JPH0712478U

JPH0712478U - 合糸機の単糸吹上げ用ダクト

Info

Publication number: JPH0712478U
Application number: JP4097493U
Authority: JP
Inventors: 敬史宮川
Original assignee: Murata Machinery Ltd
Current assignee: Murata Machinery Ltd
Priority date: 1993-07-28
Filing date: 1993-07-28
Publication date: 1995-02-28

Abstract

(57)【要約】【目的】合糸機における給糸パッケージ交換及び糸切
れ時に、給糸側糸端受渡し位置にある中継ぎパイプに安
定した状態で給糸側糸端を確実に誘導する。【構成】下部糸ガイド(19)下側部に取り付けられ、上
縁部(2i)にノズル(9) から噴射されたエアーを制御する
ためのエアー制御部材(2h)を有する筒型ダクト(2g)と、
下部糸ガイド(19)上側部に固定された上部ダクト(3a)か
らなっている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は合糸機の給糸側単糸吹上げ用ダクトに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、合糸機が給糸パッケージをリワインドする過程において、該給糸パッケージの巻取り作業が完了した場合、新たに供給した給糸側糸端と巻取側糸端をスプライサーによって糸継ぎを行わなければならない。故に、給糸側糸端と巻取側糸端は夫々中継パイプとサクションアームに吸引され、糸継ぎ作業が行える所定の位置まで夫々上記中継パイプとサクションアームに保持されたまま誘導される必要があった。給糸側糸端と巻取側糸端のうち特に給糸側糸端を中継パイプまで確実に導くために様々な給糸側糸端吹上げ装置が開発されており、例えば実開平５−２６９５１では給糸側糸端吸引のために図１のような、単糸吹上げ用ダクト (1) を合糸機に装備していた。即ち、下部糸ガイド(8) の下側には下端にラッパ状開口部(2a)を有する筒型ダクト(2) が、上側には上部ガイド(13)を有する上部ダクト(3) が固定されているような単糸吹上げ用ダクトである。

【０００３】上記単糸吹上げ用ダクト(1) を合糸機に装備してリワインドする時、ノズル(9 ) から噴射されたエアーによって給糸パッケージP の中心孔に挿入された、一点鎖線で示される給糸側糸端Y1は前記単糸吹上げ用ダクト(1) のラッパ状開口部(2 a)から筒型ダクト(2) 及び上部ダクト(3) を通過して中継パイプ(10)へと吸引されるようになっている。上記単糸吹上げ用ダクト(1) では、上記筒型ダクト
（２）と給糸パッケージＰとの距離が短いため、上記ノズル(9) から安定した状態で
筒型ダクト(2) 内へエアーは噴射されていた。よって給糸側糸端Y1を確実に中継パイプ(10)まで誘導することが可能であった。

【０００４】中継パイプ(10)まで誘導された給糸側糸端Y1の糸継ぎ作業終了後、左右給糸パッケージP から引出された単糸は夫々下部糸ガイド(8) のアーム部(8a)の回動によって上部糸ガイド(13)に挿入され得る方向に手繰り寄せられる。その後、給糸パッケージP から解舒されながらリワインドされるようになっていた。

【０００５】しかし、前記単糸吹上げ用ダクトでは筒型ダクト(2) と給糸パッケージP との距離が短いが故に生じる次のような問題があった。

【０００６】図１のように筒型ダクト(2) と給糸パッケージP との距離が短いと、給糸パッケージP の外径D1が筒型ダクト(2) 下端のラッパ状開口部(2a)の内径d1に比して大きくなっている場合、巻取り作業の際、筒型ダクト(2) と給糸パッケージP の間で振り回される単糸の質量が小さく、充分な遠心力が得られないために不十分なバルーニング状態となる。この結果給糸パッケージP から引き出された単糸が給糸パッケージP の側面部を引きずられるようにして走行し、テンション変動の原因となったり、毛羽或いは糸切れが生じたりすることがある。又、上記状態で巻き取られた単糸では強度や風合に問題が残るものとなった。

【０００７】出願人は前記の如き問題を解決するために筒型ダクト(2) の軸方向の長さを略半分とした筒型ダクト(2b)( 以下短筒型ダクトと記す。) を前記単糸吹上げダクト(1) に新たに装着して単糸の巻取りを行った。尚、該短筒型ダクト(2b)装着時のラッパ状開口部(2c)の下端部と給糸パッケージP の上面部の距離は該給糸パッケージP の外径D1の略２倍、或いは筒型ダクト絞り部(2d)から給糸パッケージP 上面部まで略３０cmとなるようにした。その結果給糸パッケージP から引出される糸のバルーニングは改善された。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】

しかし給糸パッケージP 交換時における糸継ぎ作業では、短筒型ダクト(2b)と給糸パッケージP との距離が長くなったことで、ノズル(9) から噴射されたエアーの流れが短筒型ダクト(2b)のラッパ状開口部(2c)に到達するまでに拡散してしまうため、短筒型ダクト(2b)の内部に流れ込むエアーの圧力が上記筒型ダクト(2 ) 装着時に比べて弱くなる傾向があった。短筒型ダクト(2b)内部の圧力の低下は該短筒型ダクト(2b)内部から上部ダクト(3) へのエアーの流れを不安定にし、給糸側糸端Y1がノズル(9) から噴射されたエアーによって吹上げられた時、短筒型ダクト(2b)上縁部から該短筒型ダクト(2b)外部へと流れ出し、中継パイプ(10)に吸引することが不可能となる場合があった。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

