JPH07116364B2 - 表面処理方法 - Google Patents

表面処理方法

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JPH07116364B2
JPH07116364B2 JP62082894A JP8289487A JPH07116364B2 JP H07116364 B2 JPH07116364 B2 JP H07116364B2 JP 62082894 A JP62082894 A JP 62082894A JP 8289487 A JP8289487 A JP 8289487A JP H07116364 B2 JPH07116364 B2 JP H07116364B2
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博 木村
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東芝シリコ−ン株式会社
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の技術分野] 本発明は表面処理方法に関し、さらに詳しくは、各種包
装材料、感熱記録型磁気巻紙及び粘着テープの基材など
として用いられている各種フィルム表面の滑り性を向上
させることができる表面処理方法に関する。
[発明の技術的背景とその問題点] 従来よりポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート及
びポリプロピレンなどのプラスチックからなるフィルム
は、包装材料、磁気記録テープ及び粘着テープなどの基
材として広く用いられている。かかるプラスチックフィ
ルムには、その使用上の要請から用途に応じた適度な滑
り性が要求される。プラスチックフィルムに滑り性を付
与する方法としては、フィルム表面に滑り性を有する被
覆層を形成する方法が行われており、この被覆層を形成
し得る組成物が、種々提案されている。かかる組成物
は、滑り性を付与し得る主成分となる粉末をバインダー
樹脂に分散させたものである。この組成物からなる被覆
層をプラスチック表面に形成して該プラスチック表面を
平滑面ではなく、微細な凹凸のある面にすることによ
り、プラスチックフィルムと他物品との接触面積をより
小さくすることができ、その結果としてフィルムの滑り
性を向上させることができるのである。かかる組成物に
おいて滑り性を付与しうる主成分となる粉末としては、
例えば特開昭57−130234号公報、特開昭58−161135号公
報、特開昭57−53825号公報及び特開昭58−2415号公報
において無機質粉末を用いた例が開示され、さらにこれ
らの多くにはその粒子径を限定したものが開示されてい
る。
しかしながら、これらの無機質粉末を含有するものでは
フィルムに十分な滑り性を付与できないのみならず、こ
れを含む被覆層が他物品と接触し、擦られたときに、こ
れに抗する無機質粉末粒子のバインダー樹脂との結合力
が不十分であることから、無機質粉末がフィルムから欠
落する、いわゆる粉落ち現象を起こし易い。この現象
は、無機質粉末が、一般的にその粒子形状が多種多様で
一定しておらず、その粒子径の分布も広く、その結果表
面の凹凸状態が一定にならないために滑り性が部分的に
異なってしまうことに起因する。したがって、使用時に
おいて、安定した走行性が得られないという問題があ
る。
かかる問題点を解決する方法として、特開昭60−121515
号公報においては、上記の無機質粉末の代わりにベンゾ
グアナミン樹脂粉末を用いた技術が開示されており、無
機質粉末を用いた場合に比べてフィルムの滑り性と製造
時におけるバインダー樹脂との混合の容易さが改善され
たとしている。しかしながら、この方法を適用してもフ
ィルムの滑り性の向上は未だ十分とは言えず、また使用
時における粉落ちの問題も依然として解決されていな
い。
[発明の目的] 本発明は、プラスチックフィルムや紙などの各種フィル
ム表面の滑り性を向上させること、とりわけフィルムの
