JPH07119327B2 - 重合体組成物 - Google Patents

重合体組成物

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JPH07119327B2
JPH07119327B2 JP19226487A JP19226487A JPH07119327B2 JP H07119327 B2 JPH07119327 B2 JP H07119327B2 JP 19226487 A JP19226487 A JP 19226487A JP 19226487 A JP19226487 A JP 19226487A JP H07119327 B2 JPH07119327 B2 JP H07119327B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、引張強度、硬度、低温特性、耐屈曲白化性、
耐擦傷性、加工性等の各種物性に優れた重合体組成物に
関する。本発明は、また上記諸特性に加え、燃焼性、発
煙性、酸素指数などの難燃特性あるいは耐酸性に優れた
重合体組成分に関する。
発明の技術的背景ならびにその問題点 従来から、電線絶縁体、ケーブル外被等に用いられる難
燃性樹脂組成物としては、ポリオレフィンと各種難燃剤
とからなる組成物が知られていた。
また、近年前記材料に大して低公害性が求められ、ポリ
オレフィンと、燃焼時にハロゲン化水素を発生しないハ
ロゲンを含まない難燃剤とからなる組成物が多数提案さ
れている。
例えば、特開昭60-13832号公報にはエチレン−エチルア
クリレート共重合体100重量部に対して、マグネシウム
水和物50〜400重量部と赤燐1〜80重量部とを均一に配
合してなる組成物が開示されている。しかし本発明者ら
が、この組成物から成形した成形品、例えばこの組成物
を使用して成形したケーブル外被の評価を行ったとこ
ろ、酸素指数、燃焼性、低温特性等はすぐれているが、
強度(引張強度)、耐擦傷性、硬度等の性質がやや劣る
ことが判った。
また特開昭61-213238号公報には、密度0.910g/cm3以下
の直鎖状エチレン−α−オレフィン共重合体100重量部
と難燃性素材5〜250重量部とからなる組成物が示され
ている。しかし同様に評価を行ったところ、この組成物
は強度、硬度は優れているが、低温特性、耐擦傷性、酸
素指数、発煙性、燃焼性等が劣ることが判明した。
さらに特開昭62-11745号公報には、エチレンとカルボキ
シル基含有モノマーとの共重合体、不飽和カルボン酸変
性オレフィン重合体、密度0.88〜0.97g/cm3のエチレン
−α−オレフィン共重合体および難燃剤よりなる組成物
が記載されている。しかし、同様にしてこの公報に具体
的に開示されている組成物について評価したところ、低
温特性、発煙性、強度、硬度等のバランスがとれている
とは言えなかった。
以上のようにケーブル分野で求められている難燃性組成
物は、試験項目(引張強度、硬度、低温特性、酸素指
数、燃焼性、発煙性、屈曲白化性、耐擦傷性、耐酸性、
加工性等)が多く、加えて要求されている物性レベルが
非常に厳しいため、前記全試験項目に合格する難燃性組
成物は見出されていないのが現状であった。
かかる現状に鑑み、本発明者らは鋭意検討した結果、種
々の優れた特性を有する重合体組成物を見出すに至っ
た。この重合体組成物はまた難燃剤充填性に優れ、かつ
難燃剤を配合した場合に優れた難燃特性を発現すること
も見出すに至った。
発明の目的 本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決し
ようとするものであって、各種成形品に有用な重合体組
成物を提供することを目的としている。また本発明は、
電気材料、その他の難燃性を要求される成形品に好適な
重合体組成物を提供することを目的としている。
発明の概要 本発明に掛かる第1の重合体組成物は、 (A)α,β−不飽和カルボン酸エステル含量が1〜12
モル%のエチレン−α,β−不飽和カルボン酸エステル
共重合体:15〜77重量部 (B)密度が0.89g/cm3を越えるエチレン単独重合体も
