JPH07133557A - クロスローラー装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 駆動ローラーと従動ローラーの上へ布巻ロー
ルを確実かつ円滑に，しかも騒音なく供給することがで
き，かつこれらに損傷を生ずることがない，クロスロー
ラー装置を提供すること。 【構成】 駆動ローラー１０と，回転自在な従動ローラ
ー２０と，駆動ローラー１０に駆動されて回転する布巻
ロール３０と，満巻ロール３０１を保持するストッカー
５１と，上記駆動ローラー１０と従動ローラー２０の上
に空状の布巻ロール３０を供給するロールフィーダー５
７とを有する。上記ロールフィーダー５７と，上記駆動
ローラー１０及び従動ローラー２０との間には，布巻ロ
ール３０を搬入するためのロール搬入機６を設けてな
る。該ロール搬入機６は左右一対のコンベア６３と，両
コンベア６３に設けた布巻ロール３０搬送用の受皿６５
とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は，織機から送出された織
布を布巻ロールに巻取るクロスローラー装置，特に布巻
ロールの供給に関する。

【０００２】

【従来技術】一般に，織機で織られた織布は，織機に連
設されたクロスローラー装置において，所定の長さだけ
布巻ロールに巻取られる。即ち，図５に示すごとく，織
布８０は織機９０の布送りガイドローラ９１，９２，１
５を経て，クロスローラー装置９に送られる。そして，
駆動ローラー１０，従動ローラー２０の上に円接触して
回動される，布巻ロール３０に巻取られる。

【０００３】上記クロスローラー装置９における巻取り
及び布送りの駆動力は，駆動ローラー１０によって与え
られる。そして，布巻ロール３０に織布８０が所定長だ
け巻取られた満巻ロール３０１が形成された時，アクチ
ュエーター５９が作動し，従動ローラー２０が上昇す
る。

【０００４】従動ローラー２０の上昇により，満巻ロー
ル３０１が持ち上げられる。このため，満巻ロール３０
１は，駆動ローラー１０の側方に設けられたストッカー
５１に払い出される。上記満巻ローラ３０１をストッカ
ー５１に払い出した後，カッターにより織布８０を切断
する。そして，再び駆動ローラー１０と従動ローラー２
０の上に新たに供給された空の布巻ロール３０に，切断
された次回巻き取り用の織布８０の端部を巻きつけ，織
布８０の巻取りを再開する。

【０００５】ここで，布巻ロール３０の供給はロールフ
ィーダー５７によって行う。図５に示すごとく，上記ロ
ールフィーダー５７は，布巻ロール３０の供給部５７２
と，駆動ローラー１０及び従動ローラー２０の上部に開
口したフィーダー口５７０からなる。そして，上記ロー
ルフィーダー５７は，供給部５７２より送りだした布巻
ロール３０を，図４の矢線に示すごとく，駆動ローラー
１０及び従動ローラー２０の間にフィーダー口５７０か
ら落下させる。このとき，上記二つのローラーの間は窪
んでいるため，布巻ロール３０がこの部分で受け止めら
れる。

【０００６】

【解決しようとする課題】しかしながら，従来のクロス
ローラー装置９には次の問題点がある。即ち，従来装置
においては，ロールフィーダー５７は布巻ロール３０を
フィーダー口５７０から落下させる。しかも，フィーダ
ー口５７０は駆動ローラー１０と従動ローラー２０とか
らみて，高い位置にある。このため，布巻ロール３０が
落下の勢いで，駆動ローラー１０と従動ローラー２０と
の間から跳ね飛んだり，布巻ロール３０の左右の端部い
ずれかが両ローラの上に載らないということが起こる。
そのため，布巻ロール３０の供給を行う毎に，作業員に
よる，載置状態の監視，確認，修正等が必要である。よ
って，生産性が悪い。

【０００７】また，駆動ローラー１０と従動ローラー２
０とに，布巻ロール３０の落下荷重や振動が加わり，こ
れらが損傷しやすい。更に，布巻ロール３０の供給を行
う度に騒音が発生する。本発明は，かかる従来の問題点
に鑑み，駆動ローラーと従動ローラーの上へ布巻ロール
を確実かつ円滑に，しかも騒音なく供給することがで
き，かつこれらに損傷を生ずることがないクロスローラ
ー装置を提供しようとするものである。