走向安定性を向上させることができる表面処理方法を提
供することを目的とする。
[発明の構成] 本発明の表面処理方法は、粒子の80%以上が平均粒子径
の±30%の範囲にある真球状ポリメチルシルセスキオキ
サン粉末と熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂からなるバイ
ンダー樹脂を含む、有機溶媒溶液型又はエマルジョン型
の表面処理剤を、表面処理後のバインダー樹脂層の厚さ
が該真球状ポリメチルシルセスキオキサン粉末の粒子径
より小さくなるよう塗布することを特徴とする。
本発明の表面処理方法は、各種フィルム表面に該表面処
理剤を用いて被覆層を形成することにより、フィルムの
滑り性を向上させると共に走行安定性を向上させるもの
である。
本発明で用いる真球状ポリメチルシルセスキオキサン粉
末は、単独で又は他の粉末成分との混合系で粉末成分を
構成するものであり、フィルム表面の滑り性及びその方
向安定性の向上に資する成分である。
かかる真球状ポリメチルシルセスキオキサン粉末は、粒
子の形状が各々独立したほぼ真球状で、粒度分布におい
て80%以上が平均粒子径の±30%の範囲にあるもので、
次のようにして製造される。すなわち、メチルトリアル
コキシシラン及び/又はその部分加水分解縮合物または
メチルトリアルコキシシラン及び/又はその部分加水分
解縮合物と有機溶剤との混合液を上層にし、アンモニア
またはアミンの水溶液及び/又はアンモニアまたはアミ
ンと有機溶剤との混合液を下層にして、これらの界面で
メチルトリアルコキシシラン及び/又はその部分加水分
解縮合物とアルカリ溶液との加水分解・縮合反応を徐々
に行なう。反応が進行するにつれ、球状粒子が生成さ
れ、下層のアルカリ溶液層に移行し、下層は乳白色に変
化する。
この反応における攪拌条件は、攪拌羽根の形状、アルカ
リ溶液の組成などにより変わるが、目的物の真球状かつ
粒度分布の狭い粒子を得るためには、2〜100r.p.m.程
度の速度で行なうことが好ましく、さらに好ましくは5
〜50r.p.m.である。
上記条件により、上層のメチルトリアルコキシシランの
層が消失するまで反応を行ない、さらに攪拌を続ける。
この攪拌の時間および温度は、その製造量等により変わ
るが、1〜10時間程度が妥当で、また必要に応じて約50
℃程度に昇温してもよい。
次いで、ディスパージョンを金網を通して抜き取り、遠
心分離法あるいは遠心過法等により脱水を行ない、得
られたペースト状物を100〜220℃で加熱乾燥後、ジェッ
トミル粉砕機などを用いて解砕を行なうことにより、少
なくとも95%以上のものがほぼ真球状であるポリメチル
シルセスキオキサン粉末を得ることができる。
このようにして得られた真球状ポリメチルシルセスキオ
キサン粉末の粒子径はとくに制限されないが、0.1〜20
μmであることが真球状の粉末を得やすいことから好ま
しく、同様の理由で0.5〜20μmがさらに好ましい。
粉末成分が混合系である場合に用いる他の粉末成分とし
ては、例えば、表面処理剤の構成成分である真球状ポリ
メチルシルセスキオキサン粉末とは粒径の異なるポリメ
チルシルセスキオキサン粉末(真球状である必要はな
い)、ベンゾグアナミン樹脂粉末、テトラフルオロエチ
レン樹脂粉末などの有機系微粉末、カーボンブラック、
酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化クロ
ム、炭化珪素、炭化カルシウム、酸化亜鉛、α−Fe
2O3、タルク、カオリン、硫酸カルシウム、窒化硼素、
弗化亜鉛、二酸化モリブデン、炭酸カルシウムなどの無
機質微粉末を配合することができるが、これらの中でも
分散性がよいことと優れたヒートシール性を付与するこ
とから粒子径の異なる真球状ポリメチルシルセスキオキ
サン粉末が好ましい。かかる他の粉末成分は、その粒子
径が真球状ポリメチルシルセスキオキサン粉末の粒子径
よりも小さいことが必要である。
粉末成分が混合系である場合の真球状ポリメチルシルセ
スキオキサン粉末と他の粉末成分との配合割合は、真球
