JPH07130089A - ディジタル信号記録再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 回転シリンダの回転数を変更することなく、
複数のビットレートのディジタル信号の記録、再生が可
能なディジタル信号記録再生装置を提供する。 【構成】 磁気ヘッド対５ａ，５ｂの搭載された回転シ
リンダ２に磁気テープ１を巻回し、磁気テープ１を定速
走行させることにより順次記録トラックにディジタル情
報を記録再生するように構成し、入力信号のビットレー
トに応じて、端子１３から指令信号を与えて、傾斜トラ
ックの記録長さを変化させることにより、異なるビット
レートのディジタル信号の記録、再生を回転シリンダの
回転数を変化させずに実現する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ビデオ信号あるいは音
声信号などのディジタル情報を磁気テープに記録するデ
ィジタルＶＴＲ、ＰＣＭテープレコーダ等のディジタル
信号記録再生装置に関し、特にビットレートの異なる複
数のディジタル情報を記録再生可能にしたディジタル信
号記録再生装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、ディジタル信号記録再生装置にお
いては、圧縮・伸長技術およびエラー訂正技術の進歩に
より、ディジタル情報をそのまま磁気テープに記録する
のではなく、帯域圧縮して記録することが行われる。

【０００３】例えばビデオ信号をディジタル化し、ＤＣ
ＴやＤＰＣＭ、ＡＤＲＣなどの圧縮法を用いて、ディジ
タルビデオ信号を磁気テープに圧縮記録している。その
一例として、符号化された情報量が１１５Ｍｂ／ｓの映
像信号を、圧縮により２５Ｍｂ／ｓのビットレートに変
換し、圧縮記録する技術が報告されている（テレビジョ
ン学会誌「画像情報記録技術の将来」Vol.46,No.10,pp1
222〜1229）。

【０００４】その結果、記録情報のビットレートが異な
る場合には、テープ上の記録密度を一定にするために、
回転シリンダの回転数および磁気テープの走行速度をビ
ットレートに応じて変化させなければならず、例えばビ
ットレートが１／２になれば回転シリンダの回転数およ
び磁気テープの走行速度をそれぞれ１／２にしなければ
ならなかった（例えば、特開昭６３−１５５８７７号公
報）。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな構成では、異なるビットレートのディジタル信号を
記録するためには、回転シリンダの回転数および磁気テ
ープの走行速度を変化させるため、ビットレートの変更
に応じて磁気ヘッドと磁気テープの接触状態（ヘッドタ
ッチ）を常に最良の状態に維持することは困難であり、
これにより磁気ヘッドと磁気テープの接触状態が悪くな
るという問題を有していた。また上記の構成では、ビッ
トレートに応じて、磁気ヘッドの入出力信号を増幅する
ヘッドアンプの周波数特性（フィルタ定数、イコライザ
定数）を切り換える必要があり、ヘッドアンプの回路構
成が複雑になるという問題も有していた。

【０００６】本発明は上記問題点に鑑み、異なるビット
レートのディジタル信号を記録する場合にも、回転シリ
ンダの回転数を変更することなく複数のビットレートに
対応することができ、しかもアジマス記録により高密度
な記録が可能なディジタル信号記録再生装置を提供する
ことを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明のディジタル信号記録再生装置は、磁気ヘッ
ドの搭載された回転シリンダに磁気テープを巻回し、前
記磁気テープを定速走行させることにより順次傾斜トラ
ックにディジタル情報を記録再生するように構成され、
入力信号のビットレートを所定のビットレートに変換
し、回転シリンダの回転数を変更することなく、入力信
号のビットレートに応じて傾斜トラックの記録長さを変
化させるという構成を備えたものである。

【０００８】

【作用】本発明は上記した構成によって、回転シリンダ
の回転数を変更することなく複数のビットレートに対応
できるので、磁気ヘッドと磁気テープの接触状態（ヘッ
ドタッチ）を良好にすることができる。また、複数のビ
ットレートの入力信号は所定のビットレートのディジタ
ル情報に一旦変換され、記録再生されるビットレートは
一定もしくは略一定であるため、入力信号のビットレー
トに応じてヘッドアンプの周波数特性（フィルタ定数、
イコライザ定数）を切り換える必要がない。すなわち、
ヘッドアンプの回路構成を変更することなく、複数のビ
ットレートに対応できる。その結果、簡単な構成で、異
なるビットレートのディジタル信号を記録することが可
能なディジタル信号記録再生装置を実現することができ
る。

