JPH0711911B2 - テープカセット - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、音楽や映像等の情報が記録／再生可能なテー
プを収納するテープカセットに関するものである。

従来の技術 従来のテープカセットとしては、例えば第５図に示すコ
ンパクト・カセットがある。このコンパクト・カセット
は、カセットシェルに磁気ヘッドを挿入する磁気ヘッド
挿入窓およびピンチローラを挿入するピンチローラ挿入
窓等からテープがカセットシェルより露出する構成とな
っている。

また、非使用状態ではピンチローラや磁気ヘッド挿入窓
を遮蔽しているシャッタを有したテープカセット、例え
ばビデオ・テープカセットやデジタル・オーディオ・テ
ープ（以下「DAT」と呼ぶ。）カセットがあるが、これ
らはいずれも、磁気記録再生装置に装着して開口窓を遮
蔽しているシャッタを回動し、テープを引き出す構造で
ある。

発明が解決しようとする課題 上記したコンパクト・カセットでは、カセットシェルに
磁気ヘッドを挿入する磁気ヘッド挿入窓およびピンチロ
ーラを挿入するピンチローラ挿入窓等からテープが露出
しているので、上記開口窓から塵埃等が侵入してテープ
の記録／再生面に付着したり、手等がテープの記録／再
生面に不測に触れてこれを損傷することがある。

また、ビデオ・テープカセットおよびDATカセットにお
いては、シャッタの閉位置ではテープはシャッタによっ
て遮蔽され塵埃等が侵入する恐れはないが、時機記録再
生装置にテープカセットを装着し、記録／再生するとき
はシャッタを回動してテープを引き出す必要があり、引
き出されて露出したテープの記録／再生面に塵埃等が付
着する。

また、シャッタを回動する過程およびシャッタの開位置
ではテープカセットが占める容積が大きくなってしま
い、機器の小型化の障害となる等の問題点があった。

本発明は、このような従来の問題点を解決するものであ
り、従来のコンパクト・カセットと寸法および形状面で
互換性があり、塵埃等の侵入を防止し、高い信頼性の要
求されるデジタル記録／再生に適し、かつ、機器の小型
化に貢献できるテープカセットを提供することを技術的
課題としている。

課題を解決するための手段 上記課題を解決するため、本発明のテープカセットは、
テープを収納するテープ収納部と、テープを巻取るため
のリールを挿入する一対のリール挿入穴とテープ収納部
と略々同じ厚さの窓部とこの窓部に磁気ヘッドおよびピ
ンチローラの挿入窓とを有するカセットシェルと、挿入
窓を摺動自在に開閉し前記カセットシェルに設けた案内
溝に沿って案内され、常時は閉じる方向へ付勢された断
面コ字状のシャッタと、シャッタの一側面に隣接し、カ
セットシェルの前側面に設けた係合部とより構成し、係
合部のテープ走行方向の中心の位置が、一対のリール挿
入穴間の中心よりテープ走行方向へ34mmかまたはこれを
越えるよう構成している。

作用 上記のように構成したテープカセットによれば、テープ
収納部と窓部の厚さが略々同一であり、窓部に設けた挿
入窓を摺動自在なシャッタで開閉し、このシャッタに隣
接した係合部を一対のリール挿入穴間の中心より34mm以
上離れた位置に設けているため、 このテープカセットを記録再生装置に装着した場合、装
置側に設けたシャッタ開閉手段が係合部に係合してシャ
ッタをテープ走行方向に摺動させて開く。

実施例 以下、本発明のテープカセットの一実施例を図面を用い
て説明する。

第１図は本発明の一実施例のテープカセットを上方より
見た斜視図、第２図は第１図のテープカセットのシャッ
タを開いたときの斜視図、第３図は第２図のテープカセ
ットを裏面より見た平面図、第４図は第１図のシャッタ
を裏面上方より見た斜視図、第５図は従来のコンパクト
・カセットを上方より見た斜視図、第６図は本発明の一
実施例のテープカセットを磁気記録再生装置のホルダに
装着開始したときの正面図、第７図は第６図のホルダを
説明する詳細斜視図、第８図は第６図の詳細な説明のた
めの詳細断面図、第９図は本発明の一実施例のテープカ
セットを磁気記録再生装置のホルダに装着終了したとき
の正面図、第10図は第５図の従来のコンパクト・カセッ
トを磁気記録再生装置のホルダに装着開始したときの正
面図、第11図は第10図の詳細な説明のための詳細断面図
である。