上記の如き問題解決のための、本考案は合糸機における単糸吹上げ用ダクトであり、中継パイプに単糸先端を誘導するエアー制御部材を筒型ダクトの上縁部に有することを特徴とする単糸吹上げ用ダクトである。

【００１０】

【作用】

上記筒型ダクトを持つ単糸吹上げダクトによって、給糸パッケージ交換時には給糸側糸端を所定の受渡し位置にある中継パイプに確実に誘導することが可能となる。

【００１１】

【実施例】

以下図面に基づいて本考案を説明する。図２は合糸機の構成図である。合糸機 (18)において給糸パッケージP 交換時にはノズル(9) から噴射されたエアーにより給糸側糸端Y1が吹上げられる。吹上げられた該給糸側糸端Y1はラッパ状開口部 (2f)から筒型ダクト(2e)、上部ダクト(3a)を通って図中一点鎖線で示される中継パイプ(10b) に吸入される。該中継ぎパイプ(10b) は給糸側糸端Y1を保持したまま中継パイプ軸部(10a) を中心にA 方向に回動し、図中実線で示される位置（１
０）まで移動する。また、巻取側糸端Ｙ２も図中一点鎖線で示されるサクションノズ
ル (11b) に吸入される。そしてサクションマウス軸部(11a) を中心にB 方向に回動し、実線で示されるサクションマウスの位置(11)まで運ばれる。中継パイプ(10) 及びサクションマウス(11)の上記回動により給糸側糸端Y1・巻取側糸端Y2は夫々スプライサー(12a,12b) に挿入されるので、スプライサー(12a,12b) の稼働させることで給糸側糸端Y1と巻取側糸端Y2の糸継ぎ作業が行われる。該糸継ぎ作業終了後、ワインディングドラム(17)の駆動により、左右の給糸パッケージP から引き出された糸条Ya及びYbは筒型ダクト(2e)、上部ダクト(3a)を通過し、合流部(1 7)で揃えられた後テンサー(14a,14b) によってテンションを掛けられる。テンサー(14a,14b) 通過後、毛羽絡みノズル(15)に挿入され、上記糸条Ya及びYbが分離した状態で巻取られることを防止するために互いの毛羽を絡み合わせられ、該毛羽絡みノズル(15)通過後巻取りパッケージ(16)に巻き取られる。

【００１２】図３及び図４は本考案における合糸機の糸条吹上げ用ダクトの第一実施例を示す。単糸吹上げ用ダクト(1a)において、筒型ダクト(2g)は固定部材(20)を介して下部糸ガイド(19)に固定されている。筒型ダクト(2g)に関しては、該筒型ダクト (2g)が下部糸ガイド(19)に対して傾斜して取り付けることで生じた隙間部分の筒型ダクト上縁部(2i)に筒型ダクト(2f)内に吹き込むエアーの流れを制御するエアー制御部材(2h)が設けられている。ノズル(9) から噴射されたエアーの流れは該エアー制御部材(2h)によって、筒型ダクト上縁部(2i)で、エアーが筒型ダクト(2 g)から排出されずに上部ダクト(3a)及び中継パイプ(10)に流れ込む方向へと変えることが可能となる。

【００１３】図５及び図６は本考案における糸条吹上げ用ダクトの第二実施例である。第一実施例の場合と同様、単糸吹上げ用ダクト(1b)において筒型ダクト(2j)は固定部材(20)を介して下部糸ガイド(19)に固定されている。該筒型ダクト(2j)に関しては筒型ダクト上縁部(2k)全周は所定の角度で傾斜した状態で上記下部糸ガイド(1 9)に固定された時、該下部糸ガイド(19)下側面と平行となるように加工がなされている。該筒型ダクト上縁部(2k)を持つ筒型ダクト(2j)によって、ノズルから噴射されたエアーは筒型ダクト(2j)外部に排出されること無く筒型ダクト(2j)から上部ダクト(3a)及び中継パイプ(10)へと流れ込む。

【００１４】

【考案の効果】

以上のように本考案によれば次のような優れた効果を発揮する。

【００１５】筒型ダクト上縁部と上部ダクトの間に生じる隙間部分を繋ぐための部材を筒型ダクト上縁部に設けることによって、上記隙間部分で不安定になっているエアーの流れを制御される。よって筒型ダクトから上部ダクトへとエアーの吹き込みが可能となり、給糸パッケージ交換時に所定の位置に待機している中継パイプに給糸側糸端を確実に誘導することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は従来の糸条吹上げ用ガイドを示した図で
ある。

【図２】図２は合糸機全体の構成を示す。

【図３】図３は本考案における第一実施例を示す正面図
である。

【図４】図４は図３の側面図である。

【図５】図５は本考案における第二実施例を示す正面図
である。

【図６】図６は図５の側面図である。

【符号の説明】

2g 筒型ダクト 2h エアー制御部材 3a 上部ダクト 10 中継パイプ 19 下部糸ガイド 20 固定部材

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】合糸機における単糸吹上げ用ダクトであ
り、中継パイプに単糸先端を誘導するエアー制御部材を
筒型ダクトの上縁部に有することを特徴とする単糸吹上
げ用ダクト。