JP3054194B2 - 免疫抑制生産物 - Google Patents

免疫抑制生産物

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Description

【発明の詳細な説明】 [関連特許出願との相互関係] この出願は、米国特許出願第07/431639号(出願日198
9年11月6日)の一部継続出願、および米国特許出願第0
7/177223号(出願日1988年4月4日)の一部継続出願で
ある。米国特許出願第07/431639号は米国特許出願第07/
161039号(出願日1988年2月26日)の一部継続出願であ
る。米国特許出願第07/161039号および米国特許出願第0
7/177223号は、ともに米国特許出願第06/546162号(出
願日1983年10月27日)の分割出願である米国特許出願第
07/001848号(出願日1987年1月9日)の一部継続出願
である。米国特許出願第06/546162号は、現在放棄され
ている米国特許出願第07/384625号(出願日1982年6月
3日)の一部継続出願である。
上記のすべての特許出願の内容を説明のため本明細書
にすべて完全に包含させた。
[発明の分野] この発明は、産乳動物へ投入したアレルゲンから誘導
されたペプチドを含有する乳汁中のポリペプチド画分の
発見に関するものである。これらの画分はヒトおよび動
物におけるアレルギー反応を抑制するのに有用である。
[発明の背景] ヒトおよび動物におけるアレルギー反応は広範に研究
され、これに関与する基本的な免疫機構は十分に解明さ
れている。アレルギー反応を起こす分子の一般名はアレ
ルゲンである。多くのアレルゲン種がある。一般的な例
としては、植物の花粉、ハチ毒、室内塵、動物の落屑、
および多数の食品タンパク質等が挙げられる。一般にタ
ンパク質およびポリペプチド類は、炭水化物または脂肪
より一層抗原性であるから、多くのアレルゲンは天然で
はタンパク質またはポリペプチド類である。IgE型の組
織感作性免疫グロブリンが外来性アレルゲンと反応する
と、アレルギー反応が起こる。IgE抗体が肥満細胞およ
び/または好塩基球と結合し、抗体分子を架橋している
2価抗原によって刺激されると、これらの特殊細胞はア
レルギー反応の化学的伝達物質を放出する。ヒスタミ
ン、血小板活性化因子、アラキドン酸代謝産物、および
セロトニンは、ヒトにおけるアレルギー反応でとりわけ
最もよく知られた伝達物質である。
アレルギー反応の症状は、IgEが抗原と反応する生体
内の場所によって変わる。反応が呼吸器系の上皮に沿っ
て起こる場合、症状はくしゃみ、咳、喘息様反応であ
る。食事性アレルギーの例のように相互反応が消化管で
起こる場合は、腹痛および下痢が一般的である。例えば
ハチ刺されによって起こる全身反応は、重篤で致命的で
あることが多い。
アレルギーを除くのに好ましいが、往々にして不可能
である方法は、アレルゲン回避法である。これに失敗し
た場合、いずれも約60〜85%の有効率を示すアレルギー
を制御する2種類の医学的手段がある[アース、K.、ア
ラジー、37巻、1〜14頁(1982年)]。アレルギーの最
も一般的な医学的処置手段は症状を処置することであ
る。アレルギー反応の化学的伝達物質の効果を遮断する
ことが知られている薬物(例えば抗ヒスタミン剤等)を
使用して、アレルギー症状の激しさを制御する。しかし
これらの薬物はアレルギー反応および化学的伝達物質の
放出を防止するのには役立たず、また次のアレルゲン暴
露の際のアレルギー反応の防止または除去にも役立たな
い。
もう一つの手段は、アレルギー宿主の脱感作によって
アレルギー反応を防止する方法である。これは反応性ア
レルゲンを少量ずつ反復投与することによって達成され
る。処置は通例アレルゲンを皮下注射することにより行
う。反応性アレルゲンによる処置、もっと適切には免疫
療法と呼ばれている処置は、アレルゲンに対するIgG型
抗体の濃度を増大すると信じられている。IgG抗体はIgE
抗体のアレルゲン結合と競合し、抗体遮断と症状改善の
間の明瞭な相関関係がはっきり証明されていないにもか
かわらず、組織感作性IgE抗体の反応をなんらかの形で
中和し、沈静化し、または遮断する[メイリング、H.J.