しくはエチレン−α−オレフィン共重合体:10〜50重量
部 (C)密度が0.89g/cm3以下、引張強度が10MPa以上のエ
チレン−α−オレフィン共重合体:13〜70重量部 (D)上記以外のオレフィン系重合体:0〜20重量部(合
計100重量部)からなり、上記(A)(B)(C)
(D)の少なくとも一成分の一部または全部が不飽和カ
ルボン酸もしくはその誘導体でグラフト変性されてお
り、かつ該変性剤のグラフト割合が0.01〜1重量部であ
ることを特徴としている。
本発明に係る第2の重合体組成物は、上記(A)
(B)、(C)、(D)からなる重合体成分100重量部
に対し、(E)難燃剤成分を10〜300重量部の割合で配
合してなることを特徴としている。
発明の具体的説明 以下本発明に係る重合体組成物について具体的に説明す
る。
本発明に係る重合体組成物は、上記のような成分
(A)、(B)、(C)および(D)を含んでいるが、
各成分のうち少なくとも一成分の一部または全部は、不
飽和カルボン酸もしくはその誘導体でグラフト変性され
ている。各成分の重量部はグラフト変性したものを包含
して表示している。なおここにグラフト変性はその変性
反応に使用した重合体を基準に考慮しているものであ
る。したがって(A)成分の全部がグラフト変性されて
いるとは、(A)成分の全部がグラフト変性に供された
ということを意味しているのであって、必ずしも現実に
ポリマー分子全部がグラフト変性されているという意味
ではない。また(A)成分の一部がグラフト変性されて
いるとは、グラフト変性に供されたものと、未変性のも
のとを併用することを意味している。この際、各成分
は、勿論組成、物性などの異なる2以上の重合体を用い
ることができるし、一部がグラフト変性されたものを用
いるときには、グラフト変性に供される原料重合体と、
本願組成物に用いられる未変性のものとは同一であって
も異なるものであってもよい。
本発明の(A)成分として使用されるエチレン−α,β
−不飽和カルボン酸エステル共重合体としては、エチレ
ンと、アクリル酸、メタクリル酸のようなα,β−不飽
和カルボン酸のエステル、好ましくは炭素数1〜8程度
のアルキルエステルとの共重合体であって、エチレンが
88〜99モル%、好ましくは90〜97モル%、α,β−不飽
和カルボン酸エステルが1〜12モル%、好ましくは3〜
10モル%の組成のものが用いられる。該エステルとして
具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸−n
−ブチル、メタクリル酸イソブチルなどを例示すること
ができ、これらは2種以上使用してもよい。またエチレ
ン及びエステルの組成割合が前記範囲にある限り、他の
ビニル化合物が少量共重合されたものであってよい。こ
れら共重合体は、一般には高温高圧、塊状重合法によっ
て製造することができる。該共重合体中、エステル成分
が12モル%を越える量で存在した場合には、得られる重
合体組成物の耐熱性が低下する傾向にあり、また逆に1
モル%未満の量であると低温特性、難燃剤充填性、燃焼
性等の特性が劣るのでいずれも好ましくない。
上記エチレン−α,β−不飽和カルボン酸エステル共重
合体として、種々のMFR〔メルトフローレート JISK676
0(190℃、2160g)〕値のものを用いることができる
が、加工性、強度、低温特性などの諸性質を考慮する
と、一般にはMFRが0.1〜200dg/分、好ましくは0.1〜20d
g/分程度のものを用いるのが好ましい。
本発明の(B)成分として使用されるエチレン単独重合
体もしくはエチレンを主成分とするエチレン・α−オレ
フィン共重合体としては、耐熱性の点から、密度が0.89
g/cm3を越えるもので例えば0.97g/cm3以下のもの、とく
に低温特性や難燃剤充填性を考慮すると好ましくは密度
が0.895〜0.94g/cm3のもの、一層好ましくは密度が0.90
〜0.93g/cm3のものが用いられる。前記共重合体のα−
オレフィン成分としてはプロピレン、ブテン−1、ヘキ
セン−1、4−メチル−1−ペンテン、オクテン−1、
