剤、カプセル、ペースト等に
成形して食用に供してもよく、また種々の食品(例え
ば、ハム、ソーセージ等の食肉加工食品、かまぼこ、ち
くわ等の水産加工食品、パン、バター、粉乳など)に添
加して使用されたり、水、果汁、牛乳、清涼飲料等の飲
物に添加して使用してもよい。かかる機能性食品の形態
における本願ペプチドの摂取量は、年齢、体重、症状、
疾患の程度、食品の形態等により、適宜選択・決定さ
れ、例えば、1日当り0.05〜500μg/kg体重程度と
されるが、本願ペプチドは多量に摂取しても生体に悪影
響を与えない利点を有することから、それ以上の量を摂
取してもよい。
【0016】
【発明の効果】前述のように、RAの発病メカニズムは
II型コラーゲンを含む自己成分を抗原とする自己免疫疾
患であると考えられており、本発明の経口免疫寛容原を
投与することにより、生体内においてII型コラーゲンが
存在する炎症部位での免疫応答が抑制されるので、RA
の治療及び予防を行うことができる。従って、既に発病
しているRAの治療を行うことができる共にRAの予防
を図ることができ、特にRAを多発する家系における乳
児、小児又は発病前の成人に投与することにより、RA
を効果的に予防することができる。更に、投与が簡便な
経口投与によりRAの治療・予防を図ることができると
いう効果を奏する。また、本発明のRA治療剤及び機能
性食品は、上記の作用を有する経口免疫寛容原を含有す
るものからなり、RAの治療・予防に有用である。
【0017】
【実施例】以下、実施例及び試験例に基づいて本発明を
より詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定され
るものではない。 製造例ペプチドの合成 配列番号1に示されるペプチドは、常法に準じて市販の
固相合成装置(アプライドビオシテム社製)を用い、固
相法により調製した。得られたペプチドを、資生堂製カ
ラムCAPCELL SG120(C18カラム)を用いた高速液体クロマ
トグラフィー(移動層;0.1%TFA:アセトニトリ
ル=95:5から45:55まで50分間のリニアグラ
ジエント)にて溶出挙動を試験したところ、約24分で
溶出した。
【0018】試験例1経口免疫寛容法及び免疫方法 関節炎のモデルとして、コラーゲン誘導性関節炎(CI
A)を用いた。CIAは、II型コラーゲンでマウス、ラ
ット等を感作することによって多発性関節炎を起こさせ
る系で、ヒトのRAの動物実験モデルとしてよく利用さ
れている。より具体的には、DBA/1マウスに本願ペ
プチドを5μg/匹・日の投与量で5回経口投与した
後、ウシII型コラーゲン100μgを完全アジュバント
と共に尾根部皮内に免疫し、1週間後に同量のウシII型
コラーゲンを不完全アジュバントと共に追加免疫した。
なお、対照として、上記ペプチドの代りに卵アルブミン
(OVA)を経口投与して同様な試験を行った。その後
のCIAの症状を観察し、0〜3までの評価(評価0は
健康な状態、評価1は少し赤くなり腫れた状態、評価2
は完全に赤くなり腫れて発症している状態、評価3は腫
れが最高潮に至った状態である)を関節炎の強弱に応じ
て与えた。この評価を用いて、各群についての平均の評
価値(Index of Arthritis, IA)を下記式に基づいて
求めた。
【0019】この式に示されるように、IAは各群につ
いてそれぞれのマウスの評価値を合計し、そして最もC
IAが悪化した状態の評価値の合計の何%に当るかを算
出するもので、その数値が大きいほど関節炎の症状が重
いことを示す。上記試験の結果を図1に示す。図中、●
は本願ペプチドを経口投与した群を、○はOVAを経口
投与した群(対照)を示す。図1から明らかなように、
対照群ではIAが高く、関節炎の症状が認められたのに
対し、本願ペプチドを経口投与した群においては関節炎
の発症は著しく抑制された。
【0020】試験例2投与量依存性の検討 投与量による抑制効果の相違を検討するために、1回当
りに投与するペプチドの量を1、5及び25μg/匹・
日に変化させ、上記試験例1と同様な方法で試験した。
その結果を図2に示す。図中、△、●及び▽は、それぞ
れ本願ペプチドを1、5又は25μg/匹・日で経口投
与した群を、○はOVAを経口投与した群(対照)を示
す。図2に示されるように、投与量により抑制能に相違
があり、投与量5μg及び25μgの群において効果が
認められた。
【0021】実施例1 本願ペプチド 0.5mg ステアリン酸マグネシウム 5 mg コーンスターチ 20 mg 乳糖 174.5mg 常法に準じ、上記の組成からなる混合物を、打錠成型
し、錠剤を得た。
【0022】実施例2 本願ペプチド 0.5mg ステアリン酸マグネシウム 5 mg 乳糖 194.5mg 常法に準じ、上記の組成からなる混合物を、ゼラチン硬
カプセルに充填し、カプセル剤を得た。
【0023】実施例3 天然果汁(濃縮果汁還元)に、本願ペプチドを天然果汁
200ml当り0.5mgの割合で混合した後、常法に
準じて殺菌し、アセプティック包装して、果汁製品を得
た。
【0024】実施例4 ウインナソーセージ用練り肉に、本願ペプチドを当該練
り肉15g当り30μgの割合で混合した後、常法に準
じてソーセージケーシングに充填し、燻煙し、殺菌し、
冷却後に包装し、ウインナソーセージを得た。
【0025】
【配列表】配列番号:1 配列の長さ:26 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Ala Ser Gly Pro Leu Gly Pro Lys Gly Gln Thr Gly Glu Pro Gly Ile 1 5 10 15 Ala Gly Phe Lys Gly Glu Gln Gly Pro Lys 20 25
【図面の簡単な説明】
【図1】本願ペプチドを経口投与して経口免疫寛容した
マウスにおけるIA(Index ofArthritis)を示す図であ
る。
【図2】本願ペプチドを投与量を変えて経口投与して経
口免疫寛容したマウスにおけるIA(Index of Arthriti
s)を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 八村 敏志 東京都文京区弥生1丁目1番1号 東京大 学農学部農芸化学科畜産物利用学研究室内 (72)発明者 久恒 辰博 東京都文京区弥生1丁目1番1号 東京大 学農学部農芸化学科畜産物利用学研究室内 (72)発明者 松本 貴之 茨城県つくば市緑ケ原3丁目3番 日本ハ ム株式会社中央研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号1で示されるアミノ酸配列を
    有するペプチド又はその薬理学的に許容される塩からな
    る経口免疫寛容原。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の経口免疫寛容原を有効
    成分として含有する経口慢性関節リウマチ治療剤。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の経口免疫寛容原を含有
    する機能性食品。
JP5311231A 1993-11-16 1993-11-16 経口免疫寛容原、経口慢性関節リウマチ治療剤及び機能性食品 Pending JPH07138187A (ja)

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