編、イムノセラピー・ポジション・ペーパー、アラジー
(増刊)6号、43巻、9〜33頁(1988年)]。この理論
的解釈は一般に受け入れられているが、完全に解明され
てはおらず、IgG反応を伴う複雑な相互作用および個々
の現象を十分には反映していない。例えば症状の緩解を
含む免疫療法のその他の効果として、IgEの抑制、分泌
物中のIgAおよびIgG遮断の増大、好塩基球の反応性/感
受性の低下およびアレルゲンに対するリンパ球の反応性
の減少等が挙げられる。これらのすべての変化は、どの
患者でも起こり得るのではなく、実際の症状の緩解に関
連するこれらの変化は、決定的に解明されてはいない
[ノーマン、P.S.、ジャーナル・オブ・アラジー・アン
ド・クリニカル・イムノロジー、75巻、531〜545頁(19
85年)]。
反応性アレルゲンを使用する免疫療法は、感作した宿
主を、アレルギー反応を惹起することができる分子で実
際に処置するのであるから危険である。激しい反応の誘
発を避けるため、処置は極めて低投与量から開始する。
アレルギー性患者の末梢好塩基球から50%ヒスタミンを
放出するのに必要な抗原濃度は、患者相互間で10000倍
違う[ノーマン、P.S.、ジャーナル・オブ・アラジー・
アンド・クリニカル・イムノロジー、75巻、531〜545頁
(1985年)]。副反応が起こらなければ、それより一層
高投与量を投与する。注射は激しアレルギー反応を起こ
すことがあるから、十分な注意を払わなければならな
い。激しい反応が起こったら、アレルギー反応の症状を
抑制するため、即座に医学的処置を施さなければならな
いから、経験を積んだ医師だけがこの処置を行うことが
できる。脱感作は費用がかかり、痛くて時間を要する方
法であるから[アース、K.、アラジー、37巻、1〜14頁
(1982年)]、したがって最も激しいアレルギーの場合
だけ、この方法によって処置する[メイリング、H.J.
編、イムノセラピー・ポジション・ペーパー、アラジー
(増刊)6号、43巻、9〜33頁(1988年)]。
アレルゲン性、即ちIgEによる反応誘導能を消失させ
るが、免疫原性、即ち防御的IgG反応惹起能を持続させ
るアレルゲンの修飾は、多年にわたり、研究された。重
合した抗原では、潜伏性抗原決定基のために、分子濃度
が低く、したがって重量基準で架橋する機会が減少し、
組織への拡散が一層遅延し、低い抗原性を示すであろう
という理論に基づいてこれらを評価した[パターソン、
R.、ジャーナル・オブ・アラジー・アンド・クリニカル
・イムノロジー、68巻、85〜90頁(1981年)]。抗原に
対する正常なIgMおよびIgG反応は起こるが、IgE抗体の
生成を選択的に抑制しようとする目的で、アレルゲン結
合体をさまざまなアレルゲンで検討した[リー、W.Y.
ら、イムノロジカル・レビュー、41巻、200〜217頁(19
78年)]。グルタミン酸/リシン共重合体との結合体
は、IgEリンパ球、サプレッサーおよび/またはヘルパ
ーT細胞に特異的に作用し得、またはこれらの2つの機
序の組み合わせが起こり得る[リウ、F.T.ら、プロシー
ディングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ
・サイエンシズ・オブ・ザ・USA、76巻、1430〜1434頁
(1979年)]。
また免疫原性を除去するため、アレルゲンの大きさを
減少させようとする修飾が検討された。限定されたタン
パク分解によって、実際にアレルゲン分子上でサプレッ
サー決定基を出現させ得ることが報告された[モワッ
ト、A.M.、イムノロジー、56巻、253〜260頁(1985
年)]。
アレルゲンのポリペプチド画分および親タンパク質を
分解する酵素の使用は新規なことではない[キング、T.
P.、アドバンシズ・イン・イムノロジー、23巻、77頁
(1976年)]。米国特許第4469677号では、アレルギー
性のヒトおよび動物を脱感作するため、アレルゲンから
調製したポリペプチド画分の使用を報告している。タン
パク分解酵素でアレルゲンを消化することにより、ポリ
ペプチド画分を調製する。酵素消化処理したのち、酵素
および残留する親アレルゲンをポリペプチド亜画分から
除去しなければならない。ポリペプチド画分の個々の構
造は消化処理に使用した酵素によって変わる。ただしこ
