JPH07132471A - 車体修繕用ロボットおよび車体修繕方法 - Google Patents

車体修繕用ロボットおよび車体修繕方法

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JPH07132471A
JPH07132471A JP27966293A JP27966293A JPH07132471A JP H07132471 A JPH07132471 A JP H07132471A JP 27966293 A JP27966293 A JP 27966293A JP 27966293 A JP27966293 A JP 27966293A JP H07132471 A JPH07132471 A JP H07132471A
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Japan
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vehicle body
robot
work
outer plate
grinder
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JP27966293A
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English (en)
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Satoshi Chiba
葉 智 千
Hitomi Ono
野 仁 美 小
Makoto Jinno
野 誠 神
Taku Yoshimi
見 卓 吉
Katsuhiro Maeda
田 勝 宏 前
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Toshiba Corp
East Japan Railway Co
Original Assignee
Toshiba Corp
East Japan Railway Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 1台で塗装剥離、腐食部切断、外板剥がし、
台枠部仕上げ、溶接部仕上げなどの作業を行うことがで
き、各作業用に動力車を準備する必要がなく、安全に効
率よく作業を行なうことができる。 【構成】 移動自在の動力車2と、この動力車2に昇降
自在に設けられた作業ベース3と、ディスクグラインダ
8を具備し作業ベース3に配設されたロボット4と、動
力車2の非昇降部分9に配置されたロボット制御装置1
0とから構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電車などの車体の修繕
作業を行うための車体修繕用ロボットおよびこの車体修
繕用ロボットを用いた車体の修繕方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電車などの車体は、初期の木製のものか
ら、半鋼製から全鋼製と変わり、最近では、台枠の上に
波形鋼板を張り、台枠、側構および屋根が一つの構体と
して働くような張殻構造とすることで車体の軽量化を計
るようにしたものが開発されていいる。
【0003】電車などの車体は、鋼板により形成されて
いるため、長期間の使用により車体外板が腐食するが、
電車などの車体を補修管理するには、車体外板の一部に
腐食が発生した場合に、車体外板の腐食がさらに進まな
いように車体外板の腐食部分を修繕する必要である。す
なわち、車体外板が腐食した場合には、腐食部分の周囲
(通常、縦100mm、横300mmの定尺寸法)を切
断し、その切断部分に新材を溶接するという腐食部分の
修繕作業を必要とする。特に、車体側面下部の外板は、
腐食しやすく、しばしば修繕作業を行う必要がある。
【0004】従来の車体外板の腐食部分の修繕方法は、
図16および図17に示す修繕手順により行なわれる。 (1) 塗装剥離:車体外板100の腐食部分101の
