JPH07116551B2 - 浸炭用鋼 - Google Patents

浸炭用鋼

Info

Publication number
JPH07116551B2
JPH07116551B2 JP61019011A JP1901186A JPH07116551B2 JP H07116551 B2 JPH07116551 B2 JP H07116551B2 JP 61019011 A JP61019011 A JP 61019011A JP 1901186 A JP1901186 A JP 1901186A JP H07116551 B2 JPH07116551 B2 JP H07116551B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carburizing
less
steel
test
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP61019011A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS62177151A (ja
Inventor
邦夫 並木
憲二 礒川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daido Steel Co Ltd filed Critical Daido Steel Co Ltd
Priority to JP61019011A priority Critical patent/JPH07116551B2/ja
Publication of JPS62177151A publication Critical patent/JPS62177151A/ja
Publication of JPH07116551B2 publication Critical patent/JPH07116551B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)
  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、浸炭処理すると、バルブリフターなどの部品
に必要な耐摩耗性、耐ピッチング性を得ることができる
浸炭用鋼に関する。
(従来の技術及び問題点) 高面圧の下で摺動、接触する部品、例えば内燃機関のバ
ルブリフターは、第1図に示すように、バルブ2の軸部
先端にスプリング3を介して取り付けられ、高速回転し
ているカム4によってバルブ2を往復動するものである
が、このバルブリフター1の冠面部は約100kgf/mm2の面
圧下でカム4と摺動、接触する厳しい条件下にさらされ
る。
従来、この種の部品に供されている材料としては、汎用
の浸炭用鋼SCM415などを素材とし、これにガス浸炭処理
を施して使用されていた。しかし、この浸炭用鋼を素材
として製作された部品は、摩耗、スカッフ(かじり)、
ピッチングなどの発生が多く、部品に必要とする寿命が
十分に得られず、部品交換の頻度が高いという問題があ
った。
この問題を解決ため、バルブリフターの場合、その冠面
部に硬質材を溶射或いは貼付する方法も検討されている
が、技術的に問題があるし、またコスト的にメリットが
ないという欠点があった。
(発明の目的) 本発明は、上記従来の欠点を解消し、加工性が良好で、
かつ、浸炭処理することによって耐摩耗性、耐ピッチン
グ性、或いは耐焼付性などが優れたものとなる浸炭溶鋼
を提供することを目的とするものである。
(発明の構成) 上記目的を達成するため、本発明者らは、部品素材の表
面に硬質材溶射或いは貼付する方法を採用せず、従来の
浸炭用鋼の場合と同様、浸炭処理のみで表面部の硬さを
顕著に向上し得る鋼の開発を研究したところ、特定組成
の鋼を浸炭処理することによりHv850程度以上の硬質炭
化物を析出させると、主に耐ピッチング性を顕著に向上
させることが可能であることを見い出した。また、当該
部品の加工は切削加工から冷間鍛造による加工が主体に
なりつつある状況に鑑み、冷鍛性更には被削性の改善を
図り得る鋼の研究を重ね、ここに本発明をなしたもので
ある。
すなわち、本発明の浸炭用鋼は、C:0.10%〜0.30%未
満、Si:0.50%以下、Mn:1.50%以下、Cr:2.5%超〜8.0
%、Mo:0.30%超〜0.80%、を含む組成を基本とし、必
要に応じて、特にS、Oを更に低減し、或いはPbを適正
量添加し、残部がFe及び不可避的不純物からなることを
特徴とするものである。
以下に本発明の浸炭用鋼の成分の限定理由を説明する。
Cは、芯部強度を確保し、更に浸炭時にCrと硬質炭化物
を析出させるために必要な元素で、それらのためには0.
10%以上含有させる必要がある。しかし、0.30%未満を
最大とする量で十分であり、特に冷鍛性を阻害しないよ
うにするには0.20%を上限とする。
Siは、脱酸剤として必要な元素であるが、0.5%を超え
て多量に添加すると靱性が低下するので、上限を0.50%
とする。また、冷鍛性を向上させたい場合には、0.15%
以下にする必要がある。
Mnは、焼入性を高めるために必要な元素であるが、焼入
性は1.5%以下で十分得られるので、上限を1.5%とす
る。また、冷鍛性を向上させたい場合には、0.80%以下
にする必要がある。
Crは、浸炭時にセメンタイト及びM3CやM7C3型の炭化物
(但し、M:Cr又はFe)を形成させるのに必要な元素であ
り、特に硬質炭化物のM7C3を十分析出させるために最低
2.5%を超えて添加する必要がある。しかし、多過ぎる
と、炭化物量が増大し、靱性が低下するので、8.0%を
上限とする。
Moは、上記析出炭化物量が増加した場合、基地のCrが炭
化物の形成に消費されるために炭化物近傍の焼入性が低
下するので、これを補完するために添加する元素であ
る。焼入性を補完するためには0.30%を超えて添加する
必要がある。しかし、0.80%を超えて添加してもその効
果は飽和するので、0.80%を上限とする。
S及びOは、冷鍛性を阻害する元素であり、特にOはAl
2O3などの酸化物系介在物を形成し、SはMnSを形成する
ので、冷鍛性を確保する必要があるときは、Oは0.0015
%以下に規制し、Sは0.015%以下、好ましくは0.005%
以下に規制する。
Pbは、被削性の向上に有効な元素であるので、被削性を
要求される場合に0.03%以上を添加する。しかし、0.10