【０００９】

【実施例】以下、本発明のディジタル信号記録再生装置
の実施例について、図面を参照しながら説明する。

【００１０】図１は本発明の一実施例におけるディジタ
ル信号記録再生装置の、記録時の構成を示すブロック図
である。図１において、１は磁気テープで、回転シリン
ダ２に巻回されている。回転シリンダ２は、シリンダモ
ータ３と制御回路４により一定速度で回転される。５
ａ，５ｂは磁気ヘッドで、異なるアジマス角Ｒ，Ｌの１
対の磁気ヘッドが回転シリンダ２に１８０度対向させて
搭載されている。６はキャプスタンで、ピンチローラ７
とともに磁気テープ１を挟持し、キャプスタンモータ８
と制御回路４により磁気テープ１を一定速度で走行させ
る。１０はＡ／Ｄ変換器で、入力端子９に入力されたア
ナログ信号をディジタル信号に変換する。１１はエンコ
ーダで、Ａ／Ｄ変換器１０から出力されたディジタル信
号を順次記憶させるメモリーと、ディジタル信号を圧縮
符号化し、さらに誤り訂正符号を生成・付加する圧縮符
号化回路（図示せず）により構成され、端子１３に入力
された指令信号に応じて、エンコーダ１１に入力された
ディジタル信号を圧縮符号化データに変換する。１２は
時間軸圧縮伸長回路で、端子１３に入力された指令信号
に応じて時間軸の伸長、圧縮処理を行う。例えば、エン
コーダ１１の出力するビットレートが低いときは、時間
軸圧縮伸長回路１２は、入力された圧縮符号化データを
時間軸圧縮する。すなわち、時間軸圧縮伸長回路１２
は、磁気テープ１に記録されるビットレートを一定、も
しくは略一定になるように時間軸圧縮処理を行う。１４
は変調器で、時間軸圧縮伸長回路１２の出力信号を所定
のフォーマットの記録信号に変換する。１５はヘッドア
ンプで、増幅された信号をヘッド切換回路１６に入力す
る。ヘッド切換回路１６は、制御回路４からの指令に応
じて磁気ヘッド５ａ，５ｂの２つの磁気ヘッドのうち、
いずれの磁気ヘッドに記録信号を供給するかを選択す
る。

【００１１】以上のように構成されたディジタル信号記
録再生装置の動作について、以下、詳しく説明する。

【００１２】図２、図３は、各々、本実施例のディジタ
ル信号記録再生装置において、高ビットレートのディジ
タル信号が記録されるときの動作を示す記録タイミング
図と、磁気テープ上に形成されるトラックパターン図で
ある。

【００１３】図２において、ＨＳＷは１対の磁気ヘッド
５ａ，５ｂに対応したヘッド切換信号で、回転シリンダ
２の回転位相に相当する。ヘッド切換回路１６によりヘ
ッド切換信号ＨＳＷが“Ｈ”の区間では磁気ヘッド５ａ
のＲアジマスを用いて記録し、ヘッド切換信号ＨＳＷが
“Ｌ”の区間では磁気ヘッド５ｂのＬアジマスを用いて
記録する。したがって、図３に示すように、記録信号を
磁気ヘッド５ａ、５ｂのＲ，Ｌアジマスを用いて交互に
磁気テープ１に記録を行うので、回転シリンダ２が１回
転する間に、Ｒアジマスで記録されたトラックとＬアジ
マスで記録されたトラックとを、トラックピッチＴｐで
連続して記録することになる。実線で示すトラックが記
録済みのトラックである。磁気テープ１の走行速度は制
御回路４により回転シリンダ２が１回転する間に２トラ
ック分移動するように設定されている。また、記録され
たトラックのアジマス角は、隣接トラックのアジマス角
と異なるので、トラック間にガードバンドを設けること
なく記録することができ、高密度記録が可能である。