状ポリメチルシルセスキオキサン粉末100重量部に対し
て、他の粉末成分が50〜100重量部であり、好ましくは1
0〜50重量部である。他の粉末成分の配合割合があまり
少なすぎる場合には、例えば表面処理したフィルムを、
その処理面を介して他のフィルムと接合させて用いる場
合の接合面の密着性が悪く、また、配合割合があまり大
きすぎる場合には、同様に接合させた場合に接着力が低
下するために好ましくない。
本発明で使用する表面処理剤を上記の真球状ポリメチル
シルセスキオキサン粉末からなる粉末成分と共に構成す
るバインダー樹脂としては、熱可塑性樹脂又は熱硬化性
樹脂を用いる。
バインダー樹脂として用いる熱可塑性樹脂としては、軟
化温度が150℃以下、平均分子量が10,000〜200,000、重
合度が約200〜2,000程度のもので、例えばアクリル酸エ
ステル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステ
ル−塩化ビニリデン共重合体、アクリル酸エステル−ス
チレン共重合体、メタクリル酸エステル−アクリロニト
リル共重合体、メタクリル酸エステル−塩化ビニリデン
共重合体、メタクリル酸エステル−スチレン共重合体、
ウレタンエラストマー、ポリ弗化ビニル、塩化ビニリデ
ン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブ
タジエン共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラ
ール、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエステル樹
脂、クロロビニルエーテル−アクリル酸エステル共重合
体、アミノ樹脂、各種の合成ゴム系の熱可塑性樹脂及び
これらの混合物等を挙げることができる。
熱硬化性樹脂又は反応型樹脂としては、塗布液の状態で
は200,000以下の分子量であり、塗布乾燥後には縮合、
付加等の反応により不溶化するものを用いることができ
る。これらの樹脂の中ではそれが熱分解するまでの間に
軟化又は溶融しないものが好ましい。具体的には、例え
ばフェノール樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ポ
リウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アル
キッド樹脂、シリコーン樹脂、アクリル系反応樹脂、塩
化ビニル−酢酸ビニル樹脂、メタクリル酸塩共重合体と
ジイソシアネートプレポリマーの混合物、高分子量ポリ
エステル樹脂とイソシアネートプレポリマーの混合物、
尿素ホルムアルデヒド樹脂、ポリエステルポリオールと
イソシアネートの混合物、ポリカーボネート型ポリウレ
タン、ポリアミド樹脂、低分子量グリコール・高分子量
ジオール・トリフェニルメタントリイソシアネートの混
合物及びこれらの混合物等を挙げることができる。
電子線照射硬化型樹脂としては、不飽和プレポリマー、
例えば無水マレイン酸タイプ、ウレタンアクリルタイ
プ、ポリエステルアクリルタイプ、ポリエーテルアクリ
ルタイプ、ポリウレタンアクリルタイプ、ポリアミドア
クリルタイプ等、または多官能モノマーとして、エーテ
ルアクリルタイプ、ウレタンアクリルタイプ、リン酸エ
ステルアクリルタイプ、アリールタイプ、ハイドロカー
ボンタイプ等を挙げることができる。
本発明で使用する表面処理剤を構成する真球状ポリメチ
ルシルセスキオキサン粉末からなる粉末成分とバインダ
ー樹脂との配合割合は、バインダー樹脂100重量部に対
して、該粉末成分が0.01〜30重量部であり、好ましくは
0.05〜15重量部である。粉末成分の配合割合があまり少
なすぎる場合には、処理後のフィルム表面の滑り性を充
分に満足できるまで向上させることができず、また、あ
まり多すぎる場合にはもはや滑り性の向上が認められな
いばかりか、形成される被覆層の強度が低下してしま
う。
本発明で使用する表面処理剤には、フィルム表面に形成
される被覆層の強度(真球状ポリメチルシルセスキオキ
サン粉末とバインダー樹脂との結合力)をより高め、フ