%を超えると耐ピッチング性が劣化するので、0.10%を
上限とする。
上記組成の浸炭用鋼は、浸炭処理することにより表面部
に硬質炭化物(M3C、M7C3の1種又は2種)を析出さ
せ、その硬度を上昇して使用するものであるが、そのた
めの浸炭条件としてのCポテンシャル、すなわち浸炭時
の雰囲気のC濃度を1.3%以上にする必要がある。従来
の浸炭用鋼に対する浸炭時のCポテンシャルは通常0.8
〜0.9%であるが、本発明の浸炭用鋼は、特にCr添加量
を多くすることによって硬質炭化物を析出させ、それに
よって硬度の上昇を図るためのものであるので、Cポテ
ンシャルを1.3%以上とすることが必要である。これに
より表面部の硬さは、組成にもよるが、概ねHv850以上
を確保することができる。なお、他の浸炭処理の条件は
特に制限されないが、浸炭温度は従来よりも若干高い温
度が望ましい。
(実施例) 第1表に示す化学成分(wt%)の各種鋼を溶製し、これ
の被削性及び冷鍛性を調べるために焼入れ、焼なましに
より硬さ調整した後、切削性試験及び冷鍛試験を行っ
た。硬さは第2表に示すとおりである。
なお、被削性は、工具SKH9を用いて穴深さ20mm、切削油
なし、切削速度50m/minの条件でドリル加工を行い、切
削し得た穴個数、すなわち切削長さ(mm)を工具寿命と
して評価した。また冷鍛性は、冷間鍛造によってバルブ
リフターを製造したときの割れ発生の有無により判定し
た。それらの結果を第2表に示す。
第2表より、本発明鋼(1)及び(2)の被削性は比較
鋼に比べて若干劣るが、本発明鋼(3)は比較鋼とほぼ
同等の被削性を示しており、また本発明鋼(2)及び
(3)は冷鍛割れが皆無であり、特に本発明鋼(3)は
被削性と冷鍛性を兼備していることがわかる。なお、本
発明鋼(1)は従来鋼と同程度の冷鍛性を示した。
次に、上記各鋼に対して第3表に示す浸炭条件にて浸炭
処理を施し、ローラピッチング試験、耐焼付試験を行う
と共にエンジン組込テストを行った。
なお、ローラピッチング試験は、第2図に示す形状、寸
法(mm)の試験片で第3表に示す表面硬さのものを第3
図に示す如く回転している大ローラー5に接触させ、面
圧150kgf/mm2(同図中、太矢印)、回転数1500rpm、す
べりが−40%(すなわち、大ローラーに対して周速比)
の試験条件にて小ローラー(試験片)6を回転させ、B
50寿命(回)を調べた。その結果は第3表に示すとおり
であり、本発明鋼はいずれも従来鋼より耐ピッチング性
が向上していることが明らかである。なお、試験はピッ
チングが発生しない場合には、108回で終了させた。
また、耐焼付試験はファビリー式摩耗試験機を使用して
実施した。具体的には、第4図に示すように、第3表に
示す表面硬さを有するVブロックを試験片7として用
い、6.5φ×40l(mm)のピン(回転体)8をカムと想定
してチル鋳物(Hv600)で製造した後、ピン8を回転駆
動体9に取付けて300rpmで回転させ、一対のVブロック
を両側よりピン8を締め付ける態様(図中、太矢印)で
徐々に荷重を増加させ、焼付の起こる荷重を焼付荷重と
して耐焼付性を評価した。なお、Vブロックは第5図に
示す断面形状、寸法(mm)のものを用いた。この試験の
結果は第3表に示すとおりであり、本発明鋼はいずれも
比較鋼よりも約倍近くもの焼付発生荷重を示し、耐焼付
性の向上が顕著である。
さらに、バルブリフターを製作して6気筒、4バルブエ
ンジンに組込んでテストし、従来鋼を用いた場合の寿命
を1とした時の相対寿命を調べた結果、第3表に示すと
おり、本発明鋼の寿命は大幅に延長されることがわかっ
た。
(本発明の効果) 以上詳述したように、本発明の浸炭用鋼は、浸炭処理す
ることによって表面部に硬質炭化物を析出し、これによ
り耐摩耗性、耐ピッチング性が優れたものとなるので、
耐摩耗性、耐ピッチング性の優れた部品を製造するため
に使用することができる。また、本発明の浸炭用鋼は、
従来法のように硬質材を被覆する必要もなく浸炭のみで
上記特性を確保でき、また冷鍛性や被削性も優れている
ものもあるので、本発明の浸炭用鋼を使用することによ
り耐摩耗性、耐ピッチング性部品を安価に製造すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、バルブリフター及びその使用状況を示す説明
図、第2図はローラーピッチング試験の試験片の形状、
寸法を示す図、第3図はローラーピッチング試験を説明
する図、第4図は耐焼付試験を説明する図で、第5図は
その試験に用いる試験片(Vブロック)の断面形状、寸
法を示す図である。 1……バルブリフター、2……バルブ、3……スプリン
グ、 4……カム、5……大ローラー、6……小ローラー(試
験片) 7……Vブロック(試験片)、8……回転棒(ピン)、 9……回転駆動体。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量割合で(以下、同じ)、C:0.10%〜0.
    30%未満、Si:0.50%以下、Mn:1.50%以下、Cr:2.5%超
    〜8.0%、Mo:0.30%超〜0.80%、残部がFe及び不可避的
    不純物からなることを特徴とする浸炭用鋼。
  2. 【請求項2】C:0.10〜0.20%、Si:0.15%以下、Mn:0.80
    %以下、Cr:2.5%超〜8.0%、Mo:0.30%超〜0.80%を含
    み、S:0.015%以下、O:0.0015%以下、残部がFe及び不
    可避的不純物からなることを特徴とする冷鍛性の優れた
    浸炭用鋼。
  3. 【請求項3】C:0.10〜0.20%、Si:0.15%以下、Mn:0.80
    %以下、Cr:2.5%超〜8.0%、Mo:0.30%超〜0.80%、P
    b:0.03〜0.10%、S:0.005%以下、O:0.0015%以下、残
    部がFe及び不可避的不純物からなることを特徴とする冷
    鍛性及び被削性の優れた浸炭用鋼。
JP61019011A 1986-01-30 1986-01-30 浸炭用鋼 Expired - Lifetime JPH07116551B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61019011A JPH07116551B2 (ja) 1986-01-30 1986-01-30 浸炭用鋼