【００１４】図４、図５は、各々、本実施例のディジタ
ル信号記録再生装置において、低ビットレート（この例
では、ビットレートは図２、図３の場合の１／２倍）の
記録信号が記録されるときの動作を示す記録タイミング
図と、磁気テープ上に形成されるトラックパターン図で
ある。

【００１５】図４において、ＨＳＷは１対の磁気ヘッド
５ａ，５ｂに対応したヘッド切換信号で、回転シリンダ
２の回転位相に相当する。ヘッド切換回路１６によりヘ
ッド切換信号ＨＳＷが“Ｈ”の区間では磁気ヘッド５ａ
のＲアジマスを用いて記録し、ヘッド切換信号ＨＳＷが
“Ｌ”の区間では磁気ヘッド５ｂのＬアジマスを用いて
記録する。ところが、エンコーダ１１の出力する圧縮符
号化データのビットレートは図２、図３の場合の１／２
倍であり、時間軸圧縮伸長回路１２は切換端子１３に入
力された指令信号に応じて、入力された圧縮符号化デー
タを１／２倍に時間軸圧縮する。すなわち、時間軸圧縮
伸長回路１２は、エンコーダ１１の出力する圧縮符号化
データのビットレートが図２、図３の場合の１／２倍な
ので、時間軸圧縮処理を施すことにより、記録されるビ
ットレートを図２、図３の場合と同一となるような処理
を行っている。

【００１６】したがって、図２、図３の場合に比べて１
／２倍に時間軸圧縮された記録信号を１対の磁気ヘッド
５ａ，５ｂのＲ，Ｌアジマスを用いて磁気テープ１に記
録を行うので、各々の磁気ヘッドが記録を行う期間は図
４のＲ，Ｌおよび図５に示すように１／２トラック分の
みで、残りの１／２トラック分は無記録状態のままとな
る。ただし、図２、図３の場合と同様、回転シリンダ２
が１回転する間にトラックピッチＴｐで、Ｒアジマスで
記録されたトラックとＬアジマスで記録されたトラック
との計２トラックを記録することに変わりはないので、
磁気テープ１の走行速度は、制御回路４により回転シリ
ンダ２が１回転する間に２トラック分移動するように設
定される。これは、図２、図３の場合と同じテープ速度
であり、入力信号のビットレートに応じて特にテープ速
度を変更する必要はない。また高ビットレート時の場合
と同様、記録されたトラックのアジマス角は隣接トラッ
クのアジマス角と異なっているので、トラック間にガー
ドバンドを設けることなく記録することができ、高密度
記録が可能である。

【００１７】なお、図４、図５の実施例では、記録に使
用されるトラック長は全トラック長の１／２のみで、残
りの１／２トラック分は無記録状態であるが、この残り
の１／２トラック分に記録信号より抜き出した信号を冗
長して記録してもよい（図示せず）。例えば、記録信号
から所定期間おきに抜き出した静止画情報などのディジ
タル情報を記録してもよい。そして、残りの１／２トラ
ック分に記録された冗長信号を再生すれば静止画を順次
再生することができる。さらにテープ傷により欠落した
データをこの冗長信号を用いて復元することも可能とな
る。

【００１８】次に、このように記録された信号を再生す
る再生時の動作について説明する。図６は本発明の一実
施例におけるディジタル信号記録再生装置の再生時の構
成を示すブロック図である。なお、図１と同一の機能を
有するものについては同一の符号を付し、重複した説明
は省略する。

【００１９】図６において、１６はヘッド切換回路で、
回転シリンダ２に搭載された異なるアジマス角Ｒ，Ｌを
有する１対の磁気ヘッド５ａ，５ｂの磁気ヘッドから、
使用すべき磁気ヘッドを選択し、再生信号をヘッドアン
プ１５に入力する。１７は復調器で、ヘッドアンプ１５
で増幅された信号が入力され、所定のビットレートのデ
ィジタル信号に復調される。復調器１７で復調されたデ
ィジタル信号は時間軸圧縮伸長回路１２に供給される。
時間軸圧縮伸長回路１２は、ディジタル信号を順次記憶
させるメモリーを有し、端子１３に入力された指令信号
に応じて時間軸の伸長処理を行い、デコーダ１８にディ
ジタル信号を供給する。デコーダ１８は、入力された圧
縮符号化されたディジタル信号のデコーディングと誤り
訂正符号による誤り訂正処理を行う。デコーダ１８から
出力された信号は、Ｄ／Ａ変換器１９によりアナログ信
号に変換され、出力端子２０から出力される。