ィルムの滑り性をさらに向上させるためにも硬化剤を配
合することが好ましい。かかる硬化剤は、フィルムの用
途に応じて適宜選択することができる。また、かかる硬
化剤は、本発明の表面処理剤を粘着テープの粘着成分と
して適用する場合には必要ではない。
本発明で使用する表面処理剤には必要に応じて分散剤、
潤滑剤、帯電防止剤等の添加剤を配合することができ
る。分散剤としては、例えば、レシチン;カプリル酸、
カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノー
ル酸、リノレン酸等の炭素原子数8〜18個の脂肪酸(式
R−COOHで示される脂肪酸。但し、Rは炭素原子数7〜
17個の飽和又は不飽和のアルキル基を表す);上記の脂
肪酸のアルカリ金属(Li、Na、K等)又はアルカリ土類
金属(Mg、Ca、Ba等)からなる金属石鹸等を挙げること
ができる。このほかに炭素原子数12以上の高級アルコー
ル、さらには硫酸エステル等も使用可能である。また、
市販の一般の界面活性剤を使用することもできる。これ
らの分散剤は1種類のみで用いても、あるいは2種類以
上を併用することもできる。潤滑剤としては、例えば、
各種のシリコーンオイル、グラファイト、二硫化モリブ
デン、二硫化タングステン、炭素原子数12〜16の一塩基
性脂肪酸と一価のアルコールからなる炭素原子数が21〜
23個の脂肪酸エステル(ロウ)等を挙げることができ
る。また帯電防止剤としては、例えば、カーボンブラッ
ク、グラファイト、酸化スズ−酸化アンチモン系化合
物、酸化チタン−酸化スズ−酸化アンチモン系化合物な
どの導電性粉末;サボニン等の天然界面活性剤;アルキ
レンオキサイド系,グリセリン系、グリシドール系等の
ノニオン界面活性剤;高級アルキルアミン類、第4級ア
ンモニウム塩類、ピリジンその他の複素環類、ホスホニ
ウム又はスルホニウム類等のカチオン界面活性剤;カル
ボン酸、スルホン酸、燐酸、硫酸エステル基、燐酸エス
テル基等の酸性基を含むアニオン界面活性剤;アミノ酸
類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸又は
燐酸エステル等の両性活性剤などを挙げることができ
る。
本発明で使用する表面処理剤は、真球状ポリメチルシル
セスキオキサン粉末、必要に応じて他の粉末成分や各種
添加剤及びバインダー樹脂を適当な容器に採り、ボール
ミル、三本ロール、アトライター又はサンドミル等の分
散機を用いて均一になるように攪拌・混合することによ
り、得ることができる。なお、真球状ポリメチルシルセ
スキオキサン粉末は、上記したバインダー樹脂との分散
性が極めて優れていることから、粉末成分が真球状ポリ
メチルシルセスキオキサン粉末単独の場合は、ホモミキ
サーのような分散機でも容易に分散・混合することがで
きる。
本発明で使用する表面処理剤は使用するバインダー樹脂
に応じて、有機溶媒に溶解させた有機溶媒溶液型又はエ
マルジョン型である。この場合の稀釈溶媒としては、例
えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、エチレング
リコールモノアセテート等のエステル類;エチレングリ
コールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエ
チルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエ
ーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素;メチレンクロライド、エチレンクロライド、四
塩化炭素、クロロホルム、ジクロルベンゼン等のハロゲ
ン化炭化水素等を挙げることができる。また、エマルジ
ョン状態の表面処理剤を得るには、真球状ポリメチルシ
ルセスキオキサン粉末等と界面活性剤とに水を添加した
のち、超音波により均一に分散させたのち、バインダー
樹脂をそのまま又はバインダー樹脂エマルジョンを添加
し、混合することにより得ることができる。