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61019011A JPH07116551B2 (ja) 1986-01-30 1986-01-30 浸炭用鋼

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS62177151A JPS62177151A (ja) 1987-08-04
JPH07116551B2 true JPH07116551B2 (ja) 1995-12-13

Family

ID=11987558

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP61019011A Expired - Lifetime JPH07116551B2 (ja) 1986-01-30 1986-01-30 浸炭用鋼

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07116551B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01160103U (ja) * 1988-04-27 1989-11-07
JP6146381B2 (ja) * 2014-07-31 2017-06-14 Jfeスチール株式会社 転動疲労特性に優れた軸受用肌焼鋼およびその製造方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE2425812A1 (de) * 1974-05-28 1975-12-18 Bayer Ag Sulfogruppenhaltige monoazofarbstoffe
JPS54133418A (en) * 1978-04-07 1979-10-17 Nippon Steel Corp Case hardening steel without producing abnormal carburized structure
DE2829652A1 (de) * 1978-07-06 1980-01-17 Hoechst Ag Verfahren zur herstellung von n- vinylamid-polymeren
JPS55145155A (en) * 1979-04-25 1980-11-12 Daido Steel Co Ltd Suction valve
JPS60169544A (ja) * 1984-02-14 1985-09-03 Daido Steel Co Ltd 高強度機械構造用部品およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS62177151A (ja) 1987-08-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH10176219A (ja) 高耐面圧用鋼部品およびその製造方法
GB2292389A (en) Rolling bearing
EP1837413A1 (en) Rolling-sliding elements and process for production of the same
JPS62211355A (ja) 耐摩耗性鉄基焼結合金
JPH0431018B2 (ja)
EP0371760B1 (en) High strength high chromium cast iron and valve rocker arm made thereof
US7628870B2 (en) Heat treated valve guide and method of making
JP2001073072A (ja) 耐ピッチング性に優れた浸炭窒化部品
JP2961768B2 (ja) 転がり軸受
US5944920A (en) Piston ring material excellent in workability
EP0657628B1 (en) Slide member
JPH07103451B2 (ja) 耐摩耗性鉄基焼結合金
JPH07116551B2 (ja) 浸炭用鋼
EP0799902A1 (en) Piston ring material excellent in workability
JPS6160861A (ja) 鋼製ピストンリング用材料
JP2003314212A (ja) タペットローラ支持軸受
EP1312694A2 (en) Rolling, sliding part and process for producing same
JP2733773B2 (ja) ロッカアーム
JPH07316754A (ja) 鋳包みカムシャフト用カムロブに使用する合金及びそれを使用したカムロブ
JP2503400B2 (ja) 浸炭部品の製造方法
JP2594505B2 (ja) ロッカアーム
JP4066780B2 (ja) 転がり、すべり接触部品およびその製造方法
WO2022224849A1 (ja) 浸炭窒化処理用鋼材および浸炭窒化鋼材
JPS6367542B2 (ja)
JPH04160135A (ja) 浸炭用鋼