JPH07133832A - 発進装置 - Google Patents

発進装置

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JPH07133832A
JPH07133832A JP9568594A JP9568594A JPH07133832A JP H07133832 A JPH07133832 A JP H07133832A JP 9568594 A JP9568594 A JP 9568594A JP 9568594 A JP9568594 A JP 9568594A JP H07133832 A JPH07133832 A JP H07133832A
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JP
Japan
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clutch
clutch member
load
transmission
accelerator opening
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Application number
JP9568594A
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English (en)
Inventor
Shuzo Moroto
脩三 諸戸
Mutsumi Kawamoto
睦 川本
Masao Kawai
正夫 川合
Hideki Ariga
秀喜 有賀
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Equos Research Co Ltd
Original Assignee
Equos Research Co Ltd
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Publication date
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Priority to JP9568594A priority Critical patent/JPH07133832A/ja
Publication of JPH07133832A publication Critical patent/JPH07133832A/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D25/00Fluid-actuated clutches
    • F16D25/08Fluid-actuated clutches with fluid-actuated member not rotating with a clutching member
    • F16D25/088Fluid-actuated clutches with fluid-actuated member not rotating with a clutching member the line of action of the fluid-actuated members being distinctly separate from the axis of rotation

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】アクセル開度が大きいときは、クラッチ部材等
の接続速度を速めて、運転者の運転感覚に適応したクラ
ッチ接続を行う。 【構成】出力軸11と一体回転する第1クラッチ部材1
2と、変速装置の入力軸16と一体回転する第2クラッ
チ部材15との間に、トルク伝達部材14を介装する。
トルク伝達部材14は、クラッチ部材12、15に対し
て、接離可能、独立回転可能である。これら部材12、
14、15の接合、離反は、レリーズシリンダ30によ
り、レリーズフォーク21、ダイヤフラムスプリング1
72、圧力板145等を介して行う。アクセル開度が大
きいときは、シリンダ30を介して圧力板146を押圧
する力を大きくして、各部材12、14、15の接続
(接合)を早める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用発進装置に関
し、詳しくは、エンジンの出力軸と変速装置の入力軸と
を断続する発進装置に関する。
【0002】
【従来の技術】手動変速装置を搭載した車両等において
は、エンジンと変速装置との間に、変速操作時の両者間
のトルク伝達を断つ目的で、発進装置が介装されてい
る。
【0003】このような発進装置は、主としてクラッチ
機構により構成されている。このクラッチ機構は、一般
に、エンジン側と一体に回転する部材と、変速装置側と
一体回転する乾式単板摩擦材とを備えている。クラッチ
機構は、変速操作時には、まず、回転中のエンジン側の
部材(以下「相手部材」という。)から乾式単板摩擦材
を引き離して、両者間のトルク伝達を断ち、つづいて、
変速操作終了後、回転中の相手部材に、この乾式単板摩
擦材を徐々に押し付けて(接合させて)両部材を滑ら
せ、両者間に作用する摩擦力に基づいて、エンジン側の
回転を変速装置側に徐々に伝達するようにしている。
【0004】なお、相手部材に対する乾式単板摩擦材の
離反、接合は、周知のように運転者によるクラッチペダ
ルの微妙な操作によって行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記摩擦材