周囲を切断するために切断部分(定尺寸法)に沿って、
通常のショットブラスト手段により外板の塗装、パテを
剥離する。 (2) 腐食部切断:図示しないプラズマ切断装置によ
り、車体外板100の腐食部分101に対応する外板部
分101Aを溶断する。 (3) 外板剥がし:車体側面下部の外板と台枠部10
2は栓溶接(約10cm間隔、φ8mm)されているた
め、栓溶接部分103を図示しないガス切断装置により
溶し込み、溶断した外板部分101Aを車体外板100
より剥がす。 (4) 外板合せ:図示しないディスクグラインダを用
いて、車体外板100のプラズマ切断部分104に定尺
寸法の新材105が溶接できるように寸法合せする。 (5) 台枠部仕上げ:台枠部102の腐食部分101
に対応した部分の錆をディスクグラインダにより落す。 (6) 新材溶接:新材105を車体外板100のプラ
ズマ切断部分104に配置し、この新材105を車体外
板100および台枠部102に図示しないCO2溶接機
を用いて溶接する。 (7) 溶接部仕上げ:新材105と車体外板100の
溶接ビードおよび栓溶接部をディスクグラインダにより
研削106して仕上げる。
【0005】この後、車体外板100の新材105およ
び溶接部にパテを塗り、塗装を行い修繕作業が終了す
る。
【0006】上述した従来の車体外板の腐食部分の修繕
方法では、作業者が昇降する作業ベースを備えた移動式
の動力車の昇降ベースの上に乗り、各作業を行なわなけ
ればならず、また、作業において使用される、ショット
ブラスト、プラズマ切断装置、ガス切断装置、ディスク
グラインダ、溶接機などは、それぞれの作業において、
各装置を備えた動力車をセッティングすることにより行
なう必要がある。また、作業員が手作業によりプラズマ
切断により外板の切断作業を行うため、溶かして切断し
た断面を、グラインダ作業により新材が溶接できるよう
に仕上げなければならない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
車体外板の腐食部分の修繕方法においては、作業者は高
所、粉塵環境で各作業を行わなければならず、危険、き
つい、汚いといったいわゆる3K作業という問題があっ
た。また、ショットブラスト、プラズマ切断装置、ガス
切断装置、グラインダ、溶接機など、それぞれの作業に
おいて、各装置を備えた動力車が必要であり、しかも、
作業工程毎に動力車を移動、セッティングする必要があ
り、これら作業の準備作業に要する時間が多大であっ
た。しかも、修繕作業を行う修繕工場内を多くの動力車
が頻繁に移動したり、セッティング作業を行ったりする
ことは、車体外板の修繕作業以外の作業の妨げになった
り、修繕作業以外の作業をしている作業員に対して危険
であるという問題もある。
【0008】本発明は上記した点に鑑みてなされたもの
で、安全で効率良く作動する車体修繕用ロボットおよび
車体修繕用ロボットを用いて車体修繕の工程の簡略化お
よび作業能率化を図る車体外板の修繕方法を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の車体修繕用ロボ
ットは、移動自在の動力車と、この動力車に昇降自在に
設けられた作業ベースと、ディスクグラインダを具備し
作業ベースに配設されたロボットと、動力車の非昇降部
分に配置されたロボット制御装置とから構成される。
【0010】本発明の車体外板の修繕方法は、ディスク
グラインダを具備したロボットを備えた車体修繕用ロボ
ットを修繕しようとする車体に隣接した位置に配置する
工程と、前記車体修繕用ロボットと車体との位置関係を
計測する工程と、前記ディスクグラインダを車体に対し
て傾斜配置して車体外板修繕箇所の所定範囲の塗装やパ
テを剥離する工程と、前記ディスクグラインダを車体に
対して垂直配置して前記車体外板修繕箇所を所定の寸法
に切断する工程と、前記ディスクグラインダにより所定
寸法内にある車体外板と車体台枠部との栓溶接部分を削
り込む工程と、前記ディスクグラインダにより車体台枠
部の錆を落す工程と、車体外板の切断部分に溶接された
新材との溶接部分を仕上げる工程とから構成される。
