JPH07124689A - ワックスパターンの成形方法とそれに用いる入子型 - Google Patents

ワックスパターンの成形方法とそれに用いる入子型

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JPH07124689A
JPH07124689A JP27417593A JP27417593A JPH07124689A JP H07124689 A JPH07124689 A JP H07124689A JP 27417593 A JP27417593 A JP 27417593A JP 27417593 A JP27417593 A JP 27417593A JP H07124689 A JPH07124689 A JP H07124689A
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JP
Japan
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wax
mold
pattern
wax pattern
shape
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JP27417593A
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Inventor
Takayasu Koizumi
高康 小泉
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ワックスパターンの成形の容易化、迅速化、
低コスト化を図り、ワックスパターンの品質を安定化
し、さらには品質不良が発生したときの原因箇所の入子
型の特定を容易になし得るロストワックス鋳造用ワック
スパターンの成形方法を提供すること。 【構成】 ガラスフィラー入りポリカーボネート樹脂か
らなるプラスチックパターン20を使用した成形方法で
ある。製品Wの翼部14の形状に対応した形状を有する
プラスチックパターン20を金型10内に複数配置する
工程と、金型10内に溶融状態のろうなどの可溶性材料
を圧入する工程と、可溶性材料が固化した後に金型10
を開いてプラスチックパターン20を抜き取る工程とを
有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、精密鋳造法の一つであ
るロストワックス法において使用されるワックスパター
ンを成形する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】精密鋳造法の一つであるロストワックス
法は、鋳型に分割面がなく寸法精度の高い鋳物を製造す
ることができ、さらに切削加工では工数のかかる複雑な
形状の鋳物も製造できることから、タービンのブレー
ド、ホイール、ロータ、あるいは航空部品、計器部品な
どを製造するために広く用いられている。
【0003】ロストワックス法の工程を概説すれば、ま
ず、ろうなどの可溶性材料で製品と同一形状の模型(ワ
ックスパターン)を成形し、このワックスパターンの周
囲にスラリーと耐火粒子(例えばセラミック粒子)を交
互に付着させてコーティング層を形成し、乾燥後にワッ
クスパターンを溶融流出させ、ワックスパターン形状つ
まり製品形状と同一形状のキャビティが形成された鋳型
を作る。そして、この鋳型を焼成して強度を持たせ、溶
融金属をキャビティ内に鋳込み、冷却後に鋳型を壊して
製品を取り出す。
【0004】前記ワックスパターンは、ワックスパター
ン成形用金型に半溶融状態のろうを圧入して射出成形し
て形成される。ワックスパターン全体が型抜き可能な単
純な形状である場合には、上下型またはスライド型を使
用することによって、当該ワックスパターンを成形する
ことはできる。
【0005】しかしながら、製品として例えばタービン
などでは、複雑な三次元形状を有する複数枚の翼を備え
た翼部が設けられているため、スライド型を使用しても
ワックスパターンを成形することが困難であった。そこ
で、従来より、複雑形状の部位を有するワックスパター
ンを成形する際には、水溶性ワックスで構成されたワッ
クスパターン形成用の入子型を用いた第1の成形方法
と、金属で構成されたワックスパターン形成用の入子型
を用いた第2の成形方法とが採用されている。
【0006】第1の成形方法は、複雑形状部位に対応し
た形状を有し、水溶性ワックスなどのソリブルワックス
で構成されたワックスパターン形成用の入子型を使用す
る。このソリブルワックスで構成されたワックスパター
ン形成用の入子型は、ワックスパターンとは別個に成形
される。タービンの翼部を例に採れば、ソリブルワック
スで構成される入子型は、隣接する翼の間の形状を有
し、翼の枚数分だけ成形されている。そして、この第1