として、相手部材との間の摩擦係数が大きい(高い)も
のを選択した場合、両部材間に作用する摩擦力が大きい
ため、両部材を円滑に滑らせながら接合させるのが難し
く、両者は急激に接合しがちとなる。このため、エンジ
ン側の回転数と変速装置側の回転数との差が、一挙に解
消されてしまい、接続ショックが発生しやすい。
【0006】一方、摩擦材と相手部材との間の摩擦係数
が小さい(低い)場合、両部材間に働く摩擦力は小さい
ので、運転者が多少ラフなクラッチ操作を行った場合で
あっても、両部材間には適度な滑りが生じ、したがっ
て、接続(接合)ショックが発生することはない。とこ
ろが、摩擦係数が小さい場合、摩擦材1枚当たりのトル
ク容量が小さくなるため、単板では十分なトルクを伝達
することができず、多板化、複数化等を行ってトルク容
量を増大させることが必要となる。
【0007】しかしながら、変速装置へトルクを入力す
る摩擦材を多板化、複数化すると、これらに伴う重量増
により、変速装置の入力軸側のイナーシャが大きくな
り、変速装置の同期機構(例、コーンシンクロ機構)へ
の負担が大きくなって、同期するために要する時間が極
めて長くなるという問題があった。
【0008】さらに、変速操作に要する時間が、クラッ
チ操作の遅速等の運転者の技量によって大きくばらつ
き、円滑な変速操作の妨げとなっていた。
【0009】そこで、本発明は、エンジンの出力軸と変
速装置の入力軸との断続を行う際に、同期機構にかける
負担を増大させることなく、接続ショックを低減し、さ
らに適宜な時間内に変速操作を完了することのできる発
進装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述事情に鑑
みてなされたものであって、その代表的な構成は、エン
ジンの出力軸と変速装置の入力軸との間に介装され、前
記出力軸と入力軸との間のトルク伝達を断続する発進装
置において、前記エンジンの出力軸と一体回転する第1
クラッチ部材と、前記変速装置の入力軸と一体回転する
第2クラッチ部材と、これら第1クラッチ部材及び第2
クラッチ部材に対して接離可能、独立回転可能に介装さ
れたトルク伝達部材と、一体的な荷重の加除動作よっ
て、前記第1クラッチ部材とトルク伝達部材を接合させ
て接合力の小さい第1接合面を形成し、前記第2クラッ
チ部材とトルク伝達部材を接合させて接合力の大きい第
2接合面を形成し、又はこれら接合面を解除する荷重付
与手段と、アクセル開度を検出するアクセル開度検出手
段と、前記アクセル開度の検出信号に対応させて、前記
荷重付与手段の加除動作を制御する制御手段と、を備え
ることを特徴とする。
【0011】この場合、前記制御手段は、前記アクセル
開度が大きいときに、前記荷重付与手段の荷重の加除動
作を早めるようにするとよい。
【0012】
【作用】本発明によれば、エンジンの出力軸と変速装置
の入力軸との接続は、荷重付与手段によって、第1接合
面及び第2接合面に一体的に荷重が付与され、トルク伝
達部材を介して第1及び第2クラッチ部材間が接続され
ることによって行われる。
【0013】即ち、トルク伝達部材を介して第1及び第
2クラッチ部材間が接続する際、一体的に荷重が加わる
と、まず、接合力が大きい第2接合面が接合を開始し、
接合完了後、接合力が小さい第1接合面の接合が完了す
る。
【0014】このため、第2接合面の接合完了の際に
は、第1接合面の接合が完了していないので、第2クラ
ッチ部材とトルク伝達部材間の接続に起因した接続ショ
ックは発生しない。
【0015】さらに、エンジンの出力軸と変速装置の入
力軸との遮断は、荷重付与手段による第2接合面及び第
1接合面への荷重の一体的な付与が解除され、第2接合
面及び第1接合面の接合が解放されることにより行われ
る。
【0016】即ち、第2クラッチ部材は、トルク伝達部
材と分離(離反)可能であるから、トルク伝達部材や第
1クラッチ部材のイナーシャには無関係である。従っ
て、変速装置は第2クラッチ部材のイナーシャ分のみの
影響を受ける。
【0017】加えて、エンジンのアクセル開度に対応さ
せて、荷重付与手段の荷重の加除動作を制御する(例え
ば早める)ようにすると、例えばアクセル開度が大きい
(車速が速い)ときには、第1クラッチ部材と第2クラ
ッチ部材との接続を速くし、一方、アクセル開度が小さ
い(車速が遅い)ときには、両クラッチ部材の接続を遅
くすることができる。つまり、運転者のアクセルペダル
の踏み込み量の多寡によく対応した接続速度を実現する
ことができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の一実施例に係る発進装置につ
いて説明する。
【0019】図1は、本実施例に係る発進装置の断面
図、図2は、本実施例に係る発進装置を備えた動力伝達
装置の構成説明図である。
【0020】図2に示すように上記動力伝達装置は、エ
ンジンの出力軸と変速装置の入力軸との間を指令信号に
応じて断続する発進装置1と、並行する2軸の上に配設
された歯数比の異なる複数のギアセットの内から特定の
ギア比を任意に選択可能に構成された変速装置2と、該
変速装置2の出力回転を入力し、その入力回転を左右輪
に伝達すると共に左右輪の回転数差を許容する差動装置
3を含んでいる。
【0021】尚、本実施例における変速装置2は、図示
しないモータがシフトフォークに夫々配設されており、
このモータを駆動することにより、シフトフォークが軸
方向の所定位置に移動されて、任意のギア比の前進及び
