JPH071306Y2

JPH071306Y2 - コンバーティブル型乗用車

Info

Publication number: JPH071306Y2
Application number: JP1988030925U
Authority: JP
Inventors: 公昭上砂; 信孝今田; 昭徳仲西
Original assignee: Mitsubishi Motors Corp
Current assignee: Mitsubishi Motors Corp
Priority date: 1988-03-10
Filing date: 1988-03-10
Publication date: 1995-01-18
Anticipated expiration: 2003-03-10
Also published as: JPH01134513U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案はコンバーティブル型乗用車に関する。

（従来の技術及びその課題）従来の一般的コンバーティブル乗用車は折り畳みできる
幌を持っているが、この幌を展張した場合、幌に皺が寄
り易く、また、幌には車体外板と同様の塗装を施すこと
ができないのて見映えが悪く、更に、断熱、遮音効果も
低い。また、幌にはリヤウインドが無いか又はあっても
非常に小さいのでルームミラーを利用して後方を見難い
という問題があった。

そこで、剛体からなるルーフパネルを着脱自在とした所
謂タルガトップ型乗用車が提案されたが、これはルーフ
パネルの着脱に手数及び時間が掛かるのみならず、リヤ
ピラー及びリヤウインドガラスを取り外すことができな
いので、ルーフパネルを取り外した場合でも開放感が低
いという問題があった。

（課題を解決するための手段）本考案は上記課題を解決するために提案されたものであ
って、その要旨とするところは、フロントピラーの上端
とリヤピラーの上端との間に架設される剛体からなるハ
ードルーフパネルを後方に移動させて斜め下後方に傾斜
したリヤウインドガラスの背後にこれに沿った状態で上
記リヤピラーに支持する手段と、上記リヤウインドガラ
ス及びリヤピラーをこれに上記の状態で支持されたハー
ドルーフパネルと一緒に斜め下後方に下降させて車内に
傾斜した状態で格納し、かつ、トランクリッドで遮蔽す
る手段を具えていることを特徴とするコンバーティブル
型乗用車にある。

（作用）本考案においては、上記構成を具えているため、ハード
ルーフパネルを後方に移動して斜め下後方に傾斜したリ
ヤウインドガラスの背後にこれに沿った状態でリヤピラ
ーに支持せしめれば、タルガトップの状態となる。

リヤピラー及びリヤウインドガラスを上記の状態で支持
されたハードルーフパネルと一緒に斜め下後方に下降さ
せてこの傾斜した状態で車内に格納してトランクリッド
で遮蔽すれば、オープンカーとなる。

ハードルーフパネルを上記と逆に移動させてフロントピ
ラーの上端とリヤピラーの上端との間に架設すれば、セ
ダン型となる。

（実施例）以下、本考案を図面に示す実施例を参照しながら具体的
に説明する。

第１図ないし第３図において、１は金属板等の剛体から
なるハードルーフパネル、２はフロントピラー、３はリ
ヤピラー、４はフロントウインドガラス、５はリヤウイ
ンドガラス、６はドア、７はドアガラス、８はボンネッ
ト、９はトランクリッド、10はスポイラ、16はハードル
ーフパネル１の前部に嵌め込まれたガラスである。

雨天時等には、第１図に示すように、ハードルーフパネ
ル１はフロントピラー２の上端とリヤピラー３の上端と
の間に架設され、ドアガラス７の上縁はハードルーフパ
ネル１の側縁に当接し、フロントウィンドガラス４の上
縁はハードルーフパネル１の前縁に当接し、リヤウイン
ドガラス５の上縁はハードルーフパネル１の後縁に当接
せしめられ、かくして、車室内は外界から遮蔽される。

車室を開放するには、先ず、リヤウインドガラス５の背
後に設けた開口12を掩蓋している蓋13が開かれる。次い
で、第２図に示すように、ハードルーフパネル１が後方
に移動せしめられてリヤウインドガラス５の背後にこれ
に添った状態でリヤピラー３に支持され、タルガトップ
の状態となる。この際、ハードルーフパネル１の後端は
開口12から車体の内部に突入する。次いで、第３図に示
すように、リヤピラー３及びこれに固定されたリヤウイ
ンドガラス５はハードルーフパネル１と一緒に下降せし
められて車体の内部に格納される。そして開口12は蓋13
で掩蓋され、また、リヤピラー３及びリヤウインドガラ
ス５が没入した開口14は蓋15によって被覆される。

なお、ハードルーフパネル１の前部にガラス16を嵌め込
んで置けば、第２図に示すタルガトツプの状態とした場
合にもこのガラス16を透してルームミラーにより後方を
視ることができる。

ハードルーフパネル１の移動機構が第４図及び第５図に
示されている。

ハードルーフパネル１の下面にはブロック20がナット21
によって締結され、このブロック20の断面Ｔ字状の突条
20aはスライドブロック22のＴ型溝22a内に嵌合され、ま
た、ブロック20の水平フランジ20bはスライドブロック2
2の凹溝22b内に嵌合される。この凹溝22b内に配設され
たシャフト23の両端は軸受22cを介してスライドブロッ
ク22に軸支され、このシャフト23の１端はカップリング
24を介してモータ24の出力軸25aに連結されている。シ
ヤフト23には間隔を隔てて２個のウォーム26が固着さ
れ、これら２個のウォーム26はスライドブロック22に軸
支されたピニオンシャフト27に固着されたウォームギヤ
28に噛合せしめられている。ピニオンシヤフト27の内端
に固定されたピニオン29はフランジ20bの下面にビス31
によって締結されたラック30と噛合し、ピニオンシャフ
ト27の外端に固定されたピニオン32はガイドレール33の
底面に固定されたラック34に噛合する。ガイドレール33
はリヤピラー３のインナーパネルの上部内面に固着され
ている。