の方法にあっては、予め成形しておいたソリブルワック
スで構成された一組の入子型を、ワックスパターン成形
用金型内に翼部形成パターンに沿って位置決めして配置
する。型締め後に、半溶融状態の可溶性材料を圧入し、
当該可溶性材料が冷却され固まった後に、ソリブルワッ
クスを水に溶かして除去すれば、三次元のタービン翼を
有するワックスパターンが得られる。
【0007】第2の成形方法は、複雑形状部位に対応し
た形状を有する金属製のコア(スチールコア)を使用す
るものであり、このスチールコアは、研削などの機械加
工により製作される。上記と同様にタービンの翼部を例
に採れば、スチールコアは、隣接する翼の間の形状を有
し、翼の枚数分だけ製作されている。そして、この第2
の方法にあっては、予め製作しておいたスチールコアを
ワックスパターン成形用金型内に、翼パターンに対応し
て位置決め配置する。型締め後に、半溶融状態の可溶性
材料を圧入し、当該可溶性材料が冷却され固まった後
に、スチールコアを抜き取れば、三次元形状のタービン
翼を有するワックスパターンが得られる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したようにソリブ
ルワックス製入子型あるいはスチールコア製入子型を用
いることにより、複雑形状の部位を有するワックスパタ
ーンを成形することはできる。
【0009】しかしながら、ソリブルワックスを用いた
第1の成形方法では、1つのワックスパターンを成形す
るごとに新たな一組のソリブルワックス製入子型を再度
成形しなければならず、ソリブルワックス製入子型の成
形に時間と費用を要するという問題がある。また、ソリ
ブルワックス製入子型では、ワックスパターンの成形毎
に、一組の入子型をすべて作成し直すので、ワックスパ
ターンの品質を安定化させることが困難である。さら
に、ソリブルワックス製入子型の溶解除去を完全に行わ
ないとワックスパターンの品質不良引いては製品の品質
不良を招く虞があることから、ソリブルワックス製入子
型の溶解除去工程に比較的長時間を要する。また、ソリ
ブルワックス製入子型は、ワックスパターンの成形毎に
つくり直すので、その成形作業工程に時間を要すると共
に、費用もかさむ。このため、ワックスパターンの成形
の容易化、迅速化、低コスト化を図ることができないと
いう問題がある。
【0010】一方、スチールコア製入子型を用いた成形
方法では、該スチールコアをワックスパターンから抜き
取るだけでよく、また繰り返し使用することができるた
め、ソリブルワックスパターンを用いる場合に比べて、
ワックスパターンの成形の容易化、迅速化を図ることは
できる。しかしながら、個々のスチールコアを機械加工
で製作しなければならないため、多数のスチールコアを
製作するには時間と費用を要することは言うまでもな
く、スチールコアの品質にバラツキが生じ易く、ワック
スパターンの品質を安定化させることが困難であった。
【0011】さらに、従来の成形方法においては、成形
後のワックスパターンを検査して品質不良を発見したと
きに、不良が発生した箇所に配置されていた入子型を特
定できるようにすることは何等考慮されておらず、不良
発生の原因究明に時間を要する一因となり、ソリブルワ
ックス製入子型を成形した金型形状の修正や、スチール
コアの廃棄交換などの適切な対応処置を迅速に講ずるこ
とができなかった。
【0012】本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決
するためになされたものであり、ロストワックス鋳造法
において使用されるワックスパターンの成形の容易化、
迅速化、低コスト化を図り、ワックスパターンの品質を
安定化し、さらには品質不良が発生したときの原因箇所
の入子型の特定を容易になし得るワックスパターンの成
形方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るワックスパターンの成形方法は、組み
合わされることにより、製品の所定部位の形状に対応し
た形状を有すると共に、合成樹脂材料で構成された入子
型を、前記金型内に複数配置する工程と、前記金型内に
溶融状態の前記可溶性材料を圧入する工程と、前記可溶
性材料が固化した後に前記金型を開いて、前記入子型を
抜き取る工程と、を有する。
【0014】前記入子型は、ガラスフィラー入りポリカ
ーボネート樹脂で構成されることが好ましい。前記入子
型のそれぞれに、個々の入子型を特定する識別部材を設
けることが好ましい。
【0015】本発明に係るワックスパターン成形用入子
型は、複数個組み合わされることにより、製品の所定部
位の形状に対応した形状を有し、合成樹脂材料で構成さ
れることを特徴とする。
【0016】
【作用】本発明の方法によれば、入子型を繰り返し使用
することができ、さらには合成樹脂材料からなる入子型