本発明の表面処理剤を用いてフィルム表面の処理を行う
場合は、例えば、バーコーター等を用いて均一な厚さに
なるように塗布したのち、通常は常温で放置することに
より乾燥させ、また硬化させて被覆層を形成することに
より行う。
このようにして表面処理されたフィルムの構造を第1図
及び第2図に基づいて説明する。なお、第1図及び第2
図はいずれも表面処理されたフィルムの断面図であり、
ここで第1図は粉末成分が真球状ポリメチルシルセスキ
オキサン粉末単独の場合であり、第2図は粉末成分が混
合系の場合である。すなわち、表面処理後のフィルム
は、フィルム1上にバインダー樹脂(第2図の場合はバ
インダー樹脂と他の粉末成分4)からなるバインダー樹
脂層2及び該バインダー樹脂層2から突出した状態で存
在している真球状ポリメチルシルセスキオキサン粉末3
からなる被覆層が形成された構造を有している。また、
他の粉末成分4は、バインダー樹脂層2から突出したも
のがあってもよい。上記したように、かかるフィルム表
面にあっては、真球状ポリメチルシルセスキオキサン粉
末3の粒子径がバインダー樹脂層2の厚さよりも(該バ
インダー樹脂層2が他の粉末成分4を含む場合にはバイ
ンダー樹脂層2の厚さ及び他の粉末成分4の粒子径のい
ずれよりも)必ず大きいことが必要であるが、かかる場
合に真球状ポリメチルシルセスキオキサン粉末の粒子径
があまり大きすぎる場合には、該粉末の欠落が生じ易く
なり継続して安定した滑り性を付与することが困難であ
る。したがって、真球状ポリメチルシルセスキオキサン
粉末の平均粒子径の大きさが、バインダー樹脂層の厚さ
の4倍以下であることが好ましい。また、バインダー樹
脂層の厚さは特に制限されず、通常は0.1μm以上であ
り、好ましくは0.2μm以上であるが、この厚さは、上
記の真球状ポリメチルシルセスキオキサン粉末との粒子
径に関連して決定することができる。
本発明の表面処理方法は、紙、ポリエチレンテレフタレ
ートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレン
フィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、酢酸セルロースフ
ィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリフッ化ビニリ
デンフィルムなどの各種フィルムの表面処理方法として
適用することができる。
また、本発明で使用する表面処理剤は、粘着テープの粘
着成分として使用することができる。例えば、本発明の
表面処理方法で処理されたフィルムは、用途に応じて、
該フィルム上の被覆層を介して他の同種もしくは異種の
材質からなるフィルムと接着させることができ、また、
同様に表面処理したフィルムをその被覆層を介して複数
積層した形にすることができる。かかるフィルムの使用
方法の場合には、粉末成分として、真球状ポリメチルシ
ルセスキオキサン粉末と共に上記した他の粉末成分を配
合することが、他のフィルムと接着させた場合の密着性
に優れていることから好ましい。
[発明の効果] 以上説明したとおり本発明の表面処理方法は、プラスチ
ックフィルムや紙類などの表面の滑り性を向上させ、か
つこの滑り性を持続させることができる。また、表面処
理剤中の滑り性を付与しうる有用成分であるポリメチル
シルセスキオキサン粉末が、ほぼ真球状であることか
ら、フィルム表面の全面において均一な凹凸状態を形成
できることから安定な滑り性を付与することができる。
これは、従来の表面処理剤による処理では、処理面の凹
凸状態が不均一であることから安定した滑り性を付与で
きなかったということに比べて非常に優れている。さら
に、ポリメチルシルセスキオキサン粉末が粒子径の揃っ
た真球状であることから、粉落ちの問題も発生すること
が少ない。
[実施例] 以下、本発明を実施例を掲げて説明する。なお、実施例
及び比較例中の「部」はすべて「重量部」を表す。
合成例1 温度計、還流器および攪拌機のついた4ツロフラスコに
水4,000部と28%アンモニア水溶液50部を仕込み、100r.
