JPH0712005B2 - 高耐食性希土類永久磁石 - Google Patents

高耐食性希土類永久磁石

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JPH0712005B2
JPH0712005B2 JP19933387A JP19933387A JPH0712005B2 JP H0712005 B2 JPH0712005 B2 JP H0712005B2 JP 19933387 A JP19933387 A JP 19933387A JP 19933387 A JP19933387 A JP 19933387A JP H0712005 B2 JPH0712005 B2 JP H0712005B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は高耐食性の希土類永久磁石に関し、特には燃結
磁石体表面に均一な耐食性二重層を有する希土類・鉄・
ボロン系永久磁石の提供を目的とするものである。
(従来の技術) 希土類永久磁石はすぐれた磁気特性と経済性のため電気
・電子機器の分野で多用されており、近年ますますその
高性能化が要求されている。これらのうちNd系希土類永
久磁石は、従来のSm系希土類永久磁石と比べて主要元素
であるNdがSmより豊富に存在すること、Coを多量に使用
しないことから原材料費が安価であり、磁気特性もSm系
希土類永久磁石をはるかにしのぐ極めて秀れた永久磁石
材料であるため、これまでSm系希土類磁石が使用されて
きた小型磁気回路はこれによって代替されるだけではな
く、コスト面からハードフエライトあるいは電磁石が使
われていた分野にも広く応用されようとしている。しか
しこの材料は湿度を帯びた空気中で極めて短時間のうち
に容易に酸化するという欠点を有している。酸化は磁石
表面上に酸化物が生成するだけでなく、表面から内部へ
結晶粒界に沿って腐蝕が進行し、いわゆる粒界腐蝕の現
象を生じるが、これはNd磁石の粒界に非常に活性なNdリ
ッチ相が存在するためである。粒界の腐蝕は極めて大き
な磁気特性の劣化を引き起し、もし実用時に腐蝕が進行
すれば、磁石を組み込んだ機器の性能を低下させ、機器
周辺を汚染させる等の問題が生じる。
このようなNd磁石の欠点を克服するため各種の表面処理
方法が提案されているが、いずれの方法も耐食性表面処
理として完全なものではない。例えばスプレーまたは電
着塗装による樹脂塗膜では、樹脂の吸湿性のために錆が
発生し、真空蒸着、イオンスパッタリング、イオンプレ
ーティング等の気相メッキ法では、コストがかかりす
ぎ、また内穴、溝部へのコーティングができないなど不
利がある。
(発明の構成) 本発明者らはかかる従来の不利、欠点を解消すべく鋭意
検討の結果、長時間にわたって磁気特性の劣化がなく、
外観の美観性が保持できる永久磁石を得ることに成功し
本発明に至った。すなわち、本発明はR(RはYを含む
希土類元素の少なくとも一種)5〜40重量%、Fe50〜90
重量%、Co0.1〜15重量%、B0.2〜8重量%および遷移
金属8重量%以下を主成分とする燃結磁石体表面にCu層
およびNi−P層からなる二重層を有する高耐食性希土類
永久磁石を要旨とするものである。
以下これについて詳しく説明すると、本発明におけるR
としてはYまたは希土類元素としてLa、Ce、Pr、Nd、P
m、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Lu、Ybなどが例示され、
これらの1種もしくは2種以上が使用されるが、そのな
かではCe、La、Nd、Pr、Dy、Tbの少なくとも1種を含む
のが好ましい。
遷移金属としてはNi、Nb、Al、Ti、Zr、Cr、V、Mn、M
o、Si、Sn、Cu、Ca、Mg、Pb、Sb、GaおよびZnから選ば
れる少なくとも1種が用いられる。
本発明はR5〜40重量%、Fe50〜90重量%、Co0.1〜15重
量%、B0.2〜8重量%および遷移金属8重量%以下を含
有し、これにC、O、P、S等の工業的に不可避な微量
不純物とを含有するNd系希土類燃結磁石体を使用し、こ
の表面にCu層とNi−P合金の二重層を設けるのである
が、この場合、電気メッキ法、無電解メッキ法によれば
よく、好ましい方法として無電解メッキ法により燃結磁
石体表面にまずCu層、その上にNi−P合金層を析出させ
るのがよい。
この場合に用いるCuの無電解液の組成としては、金属塩
として硫酸銅、硝酸銅、塩化銅のうち少なくとも一種を