は、一般的な射出成形により成形することができるの
で、入子型自体の製作も容易になる。しかも、合成樹脂
材料で構成される入子型は、各ワックスパターンの成形
に繰り返して用いられるので、ワックスパターンの品質
にバラツキが生じることがなく、ワックスパターンの品
質が安定化する。
【0017】特に入子型を、ガラスフィラー入りポリカ
ーボネート樹脂から構成すれば、入子型を、十分な機械
的強度を有する透明な成形品とすることができ、入子型
がワックスパターンに嵌まり込んだままの状態でも当該
ワックスパターンの形状を観察して、形状の良否を判断
することができる。また、入子型が、成形の途中で割れ
や欠けなどが生じることもない。
【0018】また、各入子型のそれぞれに、個々の入子
型を特定する識別部材を設ければ、ワックスパターンを
検査して品質不良を発見したときに、不良発生箇所に配
置されていた入子型を特定することができる。このた
め、不良箇所の特定がきわめて容易になり、品質の向上
に寄与する。
【0019】
【実施例】以下、本発明に係るロストワックス鋳造用ワ
ックスパターンの成形方法およびワックスパターン成形
装置について、詳細に説明する。図1は本発明に係るロ
ストワックス鋳造用ワックスパターンの成形方法を具現
化したワックスパターン成形装置の金型を示す断面図、
図2はワックスパターンの成形工程の説明に供する説明
図、図3(1)(2)は図1および図2に示される入子
型を示す断面図である。
【0020】図1に示すワックスパターン成形装置の金
型10は、製品をロストワックス法により鋳造する際に
使用するろう模型(ワックスパターン)を成形するため
のものである。ロストワックス法は、複雑な形状を有す
る製品も鋳造することができるという利点がある精密鋳
造法の一つであり、ワックスパターンは、可溶性材料の
ろうなどで射出成形され、製品の外形形状と同一形状を
有している。
【0021】ロストワックス法により鋳造される製品の
一例を図6に示す。この製品は、ホイルタービンWのタ
ービン動翼であり、図示しない回転軸が挿通される中心
孔11aが形成された筒形状のハブ11と、このハブ1
1の外周から径方向外方に向けて伸びる円盤部12と、
この円盤部12の径方向外周に設けられ複数枚の翼(ブ
レード)13を有する翼部14とから構成されている。
ブレード13は、図3(2)にも示すように、三次元形
状の曲面を有している。なお、以下の説明においては説
明の便宜上、図3(2)においてブレード13の右側に
示される曲面をブレード表面15と、左側に示される曲
面をブレード裏面16と称する。また、同図中ブレード
の上端をブレード上端縁と、下側をブレード下端縁と称
する。
【0022】ブレード13が比較的複雑な曲面形状を有
することから、ワックスパターンを成形する際には、翼
部14を形成するために複数の入子型20が使用されて
いる。本実施例の入子型20は、後述するように、入子
型の素材として合成樹脂材料で成形されているため、当
該入子型をプラスチックパターンとも指称する。
【0023】個々のプラスチックパターン20は、図3
(1)(2)に示すように、隣接するブレード相互間の
空間形状に対応した字形状を有し、頭部21と基部22
との間には、ブレード表面15形状に対応した形状をな
す凸面23と、ブレード裏面16形状に対応した形状を
なす凹面24とが形成されている。頭部21および基部
22の図中左右方向の側端面はシール面となっている。
2つのプラスチックパターン20を相互に突き合わせた
ときには、シール面同士が当接してブレードの上端縁と
下端縁とが定まり、ブレード13の外形形状に対応した
形状を有するキャビィティ25が形成されるようになっ
ている。
【0024】また、プラスチックパターン20の頭部2
1よび基部22のそれぞれには、ワックスパターン成形
用金型10内に配置した際の位置決めを行うキー26、
27が形成されている。上記プラスチックパターン20
は、プラスチックパターン成形用金型を用いて射出成形
法により成形される。金型の構成を概説すれば、当該金
型30は、図4および図5に示すように、上型31と、
この上型31に対して相対的に接近離反移動可能な下型
32と、スライド型33、34とを有する。上型31
は、プラスチックパターン20の凸面23に対応した内
面形状を有する第1ブロック35と、頭部21のキー2
6に対応した内面形状を有する第2ブロック36と、こ
れらを支持する上方支持ブロック37とを有する。
【0025】一方、下型32は、プラスチックパターン
20の凹面24に対応した内面形状を有する第3ブロッ
ク38と、頭部21のキー26に対応した内面形状を有
する第4ブロック39と、これらを支持する下方支持ブ
ロック40とを有する。スライド型は、図4に示すよう
に、プラスチックパターン20の図5の紙面に垂直な方