p.mで10分間攪拌して均一なアンモニア水溶液にした。
このアンモニア水溶液に、塩素原子換算量で10ppmのメ
チルトリメトキシシラン600部を、5r.p.mで攪拌機を回
しながらアンモニア水溶液中に混ざらないようにすみや
かに加え、上層にメチルトリメトキシシラン層、下層に
アンモニア水溶液層の2層状態になるようにした。次い
で攪拌機の攪拌速度を20r.p.mにして2層状態を保持し
ながらメチルトリメトキシシランとアンモニア水溶液と
の界面において加水分解・縮合反応を進行させた。反応
が進むにつれ、反応物は下層に徐々に沈降し、下層は反
応物が浮遊して白濁し、上層のメチルトリメトキシシラ
ン層は、徐々に層が薄くなり、約3時間で消失した(目
視により確認)。さらに温度を50〜60℃に保持し、同条
件で3時間攪拌を行った後、25℃に冷却した。次いで析
出した生成物を100メッシュの金網で過後、遠心分離
により脱水してケーキ状にし、このケーキ層を200℃の
乾燥器中で乾燥させた。これをラボジェットを用いて解
砕して、白色粉末を得た。
このようにして得たポリメチルシルセスキオキサン粉末
を、電子顕微鏡で観察したところ、粒子径のX軸とY軸
の比が1.0〜1.2であるほぼ真球状であり、平均粒子径が
約1.9μmのものであった。
合成例2 合成例1における28%濃度アンモニア水溶液の量を100
部、2層状態にした後の攪拌速度を15r.p.mにした以外
は合成例1と同様の方法にて、平均粒子径1.2μmの真
球状ポリメチルシルセスキオキサン粉末を得た。
合成例3 合成例1における28%濃度アンモニア水溶液の量を5
部、2層状態にした後の攪拌速度を25r.p.mにした以外
は合成例1と同様の方法にて、平均粒子径4.5μmの真
球状ポリメチルシルセスキオキサン粉末を得た。
実施例1 容器中にダイアナールBR88(ポリメチルメタクリレー
ト,三菱レーヨン(株)製商品名)25部、トルエン300
部、酢酸エチル200部及びn−ヘキサン475部を入れたの
ち、均一になるように混合して混合溶液を得た。次いで
この混合溶液1000部に合成例1で得たポリメチルシルセ
スキオキサン粉末0.3部を加えたのち、ホモミキサー中
で1000r.p.mで20分間混合した。合成例1で得たポリメ
チルシルセスキオキサン粉末は容易に系に分散し、本発
明の表面処理剤の溶液を得た。
この表面処理剤の溶液をバーコーター♯12(ヨシミツ精
機(株)製)を用いて厚さ50μmのポリエチレンテレフ
タレートフィルム支持体上に乾燥後のバインダー層の厚
さが0.7μmになるように塗布し、その後常温下にて48
時間放置して、被覆層を形成した。このようにして表面
処理されたフィルムについて以下の評価を行った。その
結果を第1表に示す。
被覆層の外観:被覆層中の粉末の分散状態を目視により
観察した。
耐摩耗性:フィルムを2枚に切断したのち、それぞれの
被覆層を合わせて、軽く100回摺り合わせた場合の、フ
ィルム表面の状態を光学顕微鏡で観察した。
静摩擦関数:静摩擦係数測定器HEIDEN−10型(新東化学
(株)製)を用いて測定した。
比較例1 合成例1で得たポリメチルシルセスキオキサン粉末の代
わりにホモカル(炭酸カルシウム粉末,粒子径0.3μm,
白石工業(株)製)1.0部を用いた以外は実施例1と同
様にして比較用表面処理剤の溶液を得た。ホモカルは合
成例1で得たポリメチルシルセスキオキサン粉末に比べ
て分散し難かった。次いで、比較用表面処理剤の溶液を
用いて、実施例1と同様にしてポリエチレンテレフタレ
ートフィルムの表面を処理し、同様の評価を行った。そ
の結果を第1表に示す。
実施例2〜3及び比較例2〜3 容器中にダイアナールBR88 20部、アクリディックA−8
/0−45(アクリルポリオール,大日本インキ化学工業
(株)製)11部、硬化剤としてバーノックD−750(イ
ソシアネート,大日本インキ化学工業(株)製)5部、
溶剤としてトルエン200部、酢酸エチル200部及びn−ヘ
キサン64部を入れたのち、均一になるように混合して混
合溶液を得た。次いで、この混合溶液1000部に第2表に
示すような配合量で合成例2で得たポリメチルシルセス
キオキサン粉末、合成例3で得たポリメチルシルセスキ
オキサン粉末又はホモカル、アエロジル130(煙霧質シ
リカ、日本アエロジル工業(株)製)を配合し、実施例
1と同様の方法で混合して本発明の表面処理剤の溶液及