まず、本発明のテープカセットを説明する前に現在市販
されているコンパクト・カセットの形状および寸法につ
いて概略説明する。

第５図において、従来のコンパクト・カセット31は、テ
ープ32を収納し、テープ32を巻取るためのリール軸が挿
入される一対のリール挿入穴33を有し、磁気ヘッド挿入
窓34およびピンチローラ挿入窓35よりなる窓部36の寸法
Ａがテープ収納部37の寸法Ｂより厚いカセットシェル38
で構成されている。

また、一対のリール挿入穴33間の寸法Ｃはコンパクトカ
セットの規格によると42.5mmであり、窓部36のテープ走
行方向の両リール挿入穴33間の中心よりの寸法Ｄは、34
mmである。

第１図から第４図において、本発明の一実施例のテープ
カセット１は、テープ２を収納するテープ収納部７と、
テープ２を巻取るためのリール軸が挿入する一対のリー
ル挿入穴３を有し、磁気ヘッド挿入窓４およびピンチロ
ーラ挿入窓５を含む窓部６を有するカセットシェル８
と、これらの窓部６を一対のリール挿入穴３の中心を結
ぶ方向へ摺動自在に開閉し常時は閉じる方向へ付勢され
た断面コ字状のシャッタ９と、シャッタ９に設けたガイ
ド10がカセットシェル８に設けた案内溝11に沿って摺動
可能になっており、常時は付勢手段12により閉じる方向
に付勢されている。また、シャッタ９の端面に位置し、
カセットシェル８の前側面に設けた係合部13とより構成
されている。

ここで、テープ収納部７および窓部６よりなるカセット
シェル８の厚さ寸法Ｅが従来のコンパクト・カセット31
のテープ収納部37の寸法Ｂと同じである。

また、一対のリール挿入穴３間の寸法Ｆはコンパクト・
カセット31の一対のリール挿入穴33間の寸法Ｃと同じに
設定してあり、係合部13のテープ走行方向の中心の位置
の寸法Ｇが、両リール挿入穴３間の中心よりテープ走行
方向へ34mmに設置しており、コンパクト・カセット31の
寸法Ｄと同一である。

第６図および第７図において、ホルダ14はホルダベース
15に取り付けられており、従来のコンパクト・カセット
31および本発明のテープカセット１とを着脱可能に保持
する磁気記録再生装置のホルダを構成している。

コンパクト・カセット31の窓部36を検出する検出レバー
16はホルダ14の下端部の突起14aを回動支点として回動
可能に取り付けられており、その先端部16aは略ク字状
に曲がっており、検出レバー16をコンパクト・カセット
31およびテープカセット１のテープ収納部37,7に略々接
するように付勢手段17により付勢している。なお、スト
ッパ16bはホルダ14に当接し検出レバー1bの位置を保っ
ている。

また、回動レバー18は、検出レバー16の回動支軸16cを
回動支軸として回動自在に設けられ、先端にピン18aを
有し、テープカセット１の挿入動作と連動してシャッタ
９を開くよう配置されており、常時は回動レバー18がテ
ープカセット１を排出する方向へ付勢手段19により付勢
しており、付勢手段19の一端は検出レバー16の突起16d
に係合し他端は回動レバー18の突起18bに係合してお
り、回動レバー18は検出レバー16に設けたストッパ16e
により所定の位置に係止している。

ここで、ホルダベース15の両端には軸15aが設けられて
おり、基板20の両端に設けられた軸受20aにより回動可
能であって、ホルダベース15には磁気ヘッド21、ピンチ
ローラ22が移動可能に取り付けられている。

以上のように構成されたホルダに本実施例のテープカセ
ットが装着された場合についてその動作を説明する。

第６図，第７図および第８図ににおいて、回動レバー18
の先端のピン18aがテープカセット１のシャッタ９の近
傍にある係合部13に案内され、テープカセット１の挿入
動作により回動レバー18が回動するとともに、付勢手段
19により排出方向に付勢されているので、ピン18aはテ
ープカセット１のピンローラ挿入窓５の形状に案内され
てシャッタ９を開く方向に摺動させる。