向の両端面の形状を形成する第1スライド型33と第2
スライド型34とを有する。これら上型31、下型32
およびスライド型33、34を型締めすることにより、
プラスチックパターン20の外形形状に対応した形状を
有するキャビィティ41が金型30内に形成される。な
お、図4および図5においては、キャビティ41内に溶
融樹脂材料を圧入する射出口は図示省略してある。ま
た、図5中符号「42」は成形後のプラスチックパター
ン20を下型32内から取り出すためのノックアウトピ
ンであり、「43」はスプルー部のノックアウトピンで
ある。
【0026】プラスチックパターン20の成形材料は、
ワックスパターンの成形材料であるろうなどの可溶性材
料の注入温度においても溶融あるいは変形を生じない樹
脂材料であれば特に限定されないが、成形品が透明で、
収縮率の少ない例えばガラスフィラー入りポリカーボネ
ート樹脂が好ましい。
【0027】そして、プラスチックパターン20を成形
するには、上型31、下型32およびスライド型33、
34を型締めした後、金型30内に形成されるキャビテ
ィ41内にガラスフィラー入りの溶融したポリカーボネ
ート樹脂を圧入し、この樹脂を冷却して固化させれば、
所定形状を有するプラスチックパターン20が成形され
る。このようにして射出成形されるプラスチックパター
ン20は、少なくともブレードの枚数分だけ複数個成形
されている。
【0028】本実施例にあっては、図3に破線で示すよ
うに、射出成形後のプラスチックパターン20のそれぞ
れに、個々のプラスチックパターン20を特定するため
の識別部材idが設けられている。識別部材idとして
は、プラスチックパターン20の通し番号や、成形時に
用いた金型の番号などがある。また、識別部材idを凹
凸形状となるようにプラスチックパターン20に刻印し
ても良く、このようにすれば、ワックスパターン20を
成形したときに、識別部材idが持つ情報が当該ワック
スパターン20に転写されることになる。なお、識別部
材idの情報をワックスパターン20に転写する場合に
は、タービン性能の低下を招くことがないように、円盤
部12の径方向端面に向かい合うプラスチックパターン
20の端面に識別部材idを刻印するのが良い。
【0029】ワックスパターンは、図1に示すワックス
パターン成形用金型を用いて射出成形法により成形され
る。ワックスパターン成形用金型10は、上型50と、
この上型50に対して相対的に接近離反移動可能な下型
51とを有する。上型50は、ホイルタービンWのハブ
11の上端面に対応した内面形状を有する第1ブロック
52と、ハブ11の外周面および円盤部12の上面に対
応した内面形状を有する第2ブロック53と、頭部側キ
ー26に嵌合する上方位置決めブロック54とを有す
る。
【0030】一方、下型51は、ハブ11の下端面に対
応した内面形状を有する。この下型51は、ろうを圧入
するための射出口55、注入通路56が形成された第3
ブロック57と、ハブ11の外周面および円盤部12の
下面に対応した内面形状を有する第4ブロック58と、
基部側キー27に嵌合する下方位置決めブロック59と
を有する。上下型50、51の間には、プラスチックパ
ターン20を配置する空間を形成するスライドブロック
60が設けられている。このスライドブロック60には
カム面が形成されており、上型50が下型51に対して
下降移動すると、第2ブロックに形成したカム面により
スライドブロック60が型中心に向けて押圧移動され、
プラスチックパターン20が、スライドブロック60
と、第2および第4ブロック53、58との間で押圧挟
持される。
【0031】さらに、上型50には、下型51に向けて
ロッド61が突出して設けられている。このロッド61
により、可溶性材料の冷却を促進すると共に可溶性材料
の使用量の低減を図っている。そして、スライドブロッ
ク60をプラスチックパターン20の外周に配置し、上
下型50、51を型締めすることにより、ワックスパタ
ーンの外径形状つまりホイルタービンWの外形形状に対
応した形状を有するキャビィティ62が金型10内に形
成される。
【0032】次に、ワックスパターンの成形手順を説明
する。まず、予め射出成形したプラスチックパターン2
0をブレード13の枚数分(例えば40個)並べて組み
立て、これを、ワックスパターン成形用金型10の下型
51に配置する。プラスチックパターン20の組み立て
により、図3(1)に示すように、ブレード13の外形
形状に対応した形状のキャビィティ25が形成される。
また、下型51へ配置する際には、基部側キー27を下
方位置決めブロック59に嵌合させることにより、下型
51に対するプラスチックパターン20の位置決めがな
される。
【0033】次いで、スライドブロック60をプラスチ
ックパターン20の外周に配置し、上型50を下型51
に向けて下降移動し、スライドブロック60と第2、第