【0011】
【作用】本発明の車体修繕用ロボットにおいては、作業
者が直接作業をする必要がないため安全であり、粉塵な
どの問題もなく、また、各作業毎に頻繁に動力車を移
動、セッティングする必要がないので作業効率が向上す
る。
【0012】本発明の車体外板の修繕方法では、塗装剥
離、腐食部切断、外板剥がし、外板合せ、台枠部仕上
げ、溶接部仕上げなどの作業のうちの外板合せの工程が
不要となり、また、各工程ごとに車体修繕用ロボットの
位置合わせを行なう必要がないので、工程の短縮化およ
び作業能率化を図ることができる。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。図1は本発明による車体修繕用ロボットを
示し、この車体修繕用ロボット1は、移動式の動力車2
と、この動力車2に昇降自在に配置された作業ベース3
と、この作業ベース3の上に設置されたロボット4から
構成されている。動力車2は、電動のタイヤ駆動方式の
ものであり、移動時、セッティング時には、作業者が昇
降する作業ベース3に乗り、ステアリング6を操作する
ことにより任意の位置へ移動することを可能にしてい
る。昇降式の作業ベース2は、片持ち構造で、支持側が
リニアガイドなど(図示せず)で支持され、電動または
油圧モータなどでボールねじを駆動することで上下方向
に昇降することを可能にしている。ロボット4は、6軸
直交座標形のものであり、先端に6軸力センサ7を介し
てディスクグラインダ8が取付けられている。このロボ
ット4は車体外板100の形状によっては5軸直交座標
形のものであってもよい。
【0014】一方、動力車2の非昇降部分9にはロボッ
ト4の動作を制御するための制御装置10が設置されて
いる。この制御装置10は、ロボット4から被作業領域
に向って左側に配置されている。これは、通常の姿勢で
グラインダ作業を行う場合、ディスクグラインダ8の通
常の砥石回転方向では、粉塵がディスクグラインダ8の
右手方向に飛散することを考慮して、飛散する粉塵を避
けるためである。
【0015】上記制御装置10によるロボット4の操作
は、たとえば別に設けたオペレーションボックス11ま
たはパーソナルコンピュータ(図示せず)により行う。
オペレーションボックス11は、説明のため通常の寸法
より拡大して示されている。オペレーションボックス1
1は、マニュアル作業やティーチングなどに用いるジョ
イスティック12や塗装剥離、腐食部切断などの各作業
を選択するための複数のボタン13を備えている。パー
ソナルコンピュータで操作する場合には、同様に塗装、
剥離、腐食部切断などの各作業のコマンドをメニューか
ら選択するようにすればよい。
【0016】つぎに、本発明による車体修繕用ロボット
1を用いた車体外板修繕作業方法について説明する。ま
ず、車体外板修繕作業の準備作業として、作業者が動力
車2を運転し、車体修繕用ロボット1を図2に示す車体
20の修繕箇所へ移動し、動力車2を車体外板21と概
ね平行になるように停止させる。動力車2の停車位置は
後でロボット4の座標設定を行うから厳密に平行に合せ
る必要はない。
【0017】ついで、作業ベース3を昇降させて、ロボ
ット4の動作領域が車体外板21の修繕領域内に入るよ
うに高さ調節する。図2に示す車体20は、車体側面の
下部を鉛直にしたいわゆる103系の車体であるが、車
種によっては、車体20の下部を内側に傾斜したいわゆ
る113系の車体もある。この場合には、Y軸が鉛直方
向に対して若干傾くことになる。
【0018】つぎに、コントローラの電源などを投入
し、ロボット4の立上げを行い、必要に応じ原点復帰調
整などを行い、ロボットが動作可能な状態にする。車体
修繕ロボット1は、基本的には移動式のロボットである
ため、作業を開始する前に、ロボット4と車体20の位
置関係を明らかにする必要がある。以後の作業をより簡
単に行うために、例えば図2に示すような車体外板21
に沿った座標系(車体座標系)を設定する。座標系を設
定する場合は、3点を与えれば設定することができる
が、車体外板21の表面に沿った座標系を設定するため
