JPH0712692U

JPH0712692U - 配管用継手機構

Info

Publication number: JPH0712692U
Application number: JP046423U
Authority: JP
Inventors: 安勝西片; 秀則前馬; 孝夫中澤
Original assignee: Nisso Engineering Co Ltd
Current assignee: Nisso Engineering Co Ltd
Priority date: 1993-08-04
Filing date: 1993-08-04
Publication date: 1995-03-03
Anticipated expiration: 2008-08-04
Also published as: US5472244A; JP2587449Y2

Abstract

(57)【要約】【目的】接合チューブの引き抜けによる脱落を防止す
ることができるとともに、曲げ荷重等に対しても強い配
管用継手機構を提供する。【構成】接続チューブ７の拡径部６の外周に周設され
た第１の溝１４と袋状のナット５の内周に第１の溝１４
に対応して周設された第２の溝１３とにより、ナット５
を継手本体３に装着したときに形成される溝環部１５
と、拡径部６の外径よりも小さい内径で形成されて前記
第２の溝１３に遊嵌されるとともに、ナット５が継手本
体３に装着されるときに第１の溝１４に嵌合されるまで
拡径部６上を滑って溝環部１５内に配設される拡径可能
な割リング１７とを備えている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、接続チューブの間を接続するための配管用継手機構に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

例えば、半導体製造工程には、種々の化学薬品、純水が多量に使われるが、製造工程の自動化に伴い、これらの化学薬品や純水を用途に応じてポンプやガス圧送等、多岐にわたる方法で移送する必要がある。そのため、これらの移送には化学薬品に安定で耐熱性のあるふっ素樹脂製のチューブと継手等が使用されている。このチューブや継手等の配管部材は、接続されている部分が移送される液体の温度や圧力などにより簡単に脱落しないことが必須であり、要求に応じて色々な継手構造が提案され、実用化されている。

【０００３】図９及び図１１は従来用いられている配管用継手機構の一例を示している。同図の配管用継手機構５０は、中心に流体通路５１を有する継手本体５２と、継手本体５２の流体通路５１と対応する位置に管体挿通孔５３を有して継手本体５２の前後にそれぞれ外接螺合される一対の管体固定用ナット５４と、先端にフレア加工された拡径部５５を有する合成樹脂製接続チューブ５６とを備えている。

【０００４】そして、継手本体５２に接続チューブ５６を固定する場合は、まず継手本体５２の筒部５２ａを拡径部５５内に嵌入させ、この嵌合部分をシール部とする。また、この後、ナット５４を拡径部５５の外側を覆った位置まで移動させ、さらにナット５４の雌ネジ５４ａを継手本体５２の雄ネジ５２ｂに螺合させて行く。

【０００５】雌ネジ５４ａが雄ネジ５２ｂに所定量螺合されると、ナット５４の小径段部５４ｂが拡径部５５のテーパー部５５ａに当接されるとともに、テーパー部５５ａが筒部５２ａの先端テーパー部５２ｃに押し付けられる。これにより、テーパー部５５ａは継手本体５２とナット５４とで両側から締め付けられる。なお、図９では省略しているが、継手本体５２の右側にも同様にして接続チューブ５６が取り付けられる。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、以上の従来の継手機構では、接続チューブ５６の引き抜き方向に加わる力に対し固定強度的に弱く、該チューブが抜けて脱落する虞がある。特に、継手本体５２が通常フッ素樹脂系の素材で作成されており、１００℃以上の高温の液体移送に使用された場合は、その素材の持つ大きな膨張係数のため、図１０に示すように継手本体５２の筒部５２ａが内側に変形し易い。このような変形が起きると、継手本体５２とナット５４とで接続チューブ５６を挟持する締め付け力が弱くなる。したがって、接続チューブ５６に抜き方向（図１０中の矢印Ａ方向）の大きな外力が加えられると抜けてしまうこともある。