そして、スライドブロック22に軸支された２個のローラ
35はそれぞれガイドレール33の頂面に当接して転動する
ようになっている。またブロック20の突条20aに軸支さ
れた６個のローラ36はスライドブロック22のＴ型溝22a
の側面に当接して転動するようになっている。モータ25
はビス39によって取付板38に締結され、この取付板38は
スライドブロック22の側面にビス37によって固定され
る。しかして、モータ25を駆動することによってその出
力軸25a及びカップリング24を介してシャフト23を回転
させると、このシャフト23に固着されたウオーム26及び
これに噛合するウオームギヤ28を介してピニオンシャフ
ト27が回転し、このピニオンシャフト23の両端に固定さ
れたピニオン29及び32が矢印方向に回転する。すると、
これらピニオン29及び32と噛合するラック30、34が移動
してスライドブロック22がガイドレール33に対して矢印
方向に相対移動すると同時にブロック20もスライドブロ
ック22に対して矢印方向に相対移動する。この結果、ハ
ードルーフパネル１がリヤピラー３に対して後方に移動
して、リヤウインドパネル５の背後にこれに添った状態
で停止する。

この状態からモータ25を上記と逆に回転させれば、ハー
ドルーフパネル１はリヤピラー３に対して前方に移動し
てフロントピラー２の上端とリヤピラー３の上端との間
に架設された状態で停止する。

リヤピラー３の移動機構が第６図および第７図に示され
ている。

リヤピラー３のアウターパネル40とインナーパネル41と
の間隙に２本の内筒42が内蔵され、これら内筒42は所定
の間隔を隔てて平行に脚42aを介してインナーパネル41
に固定されている。これら内筒42は車体に固定された１
対の外筒43内にそれぞれ嵌挿され、外筒43の内部に軸支
されたスクリューシヤフト44は内筒42の入口に設けられ
た雌ねじ部45を貫通して内筒42内に嵌挿されはている。

しかして、モータ45を駆動してクリューシヤフト44を回
転駆動すると、スクューシヤフト44が雌ねじ部45に螺入
され、これに伴って内筒42は外筒43内に侵入し、この結
果、リヤピラー３は下降して車体の内部に格納される。
この状態からモータ45を上記と逆に回転させると、リヤ
ピラー３は上昇する。

（考案の効果）本考案においては、ハードルーフパネルを後方に移動さ
せて斜め下後方に傾斜したリヤウインドガラスの背後に
これに沿った状態でリヤピラーに支持せしめ、この状態
でこれらリヤピラー及びリヤウインドガラスをハードル
ーフパネルと一緒に斜め下後方に下降させて車内に傾斜
した状態で格納し、トランクリッドで遮蔽すれば、オー
プンカーと同様の形態及び機能を得ることができ、か
つ、見映えが損なわれることがない。

そして、リヤピラー、リヤウインドガラス及びこの背後
にこれと添った状態のハードルーフパネルを一緒に斜め
下後方に下降させて車内に傾斜した状態で格納するた
め、これらはトランクリッドと干渉し難く、従って、ト
ランクリッドを通常の通り配置できるとともにトランク
ルームの開口面積を大きく採ることができる。

また、リヤピラー及びリヤウインドガラスを上昇させ、
フロントピラーの上端とリヤピラーの上端との間にハー
ドルーフパネルを架設して車室を外界から遮蔽すれば、
通常のセダン型乗用車と同様の外観を呈するとともに同
様の断熱効果、遮音効果を奏することができ、かつ、ル
ームミラーによってリヤウインドガラスを透して後方を
広く見ることができる。

また、ハードルーフパネルを後方に移動させてリヤウイ
ンドガラスの背後にこれに添った状態でリヤピラーに支
持させればタルガトップ型乗用車と同等の外観、機能を
得ることもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第７図は本考案の１実施例を示し、第１図
はハードルーフパネルの架設時の状態、第２図はハード
ルーフパネルをリヤウインドガラスの背後に支持した状
態、第３図はハードルーフパネルを格納した状態をそれ
ぞれ示す外観斜視図である。第４図及び第５図はハード
ルーフパネルの移動機構を示し、第４図は分解斜視図、
第５図は組立状態を示す外観斜視図である。第６図及び
第７図はリヤピラーの移動機構を示し、第６図は分解斜
視図、第７図は第６図のVII-VII線に沿う部分的断面図
である。フロントピラー……２、リヤピラー３、ハードルーフパ
ネル……１、リヤウインドガラス……５、ハードルーフ
パネルの移動機構……20〜39、リヤピラーの移動機構…
…42〜45

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】フロントピラーの上端とリヤピラーの上端
との間に架設される剛体からなるハードルーフパネルを
後方に移動させて斜め下後方に傾斜したリヤウインドガ
ラスの背後にこれに沿った状態で上記リヤピラーに支持
する手段と、上記リヤウインドガラス及びリヤピラーを
これに上記の状態で支持されたハードルーフパネルと一
緒に斜め下後方に下降させて車内に傾斜した状態で格納
し、かつ、トランクリッドで遮蔽する手段を具えている
ことを特徴とするコンバーティブル型乗用車。