の方法は、消化処理に使用する酵素を前もって選び出す
ことを必要とする合成操作である。ポリペプチド画分
は、ポリペプチド・アレルゲンの制御的タンパク分解消
化によって生産される。この方法は反応性抗原を使用す
る方法より改善を示しているが、処置は、なお度重なる
疼痛を伴う注射を必要とする。
免疫機能を抑制するポリペプチド画分の機能は構造依
存性である[ウナヌエ、E.R.ら、サイエンス、236巻、5
51〜557頁(1977年)、免疫応答におけるタンパク質の
ポリペプチド画分の構造依存性に関する総説を参照]。
マイケルのポリペプチド画分の構造は、酵素が必ずし
も最も重要なものではないという限定された認識に基づ
いて酵素の選択を行っているので、限界がある。
経口による「免疫寛容」の発現は正常な現象であり、
食事によって摂取されるさまざまな外来性抗原に反応す
るのに必要な機能である。経口による免疫寛容はTリン
パ球の特殊クラスおよびその生産物によって開始され、
IgE依存性過敏反応の全身的な抑制をもたらす。寛容状
態が誘導される間に、免疫系のその他の要素のさまざま
な反応が起こることが報告されており、したがって本当
の機序は明確には定義付けられていない。
また動物研究で、花粉抽出物の胃内投与に反応して、
IgE産生が実際に増強されることが判った[ヘンダーソ
ン、D.C.ら、インターナショナル・アーカイブズ・オブ
・アラジー・アンド・アプライド・イムノロジー、79
巻、66〜71頁(1986年)]。これは用量に比例する現象
であるが、オボアルブミン20mgで経口ないし非経口で投
与して免疫したマウスの2つの研究間で、IgEが増加し
たという一方の研究[ハンドソンD.G.ら、インターナシ
ョナル・アーカイブズ・オブ・アラジー・アンド・アプ
ライド・イムノロジー、55巻、256〜532頁(1977年)]
と、減少したという他の研究[ラフォント、S.ら、ジャ
ーナル・オブ・エキスペリメンタル・メジジン、155
巻、1573〜1578頁(1982年)]と相反する結果が報告さ
れた。
ある研究者らは、経口および非経口的に誘導したサプ
レッサーT細胞間で抗原決定基の認識が異なると結論し
ている。食事性抗原から生じたサプレッサー細胞は、異
なった形の抗原を認識できるが、非経口的に誘導したサ
プレッサーT細胞では、それらが最初に反応した分子確
認に特異的であった[モワット、A.M.、イムノロジー、
56巻、253〜260頁(1985年)]。この現象が大多数の抗
原で示されるならば、経口免疫療法の使用をさらに正当
化するであろう。
さらにアレルギー性対象にアレルゲンを経口的に投与
することに伴う問題は、この経路による処置ののち激し
い免疫反応が起こり得ることである。アナフィラキシ
ー、再発、蕁麻疹、直腸出血、およびアナフィラキシー
ショックが経口免疫療法に伴って報告されている[プラ
ッツ・ミルズ、T.A.E.、ジャーナル・オブ・アラジー・
アンド・クリニカル・イムノロジー、80巻、129〜132頁
(1987年)]。そのうえ消化管酵素のアレルゲンに対す
る作用のため、経口処置では、非経口治療の場合より著
しく大量を必要とする。ただし摂取した抗原に対する個
々の反応は変わり得るから、さまざまな対象へ投与され
た同一用量から多かれ少なかれ無傷のアレルゲンが胃腸
粘膜へ提供され得、不適切な投与量の危険を増大する。
アレルゲンの非アレルゲン性画分は激しい免疫反応を
考慮することなく経口的に投与できる。ただしはっきり
解らない理由で、ある種のアレルゲンのポリペプチド画
分の経口投与は、マイケルの特許(米国特許第4469677
号)で調製されたものをも含み、脱感作を起こすのに有
効ではない。その他の修飾タンパク質摂取に対する免疫
応答の研究では、さまざまな異なった結果を伴い限界が
ある。マウスにおけるコラーゲン誘発関節炎は、天然II
型コラーゲンの摂取により抑制されるが、変性させた分
子を摂取すると抑制されない[ナグラー・アンダーソ
ン、C.L.ら、プロシーディングズ・オブ・ザ・ナショナ
ル・アカデミー・オブ・サイエンシズ・オブ・ザ・US
A、83巻、7443頁(1986年)]。別の自己免疫疾患の研
究で、発症性および非発症性断片の両者およびミエリン
塩基タンパク質のデカペプチドは、ラットで経口処置に
より免疫抑制を惹起することができた[ヒギンズ、P.J.