【０００７】そこで、改良例には、図１１に示す如く、接続チューブ５６のテーパー部５５ａに溝５７を形成する一方、ナット５４の内面にはその溝５７と対応する位置にもう一つの小径段部５４ｃを形成しておき、前記溝５７にナット５４の小径段部５４ｃを係合させて抜け止めを補強したものもある。しかしながら、この抜け止め防止手段を設けても、前述の高温での使用による変形が生じた場合のチューブ脱落を充分に防止することはできない。また、係合用の溝５７が設けられるテーパー部５５は、フレア加工で肉薄になり易く強度的に弱い部分であり、荷重が加わったときにクラック等が発生し易いと言う問題があった。なお、図１１で符号５８に示す部分はクラックである。

【０００８】本考案は、上記問題点を解消するものであり、その目的は接続チューブの引き抜けによる脱落を防止することができるとともに、曲げ荷重等に対しても強い配管用継手機構を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

以上の目的を達成するため本考案は、フレア加工されてテーパー部の先端に拡径部を有する合成樹脂製接続チューブと、外周に雄ネジを形成し、かつ先端部に前記接続チューブの拡径部に内挿される筒部を有する継手本体と、前記継手本体の雄ネジと螺合する雌ネジを内周に形成し、かつ前記接続チューブが挿通される内孔を有する袋状のナットとを備え、前記接続チューブのテーパー部と、前記拡径部に内挿された継手本体の筒部との当接部分をシール部とする配管用継手機構において、前記拡径部の外周に周設された第１の溝及び前記ナットの内周に前記第１の溝に対応して周設された第２の溝とにより、ナットを継手本体に装着したときに形成される溝環部と、前記拡径部の外径よりも小さい内径で形成されて、前記第２の溝に遊嵌されるとともに、前記ナットが継手本体に装着されるときに前記第１の溝に嵌合されるまで前記接続チューブの拡径部上を滑って前記溝環部内に配設される拡径可能な割リングとを備えている。

【００１０】

【作用】

以上の配管用継手機構では、接続チューブに抜け方向の力が作用して、この接続チューブが抜け方向に移動すると、溝環部内に配設されている割リングを介して接続チューブがナットに係止されることになり確実な抜け止めがなされる。また、この溝環部を形成する第１の溝は、曲げ荷重あるいは熱による変形の少ないテーパー部の先端に位置する拡径部に設けられるので、曲げ荷重および高温での使用等にも強い構造が比較的簡易に得られる。

【００１１】

【実施例】

以下、本考案の実施例について図面を用いて説明する。図１〜図４において、本考案の配管用継手機構１は、中心に流体通路２を有する継手本体３と、継手本体３の流体通路２と対応する位置に管体挿入孔４を有して継手本体３の前後にそれぞれ外接螺合される一対の管体固定用ナット５と、先端にフレア加工された拡径部６を有する接続チューブ７等で概略構成される。

【００１２】継手本体３はＰＴＦＥ（四フッ化エチレン樹脂）、ＰＦＡ（四フッ化エチレン・ハーフルオロアルキルビニルエーテル）等の合成樹脂成形体である。本体部８の前後中央における外周部分には鍔状部８ａを有し、鍔状部８ａを挟んだ前後における外周部にはそれぞれ雄ネジ９が形成され、さらに前後端には筒部１０が各々一体に形成されている。また、各筒部１０の先端は面取り加工されてテーパー面１１として形成されている。

【００１３】管体固定用ナット５は、継手本体３と同様な合成樹脂成形体であり、図４の断面に示す如く、一端が上記管体挿入孔４を有した面部５ａで閉じられて袋状に形成されているとともに、開口された他端側における内周には継手本体３の雄ネジ９と螺合される雌ネジ１２が形成されている。また、ナット５内において、雌ネジ１２の終端部分には溝１３が周回して形成されている。なお、溝１３は、面部５ａ側の溝内側壁１３ａが、この溝１３の底に進むに従って面部５ａと序々に離れて行く状態に傾斜されたテーパー部として形成されている。この溝内側壁１３ａは接続チューブ７に引き抜き方向の力が作用したとき、割リング１７の対応部が当たる係止面となる。