【０００８】

【課題の解決手段】本発明は，駆動ローラーと，回転自
在な従動ローラーと，上記駆動ローラー及び従動ローラ
ーの両者に円接触し，駆動ローラーに駆動されて回転す
る布巻ロールと，所定長の織布が巻かれた満巻ロールを
保持するストッカーと，上記駆動ローラーと従動ローラ
ーの上に空状の布巻ロールを供給するロールフィーダー
とを有するクロスローラー装置において，上記ロールフ
ィーダーと，上記駆動ローラー及び従動ローラーとの間
には，布巻ロールを下降搬入するためのロール搬入機を
設けてなり，かつ該ロール搬入機は上下方向に移動する
左右一対のコンベアと両コンベアに設けた布巻ロール搬
送用の受皿とを有することを特徴とするクロスローラー
装置にある。

【０００９】本発明において，最も注目すべきことは，
上記ロールフィーダーと，上記駆動ローラー及び従動ロ
ーラーとの間には，布巻ロールを下降搬入するためのロ
ール搬入機を設け，かつ該ロール搬入機は上記のコンベ
アと布巻ロール搬送用の受皿とを有することである。

【００１０】上記ロール搬入機における左右一対のコン
ベアは，同一の駆動源により，同期的に回動する。ま
た，上記左右一対のコンベアに対し，それぞれ左右一対
の受皿を設ける。上記受皿は，布巻ロールを保持する部
分の高さが，常に左右同一であるようにコンベアに対し
て取付けられる。また，上記コンベアは，例えば受皿が
斜め上向きになるように設ける（図１〜図３参照）。

【００１１】また，上記コンベアは，一般には，実施例
に示すごとく，上下方向に，直線状可逆的に，移動する
ように構成する。しかし，コンベアをエンドレス状に回
動させるよう構成することもできる。この場合には，受
皿はコンベアと共に回動する。なお，上記受皿は，布巻
ロールの受け入れ，布巻ロールの送り出しを容易にする
ため，例えば直方体における上部，前部，片側部の３面
を取り払った状態と類似の形状を有する（図２，図
３）。

【００１２】次に，上記コンベアはチェーンコンベアで
あることが好ましい。上記チェーンコンベアは，他のベ
ルトコンベア等に比較して，コンベア部分に緩み，弛み
等が生じにくく，耐久性に優れる。このため，信頼性の
高いロール搬入機を得ることができる。

【００１３】また，上記受皿は，コンベアを上記のごと
くエンドレス状に回動させる場合には，コンベアに複数
個設けるもできる。これにより，布巻ロールの供給を終
えた一方の受皿がロールフィーダーの位置まで来る間
に，もう一方の受皿に布巻ロールを配置し，待機状態に
することができる。従って，布巻ロールの連続的な供給
を行うことができる。このため，生産性を向上させるこ
とができる。

【００１４】次に，ストッカーは，布巻ロールの両端部
を支承する支承部を有することが好ましい（図４）。即
ち，ストッカーは，布巻ロールの両端部のみを支承する
ようにして，ストッカーの中間部分は，切欠き状の開口
部を形成しておく。これにより，上記開口部の中に満巻
ロール運搬用のキャリアを進入させることができる。そ
のため，満巻ロールをキャリアの上へ容易に移送するこ
とができる。

【００１５】

【作用及び効果】本発明のクロスローラー装置は，ロー
ルフィーダーと，駆動ローラー及び従動ローラーとの間
に，上記ロール搬入機を設け，かつ該ロール搬入機は左
右一対のコンベアと受皿とを有する。上記受皿はコンベ
アの移動と共に上下方向に移動する。そして，受皿がロ
ールフィーダーに対して近接した時点で，布巻ロールが
供給される。布巻ロールを受け入れた受皿は，コンベア
によって下方へ搬送されていく。

【００１６】その後，コンベアの下端，即ち駆動ローラ
ーと従動ローラーの直上付近において，受皿の上に載置
された布巻ロールは受皿より転がり出て，駆動ローラー
及び従動ローラーとの間に静止する。これにより，布巻
ロールは所定の位置に静かに載置され騒音がない。ま
た，そのため，布巻ロールの供給は確実かつ円滑に行わ
れる。よって，布巻ロールの載置状態の監視，確認，修
正等も必要ない。よって，生産性が高い。