デセン−1などの炭素数3〜18好ましくは炭素数4〜10
のα−オレフィンを例示することができる。
このような重合体もしくは共重合体は、高圧法もしくは
中低圧法、例えば遷移金属化合物を含む触媒(いわゆる
チーグラー法)、アルミナまたはシリカーアルミナに担
持させた酸化クロム触媒(フィリップス法)、アルミナ
に担持させた酸化モリブデン触媒(スタンダード法)な
どの存在下、液相、気相または塊状で製造される。これ
らの中では、中低圧法で製造されたエチレン単独重合体
またはエチレン・α−オレフィン共重合体の使用が、耐
熱性の点からみて好ましい。これら(B)成分として種
々の分子量のものを用いることができるが、加工性、強
度、低温特性などのバランスを考慮すると、エチレン単
独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体のMF
Rは、0.1〜20dg/分、とくに0.5〜10dg/分であることが
好ましい。そしてこれら(B)成分の中では、エチレン
と炭素数5〜10のα−オレフィンとの共重合体で、引張
強度が20MPa以上、伸び率500%以上の機械物性を有する
重合体が最も好適である。
本発明の(C)成分として使用するエチレン−α−オレ
フィン共重合体は、密度が0.89g/cm3以下、例えば0.85
〜0.89g/cm3引張強度(後記する試験方法により測定)
が10MPa以上、好ましくは20MPa以上の低結晶性あるいは
非晶性の共重合体である。ここにα−オレフィン成分と
してはプロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセ
ン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1、デセ
ン−1などの炭素数3〜14のα−オレフィンを例示でき
る。かかる共重合体中には、少量のポリエン成分を含ん
でいてもよく、例えばジシクロペタジエン、1,4−ヘキ
サジエン、1,5−シクロオクタジエン、5−メチレン−
2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネ
ン、5−ビニル−2−ノルボルネンのような非共役ジエ
ンなどを含んでいてもよい。
より具体的には前記共重合体としてエチレン−プロピレ
ン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン
−プロピレン−非共役ジエンなどの三元あるいは多元共
重合体、エチレン−ブテン−1−非共役ジエンなどの多
元共重合体などを挙げることができる。最も好ましい共
重合体は、伸び率が500%以上ある優れた機械物性を有
する共重合体、例えばエチレン−ブテン−1共重合体が
挙げられる。
これらの共重合体中に含有される各モノマー単位の量
は、1−オレフィン部分において、エチレン単位/α−
オレフィン単位が、50/50〜90/10好ましくは70/30〜85/
15(モル比)の割合であり、1−オレフィン(エチレン
+α−オレフィン)単位/非共役ジエン単位(三元ある
いは多元共重合体の場合)が通常98/2〜90/10、好まし
くは97/3〜94/6(モル比)の割合である。
かかる共重合体は、例えば三塩化バナジウム、四塩化バ
ナジウムによって代表されるバナジウム化合物、ジルコ
ニウム化合物あるいはマグネシウム化合物に担持された
チタン化合物のような遷移金属化合物成分と、有機アル
ミニウム化合物との複合触媒などを用いて、各単量体を
共重合させることによって得られ、密度が0.89g/cm3
下でありかつ低結晶性あるいは非結晶性(比容法による
結晶化度が30〜0%、好ましくは25〜5%)のものであ
る。この共重合体のMFRは0.1〜30dg/分の範囲にあるこ
とが好ましい。密度が0.89g/cm3より高いと、低温特
性、発煙性が低下するので好ましくない。
本発明においては、上記(A)(B)(C)以外のオレ
フィン系重合体を用いてもよい。かかるオレフィン系重
合体としては、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−