【００１４】接続チューブ７は、継手本体３及びナット５と同様な合成樹脂成形体である。この接続チューブ７には、ナット５の溝１３と対応する外周位置に、図３の断面に示す如く溝１４が形成されている。この溝１４は溝１３と共に溝環部１５を形成するものであり、拡径部６のテーパー部７ａ側の溝内壁１４ａが、この溝１４の底に進むに従ってテーパー部７ａと序々に離れて行く形状のテーパー部を形成し、対抗する溝内壁１４ｂは垂直面を形成する。この溝内壁１４ｂは接続チューブ７に引き抜き方向の力が作用したとき、割リング１７の対応部が当たる係止面となる。

【００１５】なお、接続チューブ７の加工及びナットへの組み込みは、通常、グルービング加工を施しかつ溝１４を形成した接続チューブ７をナット５に挿通した後、フレア加工してテーパー部７ａ及び拡径部６を形成する。これは従来と同じである。

【００１６】加えて、接続チューブ７にナット５が組み込まれるときには、ナット５内に補強リング１６と割リング１７とが配設される。このリング１６と割リング１７は共に強化フッ素樹脂等で形成されているが、継手本体３と同様な合成樹脂でもよい。このうち、リング１６は、ナット５の管体挿入孔４の内径と略等しい内径の貫通孔１６ａを中心に有して略真円をした断面四角形のリングである。なお、この補強リング１６は、シール性を向上させるためのものであるが、本考案において必須のものではない。これに対して、割リング１７は、図２及び図５に示す如く、一部が切り欠かれた環状をなしている。また、割リング１７は内面にＶ溝１８が形成されている。さらに内面には大径内面１７ａと小径内面１７ｂが、外面にはテーパー部１７ｃが各々形成されている。小径内面１７ｂは、溝１４に嵌合するよう溝１４に対応した形状をなしている。テーパー部１７ｃは溝１３の溝内側壁（テーパー部）１３ａの傾きに対応している。割リング１７の小径内面１７ｂの径（ｄ₄）は、接続チューブ７に設けられた溝１４の底面におけるチューブ径（ｄ₄）とほぼ等しく形成されている。しかしながら、この小径内面１７ｂの径はこれに限らず、接続チューブ７の拡径部６の径（ｄ₁）よりも小さいものであればよい。

【００１７】図６は、接続チューブ７に対してナット５が移動するのに伴って割リング１７が溝環部１５内に嵌合され、接続チューブ７が抜け止めされる状態を模式的に示している。そこで、次に、接続チューブ７を継手本体３に固定する動作を同図により説明する。まず、拡径部６を形成しているテーパー部７ａに筒部１０のテーパー面１１が当接されて規制されるまで、接続チューブ７の拡径部６内に筒部１０を嵌合挿入させる。

【００１８】次に、接続チューブ７上でナット５を継手本体３側に移動させ、雄ネジ９に雌ネジ１２を螺合する。この接続チューブ７上をナット５が移動するとき、その途中で割リング１７の内面に拡径部６のテーパー部７ａが当接される。すると、割リング１７は、弾性変形されてこの切り欠かれている部分で内径が広がり拡径部６の外周面に乗り上げ、管体固定用ナット５と共に拡径部６上を滑って溝１４側に向かって移動する［図６（ａ）、（ｂ）参照］。

【００１９】さらに、雄ネジ９に雌ネジ１２が螺合されながらナット５が螺合されて行き、拡径部６のテーパー部７ａにリング１６が押し付けられると共に、割リング１７の小径内面１７ｂが溝１４のテーパー状の溝内壁１４ａを通ると拡径状態にある割リング１７は縮径しながら、この溝内壁１４ａの溝底部に向かって滑り落ち、小径内面１７ｂが溝１４内に当接し、かつ大径内面１７ａが拡径部６の外周面上に当接した状態になって結合が完了する［図６（ｃ）参照］。このような割リング１７が溝１４に落ち込んだ際、割リング１７が溝１４内側壁あるいは溝１３内側壁に衝突して衝突音を発生する。この音により、割リング１７が溝１４に嵌合し確実に組み込みが行われたことが確認できる。図１はこの状態で示している。なお、図１では、片方の接続チューブ７だけを取り付けた状態を示しているが、継手本体３の右側にも接続チューブ７が同様にして取り付けられる。