後進を設定する。
【0022】(発進装置の説明)図1に示すように発進
装置1は、エンジンの出力軸(クランクシャフト)11
に接続された第1クラッチ部材12と、該第1クラッチ
部材12にボールベアリング13を介して相対回転可能
に支持されたトルク伝達部材14と、変速装置2の入力
軸16の端部にスプライン結合した第2クラッチ部材1
5と、レリーズベアリング20を介してトルク伝達部材
14を作動させるレリーズフォーク21と、該レリーズ
フォークを21を作動させるレリーズシリンダ30とを
含んでいる。
【0023】(第1クラッチ部材12の説明)第1クラ
ッチ部材12は、クラッチハブ120と、クラッチハブ
120に軸方向に摺動自在にスプライン連結された2枚
の摩擦板131、132とを備えている。又、第1クラ
ッチ部材12は、フライホイール110とボルト111
により共締めされている。
【0024】上記摩擦板131、132は、夫々金属製
の円環状のプレートの両側端面に低摩擦係数の摩擦材を
貼付して構成されている。摩擦板を複数有するのは、滑
らせる(スリップ領域を利用する)ことを前提としてい
るため、1枚当たりのトルク容量を大きくすることがで
きないので、全体としてのトルク容量を大きくするため
である。
【0025】(第2クラッチ部材15の説明)第2クラ
ッチ部材15は、1枚の金属製の円環状のプレートの両
側端面に高摩擦係数の摩擦材を貼付した摩擦板151及
びダンパー150を備えている。
【0026】ここにいう高摩擦係数とは、第1クラッチ
部材12の摩擦材に比較していう。この摩擦材は、実質
的に滑らせることを目的とせず、オン、オフを主目的と
する。
【0027】ダンパー(緩衝部材)150はエンジンの
トルク変動を平滑化するもので、3要素から成ってい
る。即ち、摩擦板151側に連結する部材と、変速装置
2の入力軸16側にスプライン連結する部材と、該両部
材の間に介挿されたスプリングとから成る。
【0028】エンジンからのトルクは、摩擦板151、
ダンパー150、入力軸16へと直列的にトルク伝導さ
れ、トルク変動に応じてダンパー150のスプリングが
伸び縮みする。
【0029】(接合力の設定)上記摩擦板151、13
1、132は、夫々、摩擦材の摩擦係数によって、接合
力を調整されている。後述するように、ダイヤフラムス
プリング172によってこれらの摩擦板には一体的に荷
重の加除がなされる。又、リターンスプリング148、
149の弾発力の設定によっても、第2クラッチ部材1
5と第1クラッチ部材12の夫々の接合力の大きさを調
整することができる。
【0030】(トルク伝達部材14の説明)トルク伝達
部材14は一端が閉塞したクラッチドラム141を備え
る。該クラッチドラム141の内周にスプラインが形成
され、該スプラインに金属製のセパレート板142、1
43が嵌合されている。クラッチドラム141の解放端
にはクラッチカバー145が取付けられており、その内
周にはスプラインの歯が形成され、圧力板146が嵌合
されている。又、クラッチドラム141の閉塞壁とセパ
レート板142との間及びセパレート板142、143
の間には夫々リターンスプリング148、149が配設
されている。トルク伝達部材14全体は、トルク伝達系
における、上流側の第1クラッチ部材12と下流側の第
2クラッチ部材15との間に介装され、これらクラッチ
部材12、15に対して、接触しまた離反することがで
きるように(接離可能に)、しかも独立して回転するこ
とができるように(独立回転可能に)配設されている。
【0031】尚、トルク伝達部材14は、本実施例にお
いては、第1クラッチ部材12にボールベアリング13
を介して相対回転可能に支持されているが、ベアリング
を介して発進装置1のケーシングに相対回転可能に支持
するようにしてもよい。
【0032】クラッチカバー145の端面にはリベット
170が設けられる。該リベット170には椀状のダイ
ヤフラムスプリング172がワイヤーリング173、1
74によって挟持されて保持されている。
【0033】ダイヤフラムスプリング172は、レリー
ズベアリング20により一端が当接され、他端はレリー
ズベアリング20の移動に伴い(図示左右方向)、圧力
板146と離接してこれを押圧又は解放する。
【0034】レリーズフォーク21は、線状のリターン
スプリング213を備え、レリーズフォーク21の一端
部214が(図示左方向に)押されると、支持部材21
0を支点として、挺子(てこ)の原理で押圧力とストロ
ークを調整して、他端部215を(図示右方向へ)押
す。又、レリーズフォーク21の一端部214が(図示
右方向へ)引き戻されると、他端部215も同様に(図
示左方向に)引かれる。
【0035】レリーズシリンダ30はリターンスプリン
グ301と、ピストン302と、該ピストン302によ
り支持されたロッド303を有し、油圧によりピストン
302を作動させ、ロッド303により、レリーズフォ
ーク21の一端部214を押し引きしてレリーズフォー
ク21の他端部215を移動させる。
【0036】レリーズベアリング20は全体がケース上
にベアリングの回転軸方向(図示左右方向)に摺動自在
に支持される。レリーズフォーク21の一端部214が
ロッド303により押圧されていない状態では、レリー
ズベアリング20は、発進装置1のケースに取付けられ
た位置決め部材180と当接している。
【0037】この当接位置は、ダイヤフラムスプリング
172が圧力板146に対して与える付勢力を設定する
ものであり、その付勢力は、第1クラッチ部材12、ト