第９図のようにテープカセット１を装着終了したときに
は、シャッタ９の開位置にあり磁気ヘッド21およびピン
チローラ22は挿入可能となっている。

第10図は従来のコンパクト・カセット31を装着開始した
状態を示しており、シャッタ９を開く回動レバー18の先
端のピン18aを案内するためのカセットシェル３の係合
部13のテープ走行方向の中心の位置の寸法Ｇが、両リー
ル挿入穴３間の中心よりテープ走行方向へ34mmかまたは
越える構成にしているので、回動レバー18の先端のピン
18aはコンパクト・カセット31の窓部36に重複すること
なく近傍（この例では右端）に位置し、第11図に示すよ
うに、その近傍にある検出レバー16の先端部16aがコン
パクト・カセット31の窓部６に乗り上げ、検出レバー16
は矢印Ｆの方向に回動し、回動レバー18を回動させ、ピ
ン18aを非動作位置に移動させる。当然ながら、ピン18a
のテープカセットとの係合長さはコンパクト・カセット
31の窓部６の高さより短く設定してある。

以上のように、本実施例によるテープカセットによれ
ば、従来のコンパクト・カセットと寸法，形状で互換性
を持たせているので、ことテープカセットを装着する磁
気記録再生装置に従来のコンパクト・カセットを装着し
ても、シャッタを開閉するシャッタ開閉機構が邪魔にな
らないで装着が可能である。

発明の効果 以上のように、本発明のテープカセットは従来のコンパ
クト・カセットと寸法および形状面で互換性があり、か
つ、磁気ヘッドおよびピンチローラを挿入する開口窓を
開閉し常時は閉じる方向へ付勢されたシャッタを有して
いるので、塵埃等の侵入を防止し高い信頼性の要求され
るデジタル記録／再生に適している。

また、シャッタはテープ走行方向に摺動する構成である
ので、シャッタの開閉動作でテープカセットの容積が大
きくなることもなく、機器の小型化にも貢献できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例のテープカセットを上方より
見た斜視図、第２図は第１図のテープカセットのシャッ
タを開いたときの斜視図、第３図は第２図のテープカセ
ットを裏面より見た裏面図、第４図は第１図のシャッタ
を裏面上方より見た斜視図、第５図は従来のコンパクト
・カセットを上方より見た斜視図、第６図は本発明の一
実施例のテープカセットを磁気記録再生装置のホルダに
装着開始したときの正面図、第７図は第６図のホルダを
説明する詳細斜視図、第８図は第６図の詳細な説明のた
めの詳細断面図、第９図は本発明の一実施例のテープカ
セットを磁気記録再生装置のホルダに装着終了したとき
の正面図、第10図は第５図の従来のコンパクト・カセッ
トを磁気記録再生装置のホルダに装着開始したときの正
面図、第11図は第10図の詳細な説明のための詳細断面図
である。 １……テープカセット、3,33……カセットシェル、4,34
……ヘッド挿入窓、5,35……ピンチローラ挿入窓、6,36
……窓部、7,37……テープ収納部、９……シャッタ、13
……係合部、14……ホルダ、16……検出レバー、16a…
…先端部、18……回動レバー、18a……ピン、19……付
勢手段、21……磁気ヘッド、22……ピンチローラ、31…
…コンパクト・カセット。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】テープを収納するテープ収納部と、前記テ
   ープを巻取るためのリールを挿入する一対のリール挿入
   穴と、前記テープ収納部と略々同じ厚さの窓部と、前記
   窓部に磁気ヘッドおよびピンチローラの挿入窓とを有す
   るカセットシェルと、 前記挿入窓を摺動自在に開閉し前記カセットシェルに設
   けた案内溝に沿って案内され、常時は閉じる方向へ付勢
   された断面コ字状のシャッタと、 前記シャッタの一側面に隣接し、前記カセットシェルの
   前側面に設けた係合部とよりなり、 前記係合部のテープ走行方向の中心の位置が、一対のリ
   ール挿入穴間の中心よりテープ走行方向へ34mmかまたは
   これを越えることを特徴とするテープカセット。