に、以下に示すように複数点接触して前記3点を決定
し、座標系を設定する。
【0019】ディスクグラインダ8を、たとえばジョイ
スティック12で、図3に示すように点線で図示した修
繕する領域22の左下側に誘導する。この場合、グライ
ンダ姿勢は、図4に示すように車体外板21の表面に砥
石が垂直に当たる姿勢である。このグラインダ姿勢は、
車種によって若干異なり、例えば、内側に傾斜した車両
などでは、図5のような姿勢になる。
【0020】そして、オペレーションボックスまたはマ
ンマシンインタフェース(MMI)用のコンピュータか
ら、座標設定のボタンまたはコマンドを選択し、以後の
座標設定の動作を自動で行う。座標設定の一連の動作は
以下の通りである。
【0021】修繕する領域の左下側(図3のグラインダ
位置)から、上方へディスクグラインダ8を移動し、車
体外板21の下端を検出する。この時、砥石上面が車体
下部に接触したことは力センサ7の検出値から容易に判
断できる。
【0022】つぎに、検出した車体外板21の下端を基
準として、砥石先端部で車体外板21の表面最下部を接
触、検出し、この点をP1とする。そして、P1より上
方の車体表面の位置P2を検出する。つぎに、P1を検
出した時と同様に、修繕する領域22の右下に自動的に
誘導し、上方へディスクグラインダ8を移動させ、車体
外板21の下端を検出する。検出した下端を基準に、車
体外板21表面下部を検出し、この点をP3とする。P
1〜P3の位置関係は図6のようになる。車体表面の3
点が検出されているため、Z軸方向(車体の法線方向)
は容易に算出できる。また、X軸方向は、ベクトルP1
P3から容易に算出できる。さらに、算出したZ軸、X
軸からY軸は容易に算出できる。P3をP2と同じ位置
の高さP3′として、X軸方向をベクトルP2P3′か
ら算出してもよい。この場合、横方向の切断位置付近を
接触して座標系を設定することになるため、より正確に
横方向の切断を行うことができる。
【0023】なお、検出する点P1〜P3などは、必ず
しも切断線上にある必要はないが、切断線上あるいはそ
の付近を接触するほうが、切断線から離れた位置を接触
する場合に比べ誤差を少なくできる。場合によっては、
最初にジョイスティック12で修繕する領域22の左下
側にディスクグラインダ8を誘導するのではなく、修繕
する領域22の左切断線上に誘導してもよい。この場
合、誘導位置が作業者から見えやすいため、容易に誘導
することが可能で、作業者の負担を低減させることが可
能である。図8に示すように、所定の間隔で下方向に車
体表面に接触する作業を自動的に繰り返すことで、修繕
領域22の左下側の位置へディスクグラインダ8を自動
的に誘導することもできる。所定の移動量だけ車体方向
に移動して車体に接触しなくなった場合、修繕領域22
の左下側の位置であると判断できる。以後は、前方法と
同様の手順で車体に接触する。
【0024】座標設定の一連の動作は、グラインダの姿
勢によって決まる座標系(通常、ツール座標系、ここで
は、グラインダ座標系と呼ぶ)によって誘導する。最初
の動力車の設置時に概ね動力車と車体は平行に設置され
ていること、車体はほぼ水平であることから、その設置
誤差の範囲を考慮すれば、グラインダ座標系で誘導して
も特に問題ない。また、概略車体の座標系を事前に設定
しておき、その座標系に沿って誘導してもよい。動力車
と車体の平行度がさらに悪い場合に、座標設定を行うた
めには、まず、車体表面の適当な2点乃至3点を接触し
て、車体と動力車の平行度を求める必要がある。この場
合、必要に応じてグラインダ姿勢を修正する。
【0025】上記の説明では、最初にジョイスティック
12により誘導する位置を修繕領域22の左下側として
説明したが、右側や中央でも車体表面に沿った座標系を
設定できることは言うまでもない。
【0026】座標系を設定した後に実際の修繕作業を行
う。まず、図9に示すように、車体外板21の表面の塗
装およびパテを切断線23に沿って所定の領域24を剥
離する。この剥離区域は、従来のショットプラストの場
合とほぼ同様の領域である。さらに、栓溶接部分25に