ら、ジャーナル・オブ・イムノロジー、140巻、440〜44
5頁(1988年)]。天然および変性オボアルブミンの両
者で経口免疫寛容の誘導を評価したマウスによる研究の
結果から、それぞれの形に対する遅延型過敏反応の抑制
は、いずれも同じであった[モワット、A.M.、イムノロ
ジー、56巻、253〜260頁(1985年)]。
ある分子断片が免疫寛容を有効に誘導できないことに
関与し得る1要因は胃の低いpHであり、それがポリペプ
チド画分をさらに修飾して、その免疫寛容誘導能を失わ
せ得る。
経口投与したアレルゲン断片が、招来起こる暴露に対
して脱感作を誘導できないことに関与するもう1つの要
因は、その断片自身の本来の性状であるかもしれない。
断片の試験管内合成は、特異的酵素と、生物学的に最適
な製剤の調製をもたらし、あるいはもたらし得ない条件
を必要とする。断片は、静脈内投与によっていきなり免
疫系へ暴露されたとき有効であり得るが、好適な免疫系
の構成要素へ暴露されるまでに、消化管内でなんらかの
変化を起こす修飾に十分感受性であり得る場合は、その
有効性が破壊され得る。
したがって経口で投与したとき、免疫寛容を誘導する
のに十分活性であるが、アレルゲン性でないアレルゲン
断片の経口製剤の必要性が存在する。またそのような生
産物を生産する方法の必要性も存在する。
[発明の要約] この発明は、製造方法、使用方法、加工処理による生
産物の発見を具体化したものである。この発明の加工処
理による生産物の一般的な形は、アレルゲンのポリペプ
チド画分を含有する乳汁である。この発明の加工処理に
よる具体的な生産物は、特異的アレルゲンのポリペプチ
ド断片を含有する乳汁ポリペプチド画分である。
具体的にはこの発明は、動物を免疫するのに使用する
アレルゲンの非免疫グロブリンポリペプチド断片を含有
する乳汁のような、免疫した産乳動物によって生産され
た乳汁に関するものである。
この発明はさらに、この発明の乳汁、または乳汁の活
性断片を含有する食品生産物に関する。
この発明はさらに、アレルギー性対象におけるアレル
ギー反応の緩解のため、そのような対象に投与する経口
ワクチンに関する。そのようなワクチンは、この発明の
乳汁、またはその活性画分を含有する。
この発明はさらに、産乳動物を免役し、動物が免疫状
態に達したのち、そのような動物から乳汁を採取するこ
とを含む免疫抑制生産物の製造方法に関する。
この発明はさらに、この発明の乳汁、またはその活性
画分を、免疫抑制効果を生じるのに十分な量および時間
で対象へ投与することを含む、アレルゲンに対して対象
を脱感作する方法に関するものである。
この発明はさらに、アレルゲンに対して脱感作の必要
がある対象へ、そのような対象のアレルギー応答および
アレルギー反応の処置および抑制に有効である量で、こ
の発明の活性なポリペプチド断片を含有する画分を提供
する医薬組成物に関する。
[好ましい実施態様の説明] この発明は、脱感作のための経口製剤、即ちこれを摂
取する対象にとって著しく医学的に有益である経口ワク
チンを提供する。対象とは、この発明の方法によるアレ
ルギー脱感作を必要とするヒトまたはその他の動物を意
味する。この発明の経口ワクチンは自己投与でき、注射
しなければならないワクチンよりも一層疼痛が少なく、
費用がかからない。この発明の経口ワクチンを摂取した
対象は、そのような対象がそのアレルゲンに対して免疫
寛容を獲得できるような形に誘導体化され、加工処理さ
れたアレルゲンへ暴露される。
この発明の乳汁、またはその活性画分は、乳汁のアレ
ルギー反応抑制特性を保有する粉末または液体のどちら
かの任意の形で投与し得る。またそのような乳汁の活性
画分を取り入れた任意の食品生産物は、例えば脱脂乳、
ヨーグルト、およびチーズとして提供され得る。
この発明の乳汁の「活性画分」とは、この発明の乳汁
から抽出され、そのような乳汁を提供する動物を免疫す
るのに使用したアレルゲンが、誘導体化され、加工処理
された形で存在するため、この発明の未抽出乳汁の有益
なアレルギー反応抑制特性を保有している製剤または組
成物を表す。
誘導体化され、加工処理された形のこの発明のアレル
ゲンは、このアレルゲンに対して免疫した産乳動物の乳
汁中に存在する。加工処理しないアレルゲンそのものを
投与するのではなく、この発明のポリペプチド画分を対
象へ投与することの利点は、加工処理しないアレルゲン
とは異なり、この発明の乳汁のアレルギー反応抑制ポリ
ペプチド画分が非アレルゲン性であることである。この
発明の乳汁を摂取した対象の脱感作は起こるが、乳を生
産する宿主内の免疫系によって、アレルゲンが非アレル
ギー性の形に加工処理されるため、そのような対象で激
しいアレルギー反応の危険性はない。
免疫抑制活性ポリペプチドの供給源として使用される
アレルゲンは、そのようなアレルゲンを加工処理する哺
乳動物において、免疫系の応答を発現できる任意のアレ