4ブロック53、58との間でプラスチックパターン2
0を押圧挟持しつつ、上下型50、51を型締めする。
この型締めの際には、頭部側キー26を上方位置決めブ
ロック54に嵌合させることにより、上型50に対する
プラスチックパターン20の位置決めがなされる。
【0034】次いで、金型10内に形成されたキャビテ
ィ62内に、溶融状態にあるろうなどの可溶性材料を射
出口55から所定圧力の下で圧入する。キャビティ62
内に射出された可溶性材料を冷却し固化させた後、上下
型50,51を開き、ワックスパターンを型から取り出
す。このときには、図2(1)に示すように、プラスチ
ックパターン20はワックスパターン63の外周に嵌り
込んだままである。
【0035】そして、同図(1)の矢印で示すように、
各プラスチックパターン20を径方向外方に向けて1個
づつ抜き取れば、同図(2)に示すように、ホイルター
ビンWの外形形状と同一の外形形状を有するワックスパ
ターン63の成形が終了する。
【0036】そして、このようにして成形されたワック
スパターン63を用いてロストワックス鋳造を行い、中
心孔11aの切削など所定の機械加工を施すことによ
り、図6に示す最終的な製品であるホイルタービンWの
製造が完了する。本実施例では、複雑な形状の翼部14
を有するワックスパターン63を成形するにあたり、抜
き取り可能なプラスチックパターン20を使用している
ため、ソリブルワックス製入子型を用いる成形方法のよ
うに、溶解除去工程に長時間を要することがなく、ワッ
クスパターンの成形の容易化、迅速化が図られる。ま
た、入子型をワックスパターンの成形毎に形成する必要
もない。
【0037】なお、抜き取り可能な点は従来のスチール
コア製入子型を用いる成形方法と同様であるが、スチー
ルコア製入子型に比較して、その成形がきわめて容易で
ある。 さらに、プラスチックパターン20は、一般的
な射出成形で容易に成形でき、破損したりキズが付いた
りしない限り、半永久的に繰り返して使用することがで
きる。また、1つのプラスチックパターン成形用金型3
0を製作するだけで、多数のプラスチックパターン20
を容易に成形することができる。このため、1つのワッ
クスパターンを成形するごとに再度成形しなければなら
ないソリブルワックスパターンや、個々に機械加工が必
要なスチールコアなどの入子型に比べて、プラスチック
パターン20(入子型)の製作は容易であり、製作に多
大な時間や費用を要することもない。このように入子型
であるプラスチックパターン20の製作の容易化を通し
ても、ワックスパターン63の成形の容易化、コストの
低減を図ることができ、短かい納期に対しても迅速に対
応して製品を製造し納入することができる。
【0038】しかも、プラスチックはその性質上一旦形
状が定まると品質が極めて安定するため、プラスチック
パターン20の品質にバラツキが生じることがなく、ワ
ックスパターン63の品質が安定化し、結果的に、高品
質の製品を安定的に製造することが可能となる。
【0039】また、プラスチックパターン63をガラス
フィラー入りポリカーボネート樹脂より成形して透明な
成形品としたため、プラスチックパターン63がブレー
ド13に嵌まり込んだままの状態で当該ブレード13の
形状を観察することができ、形状の良否を容易に判断す
ることができる。
【0040】また、プラスチックパターン20のそれぞ
れには通し番号などの識別部材idが設けられているた
め、プラスチックパターン20をある基準位置から前記
番号順に並べてワックスパターン63を成形することに
より、ワックスパターン63を検査して品質不良を発見
したときに、不良発生箇所に配置されていたプラスチッ
クパターン20を容易かつ迅速に特定することができ
る。これにより、不良原因の究明を短時間で行え、プラ
スチックパターン20の破棄交換や、成形時に用いた型
の形状修正など不良原因に対応した適切な処置を迅速に
講ずることができ、生産性の効率を向上することもでき
る。
【0041】また、識別部材idの情報をワックスパタ
ーン63に転写する構成とすれば、プラスチックパター
ン20を基準位置から順に並べることができないとき
や、プラスチックパターン20を取り外した後において
も、不良発生箇所に配置されていたプラスチックパター
ン20を容易かつ迅速に特定することができる。
【0042】なお、上述した実施例では、製品としてホ
イルタービンWを、所定部位の形状として翼部14の形
状を例示したが、本発明はこの実施例の場合に限定され
るものではなく、いかなる製品、形状にも適用可能であ
る。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のロストワ
ックス鋳造用ワックスパターンの成形方法は、合成樹脂
材料からなる入子型を使用し、この入子型を金型内に配