ついても塗装およびパテを塗装剥離する。栓溶接の位置
は、修繕箇所によって異なるため、作業箇所によって剥
離箇所を設定する必要がある。正確に栓溶接位置が分か
っている場合には、栓溶接部分付近のみを剥離すればよ
い。このような塗装およびパテの剥離は、ディスクグラ
インダ8を一定の押付け力となるように力制御しなが
ら、一定の速度で送ることにより行なう。この場合、デ
ィスクグラインダ8をX軸方向に送るときは、図10の
ような姿勢で作業を行ない、ディスクグラインダ8をY
軸方向に送るときは、図11のような姿勢で作業を行
う。これにより、粉塵の飛散方向を限定でき、防塵効果
を上げることができる。
【0027】つぎに、車体外板21を所定の寸法に切断
する。砥石を車体外板21に対して概ね垂直に当てて切
断作業を行う。この場合、図12に示すような姿勢で作
業を行うことで、塗装剥離同様、粉塵の飛散方向を限定
でき、防塵効果を上げることができる。切断作業を効率
よく実施するためには、比較的薄い砥石(2mmまたは
3mm程度)を用いればよい。同姿勢で、車体外板21
の法線方向に(−Z方向)一定押付け力となるように力
制御を行い、一定の速度で切断範囲を往復することで車
体外板21を切断することができる。この場合、車体外
板21は構造部材である台枠102に栓溶接されている
ため、台枠102を傷付けないように、−Z方向の切込
み量に制限を設け、所定量以上は削り込まないようにす
る必要がある。
【0028】他の切断方法として、切断範囲の端部から
所定量−Z方向に削り込み、その位置から、もう一端の
所定量ーZ方向の位置へディスクグラインダ8を送って
切断を行う方法がある。この時、一定の速度でディスク
グラインダ8を送ると過負荷となったり、作業効率が悪
くなったりするため、ディスクグラインダ8の押し付け
力やグラインダ負荷によって送り速度を変化させる。
【0029】いずれの切断方法の場合にも、車体座標系
で作業を行うため、台枠102を傷つけずに作業を行う
ことができる。
【0030】つぎに、修繕領域22内にある車体台枠1
02との栓溶接部分103の削り込み作業を行う。栓溶
接部分103を削り込む場合には、基本的には切断と同
様の方法で行う。例えば、栓溶接がφ8mm程度で、3
mmの厚さの砥石を用いて削り込む場合には、切断と同
様に台枠102を傷付けずに削り込んだ後、砥石の厚さ
分程度、(たとえば3mm)だけ平行に切断位置をずら
して切断を行う。この作業を3回または4回繰り返すこ
とで栓溶接部分103の削り込みが効率よく実施でき
る。この作業で腐食部分22の外板を剥がすことができ
る。
【0031】なお、切断作業と栓溶接部と削り込み作業
はどちらが先に行なわれてもよい。
【0032】つぎに、剥がした外板の車体台枠102の
部分も、通常腐食が進んでいるため、錆を落す作業を行
う。塗装剥離と同様に、一定の押付け力となるように力
制御を行い、一定の速度でディスクグラインダ8を送る
ことで、錆を落すことができる。これにより、溶接前作
業は終了する。
【0033】つぎに、所定寸法の新材105を溶接す
る。この溶接作業は、溶接ロボット乃至手作業により行
う。再び車体修繕用ロボット1の準備作業を行い、最後
に、外板を溶接した周囲の溶接ビードおよび、車体台枠
部への栓溶接部分の仕上げ作業を行う。溶接ビードの研
削は、一定の押付け力となるように力制御を行い、溶接
ビードに沿って一定の速度でグラインダを送ることで行
なう。栓溶接部の研削は、必要以上に新材を削り込まな
いように、凸部のみを研削するように作業を行う。例え
ば、新材105に接触することにより仕上げ面を検出
し、仕上げ面に沿って研削を行ったりすればよい。
【0034】以上で、車体修繕用ロボットによる修繕作
業は完了する。上記の実施例では、グラインダを具備し
たロボットについて説明したが、ツールチェンジャなど
により、溶接トーチとの交換を可能にし、溶接機をコン
トローラなどと共に搭載すれば、一連のすべての作業を
1台の車体修繕ロボットで作業を行うことができる。こ
のようにすれば、車体修繕ロボットを一端退避させ、溶