ルゲンであり得る。アレルゲンが、ある哺乳動物種で免
疫系の応答を誘発できなければ、別の種を使用し得る。
好ましい態様では、乳を生産するウシである乳牛を使用
してアレルゲンを処理する。ただしヒト、およびヒツ
ジ、ブタ、ウマ種等の動物を含めて任意の哺乳動物種を
使用し得る。
アレルゲン製剤は、アレルゲンの混合物、もしくはた
だ1種だけの特異的アレルゲンを含み得る。この発明の
乳汁製剤の投与によって防御し得るアレルゲン混合物の
例としては、各種の樹木および草の花粉、動物および昆
虫からの毒液、および食品アレルゲンの混合物等が挙げ
られる。この発明の製剤の投与によって防御し得る特異
的アレルゲンの例としては、例えばブタクサ、ハチ毒、
および食品アレルギーの例として小麦タンパク質等が挙
げられる。
この発明のポリペプチド画分の製造方法は、そのよう
なアレルゲンに対してアレルギー性となるように宿主を
処置するのに使用すると、免疫抑制活性を示す亜画分の
ような親アレルゲンの独特な亜画分を生産する。「免疫
抑制活性」とは、そのような組成物を投与したアレルギ
ー性対象で、アレルギー症状、またはアレルギー反応を
減少させる組成物の能力をいう。「アレルギー症状」と
は、個体がその個体に対してアレルギー性である物質に
暴露されて反応し、個体に誘発される、例えばアレルギ
ー誘発性充血、頭痛、過呼吸、かゆみ、腫脹、くしゃ
み、喘鳴、せき、鼻漏、および嗅覚および味覚の減少の
ような生理的反応または条件をいう。
この発明の乳汁組成物、およびこの発明の方法によっ
て、それから生産されたポリペプチド画分は、親アレル
ゲン(産乳動物を免疫するのに使用したアレルゲン)の
アレルゲン性を欠いているが、そのような組成物を投与
した宿主を脱感作する能力をもっている。
産乳動物を、この発明の乳汁を生産する超免疫状態へ
誘導し、またはその状態に維持する必要は必ずしもな
い。さらにこの発明の活性組成物は、抗体によって防御
的な抑制活性を提供するのではないから、産乳動物を、
この発明の乳汁を生産する抗体産生状態へ誘導する必要
は必ずしもない。ただアレルゲンを投与した動物が、そ
のようなアレルゲンを動物の乳汁中に分泌する形へ処理
するのに十分な時間を提供することだけが必要である。
アレルゲンの免疫細胞プロセシングは、免疫応答の最
も書記段階の1つであるから、この発明の活性ポリペプ
チドを含有する乳汁は、アレルゲンの投与後、比較的早
期に、例えばアレルゲンの投与後、24時間〜1週間で得
られる。本明細書で報告した方法によってアレルゲンを
投与した乳牛では、アレルゲンの投与後24時間で、その
乳汁にそのような活性ポリペプチドを提供する。
動物の乳汁中にこの発明の活性ポリペプチドの出現を
もたらし得る任意のアレルゲン量を、産乳動物に投与し
得る。アレルゲンを投与した動物の乳汁中に、脱感作を
必要とする対象に有効な効果を提供できないほど、活性
ポリペプチドの量が少ない場合は、そのような活性ポリ
ペプチドを一層濃縮した形で対象に提供し得る。そのよ
うな濃縮は、当業界既知の手法を用いて、例えばこの発
明の組成物の塩沈降、蒸発、または凍結乾燥によって実
施することができる。
活性ポリペプチド含有製剤は、異なった遺伝的素因か
らのさまざまなポリペプチド亜画分を含有する組成物に
よる脱感作が必要な対象へ提供するため、1種以上のア
レルゲン投与動物から組み合わせ、1種以上のアレルゲ
ン投与動物種から組み合わせ得る。
産乳動物を抗体産生状態、または超免疫状態へ誘導す
ることは必ずしも必要でないが、この発明の乳汁、およ
びこの発明の活性ポリペプチドを含有する乳汁の連続的
生産に有害でなければ、乳を生産する宿主へアレルゲン
を反復して投与することにより、この状態を達成し得
る。
免疫系のプロセシング機構はまだ完全に解明されては
いないから、この理論に支持される意図はないが、外来
性タンパク質またはポリペプチドは、免疫系の特殊な細
胞によって摂取され、貧食されるものと考えられ、その
最も注目すべきものは、マクロファージおよび好中球で
ある。産乳動物へ投与されたのち、免疫細胞内の酵素
は、タンパク質またはポリペプチドアレルゲンを破壊
し、本明細書で互換的に用いるアレルゲンの「加工処
理」した形、または「亜画分」の形へ誘導体化する。
免疫細胞が生産した亜画分は独特なものであり、天然
宿主の外部では生産できない。その独自性は、第1に親
アレルゲンの構造に基づいており、第2に哺乳動物宿主
のアレルゲン処理細胞内の酵素の組み合わせに基づいて
いる。哺乳動物アレルゲン処理細胞で発現される酵素の
組み合わせは、遺伝的に決定される。他の種はそれぞれ
独特な酵素の組み合わせをもっている。例えばウシ種の
免疫細胞によって処理されたアレルゲンのペプチド画分
は、他の種の免疫細胞によって処理されたポリペプチド
画分と類似しているが、全く同一ではない。この発明の
方法によって生産されたポリペプチドが独特なものであ
り、他のどの方法によって生産されたポリペプチドとも