100g/以下含有し、還元剤としてホルマリン、ヒドラ
ジンおよびその誘導体、ハイドロキノン、次亜リン酸ソ
ーダ、ギ酸塩、ショ糖等の配合剤のうち少なくとも一種
を200g/以下含むものが好ましい。なお、この電解液
には錯化剤として、ロッシエル塩、EDTA、トリエタノー
ルアミン、グルコン酸塩、サルチル酸塩のうち少なくと
も一種を180g/以下、pH調整剤、緩衝剤として炭酸
塩、アンモニア、青化ソーダのうち少なくとも一種を10
0g/以下含むほか促進剤、安定剤として10g/以下の
硫化物、二硫化物、塩化物、フッ化物、界面活性剤をそ
れぞれ含有することができ、この水溶液はpH8〜14の範
囲で用い、メッキ時の浴温は10〜60℃の範囲である。
またNi−P無電解液の組成としては、金属塩として塩化
ニッケル、硫酸ニッケル、次亜リン酸ニッケルのうち少
なくとも一種を100g/以下含有し、還元剤として次亜
リン酸ナトリウムを100g/以下、pH調整剤として水酸
化ナトリウム、水酸化アンモニウム等の塩基性化合物、
無機酸、有機酸のうち少なくとも一種を150g/以下含
むものが好ましい。なおこの電解液には緩衝剤としてク
エン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等のオキシカルボン
酸、あるいはほう酸、炭酸等の無機酸のうち少なくとも
1種を150g/以下、錯化剤としてクエン酸ナトリウ
ム、酢酸ナトリウム、水酸化アンモニウム、エチレング
リコール、さらには有機酸(酢酸、グリコール酸、クエ
ン酸、酒石酸等)のアルカリ塩、チオグリコール酸、ア
ンモニア、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、
グリシン、ピリジンの少なくとも1種を100g/含むほ
か促進剤、安定剤として10g/以下の硫化物、塩化物、
フッ化物、界面活性剤をそれぞれ含有することができ、
この水溶液はpH3〜13の範囲で用い、メッキ時の浴温は2
0〜100℃の範囲である。
前記焼結磁石体をメッキ液に浸潰する方法は、バレル法
または引っ掛け治具法のいずれでもよく、燃結磁石体の
寸法および形状によって適当に選択される。
上記方法によって燃結磁石体表面に形成されるCu層とこ
の上のNi−P合金からなる二重層は極めて秀れた耐食性
を示し、Cu層あるいはNi−P合金層を燃結磁石体表面に
単独に被覆した場合と比べて、耐食性が優れている。こ
の理由は、無電解Cuメッキ皮膜に存在するピンホール
が、この上に新たにNi−P合金を被覆することにより中
断され、Ni−P合金皮膜に覆われ、またNi−P皮膜にあ
るピンホールは下地にCu層が存在することによって耐食
性が保たれるからである。このようにして皮膜表面から
下地へ到達するようなピンホールは極めて少なく、高耐
食性が保証される。
さらに両層のイオン化傾向の関係から次のような防食機
構が成立する。Cu皮膜よりもイオン化傾向の大きいNi−
P皮膜がCu皮膜上に存在する。従って腐食は卑なNi−P
皮膜がアノード的に溶解することによって進行し、貴な
Cu皮膜はカソード的に防食される。同時に下地も守られ
る。つまりNi−P皮膜が鉄素地上の亜鉛メッキと同様な
防食機構を持ち、これが犠牲的に腐食して下地を守るこ
とになる。
以上の理由によりCU層とNi−P合金層の二重層を有する
燃結磁石合金は極めて秀れた耐食性を持つ、Cu層上に形
成されるNi−P合金層は、NiとPを主成分とし、PがNi
中に過飽和に固溶したアモルファス相、あるいはニッケ
ルとNi3P等のリン化ニッケル相との微細混合相からなる
もので、この層中のPの割合は1〜14重量%が好まし
い。Niのみの無電解メッキ膜では、ピンホールが多い
か、あるいは下層との密着性が悪いため、腐食性が劣
り、使用できない。またNi−BあるいはNi−Nの合金皮
膜も、ピンホールが多く密着性が悪いため充分な耐食性
が得られない。
Cu層の厚みは、1〜10μm、好ましくは2〜5μmが適
当であり、Ni−P合金層の厚みは、1〜30μm、好まし
くは5〜15μmである。すなわち二重層としての厚みは
10〜20μmが適当であり、30μm以上は、メッキに要す
る時間および薬剤量が多大で費用がかかりすぎるため実
用的でない。また均一な二重層であれば、10μm以下で
も実用上使用できる。この二重層はメッキ後熱処理する
ことによって耐食性、密着力、耐摩耗性を向上させるこ
とができる。その温度範囲は100〜500℃で時間は10分間
〜数時間である。