1、4−メチルペンテン−1等の炭素数3以上のα−オ
レフィンの単独重合体もしくは相互共重合体、あるいは
これら炭素数3以上のα−オレフィンを主成分とするエ
チレンとの共重合体を使用することができる。他のオレ
フィン系重合体の例としてポリイソブチレン、スチレン
−ブタジェンブロック共重合体水素添加物、スチレン−
イソプレンブロック共重合体水素添加物などを挙げるこ
とができる。さらに他の例として、エチレンと、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエス
テルとの共重合体を例示できる。かかる共重合体におい
ては、カルボン酸ビニルエステルの共重合体が25モル%
以下とくに10モル%以下であることが好ましく、そのMF
Rは0.1〜300dg/分の範囲にあることが好ましい。
本発明においては上記(A)、(B)、(C)、(D)
の一部もしくは全部が不飽和カルボン酸もしくはその誘
導体でグラフト変性されている。グラフト変性に用いら
れる不飽和カルボン酸もしくはその誘導体として好適な
ものとして、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、
フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、ナジック酸のよう
なカルボン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水
ナジック酸のようなカルボン酸無水物、アクリル酸グリ
シジル、メタクリル酸グリシジルのようなカルボン酸グ
リシジルエステルなどを例示することができる。この変
性剤のグラフト割合は、(A)、(B)、(C)、
(D)成分100重量部あたり、0.01〜1重量部、好まし
くは0.02〜0.3重量部である。一般には、(A)、
(B)、(C)、(D)のいずれか一成分の一部または
全部のグラフト変性物を用いるのが経済的に有利であ
る。この場合、幹ポリマー当たり、あまり多量の変性剤
をグラフトすると、変性物に未反応変性剤が残存し易く
なり、重合体組成物から成形品を製造する段階で、未反
応変性剤が昇華、逸散するなどして、得られる成形品に
黄変等の外観不良などのトラブルが生じ易くなる。した
がってグラフト変性に供される幹ポリマー100重量部当
り、変性剤のグラフト量が0.01〜5重量部、好ましくは
0.2〜5重量部に調節するようにするのが好ましい。ま
たグラフト変性物としては、MFRが0.1〜100dg/分の範囲
のものを用いることが好ましい。このグラフト変性物の
グラフト割合が、組成物中少なすぎると耐擦傷性が劣る
ので好ましくない。
なお、グラフト化反応は、溶液法、溶融法等公知の方法
で行なうことが可能である。例えば第3ブチルパーオク
トエートなどの有機過酸化物の存在下で、押出機中約12
0〜250℃で混練することによって行われる。
グラフト変性物としては、(C)成分のグラフト変性物
を用いるのが最も好ましい。
(A)、(B)、(C)、(D)成分の相互割合は、こ
れらの100重量部当り (A)成分:15〜77重量部、好ましくは30〜70重量部、 (B)成分:10〜50重量部、好ましくは10〜35重量部、 (C)成分:13〜70重量部、好ましくは20〜45重量部、 (D)成分:0〜20重量部、好ましくは0〜10重量部であ
る。
また(A)、(B)、(C)、(D)成分100重量部あ
たり、グラフト変性物の割合は、例えば1〜50重量部、
とくには3〜20重量部であってもよい。さらにこれら
(A)、(B)、(C)、(D)の組成物全体としての
MFRは好ましくは0.1〜20dg/分、とくに好ましくは1〜1
0dg/分である。
(A)成分の配合割合が上記範囲より少ない場合には、
組成物の低温特性、難燃剤充填性などが劣り、また難燃
剤を配合した場合の難燃性等が劣るので好ましくない。
さらに、配合割合が上記範囲より多いと強度、耐擦傷性
の点で劣るので好ましくない。
次に(B)成分の配合割合が上記範囲より少ないと、組
成物の強度、耐熱変形性、硬度が劣り、また配合割合が