ルク伝達部材14、第2クラッチ部材15が接続され
て、エンジンの出力軸11と変速装置2の入力軸16間
が十分にトルク伝達可能に接続されるだけの力に対応す
る。
【0038】又、レリーズベアリング20には、レリー
ズフォーク21の他端部215と係止する係止部材18
1が取付けられており、この係止部材181により、ダ
イヤフラムスプリング172の内周端を移動させる力を
伝達する。
【0039】レリーズフォーク21の一端部214がロ
ッド303により押圧されると、レリーズフォーク21
の他端部215は、ダイヤフラムスプリング172の弾
発力に打ち勝ちながら、レリーズベアリング20を図の
右方向に摺動させ、ダイヤフラムスプリング172の内
周端を移動させる。
【0040】この内周端の(図示右方向への)移動は、
リベット170を支点として外周端が圧力板146から
離れるように作用するため、ダイヤフラムスプリング1
72の圧力板146への付勢力は軽減、解除する方向に
働く。
【0041】圧力板146への付勢力が軽減、解除され
ると、第1クラッチ部材12の摩擦係数の低い摩擦板1
31、132は、スリップしながら接続を解放する。続
いて、第2クラッチ部材15の摩擦板151の接続が解
放される。この摩擦板151は高摩擦係数のものであ
り、接続の解放は、ほとんどスリップすることなく行わ
れる。このとき、セパレート板143は、セパレート板
142を介してリターンスプリング148により、圧力
板146の方向へ移動する。尚、セパレート板143は
クラッチカバー145の端部に当接して、その圧力板1
46の方向への摺動位置を規制される。
【0042】このようにして、第1クラッチ部材12、
トルク伝達部材14、第2クラッチ部材15の接続が遮
断される。
【0043】次に、レリーズフォーク21の一端部21
4がロッド303により引き戻されると、レリーズフォ
ーク21の他端部215は、ダイヤフラムスプリング1
72の弾発力によって、(図の左方向に)移動する。
【0044】ダイヤフラムスプリング172の内周端の
移動は、ダイヤフラムスプリング172の外周端が圧力
板146を押圧するように作用し、ダイヤフラムスプリ
ング172の圧力板146への付勢力を増大する方向に
働く。
【0045】ダイヤフラムスプリング172の圧力板1
46への付勢力が増大するに従って、圧力板146は、
摩擦板151、セパレート板143、摩擦板132、セ
パレート板142、摩擦板131を押圧する。このと
き、セパレート板143、142を介して、リターンス
プリング148、149が圧縮される。
【0046】第2クラッチ部材15の摩擦板151は高
摩擦係数のものであり、摩擦板151は、ほとんどスリ
ップすることなく、圧力板146及びセパレート板14
3と接続する。一方、第1クラッチ部材12の摩擦係数
の低い摩擦板131、132はスリップしながら接続す
る。このようにして、接続ショックを生じることなく第
1クラッチ部材12、トルク伝達部材14、第2クラッ
チ部材15が接続される。
【0047】上述の各部材のうち、レリーズシリンダ3
0、レリーズフォーク21、レリーズベアリング20、
ダイヤフラムスプリング172等によって、荷重付与手
段を構成している。
【0048】図3は、第2クラッチ部材15、トルク伝
達部材14、第1クラッチ部材12の接続部分を示す模
式図である。
【0049】(接続部分の構造の説明)図3に示すよう
に、トルク伝達部材14及び第1、第2クラッチ部材の
接続部分は、(図3左から)トルク伝達部材14にスプ
ライン連結された圧力板146、第2クラッチ部材15
の摩擦板151、トルク伝達部材14にスプライン連結
されたセパレート板143、第1クラッチ部材12の摩
擦板132、トルク伝達部材14にスプライン連結され
たセパレート板142、第1クラッチ部材12の摩擦板
131、クラッチドラム141の閉塞壁が順次配列さ
れ、クラッチドラム141の閉塞壁とセパレート板14
2との間にはリターンスプリング148が配設され、セ
パレート板142、143の間にはリターンスプリング
149が配設されている。
【0050】(作動説明)ダイヤフラムスプリング17
2の圧力板146への付勢力Pが増大するに従って、圧
力板146は、摩擦板151、セパレート板143、摩
擦板132、セパレート板142、摩擦板131を押圧
する。このとき、セパレート板143、142を介し
て、リターンスプリング148、149が圧縮される。
【0051】このとき、リターンスプリング148のば
ね定数は、リターンスプリング149よりも大きく、弾
発力Pr2<Pr3である。
【0052】(発進時)エンジンがアイドリングで回転
し、変速装置2は、前進1速(前進時に最もギア段が低
い段)に設定されている。そして、エンジンの出力軸1
1と変速装置2の入力軸16とが接続されようとする場
合である。
【0053】車両が停止中であるとすると、摩擦板15
1は静止しているので、付勢力Pが増大すると、即座
に、圧力板146、摩擦板151、セパレート板143
は接続する。これによって、トルク伝達部材14と変速
装置2の入力軸16が、一体化して静止する。
【0054】次に、付勢力Pがさらに増大すると、リタ
ーンスプリング148、149が圧縮され始め、弾発力
の小さなリターンスプリング149がまず圧縮され、摩
擦板132とセパレート板143、142とが接続を開
始し始める。この時、エンジンがアイドリング状態であ
るとすれば、摩擦板132はアイドリング回転数で回転
しているので、スリップし始める。これに応じて、トル