接用動力車により作業を行い、再び、車体修繕ロボット
を設置して作業を行う必要がなく、それぞれの準備作業
も不要になり、一連の作業を効率良く実施することがで
き、また、溶接作業時に必要な座標データなども共有化
できる。
【0035】なお、上記実施例では、車体修繕ロボット
により切断する方法について説明したが、作業者が手作
業によって行ったプラズマ切断の端面を指定寸法に仕上
げる作業(外板合せ)を行うことも十分可能である。こ
の場合、プラズマ切断端面に接触することによって、指
定寸法に仕上げる位置を正確に検出することが可能であ
る。
【0036】図13ないし図15は本発明による車体修
繕用ロボットの他の実施例を示し、図13に示す車体修
繕用ロボット30においては、制御装置6を昇降ベース
3の支持部31の背部に設置することで、支持部31が
防塵壁を兼ねるようにしている。この場合、ステアリン
グ(図示せず)を支持部31の背部に設置することが好
ましい。
【0037】図14に示す車体修繕用ロボット40にお
いては、昇降式作業ベース3に6軸直交座標形ロボット
4が設置され、作業ベース3の被作業領域側に被作業領
域を覆う防塵柵41が配設され、この防塵柵41の下方
に作業により発生する粉塵を吸引する吸塵口42が形成
されている。上記防塵柵41の被作業領域側には車体側
面に密着するようにジャバラ部分43が設けられてい
て、粉塵などの漏れのない構成になっている。この防塵
柵41をスライド機構とし、車体側面に押し付けて密着
させてもよい。車体に接するジャバラ部分43またはス
ライド部分の端面は、ゴムやスポンジ層あるいは磁石等
を設けることでより車体側面に密着させることが可能と
なる。ジャバラ部分43またはスライド部分を電動で移
動する構成にすることで、より作業者の負担を低減させ
ることができる。
【0038】また、防塵柵41のロボット側には、粉塵
がロボット側に飛散しないようにカーテン44を配置さ
れている。これにより、ロボット4が左右に移動しても
大きく開口することなく、粉塵の漏れを極力防ぐことが
できる。
【0039】また、車体修繕用ロボット40のロボット
の動作領域内に砥石自動交換装置45が配置されてい
る。この砥石自動交換装置45には新しい砥石が収納さ
れている。この新しい砥石は必要に応じ数種類であって
もよい。砥石自動交換装置45は、コントローラと同様
にロボットから被作業領域に向って左手に配置され、作
業中磨耗した場合や砥石の種類を交換する場合に砥石の
交換を行う。
【0040】また、動力車2の非昇降部分に配置した制
御装置10に並列して吸塵装置本体46が配置されてい
る。この吸塵装置本体46と吸塵口42は、吸込みホー
ス47により接続されていて、防塵柵41内の粉塵を吸
塵口42から吸い込みホース47内を通して吸塵装置本
体46に送り込み、ここで粉塵を貯えるようにしてい
る。さらに、吸塵口42の下部に吸込みホースを複数配
置したり、吸塵口42の下部だけでなく、ロボットから
被作業領域に向って、右手にも吸い込みホース48(点
線で図示)を配置することで、より吸塵効果を上げるこ
とができる。
【0041】図15に示す車体修繕用ロボット50にお
いては、ロボット51が6軸円筒座標形になっており、
この場合、防塵柵41のロボット側に設けたカーテン4
4は、直交形ロボットのように移動量をロボットの左右
方向の直動移動量と同等に取る必要がなく、カーテン4
4の移動量を少なくすることができる。
【0042】なお、上記実施例に共通して、作業ベース
が不安定な場合には、アウトリガ(図示せず)により、
動力車または作業ベースを支持してもよく、また、作業
ベースを片持ち構造ではなく両端支持してもよい。さら
に、ロボットは極座標形や多関節形ロボットでもよい。
なお、作業者が、作業領域や作業状態を監視しにくい場
合には、CCDカメラなどを適宜設置して、TVモニタ
により、作業領域や作業状態を監視してもよい。
【0043】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の車体修繕用
ロボットによれば、塗装剥離、腐食部切断、外板剥が