多すぎると、難燃剤充填性、発煙性等が低下するので好
ましくない。
(C)成分の配合割合が上記範囲より少ないと、低温特
性、発煙性等が低下し、またその量が多すぎると、耐熱
変形性、燃焼性が低下するのでそれぞれ好ましくない。
またグラフト成分の量が少ない場合には、耐擦傷性、耐
酸性、屈曲白化性が低下するので好ましくなく、またそ
の量が大すぎると、加工性が低下するので好ましくな
い。
本発明の(E)成分として使用する難燃剤はすでに広く
知られているものであり、ハロゲン系難燃剤のような有
機系難燃剤あるいは無機系難燃剤が用いられうる。とく
に無機系難燃剤の使用が好ましい。本発明においては、
このような難燃剤を配合することによって、既述の優れ
た難燃特性を示す組成物を得ることができる。無機難燃
剤としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウ
ム、塩基性炭酸マグネシウム、ドロマイト、ハイドロタ
ルサイト、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、酸化ス
ズの水和物、硼砂等の硼酸金属化合物の水和物、ホウ酸
亜鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、炭酸亜
鉛、炭酸マグネシウム−カルシウム、炭酸カルシウム、
炭酸バリウム、酸化マグネシウム、酸化モリブデン、酸
化シルコニウム、酸化スズ、酸化アンチモン、赤リン等
が挙げられる。この中でも特に、水酸化マグネシウム、
水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト等が好まし
い。その平均粒径は、20μm以下、好ましくは5μm以
下である。
これらの無機難燃剤の1種を選択して使用することも可
能であるが、2種以上の無機難燃剤を併用することもで
きる。
また燐酸トリクレジルのような燐系有機難燃剤を併用す
ることも可能である。
また、これらの無機難燃剤は、その表面を高級脂肪酸、
高級アルコール、金属石けん、アニオンまたは非イオン
界面活性剤、有機シラン化合物等の表面処理剤で処理す
ると、樹脂への分散性、加工性、耐擦傷性、耐白化性等
が改良されるので好ましい。
難燃剤成分(E)の使用量は、一般には(A)、
(B)、(C)、(D)の合けい重量100重量部当り、1
0〜300重量部であり、特に無機難燃剤にあっては50〜30
0重量部、とくに50〜200重量部の範囲が好ましい。
本発明においては、その目的を損なわない範囲において
各種添加剤をさらに配合することができる。かかる添加
剤として酸化防止剤、耐熱安定剤、老化防止剤、紫外線
吸収剤、顔料、染料、他の無機充填剤などを配合するこ
とができる。かかる添加剤の1例としてカーボンブラッ
ク(F)を例示することができる。(F)成分のカーボ
ンブラックは、公知の各種のカーボンブラックを使用す
ることができる。例えばファーネス法、SAF、FEF等が挙
げられる。
カーボンブラックを配合する場合は、(A)、(B)、
(C)、(D)の合計重量100重量部当り、10重量部ま
での量とするのが望ましい。10重量部を越すと強度が低
下し、脆くなる傾向が出てくるため好ましくない。
カーボンブラックの配合は、カーボンブラックを(A)
〜(D)または(A)〜(E)成分と直接混合する方法
も可能であるが、予めカーボンブラックを重合体と混練
させたマスターバッチを製造しておいて、このマスター
バッチを(A)〜(E)成分へ配合する方法でもよい。
本発明の組成物は、前記の必須成分、および任意成分を
溶融混合すればよい。溶融混合するには、各成分を同時
的または逐次的にドタイブレンドまたはメルトブレン
ド、あるいは予め作成してあるマスターバッチを使用し
て、溶融混合してもよい。溶融混合には通常の混練法す
なわち一軸押出機、FCMまたはTCM等の多軸押出機、ロー
ルミル、バンバリーミキサー等を用いることができる。
得られた重合体組成物/難燃性重合体組成物のMFRは、
主として加工性、強度等の点から、それぞれ0.1〜20、