次に本発明によるR−Fe−Co−Bを必須元素とする永久
磁石の構成成分についてその限定理由を述べる。本発明
に用いられる永久磁石中の主成分として含まれるRの量
が、5重量%以下ではα鉄の析出量が多すぎるため高保
磁力が得られず、また40重量%を越えると、希土類を含
有する非磁性相が多くなりすぎて残留磁束密度が低下
し、磁石特性が得られない。したがって主成分としての
Rの量は5〜40重量%とするものである。
Bは0.2重量%以下では保磁力が得られず、8重量%以
上ではBを含有する非磁性相が多くなりすぎて残留磁束
密度で低下し、磁石特性が得られない。よってBの量は
0.2〜8重量%とするものである。
Feは50重量%以下では残留磁束密度が低くて磁石特性が
得られず、90重量%以上ではα鉄の析出量が多すぎて高
保磁力が得られない。よってFeの量は50〜90重量%とす
るものである。
Coは残留磁束密度の温度変化を改善するのに有効であ
り、Coの添加量が0.1重量%以下では十分な効果が得ら
れず、一方、15重量%を超えると、保磁力が低下するの
でその量は0.1〜15重量%、好ましくは0.5〜10重量%と
するものである。
なお、前記必須元素と置換可能な遷移金属は磁気特性の
改善あるいは、コスト低減のために添加するのであっ
て、その量は単独あるいは二種類以上の合計で8重量%
以下である。しかしいずれの元素も、上記の量を越えて
添加すると磁気特性が劣化するので避けるべきである。
本発明の永久磁石は、結晶質の合金粉末を磁場中プレス
で異方性化した後、燃結して得られる燃結異方性永久磁
石で、その磁気特性は最大エネルギー積で20MGOe以上50
MGOeまでであり、20MGOe以下は特性不良品であり、わざ
わざ表面処理するにはあたらない。
つぎに本発明による実施例をあげる。
実施例1 Ar雰囲気の高周波溶解により重量比で、32Nd−1.2B−5
9.8Fe−7Coなる組成の鋳塊を作製した。
このインゴットをジョウクラッシャーで粗粉砕し、さら
にN2ガスによるジェットミルで微粉砕を行って、平均粒
径が3.5μmの微粉末を得た。
次にこの微粉末を、10000Oe磁界が印加された金型内に
充填し、0.8t/cm2の圧力で成形した。ついで真空中1100
℃で2時間燃結し、さらに550℃で1時間時効処理を施
して永久磁石とした。得られた永久磁石から外径30mm、
内径10mm、高さ2mmの円筒形試験片を切り出した。異方
性の方向は高さ方向である。
この試験片1、2、3および4をトリクロルエチレンに
て溶剤洗浄した後、水酸化ナトリウム30g/、炭酸ナト
リウム20g/、オルソけい酸ナトリウム50g/の混合ア
ルカリ水溶液中に10分間浸潰してアルカリ脱脂した後水
洗し、硫酸25ml/とフッ化水素酸25ml/の混酸中で30
秒間酸洗いしてから水洗した。これを硫酸Cu14g/、ロ
ッシエル塩45.5g/、ホルマリン53g/、水酸化ナトリ
ウム10g/、炭酸ナトリウム4.2g/を含む水溶液中に3
0℃で試験片1,2は10分、試験片3,4は60分間浸潰してCu
層をそれぞれ1,5μmの厚さに被覆した。その後水洗
し、塩化Ni30g/、次亜リン酸ナトリウム10g/、ヒド
ロキシ酢酸ナトリウム50g/を含む水溶液中に90℃で試
験片1,2,3および4をそれぞれ4分、20分、20分、40分
間浸潰してNi−Pの合金層を1,5,5,10μmの厚さに被覆
した。メッキ後、水洗し、150℃で30分間熱処理した。
各試験片を60℃、95%相対湿度の試験槽中に600時間保
持した後、外観を観察して、耐食性を評価した。また耐
食試験前後の磁気特性も測定した。
実施例と比較のため、切り出し後表面処理を行っていな
い同一寸法の試験片Aと、Ni−P合金層のみを無電解析
出させた同一寸法の試験片Bも同じ耐食試験を行った。
結果を表1に示す。
表1より明らかなように、この発明によるCu層およびNi
−P層の二重層を有する希土類永久磁石は、外観・磁気
特性の面で秀れた耐食性を示すことがわかる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】R(RはYを含む希土類元素の少なくとも
    一種)5〜40重量%、Fe50〜90重量%、Co0.1〜15重量
    %、B0.2〜8重量%および遷移金属8重量%以下を主成
    分とする燃結体表面にCu層およびNi−P層からなる二重
    層を有する高耐食性希土類永久磁石。
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