【００２０】このような構造において、接続チューブ７が抜け方向の力を受けると、図６の（ｄ）に示す如く割リング１７が抜け方向へ押されて、この割リング１７のテーパー部１７ｃが溝１３の内側壁１３ａに当接される。すると、溝１４の溝内壁１４ｃ（係止面）と割リング１７との係合に加え、溝１３の内側壁１３ａ（係止面）と割リング１７との係合により、接続チューブ７に作用される抜け方向の力を阻止して脱落を防ぐ。

【００２１】なお、溝環部１５を形成している溝１３及び溝１４や割リング１７は、上記実施例の構造に限らず種々の態様が可能である。即ち、溝１４に係合する形の小径内面を有し、ナット５における溝１３の両側壁に係止されてナット５とともに移動可能な係止面を前後に有しているものであればよい。例えば、図７や図８に示すような構造にすることも可能である。図７の構造は、割リング１７の片側面に突起部１７ｄを設けたものである。図８の構造では、割リング１７の内面をテーパー状に形成するとともに、溝１３の内側壁１３ａと割リング１７の端面を直角に形成したものである。

【００２２】

【考案の効果】

以上説明したとおり、本考案に係る配管用継手機構にあっては、接続チューブに抜け方向の力が作用し、この接続チューブが抜け方向に移動すると、溝環部内に配設されている割リングを介して接続チューブがナットに係止されることになり確実な抜け止めがなされる。また、その着脱操作は容易であり、特に、本考案によるチューブ接続作業時には、割リングが所定位置に組み込まれたときの発生音により施工ミスを防ぎ、確実な組み付けを行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る配管用継手機構の一実施例を示す
縦断側面図である。

【図２】割リング単品で示す外観斜視図である。

【図３】接続チューブ単品で示す要部の断側面図であ
る。

【図４】管体固定用ナット単品で示す断側面図である。

【図５】図１のＡ部拡大図である。

【図６】本考案の機構作動を説明するための動作図であ
る。

【図７】本考案の一変形例を示す図である。

【図８】本考案の他の変形例を示す図である。

【図９】従来の配管用継手機構の断側面図である。

【図１０】前記継手機構における問題点を説明するため
の図である。

【図１１】従来の他の継手機構の要部構成とその問題点
を説明するための図である。

【符号の説明】

１配管用継手機構３継手本体４管体挿入孔（内孔）５管体固定用ナット（袋ナット）６拡径部７接続チューブ９雄ネジ１０筒部１２雌ネジ１３溝（第２の溝）１４溝（第１の溝）１５溝環部１７割リング

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】フレア加工されてテーパー部の先端に拡
径部を有する合成樹脂製接続チューブと、外周に雄ネジ
を形成し、かつ先端部に前記接続チューブの拡径部に内
挿される筒部を有する継手本体と、前記継手本体の雄ネ
ジと螺合する雌ネジを内周に形成し、かつ前記接続チュ
ーブが挿通される内孔を有する袋状のナットとを備え、
前記接続チューブのテーパー部と、前記拡径部に内挿さ
れた継手本体の筒部との当接部分をシール部とする配管
用継手機構において、前記拡径部の外周に周設された第１の溝及び前記ナット
の内周に前記第１の溝に対応して周設された第２の溝と
により、ナットを継手本体に装着したときに形成される
溝環部と、前記拡径部の外径よりも小さい内径で形成されて、前記
第２の溝に遊嵌されるとともに、前記ナットが継手本体
に装着されるときに前記第１の溝に嵌合されるまで前記
接続チューブの拡径部上を滑って前記溝環部内に配設さ
れる拡径可能な割リングとを備えたことを特徴とする配
管用継手機構。