し、台枠部仕上げ、溶接部仕上げなどの作業を、1台の
車体修繕用ロボットによって行うことが可能となり、各
作業用に動力車を準備する必要がなく、各作業毎に頻繁
に動力車を移動、セッティングする必要もなく、また、
作業者が直接作業をする必要がないため安全であり、粉
塵などの問題も生じない。
【0044】また、本発明の車体修繕方法によれば、塗
装剥離、腐食部切断、外板剥がし、外板合せ、台枠部仕
上げ、溶接部仕上げなどの作業のうちの外板合せの工程
が不要となり、また、各工程ごとに車体修繕用ロボット
の位置合わせを行なう必要がないので、工程の短縮化お
よび作業能率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車体修繕用ロボットの斜視図。
【図2】修繕しようとする車体と車体座標系を示す斜視
図。
【図3】座標設定時にグラインダを誘導する位置を示す
図。
【図4】グラインダと修繕しようとする車体との位置を
示す図。
【図5】図4と異なる車体におけるグラインダと修繕し
ようとする車体との位置を示す図。
【図6】車体表面に接触する位置P1〜3、P3′を示
す図。
【図7】図6における車体の断面図
【図8】座標設定時にグラインダを誘導する位置を示す
図。
【図9】塗装、パテを剥離する領域を示す図。
【図10】塗装、パテを剥離などする時のグラインダ姿
勢を示す図。
【図11】塗装、パテを剥離などする時の他のグライン
ダ姿勢を示す図。
【図12】切断作業を行う時のグラインダ姿勢を示す
図。
【図13】本発明による車体修繕用ロボットの他の実施
例を示す斜視図。
【図14】本発明による車体修繕用ロボットの他の実施
例を示す斜視図。
【図15】本発明による車体修繕用ロボットの他の実施
例を示す斜視図。
【図16】従来の作業方法を示す正面図。
【図17】従来の作業方法を示す側面図。
【符号の説明】
1 車体修繕用ロボット 2 動力車 3 作業ベース 4 6軸直交座標形ロボット 7 6軸力センサ 8 ディスクグラインダ 9 非昇降部分 10 制御装置 20 車体 21 車体外板 22 修繕領域 41 防塵柵
フロントページの続き (72)発明者 神 野 誠 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内 (72)発明者 吉 見 卓 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内 (72)発明者 前 田 勝 宏 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】移動自在の動力車と、この動力車に昇降自
    在に設けられた作業ベースと、ディスクグラインダを具
    備し作業ベースに配設されたロボットと、動力車の非昇
    降部分に配置されたロボット制御装置とを有することを
    特徴とする車体修繕用ロボット。
  2. 【請求項2】ディスクグラインダを具備したロボットを
    備えた車体修繕用ロボットを修繕しようとする車体に隣
    接した位置に配置する工程と、前記車体修繕用ロボット
    と車体との位置関係を計測する工程と、前記ディスクグ
    ラインダを車体に対して傾斜配置して車体外板修繕箇所
    の所定範囲の塗装やパテを剥離する工程と、前記ディス
    クグラインダを車体に対して垂直配置して前記車体外板
    修繕箇所を所定の寸法に切断する工程と、前記ディスク
    グラインダにより所定寸法内にある車体外板と車体台枠
    部との栓溶接部分を削り込む工程と、前記ディスクグラ
    インダにより車体台枠部の錆を落す工程と、車体外板の
    切断部分に溶接された新材との溶接部分を仕上げる工程
    とを有することを特徴とする車体外板の修繕方法。
JP27966293A 1993-11-09 1993-11-09 車体修繕用ロボットおよび車体修繕方法 Pending JPH07132471A (ja)

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