0.05〜5dg/分の範囲にあることが望ましい。
発明の効果 本重合体組成物は、強度、低温特性、耐擦傷性、硬度、
屈曲白化性、その他の物性にすぐれるので、各種成形品
の原料として有用である。特に本発明の重合体組成物
に、(E)成分である難燃剤を加えた難燃性重合体組成
物を電線分野例えばケーブル外被として用いることによ
り、この分野で要求されている他項目且つシビアーま要
求物性をクリヤーすることが可能になった。その結果、
従来このような厳しい要求物性を満足することは困難と
されていた分野で、本発明の難燃性組成物を用いること
により、商品化を達成することが可能となる見込がたっ
たことは、工業的に極めて重要であり、特筆すべきこと
である。
以下、実施例にもとづいて、本発明の効果を詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実
施例の限定されるものではない。(1)試験および評価
方法 以下の実施例及び比較例において、重合体組成物の物性
を、つぎの試験方法で測定し、評価した。
(1.1)引張強度および伸び 引張強度および伸びは、JIS K 6760に準拠し、厚さ1mm
のプレスシートから、JISK 6301の3号ダンベルで打ち
抜いた試験片を用い、引張試験機(島津オートグラフ)
で引張強度200mm/分の条件で測定した。引張強度10MPa
以上、伸び400%以上を合格とした。
(1.2)硬度 硬度は、JIS K 7215に準拠して測定した。硬度ショアー
D43以上を合格とした。
(1.3)低温脆化温度 低温脆化温度は、厚さ1mmのプレスシートを用いJIS K 6
760に規定される方法で測定した。低温脆化温度−35℃
以下を合格とした。
(1.4)酸素指数 酸素指数は、JIS K 7210に準拠して測定した。酸素指数
の決定は、燃焼長さ50mm以上または燃焼時間3分以上の
場合の酸素濃度とした。酸素指数は27以上を合格とし
た。
(1.5)燃焼性 燃焼性は、酸素指数を測定した試片の燃えカスの状態よ
り、以下のような判定基準で良否を判定した。
燃えた後の灰化物が形状保持している場合 −合 格 ○ 燃えた後の灰化物が形状保持していない場合 −不合格 × 燃えた後の灰化物が中間の場合 − △ (1.6)発煙性 発煙性は、厚さ0.5mmのプレスシートを用いASTM E-662
に準拠した、NBS法のNon Flaming法にて測定し、n=5
の平均値で示した。発煙性は、150以下を合格とした。
(1.7)屈曲白化性 屈曲白化性は、厚さ3mmのプレスシートから、1.5cm×10
cmに切り出した試片を、180°折り曲げ、折り曲げ部分
の白化の程度を肉眼で観察し、良否を判断した。
(1.8)耐擦傷性 耐擦傷性は、厚さ3mmのプレスシートの表面を、鉛筆硬
度2Hの鉛筆で引っかき、表面に付く傷の程度で良否を判
定した。
(1.9)耐酸性 耐酸性は、つぎのようにして測定した。厚さ1mmのプレ
スシートから、50×70×1mmの試片を切り出し、充分乾
燥して、初期重量(W0)を測定する。この試片をpH2の
塩酸水溶液中に6時間浸漬した後取り出し、充分乾燥し
て重量(W1)を測定する。重量減少率を下式で求めた。
耐酸性は、重量減少率0.5%以下を合格とした。
(1.10)加工性 加工性は30m/m押出機(池貝鉄工製、L/D=22)を用い、
温度180℃、スクリュー回転数50min-1における、モータ
負荷(A)を調べた。モータ負荷が小さい程、加工性が
良いことを表わす。モータ負荷(A)9.5A(アンペア)
以下を合格とした。
(2)使用した共重合体および無機難燃剤 (2.1)A成分 A成分としては、A−1〜A−4の4種類の共重合体及
びA−5の酸変性重合体を使用した。各共重合体の組成
および物性を表1および表2に示す。
(2.2)B成分 B成分としては、B−1〜B−3の3種類の共重合体お
よびB−4の酸変性重合体を使用した。各共重合体の組
成および物性を表1および表2に示す。
(2.3)C成分としては、共重合体C−1(比容法によ
る結晶化度15%、引張強度30MPa)およびC−2の酸変
性重合体を使用した。それぞれの組成および物性を表1