【００２０】なお、本実施例では、磁気ヘッドを回転シ
リンダに１８０度対向させて１ヘッドずつ搭載したが、
１ヘッドずつに限らずそれ以上に増やして設けてもかま
わない。また、本実施例では、磁気ヘッドを１８０度対
向させて２箇所に配置したが、２箇所に限らず４箇所に
等角度間隔に配置してもよいし、回転シリンダの１箇所
にまとめて配置してもよい。

【００２１】

【発明の効果】以上のように、本発明は、入力信号のビ
ットレートに応じて傾斜トラックの記録長さを変化させ
ることにより、高ビットレート、低ビットレートのディ
ジタル信号のいずれに対しても、回転シリンダの回転数
を変更することなく記録、再生することが可能となる。
回転シリンダの回転数を変更する必要がないので、磁気
ヘッドと磁気テープの接触状態（ヘッドタッチ）を最適
に保つことができる。また、複数のビットレートの入力
信号は所定のビットレートのディジタル信号に一旦変換
されるので、記録再生されるビットレートは一定もしく
は略一定となるため、入力信号のビットレートに応じて
ヘッドアンプの周波数特性を切り換えることなく複数の
ビットレートに対応できる。

【００２２】このように、本発明によれば、簡単な構成
で複数のビットレートのディジタル信号を記録、再生す
ることが可能なディジタル信号記録再生装置を提供する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のディジタル信号記録再生装置の一実施
例における記録時の構成を示すブロック図

【図２】本発明に係わる実施例の高ビットレート時のタ
イミング図

【図３】本発明に係わる実施例の高ビットレート時のト
ラックパターン図

【図４】本発明に係わる実施例の低ビットレート時のタ
イミング図

【図５】本発明に係わる実施例の低ビットレート時のト
ラックパターン図

【図６】本発明のディジタル信号記録再生装置の一実施
例における再生時の構成を示すブロック図

【符号の説明】

１ 磁気ヘッド ２ 回転シリンダ ５ａ，５ｂ 磁気ヘッド １６ ヘッド切換回路

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹内 明弘 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】磁気ヘッドの搭載された回転シリンダに磁
   気テープを巻回し、前記磁気テープを定速走行させるこ
   とにより順次傾斜トラックにディジタル情報を記録再生
   するように構成され、複数の異なるビットレートの入力
   信号を所定のビットレートのディジタル情報に変換し、
   前記入力信号のビットレートに応じて前記傾斜トラック
   の記録長さを変化させて前記ディジタル情報を記録する
   ことを特徴とするディジタル信号記録再生装置。
2. 【請求項２】磁気ヘッドの搭載された回転シリンダに磁
   気テープを巻回し、前記磁気テープを定速走行させるこ
   とにより順次傾斜トラックにディジタル情報を記録再生
   するように構成され、複数の異なるビットレートの入力
   信号を所定のビットレートのディジタル情報に変換し、
   前記入力信号のビットレートに応じて前記傾斜トラック
   の一部に記録長さを変化させて前記ディジタル情報を記
   録し、前記傾斜トラックの残りのトラック部分に冗長デ
   ィジタル情報を記録することを特徴とするディジタル信
   号記録再生装置。
3. 【請求項３】傾斜トラックの記録長さは、入力信号のビ
   ットレートに比例するように構成されたことを特徴とす
   る請求項１または請求項２記載のディジタル信号記録再
   生装置。
4. 【請求項４】ディジタル情報の記録ビットレートは、複
   数のビットレートの入力信号のうち最も高いビットレー
   トに選んだことを特徴とする請求項１または請求項２記
   載のディジタル信号記録再生装置。
5. 【請求項５】隣接する記録トラックのアジマス角が互い
   に異なるように記録されるように構成されたことを特徴
   とする請求項１または請求項２記載のディジタル信号記
   録再生装置。