【００１７】また，駆動ローラー，従動ローラーに対し
て，布巻ロールの落下荷重や振動が加わらないため，こ
れらの損傷を避けることができる。上記のように，本発
明によれば，駆動ローラーと従動ローラーの上へ布巻ロ
ールを確実かつ円滑に，しかも騒音なく供給することが
でき，かつこれらに損傷を生ずることがない，クロスロ
ーラー装置を提供することができる。

【００１８】

【実施例】本発明にかかる実施例につき，図１〜図４を
用いて説明する。図１〜図３に示すごとく，本例のクロ
スローラー装置１は，駆動ローラー１０と，回転自在な
従動ローラー２０と，上記駆動ローラー１０及び従動ロ
ーラー２０の両者に円接触し，駆動ローラー１０に駆動
されて回転する布巻ロール３０と，所定長の織布が巻か
れた満巻ロール３０１を保持するストッカー５１と，上
記駆動ローラー１０と従動ローラー２０の上に空状の布
巻ロール３０を供給するロールフィーダー５７とを有す
る。

【００１９】そして，上記ロールフィーダー５７と，上
記駆動ローラー１０及び従動ローラー２０との間には，
布巻ロール３０を下降搬入するためのロール搬入機６を
設けてなる。また，該ロール搬入機６は，上下方向に，
略直線状に移動する左右一対のコンベア６３と，両コン
ベア６３に設けた布巻ロール３０の搬送用の受皿６５と
を有する。

【００２０】そして，図２及び図３に示すごとく，上記
駆動ローラー１０は，駆動軸１００を介して，駆動モー
タに連結されている。また，駆動軸１００の端部はブラ
ケット７１において軸支されている。また，図１に示す
ごとく，上記従動ローラー２０は，アクチュエーター５
９と結合されている。上記アクチュエータ５９は，エア
シリンダである。

【００２１】次に，上記ロールフィーダー５７は，布巻
ロール３０の供給用のフィーダー口５７０を有する。そ
して，上記フィーダー口５７０の真下にロール搬入機６
の受皿６５が配置される。図２，図３に示すごとく，上
記ロール搬入機６は，左右一対のコンベア６３と，両コ
ンベア６３にそれぞれ設けた受皿６５とよりなる。ま
た，上記コンベアはチェーンコンベアである。

【００２２】上記コンベア６３のチェーン６３０は，そ
れぞれ上部及び下部のスプロケット６１，６２に噛合す
る。また，上記スプロケット６１，６２はそれぞれ，回
動軸６１０，６２０を介して，ブラケット７１に軸支さ
れている。上記回動軸６１０は，上部左右のスプロケッ
ト６１間を連結する長軸であり，回動軸６２０は下部左
右のスプロケット６２を別個にブラケット７１に軸支す
る短軸である。なお，上部の回動軸６１０は，ブラケッ
ト７１の側面に設けた回動モーター６６に連結される。

【００２３】図２，図３に示すごとく，上記受皿６５は
直方体の３面を取り払った形状である。上記受皿６５は
布巻ロール３０の保持部６５０の高さを左右揃えてコン
ベア６３に取り付ける。更に，図１の破線部に示すごと
く，ロールフィーダー５７の近くにおいては，受皿６５
は，その保持部６５０の前部が高くなるようにコンベア
６３に取付けてある。

【００２４】図４に示すごとく，上記ストッカー５１
は，満巻ロール３０１の両端部のみを支承する支承部５
１１を有する。上記ストッカー５１の中間部分は，切欠
き状の開口部５１０を形成する。上記開口部５１０の距
離Ｄは，ローラキャリア５５の横幅Ｗより大きく，満巻
ロール３０１の横幅Ｌよりは小さくなっている。

【００２５】ここで，ローラキャリア５５は，満巻ロー
ル３０１を運搬するための運搬車である。該ローラキャ
リア５５は，リフトペダル５５１を有しており，該リフ
トペダル５５１を操作することにより，リフト５５２が
上昇する。そして，リフト５５２を満巻ロール３０１の
下部に進入させた状態で上記リフトペダル５５１を操作
することにより，満巻ロール３０１をストッカー５１よ
り浮上させ，リフト５５２上に載置させる。

【００２６】次に，本例のクロスローラー装置１の作用
効果について述べる。布巻ロール３０は，駆動ローラー
１０によって回転させられ，織布を巻き取っていく。こ
の間従動ローラー２０は，布巻ロール３０を支承しつつ
自由回転している。