ク伝達部材14にもトルクの伝達が開始される。
【0055】続いて、弾発力の大きなリターンスプリン
グ148が圧縮され、アイドリング回転数で回転する摩
擦板131とセパレート板142とクラッチドラム14
1の閉塞壁が接続を開始する。
【0056】このようにして、エンジン回転が第1クラ
ッチ部材12を介して相対回転しながら、トルク伝達部
材14に伝達され、変速装置2の入力軸16に伝達され
る。
【0057】(変速時)変速装置2の入力軸16とエン
ジンの出力軸11が接続される場合は、発進時とほぼ同
様である。
【0058】変速装置2の入力軸16とエンジンの出力
軸11が接続が開放される場合は、接続される場合と逆
に、まず、第2クラッチ12の摩擦板131がまず解放
され、次に摩擦板132が次に解放され、最後に摩擦板
151が解放される。
【0059】(油圧制御回路の説明)図4は、レリーズ
シリンダ30を作動させる油圧制御回路の構成図であ
る。
【0060】この油圧回路は、図に示すように、レリー
ズシリンダ30へ作動油圧を給送するマスタシリンダ5
10と、該マスタシリンダ510を作動させる負圧作動
装置520と、該負圧作動装置520の負圧の大きさを
可変制御する負圧制御バルブ530と、負圧を供給する
負圧バキュームタンク540を含んでいる。
【0061】マスタシリンダ510は、シリンダ512
内をピストン511がガイド棒515に沿って軸方向に
摺動することによりピストン511のストロークに応じ
た量の圧油をレリーズシリンダ30へ供給する構成とな
っている。
【0062】負圧作動装置520は、該装置520内を
2つの室(図示、A室、B室) に区分するダイヤフラム
付きピストン521と、該ピストン521により軸方向
に付勢されるロッド523と、リターンスプリング52
4と、ロッド523の作動ストロークを検出するポテン
ショメータ526とを備えている。尚、ロッド523の
作動ストロークの大きさは、ダイヤフラムスプリング1
72が圧力板146を押圧する力の代用特性を示す信号
として用いられる。
【0063】該負圧作動装置520において、一方の室
(A室)は負圧制御バルブ530を介して負圧バキュー
ムタンク540に連通している。
【0064】インテークマニホールド545から供給さ
れる負圧は、一方向弁543を介して負圧バキュームタ
ンク540に貯蔵され、後述するコントロールユニット
の指令に応じて作動するデューティーソレノド701を
含む負圧制御バルブ530によって、負圧を制御され上
記A室内の気圧を制御する。
【0065】一方、ピストン521を介して形成された
他方の室(B室)は、エアクリーナを介して大気圧に連
通している。
【0066】コントロールユニットが負圧制御バルブ5
30に指令信号を送ると、これに対応してバルブ530
内のデューティーソレノド701が作動して、A室内の
気圧を制御して、A室及びB室の気圧差によってロッド
523が摺動する。このロッド523の先端525は前
記マスタシリンダ510のピストン511の先端と中間
部を支点527とする連結棒528により連結されてい
る。
【0067】A室内の気圧が大気圧よりも下降すると図
示右側にロッド523を引っ張るため、連結棒528は
マスタシリンダ510のピストン511を図示左側に押
して、レリーズシリンダ30に圧油を供給する。又、A
室内の気圧が大気圧になるとリターンスプリング524
及びレリーズフォーク21の一端部214の反力により
マスタシリンダ510のピストン511は図示右側に引
かれ、レリーズシリンダ30に供給された圧油をマスタ
シリンダ510に戻す。
【0068】このようにして、レリーズシリンダ30内
の作動油圧量を制御して、レリーズフォーク21の一端
部214を押圧する力を制御している。
【0069】(コントロールユニットの説明)図5は本
実施例に係る発進装置1のコントロールユニット(制御
手段)700の入出力構成を示す図である。
【0070】コントロールユニット700は、コンピュ
ータユニットを主体に構成され、そのインプットポート
には、本実施例に係る動力伝達装置が搭載された車両各
部から車両の操作状況及び走行状況を示す検出信号が入
力されている。
【0071】この検出信号としては、例えば、運転者の
指令信号(アップシフト、ダウンシフト、ニュートラ
ル、前進、後進等)、現在の変速段が何速(例えば、2
速)であるかを示すセレクトポジション信号、アクセル
の踏み込み量を示すアクセル開度信号、車速信号、ブレ
ーキペダルが踏み込まれているかどうかを示すブレーキ
信号がある。
【0072】又、コントロールユニット700のアウト
プットポートからは各種アクチュエータへの制御信号が
出力される。これらのアクチュエータとしては、レリー
ズシリンダ30の作動を制御する負圧制御バルブ530
のデューティーソレノド701、変速装置2のシフトフ
ォークを動かすサーボモータからなるシフトアクチュエ
ータ702、エンジン回転を制御するステッピングモー
タからなるスロットルアクチュエータ703等がある。
さらに、負圧制御バルブ530、シフトアクチュエータ
702、スロットルアクチュエータ703をフィードバ
ック制御するために夫々、ポテンショメータ711、シ
フトポジションセンサ712、エンジン回転数センサ7
13からの検出信号がコントロールユニット700のイ
ンプットポートに入力される。
【0073】図6は、本実施例に係る動力伝達装置が搭
載された車両のステアリングの外観を示す説明図であ
る。
【0074】図6に示されるように、ステアリング80
0の中央部の左右には、運転者が自己の意思を入力する