および表2に示す。
(2.4)D成分として、酸変性体D−1およびD−2を
使用した。その組成および物性を表2に示す。
(2.5)E成分 E成分としては、協和化学(株)製キスマー5A水酸化マ
グネシウム、平均粒径1μm(E−1)を使用した。
(2.6)F成分 F成分としては、ファーネス法、カーボンブラック、平
均粒径30μmを使用した。
B−4とC−2は、幹ポリマー100重量部に無水マレイ
ン酸0.55重量部および有機過酸化物(銘柄名:ルパゾー
ル101 2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン)0.2
重量部とともに40mm系押出機で温度250℃にて溶融反応
させて押出し、無水マレイン酸グラフト量0.50重量%の
変性オレフィン系重合体を得た。またA−5およびD−
1は、各幹ポリマー100重量部に無水マレイン酸1重量
部および有機過酸化物(銘柄名:ルパゾール130、2,5−
ジメチル−2.5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシ
ン−3)の0.2重量部を用い同様な反応で無水マレイン
酸グラフト量0.95重量%の変性オレフィン系重合体を得
た。また、D−2は幹ポリマー100重量部に無水マレイ
ン酸1.0重量部および有機過酸化物(銘柄名:ルパゾー
ル130)0.2重量部を用い、温度300℃にて溶融反応させ
て押出し、無水マレイン酸グラフト量0.95重量%の変性
剤オレフィン系重合体を得た。
(3)実施例1〜15および比較例1〜11 150℃にセットされた6インチの2本ロールを用いて、
表1に示した各成分を均一に混練し、ロールでシート状
の延ばした後、シートカッターでペレットにした。加工
性以外の物性測定は、このペレットを用いて、所定厚み
のプレスシートを作成し、このシートで各試験を行っ
た。結果を表3〜4に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 51/06 LLE

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)α,β−不飽和カルボン酸エステル
    含量が1〜12モル%のエチレン−α,β−不飽和カルボ
    ン酸エステル共重合体15〜77重量部 (B)密度が0.89g/cm3を越えるエチレン単独重合体も
    しくはエチレン−α−オレフィン共重合体10〜50重量部 (C)密度が0.89g/cm3以下、引張強度が10MPa以上のエ
    チレン−α−オレフィン共重合体13〜70重量部 (D)上記以外のオレフィン系重合体0〜20重量部(合
    計100重量部)からなり、上記(A)、(B)、(C)
    および(D)の少なくとも一成分の一部または全部が、
    不飽和カルボン酸もしくはその誘導体でグラフト変性さ
    れており、かつ該変性剤のグラフト割合が0.01〜1重量
    部である重合体組成物。
  2. 【請求項2】(A)α,β−不飽和カルボン酸エステル
    含量が1〜12モル%のエチレン−α,β−不飽和カルボ
    ン酸エステル共重合体15〜77重量部 (B)密度が0.89g/cm3を越えるエチレン単独重合体も
    しくはエチレン−α−オレフィン共重合体10〜50重量部 (C)密度が0.89g/cm3以下、引張強度が10MPa以上のエ
    チレン−α−オレフィン共重合体13〜70重量部 (D)上記以外のオレフィン系重合体0〜20重量部(合
    計100重量部)からなり、上記(A)、(B)、
    (C)、(D)の少なくとも一成分の一部または全部
    が、不飽和カルボン酸もしくはその誘導体でグラフト変
    性されており、かつ該変性剤のグラフト割合が0.01〜1
    重量部である重合体成分100重量部に対し、 (E)難燃性成分を10〜300重量部の割合で配合してな
    る難燃性重合体組成物。
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