【００２７】そして，満巻ロール３０が形成されたと
き，アクチュエータ５９を作動させる。これにより，従
動ローラー２０が上昇する。それに伴って，図１に示す
ごとく，満巻ロール３０１はストッカー５１側に移動す
る。そこで，ロール搬入機６により，空の布巻ロール３
０が上記駆動ローラー１０及び従動ローラー２０との間
に供給され，再び織布が巻き取られていく。

【００２８】ここで上記ロール搬入機６による布巻ロー
ル３０の供給を説明する。すなわち，循環する受皿６５
がコンベア６３の上端にある時（図１破線部参照），ロ
ールフィーダー５７から布巻ロール３０が送られてく
る。そして，この布巻ロール３０は，受皿６５上に供給
される。次いで，コンベア６３の回動とともに，受皿６
５上の布巻ロール３０は下部に運ばれていく。

【００２９】そして，上記受皿６５がコンベア６３の最
下端に到達したとき（図１実線部参照），その保持部６
５０が大きく傾く。そこで，受皿６５の中より布巻ロー
ル３０が転がり出し，駆動ローラー１０と従動ローラー
２０との間へ供給される。この後，空の受皿６５は，コ
ンベア６３の前部から，上記の布巻ロール搬入方向と逆
方向へ上昇し，上端に運ばれる。

【００３０】これにより，布巻ロール３０の供給は確実
かつ円滑に行われる。そして，布巻ロール３０の載置状
態の監視，確認，修正等も必要ない。このため，生産性
がよい。また，駆動ローラー１０，従動ローラー２０に
対して布巻ロール３０の落下荷重や振動が加わらないた
め，これらの損傷を避けることができる。

【００３１】また，本例においては，ストッカー５１
は，布巻ロール３０の両端部を支承する支承部５１１を
有し，中間に開口部５１０を有する構造になっている。
それ故，図３に示すごとく，ローラキャリア５５を満巻
ロール３０１の下部に潜入させ，リフト５５２を上昇さ
せて満巻ロール３０１をロールキャリア５５に容易に移
送することができる。

【００３２】上記のように，本例によれば，駆動ローラ
ーと従動ローラーの上へ布巻ロールを確実かつ円滑に，
しかも騒音なく供給することができ，かつこれらに損傷
を生ずることがない，クロスローラー装置を提供するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例のクロスローラー装置の側面図。

【図２】実施例のクロスローラー装置の正面図。

【図３】実施例のクロスローラー装置の平面図。

【図４】実施例のクロスローラー装置のストッカー部の
説明図。

【図５】従来のクロスローラー装置の説明図。

【符号の説明】

１．．．クロスローラー装置， １０．．．駆動ローラー， ２０．．．従動ローラー， ３０．．．布巻ロール， ３０１．．．満巻ロール， ５１．．．ストッカー， ５１１．．．支承部， ５７．．．ロールフィーダー， ６．．．ロール搬入機， ６３．．．コンベア， ６５．．．受皿，

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 駆動ローラーと，回転自在な従動ローラ
   ーと，上記駆動ローラー及び従動ローラーの両者に円接
   触し，駆動ローラーに駆動されて回転する布巻ロール
   と， 所定長の織布が巻かれた満巻ロールを保持するストッカ
   ーと，上記駆動ローラーと従動ローラーの上に空状の布
   巻ロールを供給するロールフィーダーとを有するクロス
   ローラー装置において， 上記ロールフィーダーと，上記駆動ローラー及び従動ロ
   ーラーとの間には，布巻ロールを下降搬入するためのロ
   ール搬入機を設けてなり，かつ該ロール搬入機は上下方
   向に移動する左右一対のコンベアと両コンベアに設けた
   布巻ロール搬送用の受皿とを有することを特徴とするク
   ロスローラー装置。
2. 【請求項２】 請求項１において，上記コンベアはチェ
   ーンコンベアであることを特徴とするクロスローラー装
   置。
3. 【請求項３】 請求項１又は２において，上記受皿はコ
   ンベアに複数個設けてなることを特徴とするクロスロー
   ラー装置。
4. 【請求項４】 請求項１，２又は３において，上記スト
   ッカーは，満巻ロールの両端部を支承する支承部を有す
   ることを特徴とするクロスローラー装置。