異なっているのは、この遺伝的特異性のためである。
ヘルパー細胞と呼ばれる特殊な免疫細胞は、処理され
た抗原をマクロファージがT細胞およびB細胞へ提示す
るのを助ける。マクロファージにより、そして/または
マクロファージから血液を通り、乳腺を経て乳汁へ入る
アレルゲン亜画分の推移は、乳汁中に存在するアレルゲ
ン・ポリペプチドの構造をさらに修飾し得る。環境抗原
を加工処理し、天然の免疫抑制因子を乳汁中へ輸送する
この天然の生物学的方法は、乳牛が母乳によって免疫防
御因子を仔牛へ送り込む機構を提供する。これらの乳汁
免疫因子は、そのような動物の授乳中の仔獣をアレルギ
ー反応から守る。自然は進化の過程を経て、種の母獣が
アレルゲンの可能性ある環境を判断する方法を見つけ出
した。ついで免疫系は環境アレルゲンをアレルギー反応
を防御する因子へ変える。母獣は母乳を通じて免疫防御
因子を授乳中の乳児へ送る。この発明に係わる発見の主
眼は、既知のアレルゲンをアレルギー反応の予防および
処置に有用性のある免疫防御ポリペプチド画分へと変へ
るこの天然の生物学的プロセスをヒトが利用できるとい
う点にある。
乳汁の免疫抑制因子は乳汁中に見いだされるポリペプ
チド亜画分であって、乳汁中に見いだされる抗体ではな
い。抗体がアレルギーの処置に有用であることは多分あ
り得るが、乳汁抗体はこの発明の生産物ではない。
この発明の方法によって処置した動物の乳汁は、宿主
を処置するのに使用したアレルゲンの特異的で独特なポ
リペプチド亜画分を含有する。この乳汁は無傷の、即ち
誘導体化されない親アレルゲンを欠いている。これらの
ポリペプチド画分の独自性は、宿主の特殊化された免疫
細胞による特異的な酵素破壊に由来する。また血液およ
び***組織酵素も、乳汁中へ入る前のアレルゲンの化学
を修飾する役割を担い得る。これらの独特な非反応性ポ
リペプチドを含有する乳汁は、ヒトを含む他の種へ摂取
されると、防御および/または免疫寛容を誘導する経口
免疫処置として有用である。乳汁から単離されると、乳
汁アレルゲン・ポリペプチド画分は、代表的な親アレル
ゲンに対するアレルギー反応を抑制するのに有用であ
る。
アレルゲンは、経口、直腸内、膣内、筋肉内注射、皮
下注射、皮内注射、経皮投与等を含む各種の投与経路に
よって、産乳動物へ投与し得る。任意の処置経路をアレ
ルゲン投与に使用できるが、好ましい処置経路は、宿主
種へのアレルゲンの筋肉内注射によって行う。アレルゲ
ンは産乳動物の体内へ入ると、乳を生産する宿主の免疫
系によって処理される。
アレルギー性の個体または動物をこの発明の組成物で
処置すると、親アレルゲン分子を使用したときに起こり
得る副作用の危険なしに、個体または動物で、親アレル
ゲンに対する防御が成立する。哺乳動物の催乳器官によ
って加工処理できるタンパク質またはポリペプチド・ア
レルゲンを例示すれば、雑草、草、樹木の花粉アレルゲ
ン、動物の毒液および毒物、および各種の食品アレルゲ
ン等である。好ましい実施態様ではウシの催乳器官を使
用する。理論的には、どのアレルゲンでも哺乳動物、特
にウシのマクロファージ系によって加工処理でき、免疫
抑制ポリペプチド亜画分を生産することができる。
この発明の方法は、哺乳動物の免疫系のアレルゲン処
理細胞で入手可能なプロセシング酵素の完全なスペクト
ルを使用するから、都合がよい。この発明の方法の第2
の利点は、ポリペプチド画分の完全なスペクトルを免疫
抑制乳生産物に含有しており、天然の乳汁担体に含有さ
れると、免疫抑制アレルゲン画分は経口で有効である点
である。この発明の方法では、アレルゲンを試験管内で
分解するために特異的な酵素を選んだり、酵素的消化処
理を調節する必要がなく、しかもこの発明の操作は、酵
素および残留する親分子を反応系から分離する必要もな
い。完全な抗原処理が産乳動物の体内で自然に起こる。
哺乳動物の遺伝子が酵素を選び、哺乳動物の自然な代謝
が反応条件を抗原処理の最適な水準に保つ。
ペプチドがその生物活性を保有し得る、即ちそのよう
なペプチドがアレルギー反応の抑制能を保有し得る任意
の手法、またはそのような手法の組み合わせによって、
この発明のペプチド画分をモニターし、精製し、単離し
得る。そのような手法は当業界既知のものであり、吸着
クロマトグラフィー、ゲルクロマトグラフィー、特にデ
キストラン、ポリアクリルアミド、またはアガロース・
マトリックスを使用するゲルクロマトグラフィー、イオ
ン交換クロマトグラフィー、例えば「SP−セファデック
ス」(デキストランへ誘導体化されたスルホプロピル官
能基を含んでいる)、「AG50」(スチレン・ジビニル・
ベンゼンへ誘導体化されたスルホン酸を含んでいる)、
および「バイオ・レクス40」(フェノール性マトリック
スへ誘導体化されたスルホン酸基を含んでいる)のよう
な強カチオン型交換樹脂、例えば「CM−セファロース」
(デキストランへ誘導体化されたカルボキシメチル官能