置する工程と、金型内に溶融状態の可溶性材料を圧入す
る工程と、可溶性材料が固化した後に金型を開いて入子
型を抜き取る工程とを有するので、入子型を繰り返し使
用することができ、さらには合成樹脂材料からなる入子
型は一般的な射出成形により成形することができ、入子
型自体の製作も容易になることから、ワックスパターン
の成形の容易化、迅速化、コストの低減を図ることがで
きる。しかも、合成樹脂製入子型は、ワックスパターン
の成形毎に作り替えないので、ワックスパターンの品質
が安定化し、結果的に、高品質の製品を安定的に製造す
ることが可能となる。
【0044】また、入子型はガラスフィラー入りポリカ
ーボネート樹脂からなるため、入子型は透明な成形品と
なり、入子型がワックスパターンに嵌まり込んだままの
状態で当該ワックスパターンの形状を観察して、形状の
良否を容易に判断することができる。
【0045】また、各入子型のそれぞれに、個々の入子
型を特定する識別部材を設ければ、ワックスパターンを
検査して品質不良を発見したときに、不良発生箇所に配
置されていた入子型を容易かつ迅速に特定することがで
きる。これにより、不良原因の究明を短時間で行え、不
良原因に対応した適切な処置を迅速に講ずることがで
き、もって生産性の効率を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係るロストワックス鋳造用ワッ
クスパターンの成形方法を具現化したワックスパターン
成形装置の金型を示す断面図である。
【図2】図2(1)(2)はワックスパターンの成形工
程の説明に供する説明図である。
【図3】図3(1)(2)は、図1および図2に示され
る入子型を示す断面図である。
【図4】図4は入子型としてのプラスチックパターンを
射出成形する際に使用するプラスチックパターン成形用
金型の下型およびスライド型を示す平面図である。
【図5】図5は同プラスチックパターン成形用金型の断
面図である。
【図6】図6はロストワックス法により鋳造される製品
の一例であるホイルタービンを示す断面図である。
【符号の説明】
10… ワックスパターン成形用金型(金型)、 13… ブレード、 14… 翼部(所定部位)、 20… プラスチックパターン(入子型)、 30… プラスチックパターン成形用金型、 63… ワックスパターン、 id… 識別部材、 W… ホイルタービン(製品)。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロストワックス鋳造に用いられ製品と同一
    形状を有するワックスパターンを金型を用いて可溶性材
    料から成形するワックスパターンの成形方法において、 組み合わされることにより、製品の所定部位の形状に対
    応した形状を有すると共に、合成樹脂材料で構成された
    入子型を、前記金型内に複数配置する工程と、 前記金型内に溶融状態の前記可溶性材料を圧入する工程
    と、 前記可溶性材料が固化した後に前記金型を開いて、前記
    入子型を抜き取る工程と、を有するワックスパターンの
    成形方法。
  2. 【請求項2】前記入子型は、ガラスフィラー入りポリカ
    ーボネート樹脂からなる請求項1に記載のワックスパタ
    ーンの成形方法。
  3. 【請求項3】前記入子型のそれぞれに、個々の入子型を
    特定する識別部材を設けてなる請求項1または2に記載
    のワックスパターンの成形方法。
  4. 【請求項4】ロストワックス鋳造に用いられ製品と同一
    形状を有するワックスパターンを金型を用いて可溶性材
    料から成形するワックスパターンの成形用金型内に配置
    される入子型であって、 前記入子型が、複数個組み合わされることにより、製品
    の所定部位の形状に対応した形状を有し、合成樹脂材料
    で構成されることを特徴とするワックスパターンの成形
    用入子型。
JP27417593A 1993-11-02 1993-11-02 ワックスパターンの成形方法とそれに用いる入子型 Withdrawn JPH07124689A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110090924A (zh) * 2019-05-30 2019-08-06 保定风帆精密机械科技有限公司 一种内网纹套管精密铸件的蜡模模具及其制造及铸造方法

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CN110090924A (zh) * 2019-05-30 2019-08-06 保定风帆精密机械科技有限公司 一种内网纹套管精密铸件的蜡模模具及其制造及铸造方法
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