ための運転指令ボタンが配設されている。運転者から見
てステアリング800の中央部右側には、前進を指令す
るFボタン801と、後進を指令するRボタン802
と、ニュートラル状態を指令するNボタン803が配置
されている。
【0075】又、運転者から見てステアリング800の
中央部左側には、アップシフトを指令するアップシフト
ボタン804と、ダウンシフトを指令するダウンシフト
ボタン805が配置されている。
【0076】図7、図8は上記コントロールユニット7
00が運転者の運転指令信号を受けて各種アクチュエー
タを作動させる際の作動順序を示すタイムチャートの一
例である。
【0077】図7に示すように、運転者によって前進を
指令するFボタン801が入力されると(S100
1)、第1クラッチ部材12及び第2クラッチ部材15
が解放される。
【0078】即ち、レリーズフォーク21はダイヤフラ
ムスプリング172の付勢力を解除するように働き、こ
れにより、圧力板146とセパレート板143により挾
持された摩擦板151の接続が解放され、又、第1クラ
ッチ部材12の摩擦板131、132もスリップしなが
ら接続が解放される。
【0079】次に、図示しないサーボモータによって、
変速装置2の第1速のギア段を選択するシフトフォーク
を予め定められた位置に動かす(S1002)。このよ
うにして、変速装置2において、第1速のギア段が選択
された後、第2クラッチ部材15のみが、まず接続され
る(S1003)。これは、ポテンショメータ526か
ら検出された電圧値によって第2クラッチ部材15のみ
を接続するような押圧力をダイヤフラムスプリング17
2に付与するようにレリーズシリンダ30内の作動油圧
量を制御することにより実行される(S1004)。
【0080】次に、ブレーキペダルを踏んでいないこと
が検出され(S1005)、さらにアクセルペダルが踏
まれたことが検出される(S1006)と、レリーズシ
リンダ30内の作動油圧量を制御することによって、第
1クラッチ部材12を滑らせながら接続させる(S10
07)。
【0081】図8に示すように、運転者によってアップ
シフトボタン804又はダウンシフトボタン805が入
力されると(S1050)、スロットルアクチュエータ
703によってスロットルが閉じられ(S1051)、
第1クラッチ部材12及び第2クラッチ部材15が解放
される(S1052)。この点は図7のS1001と同
様である。
【0082】次に、図示しないサーボモータによって変
速装置2のシフトフォークを変速段を選択しない位置に
動かすことにより、ニュートラル状態を作り出す(S1
053)。
【0083】その後、運転者によって入力されたアップ
シフトボタン804又はダウンシフトボタン805に対
応してシフトフォークを動かし、アップシフト又はダウ
ンシフトを行うのと同時にエンジン回転数を調整する
(S1054)。このエンジン回転数の調整はスロット
ルアクチュエータ703によって行い、この場合、スロ
ットルアクチュエータ703はアクセル開度信号に対応
しない。
【0084】その後、第1クラッチ部材12及び第2ク
ラッチ部材15が接続される(S1054)。この際、
第2クラッチ部材15はスリップさせることなく接続さ
れ、第1クラッチ部材12は滑らせながら接続される
(S1056)。そして、スロットルアクチュエータ7
03はアクセル開度信号に対応するように元に戻す(S
1057)。
【0085】(その他の実施例)以下、上記コントロー
ルユニット700がレリーズシリンダ30を作動させる
負圧制御バルブ530の作動を示す制御サブルーチンの
一部を示す。上記実施例と異なる点は、変速中において
もスロットルアクチュエータ703は動作検出手段とし
てのアクセル開度検出センサ(アクセル開度検出手段、
不図示)からのアクセル開度信号に対応する点であり、
その他は、上記実施例と同様である。
【0086】図9は、上記コントロールユニット700
がレリーズシリンダ30を作動させる負圧制御バルブ5
30の作動を示す制御サブルーチンの一部を構成するク
ラッチ荷重目標設定ルーチンを示す。このルーチンは運
転者によって、発進又は変速が指令され、その指令が完
了するまでの間、所定時間毎に行われる割り込み処理に
より起動されるルーチンである。
【0087】図示のように、アクセル開度検出センサか
ら入力されたアクセル開度θが読み込まれると(S
1)、そのアクセル開度θに対応した油圧が設定され
る。即ち、アクセル開度θが全アクセル開度の5%未満
であるときは、検出した車速Vがゼロの場合には目標ク
ラッチ荷重P0 を設定値PS とする(S2、S3、S
4)。この設定値PS は第2クラッチ部材15が係合を
完了し、第1クラッチ部材12が係合を開始する際のク
ラッチ荷重に対応した値である。
【0088】一方、検出した車速Vがゼロでない場合に
はアクセル開度θが10%未満であるか否かを判断する
(S5)。
【0089】10%未満である場合(即ち、アクセル開
度θが5%以上10%未満である場合)には、目標クラ
ッチ荷重P0 のレジスタの値をP0 +△P1をとする
(S6)。尚、目標クラッチ荷重P0 のレジスタの値は
初期値として上記PS が入力されている。即ち、第2ク
ラッチ部材15が係合を完了し、第1クラッチ部材12
が係合を開始する際のクラッチ荷重に対応した値が入力
されている。
【0090】次に、目標クラッチ荷重P0 がアクセル開
度θが5%以上10%未満であることに対応して設定さ
れた値P1 に達すると、目標クラッチ荷重P0 のレジス