び比較用表面処理剤の溶液を得た。
得られた実施例及び比較例の各溶液を用いて、乾燥後の
バインダー層の厚さが0.5μmになるようにした以外は
実施例1と同様にしてポリエチレンテレフタレートフィ
ルムの表面を処理し、同様の評価を行った。結果を第2
表に示す。
実施例4〜5及び比較例4 第3表に示す量の真球状ポリメチルシルセスキオキサン
粉末とエマルゲン920(ノニオン系界面活性剤,化王
(株)製)1.5部を容器に入れ、十分に混合したのち、
さらに市水300部を徐々に加えた。次いで、この溶液に
超音波を60分間通じて均一に分散させたのち、サランラ
テックスL−502(塩化ビニリデンラテックス,固形分5
0%,旭化成(株)製)1000部を加えて均一になるよう
に混合し、本発明の表面処理剤の溶液を得た。
また、比較例として第3表に示すとおり真球状ポリメチ
ルシルセスキオキサンの代わりにアエロジル200を4.0部
用いる以外は実施例3と同様の方法で比較用表面処理剤
の溶液を得た。
得られた実施例及び比較例の各溶液を、コロナ放電処理
した厚さ22μmのポリプロピレンフィルム表面に、ロッ
ドバーコーター♯3(ヨシミツ精機(株)製)を用いて
乾燥後のバインダー層の厚さが3μmになるように塗布
した。塗布後、常温で48時間放置して被覆層を形成した
フィルムについて下記の各試験を行った。
被覆層の外観:実施例1と同じ。
静摩擦係数:実施例1と同じ。
動摩擦係数:回転ドラム型表面性測定器(新東化学製)
を用い、ロッド径4mm、荷重30g及び回転数66.9r.p.m.の
条件で測定した。
粘着性:JIS Z−1515の耐ブロッキング度試験に準じて、
加熱条件を50℃、24時間とし、2枚の試験片が粘着する
かどうかを観察した。
ヒートシール性:センチネルヒートシーラー片面バータ
イプを用いて、荷重2kgf/cm2を印加し、140℃で1秒間
加熱して密着させた各フィルムについて、引張り試験機
を用いて300mm/分の引張り速度で引張り強さを測定して
ヒートシール性を評価した。なお、評価は表面処理して
いないポリプロピレンフィルムの引張り強さを100とし
た場合の相対値で行った。
実施例6〜7及び比較例5,6 第4表に示すようにポリメチルシルセスキオキサン粉末
とアエロジル200をトルエン中に添加したのち、均一に
なるように混合して分散液を得た。なお、実施例6,7及
び比較例5の場合は、ホモミキサーで攪拌・混合し、ま
た実施例8及び比較例6の場合は、直径2mmのガラスビ
ーズを分散媒としてサンドグラインダーを用いて1,000
回転/分で60分間攪拌・混合することにより分散を行っ
た。
次いで、かかる各分散液100部に対してシリコーン系感
圧接着剤100部を添加・混合して本発明及び比較用の各
表面処理剤溶液を得た。なお、シリコーン系感圧接着剤
は、両末端がジメチルヒドロキシシリル基で閉塞され、
残りがジメチルシロキサン単位である25℃の粘度が500,
000cpのポリジメチルシロキサン250部、(CH3)3SiO1/2
位とSiO2単位からなり、(CH3)3SiO1/2単位のSiO2単位1
モルに対する比が0.65モルである樹脂状共重合体の50%
トルエン溶液500部及びキシレン250部を均一になるよう
に混合して得たものである。
得られた各表面処理剤を用いて実施例4及び5と同様に
して表面処理したポリプロピレンフィルムを得、同様の
評価試験を行った。結果を第5表に示す。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は本発明の表面処理剤で処理した場合
のフィルムの断面図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粒子の80%以上が平均粒子径の±30%の範
    囲にある真球状ポリメチルシルセスキオキサン粉末と熱
    可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂からなるバインダー樹脂を
    含む、有機溶媒溶液型又はエマルジョン型の表面処理剤
    を、表面処理後のバインダー樹脂層の厚さが該真球状ポ
    リメチルシルセスキオキサン粉末の粒子径より小さくな
    るよう塗布することを特徴とする表面処理方法。
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