基を含んでいる)、「バイオ・レクス70」(フェノール
性マトリックスへ誘導体化されたカルボキシル官能基を
含んでいる)のような弱カチオン型交換樹脂、例えば
「QAE−セファデックス」(デキストランへ誘導体化さ
れたジエチル−(2−ヒドロキシプロピル)−アミノエ
チル官能基を含んでいる)、「AG1」(スチレン・ジビ
ニル・ベンゼンへ誘導体化されたテトラメチルアンモニ
ウムイオン官能基を含んでいる)のような強アニオン型
交換樹脂、例えば「DEAE−セファデックス」(デキスト
ランへ誘導体化されたジエチルアミノエチル官能基を含
んでいる)、「AG−3」(エポキシアミン・マトリック
スへ誘導体化された第3級アミノ官能基を含んでいる)
のような弱アニオン型交換樹脂、例えば「CM−セルロー
ス」(セルロースへ誘導体化されたカルボキシメチル官
能基を含んでいる)、「P−セル」(セルロースへ誘導
体化されたホスホ官能基を含んでいる)のような中間強
度カチオン型交換樹脂、例えば「DEAE−セルロース」
(セルロースへ誘導体化されたジエチルアミノエチル官
能基を含んでいる)、「PEI−セルロース」(セルロー
スへ誘導体化されたポリエチレンイミン官能基を含んで
いる)、「DEAE(BND)−セルロース」(セルロースへ
誘導体化されたベンゾイル化−ナフトイル化したジエチ
ルアミノエチル官能基を含んでいる)、「PABセルロー
ス」(セルロースへ誘導体化されたp−アミノベンジル
官能基を含んでいる)のような中間強度アニオン型交換
樹脂、および例えば「AG501」(スチレン−ジビニルベ
ンゼン・マトリックスへ誘導体化されたスルホン酸およ
びテトラメチルアンモニウムイオンの2つの官能基を含
んでいる)のような官能基の混合物を提供する交換樹脂
を利用するイオン交換クロマトグラフィー等を含むクロ
マトグラフィー手法等が挙げられるが、これだけに限定
されるものではない。また高性能液体クロマトグラフィ
ーも、この発明のペプチドを分離するのに使用し得る。
この発明の活性ポリペプチド含有組成物へ追加的な特
性、特に免疫抑制処置を必要とする対象において、アレ
ルゲンの効果の緩解を促進する活性ポリペプチドの能力
を増強する特性を増強または提供するため、そのような
活性ポリペプチドへ、その他の化合物を化学的または遺
伝子工学的に結合し得る。
この発明の組成物の投与量および投与計画は通常の当
業者であれば容易に決定できる。一般に活性ペプチド含
有組成物の投与は、使用したアレルゲンの型、処置すべ
き対象の年齢、処置すべき対象の健康状態、処置すべき
アレルギーの型、併用する処置があればその種類、この
発明の組成物に対する生理学的な耐容性、処置の回数お
よび所望する効果の性状、性別、症状の持続期間、もし
あれば禁忌症、およびその他、個体の医師によって所望
により調節し得る諸条件を勘案して変わる。投与は1回
またはそれ以上の適用により、所望の結果が得られるま
で実施できる。
この発明の組成物は、投与のための任意の好適な薬理
的担体に加えて投与できる。それらはヒトおよび動物に
おけるアレルギー反応の予防、緩和、防止、または治癒
条件を達成し得る任意の形で投与することができる。
この発明の活性ポリペプチド含有組成物の非経口投与
用製剤は、滅菌水、または非水溶媒、懸濁剤、および乳
剤等を含む。非水溶媒を例示すれば、プロピレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、植物油、魚油、および
注射用有機エステルである。水性担体としては、水、水
−アルコール溶液、食塩水を含む懸濁剤および乳剤、お
よび塩化ナトリウム溶液、リンガー・デキストロース溶
液、デキストロースを加えた塩化ナトリウム溶液、ラク
トース含有リンガー溶液、または固定油等を含む緩衝化
医薬用非経口担体である。静注用担体としては、液体、
栄養補液、およびリンガー・デキストロース等に基づく
電解質補液等が挙げられる。
またこの発明の組成物は、ポンプにより、または徐放
形態で投与することができる。
徐放形態による投与は、長期間連続して反復投与が指
示された場合、患者にとって一層好都合である。
この発明の活性ポリペプチド含有組成物は、錠剤、カ
プセル、粉末小包装、または経口投与用の液体溶液のよ
うな投与形態で使用できる。
この発明の医薬組成物は、例えば通常の混合、顆粒
化、糖衣錠製造、溶解、凍結乾燥、または類似の操作に
より、自体公知の態様で製造される。
以上、全般的にこの発明を報告したが、以下にこの発
明を実施するのに使用した材料および方法について、さ
らに実施例を挙げて詳細に説明する。これらの実施例は
この発明を説明するためのものであって、これによって
なんらこの発明を制限するものではない。
[実施例] 実施例1 乳牛の免疫化および免疫乳汁の採集 アレルギー症状軽減のための乳生産物を調製する免疫
原は、1:100(重量:容量)の調製品として購入した商
業的なアレルゲン抽出物を下表の割合でプールした混合