タの値を最大値Pmax とする(S7、S8)。目標クラ
ッチ荷重を最大値Pmax とすることによって、クラッチ
荷重は最大となり、第1クラッチ部材12及び第2クラ
ッチ部材15は完全に接合されたことになる。
【0091】又、アクセル開度θが10%以上30%未
満である場合には、目標クラッチ荷重P0 のレジスタの
値をP0 +△P2をとする(S9、S10)。そして、
目標クラッチ荷重P0 がアクセル開度θが10%以上3
0%未満であることに対応して設定された値P2に達す
ると、目標クラッチ荷重P0 のレジスタの値を最大値P
max とする(S11、S12)。
【0092】さらに、アクセル開度θが30%以上であ
る場合には、目標クラッチ荷重P0のレジスタの中の値
をP0 +△P3をとする(S9、S13)。そして、目
標クラッチ荷重P0 がアクセル開度θが30%以上であ
ることに対応して設定された値P3に達すると、目標ク
ラッチ荷重P0 のレジスタの値を最大値Pmax とする
(S14、S15)。
【0093】上記処理の中で、△P1<△P2<△P3
としている。これは、アクセル開度θが大きいほど、運
転者の意思としては早期の係合を望んでいると考えられ
ることから、目標クラッチ荷重P0 の立ち上がり方を大
きくするためである。
【0094】又、P1<P2<P3である。これは、ア
クセル開度が大きいほど伝達トルクが大きく、従って、
完全に係合するためのクラッチ荷重も大きさを要するこ
とから、第1クラッチ部材12とトルク伝達部材14の
係合が終了する前に、クラッチ荷重が最大となることに
よる係合ショックが発生しないようにするためである。
言い換えると、第1クラッチ部材12とトルク伝達部材
14との係合が終了した後に、クラッチ荷重が最大とな
るようにしている。
【0095】図10は上記コントロールユニット700
がレリーズシリンダ30を作動させる負圧制御バルブ5
30の作動を示す制御サブルーチンの一部を構成するク
ラッチ荷重設定ルーチンを示す。尚、この荷重設定ルー
チンは、上記実施例すべてに適応される。
【0096】このルーチンも図9のルーチンと同様、運
転者によって、発進又は変速が指令され、その指令が完
了するまでの間、所定時間毎に行われる割り込み処理に
より起動されるルーチンである。
【0097】このルーチンでは、まず、ポテンショメー
タ526から入力されたクラッチ荷重Pが読み込まれる
と(S51)、そのクラッチ荷重Pが目標クラッチ荷重
0と比較される(S53)。
【0098】比較の結果、クラッチ荷重Pが目標クラッ
チ荷重P0 よりも小さいときは、クラッチ荷重が△Pだ
け高圧になるように、負圧制御バルブ530のデューテ
ィーソレノイド701に与えるデューティ比を所定値大
きくする(S55)。このようにして、クラッチ荷重P
が目標クラッチ荷重P0 に追随できるようにする。
【0099】一方、クラッチ荷重Pが目標クラッチ荷重
0 よりも大きいときは、クラッチ荷重が△Pだけ低圧
になるように、デューティーソレノイド701のデュー
ティ比を所定値小さくする(S57)。
【0100】上述のように、ΔP1、ΔP2、ΔP3、
及びP1、P2、P3を、アクセル開度θに応じて適宜
に設定しておくことにより、クラッチ部材12、15と
トルク伝達部材14との係合(接合)時間は、運転者の
クラッチペダルの踏み込み量が多いほど短縮され、運転
者の運転感覚によくあった係合を実現することができ、
また接続ショックも低減することができる。
【0101】本実施例では、アクセル開度θの境界値と
して5%、10%、30%を設け、それぞれの区間内で
ΔP、P0 を設定するようにしているが、アクセル開度
θの境界値については、もちろんこれらに限らず、他の
境界値を採用してもよい。また、アクセル開度θに対し
てさらに多くの境界値を設定し、それぞれの区間に対応
させてΔP、P0 を設定するときは、さらに細かい制御
を行うことも可能である。ただし、その分、制御がいた
ずらに複雑化するおそれがあるので、境界値の数値や、
区間の数については、制御の複雑さと運転者の実効とを
比較考量して適宜に設定するのがよい。
【0102】(実施例の効果)本実施例によれば、ダイ
ヤフラムスプリング172の圧力板146への付勢力が
増大するに従って、まず、第2クラッチ部材15の高摩
擦係数の摩擦板151がほとんどスリップすることなく
係合する。次に、第1クラッチ部材12の低摩擦係数の
摩擦板131、132がスリップしながら係合して、第
1クラッチ部材12の係合が完了する。
【0103】即ち、本実施例においては、高摩擦係数の
摩擦板151が係合してから、低摩擦係数の摩擦板13
1、132がスリップしながら係合するため、係合ショ
ックを生じることなく、エンジンの出力軸(クランクシ
ャフト)11と変速装置2の入力軸16を接続できる。
【0104】又、第1クラッチ部材12をスリップに適
するように多板化しても、変速が行われる際には、第2
クラッチ部材15は、トルク伝達部材14とは接続を遮
断されてるので、第1クラッチ部材12やトルク伝達部
材14のイナーシャによって、変速装置2のシンクロ機
構に負担を与えることがないので、極めて素早い変速の
完了が可能となる。
【0105】さらに、第1クラッチ部材12は、イナー
シャを考慮することなく、形状、構造、材質等を選択で
きるので、より耐久性の高い形状、構造、材質等が選択
可能となる。又、第2クラッチ部材15は、スリップを
考慮することなく形状、構造、材質等を選択できるの
で、よりイナーシャが少なく、耐久性の高い形状、構
造、材質等を選択、設計できる。