物を含有する。
プールした混合物を等量の滅菌食塩水で希釈する。正
常な哺乳期間中、乳牛に製剤5mlを2週間間隔で筋肉内
注射し、牛乳を採取し粉末化する。牛乳の採取は処置後
24時間から開始する。
実施例2 加工処理したアレルゲンを含有する乳汁画分の分別 超免疫化した乳牛から採取した新鮮な牛乳20リットル
をクリーム分離器(デラバル102型)に掛け、脂肪を分
離した。
得られた脱脂乳16リットルを、ホローファイバー透析
濾過/濃縮機を使用して限外濾過し、高分子量種(1000
00ダルトン以上)を除去した。濃縮機には、2基の1000
00ダルトン分子量カットオフ・カートリッジを装備す
る。脱脂乳を、ポンプ速度80、導入口圧および出口圧そ
れぞれ30および25psiで処理した。
1時間当たり4リットルの流速でカートリッジから流
出した濾液(<100000ダルトン)12リットルを凍結また
は凍結乾燥して貯蔵した。
これと同じ方法を用いて、超免疫化しない乳牛からの
牛乳を分別し得る。
実施例3 アレルギー性対象の脱感作 免疫乳粉末約1/2カップを水8オンスに溶解して再調
製し、ヒト篤志志願者に服用させた。200人の志願者の
年令は4〜87才で、乳生産物を1〜172カ月間服用し
た。疾患状態を示す応答のあったアレルギー対象168例
のうち、138例(82.1%)が乳生産物を服用中に改善を
示した。有効性が報告された対象の94%は、乳生産物服
用開始後、1カ月以内に改善が起こったと述べた。報告
された具体的な効果は、充血の減少、頭痛の減少または
消失、呼吸が楽になった、かゆみ、腫脹、くしゃみ、喘
鳴、せき、鼻漏の減少、嗅覚および味覚の改善等であっ
た。多くの対象で、乳生産物服用の中止により症状の再
発が報告され、数例の対象では乳生産物服用後、アレル
ギー免疫療法を中止した。
以上でこの発明を完全に説明したが、当業者であれ
ば、この請求の範囲が、発明の精神または請求の範囲、
または任意のその実施態様に影響することなく、広範囲
な、対応諸条件、およびパラメーター等の範囲内で実施
し得ることが判るであろう。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 39/35 A61P 37/08 A23C 9/00 CAPLUS(STN)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乳汁の非抗体画分を含有し、上記乳汁の非
    抗体画分が、アレルゲンに対してアレルギーをもつ対象
    において、上記画分を上記対象が摂取したとき上記アレ
    ルゲンに対する上記対象のアレルギー症状を改善するも
    のであり、上記画分が (a)アレルゲンを産乳動物へ投与し、 (b)(a)部の動物から乳汁を採取し、 (c)100000ダルトンより大きい分子を排除するフィル
    ターで(b)部の乳汁を濾過し、 (d)(c)部の濾過からの濾液を採集し、ここでこの
    濾液は上記の活性画分を含有している ことを含む操作によって生産された組成物。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の組成物を含有する食品生
    産物。
  3. 【請求項3】(a)アレルゲンを産乳動物へ投与し、 (b)(a)部の動物から乳汁を採取し、 (c)100000ダルトンより大きい分子を排除するフィル
    ターで(b)部の乳汁を濾過し、 (d)(c)部の濾過からの濾液を採集し、ここでこの
    濾液は上記の活性画分を含有する ことを含む方法からなる、乳汁の非抗体画分を含有し、
    上記乳汁の非抗体画分が、アレルゲンに対してアレルギ
    ーをもつ対象において、上記画分を上記対象が摂取した
    とき上記アレルゲンに対する上記対象のアレルギー症状
    を改善するものである、医薬組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】産乳動物がウシである請求項3に記載の方
    法。
  5. 【請求項5】アレルゲンに対する対象のアレルギー症状
    改善を発揮するのに十分な量および時間で食品生産物を
    対象に経口投与することを含むアレルゲンに対して対象
    を脱感作する方法であって、その食品生産物が、上記ア
    レルゲンで免疫した産乳動物の乳汁の非抗体画分を含有
    していることからなる脱感作方法。
  6. 【請求項6】食品生産物が乳汁、脱脂乳、ヨーグルト、
    およびチーズからなる群から選ばれた請求項5に記載の
    方法。
  7. 【請求項7】食品生産物が粉末形態である請求項5に記
    載の方法。
  8. 【請求項8】食品生産物が液体形態である請求項5に記
    載の方法。
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