【0106】
【発明の効果】以上述べたように本発明に係る発進装置
によれば、エンジンの出力軸と変速装置の入力軸の断続
を行なう場合、同期機構に負担をかけず、かつショック
が少ないように滑らかに前記両軸を接続することができ
る。
【0107】即ち、本発明によれば、荷重付与手段によ
り一体的に荷重が第2接合面と第1接合面に加わるの
で、接合力の低い第1接合面の接合が完了する以前に、
接合力が高い第2接合面の接合が完了するために、第2
接合面の接合によるショックが発生しにくく、接合力の
低い第1接合面の円滑な接合により全体の接続が完了す
るために接続ショックが生ずることはない。
【0108】本発明によれば、第1クラッチ部材と第2
クラッチ部材間にトルク伝達部材が介在するため、荷重
付与手段による荷重の付与が解除され、第2接合面の接
合を解除すれば、第2クラッチ部材は、変速装置の入力
軸に連結された第1クラッチ部材及びトルク伝達部材の
イナーシャの影響を受けることが無くなる。このため、
同期機構には第2クラッチ部材のみのイナーシャがかか
り、過度の負担が生じない。このため、変速装置のシン
クロ機構に負担を与えることがないので、極めて素早い
変速の完了が可能となる。
【0109】さらに、例えば、アクセル開度が大きい場
合には、第1クラッチ部材及び第2クラッチ部材と、ト
ルク伝達部材との接続(接合)を短時間で行うようにす
ることにより、運転者の運転感覚によく適応した変速操
作を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る発進装置の断面図である。
【図2】該発進装置を備えた動力伝達装置の構成説明図
である。
【図3】実施例に係る、第1クラッチ部材12、トルク
伝達部材14、第2クラッチ部材15の接続部分を示す
模式図である。
【図4】レリーズシリンダ30を作動させる油圧制御回
路の構成図である。
【図5】本実施例に係るコントロールユニット700の
入出力構成を示す図である。
【図6】本実施例に係る動力伝達装置が搭載された車両
のステアリングの外観を示す説明図である。
【図7】コントロールユニット700が運転者の前進を
指令する指令信号を受けて各種アクチュエータを作動さ
せる際の作動順序を示すタイムチャートの一例である。
【図8】コントロールユニット700が運転者の変速を
指令する指令信号を受けて各種アクチュエータを作動さ
せる際の作動順序を示すタイムチャートの一例である。
【図9】コントロールユニット700がレリーズシリン
ダ30を作動させる負圧制御バルブ530の作動を示す
制御サブルーチンの一部を構成するクラッチ荷重目標設
定ルーチンを示す。
【図10】コントロールユニット700がレリーズシリ
ンダ30を作動させる負圧制御バルブ530の作動を示
す制御サブルーチンの一部を構成するクラッチ荷重設定
ルーチンを示す。
【符号の説明】
1 発進装置 2 変速装置 3 差動装置 11 エンジンの出力軸 12 第1クラッチ部材 14 トルク伝達部材 15 第2クラッチ部材 16 変速装置の入力軸 20 レリーズフォーク 30 レリーズシリンダ 131 摩擦板 132 摩擦板 142 セパレート板 143 セパレート板 146 圧力板 172 ダイヤフラムスプリング 526 ポテンショメータ 530 負圧制御バルブ 700 制御手段(コントロールユニット) θ アクセル開度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 有賀 秀喜 東京都千代田区外神田2丁目19番12号 株 式会社エクォス・リサーチ内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの出力軸と変速装置の入力軸と
    の間に介装され、前記出力軸と入力軸との間のトルク伝
    達を断続する発進装置において、 前記エンジンの出力軸と一体回転する第1クラッチ部材
    と、 前記変速装置の入力軸と一体回転する第2クラッチ部材
    と、 これら第1クラッチ部材及び第2クラッチ部材に対して
    接離可能、独立回転可能に介装されたトルク伝達部材
    と、 一体的な荷重の加除動作によって、前記第1クラッチ部
    材とトルク伝達部材を接合させて接合力の小さい第1接
    合面を形成し、また前記第2クラッチ部材とトルク伝達
    部材を接合させて接合力の大きい第2接合面を形成し、
    又はこれら接合面を解除する荷重付与手段と、 アクセル開度を検出するアクセル開度検出手段と、 前記アクセル開度が大きいときに、前記荷重付与手段の
    荷重の加除動作を早める制御手段と、を備える、 ことを特徴とする発進装置。
JP9568594A 1994-04-08 1994-04-08 発進装置 Pending JPH07133832A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007126146A1 (ja) * 2006-04-28 2007-11-08 Dynax Corporation 湿式クラッチパックの構成部品収納構造

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007126146A1 (ja) * 2006-04-28 2007-11-08 Dynax Corporation 湿式クラッチパックの構成部品収納構造

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